2010年12月31日金曜日

2010年ベスト&ワースト

あっという間に2010年も終わり、大晦日
と使い回しのきく出だしでアレですが、今年はプライベートでいろいろといつもと違うことがあったわけで
ひとつは突発的なダイエット
毎年、夏の健康診断前に急ごしらえで体調管理をしてたもんですが、今年はそのまま続けて健康的な生活&筋トレを続行し、順調に体重が健康体に近づいております
ほら、こうおっさんになってくるとメタボ上等な感じの中、いきなり痩せると「病気なんじゃねえの」と周りにいらん心配をかけるから困りますね

もうひとつは仕事面での急変
特に今年の後半はマジできつかったわけで、ようやくそれを乗り切ったら来年からはまた別の波がくるようで…
なんかもうどうにでもなれ、って心境

そんな長い前フリはここまでにして、まずはワースト3

1位:いぬばか
2位:鴨川ホルモー
3位:ホテルゾンビ

1位2位はもう何がおもしろいのか意味が分からない、観てて嫌な気分になる希な作品
3位はここまでガッカリ感を味わえるのも珍しい、しかも狙って外してる映画ですね
とにかく「いぬばか」はひどい
犬好きな自分からしても、まったくもって楽しめないから逆にすごいと思います

で、続いてベスト3

1位:インセプション
2位:母なる証明
3位:ボーイズ・オン・ザ・ラン

1位は順当すぎるかもしれませんが、やっぱりおもしろい「インセプション」
いろんな仕掛けがあって、考えながら観てると楽しすぎます
2位はインパクト的な意味で印象深い作品
3位はサラリーマンのファンタジーでありながら、現実を突きつけられる感じがたまらない
そんな感じのベスト3でした

それでは、また来年も良い映画に巡り会えますように

2010年12月30日木曜日

12月のこれ一本

今月もB級もの中心にゾンビやらそうでもないのやらを観てきたわけですが
べ、べつにゾンビとか好きなわけじゃないんだからね!勘違いしないでよね!
ってね、はいはい、どうでもいいどうでもいい

そんなわけで、というお決まりの話題の方向転換に便利な言葉をはきつつ、今月は「セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド」ですね
ホントに個人的にスペインコメディと相性がいいみたいで、そのセンスがひじょうに心地いい
合わない人にはホントに合わないというクセがあるのがアレなんですよね
自分が楽しいからといって、他の人がうんぬんって感じで

そんな微妙にクセのある作品ですが、今月はパッとみた感じでこれが一番かなってことで
また来月

2010年12月29日水曜日

ラストハザード 美しきジハード (2006/米)

監督:マーク・フラット
出演:ジーナ・ラムスデン / ジョシュア・ネルソン / クリスタ・マクナミー / コンスタンティン・ジョサイア・テイラ
ー / ガエタノ・ヤコノ







突如として死人がゾンビ化して生き返る現象が世界中でおこる
そんな時、恋人に殺されたアンジェラは、死後、再び目を開ける…

今年の最後ということで「ラストハザード」
これも某ゾンビスレで名前があがってたものだったような気がします
クオリティがじゃっかん低めなゾンビ版「第9地区」みたいな感じでしょうか
いろいろと残念なところもありますが、「俺のゾンビ映画をみてくれ!」という情熱みたいなものは伝わって…きます?

ある日、その日を境に死者がゾンビとしてよみがえる現象がおこる
ゾンビとはいえ生前の記憶やメンタル的なものはそのまま引き継いでおり、意識レベルは生前のまま
ただ肉体的に皮膚はただれ、傷は二度と直らず、食べ物は生肉しか受け付けなくなる
まさに半死半生状態
生きてる人間からすれば「ゾンビとか気持ち悪いし、怖い」
ゾンビからすれば「半死状態なだけで、なかみは生前といっしょだよ」
社会的にもゾンビは排除すべきか否か揺れている状況で、一部の人間の間でゾンビ狩りが横行する
メンタル的には生前となんら変わりないのに、いわれない暴力や就業拒否など差別対象にされるゾンビたち
そんな社会派な流れのようで、まあ、けっきょくはうまくまとめられずにパワープレイで逃げ切ってる作品ですね

同じゾンビ仲間のなぐさめあいみたいな集いに参加するアンジェラ
私設ゾンビ狩り軍隊に入るアンジェラの元カレ
ゾンビこそ新たな人類の形だと理念を掲げる集団
中立的な(?)アンジェラを軸に人間派とゾンビ派、社会の対応を描きつつ、けっきょくはかなり狭い範囲で泥仕合する、そんな内容なんですが、これがけっこうおもしろい
終盤までは普通に楽しめると思います
心はそのままにゾンビ化したことで、生肉を食べたいという本能ともいえる抗いがたい欲求に苦悩する様や、ゾンビに対する世間の冷遇っぷりがよく描かれていて、そのまま人間が悪者でゾンビが被害者というパターンで進めば普通の新感覚ゾンビものだった

ですが、この作品でゾンビこそ新たな人類の形であり、現存の人間は一部を食料として飼育すればいい、みたいな武闘派ゾンビ集団が出てきてから話がおかしくなってきて、どんどん滑り落ちるようにクソB級化が進みます
それはそれでおもしろいからいいですが、そういった意味でやっぱりクソB級耐性がないとガッカリ感しか残らない映画かもしれません
特にアンジェラがクライマックスで戦うある女との決着の付け方が、なんというか笑いがこみあげてこざるえない
いや、さすがに「なんでそうなる?」と失笑がもれるわ

というわけで、基本は普通におもしろい
ねらいもいい感じで、新感覚ゾンビものとしてもまあ楽しめる
だけどクソB級
ちょっと変なものが観たい時には最適な一本かもしれません

個人的評価:80点
オススメ度:画面が安っぽい印象なのが残念




ラストハザード 美しきジハード 予告



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2010年12月26日日曜日

最後の忠臣蔵 (2010/日)

監督:杉田成道
出演:役所広司 / 佐藤浩市 / 桜庭ななみ / 風吹ジュン / 田中邦衛 / 山本耕史 / 伊武雅刀 / 笈田ヨシ / 安田成美 / 十五世片岡仁左衛門








赤穂浪士の討ち入り後、その事実を知る者として、そしてあとに残った者を助けるために生き残る命をうけた吉衛門
最後の一人のもとを訪れ、その使命を果たした時、吉衛門は討ち入り前夜に姿を消した友の孫左衛門を見かけ・・・

日本の年末、辛い仕事に日々いどむおっさんたちの清涼剤、そんな忠臣蔵のその後を描いた話ですね
しょうじき「また広司か」という印象が強くて、広司はそれほど嫌いじゃないですが、なんというかハマリ役というよりガッチガチな安全セーフティ配役すぎて意外性がない
いや、ホント嫌いじゃないんだけど、安易に想像できる広司演技でそのままやってる感じは否めない

孫左衛門が育ててる娘・可音がいい感じなバディになって、そろそろダーリンを見つけて存分にファックしてもいい年頃になる
で、そんなところに手頃な種馬が見つかるけど、とうの可音は孫左おじさまラヴだし、その出生ゆえにいま一歩ハッピーウエディングな道にふみきれない
そうこうしてるうちにかつての友である吉衛門が現れ、みたいな感じの流れ
育てた娘に惚れられて、嫁がせたい親心と使命に悩みながら、しかも討ち入り前夜に逃げ出した卑怯者として隠れて生きる
まあ、でもそんな孫左衛門にも事情があって・・・と、はっきり言えば、公式サイトとかいってあらすじを読めば、ほぼすべて観たのと同じことじゃないのかな
そう思えるくらいに予定調和と想像通りの展開

びっくりするくらいに意外性は排除されていて、ホントにまったりしっぽり心を落ち着かせて観られる内容ですね
吉衛と孫左のダブル主人公で交錯する人生も描けるだろうけど、あえて孫左エピソードにしぼって高齢者にも優しいシンプルな展開になってます
個人的にはやっぱり吉衛のエピソードを強化して、それぞれの道を生きつつ交差していくのを観たかったかな
孫左エピソードにしぼるのはいいけど、シンプルすぎて展開がゆったりぎみで、ぶっちゃけ眠気に襲われましたね

武士道とか忠義とか日本人的にグッとくるところはけっこうあるし、目が覚めるシーンもあるんですが、いかんせん基本が単調
孫左と大石内蔵助とのやりとりとか、武士の心と女とか、吉衛と孫左の友情、クライマックスの行列、ラストのオチ、そのポイントだけ観るとかなり楽しい作品だけに、あいまあいまの落ち着いた空気が個人的には合わなかったかなあ、と思える一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:抱いて、とか下半身で脳内変換せざるえない




最後の忠臣蔵 予告

2010年12月22日水曜日

ダスク・オブ・ザ・デッド (2008/米)

監督:トビー・ウィルキンス
出演:パウロ・コスタンゾ / ジル・ワグナー / シェー・ウィガム / レイチェル・カーブズ / チャールズ・ベイカー









森にキャンプにきたセスとポリー、途中で怪しい男女に車を強奪され人質としてつかまってしまう
男の言うとおりに車を走らせる中、謎のトゲだらけの生き物を轢いてしまい…

ふたたびゾンビものに戻る、ということでOTDシリーズ
まあ、しょうじきゾンビものじゃないんですけどね
そもそもOTDをつける意味がよく分からないんですけどね
しかし、亜流ゾンビの量産型OTDものにしては、この作品はけっこう普通に楽しめる部類にはいりますね

トゲだらけの謎の生き物を轢いたことでパンクはするわ、なんか車の調子も悪くなるわ、ってところにガソリンスタンドを見つけて立ち寄る4人
そこで血まみれでトゲだらけの男に襲われ、スタンドの店内に逃げ込んでさあ、どうしようって感じの内容
敵の本体はトゲそのもので、生物に寄生して血を餌にして増殖していくタイプの寄生生物もの
本体がトゲだけあって、寄生主の肉体が破損しても普通に行動が可能です
人間の手だけの状態でもにじりよってきます
トゲに刺されることにより感染し、肉体を内部からトゲトゲで支配していくため、ホントに刺されたらそれで感染確定という極悪仕様

スタンドの店内で立てこもっているうちに強盗男を追って警察の人がでてきたり、じょじょに敵の習性が分かってきたりするうちに、どんどん店内の限定された場所に追いやられていくんですが、B級ホラーとしては普通に及第点レベルの緊張感はあります
低予算で敵クリーチャーがイマイチ全体像が分かりづらい、あえてボヤっとした感じのカメラワークで誤魔化してはいますが、ギリギリ安っぽさがない
登場人物的にも訳ありの強盗、知能派だけどたよりにならない主人公の男、かなりアグレッシブなヒロイン、物語の中で強盗の男のエピソードが語られることで単なる薄っぺらいパニックホラーになってないのもいい
トゲの習性がじょじょに明らかになることでじゃっかん深みもでてきます

ホントにコンパクトに無駄なく、かなりいい感じにまとめられた低予算B級ホラー
なにか新しい…という点はありませんが、ガッカリ感は少ない丁寧な作りな一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:いいことをする手段として悪いことをする意味





ダスク・オブ・ザ・デッド 予告



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2010年12月21日火曜日

セイブ・ザ・ラストダンス (2001/米)

監督:トーマス・カーター
出演:ジュリア・スタイルズ / ショーン・パトリック・トーマス / ケリー・ワシントン / フレドロ・スター / テリー・キニー / ビアンカ・ローソン / ビンス・グリーン / ガーランド・ウィット / エリザベス・オース / オーラ・ジョーンズ








心のより所だった母の死によってバレエの道もあきらめ、別れて暮らす父のもとに引っ越したサラ
しかし新しい学校では白人が少数で周りはほぼ黒人という環境なのであった

クソ映画ばかりの日々とかいいかげん精神的にアレなんじゃないかと思い、なんかちょっとよさげな作品を鑑賞
まあ、なんだ、母親の死を乗り越えてダンサーとして成長と成功を描く話かと思ってたのに、フタを開けたら白人と黒人がうんぬんっていう感じで、ままならない恋愛と友情を描いた青春ロマンス学園ものだった件について
もちろんダンスの要素は多々あるものの、どう見てもベースはロマンスですね

母親の死とバレエへの決別をさらっと描いて、早々に新しい土地での新しい生活へと場面が移り、そこで黒人ばかりに囲まれながらも徐々に友達を作っていくサラ
そして、いつしか黒人の恋人までできて、ヒップホップなんかのブラックミュージックに触れ、恋人と語り合ってるうちにダンサーへの道を再び歩む決意をする
そんな感じの展開の中、恋のライバルがちょっかいをだしてきたり、恋人のデレク側の友情話があったり、サラ側の友情話があったり、父親との関係の話があったり、そしてやっぱり黒人と白人という肌の色の問題があったり…物語としては非常にオーソドックスですが早いテンポでうまく乗り切ってる感がありますね
話だけ見ると一昔前の少年少女マンガのロマンスものだけど、ダンスシーンは見てておもしろいし、ねっとり系ロマンスじゃなくてわりとあっさり味なので、そう嫌な感じはしません

しょうじき思ったほどジーンとくるシーンが個人的になく、バレエ経験者ならまた違う感覚もあるのかもしれませんが、ホントにそんなに心温まるポイントはないかな、と
サラがデレクに母親のことを話すくだりはちょっとよかったけど、他はけっこうあっさりしすぎてる感が強いかもしれません
恋愛の悩み、友達の悩み、いろいろあってままならないけど、沈みすぎな重たい展開になりすぎないのは逆にいいかもしれません
それでも父親との確執は中途半端だった気がしないでもない

とりあえずひとつ言えることは、女同士のつきあいってこわいよね
あと、若いっていいよね
と思った一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:ザ・普通




セイブ・ザ・ラストダンス 予告



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2010年12月20日月曜日

巨大クモ軍団vsGO!GO!ダンサーズ (2004/米)

監督:ブレット・パイパー
出演:ミスティ・マンダ / ジュリアン・ウェルズ / エリカ・スミス / ロブ・モンキーウィッツ / マイケル・R・トーマス / ケイトリン・ロス








経営の苦しいストリップバーで働くパッとしない三人娘
ある日、その店の店長あてに届いた謎の怪しい葉っぱから見たこともない蜘蛛が這い出して…

みんな大好きVSシリーズ
今回は巨大クモ軍団とGO!GO!ダンサーズ…まあ、ダンサーズというかストリッパーズなんですけどね
それが巨大で、クモの、軍団と対決するとなったらもうはちきれんばかりですね

話的には経営難による金策として怪しい葉っぱの密売にストリップバーの店長が手をそめ、その葉っぱにいっしょに入っていた謎のクモが逃げ出してさあ大変
害虫駆除業者を手配して対処しようとしているところに、麻薬捜査官まで現れて、みたいな
とりあえず制作側がB級パニックホラーであることを完全に自覚した上で、そんなB級テイストの作品を目指してるのがひしひしと伝わってきます
がんばったけどこのていど、っていうのでなく最初から低い目標を設定してる感じ

そういう意味でB級的なレベルでは安定感はあるんですが、突き抜けたものも意外性のある素敵ポイントも物足りない
極端にガッカリすることはないけど、テンション上がるようなこれといったところもない微妙な作品ですね
貧乳ヒロイン、天然メガネ、やる気なし女な基本三人娘という良キャラは見てて楽しいし、ヘタレナイスガイな害虫駆除の男とか、マジキチ麻薬捜査官、クモ怪人とか素質はけっこういいのに、なんだろう?ホントになにかはじけるものがない

計算された笑いを見せられてる感じがして、それはそれでいいんですが、その笑いが低級すぎて困る
もうちょっとがんばれるのに、安全圏でできる内容を小手先だけで作ったような作品でした

個人的評価:40点
オススメ度:すべての謎は謎のまま…





巨大クモ軍団vsGO!GO!ダンサーズ 予告



2010年12月19日日曜日

ダイナソー・ファイター カンフーVS巨大恐竜 (1997/米)

監督:アンソニー・ダブリン
出演:ダニエル・バーンハード / ロバート・ツダール / トラヴィス・ブルックス・スチュワート / カージャ / レイ・アダッシュ / アンドレ・スクラッグス / デヴィッド・ジェイコブス / アル・ジュリアーノ / マシュー・サキモト / アート・クルス / ジョアン・タカハシ






宇宙からサイボーグがある男を追って地球に降り立つ
そして追跡者として恐竜が放たれる

いいかげんにゾンビものばかりなのもアレなんで、みんな大好きVSシリーズ
今回の夢の対決はカンフーと巨大恐竜…いやあ、いいですよね
カンフーと恐竜の組み合わせもさることながら、恐竜にあえて「巨大」という単語をつけるところが素敵
普通に恐竜といったら巨大なものを想像するのに、あえて巨大恐竜とあらわすのが「等身大人間」とあえて言っちゃうくらいに素敵で、思わずいきりたつ

話はじゃっかん複雑で、サイボーグによって支配された未来の世界(宇宙的な規模で)では、過去から人間をさらってきて奴隷として道具のように扱っている
そして、その人間が逃げたりなんだりしたときの番犬的な意味合いで過去から恐竜をつれてきて、謎の装置で制御しています
その前提の中、過去(20世紀)の地球圏にきていたサイボーグの宇宙船から主人公の人間が脱走、地球に降り立つ
それを追ってサイボーグと恐竜も地球にやってくる、という内容
どうっすか、サイボーグが恐竜を猟犬感覚で連れてるって設定だけで、なにかこみあげてくるものがあるでしょう

まあ、ぶっちゃけクソ映画なんですが、いくつかの素敵ポイントを楽しむ部類の作品として認識すれば楽しめます
主人公がめっちゃ片言な上に超絶人見知り
サイボーグのくせに、人間が段ボールの裏や天井の裏に隠れただけで見失ってくれる高性能センサーを内蔵してます
目玉である巨大恐竜ですが、どうみても中型犬サイズです。しかもおもちゃです
目玉であるカンフーですが、恐竜相手には使われずサイボーグ相手のみ、しかもちょろっとしか披露されません
特殊部隊が突入するシーンがあるんですが、突入した特殊「部隊」はひとりでしかも超へっぴり腰のビビリです
思い出すだけで、その素敵っぷりに惚れ惚れしますね。ファック

そんな素敵ポイントを探しながら、基本は音声を吹き替えにして他の作業をしつつ音だけ聞いて、話に進展があったらチラ見するていどですべて把握できるエコ仕様で忙しい人にもピッタリ!やったね!
それでもなんか時間を無駄にした感が半端ない不思議な感覚を君も味わおう!

個人的評価:20点
オススメ度:海女=尼




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2010年12月15日水曜日

セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド (2008/スペイン)

監督:ミゲル・マルティ
出演:マカレナ・ゴメス / セサール・カミーノ / アレホ・サウラス / アンヘル・デ・アンドレス / フアン・カルロス・ベイード / ナディア・カサード / フアン・ディアス / ダビ・テンレイロ / フェルナンド・ラマーロ / ラモン・ランガ / エロイ・イエブラ / ヒミー・バルナタン / パコ・レオン






大学構内でおこる連続殺人
キャンパス・キラーという異名のついた殺人鬼はいったい誰なのか…?

いったい誰なのか、とか言いつつ冒頭でおもいっきり正体あらわしてますけどね
というかバリバリのカメラ目線で語り出すモノローグ形式で話は進みます
とりあえずスタイリッシュクレイジーセクシーキラーアクションホラーという言葉が似合う感じで、ポップでキュートな演出と音楽に合わせて殺人鬼がえぐい方法で殺していく
最初はちょっとそのノリに抵抗があるかもしれませんが、大丈夫、観てりゃ慣れる
むしろ、そのスタイリッシュさが楽しくてしかたなくなります

開始早々に無駄なセクシーギャルたちのサービスセミヌードからはじまり、わりと典型的なアホガキによる下半身直結イタズラが展開…するんですが、そこからがB級ホラーリスペスト上等なこの作品の本領発揮
冷蔵庫のアレで殺人鬼さんの鬼畜っぷりをアピールしつつ、ノリはあくまで軽く、ジェイソンの顛末におもわず吹き出したところで「この映画、ただものじゃねえ…」感が分かります
個人的に大好きな「シリアル・ママ」と同じにおいがする作品に個人的にテンションが上がらざるえない

そこからもやりすぎなくらいに過剰演出で、見た目重視なライトでポップでセクシーでスタイリッシュな感じで進み、殺る時は「冷静に考えるとかなりえぐいよね」という方法で容赦なくやります
基本、人殺しショーなんで、ホントにぽんぽん人が死んでいきます
で、それでもまあ、おもしろいっちゃあおもしろいんですが、なにせ、ほら、サブタイのOTD(オブ・ザ・デッド)っぷりが気になるお年頃じゃない
しかしまったくもってゾンビが出る様子も気配も空気もみじんも感じられないじれったさ
中盤をすぎ、脳波を映像としてモニタリングできる機械を死者に応用しようってとこで、「ああ、そういう意味でOTD」なのね…と、ちょっとガッカリします

ですが、本番はクライマックスからだった
この展開は惚れるわ、そして濡れるわ
おまえ最高のバカだよ、と監督に胸ぐらつかんで臭い息を吐きつつ言ってやりたい(最高のほめ言葉)
まさにセクシー・キラー、まさにリベンジ・オブ・ザ・デッド
ここまでタイトルに偽りがないB級OTDも珍しいんじゃないでしょうか

じゃっかんオチが弱くてシメの印象がよくないけど、そこまでのノリが最高にバカで楽しかったので許せるレベルですね
愛すべきバカ映画、まさにそんな感じの一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:バーバラさん、いろんな意味でマジヤリマン




セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド 予告



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2010年12月14日火曜日

ワイルド・オブ・ザ・デッド (2007/米)

監督:グラスゴウ・フィリップス
出演:ジェームズ・デントン / クリス・カッテン / ナヴィ・ラワット / クリス・コッポラ / レスリー・ジョーダン / マット・ベッサー / ジェフ・チェイス / ブライアン・ポーセーン / クリストファー・アレン・ネルソン / クロエ・ラッセル






アメリカの西部開拓時代、酒場で喧嘩をして牢屋にぶちこまれたエルマーとルーク
脱獄した上に保安官事務所を襲ってお尋ね者になったふたりだったが、小さな町はゾンビの呪いに浸食されつつあるのだった

某ゾンビスレにて名前があがってた作品
かなりコメディ色が強くライトな作風なんだけど、ギリギリ軽すぎることがない印象がありますね
主人公の男ふたりのかけあいがおもしろく、さらに途中からヒロインが合流するわけですが、それぞれお調子者バカ、クールバカ、ビッチバカとみんな根本的なところがバカなバカの集まりなのがほほえましい

脱獄したエルマーたちを追う保安官と助手、懸賞金に目がくらんだ町の勇士たちだけど、牢屋にいたゾンビの呪いがかかった男に助手がかまれ、助手から保安官に伝染、さらにその他おおぜいの追跡者たちにゾンビ化呪いが感染していきます
主人公たちにしてみれば、普通の追っ手がいつの間にかゾンビになっていたという感じ
だけど追う方からしてみれば、なんかやっかいな病気にかかっちまったていどで、生きた人間の生肉にかぶりつきたいという抗えない欲求と皮膚のただれ以外はゾンビ化する前と変わりません
ゾンビ化しても普通にしゃべるし意思の疎通もできる、脱獄者を恨みをもって追跡もする、そんなゾンビもの

西部開拓時代という設定がうまくいきていて、人肉を食べたり、皮膚がただれたりしても「変な病気」ていどで、「荒野ではよくあること」ていどのワイルドなゾンビ描写がおもしろい
ギャグも下品なものが多く、寒いものもあるけど個人的におおむね許せる範囲でした
ホラー要素はあまりなく、あっても本当に明るいホラーで、それでいて「おい、これこの先どうなるんだよ」という期待感が最後まで続くからだれません
というかこのオチはなかなか予想できない
B級投げっぱなし映画ではありえなくもないラストの流れだけど、投げっぱなしかと思いきやちゃんと次のオチを用意してくるのが憎めません

そののんびりした雰囲気ゆえにじゃっかん眠くなるところはあるけど、わりと楽しかったですね
ただ、ちょっとガチガチに作られた笑い、みたいな印象は受けましたが

個人的評価:75点
オススメ度:ズルむけ




ワイルド・オブ・ザ・デッド 予告



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2010年12月13日月曜日

デッド・フライト (2007/米)

監督:スコット・トーマス
出演:デヴィッド・チザム / クリステン・カー / ケヴィン・J・オコナー / リチャード・タイソン / エリック・アヴァリ / デレク・ウェブスター / トッド・バブコック / シエナ・ゴインズ / ミエコ・ヒルマン / レイモンド・バリー / サラ・レイン / ブライアン・アームズ / ブライアン・コロジェイ / アシュリー・バショーン / ローラ・コヨーテ / デイル・ミッドキフ / ブライアン・トンプソン / タッカー・スモールウッド / デヴィッド・スピルバーグ / ハイディ・マーンハウト / クローディア・カッツ


パリ行きのジェット機の中に積まれた極秘の積み荷
飛行中、乱気流に見舞われ衝撃でその積み荷が解かれてしまい…

もうすでに観たと思ってたら、実はまだだったという感じで鑑賞
飛んでる飛行機の中でゾンビったらどうよ?というシチュエーションもののゾンビ映画ですね
いちおストーリーみたいのはありますが、どうみてもこのシチュエーションを描きたかっただけってのがありありとしててB級臭いのがたまりません

序盤で乗客紹介パートがあり、そこからそいつらがどうパニックにおちいっていくか、ってのが見所かもしれません
ゾンビ表現をふくめけっこう全体的に丁寧に作られていて、特に各キャラの個性がおもしろい
個人的にはゴルファーの黒人がよかったですね
パターでゾンビをぶったたいていくキャラかと思ったら、やっぱり普通に銃を手に取る冷静さが素敵です
キャラ以外にも飛行機の中っていう設定がうまく利用されてるのもいい
飛行機の構造上、普通とは違う空間のあり方がよくあらわされていて、鏡の向こう側も薄い壁をはさんで通路があるし、床もけっこう薄くてその下には巨大な空間が広がっている
そんな普通じゃない建築物の中でのゾンビパニックがうまく描けてますね

で、なんだかなあ、な感じがする場面も多く、CGの使い方がかなりチープ
終盤の盛り上がってくるところでCG感バリバリの画をみせられても、なんだかなあとしか思えない
あとはオチもじゃっかん弱いというか、ホントに飛行機の中でゾンビるだけの作品っていう印象が強すぎますね

そんなわけでかなり荒削りではありますが、意外とけっこう楽しめる映画でした

個人的評価:70点
オススメ度:機内で発砲してはいけません




デッド・フライト 予告



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2010年12月12日日曜日

ロビン・フッド (2010/米・英)

監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ / ケイト・ブランシェット / マーク・ストロング / ウィリアム・ハート / ダニー・ヒューストン / オスカー・アイザック / マーク・アディ / ケビン・デュランド / アイリーン・アトキンス / アラン・ドイル / スコット・グライムズ / マックス・フォン・シドー / ダグラス・ホッジ / マシュー・マクファディン / レア・セイドゥー / サイモン・マクバーニー / ジェラード・マクソーレイ




12世紀、フランスへの十字軍遠征に同行していた射手のロビン・ロングストライド
イングランドへの帰路の途中での攻城戦で獅子心王が不慮の戦死をしてしまい・・・

年末の大作洋画みたなノリですが、しょうじきイマイチな印象が漂う作品でしたね
個人的にケビンさんのも観た記憶はあるんですが、内容はすっかりと抜け落ちて、しょうじきほぼ知識なしの状態で鑑賞しました
歴史もの(?)のわりに堅苦しさはそれほどなく、どちらかといえばエンタテインメント性が強いかな、と

獅子心王が死んで、新たにジョン王が即位する
その裏で新王を操りフランスと通じている裏切り者がいて、そのことについてロビンが知りすぎている男として命を狙われる
裏切り者によりイングランドを内乱に導く行動とロビンを追う行動が同時に進行していく、みたいな話
壮大なようでそうでもなく、印象的に長い話の一部を切り取ってクローズアップしてる感じ

事前情報をちょっと調べると、獅子心王=ブッシュ、ジョン新王=オバマとして観るとしっくりくる、というのがありましたが、まったくもってその通りでしたね
ジョン=オバマという図式も最初はピンとこなかったけど、ラストまで観れば「なるほどね」と思わざるえない
序盤の攻城戦からノッティンガムでのロビンの新生活までの流れは、けっこう引き込まれるままに楽しめます
しかし、そこからの中盤がどうにも場面的に変わり映えがしないし、話的にもおもしろみが薄くてしょうじき眠い

それでもクライマックスの戦いはけっこうな迫力があり、特に水しぶきの表現が個人的にはよかったなあ、と
事前にチェーンメイルの重さと不自由さの伏線がはってあったのもいきてましたね
全体的にアクションシーンが「なにをやってるかよく分からないけど、迫力があるね」系の撮り方で、個人的にはあまり好きな部類じゃなかったけど、まあ、迫力があるってのは伝わってきます

あと、あの無駄に力の入ったエンディングはなんだったのかと
これもまた「なにかよく分からないけど、すごいね」といったエンディングで、すごいのはすごいんだけどあえてエンディンにもってきた意味が分からない
そんなわけで、結局はロビン・フッド誕生編みたいな感じの内容でしたが、ロビン以外の仲間が地味だったり、怒り狂った民衆が簡単におさまったり、なんか微妙にひっかかる点が多い、大作になりきれてない一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:蜂蜜酒に興味津々です




ロビン・フッド 予告

2010年12月9日木曜日

トレジャーゾンビ 蘇るテンプル騎士団の亡霊 (2008/独)

監督:アンドレアス・シュナース
出演:ラルフ・フェローズ / ソニア・ケルスケス / フィアナ・デ・ガスマン









ラナの住む館の補修手伝いをかねて遊びにきた女友達たち
しかし、そこに謎の男が現れ、この場所は危険だと言うのだった

なんてことはない単語である「トレジャー」と「ゾンビ」
ひとつひとつは映画タイトルにありがちな単語だけど、なぜか合わせると不思議な魅力を発揮する
「トレジャーゾンビ」、どうよ?もう期待に胸ふくらまざるえない
まあ、しかし、あえていきなり言うならば「トレジャー」とかついてるけど、まったくもってどこが「トレジャー」なのか分からない内容でしたね
謎の男が賞金稼ぎなのか?という展開があった、というだけでまったくもって「トレジャー」から連想するものが描かれてない気が…

ラナの住む館には66年に一度、呪われた墓地からテンプル騎士団のゾンビがよみがえって館の住人を殺しまくる、といういわくつきの場所だった
それを伝えにきた自称修道士の男が、うっかりゾンビに有効なメッカの剣をダメにしてしまい、うっかり自分の手でゾンビを復活させてしまう
館に泊まってるビッチどもはそんなゾンビ話を信じるわけなく、どんどん襲われてゾンビ化していった末にやっと信じるようになって逃げまどう
ありきたりなほどにありきたりなゾンビ映画なんですが、この作品のゾンビは人を噛むという血と肉に飢えた存在ではないんですね
ただ生きた人を殺してなんか魔術的な儀式でゾンビ化させて増殖、陽が昇るまでただただ殺しまくるだけ

とりあえずクソB級映画として素敵ポイントを楽しむだけの内容であることは間違いないですね
くされビッチどもをながめてるだけでも楽しいですが、その中でもいくつか素敵ポイントがあります
まずは車のドアに挟まれて胴体まっぷたつになったビッチが、上半身だけ引きずられてゾンビに連れ去られます
で、その引きずられている最中、上半身だけのビッチはずっと「キャーキャー」叫んで生きてるというナイスバイタリティっぷり
あとはいよいよもってゾンビたちが館に侵入してきたという緊張感と恐怖が高まる中、自称修道士の男とラナはファックに夢中
他の女がラナたちを探しにきて現場を見てる状態でもファックに夢中

そして、クライマックス
いよいよもって敵のゾンビの首領と対決が迫る中、館の広間でバンドマンゾンビがライブを開始、それを見てノリノリのテンプル騎士団ゾンビとナチスゾンビとビッチゾンビ、あとよく存在が分からない怪しいジジイのヤコヴィッツ
そのノリノリっぷりがシュールで楽しいんですが、クライマックスである本編が進行する中、時折ライブシーンが途中で挿入されます
しかも、そのライブシーンがどんどん長くなっていき、とうとう首領ゾンビを倒したという決着のあとに延々とライブシーンが流れます
どんだけPV映画なんだよ、ツッコミを入れるのはまだ早く、ちょっとしたオチが終わったと思ったら件のライブシーンのフルPVが最後にクレジットとともに流れ始めます

なんともいえない素敵ポイントはありますが、基本クソB級映画に違いはないけどね
個人的にはそういう光るポイントがひとつでもあれば十分ですが

個人的評価:30点
オススメ度:ワンスモー




GANG LOCO PV(トレジャーゾンビエンディング)



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2010年12月8日水曜日

武士の家計簿 (2010/日)

監督:森田芳光
出演:堺雅人 / 仲間由紀恵 / 松坂慶子 / 西村雅彦 / 草笛光子 / 伊藤祐輝 / 藤井美菜 / 大八木凱斗 / 嶋田久作 / 宮川一朗太 / 小木茂光 / 茂山千五郎 / 中村雅俊







加賀藩に仕える猪山直之は、そろばんをもちいて経理の仕事を担当していた
実直すぎるゆえに煙たがれる面もあったが、そのそろばんの腕は「そろばん侍」と称されるほどに達者なのだった

刀ではなく、そろばんを片手に徳川の世を生きた武士の話・・・ってことで、どこかほんわかしたホームドラマを想像してたんですが、実際はちょっと違った印象でした
いちお時代劇としてもきちんと作ろうとしてるゆえに、中途半端な空気が終始ただよってましたね
ホームドラマみたいな軽い笑いと温かさはあるんですが、同時に時代劇特有の低いテンションの落ち着いた雰囲気が流れていて、全体的になんか微妙な感じになってる気がしないでもない

物語の前半は直之のそろばんバカっぷりと、その能力の高さ、融通の利かない真面目すぎるキャラを丁寧に描いていてます
そんな真面目野郎な直之と家族、親族の温度差が楽しく、また真面目すぎるゆえに仕える藩の裏の事情に気づいた苦悩もいい
そこまでは普通におもしろいんですが、問題は後半、やっとこさ本題である家計簿をつけはじめてからがちょっとおかしくなります

なんの脈絡もなくいきなり「うちの家計マジやばいんですけどぉ」みたいな話が出て、家の中の経理を一手に直之がまかなうことになる
まあ、いきなりな貧乏エピソードはまあいいとして、そこからの倹約暮らしもいいんですが、なんというかもっと突拍子もないアイディアで金はなくても楽しく暮らせるよ、みたいなのが足りない
終盤の親子の確執みたいなシリアスな展開もいいんですが、その溝がなくなる様をみせる気持ちいい展開が最後までいっさいない

さらにラストが近づくにつれて話がなんかぶつ切りになっていき、説明不足で駆け足になって、結局はなんとなくな感じで終わってしまう
ジーンとくることもなければ、心が温かくなって微笑ましいわけでもないし、かといって切なくなるでもない
ホントに取って付けたような終わり方
いや、この題材ならもっと感動よりな話が作れたろうに、ここまで中途半端で形だけなラストは・・・ね

そんなわけでホントに観る前に予想していたイメージと違って、悪い意味で裏切られた一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:タイジャタイジャー




武士の家計簿 予告

2010年12月5日日曜日

ミックマック (2009/仏)

監督:ジャン・ピエール・ジュネ
出演:ダニー・ブーン / アンドレ・デュソリエ / ニコラ・マリエ / ジャン・ピエール・マリエル / ジュリー・フェリエ / オマール・シー / ドミニク・ピノン / ヨランド・モロー / ミシェル・クレマデ / マリー・ジュリー・ボー / ジャン・ピエール・ベッケル







幼い頃に父親を地雷処理の事故で亡くしたバジル
大人になりレンタルビデオショップで働いていたバジルは、ある日、銃撃事件に巻き込まれて頭に銃弾を残した生活を余儀なくされるのだった

なんともいえない世界観を楽しむ雰囲気映画って感じの内容
どうにもこうにも「こういう作品です」という説明が微妙に難しいホントに普通じゃない映画ですね
コメディ要素が強いですが、けっこうブラックなユーモアもあり、それでいてブラックすぎず心暖かくなる展開がくるようでこない
普通ならこういう展開にするだろ、という予測からちょっと外れてるのがおもしろい作品かもしれません

話的には頭に銃弾を受け、摘出するのも難しいというので、銃弾を頭に残したままいつ死ぬか分からない状態での生活を余儀なくされるバジルさん
その銃撃事件を境に職を失い、どんどん転落人生を歩むことになるんですが、持ち前の性格からネガティブになりすぎないナイスな根性でホームレス生活を続ける
その姿を見ていた男が廃品を再利用するゴミ山の仲間の家族として迎え、そこで暮らし始めたバジルさんは偶然にも父を殺した地雷のメーカーと頭に残った銃弾のメーカーを見つけだす
で、その会社に仲間といっしょに復讐してやろうって展開

最初はどこか憎めない感じのバジルさんが明るく前向きに転落人生を歩みながら、ちょっとしたイタズラで兵器会社をギャフンといわせてやる話かと思ってました
でも、いざはじまってみると、どうもそういうよけいな「○○ものか」みたいな想像は無用だと分かります
ホントにありのまま、この作品じたいを受け入れるしかない、と
復讐する相手が大元である兵器製造販売会社ってところにいきなりなることからも、微妙な普通じゃなさがでてます
それでもバジルさんが良キャラであることは変わりないし、他の仲間もいちいち個性的でへんてこな人ばかり
そのドタバタを観ていても十分に楽しいですね

ただ雰囲気を楽しむ作品ゆえに、やっぱり合わない人にはとことん合わないだろうな、ってのも確か
良い意味で普通じゃないけど、逆に言えば普通を期待してるとひどく中途半端で微妙にみえる
あとは復讐パートがけっこう長くて、そこに至るまでのバジルさんの日常とか、仲間との絆みたいなものの描かれ方がじゃっかん物足りないかもしれません
転落人生、仲間との出会い、復讐相手の発見までがちょっと急ぎ足な気がしないでもない

まあ、なにはともあれ内容はアレとしても記憶に残る映画ってことだけは確か
もう半歩ずれれば間違いなくクソ映画になってるという危ういバランスが観てておもしろい、そんな作品でした

個人的評価:90点
オススメ度:まったり系ちょい感動ハートフル映画・・・ではない




ミックマック 予告

2010年12月4日土曜日

ジェネックスゾンビ (2000/香港)

監督:チェン・マンウェイ
出演: スティーヴン・フォン / サム・リー / ホイ・シウイン









不死身戦士計画の実験中、ゾンビ化した男にかまれてしまったハリー
偶然にもハリーを逮捕した貧乏警官のマルコだったが、その留置所でいっきに感染が拡大し…

なんか人工甘味料バリバリきかせたカロリー0でヘルシー気取りの飲料みたいなタイトルですが、どうやら「ジェネックスコップ」とかいうののパクリタイトルみたいですね
そのパクリ元を知らないところが自分のにわかっぷりと想っていただいてけっこう毛だらけだが?
まあ、そんなわけでこの映画は…ちょっと前に観た「香港ゾンビ」からセンスと予算を引いたような感じの内容ですね
というか寒いギャグの応酬と軽口の連続しか残ってない残念ガッカリおとといきやがれ作品

香港で米兵を不死身戦士にしてロシアと対抗できるようにしようぜ、というなんか分かるような分からないような計画の実験中に事故で被験者がゾンビ化し、さらに事故で責任者がかまれて感染してしまう
で、いろいろあって警察署で感染拡大して、実験の責任者でゾンビ化した男が王様きどりでなにがしたいのかよく分からないままに行動する、という内容
最低限度の常識を備えてる人ならばまず観ないでしょうが、それでも興味があるならゾンビの特殊メイクがはがれ落ちそうだったり、メイクの下の地肌が見えてたりするのを気にしない寛容さが必須です
あと、強烈な誘眠効果があるので注意が必要…というか途中でばっちり寝ました

そんなクソB級映画でも唯一たのしめる素敵ポイントがあるので、まだなんとか乗り切れます
ゾンビの王がどんどん仲間を増やして「ゾンビ誕生!」と言いながら警察署内を闊歩するんですが、終盤では対抗する主人公たちが「ゾンビめ!」と言うと「ゾンビじゃないし、俺たち新人類だし」と反論してくるフリーダムさに濡れた
この作品のゾンビは人間をファックしようとするし、歳をとって人間の生肉を噛む歯がなくなったらとかけっこう素敵な存在です
人間として死んでいるゾンビでも、やっぱり時の流れの中で肉体という物質は経年劣化(老化)していく…のか
というなんか深いようなそうでもないようなことを考えさせられますね

そんなわけでクソ映画という以外に言いようがない素敵な一本でした

個人的評価:10点
オススメ度:最後の一匹とか、なぜそう思えるのかが逆に不思議




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2010年12月2日木曜日

クライヴ・バーカー ヘルゾンビ (2006/米)

監督:ハル・メイソンバーグ
出演:ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク / イワナ・ミリスビック / ブラッド・ハント / ジョシュア・クローズ / ブリタニー・スコビー / ブラッドリー・サヴァツキー / ジョン・P・コノリー / ディー・ウォーレス・ストーン / ジョン・テッド・ウィン






世界中で一斉に子供たちが意識不明の状態になる事件がおきる
それから10年、新たに産まれる子供も昏睡状態のまま出産される状態の中、定期的な意識不明児の発作が強くなってきていたのだった

師走ってことで気分一新な感じでゾンビものを…
というか、誰もがつっこむだろう、なにが「ヘル」でなにが「ゾンビ」なのか
この邦題をつけた輩は頭が確実にイっちゃってるとしか思えない
どこをどうみてもゾンビものじゃねえし、これ

世界中で同時に子供たちが意識不明になって、それでも介護すれば生きながらえる状態な中、なすすべもなく10年の月日がたちます
いぜんとして起きる兆しのない子供たちだったけど、ある日、唐突に全員が覚醒する…という展開
なんか宗教っぽいものが絡んできてるみたいですが、しょうじきそこら辺はよくわかりません
それでも序盤の子供たちの昏倒から10年後の絶望的な世界観、産まれてきてもベッドで寝たきりという状況をかんがみてとうとう世界中の政府が無断出産禁止令をだす
その流れはけっこうおもしろいし、先の展開が気になるはじまり方をしてますね

そこから覚醒した子供たちが大人たちを襲いはじめ、どんどん絶望感が広がっていきます
まともな人間は19歳以上だけで、残りの子供はみんな凶暴化、相手が子供ってことでなかなか相手にしにくい状況
しかも覚醒した子供たちは基本的能力は人間なので、感覚、学習能力、運動能力がはんぱない
あっというまに銃器の扱いをおぼえ、車を機能停止させる方法をおぼえ、しかも知識が全員リンクしているため、ひとりが学習するとみんなに伝わるという最悪な存在
そんな中でどんどん追いつめられていく主人公たちの姿が痛々しくてたまらない
ホントにクライマックスの包囲状態とか絶望度マックスで「おいおい、これどう乗り切るんだ?というか鬱エンド?」と期待がふくらみます

だけど、ね…
まあ、なんというか、なにこのオナニーエンド
作ってる方にしてみればきちんと意味がある終わり方なんだろうけど、なんか小難しいというかお高くとまった感じがする風呂敷のたたみ方に反吐が出ざるえない
なんですか、この終わり方を理解できない凡人はゴミクズってことですか
ってくらいに意味不明なオチ
このオチのためにいっきに評判が悪くなってる気がしないでもない
いや、マジでこのオチに行き着くまでは普通におもしろかったのに
とはいえ深夜にやってたら最後まで観ちゃうレベルのおもしろさ、ですが

そんなわけで、なんかかなりもったいない感じがする雰囲気を楽しむ系の映画でしたね

個人的評価:50点
オススメ度:世界終了のお知らせ




クライヴ・バーカー ヘルゾンビ 予告



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2010年11月30日火曜日

11月のこれ一本

月日がたつのが早いね
代わり映えのない毎日だね
そういうことをあえて言わない大人になりたい昨今
僕にはちょっとハードルが高い目標じゃねえの、と思わざるえない現実に今日も鼻ほじりながら屁をはなってパソコンの前で猫背スタイル
かなり私的なことながら来年からの会社の方針を考えると気が滅入ってくるわけですが、まあ、アレですよ、仕事が人を変えるってことで

今月はそんなわけで「レポゼッション・メン」
しょうじき他にこれといったものがないのもありますが、そんな中でも観てて気持ちよかった作品といったらこれ
内容うんぬんというより、作り方が個人的に好みな作品でした

最近はなかなか平日映画にもいけなくなってきてるわけですが、それはそれとして映画館の受付のお姉さんよ、一人映画のおっさんに向かって「おひとりさまでよろしいですか?」はダメージが大きいんでやめてください
おまえの目の前に何人たってるように見える?
そもそも一枚って言ってるじゃねえか、ああ?
そんな自分の気持ちを素直に言葉にだせるキレる大人になりたい…とは思わない

2010年11月29日月曜日

ホテルゾンビ (2004/米)

監督:マシュー・ルートワイラー
出演:エバー・キャラダイン / ブレント・デヴィッド・フレイザー / ビアンカ・ローソン / ジェフリー・ディーン・モーガン / エリック・パラディーノ / オズ・パーキンス / ジーナ・フィリップス / ジェレミー・シスト / デヴィッド・キャラダイン / ディードリック・ベーダー / ミランダ・ベイリー / ヴィンセント・ヴェントレスカ / マーク・ケリー / ポーシャ・デ・ロッシ / ザック・セルウィン




友人の結婚式に出席するために車を走らせる6人の若い男女
道に迷い、小さな町で一泊することにしたのだが、泊まったホテルで殺人事件がおきてしまう

いやあ、まあ、なんというか、やっばいくらいにクソつまらない
基本はコメディなんですが、びっくりするほど笑いがない
ホラーとコメディってけっこう相性がいいはずなのに、けっこうてきとうにブレンドしてもそれなりなできになるのに、絶妙なバランスでそのセーフティゾーンから外れてどうしようもない作品にできあがってます

序盤は殺人事件がおきてうんぬんって展開で、ここからどうホラーにシフトしていくのか楽しみな空気があるんですが、いざゾンビもどきがでてきた途端にグダグダに
なまじ序盤を殺人事件なミステリっぽい展開で引っ張ってるだけに、本題であるゾンビパートがかなりうっすい内容になってしまってます
ここでもバランスがおかしいことになってる実情

コメディパートとホラーパートのバランスがいちばんアレで、もうどっちにしても中途半端すぎる
コメディにしてはギャグがいちいちさむい、ホラーにしても盛り上がりとかいっさいないままグダグダとゾンビもどきがホテルを襲うだけ
ゴア表現はそこそこだけど、いかんせん内容がダメすぎる
で、コメディ部分もあるだけに狙ってるところとは別のところがおもしろい素敵ポイントすらない
ただひとつおもしろかったのは、主要なキャラがしょうもないタイミングでしょうもない死に方していくのだけはよかったですね
おいおい、こんなタイミングでまたしょうもない死に方するなあ、みたいな

そんなしょうもない作品を観て、困難ないいとこ探しをするのもまた一興…と言える心の広い大人になりたい

個人的評価:5点
オススメ度:エンディング曲だけ聞けばいい




ホテルゾンビ 予告



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2010年11月28日日曜日

レポゼッション・メン (2010/米)

監督:ミゲル・サポチニク
出演:ジュード・ロウ / フォレスト・ウィティカー / リーヴ・シュレイバー / アリス・ブラガ / カリス・ファン・ハウテン / ジョー・ピンギー / チャンドラー・カンタベリー / イヴェット・ニコール・ブラウン / ライザ・ラピラ / RZA / ターニャ・クラーク / ウェイン・ウォード







ユニオン社により人工臓器の開発が進んだ近未来
高額な人工臓器の支払い滞納者から、その場で強制的に臓器を回収する回収屋レミーは、家庭の事情もあり配置換えを考えていたのだが

バリバリのSFくさい内容かと思ったらそうでもなく、斬新な内容かといえばそうでもない
オチもそう驚くものじゃないんだけど、作り方がひじょうによくできてる作品だな、と思いました
ハードでシリアスな展開の中にわりとユーモアがちりばめられていて、わりと退屈な話の流れの中で飽きさせないような感じになってますね

話も凄腕回収屋のレミーが相棒といっしょに人工臓器の取り立てをする毎日が序盤で描かれます
強制的に体を切り開かれて回収されるわけですから、もちろん相手は死ぬ運命に
そんな日々の中でレミーの妻は夫のその仕事を快く思っていなく、配置換えをしてくれとさんざん夫に苦言をはく
回収屋をやめる決心をしたレミーは最後の回収の仕事の最中にアクシデントにあって、半ば強制的にユニオン社の人工心臓保持者になってしまう
社の裏事情を知る身だけに拒否反応が強く、高額なローンを払うために回収屋もやめられず、という中、回収屋に復帰するもまったく仕事に身が入らなくなってしまう、と
まあ、で、あれこれあるわけですが、ようするに凄腕のハンターだった主人公が、逆に狩られる側に落ちていくというわりとよくある話

よくある話、というだけにホントに中盤の展開が中だるみぎみで、しょうじきこのまま普通の地味映画で終わっちゃうんかなあ、と心配もしました
それでも所々で入るレミーの過去の回想とか、かぶりものとか、外科医の「イエーイ」とか小粋でシリアスな流れをいい感じにはずしてくれるユーモアが楽しいので、なんとか見せ場のクライマックスまで乗り切れましたね
いや、ホントにこのクライマックスバトルが楽しくて楽しくてずっとにやにやしながら観てましたよ
根性ある社員と工具バトルとか、どんなバカが考えたんだよ(ほめ言葉)
その後の痛いスキャンシーンとか、なんというか普通の終わり方はしねえぜ的な展開が個人的にはツボでした

そして問題のオチ
これは確実に賛否両論あるだろうなあ、と
ありがちといえばそうなんだけど、個人的にはここまで積み重ねてきたユーモアのある展開があったからこそ、このオチは「アリ」だと思いますね
シリアスいっぺんとうだと、途中で先が読めすぎてダレるけど、こういう作風だからこそオチが生きてるという印象が強い
このクライマックスからの一連の展開があったからこそ、個人的には高い評価を与えざるえないですね

ま、それでも内容的に地味で中だるみっぽい所は隠しきれないので、オチも含めて万人にはオススメできない作品かもしれませんが
そんなわけで、ホントに個人的には楽しかった一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:仕事が人を変える




レポゼッション・メン 予告

2010年11月27日土曜日

ジャーマン・ゾンビ (2004/独)

監督:アンドレアス・ペイジ
出演:アンドレアス・ペイジ / オリヴァー・ケーリック / ボリス・ハンスマン









あるパーティの最中、配管から吹き出した謎の液体
それをあびた人たちはたちまちゾンビ化してしまうのだった

いやあ、やっぱりドイツといえばゾンビ、ゾンビといえばドイツですよねえ
ドイツで撮られた純正ドイツ産ゾンビ映画だからこそ許される、ひじょうにひねった小粋な邦題です
ということで、ね、もうこのネタはこれ以上ひっぱりませんよ
他にもゾンビで引っ張ればいろいろありますが、ほら、なんというか精神衛生的にアレですし
そんな精神的にアレな内容なのがこの作品
とりあえずホームビデオ風の画質で全編通してるんですが、もちろんハンディカメラ演出をねらったものではなく、単に予算の問題ってやつでしょう

話的にはゾンビ化がおこったパーティ会場から逃げのびた男たちが、その元凶である液体の開発者とともに「化け物ぶっ殺すぜ!」って感じでゾンビ狩りをはじめる感じ
ええ、普通のゾンビものと違い、アグレッシブに逃げることなくバトルをふっかけていきます
しかし、小さな町とはいえ序盤ですぐに三人だけになってしまう主人公たちが、すでに水道水にもゾンビ化の液体が混じってる状況の中、ちまちまとゾンビ狩りしたところで…
そんなことはまったく考えつかないのか、他にも事態を公表するなりやりようがあるにも関わらず、ストイックに三人でちまちま狩りを続けます

そんなバトルのポリシーも素敵ですが、それ以上に素敵なポイントがあまりに雑すぎる編集ですね
カメラワークはハンディカメラにしてはがんばって色々と切り替えつつ、それっぽく見せてはいるんですが、肝心の映像ソースがちょっとアレ
車で走るシーンはカメラを乗せた撮影者が微妙に映り込んでるし、局部をアップにしてスプラッタ演出をするシーンでも微妙に人形にしか見えない部分まで映り込んでます
映像を加工する技術も予算もないのか暗いシーンは暗いままで放置
役者の芝居にいたっては理解できないことを表すために人物の頭の上に「?」のマークが字幕で挿入されます
やだ、なにこのクソB級映画

ストーリーはありきたりではあるけど、きちんとゾンビ化のはじまりを描いてるし、終わり方もゾンビのリーダーをだすことでいちおはキレイに終わってはいます
ええ、このリーダーはちゃんと倒しきれなくて…っていうお約束はありますが、それでも物語としてはなんとなく片付いてるから、そこらだけは評価できる…と思いたい

そんなわけで思った以上のクソっぷりに逆にテンションがあがったこの作品、たまにはこういうのもいいですね

個人的評価:10点
オススメ度:性欲のあるゾンビとか




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香港ゾンビ (1998/香港)

監督:ウィルソン・イップ
出演:ジョーダン・チェン / サム・リー / エモーション・チェン / アンジェラ・トン / ライ・ユー・チュン









ショッピングモールのDVDショップで働くふたりの男モーディとビー
ある日、ふたりは夜道で男を車ではね、なんとか息のあったところに謎のジュースをのませてしまい…

いやあ、やっぱり香港といえばゾンビ、ゾンビといえば香港ですよねえ
香港で撮られた純正香港産ゾンビ映画だからこそ許される、ひじょうにひねった小粋な邦題です
なんというか全体的に若気の至り臭というか、かなり荒削りなんだけど憎みきれない、そんな雰囲気のある作品です
ホラーというかゾンビというか、主役ふたりのかけあいと出てくる他のキャラとの絡みをコミカルに描いてるところが見所な作品ですかね
じゃっかん口だけでヘタレな兄貴分のモーディとバカだけどそれだけにまっすぐな性格の弟分ビーが出会った奴らとケンカしたり、女にちょっかいだしたり、時には悪さなんて生やさしい犯罪行為にはしったりする日常の中に唐突にゾンビという存在が分け入ってくるみたいな

オープニングはけっこういいんですが、そこからしばらくふたりのかけあいだけ続くからゾンビものを楽しみに観てると肩すかしをくうかもしれません
やっとゾンビが登場しても安っぽい上に、中途半端なエフェクトをかけてくれるおかげで逆にチープさが増してます
ショッピングモールが舞台とはいえ、実際には中に主人公たちを含めて30人ほどしかいない状態でゾンビ化が広がっていくので阿鼻叫喚なパニックシーンはない

しょうじきしょうもないゾンビ映画ではありますが、寿司屋とか最低夫とか結局は金ビッチとか良キャラが多いから観てて飽きません
終盤のゲーム的な演出はちょっとアレですが、「ゾンビは頭を撃ち抜く」という敵の弱点をゾンビガンシューティングゲームから思いつくのはおもしろかった
たいていの映画では暗黙の了解としてゾンビの弱点を頭(脳)であるとみんな知ってるというのがままあって、それに比べればいちお頭をつぶすという手段を乱暴ながら思いつくのは好印象

あとはラストのオチ
これは思った以上にいいですね
けっこうこれが描きたくて作られた作品なんじゃないかと一瞬おもいました
そんな基本はどうしようもない内容ながら、けっこうラストはいいという不思議な感じの一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:ゾンビだってジュースも飲みたいし寿司も食いたい




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2010年11月25日木曜日

パキスタン・ゾンビ (2006/パキスタン)


監督:オマー・カーン
出演:アシュファク・バッチ / スルタン・ビラ / オスマン・カリド・ブット








一台の車に乗り合わせてライブ会場へと向かう若い四人の男女
その道すがら地上の地獄と呼ばれる場所に入ってしまい…

いやあ、やっぱりパキスタンといえばゾンビ、ゾンビといえばパキスタンですよねえ
パキスタンで撮られた純正パキスタン産ゾンビ映画だからこそ許される、ひじょうにひねった小粋な邦題です
というわけでゾンビスレであがってた作品その3
…というか、これ、ゾンビ映画か?
冒頭からの展開をみてもどう考えても殺人鬼もののノリで、んでもってやっぱり殺人鬼ものでした
うん、いちおゾンビは出てくるんだけど、こういうゾンビと殺人鬼ものを合わせた作品は珍しいかもしれません

しかもゾンビはゾンビでひとつのすじで話があって、殺人鬼は殺人鬼で独自の話がある
たまたまゾンビと殺人鬼が同じ場所にいるってだけで、別に共通の因果的なものはなにもないってのが斬新ですね
ようするに殺人鬼がいる場所に迷い込んだら、近頃そこはゾンビも徘徊する場所になっていた、みたいな
ゾンビの出番はびっくりするくらい短いですが、けっこう気味の悪い存在感を残してくれるので、無駄な存在にはなってませんね
ゾンビと殺人鬼に同時に襲いかかられてどうしましょ、って展開とかあれば神がかった内容になったかもしれませんし、そうでもないかもしれません
ほんとにゾンビは作品の味付けみたいなポジションで、メインは殺人鬼さん

この映画もへんてこな空気感を楽しむタイプで、もう冒頭のテーマソングからして「ちょっと頭おかしくないッスかね」と言いたくなります
パキスタンという見慣れない土地の情景とかなんやら新鮮で、またBGMが毒々しくて素敵です
ホラー演出としては驚くところもないけど、これといってダメすぎる点もないんで、観てて苦痛にはなりませんね
じゃっかん殺人鬼側の状況が分かるような分からないような捉えづらいところはありますが、ストーリーなんて気にする内容じゃないんで

そんな感じでこれもちょっと変わったのが観たいって人にはピッタリな作品かもしれませんね
おもしろいかどうかは別として

個人的評価:60点
オススメ度:マジもんのフレイルってあんな感じなのか




パキスタン・ゾンビ 予告


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2010年11月24日水曜日

ギリシャ・ゾンビ (2005/ギリシャ)

監督:ヨルゴス・ノウシアス
出演:メレティス・ゲオルギアディス / ペピ・モスコヴァコウ / アルギリス・タナソウラス








工事現場で働く三人の男たちによって発見された洞窟
そこから帰った男たちは急に人を襲い始めるのだった

いやあ、やっぱりギリシャといえばゾンビ、ゾンビといえばギリシャですよねえ
ギリシャで撮られた純正ギリシャ産ゾンビ映画だからこそ許される、ひじょうにひねった小粋な邦題です
というわけでゾンビスレであがってた作品その2
タイトルで損をしてる実はけっこうおもしろい作品だった「ネズミゾンビ」とまたおもむきが違って、これはギリシャという土地のゾンビというなんか物珍しい感触を味わえるというもの

しょうじきゾンビ映画としてみればアレな感じですが、ほら、なんかギリシャってだけで心が躍らざるえないじゃない
話的には急速にゾンビ化が拡大していって、街でわずかな生き残った男女が逃避行を続けるって感じのありふれた内容
その逃避行の中で軍が壊滅状態であること、避難命令が出たこと、しかしすぐに閉鎖されて逃げ場がなくなったことが分かり、どんどん状況は絶望的になっていく、と

そんなありふれた展開なのに、なんか憎みきれないところがあるのがポイントですね
2000年代に作られたとは思えない画質の古くささ、そのくせ背伸びして凝ったことをしようとしてすべってるカメラワーク、雰囲気とかいっさい無視した独創的なBGM、それだけでもなんか楽しくてしょうがないですね
さらにゾンビとのバトルも素敵で、まるで粘土細工のようにパンチひとつで首がもげたり、胸を貫かれるゾンビさん
刃物系の武器なんか使った日には胴体だろうが頭蓋骨だろうがバターのようにさっくり切れます
ええ、もちろん主人公たちは達人でもなんでもなく、ほとんど全員ふつうの素人さんたちです
14歳の女の子にいたっては首の骨を後ろからぐりっと軽くねじ折ってしまいます

それ以外にもツッコミどころという素敵ポイントが豊富に用意されていて、作り手の「こうしたい」という思惑がもろわかりな感じで離脱&再加入する人がいたり、演出的な効果だけを狙って脈絡もなく話が展開していくさまは逆にすがすがしいですね
特にラストのありえない所に自ら逃げ込んでいくシーンは「おまえその画を撮りたかっただけちゃうんか」と言わざるえない

とはいえ、ホラー面でのグロさとかはけっこう力がはいっていて、安っぽいながらもクソ以下にはなってないですね
完全に安心して観られるという感じではないものの、嫌々ながら付き合ってる感がなくて普通に最後まで耐えられる、なんとも奇妙な魅力のある一本でした

個人的評価:55点
オススメ度:泣きわめき担当のガキとか…いや、なんでもない




ギリシャゾンビ 予告


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2010年11月21日日曜日

ネズミゾンビ (2006/米)

監督:ジム・マイケル
出演:ニック・ダミチ / アントン・ペイガン / キム・ブレア / ロン・ブライス / ラリー・フライシュマン / ルー・トーレス / ティム・ハウス / ジョン・ホイト / デビー・ロコン







クローム社によって都市開発が進められたマンハッタン
とつじょとして大量発生したネズミとともに謎の事故が連続発生するのだった

某ゾンビスレをながめていたら先人さんの目にかなった作品がいくつか列挙されていたので、自分で地雷を踏む手間が省けるね、っていうなまけ根性を丸出しで借りてきました
まあ、なんというか、いや、これホントに普通におもしろいですね
「ネズミゾンビて、おまえ」と誰もが思うところですが、ぜったいにタイトルで損してる

都市開発が進む中でネズミが大量発生し、主人公たちがすむボロアパートにもその脅威がせまる、と
細かい説明はないですが、人工的な都市開発の部分での環境汚染と破壊によってネズミが未知のバイオ的な感じのウイルスを保持したまま暴走
ネズミに咬まれた人間は死してなお行動し、姿もふくめてネズミ化してしまう
人間サイズのネズミ風の姿ということで、食べ物もより大きなものとして感染してない人間が必要になって人を襲い始める
ウイルスが未知って所はアレですが、ゾンビ化の広がり方っていう部分はわりと考えられて作られてますね

キャストがあまりに地味ですが、撮り方はとにかく本格的で低予算であることを作り手がじゅうぶん承知していて無理な背伸びをしてないのが好印象
最初はささいな事故、そしてやがてマンハッタンを完全封鎖という状況にまで発展していくんですが、その過程をテレビのニュースというのを使ってよく表現してます
実際に封鎖しているシーンを映し出すことなく、状況だけをうまく描くことでキチンと伝わってくるんですね
金はないけど見せ方ひとつでがんばってる印象

あとこれはポリシーなのか予算の問題なのか知りませんが、このてのゾンビ映画のわりに銃がいっさい出てこないんですよね
バトルじたいがひかえめで、どっちかというと逃げ隠れることがメインではあるんですが、それでもどうしても戦う場面では格闘かバットで殴るって感じ
元軍人がごろごろ出てくるってのに銃撃戦がないってのはちょっとした違和感がありましたね

そしてラストもまたいいんだ、これが
いい、っていうより悪いって感じかもしれませんが、けっこう深い
最後の最後で助かった人、助からなかった人、そこら辺の描写が実は事前の伏線を考えると「あれ、もしかして…」ってなります
助からなかった人の方はわりと分かりやすいですが、助かった人も普通に助かったとも考えられるけど直前のもみ合いのやりとりを思い出すと…ね
微妙に後味が悪いだけのオチってだけでもないのが個人的におもしろかったですね

個人的評価:80点
オススメ度:これだから家ネコは




ネズミゾンビ 予告



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2010年11月16日火曜日

9〈ナイン〉 9番目の奇妙な人形 (2009/米)

監督:シェーン・アッカー
出演:イライジャ・ウッド / ジョン・C・ライリー / ジェニファー・コネリー / クリストファー・プラマー / マーティン・ランドー / クリスピン・グローヴァー / フレッド・タタショア / アラン・オッペンハイマー / トム・ケイン / ヘレン・ウィルソン








人類が滅び去った直後の世界、小さな機械仕掛けの人形がある家の中で目覚める
背に9と書かれた人形は、外の世界で2と書かれた同じ人形に出会うのだった

CGアニメのこの作品、人類滅亡後に機械仕掛けの人形が動き出すという、なんかどっかでみたことある設定です
ですが、人形の見た目がコミカルな以外はかなり重い作風になってます
もっと明るい話かと思ったら、そうでもなかったですね
いや、まあ、物語の目指すところは明るい場所なんですが、重苦しい空気の中に射し込むひとすじの光明みたいな感じで、パッと晴れやかな明るい話にはなっていきませんでしたね

目覚めた9が2と出会うんですが、そこに猫型のロボット(青いやつではない)が襲いかかってきて2がさらわれてしまう
怪我をした9を助けてくれた新たな仲間の5と知り合い、さらに他にも同じナンバリングされた仲間がいることが分かり、隠れ家に連れて行かれます
そこで2を助け出そうと行動するんですが、まあ、いろいろあって大変な事態になってしまう…と
話じたいはそうでもないんですが、雰囲気とCGアニメであることにおごらない映画的なカメラの撮り方がおもしろいポイントかもしれません
ようするに雰囲気映画

主人公たちナンバリングされた人形が、街を徘徊する主人公からみれば巨大な機械の獣ビーストと戦うお話なんですが、人形だからって安心できないところがありますね
普通に人形でもやられる上に、どんどん敵のビーストがえぐい攻撃をしてくるようになります
コミカルな造形の人形にだまされて子供にみせると軽いショックを受けるかもしれません
安心安全を徹底管理されたCGアニメより、こういう重い展開のあるものの方が逆に小さい頃に観ておいた方が将来は立派に育つ…かどうかは知らん

ラストもハッピーエンドっぽく終わるんですが「いや、マジでこれからどうすんのよ」と思わずにいられない
明るい未来よりも、これからについての不安の方が強く感じてしまいましたね
そんなわけでじゃっかん重々しいままにはじまってそのまま最後まで続く空気感、その雰囲気にあえばかなり楽しめる作品かもしれません

個人的評価:80点
オススメ度:誰も死なせないフラグ




9〈ナイン〉 9番目の奇妙な人形 予告



2010年11月14日日曜日

彼岸島 (2010/日)

監督:キム・テギュン
出演:石黒英雄 / 渡辺大 / 水川あさみ / 山本耕史 / 弓削智久 / 森脇史登 / 足立理









仲間とともに普通の高校生活を送っていた明に、ある日、謎の女性が行方不明の明の兄の居場所を知っていると言って現れる
明の兄は地図にのっていない島で吸血鬼と戦っており、その手助けをしてほしいと女性に頼まれるのだった

うすっぺらいJホラーかと思ってたら、なんか少年マンガなノリのアクション映画だった…
うーん、まあ、なんというか、なにこれ?ん?とりあえず言えるのは、なにこれ?
夏休みによくある子供向けのライトな怪奇映画のグロさを増した感じの印象が強いですね
ドキドキもワクワクもすることなく、常に平坦な気持ちで寒い演出と台詞に「あー、早く終わってくれねえかなあ」とぼやきながら観るのが正しい鑑賞スタイル

主人公の明に行方不明の兄貴の居場所知ってるし、と謎の女が接触してきて、なんだかんだしてるうちに明と不快な仲間たちが吸血鬼と遭遇&バトル
吸血鬼について深いツッコミも思い悩みもないままに、吸血鬼だらけの島に兄貴を助けに船出する一行
いや、まあ、話は早くていいけど、ほら、吸血鬼だよ?最近の高校生は吸血鬼ごとき日常茶飯事ですか?もっと脅威を感じてもいいんじゃなくて?

そして、この映画のもっともアレな部分がすべてにおいて中途半端なところ
一行のリーダー格で男気を見せるケンちゃん、だけど序盤だけであとは完全に空気化してしまうケンちゃん
いい感じで明たち一行のどろどろした仲間割れイベントが勃発するも、ポンちゃんがああなって以降は特になにがあるでもなく、絆を深めるイベントがあるでもなく仲良しさんに戻る
明の兄貴が出てくると、主人公が明なのか兄貴なのか演出がブレブレでどっちつかずでそのまま最後まで流れ込む
出てきただけ感がバリバリな師匠とレジスタンスの面々
いや、なにこれ?この映画はいったいなにがしたいの?

拷問イベントと仲間割れイベントをもっとダークに描けば楽しくならんでもなかったかもしれないですが、血がどばどばでる作品のわりにあまりに重い展開は嫌う作りみたいですね
オニとかでてきて「おお」と思えるところもあるんですが、全体的に軽い薄いブレてるという負の印象が強すぎてどうにもならない
そんな作品でも個人的にはかまわないんですが、それならそれでもっと突拍子もない素敵ポイントがほしいわけで
あんまりにひどすぎて、かえってそのひどさをツッコミながら観るという楽しみすらできない平坦さなので、なんとも

そんなわけで、なんともいえない…ダメな意味でなんともいえない作品でした
あ、これだけは言える
時間を返してくれたらうれしいな

個人的評価:30点
オススメ度:どこら辺が吸血鬼との戦い方、の修行だったのか詳しく




彼岸島 予告



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2010年11月13日土曜日

ニンジャ・アサシン (2009/米・独)

監督:ジェームズ・マクティーグ
出演:Rain / ナオミ・ハリス / ベン・マイルズ / リック・ユーン / ショー・コスギ / グイド・フォーワイザー / スティーブン・マーカス / ウラジミール・タラジャンス / ランダル・ダク・キム / サン・カン / リン・ダン・ファン








世界の名のある人物が暗殺される事件を捜査するミカ
そこには小角一族のニンジャの影があるのだった

オー、ニンジャー、アサシィン!!
というわけで、直球すぎるタイトルでB級映画嫌いな人には「うわ…」と引かれるだろうこの作品
いやいや、しかし実際に観てみるとけっこうしっかりしたアクション映画として作り込まれていてビックリ
というかクソB級かと思ったらそうでもないことに個人的にビックリだよ

話的には捜査官のミカさんがニンジャの影を追う一方で、小角一族のニンジャである雷蔵が里での修練の日々を思い起こすって感じで始まります
冒頭から身体切断描写&血しぶき飛びまくりなハイスピードスプラッタアクションがあって、「これはただのクソB級ものじゃねえ…」と分かります
ま、雰囲気からしてB級であることにかわりはないですが、ちゃんと金と手間をかけて作ってる感はします
ストーリーとか基本はどうでもよくて、流れるアクションの中で胴体切断されていく敵を愛でる映画です…たぶん

ニンジャアクションとしては珍しく(?)、打撃投げ組みなんかの体術よりも武器を使用した演武系アクションがメイン
飛び交う手裏剣、交叉する刃、じゃっかん不自然に飛び散る血…まさにスタイリッシュニンジャアクション
ハイスピードなシーンもけっこう分かりやすく、何をやってるかそれなりに把握できるのはいいですね

気になる点は雷蔵の過去話がわりと安っぽく、ダルい上に微妙に長い
過去話との間に現在のちょっとした動きのあるシーンを織り交ぜてはいるけど、やっぱりダルいのは隠せてないですね
あとはストーリーが貧弱すぎる
設定で誤魔化そうとしても、あまりに薄っぺらいストーリーのどうしようもなさは明らか
クソB級映画なら「まあ、いいか」ですませるけど、ここまで本気で作ろうと思ったならもうちょっとストーリーにも力を入れて欲しかった

というわけで、あまりに腐臭のするタイトルのくせに実は普通に楽しいアクション映画だったことにガッカリというか満足というか、なんか複雑な作品でした

個人的評価:70点
オススメ度:ニンジャー




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2010年11月12日金曜日

エルム街の悪夢 (2010/米)

監督:サミュエル・ベイヤー
出演:ジャッキー・アール・ヘイリー / カイル・ガルナー / ケイティ・キャシディ / ルーニー・マーラ / トーマス・デッカー / ケラン・ラッツ / リア・モーテンセン / コニー・ブリットン / クリスチャン・ストルティ








夢の中に出てくる顔がただれ鉄の爪をもつ男に傷つけられると、現実でも傷を負ってしまう
そんな悪夢に悩まされるディーンだったが、その悪夢の男は徐々に他の人の夢にも出るようになり…

リメイク版ですね
しょうじきオリジナル版は記憶の彼方に沈んでしまったので、なんとなくしか覚えてません
それなのになんかこう新しさがまったく感じられない、微妙に古くさい印象がありましたね
ひどいつまらなさはないけど、すごくおもしろいわけでもない普通な感じで、ホントにそつなく手堅く作りました、みたいな

やっぱり見所は現実と夢の境界のトリックで、「あ、いつのまにか夢に入ってたんだ」とか「夢だと思ってたけど現実なのか?」みたいなのを期待して観るわけですよ
でも、そんなところも普通な表現をされていて、夢と現実を絡ませた観る側をだますような複雑なトリックはありませんでしたね
夢に入るのも分かりやすいし、夢の中は夢の中と認識しやすい描写なもんで、「いまどっちなんだ?」というドキドキ感はありません

それでも序盤から「こいつが話の軸になっていくのか」って思ったキャラがアレでナニになったり、フレディさんが心臓えぐった後に6分も楽しめるとかえげつないことを言うシーンはおもしろかったですね
殺しの描写はそれほど鮮烈ではなく、丁寧に作ろうって気持ちは分かるけどもうちょっとはじけたシーンもあってもよかったような
悪く言えば地味かもしれません
個人的にはラストのオチみたいなノリを期待してただけに、じゃっかん物足りませんでしたね

いや、ホントにつまらなくはないけどあまりに普通すぎるというか、まあ楽しめたことは楽しめたけど、別にあんまりリメイクした意味がないよねって感じの一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:フレディさんガチロリじゃないっすか




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2010年11月9日火曜日

ザ・ホード -死霊の大群- (2009/仏)

監督:ヤニック・ダアン / バンジャマン・ロシェ
出演:クロード・ペロン / ジャン=ピエール・マルタンス / エリック・エブアニー / オーレリアン・ルコワン / ドゥードゥー・マスタ / アントワーヌ・オッペンハイム / ジョー・プレスティア







同じチームの同僚を殺された警官たちが復讐のために敵のアジトに乗り込む
その時、街は死者がゾンビと化してよみがえる現象が発生、警官とギャングたちはビル内に孤立してしまうのだった

いきなり普通にポリスアクションが展開するものだから、「あれ?違うの借りちゃったかな?」と一瞬、本気で心配になりましたね
ようするに敵同士で組んで襲いくるゾンビを撃退しながら逃げるぜ、みたいな内容
まあ、ふだんゲームしてる人が観たら誰もが「実写版のL4Dだね」と思うでしょう

ゾンビが出てきて何が起こってるんだ、って感じの演出はうまいし盛り上がるんですが、心の中では「どうせ、ゾンビ化についてろくに説明もせず、きちんと風呂敷もたたまないで投げっぱなしENDなんだろ」と冷めた自分がいるのも確か
ゾンビものって「なんでゾンビ化がはじまったの?」って部分を描かなくても許してもらえるという点は優遇されてますよね

で、この作品は「全力疾走ゾンビ」に分類される系で、ゾンビさんたちは常にマックスパワーでダッシュ&タックルの精神で襲ってきます
しかもタフで力も強いというチートぶり
まあ、道具を使えない点だけはアレですが、かなり本気でこっちを殺しにくるゾンビさんは素敵です
そして対する人間側もまた個性豊かというかなんというか
敵同士で組んでも極限状態の中で絆みたいなのが芽生えるものですが、この作品ではそんなもんは存在しません
むしろ警官チーム、ギャングチームの中でもぎすぎすした人間関係が展開しておもしろい

B級ホラーアクションとしてはけっこう楽しめる部類ながら、けっこう細かい所で気になる点が多いですね
いちいちつっこんでたらキリがないですが、それでもゾンビ関連の設定がテキトーすぎる
基本ゾンビが単体で出てくるとかなり耐久力ふくめ基本的なパワーが大きめで、なかなかしぶとい
それこそ銃を乱射されても無問題
でも群れて出てくると途端に耐久力が紙なみにぺらっぺらになって、あっさり銃弾に沈んでいきます
あと咬まれてからゾンビ化するまでの時間もご都合主義ですぐゾンビ化する人もいれば、かなりねばってからの人もいます

そんな微妙な点をくつがえす存在がジジイ
いや、もうジジイのキャラがよすぎてすべていいところを持って行ってますね
特に女ゾンビをあれこれいたぶるシーンはかなり強烈に印象に残ります
小さな子供はみんな将来の夢はこういうジジイになることを目指してほしいね

ラストのオチもちょっとだけ「おい、マジでか」と思えるし、しょうじき観て得はしない映画ですがB級好きならかなり楽しめる作品でした

個人的評価:80点
オススメ度:俺のハーコーを見せつけてやるぜ




ザ・ホード -死霊の大群- 予告



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2010年11月7日日曜日

エクリプス トワイライト・サーガ (2010/米)

監督:デヴィッド・スレイド
出演:クリステン・スチュワート / ロバート・パティンソン / テイラー・ロートナー / アシュリー・グリーン / ジャクソン・ラスボーン / ケラン・ラッツ / ピーター・ファシネリ / ニッキー・リード / エリザベス・リーサー / ダコタ・ファニング / ブライス・ダラス・ハワード / ジョデル・フェルランド / ブロンソン・ペルティア / キオワ・ゴードン / ポール・ジャレット / ブーブー・スチュワート / ジュリア・ジョーンズ / タイソン・ハウスマン / アレックス・メラズ / チェイスク・スペンサー / チャーリー・ビューリー / キャメロン・ブライト / ダニエル・カドモア



ヴァンパイアの恋人エドワードに求婚されたベラ
人狼族のジェイコブとの関係に悩みは尽きないが、ベラに新たな魔の手が迫りつつあるのだった

そんなわけでシリーズ3作目ですが、前作の「ニュームーン」が微妙に中途半端なデキだったのがよくわかります
前作と今作でひとつのエピソードみたいな形になってるんですね
前作でなんのために出てきたのか意味不明な出番があったヴィクトリアさん関連もきちんと消化してますし、いちおベラの決意的なものも答えは出てます
次回作の予告みたいなものもなかったんで、これで映画としては終わりなんですかね
完全に風呂敷はたためてないにしても、それなりに完結はしてるんで

人を襲わないエドワードたちカレン一族、ベラの特殊な血に引き寄せられる人を襲う吸血鬼たち、吸血鬼と敵対関係にあるジェイコブたち人狼族、吸血鬼たちが目立つことをしないように監視するヴォルトゥーリたち
そんな中でベラをめぐって牽制しあうエドワードとジェイコブ、だけど世間では人を襲う吸血鬼たちが突如として増え群れてきている
このままではヴォルトゥーリが介入してきてしまい、そうなるとエドワードに命じられた「ベラを吸血鬼にする」という指示がいまだになされていないとバレちゃうじゃん、あらたいへん
みたいな話ですね

とりあえず前作でうざさマックスだったジェイコブがけっこう株を上げ、さらにエドワードも好感度アップ
かわりに個人的にだけどベラの印象が悪くなりましたね
ジェイコブの気持ちを知りながらそういうこと言ったり行動をしちゃうかい、って感じで
同じことは最初にエドワードにも思ったけど、後半になって「そういうふうに考えていたなら仕方ない」みたいに思えます
ホントにベラはエドワード好き好き、ジェイコブも友達として好き、でもじゃっかんひとりよがりな子供っぽさがアレなんですよね
極端に言えばビッチ

エドワードさんは基本的に大人っぽくて、相手の心を読めることもあって行動が紳士的
クライマックス前の雪山での三人のシーンでよくわかります
エドワードさんの「相手の気持ちを尊重しているからこそ」の言動行動はさすがやで
まあ、冒頭の求婚ループは辟易したけどね

基本は三角関係のロマンスが中心なんですが、吸血鬼と人狼族の因縁の根幹とか、カレン一族の一部の重い過去話もあって飽きませんでした
ベラをめぐるラブラブちゅっちゅな話はねっとりしているけど、サイドストーリーはあっさりしていて「あえて深くは言わないけど察しなさい」みたいな演出は好きですね
アクションシーンもほどよいバランスで楽しいし、微妙なグロさがいいスパイスになってます

だけどやっぱり前作までのファン向けな作風に違いはなく、完全に続きものとして作られているんで、いきなりこれを観ても楽しめないのは確か
そういう意味で一本の映画としては評価できないかもしれません
いちおは前作までのまとめが本編前に流れますが、その情報だけでは楽しめないでしょう
というかこれから観ようなんて人はそうそういないか
そんなわけで、今まで観続けてきた人はそれなりに楽しめる内容でしたね

個人的評価:75点
オススメ度:ヴァージンなら仕方ないな




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