2009年3月31日火曜日

3月のこれ一本

3月はコメディ強化月間だったことにしよう
しかし、まあ、なんともテンションが落ちる系のハズレを引きすぎましたね
そして逆にテンションがマックスまで上がった映画も見れたんでよしとしましょう

というわけで今月は「僕らのミライへ逆回転」一択で
序盤のややダルイ展開さえ乗り切れば神映画、まさにゴッド映画、力こそパワーだ
ホントにこれこそ日本人が見るべきコメディ
「ゲット・スマート」とか「俺たちダンクシューター」なんて見てへらへら笑ってちゃいかんのですよ

なぜか日本では外国のコメディって不遇なんですよね
面白いのにけっこう劇場未公開とかあるし
やっぱりアクションかサスペンス、ホラーですか
たまに見るならSFかロマンスですか
と、冷静に考えるとコメディって見に行くシチュエーションが想像しづらいかも

友達や家族、恋人と「よし、今日はコメディ映画でも見に行くか!」という人はなかなかいないか…
薄暗い部屋で背中まるめてひとりでコメディ見てうひゃうひゃ言ってるおっさんを誰か愛してください

2009年3月30日月曜日

弾突 DANTOTSU (2008/米)

監督:ロエル・レーヌ
出演:スティーヴン・セガール / ランス・ヘンリクセン / ブランチャード・ライアン / ポール・カルデロン / レネー・エリス・ゴールズベリー / アーサー・ナスカレラ / リディア・グレイス・ジョーダン / マーク・エリオット・ウィルソン / アントニー・コロネ / マット・サリンジャー


殺し屋から足を洗って警官になるも、警察の金を横領した濡れ衣を着せられてクビになった男マット
自堕落に生きる彼の前に殺し屋としての腕を買う組織が現れる

映画界の三大先生、ジェット・リー、竹内力、そしてスティーヴン・セガール!
最近、どうも期待してた作品のハズレにテンションが落ちてたけど、ちょうど僕らのセガール先生の新作が出たんで元気をもらおうと視聴

まあ、なんというか、良い意味でいつも通りで安心した
ストーリーから美術から漂う臭みすら感じる昭和臭に大満足ですわ
それでも今回はそれなりに内容もあって、誰が味方で誰が敵なのかというドキドキ感も微妙にあります

相変わらずセガール先生の無敵っぷりは健在で、顔に一発殴られたのと主人公のステータスである銃撃戦で腕にかすり傷以外はノーダメです
倒れた敵にだめ押しの追撃を入れた時、もうセガール先生信者は大興奮です
ただ、やっぱり年にはかなわないのか、今作でも格闘以外での走る飛ぶ系のアクションはなし…

あとなんていうか、セガール先生から一流スターからにじみ出るオーラが薄らいできてる気がしないでもないようなあるような
ぶっちゃけファーストシーンでセガール先生でた時に「普通のリアルおっさんやなー」と不覚にも思ってしまいましたよ
まだまだセガール先生信仰が足りませんね

総じて楽しめたんだけど、ちょっとクライマックスがいただけない
ネタバレして書いていくけど、最後の戦闘でマットの娘が人質にとられるんだけど、しばらくした別のシーンでは何事もなかったように娘さんは逃げ出してる不思議
さらにその娘さんは戦闘が続く中、初対面のはずのマットの仲間をかばいます
で、そのマットの仲間も娘さんにまだ戦闘継続中なのに「早くお父さんの所へ行って」とか言っちゃいます
最後の決着も隠れもせず、銃を撃ちながら悠然と歩いてくるラスボスをマットが普通に射殺して終わり
さすがにこの決着の仕方は「ない」と言わざるえない
説教しながらながらタコ殴り、戦意喪失しても追撃コンボでしめてくれよ…

と、まあ、細かいツッコミなどセガール先生の映画には無粋でしかないんだけどね
そんな感じでパワーをもらったようなそうでもないような一本でした

個人的評価:70点(非セガール信者はここから-40点)
オススメ度:セガール先生、マジおっさんの鑑




弾突 DANTOTSU 予告

2009年3月29日日曜日

ヴァリエテ (1925/独)

監督:E・A・デュポン
出演:エミール・ヤニングス / リア・デ・プッティ / ワーウィック・ウォード / マリー・デルシャフト / ゲオルク・ヨーン / クルト・ゲロン / パウル・レーコプフ / チャールズ・リンカーン / アリス・ヘチー / トルーデ・ヘスターベルク


有名な曲芸師アルティネリ兄弟の兄がベルリンでの大舞台の前に怪我をしてしまう
そこでアルティネリ(弟)は腕のいい夫婦曲芸師と組むことにするが、やがてその妻にひかれていく

たまにクラシックなのも見たくなるお年頃
DVDには冒頭に懐かしの淀長こと淀川長治さんの解説入りで大満足ですね
なんか淀長さんの言ってることと内容が微妙にかみ合わない気がするのはお約束ってことで

曲芸+愛憎劇…なんかグッとくるものがあるじゃない
いわゆる無声映画なんですが、退屈どころか冒頭いきなり刑務所から始まって見てる側の「なんだ?」という好奇心を刺激しまくりです
その後は話の全容が見えるまでちょっと時間がかかるけど、そろそろこの展開も飽きてきたなという絶妙なタイミングで次のステップへと話が移っていくので飽きません

モノクロの古い作品な上に無声映画ってことで、飾りっ気ない美術をバックにどうしても演者さんが前面に出てきてしまうんですね
だけど、じゃっかんオーバーながら声がないかわりに非常に分かりやすい演技をしてくれるんで、演じる様を十分に堪能できます
最近の映画では隠れがちな演技を楽しめる作品ですね

アルティネリの男前っぷり、妻ベルタの小悪魔っぷり、そして夫のフラーのおっさんぷり…というかじょじょに狂気じみていく表情は最高ですね
見せる所は見せる、引くところは引く、昔の作品だろうとそうでなかろうと基本的な所がしっかりしてると見れる映画になるのは確か

それでもちょっと食い足りないラストな気がしないでもないですが、最近の映画ばかり見てると忘れがちなものがクラシックの名作の中にはあると思いますね

個人的評価:80点
オススメ度:ナイス眼力

2009年3月27日金曜日

俺たちダンクシューター (2008/米)

監督:ケント・アルターマン
出演:ウィル・フェレル / ウディ・ハレルソン / アンドレ・ベンジャミン / モーラ・ティアニー / ウィル・アーネット / アンディ・リクター / ロブ・コードリー / デレイ・デイヴィス / ジョシュ・ブラーテン / ピーター・コーネル / ジェイ・フィリップス / ジャッキー・アール・ヘイリー


1970年、大ヒット曲を飛ばしたジャッキー・ムーン
そんな彼が1973年、ABAリーグでトロピックスという弱小ながらパフォーマンスに特化したバスケチームを設立する

俺たちシリーズ(?)最新作です
パッケージ、タイトル、あらすじ、すべてから死臭…じゃなくて素敵なB級臭がただよいますね
内容だってそんな臭いに負けずに中途半端で泣けるぜ!

NBAとは対照的なゆっるいバスケリーグABA、間違った方向に熱い男ジャッキー・ムーン、弱小チームが強くなっていくスポ根
これらの面白くなりそうな要素をなにひとついかしきれてない内容に泣いた
まあ、でもコメディとしては普通に面白いですが、パンチが足りないというかなんというか
俺たち~を冠するに値しないというか

それでも前半は視聴者側にツッコミ役をやらせる感じで「アホか!」「ねーよ!」と笑えるポイントもあって、まあ良作かなあと思ってた…んだけどね
どうにもチームが本格的にバスケをプレイしだすあたりから面白みが…
この手の内容だとスポ根コメディの教科書「ドッジボール」とどうしても比べてしまうんですよね
で、比べた結果、こっちはどうも普通すぎるというか

それぞれのキャラとそれ関連のエピソードはなんか伏線でもあるか、と思わせといて投げっぱなしがほとんどなのもちょっと…
思わせぶりに描かないで、突き抜けたアホ描写しちゃえばいいじゃん、と

クライマックスもイマイチな感じで
なんでもありなコメディなんだから、もっと夢のある展開にできなかったものかと
ああ、もうネタバレ書いちゃうけど、最後の試合がNBA入りも閉ざされた上に4位決定戦ってどうよ?
嘘でもミラクル1位で文句なしNBA入りおめでとうでいいじゃね?って感じで

まあ、細かい文句ばっかり言ってるのも、この作品に期待してたんですよ、マジで
「ゲット・スマート」といい、この作品といい最近のアメリカのコメディはうっすいなあ

個人的評価:40点
オススメ度:そりゃ日本でアメリカのコメディ映画が不遇にもなるわ




俺たちダンクシューター 予告

2009年3月23日月曜日

1408号室 (2007/米)

監督:ミカエル・ハフストローム
出演:ジョン・キューザック / サミュエル・L・ジャクソン / メアリー・マコーマック / ジャスミン・ジェシカ・アンソニー / トニー・シャルーブ / アンドリュー・リー・ポッツ


心霊現象を信じないオカルトライターのマイクは、各地のいわくつきのスポットを取材して本にしていた
ある日、彼はとあるホテルの一時間もたずにみんな死んだという1408号室に泊まるのだった

劇場公開時に面白そうだなと思ってた作品で、いつの間にかDVD出てたんでさっそく視聴
なんていうか、こんなの僕が求めてた映画じゃないっていうのが第一印象ですね
もっとこう真綿で首を絞めるようにじわじわっとくる感じだと思ってたら、ドッキリハウスでビックリドキドキしていってね、だった

しかも一つ一つのドッキリトラップが古くさい上に、仕掛けに脈絡がない
まさに悪ふざけしすぎな子供のイタズラレベル…序盤まではだけど
あとは主人公の心が折れるの早すぎな気がしてならない
最初は意気揚々と部屋に入ったのに、序盤も序盤で何度か驚かされて怪我しただけで「俺の負けだ、出してくれ!」とかヘタレすぎるだろ
まあ、確かに自分の身におこったらイヤだけど、映画的にもっとがんばる気持ちをみせようぜ、と

こういう限られた空間で延々と話が進むのは嫌いじゃないけど、密室で外に出られずなんか恐怖が襲ってくるってシチュエーションはやっぱり何人か集まった状態の方が効果的な気がしますね
もう最初っから部屋には主人公ひとりだけだし、しかも部屋の悪意におかされていく様は狂気じみて怖いというよりなんかひとり芝居が滑稽に感じるから困る

終盤はちょっと「いいね」と思ったけど、やっぱりラストのオチとか古くさいんだよなあ
なんかダメなトコばかり書いてますが、そう悪い映画じゃない…きがしないでもなくない?
とりあえず主人公の演技はいいね
できればもっとキチっぷりを出してくれると盛り上がった
あと、別にアフロサムライの人っていらなくね?

個人的評価:50点
オススメ度:悪くはないが良くもない、悪い意味で普通




1408号室 予告

2009年3月22日日曜日

スーパーマリオ 魔界帝国の女神 (1993/米)

監督:ロッキー・モートン / アナベル・ヤンケル
出演:ボブ・ホスキンス / ジョン・レグイザモ / サマンサ・マシス / デニス・ホッパー / フィッシャー・スティーヴンス / リチャード・エドソン / フィオナ・ショー / ドナ・カミンスキー / モジョ・ニクソン


ブルックリンで配管工をしているマリオとルイージは、連続女性失踪事件に巻き込まれることになる
別次元で人間と同じように進化した恐竜の存在が事件の裏側にあるのだった

ゲームでおなじみのマリオたちの配管工という日常をリアルに描きすぎて、公開当時に見た自分は夢を失った一本
クッパが恐竜から進化した強面のおじちゃんだったり、ヨッシーがミニサイズのややリアルな恐竜だったり、キノコの描写がどろどろねちょねちょでリアル路線だったりと素敵です
マリオとルイージも見るからにおっさんと若者って感じなんだけど、ルイージは孤児だったのをマリオに育てられたって経緯らしいです

ぶっちゃけネタとして寝落ちする覚悟で見てたけど、そんなに悪くないっていうか思いの外がんばってる感じがしましたね
劣化バックトゥザフューチャーというか、劣化ラビリンスというか、劣化ネバーエンディングストーリーっていうか…
普通に楽しめるけど、飛び抜けて面白いってわけじゃないのがアレですが

内容的にはマリオたちの世界と、クッパたちの別次元をつなぐ鍵であるデイジー姫と隕石の欠片を追いつ追われつしながらドタバタするって感じで
ちょっと展開とか子供っぽい冒険活劇な感じがするのは仕方ないかもしれないですが、今自分の子供とかこれ見ても鼻で笑うだろ、なくらいに子供っぽい
そんな子供っぽさと設定を違う方向に力を入れてリアル路線(?)にしたことによるギャップを楽しむものですね

冷静に見ればツッコミどころ満載ですが、それをふまえて楽しんであげましょう
あと、この手の映画によくあることですが、別にマリオじゃなくていいじゃん

個人的評価:60点
オススメ度:マリオ、マジメタボハゲおっさん




スーパーマリオ 魔界帝国の女神 予告

2009年3月20日金曜日

おくりびと (2008/日)

監督:滝田洋二郎
出演:本木雅弘 / 広末涼子 / 余貴美子 / 吉行和子 / 笹野高史 / 山崎努 / 杉本哲太 / 峰岸徹 / 山田辰夫 / 橘ユキコ


チェロ奏者だった主人公は所属していた楽団の解散を機に、妻と共に生まれ故郷の山形へと戻る
そこで新たな人生を歩むために就職した先は、遺体の旅立ちの準備をする納棺師という仕事だった

たまには流行りものも見てもいい、よね
まあ、ここだけの話、もう一本「バイオハザードX」という有名ゲームソフトの映画化した、のかもしれないやつも見たんだけど、あまりに退屈で開始30分で寝落ちして起きたらエンドロールでした
というわけでパッケージ裏の「アカデミー賞ノミネート」といううたい文句からして、発売延期とかしてがんばってパッケージ作り直す気はなかったんだなあ、という「おくりびと」です

というか散々にテレビでやってたんで、話の筋は知ってるし、あろうことかある番組のアホコメンテーターがラストの展開までしゃべってくれたんで、ぶっちゃけ終始フラットな感情のままでした
第一に感じたことは「これ、泣きを狙ってるというより、エンタテイメントな作りに近いなあ」と
とにかく話から演技から演出から分かりやすすぎるくらいに分かりやすい
力を入れて見入るってより、リラックスして見るのに適してると思いますね

そんな中で広末涼子の演技が狙ってるのかどうかしらないけど、分かりづらすぎる
お前わらってるのか、悲しいのか、怒ってるのか、なんか悟ってるのか、はっきりしろよと言いたくなる
ヘタに周りを固める役者陣が統一された分かりやすい演技なんで、よけいに広末涼子のなじんでなさが浮いてる気がする

あとはいいなあ、と思うシーンのほとんどがアカデミー賞受賞した時のテレビのニュースなんかで扱ってた所ばっかだったんで、特にいまさら感が…ね
無理だと思うけど、なんの予備知識もなく見た方が面白いかもしれませんね

いいところは他の人がいっぱい書くだろうから、あえてダメな所だけ書いていくけど、なんで劇中の登場人物は謝らないのか理解できない
誰しも一時の感情でキツイ言葉とかダメな行動とかしちゃうのはしょうがない
だけど、ドラマの中だけでもちゃんと相手に謝ろうぜ
それがないんで、最後まですっきりしない気分を引きずりましたよ

最後に、ラストのネタバレされた映画のつまらなさは異常

個人的評価:60点
オススメ度:若干微妙に面白い




おくりびと 予告

劇場版フランダースの犬(1997/日)

監督:黒田昌郎
出演:津村まこと / 丹下桜 / 山本圭 / 岡江久美子 / 八木光生 / 富田耕生 / 中西妙子 / 八木亜希子


貧しくもおじいさんと犬のパトラッシュと幸せに暮らす少年ネロ
しかし、数々の不幸の積み重ねがネロの人生を狂わせていく

一年続いたアニメを100分ちょいでまとめるとか地雷だろ
ただ有名なラストをやりたいだけじゃねえの
と、思ってた見る前の自分を殴ってやりたい

幸せなネロにこっちも笑顔になるさ、落ち込んだネロを見てると悲しくなるさ、そして有名すぎてもういいんじゃね?ってくらいにテレビでさんざ流されてるラストで号泣
あまり乾いた心のおっさんを泣かせない方がいい

しょうじき徐々に不幸になっていって、あのラストって意外に内容そのものは忘れてたけど、今みてもじゅうぶんに視聴に耐えられます
たださすがにダイジェストっぽくなってる感もいなめないので、あるていど行間を読む能力が必要
特に優秀作品に選ばれた絵のくだりは、もっと明快にしてもよかったんじゃないかと
あきらかにネロに届けさせた金で買った絵を自分で描いたようにコンクールにだして優勝した、という感じなんだけど、はっきりしないままなんですよね

あとは映画として見た時の作品としてはちょっと見劣りする所もあります
だけど、まあ、原作アニメを見た人のイメージを壊さないようにって配慮なのかもしれませんが
追加された成長したアロアのエピソードは賛否が分かれるかもしれません
個人的には映画としては「あり」、フランダースの犬的には「なし」ですね

「僕らのミライへ逆回転」のようなここで終わってほしい、という所で終わってくれる気持ちよさがない
個人的にはアロアがネロの名前を叫ぶところでエンドクレジットが一番いいかな、と
その後のシーンはこの作品をちょっと救われる内容にしてますが、それって「フランダースの犬」じゃなくないか、と

しかし、名作には名作たるゆえんがあるってことをしみじみと感じた一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:おっさんがアニメを見て泣くとかどうよ?というツッコミはなしで

2009年3月15日日曜日

ホット・ショット (1991/米)

監督:ジム・エイブラハムズ
出演:チャーリー・シーン / ケーリー・エルウェス / ヴァレリア・ゴリーノ / ロイド・ブリッジズ / ケヴィン・ダン / ジョン・クライヤー / ウィリアム・オライリー / クリスティ・スワンソン / エフレム・ジンバリストJr. / ビル・アーウィン / ハイディ・スウェドバーグ / ブルース・A・ヤング


一度は海軍を除隊させられたが、重要な作戦を前に軍に戻されたエースパイロットのトッパー
しかし、彼は死んだ父親のことを考えると著しく情緒不安定になる重度のファザコンだった

あんまりにも「ゲット・スマート」がアレな感じだったので、精神安定のために視聴
これはもう清々しいほどベッタベタなコメディですね
ぶっちゃけ「ポリス・アカデミー」は越えられないけど、軽く口直しに見る映画には最適です

映画的にはチャーリー・シーンの株が一気に下がった一作ですね
しかも主演が彼だってだけで、周りのボケキャラたちがちょっとかすんでしまってもったいない
内容もこういうコントの積み重ねみたいな映画は「はあ?」ってクールにつっこんじゃう野暮な人には向かないし、しょうじきそれほど面白い所もないんですね

だが、常に言うように全力で作った微妙な映画より、アホ丸出しで作った微妙な映画の方が好感がもてるんですよ
身の程知らずで作った駄作より、身の程知らなすぎでなんか突き抜けちゃってる駄作の方が面白いじゃない
この映画はもう馬鹿な大人たちが酒の席で出たようなネタをホントに映像化しちゃってる感がたまらない
しかも映画にしようと考えた勇気に乾杯したい

まあ、でもなにか特別な理由もなく見ようとは思わない一本だけどね
見れば懐かしくて、妙に心が落ち着く…個人的にそんな作品なんですよ

個人的評価:60点
オススメ度:今の若い人たちが見たら、パロディの元ネタがいくつ分かるんだろうか




ホット・ショット 予告

ゲット・スマート (2008/米)

監督:ピーター・シーガル
出演:スティーヴ・カレル / アン・ハサウェイ / ドウェイン・ジョンソン / アラン・アーキン / テレンス・スタンプ / テリー・クルーズ / デヴィッド・コーチナー / ジェームズ・カーン / ビル・マーレイ / パトリック・ウォーバートン / マシ・オカ / ネイト・トレンス / ケン・デイヴィシャン / デヴィッド・S・リー / ダリープ・シン / ジェフ・ピアソン


諜報組織「コントロール」に所属する情報分析のエキスパートのマックス
彼と凄腕女スパイのエージェント99はテロ組織「カオス」の野望を阻止するために活動する

うーん、なんだろうこの脱力感は…
まったく笑えないコメディパート、微妙なアクションパート、盛り上がらないクライマックス、で?って感じのラスト
中途半端なダメコメディの見本ですね

映画じたいの総合的なクオリティは高いんだけど、どうにもこうにも盛り上がらない
悪い映画じゃないんで、家族とわいわいながら見するのには最適じゃないでしょうか
テレビとかでやってたら見てもいいかなレベル
いや、悪くはない…悪くはないんだ
ただ、なんというか、個人的につまらないんだ

内容的にはこってこてのスパイアクションに、時たまどうでもいいギャグがはさまりつつ、眠気を誘うストーリーが展開していく…いや、いかんな、悪くはないんだよ
ただ、もう特筆すべき事がなにもないっていうか、どっかで見たようなシーンの連続っていうか、そういう意味では安心して見られますけどね

序盤に主人公がホースを上手く使って頭脳プレイするんだけど、そういう感じで主人公は頭脳プレイでヒロインはスタイリッシュアクションってので最後まで貫けばよかったんじゃないかな
結局は劇中では主人公は頭脳派としても肉体派としても中途半端なまんまだしね

個人的評価:20点
オススメ度:悪くはない。ただ面白くないだけだ




ゲット・スマート 予告

2009年3月10日火曜日

婦人排球 ママズ・アタック (2003/日)

監督:伊藤秀裕
出演:片桐夕子 / 寺島まゆみ / 小川美那子 / 白川和子 / 風祭ゆき / 日向明子 / 葉山レイコ / 岡元あつこ / 中村利恵


熟女の仲良しママさん三人組がある日、若いママさん集団に挑発されバレーで勝負することになる
しかし、メンバーが足りない上にバレーの経験のない三人は…

おばちゃんしか写ってなくて、どう考えても売る気がないパッケージとタイトルセンスにひかれて購入
日活ロマンポルノとかしょうじき見たことないけど、熟れたママさんたちの同窓会的なノリってのは分かりましたね
さすがに定価では買わなかったけど、この映画のDVDは定価で16,000円とかマジキチと言わざるえない
別に豪華なボックス仕様とかじゃなくて、ごく普通のトール型DVDケースに一枚ディスクが入ってるだけなんですけどね

内容はもうスポ根の王道中の王道っていうか、展開が読めすぎて逆にすがすがしいわ
たぶんここで紹介しても見ようと思う人はいないだろうから書くけど、バレー未経験の三人組が強豪バレーチームに挑むんですね
そこでまずは足りないメンバーを探し、極道、オカマ、実業団クラスのバレー経験者をゲット
なんとか試合に臨もうと練習するけど、試合直前にエースのバレー経験者が怪我でリタイア、オカマはママさんバレーに男とかねえよって感じで出場できず

再びメンバーが足りなくなって落ち込んでるところに、キャッチ能力が高い女浮浪者、異常なジャンプ力の女教師を急遽くわえて試合に挑みます
いい感じで試合が進むけど、終盤に敵チームの故意の反則で女教師が脱落し、ギリギリしかメンバーがいない主人公たちピンチ
そこへ主人公たちのコーをしていた中国人のお姉さんがメンバーに
だけど、すごいやつかと思ってた中華姉ちゃんは実はへっぽこで、怪我をして抜けたバレー経験者のエースが再びチームに戻ります
そして、なんか根性的なパワーで勝利を掴む、と

まさに教科書通り
まあ、ちょっと決着の付き方があっさりしすぎで「ええー」って感じだったけど、ラストのライバルママさんたちのクソガキどもが負けた罰ゲームで、鉄棒逆さ吊り放尿をするシーンで満足した
そして、後日談とかそういうのないまま放尿シーンで終わったこの映画に敬意をはらいたい

個人的評価:60点
オススメ度:真剣に半端物

ピーピー兄弟 (2002/日)

監督:藤田芳康
出演:剣太郎セガール / ぜんじろう / みれいゆ / 香川照之 / 田中裕子 / 岸部一徳 / キダ・タロー / 小林麻子 / 笑福亭松之助 / 北川さおり


実家の葬儀屋を手伝い、夜はストリップ劇場で働く兄弟
二人は漫才師をいつかテレビに出ようと、下品な漫才に磨きをかけていくのだが

剣太郎セガールとか、どうなんだよ実際
って感じで見たけど、荒削りながら予想以上にいい感じじゃない
もっとネタ的な意味で見たけど、普通に面白かった

ストリッパーがアソコにストローさして吹き矢をしたり、漫才で放送禁止用語言ったり、実録ポルノ漫才で町の女をひっかけてはネタにしたり、しょうじき下品だけどこの程度の下ネタでは刺激が足りない
というか、下品を前面に出した映画をよそおって、ホントは兄弟愛を描いたんでしょうが

主役の二人もいいですが、脇役に隙がないのもいいですね
今話題の納棺師なお父ちゃんと、それを支えるお母ちゃん、テレビの汚い部分をそのまま表したようなディレクター、人間的にはすごくいい人なストリッパー、ぶっちゃけグダグダでクソ映画になりそうな雰囲気のこの作品を見れるものにしてるのは脇役の固さかもしれません

内容的にはオーソドックスに、最初はダメダメ漫才コンビだった二人が急に売れ出して、売れたことにより人間性が変わって兄弟の確執があらわになり、だけど結局は血の繋がった二人だけの兄弟じゃないみたいな
いや、でもこういうベッタベタなのも嫌いじゃないよ
むしろ作風が変化球なんで、そういう直球ド真ん中な展開も逆にいい

なにより剣太郎セガールを起用した勇気に乾杯

2009年3月8日日曜日

僕らのミライへ逆回転 (2008/米)

監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ジャック・ブラック / モス・デフ / ダニー・グローヴァー / ミア・ファロー / メロニー・ディアス / シガーニー・ウィーバー / アーヴ・グッチ / チャンドラー・パーカー / アージェイ・スミス / マーカス・カール・フランクリン


とあるレンタルビデオ店の店長が旅行にいく間、一人で留守番をすることになったマイク
そこへ友人の電磁波人間ジェリーが訪れ、電磁波でビデオが全て消えてしまう
二人はなんとかしようと、自主制作で映画を撮ることにするのだが

もうあらすじ見た時から「これは買うしかねえ」と思ってた一本
この映画はホントに自分のツボを知り抜いてるんじゃないか、と思うほどに個人的にパーフェクト
最初の30分はとにかくそこからの展開の下準備として見てほしい
あとはもうコメディとしてのお手本のように楽しめます

二人で最初に作るのが「ゴーストバスターズ」なんですが、それ以外にも色々な映画を彼らなりに「リメイク」していくんですが、元ネタを知らなくても楽しめるんじゃないですかね
まあ、知ってればなお面白いですが

そして基本的に出てくる人たちはみんないい人です
こういういい人が一杯の映画って好きだわ
もちろん悪役も出てきますが、必要最小限でいい感じ
日本ではコメディじたいが受けづらくて、どうしても派手な映画ばかり売れますが、もっとこういう映画みようぜって思いますね
コメディを軽く見過ぎというか、なんというか

そして、ラストね
もうナチュラルに感動して笑顔になったわ
だけど、この映画の個人的に評価できるポイントは「ここで終わってくれ」ってとこで終わってくれたことですね
この後に余計なシーンとかいらないよ、これで終わってくれたら神映画認定しちゃう、と思ったところでホントに終わってくれた奇跡
いいわあ、最高だわ
あくまで超個人的にだけど

ただ、このセンスの欠片もない邦題はどうかと思う

個人的評価:100点
オススメ度:神映画




僕らのミライへ逆回転 予告

※ネタバレしすぎてる感があるので、ちょっと見てやるかなと思ってる人は予告は見ない方がいいです

2009年3月6日金曜日

ファイナル・デスティネーション (2000/米)

監督:ジェームズ・ウォン
出演:デボン・ソーワ / アリ・ラーター / カー・スミス / ショーン・ウィリアム・スコット / トニー・トッド / クリステン・クローク / アマンダ・デットマー / チャド・E・ドネッラ / ダニエル・ローバック / ロジャー・グエンヴァー・スミス / ブレンダン・フェア / トロイ・ヨーク


修学旅行に旅立つために飛行機に乗った主人公は、その機が墜落するイメージを見る
周りの人たちを巻き込んで飛行機から降りたものの、死の運命はまだ消えたわけではなかった

断片的には何度も見てるけど、実は通しでキチンと見たことなかったんで視聴
ようするに次は誰がどんな感じで死ぬのか、ってのを楽しむ内容なんだけど良くできてるわー
オチも分かってて個々がどんな感じで死んでくかも知ってたけど、それでもじゅうぶんに面白かったですね

序盤からよくもまあ飽きさせない展開でシーンを繋いでいく演出は好感触
ただ内容がちょっとなんでもありで殺せる状況なのに、わりとご都合主義な感じがしますね
でもB級っぽくて素敵じゃない
死の順番とか穴があるような気がしないでもないけど、頭からっぽにして「そういうもん」と割り切ってみた方が楽しめます

ラストもあれはあれでいいと思いますね
まあ、続編があるって知ってるからこそ、かもしれないけど
公開当時に見てたらこの投げっぱなしエンドをどう思ったかは知るよしもないってことで

個人的評価:70点
オススメ度:ザ・普通に面白い




ファイナル・デスティネーション 予告

イノセンス (2004/日)

監督:押井守
出演:大塚明夫 / 山寺宏一 / 田中敦子 / 竹中直人 / 大木民夫 / 仲野裕 / 榊原良子 / 武藤寿美


テロを防ぐための組織、公安9課に所属するほぼ全身をサイボーグ化した捜査員バトー
ある日、愛玩用サイボーグの連続暴走事件が発生、これを捜査することになる

今まで未見だったけど攻殻2.0を見たんでせっかくだから視聴
なんというか、もっと前作をイメージしたバトー主役のオリジナル作品化と思ってたんですが、もろに前作の続編でしたね
続編というか後日談というか、番外編というか…
しょうじき前作を見てないと通じないし、見ていたからといってこの作品を一本の映画として作るのはどうなんでしょうかね

なんか難しいセリフ回しをしてはいるけど、要するに暴走サイボーグの犯罪性を証明して、その裏にある原因が分かっただけ
ストーリー的にはかなり薄いんじゃないでしょうか
あとは美術的に素晴らしいのは認めるけど、それを前面に出しすぎると鼻につくだけ
特に今作はエンタテイメント部分で地味な印象が強くて、監督の持つ世界をフィルムに投射しすぎな感が

多少はバカでも大仰でもいいから、もっと娯楽アニメ的な部分がほしかったなあ、と
内容については語るほどのことはなにもないですね
個人的に、こういう全身全霊本気で作ったんだけど客観的な視線で自分の作ったものを見れてない作品はダメダメすぎる
どんなに内容がクソでも作り手がそれを認識してて、俺の限界はこんなもんですがどうですか…というバカ映画は大好きですし楽しめます

高級料亭でお店の自慢の一品がまずかったらボロクソ言うでしょ
でもさびれた食堂で出されたマズイラーメンはボロクソ言わない
そんな感じで

個人的評価:20点
オススメ度:攻殻ファン映画




イノセンス 予告

2009年3月1日日曜日

イースタン・プロミス (2007/英・カナダ・米)

監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ヴィゴ・モーテンセン / ナオミ・ワッツ / ヴァンサン・カッセル / アーミン・ミューラー・スタール / シニード・キューザック / ドナルド・サンプター / ヨセフ・アルティン / ミナ・E・ミナ / アレクサンダル・ミキッチ / サラ・ジャンヌ・ラブロス


ロンドンのとある病院に担ぎ込まれた少女は妊娠しており、子供を産むと引き換えに死んでいった
助産師のアンナは少女の日記を手がかりに子供の引き取り手を探そうとするが、その裏にはロシアンマフィアの影があるのだった

放置してあった積みDVDタワーから適当にチョイスして視聴
しょうじきどんな内容なのか確認せずに見たものだから、ファーストシーンでビックリしましたね
あとは舞台設定が分かりづらい気がしますね
ロシアンマフィアが暗躍するロンドンのとある街…これを理解するのにしばらくかかりましたよ

ロシア語で書かれた日記を翻訳していき、ヒロインが徐々に謎を解明していく話かと思ったらそれだけじゃなかった
深く書くとネタバレになるんでやめますが、ロシアンマフィア側の運転手がじわじわと映画の中で大きくなっていくさまが心地いいですね
そして単純な組織抗争ものかな、と思ったらけっこういい感じで話がまとまっていくのもいい

全体的にスタイリッシュに描いてるんだけど、なんとなく泥臭いというかなんというか
もちろん良い意味で
それもクライマックス(?)のサウナシーンが象徴してるんじゃないでしょうか

ラストは個人的には物足りない感じがしますね
マフィアを扱いつつ銃撃戦がない、というかやらなかったんだろうけど、もうちょっとバイオレンスな感じで終わってもいいんじゃないのかなあ、と
まあ、雰囲気で察することは出来るけど、直前までは盛り上がってたのに最後でちょっと肩すかしをくらった気分です

個人的評価:80点
オススメ度:よく分かるロシアンマフィアの生態




イースタン・プロミス 予告