2008年12月31日水曜日

2008年ベスト&ワースト

2008年といっても10月からなんでそんなでもないだろ、というツッコミはなしの方向で
とりあえずワーストからいってみましょう

1位:荒野のドラゴン
2位:ブルー・レクイエム
3位:音符と昆布

どいつもこいつもがっかりな顔ぶれですね
個人的にギリギリつまらないラインの作品が好きですが、こいつらは越えちゃいけない一線を軽々と越えてやがるぜえ…

と、気分を切り替えてベスト3をば

1位:明日、君がいない
2位:雨に唄えば
3位:ブレインデッド

という感じで
しょうじき「ホット・ファズ」も最高のデキだったけど、今振り返ると若干そうでもない感が
とりあえず1位、2位はダントツですね
なんだかんだで過去作品からこういう面白いものが見つかるのもいいけど、もうちょっと新作もみていきたいなあと

というところで今年もここまで
また来年ということで良いお年を

2008年12月30日火曜日

12月のこれ一本

12月って師走とかいって一年で一番いそがしい時じゃない
それなのに今月はまあまあ本数みたなあ、と
休日を人並みなハッピーライフに過ごせないダメな大人代表です

そんなこんなで今月の一本はもう悩むことなく一択
「明日、君がいない」これしかありませんね
見てしばらく経つのにいまだに心に残るものがあります
結局はみんな自分のことだけで手一杯なのよ…
「なんで分かってあげられなかったんだ」とはよくドラマなんかであるセリフの一つですが、現実世界では「めんどくさいから関わりたくない」が現状でしょう
しょせん他人は他人、自分は自分…でも、ちょっと考え直してもいいんじゃないかな、と思わされた一作でした

2008年12月29日月曜日

フライトプラン

監督:ロベルト・シュヴェンケ
出演:ジョディ・フォスター / ピーター・サースガード / ショーン・ビーン / ケイト・ビーハン / エリカ・クリステンセン / マーリーン・ローストン / ヤナ・コレサロワ / グレタ・スカッキ / マイケル・アービー / アッサフ・コーエン / クリスティアン・ベルケル / シェーン・エデルマン / メアリー・ギャラガー / ヘイリー・ラム / フォレスト・ランディス / ジュディス・スコット / ジョン・ベンジャミン・ヒッキー / ブレント・セクストン


死んだ夫の棺を移送するため、母娘で飛行機に搭乗する
そして飛び立った機内で突如として娘が姿を消すのだった

狭い機内の中、娘はどこにもいない
それどころか搭乗記録にも載ってない…こいつは、まさにこいつは「フォーガットン」系の話ですね
個人的にもこういう妄想か現実か、はたまた異星人かというトリックは大好きです

中盤、完全に娘がいないと突きつけられてパニックなり、ママさんがとんでもない行動に出たあたりから「これ、妄想女のホラー…?」と思っちゃいましたね
精神的に不安定、って要素もからんできてるんだろうけどキチっぷりがホントに怖い

で、キモのオチはというと…ダメだこりゃ
細い糸をたぐりよせるようにネタバレに向かい、ラストにドーンと滝のように流れてオチ…ってのが理想だけど、これは唐突にネタバレが突きつけられます
ええ、見てる方はポカーン状態ですよ
たぶん色々とめんどくさくなったのか、とりあえず狭い機内でのキチっぷりを描きたかっただけなのか、終わり方がパワープレイすぎる

どうせなら娘は妄想→実はいた→でもやっぱ妄想って感じでホラーテイストのままの方が面白いんじゃないかなあ
もしくは異星人の実験でした、でもいいよ

とにかくおしい
ネタバレまでは普通に見入ってしまいましたね

個人的評価:40点
オススメ度:まずはフォーガットンを見るんだ。話はそれからだ




フライトプラン 予告

ハロウィン(1978年版)

監督:ジョン・カーペンター
出演:ドナルド・プレザンス / ジェイミー・リー・カーティス / トニー・モラン / ナンシー・ルーミス / P・J・ソールズ / チャールズ・サイファーズ / カイル・リチャーズ


あるハロウィンの前日、15年の時を経て凶悪な殺人犯が脱走する
そして殺人犯は故郷に戻り、ハロウィンの夜が始まる

子供の頃に怖くてびくつきながら見たような懐かしい感じの作品
まあ30年前の映画だから当然かもしれないけど
使い古された古典的なホラー演出が今では逆に新しく思え、それでいて見てる間のドキドキ感はまったく色あせない、みたいな

ブギーマンという殺人鬼のいわゆる怪人ものなんだけど、今どきの殺人ショーではなく「来るのか?来るのか?」と思わせといて来ないっていう作風
所々でブギーマンはうっすらと姿を見せてはパッと消えて、見てる側にもプレッシャーがかかるため殺害シーンに入らなくても意外に退屈はしない
まあ、でもさすがに地味っていえば地味な展開ですね

これは言わない方が大人のマナーなのか分かりませんが、ブギーマンが狙う相手の基準がまったく不明
きちんとストーキングしてるから手当たり次第ってわけでもないし、たまたま見た人を狩ってるのか?
でも服を奪うために人を襲ってるから、それなりな理性はあるのかなあ
ぶっちゃけご都合主義でも盛り上がればいいじゃん、ですかね

とりあえずホラーでファックシーン担当は死亡フラグ

個人的評価:60点
オススメ度:たまには古典で懐かしむのも




ハロウィン(1978年版) 予告

2008年12月28日日曜日

ワン・ミス・コール

監督:エリック・ヴァレット
出演:エドワード・バーンズ / シャニン・ソサモン / アナ・クラウディア・タランコン / レイ・ワイズ / アズラ・スカイ / ジョニー・ルイス / ジェイソン・ベージ / マーガレット・チョー / ミーガン・グッド / ローダ・グリフィス / ドーン・ディニンガー / アリエル・ウィンター / サラ・クビック / リーガン・ラム / カレン・バイアー / アラナ・ロック / デーブ・スペクター / ローラ・ハリング


未来の自分から携帯にかかってくる死の直前、その最期のボイスメッセージの謎を解こうと奔走する

とりあえず「着信アリ」は未見
なんかこういうリメイクものってすごく臭うじゃない、ということで視聴を
うん、まさに期待通りのクソっぷり

ホラーというより、サスペンスよりなのか…って感じがして、怖いというよりどういう死に方して、どんなふうにまとめるんだろうと、ドキドキワクワク鼻ほじりながら楽しめましたね
サスペンスの醍醐味、解明編的なところを「ほら、霊だし。ドーンって感じでやったんじゃね?」とか言われると笑顔のまま拳を握りたくなりますね
とりあえず困ったらお化け屋敷っぽい「ドーン」演出で誤魔化す大人…素敵です

特にラスボス登場時の派手な演出にはもういろんな意味で大爆笑でしたよ
それ以外だとデーブさん、こんなトコでなにやってるんスかくらいしか記憶に残ってないですね
とにかくうっすい内容のどこにでもある作品をとりあえず食える料理に仕上げてみました、みたいな

そうえば色々と謎は残ったような気もするけど、ほら、まあ霊がやったことだし…ってことで、ひとつ

個人的評価:10点
オススメ度:ルナさん萌え




ワン・ミス・コール 予告

リボルバー

監督:ガイ・リッチー
出演:ジェイソン・ステイサム / レイ・リオッタ / ヴィンセント・パストーレ / アンドレ・ベンジャミン / マーク・ストロング / テレンス・メイナード / フランチェスカ・アニス / アンドリュー・ハワード / アンジェラ・ローレン・スミス / トム・ウー


ギャンブラーのである主人公は彼のボスにはめられて刑務所へ
そして主人公は復讐を胸に出所、元ボスのいるカジノへと向かう

スタイリッシュクレイジーガンアクションと聞いて…まんまと監督にはめられました
しかも悪い意味で

元ボスの組織とその敵対組織、さらに裏社会を牛耳る大ボスの存在、そして主人公を助ける代わりに従属させる高利貸しグループの暗躍…
それぞれの組織と登場人物が入り乱れて争いが過熱していくさまは非常に面白いし、主人公周りは謎だらけでとても話しに引き込まれます
謎は少しずつ解け、そして新たな謎が浮かび上がり…と、本当に面白かった

途中までは、ね
俺はお前だとか、これからは俺がお前を支配するとか主人公の内面、精神的な描写がはじまってから怪しくなりだします
ひんぱんに「ゲーム」という言葉が使われ、登場人物が自分の内なる声と葛藤しはじめると、ちょっとヤバイ臭いがするもまだなんとか見てられた
だけど、最後の最後まで見ると皆こう思うだろう
「は?なに?意味わかんねえ」

いちおラストについてひとつの解釈はできます
ようするに壮大な夢落ち、ってやつで
だけど、最後でそんな臭いを残さないから見てる方は釈然としない
夢落ちならそれでいい、ラストにそれっぽいシーンを入れてもらえれば安心できる

映像的にはとてもスタイリッシュ
銃撃戦もいい感じ
でも、見終わった後に時間を「悪い意味で」無駄にしたなあと思いました

個人的評価:20点
オススメ度:君も驚愕のペテンを体験しよう




リボルバー 予告

2008年12月26日金曜日

Biohazard: Degeneration

監督:神谷誠
出演:ポール・メルシエ / アリソン・コート / ローラ・ベイリー / スティーヴ・ブラム / ミシェル・ラフ / マイケル・ソリッチ / クリスピン・フリーマン / ロジャー・クレイグ・スミス


空港にT-ウィルス感染者が現れ、さらに感染者を乗せた飛行機が墜落してくる
偶然に居合わせたクレア、救出にきたレオンらは生存者たち脱出の戦いを始める

分かっちゃいたけどゲームやってない人は置いてけぼり炸裂
そして時代に逆行したノロノロ無個性ゾンビさんたちに不思議な安心感が
最近のゲーム版同様、怖さの欠片もなくパニックもほどんどない、というかこれは陰謀劇ですね
陰謀劇として見れば、それなりに楽しめます

CGのすごさで驚かせる時代じゃない、ってのはよく分かってるようでキチンと演出面にもそれなりによくできてます
でもCGに対する目が肥えてしまった現在では、どうにもゲームのムービーシーンを見ている感覚に…
というのも劇中の展開がゲームでありそう、もしくはゲームであったような感じで進む
ピンチ、ピンチ、またピンチ…ああ、いちいちゲーム的だなあ、と

こういう作品はだいたいキレイに話しがまとまらず、俺たちの戦いはこれからだENDになりがちだけど、これはよくまとまってる方だと思う
ただ最後のシーンだけは、ね…
お、まあまあすっきり終われるかな、と思いきや…

退屈はしないし、映画的にもどっかで見たような感じはバリバリだけど普通におもしろい
まあ、でも一番おもしろかったのは映像特典の大統領の会見かな

個人的評価:70点
オススメ度:レオンさんの破格っぷりを堪能しましょう




Biohazard: Degeneration 予告

カンフー・ダンク!

監督:チュ・イエンピン
出演:ジェイ・チョウ / シャーリーン・チョイ / チェン・ボーリン / バロン・チェン / エリック・ツァン / ン・マンタ / リー・リーチュン / リャン・カーヤン / エディ・コー


武術学校でカンフーと瞬間移動を学んで育った捨て子の主人公
大学でバスケをしながら親を捜すことになるのだが

瞬間移動って!どんだけトンデモ素敵カンフーバスケ映画なんだよ!
と別のベクトルで期待して見たのに、ここまで裏切られたのは久しぶりですよ
なに、このキャラかぶりイケメンバスケ映画…いやだわ

カンフー、バスケ、ドラマ、コメディ、ロマンス、どれをとっても中途半端すぎる
瞬間移動を要する主人公と弱小チームのチームプレイVSエリート超能力カンフーチームの対決とかさ、こっちはそういうの期待して見たわけよ
がっかりだわ
いちいちどうでもいいエピソードをはさむのもイラっとくる

とりあえずライバルチームの登場コスチュームと乱闘シーンだけはちょっと面白かった
ちょっとだけね

個人的評価:20点
オススメ度:全国のスラムダンクファンに捧ぐ。嘘




カンフー・ダンク! 予告

2008年12月23日火曜日

永井豪ワールド まぼろしパンティVSへんちんポコイダー

監督:河崎実
出演: 小森未来 / なべやかん / 風野舞子 / 北川絵美 / 三葉あい / 佐久間百合子 / レイパー佐藤 / 越康広 / カバキツトム / 笹川大輔 / 正岡邦夫 / きくち英一 / アゴ勇 / 永井豪


あまりの学園内犯罪の多さに学園警察もあるクライム学園
そこで独自に悪と戦う半裸のヒロイン、まぼろしパンティが今日もゆく

もっと、もっとだ!俺をもっと失望させてくれ!
ということでまたもやタイトルを聞いただけでそそりますなあ
と、気張って見たものの…おーい、意外と面白いじゃねえかよ
ひたすらに全力でくだらない、そのくだらなさが一線をこえるとちょっと面白くなるものです

クソ脚本を豪華キャスト&湯水のように金を使ったCG、そんな映画はくだらない
クソ脚本をアホキャストでバカ演出すれば、ちょっと面白い
そういうことでひとつ

いや、なんというか内容について書くこととか特にないというか、そもそも内容じたいがないというか…
商業的な成功を度外視して、こういう作品が作られる日本っていいよね
そして、こんな作品を喜びいさんで買うおっさんてどうなんでしょうね

個人的評価:60点
オススメ度:ひどいもの見たさにかられたらどうぞ

2008年12月22日月曜日

ロボフォース 鉄甲無敵マリア

監督:デビッド・チャン
出演:サリー・イップ / ジョン・シャム / ツイ・ハーク / ベン・ラム / ラム・チェンイン / カーク・ウォン / トニー・レオン


香港を乗っ取るために現れた悪の秘密組織「英雄党」
警察用の新兵器を開発しているルーニー、記者のチェン、組織を抜けたウイスキーがひょんなことから出会い、組織に追われることになるのだった

最近、まあ外れることはないだろうというチョイスをしていた自分に叱責する意味で視聴
ロボフォース!香港映画!パッケージには半目の女!
こいつはぷんぷんするぜえ…ああ、見る前から死臭が漂ってるぜえ…

ある意味で覚悟完了して見てみると、冒頭から武装した警察官たちがスタンバイ
そこに登場する英雄党の秘密兵器、人間よりちょっと大きいロボット「パイオニア1号」!
その凶悪な外見はまるで…まるで、というかどうみてもザクです
「なんでザク?!」って感じで、もうのっけから大爆笑ですよ
いや、なんというか素敵ですね

その後、英雄党の女幹部マリアの顔をソックリ真似て作られた、人間サイズのパイオニア2号ことロボマリアが出てきたけど、なんか自滅した上に主人公たちに改造されて仲間に
で、ザクVSロボマリアの戦いになるんだけど、そんなことより随所にツッコミどころが多すぎて、しかもそれを狙ってるのか?と思うほど心の中でツッコミをいれる行為じたいが楽しすぎる
明らかな大地雷を期待…じゃなくて覚悟していただけに予想以上の面白さだった

すいません、なんかこの監督のファンになりそうです

個人的評価:80点
オススメ度:実写版のザクが見たい人はどうぞ

2008年12月21日日曜日

過去のない男

監督: アキ・カウリスマキ
出演:マルック・ペルトラ / カティ・オウティネン / ユハニ・ニエメラ / カイヤ・パカリネン / サカリ・クオスマネン / アンニッキ・タハティ / マルコ・ハーヴィスト / ヨウニ・サーリオ / ユッカ・テーリサーリ / ユルキ・テリラ


列車から降り立った一人の男がベンチでうたた寝していると、暴漢たちに襲われ身ぐるみを奪われた上にリンチを受ける
そして記憶喪失になった男は見知らぬ土地で何も分からぬままに生きていく

いやあ、いいわ
記憶喪失のおっさんに対する冷酷さと暖かさ
ずっとローテンションで物語は進むけど、常にポジティブなところに帰結するのがいい
次々におっさんにトラブルが起こるが、無口でひょうひょうとしていて、ふてぶてしくてひたすら前向きな主人公はすごいわ
ある意味でほれた

おっさん周りのキャラもいい味しすぎな人たちばっかりで、基本的にいい人の集団のためなんか見てて癒されるというか
この世界観そのものがおとぎ話、とても現実とは思えないけど心地いいファンタジーですね

過去のない男、記憶喪失ものなんだけど、過去があかされたところで「それはそれ」みたいな感じで過去より今、そして未来だろ、という雰囲気が素敵です
劇中でも「人生は過去には進まない。前にしか進まない」みたいなこというけど、しょうじきエブリデイネガティブスパイラルな自分にとって心が洗われる言葉でございました

僕も寿司と演歌の似合う、そんなおっさんになりたい

個人的評価:90点
オススメ度:ひどく人を選ぶと思う

ジャンパー

監督:ダグ・リーマン
出演:ヘイデン・クリステンセン / ジェイミー・ベル / レイチェル・ビルソン / サミュエル・L・ジャクソン / ダイアン・レイン / マイケル・ルーカー / アナソフィア・ロブ / マックス・シエリオット / トム・ハルス / ジェシー・ジェームズ / クリステン・スチュワート


ある日、自分に既知の場所にテレポートできるジャンプ能力があると知った少年
子供だった彼はその能力を犯罪に使って裕福になるが、そんな生活も長くは続かなかった

俺、なんか特殊な能力あるし!
この力があれば、あんなこともこんなこともやり放題じゃね?
主人公としてその発想はどうかと思うけど、まあ人ってそんなもんですよね
まあ、でも見てて主人公がピンチにおちいっても、結局「お前だって犯罪者じゃん」と感情移入できません

序盤はとにかく退屈で、この設定でここまでつまらない作品にするのも才能だな、と思ったけど二人目のジャンパーが出てくるとやっと面白くなってきた
とにかく小気味よくポンポンとジャンプしてくれるんで、テンポはいい感じ
一方で、ジャンプ能力にあるていどの制約はあるけど使用によるペナルティがないので、作品的にひどく軽い印象を受けますね

世界には複数のジャンパーがいるらしいけど、なんでそんな能力があるのか説明ないのはどうもね
ひどく洋ゲー的に「お前にはその力があるし、世界にも同じやつがいる」といってミステリアスさをあおっておきながら、敵についても能力についても投げっぱなし
B級的に慣れてるからまあ、いいけどね

ちょっとネタバレになるけど、ラストバトルこそジャンパー同士の能力バトルにした方が盛り上がったと思うんですが
そして、これ、なんとなくテレビシリーズ向きな内容だな、と思いましたね

個人的評価:60点
オススメ度:頭をからっぽにして見るのに最適




ジャンパー 予告編

2008年12月19日金曜日

タクシデルミア ある剥製師の遺言

監督:パールフィ・ジョルジ
出演:ツェネ・チャバ / トローチャーニ・ゲルゲイ / マルク・ビシュショフ / コッパーニ・ゾルターン / シュタンツェル・アデール / ヘゲドゥーシュ・デー・ゲーザ


それぞれ異なった趣向の変人親子三代の物語

バカで下品という個人的にツボまくりな設定なんですが、これどうもアートよりな色合いが強かったです
で、コメディといえばコメディな気もするけど、そこまで笑えはしません
ブラックエログロなアート系映像作品みてるような感じで

一本の映画っていうより親子三代それぞれの短編オムニバスみたいなもんなんで、見てて退屈することはないけど、主人公の存在がブレまくりなんで画面に全力でついていかないと登場人物の関係がよく分からなくなるでしょうね
とにかくこれコメディとして通して作ればけっこう面白くなると思うんだけど…
いや、これもこれで面白いけど、なんか飛び抜けたものがないというかなというか

まあ、たまにはこういう監督の自慰作品に付き合うのも悪くないかもしれません

個人的評価:60点
オススメ度:わりと誰得




タクシデルミア ある剥製師の遺言 予告

2008年12月16日火曜日

4ヶ月、3週と2日

監督:クリスティアン・ムンジウ
出演:アナマリア・マリンカ / ローラ・ヴァシリウ / ヴラド・イヴァノフ / アレクサンドル・ポトチェアン / リュミニータ・ゲオルギュー / アディ・カラウレアヌ


大学の女子寮、ルームメイトであるオティリアとガビツァはとある事情から一人の男とホテルで会う約束をする
小さな嘘とアクシデントが二人を追いつめていく

これは前情報なしで見るのが正しい内容ですね
なんの説明もないまま、ルームメイトの部屋にカメラが投げ込まれ淡々と状況が進むんだけど、一体なんの映画なんだと見る側が探る感覚がいい
本題に入るまでだれるかと思いきや、ほどよく日常にハプニングが挟まれるので退屈はしませんでしたね
というか全編通して、日常も怒りも平穏も衝撃的なことも常に低いテンションで冷たく描かれてる感じが、雰囲気的にすごく画面に対する求心力がをもってる

見終わった後も、この内容をどんなジャンルにするか悩んだけど、結局は日常的な恐怖というんでしょうか…まあ、そんな感じで
人間としてのリアルがひしひしと伝わってきて、登場人物がキャラクターの設定というのではなく、ひどく生々しい
ふだんなら個人的に「おいおい、とんだビッチだな」と一蹴するような登場人物の行動も、「ああ、まあそうなるよね」と感じてしまう

終わり方もいい
内容自体が生々しいけど、全体を通して冷たい空気感のために、ラストは本来の自分の現実に戻してくれるような感覚が強くなりましたね
フェードアウトするより、後腐れなくこの映画を断ち切るように見れる感じで良し

だけど、見終わったあとにも何かが脳裏にこびりついてる感覚…
ハリウッド慣れしてると、こういう映画が新鮮ですごい面白く思えますね

個人的評価:80点
オススメ度:リア充は見ない方がいい、かも?




4ヶ月、3週と2日 予告

2008年12月14日日曜日

死霊のしたたり

監督:スチュアート・ゴードン
出演:ジェフリー・コムズ / ブルース・アボット / バーバラ・クランプトン / デヴィッド・ゲイル / ロバート・サンプソン / ジェリー・ブラック / キャロリン・パーディ・ゴードン


とある医学生ダンのもとに同居人ウエストが越してきた
そのウエストは死体蘇生を研究しており、ダンがたびたび死体を運びにいくモルグに興味をしめす

さすがに85年の作品だけあって、古くさくパワー不足はいなめないけど十分に面白い
というかこれブレインデッドと同じ系統ととらえていいんですよね…?
個人的にはホラーコメディという位置づけで

とにかくダンくんのノリがよすぎて困らない
明らかに災厄の大元はウエストなのに、あえてそこはスルーして
ウエスト「俺たちがやるんだ」
ダン「う、うん…」
みたいな感じで、ずるずると泥沼にはまっていく様が滑稽でいい

ツッコミどころをあえて許せる映画と許せない映画があるけど、これは許せる映画ですね
なんともいえない愛嬌があるっていうか、面白い方向に転がれば設定なんてどうでもいいです
あえて許せないのは邦題のセンスのなさ
公開当時の事情からして「死霊~」をつけるのは資本主義の大人のマナーだったのかもしれないけど…

ああ、これ2以降のシリーズもあるのか
でも無駄に名前だけ借りてシリーズを重ねる作品は激しく地雷だからなあ

個人的評価:70点
オススメ度:したたってるけど死霊じゃない




死霊のしたたり 予告

2008年12月12日金曜日

明日、君がいない

監督:ムラーリ・K・タルリ
出演:テレサ・パーマー / ジョエル・マッケンジー / クレメンティーヌ・メラー / チャールズ・ベアード / サム・ハリス / フランク・スウィート


いつもと同じ朝、いつもと同じように登校してきた6人の男女の学生たち
しかし、それぞれ人にはおいそれと言えない悩みや苦しみを抱いていた

とりあえず、という感覚でだらだら見てたら、すっかりと映画の中に引き込まれてました
映像的な力がすごすぎる
常に胸ぐらをつかまれていて、そのまま押されたり引き寄せられたりされてる感覚

それぞれの人物の物語が一つの結末に向かって、時間軸を交差しながら紡がれているんだけど、見終わったあとなら何故こういう手法をとったのかわかる
すべては直視するのもちょっときついラストのために
たぶんほとんどの人がこのラストを見たら「え?なんで?」と思うでしょうね
実際、自分もそうだったので、たまらずネットで調べたら同じように「なんで?」ばかり

で、最後にもう一度、DVD収録の日本版予告編(下のとはちがいます)を見て、この映画の答えがなんとなく分かりましたね
この日本版予告にある監督の言葉
「この映画が、私だけではなく
多くの人の命を救うことを願ってやまない」
という一文を見て、やっともやもやが消えました

これ、けっこう精神的なダメージがきっついけど、逆に健全な人より日頃いろんなしがらみで心が病みそうな人ほど見た方がいい映画じゃないかと

個人的評価:90点
オススメ度:たまには考える映画でもどうぞ




明日、君がいない 予告

2008年12月8日月曜日

カンフーくん

監督:小田一生
出演:チャン・チュワン / 泉ピン子 / 藤本七海 / 藤田ライアン / 佐藤和也 / 長内大祐 / 松田昂大 / 矢口真里 / 佐藤めぐみ / 川平慈英 / 上野樹里 / 古田新太 / 堤下敦 / 桜塚やっくん / 金剛地武志 / 武田真治 / 伊武雅刀 / 笹野高史 / 佐田真由美 / 西村雅彦


少林寺の最終試練のために日本に飛ばされたカンフーくん
最後の敵を求めて今日もどこかでカンフーくん

冬のカンフー特集第三弾。特集?
最初は良質なバカ映画かと思ったけど、見てるうちに「これ、子供向け映画じゃね?」と見る前に気づこうぜと自責
とにかくゆっるい笑いに王道で分かりやすく、ご都合主義なお子様作品でございました
こいつぁ危険だ…おっさんの見るもんじゃねえぜぇ…

とりあえず少林少女よりはCGのダメな意味(褒め言葉)での使い方はいい
ギャグも、まあ、ちょっとは笑えるけど弾ける域まではいかないかなあ
ええ、ここで打ち明けますと子供が嫌いなわたくしにとって、カンフーくんのかわいさがまったく分かりません
たぶんこれってこの映画を見る上で致命的なことかも

あと芸人系の方が出てるような気がしますが、そういう方々の知識も興味もないんで面白さがわかりません
つーか、日本映画で客寄せに流行りの芸人使うのやめようぜ。マジで…

もうしばらくカンフー映画はカンベン
パンダとかいらね

個人的評価:40点
オススメ度:小さなお子様にどうぞ




カンフーくん 予告

2008年12月7日日曜日

ドラゴン・キングダム

監督:ロブ・ミンコフ
出演:ジャッキー・チェン / ジェット・リー / マイケル・アンガラノ / コリン・チョウ / リウ・イーフェイ / リー・ビンビン / モーガン・ブノワ


ボストンに住む主人公の少年が、中華街のおっさんに如意棒を託される
そして、気づくと西遊記の世界へ入り込み、そこで孫悟空に如意棒を返す旅が始まる

僕らのジャッキーとジェット・リー先生の共演ってだけで見るじゃない
でもねえ、ぶっちゃけねえ、思ってより面白くな…いや、僕らのジャッキーとジェット・リー先生の映画がつまらないわけが…つまらないわけが…いや、やっぱりあんまりおもしろくないわ
とりあえず冒頭のCGバリバリで引いたわ。ガッカリだわ

と、酷くいうのも少林少女はレンタルですませたけど、こっちはBD版買ってるんだよという私怨だけどね
一般的にはすっごい娯楽大作で、見てて飽きないし万人向けの良作だとは思いますよ
でもねえ、僕らのジャッキーとジェット・リー先生が仲間になっちゃダメじゃん
それでなくてもラスボスがえらい個性的に目立たない人なんだから
真ボスでヴァンダムかセガール先生でも用意しとかないと、主人公側が余裕すぎてぜんぜん緊張感ないよ

いちおとってつけたような主人公側のピンチもあるけど、展開的にドキドキ感の欠片もないってどうよ?
とりあえず僕らのジャッキーとジェット・リー先生とのバトルシーンがクライマックスでした
あとはどうでもいい

と書いてきたけど、少林少女と違ってマジで一般的には娯楽大作だと思うよ
あったかい家庭でわいわい言いながら見ればいいんじゃないでしょうか

個人的評価:60点
オススメ度:普通って素晴らしい




ドラゴン・キングダム 予告

少林少女

監督:本広克行
出演:柴咲コウ / 仲村トオル / キティ・チャン / ティン・カイマン / ラム・チーチョン / 岡村隆史 / 江口洋介


9年間、中国で少林拳の修行をしてきた主人公の少女
日本に帰ってみるとおじいちゃんの道場は廃屋に、かつての門下生は皆それぞれの生活を営んでいた

世に酷評を受けた映画を見て、どんだけ自分が歪んでるのか再確認しようじゃないか
というわけで、結論から言うと普通に見れました
まあ、面白くはないけどね
ラストの決着の付け方は不覚にも爆笑しちゃいましたが、それ以外は特に印象に残ってない
とりあえず、このくらいの内容なら余裕で耐性がある事が分かったよ

きょうびここまで設定に意外性がないんじゃ受けは悪いでしょうね
ありふれた使い古しの少年マンガ的なノリですね

で、気になった点を書いていくと、無駄にCG使いすぎ、展開をはしょりすぎ、意味不明なカット多すぎ
今どきこんなにCG部分が映像的に浮いてるのは珍しいね
あと、とりまく友人たちとの仲良くなる過程とか、ラクロスがうまくなる過程、敵が襲ってくる過程、主人公が最後に覚醒する過程…もうちょっと丁寧に描いた方が、ね
最後に説明セリフとか、ここで笑ってほしいのか?と思わせるけど、別にいらないカットが多い

最後に誰もが思うんじゃないかな
ラクロスパートってなんのためにあったの?

個人的評価:50点
オススメ度:宴席とかで背後に流しておく分にはいいんじゃね?




少林少女 予告

2008年12月5日金曜日

スキャナー・ダークリー

監督:リチャード・リンクレイター
出演:キアヌ・リーブス / ロバート・ダウニーJr. / ウディ・ハレルソン / ロリー・コクレイン / ウィノナ・ライダー


麻薬「D」を取り締まるため、主人公の捜査官はおとり捜査をはじめる
捜査を進める上で怪しまれないために、やむをえず「D」を自らも摂取せざるえなくなり…

実写にアニメのレンダリングっていうか、こういう表現をなんていうのか知らないけど、とりあえずスタイリッシュですね
というか、それが全てじゃなかろうか
ぶっちゃけ、よく内容はわかりません
薬中どもの会話とか行動は見てて面白いし、主人公をとりまく環境の変化も見てて飽きないんだけど、ちょっと淡々としすぎじゃなかろうか

最後まで特に盛り上がるシーンもなく、ラストへ向けての展開も「あー、そういうことね」とも思うけど、もうちょい見てる方を興奮させる過剰演出とかあっても…
良くも悪くも古典的な短編SF小説を読んでる感じ、ですかね
もしくは盛り上がらない攻殻機動隊を見てる感じ

いや、決してつまらないわけじゃなく、こういうSFも好きですよ
中二病助長映画っぽい気がしないでもないですが

個人的評価:70点
オススメ度:絵的にありならいいんじゃないかと




スキャナー・ダークリー 予告

2008年12月4日木曜日

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

監督:エドガー・ライト
出演:サイモン・ペグ / ニック・フロスト / ジム・ブロードベント / パディ・コンシダイン / ティモシー・ダルトン / ビル・ナイ / ビリー・ホワイトロー / エドワード・ウッドワード / ビル・ベイリー / デヴィッド・ブラッドレー / ケヴィン・エルドン / レイフ・スポール / カール・ジョンソン / オリヴィア・コールマン / ケネス・クラナム / ピーター・ワイト / アン・リード / ジュリア・ディーキン / パトリシア・フランクリン / ポール・フリーマン / スチュアート・ウィルソン / アダム・バクストン / ロン・クック / マーティン・フリーマン / ルーシー・パンチ / デヴィッド・スレルフォール


優秀すぎるゆえに上役の妬みからロスから田舎にとばされた主人公の警察官
犯罪率の低い田舎の村で堅実に警官としての仕事を務める中、ひとつの事件が起こる

最高に真剣でアホな映画
もう、その一言がすべてじゃないでしょうか
とりあえず警察もののコメディのいい所が全部はいってます
だがギリギリ破綻してない…どころか面白さが倍増してる
いやあ、発売を心待ちにしてて、ここまで期待を良い方に裏切られたのは久しぶりだわ

最初はとりあえず都会と田舎の温度差コメディ
だけど、とある事件が起きてから「え?これ、コメディ…だよね」とちょっと見方が変わります
ようするにポリスアカデミー的なギャグマンガ的コメディじゃないんですね
ひどく説明がしづらいんですが、最高に真剣でアホな映画としかいえません

話の作りも飽きさせないようにしてますし、とりあえず劇中フラグを全回収してるのは高評価
なにげなくパッと出てきたカット、シーン、小物なんかが後で「ああ、そうくるか」といきてくるギミックが個人的に大好物なもんで、もうたまりませんね

とにかく、笑えて、にやけて、驚いて、恐怖して、燃えて、興奮して、ちょっといい話だなあを味わえる至高の一品ではないでしょうか

個人的評価:100点
オススメ度:見なさい




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