2010年1月31日日曜日

1月のこれ一本

ちょっと前まで正月だったのが嘘みたいですね
もう1月も終わりですよ
あー、なんていうか「日々を無駄に、しかもうすっぺらに過ごしてるなあ」と
まあ、いいけどね
そんなことを気にしてたら死にたくなるだけなんで

そんな年明け一発目に相応しいライトな話題を振りまきながら、今月のオススメは「青い鳥」です
リアルってほどリアルでもなく、トンデモってほどトンデモでもない、なんともいえない教師ものの作品
ガチで名台詞が多く、これを観た後には不思議なパワーをもらえます
こういう地味ながら面白い映画は大好物ですね

職場でやたら「映画は派手な方がいい」という口癖な人がいますが、ぶっちゃけ自分の趣味で観てるゾーンにはすすめられる作品が少なくて困る
「アバター」は派手だし、それなりに万人受けするだろうからいいけど「アドレナリン」とかすすめたら、ただでさえ低い好感パラメータがさらに下がりそうで怖いです
というか、世間一般ではまだ昔のハリウッド的な派手派手な映画が面白さの基準なんだな、と再認識
徳川セックスと聞いてテンション上げてる自分が恥ずかしいですね

ゴールデンスランバー (2010/日)

監督:中村義洋
出演:堺雅人 / 竹内結子 / 香川照之 / 吉岡秀隆 / 劇団ひとり / 濱田岳 / 柄本明 / 渋川清彦 / ベンガル / 大森南朋 / 貫地谷しほり / 相武紗季 / 伊東四朗 / 永島敏行 / 石丸謙二郎 / ソニン / でんでん / 滝藤賢一 / 木下隆行 / 木内みどり / 竜雷太


首相凱旋パレードの行われる仙台
久しぶりに学生時代の親友に呼び出された青柳は、そこで「オズワルドにされるぞ」と言われ・・・

去年の末に予告編を見て気になってた作品です
今年になってもあんまりテレビで宣伝みかけなかったから、おかしいなと思ってたら公開直前にきていっきにコマーシャルに力を入れ始めたみたいですね
お人好しそうな男が首相暗殺のテロリストのぬれぎぬをきせられ、次々に計画されたように追いつめられる証拠がそろえられて警察から逃げる逃亡劇もの
小さくまとまったとまではいかないけど、けっして大作ってほどの完成度ではない「よくできました」映画って感じでした

序盤から「オズワルドにされるぞ」と宣言され、巻き込まれることが確定するんですが、いわゆる「なにも分からないまま流される」感じじゃなく、あるていど「やばそうな雰囲気」を臭わせながら事件の中心に放り投げられるスタイルはよかったですね
そこからは友人との絡みで、警察やマスコミはなんだかんだ言ってるけど「それでも信じるか?どうか?」って話に
しょうじきありきたりですが、それも通り魔のキルオが出てきてからいっきに面白くなります
キルオだけでなく、逃亡の途中でいろいろな人と出会ってピンチを乗り切ったり、時にはピンチに陥ったりしながら、ドタバタと逃げ続ける、みたいな

シリアスながらコミカルな雰囲気が強いので、けっこうライトな感じで肩の力を抜いて楽しめます
逆にそれが仇になってるのも確かで、しょうじき一部のシーンでコミカルさとシリアスさのバランスがイマイチで「もっとマジメにやれよ」とつっこまずにいられない
あとは一国の首相を爆弾テロで殺したっていう大事件のわりに、あんまりそのすごさが伝わってこないし、人が死んでもぜんぜん凄惨さが感じられない
そういう軽さをねらってウリにしてるってのならいいですが、個人的にはもうちょっと重厚さがほしかったかなあ、と
あとは事件の真相がさすがに陳腐すぎる
くわえて「黒幕がここまで派手に事態を大きくしておいて、そこまでしてやりたかったこと」がちょっと伝わってこなかった感じ

ラストはこの手の作品にしては無難にまとまってて、事件そのものには「?」が残るけど、青柳の物語としてはいちお区切りはついてるからいいかな
そんな感じで決して「たいへんよくできました」とよべる大作ではないけど、「よくできました」レベルの秀作ではあるという一本でした

個人的評価:80点
おすすめ度:ちょっと狙いすぎだけど、父ちゃんは良い




ゴールデンスランバー 予告

2010年1月30日土曜日

アドレナリン2 ハイ・ボルテージ (2009/米)

監督: ネヴェルダイン / テイラー
出演:ジェイソン・ステイサム / エイミー・スマート / クリフトン・コリンズJr. / バイ・リン / エフレン・ラミレス / ドワイト・ヨーカム / デヴィッド・キャラダイン / レノ・ウィルソン / ジョセフ・ジュリアン・ソリア / コリー・ハイム / ジュラン・チディ・ヒル / キーオニー・ヤング / アート・シュー / ジェリ・ハウエル / ジェイミー・ハリス / グレン・ハワートン


アドレナリンを出し続けないと死んでしまう男、シェブ・チェリオスは高度4km上空から落ちて死んだ
かと思われた矢先、ある組織によって救出されるも心臓を抜き取られ、代わりにバッテリー駆動の心臓を埋め込まれてしまうのだった

これ最高にバカ映画(褒め言葉)
今回は定期的に充電しないと死んでしまうという設定なんですが、そんな映画の内容をよく表すDVD(BD)のパッケージには車のバッテリーをチャージするブースターケーブルを舌にはさんだシェブの画があります
ええ、このパッケージは誇張とかそんな演出じゃなく、ガチで序盤からこのシーンが本編であるから困らない
つまり、そういう映画です

ショットガンファック、ブースターケーブルで人間充電、競馬場のコースで騎乗位…次から次へとアホ丸出しの展開がまさに一気に走り抜けます
20~30分に一回はクライマックスがある感じ
とりあえずやりたいことをなんでもいいから詰め込んでしまえ、って感じでできた内容
しょうじきやりすぎで寒いシーンや、じゃっかんグロイシーンもあるのは確かですが、そんなイヤな思いをしてるうちに話はもう次の展開に移ってしまってるくらいにハイスピードな流れなんで、そんなに気にはならないかもしれません

前作を引き継いだ正統続編なんで、1を観てないとついていきない所はあるかもしれないですね
旧キャラもバンバン出てきますし、あっというまに退場していきます
というか前作の登場人物の扱いが酷すぎる(じゃっかん褒め言葉)
まあ、しかし主人公のジェイソンさんも「トレインスポーター」で有名らしいですが、こっちの作品の方が生き生きしてていいわあ
あとこれ観たらぜったい中国人おこるだろうなあ
そんくらい劇中の中国人の扱いがアレすぎる

内容はしょうじきない
自分の心臓をとりもどすためにおっかけっこしつつ、ときどき充電の繰り返し
その過程でとんでもアクションを繰り広げるってだけの内容
とことん下品でバカ騒ぎな話を楽しめるか否かで評価が大きく変わってくるでしょう
個人的には大満足しましたけど
それでも巨大化シーンのくどさとか、クライマックスが多すぎて最後の最後での盛り上がりがイマイチかなと感じるところもありますね

バカ映画の続編というと、みょうに狙いすぎて肩の力が入りすぎな堅苦しい作品ができてしまいがちですが、この映画はマジで監督は頭のネジをどっかに落としてきたんじゃなかろうかってくらいに前作以上にバカ度が正しい方向に進化してますね
ぜひ未見のかたは1から観てみましょう
個人的にはオススメのシリーズですね
いや、観た後で不快になっても責任はとりませんが

個人的評価:90点
オススメ度:寂




アドレナリン2 ハイボルテージ 予告

2010年1月29日金曜日

ラブリーボーン (2010/米)

監督:ピーター・ジャクソン
出演:シアーシャ・ローナン / マーク・ウォールバーグ / レイチェル・ワイズ / スーザン・サランドン / スタンリー・トゥッチ / マイケル・インペリオリ / ニッキー・スーフー / トーマス・マッカーシー / ローズ・マクアイヴァー / スティンク・フィッシャー


ある日、14歳の少女スージー・サーモンが殺された
スージーはこの世と天国との狭間の世界で、まだ捕まってない犯人、愛する家族、これからという関係の恋人というやり残してきたことに思いをはせる

「ブレインデッド」で有名なピーター・ジャクソンことピタジャクさんの最新作
びっくりするくらいに思ってたのと違う映画でしたね
ええ、期待はずれという方向で
殺されたスージー、捕まってない犯人、なんか家族にも危機がせまってるじゃん、よし霊的なアレでなんとか家族に危機を知らせなきゃ・・・という内容ではありません
犯人はスージーを殺っただけで家族には手を出しませんし、それどころか死後のスージーはあんまりこの世に介入しません
犯人を追うサスペンスとしても中途半端
自分がいなくなった世界の人間模様ドラマとしても中途半端
なんとかうまくふたつを絡めたかったのかもしれませんが、どうみてもできあがったものは残飯なみの整合性の内容でした

序盤の日常パートからスージーの独白で「殺された」っていう事実は明らかになるんですが、じっさいに死ぬまでの流れがちょっとテンポ悪い
テレフォンパンチなみに事前に死ぬことを宣言してるんだから、もっとドラマティックというか意外性というか、せめてもっとテンポよく話を進めてほしかった
で、死後も犯人はサーモン家になにか特別な恨みを抱えてるにちがいない、スージーがそれを阻止するんだと思ってたら、普通に犯人はサーモン家はそれっきりスルー
たんに誰でもいいから殺そうと思ったターゲットがスージーにすぎないってのはどうか
ちょっとはスージーじゃなくちゃいけない理由みたいのも描かれてる気がしないでもないですが、殺しつながるほどの強い因縁ってわけでもないし

そこからお父ちゃんになんとか自分がまだ存在してることを気づかせ、だけどお母ちゃんは吹っ切りたくて家族がギクシャクとおきまりパターン
それでもババアが登場してからの一連のシーンはおもしろかったですね
そんなババアももっとハッスルすればいいのに、なんか落ち着いちゃってるし
ここら辺からスージーさんの登場がびっくりするくらい減ってきて、メインはお父ちゃんの犯人に対する復習劇に
それはそれで面白いからよかったけど、どうも全体的に面白いところが単発でつながりがないのが残念

なにより「見ることができる」系のキャラが出てくるにも関わらず、あんまりいかしてないのはどうなんですかね
そういうベタな展開を極力回避して、死んだ人間がこの世に介入できることなんてたかがしれてるっていいたいんですかね
あと、この映画を観てなんかすっごい後味の悪さを感じるのは自分だけでしょうか
犯人がすぐそこにいて、金庫ゴロゴロしてるシーンでもスージーはイチャイチャの方が大事らしいし、犯人のオチのつけかたもなんか・・・ね

死者がこの世に未練を残しても、生者に未練を残させても不幸しか待ってないって言いたいことは分かりますが、それならそれでもっとドラマ部分を強く描いてほしかった
逆にサスペンスならそっち系を強化してほしかった
単純にギャルゲーの素朴な田舎っ娘萌えみたいな、そんなジャンルがあるか知らんけど、「スージーちゃんかわゆいのぉ」だけの映画になってるのはどうかと

個人的評価:40点
おすすめ度:スージーはかわいい。それは間違いない




ラブリーボーン 予告

Dr.パルナサスの鏡 (2009/英・カナダ)

監督:テリー・ギリアム
出演:ヒース・レジャー / ジョニー・デップ / コリン・ファレル / クリストファー・プラマー / ジュード・ロウ / リリー・コール / アンドリュー・ガーフィールド / ヴァーン・トローヤー / トム・ウェイツ / チャールズ・マッケオン / ロレイン・チェシャー / ケイティ・リオンズ / ピーター・ストーメア / マイケル・エクランド


パルナサス博士の移動見世物小屋「幻想館」
そこにある鏡の中に入った人間は皆、自分の想像する世界をそこで体験するという


いやあ、しょうじきそこまで期待してなかったし、途中途中でだれる所もあったけど、結果、最後まで観たら「おもしろい」としかいいようがない
特にこの最後の最後のオチを楽しむには、映画館で観ないと伝わらないかもしれません
私も思わず「おい、誰だよ」と最初おもってしまいました
いやあ、あのタイミングでやられると、うっかりだまされます

「パルナサス博士の心の中」である鏡の世界で、そこに入ったものの想像(欲望)をくみとって世界を形作る
そんなシュールでキテレツなファンタジー世界を堪能する映画・・・という単純なものではないんですね
まあ、鏡の世界の描写はかなり面白いですけど
自堕落で酒におぼれるパルナサス博士とその娘、見世物小屋ではたらく青年、同じく働いている博士と昔なじみの小人、拾われた記憶喪失の男、そして神出鬼没な謎の怪しいおっさん・・・みんないいキャラで、それぞれの絡みがすごくおもしろい
でも、もっと鏡の世界が観たいと思ってる序盤は、そんなキャラたちのリアル世界での話がちょっと退屈でだれるかもしれません
トニーの登場がわりと遅いわりに、じゃっかんくどくどと絡んでくるシーンが長く感じ、もうちょっとテンポよく話を進めてもよかったかな、と

内容的にはパルナサス博士とニックの賭け、鏡の世界でそこに入った人に対し、それぞれ正しい道と誤った道を示して選択させることで競いあいます
で、賭けの商品がうんたらかんたらって感じの話が裏にありつつ、表面上は貧しいながら見世物小屋を続けるパルナサス博士と、今の生活にちょっと嫌気がさしてきている娘、そんな娘が気になる働き手のアントン、そこにさらに記憶喪失の男が加わってドタバタ、って感じ

確かにだれる所もあるけど、クライマックスに向けての加速はかなり面白い
というか幻想館がリニューアルしてからが本編の始まりかもしれません
そっからは次々に鏡の世界のファンタジーを堪能できるとともに、ストーリーも一気に加速していって、あっというまにラストまで駆け抜けてくれます
わりとブラックな内容で、トニーの思惑とか、アントンの悲劇とか「どうせ、こうなるんだろうな」と思ってた所に着地してくれないから困らない

そして、これは私が鈍いだけかもしれませんが、ラストのぶたれるパルナサス博士を見て、やっと「そういうことね」って思えたのはよかった
勘がいい人は観てる途中で「そういう作品だ」って、気づくかもしれませんが、自分にとって「選択する、ってそういうことか」と最後の最後で気づきました

そんなわけで、その後、スタッフロールの終わりに用意されたおまけを楽しむにはぜひ、映画館にいって観てみましょう
DVDとか待って、家で観てもぜったいに伝わらない演出ですね

個人的評価:90点
おすすめ度:3つの良い点、ひとつは世界観がいい。その2と3は忘れた




Dr.パルナサスの鏡 予告

2010年1月25日月曜日

13日の金曜日 (2009/米)

監督:マーカス・ニスペル
出演:ジャレッド・パダレッキ / ダニエル・パナベイカー / アマンダ・リゲッティ / トラヴィス・ヴァン・ウィンクル / アーロン・ヨー / デレク・ミアーズ / ジョナサン・サドースキー / ジュリアナ・グイル / ベン・フェルドマン / アーレン・エスカーペタ / ライアン・ハンセン / ウィラ・フォード / ニック・メネル / アメリカ・オリヴォ / カイル・デイヴィス / リチャード・バージ / クリス・コッポラ / ローズマリー・ノウアー / ボブ・キング / ナナ・ヴィジター / ステファニー・ローデス / カレブ・ガス


野生の大麻を探してクリスタルレイクを訪れる男女五人
そこはかつて息子を亡くした母親が凶行を繰り返し、その死後に息子が蘇ったとされる噂がある場所だった

ハッピーバースデイ、トゥーミー
そんなわけでリメイク版の13金です
なんかわりと評価が低いリメイク版ですが、個人的にはかなり楽しめましたね
まあ、有名すぎる作品ゆえに観る側の用意してるハードルが高すぎるから、この作品単体に対する評価が落ちてるんじゃないのかなあ、と

リメイク具合もけっこういいと思うんですが
現代ホラー風の演出にけっこううまくジェイソンを当てはめて撮ってるんじゃないかと
じゃっかんジェイソンがかっこよすぎて、禍々しいものってよりはホラー界のダークヒーロー(?)みたいな存在感はありますが
それによって恐怖度は皆無になり、結局は「次に誰がどうやって殺されるか」になってるだけってのもあります
それでもふざけすぎず、原作をごてごてに脚色したけばいリメイクではないので、ひとつのホラー映画としてみればわりと丁寧に作られてると感じましたね

特にタイトルの入り方かたとかは、意外性ってわけではないけど、けっこうそういう演出は好きかも
そこからもあくまでかっこよく殺しを続け、ホッケーマスクのシーンとか「きた!」と叫ばずにはいられません
しかし、どうにも湖でボート遊びしてたビッチを殺ったあとから失速ぎみになってるのは否めません
クライマックスに向けてどんどん失速してる感じですね
しょうじき行方不明の妹のからませ方が強引すぎて、さすがに無理がある展開になってると言わざるえないクライマックスが残念

そしてラストも、もうお約束なオチが待ってるとみんなの期待を裏切らない…というか、むしろ潔いくらいのオチは個人的には好きですね
それだけに本当に後半のテキトーっぷりが泣ける
まあでも、13金というビッグタイトルをそんなに気にせず、ひとつのホラー映画として観ればそんなに悪くはない作品でした
特に前半だけ観ればかなり面白い映画です

個人的評価:60点
オススメ度:尿は無菌




13日の金曜日(2009年版) 予告

2010年1月24日日曜日

犯人に告ぐ (2007/日)

監督:瀧本智行
出演:豊川悦司 / 石橋凌 / 小澤征悦 / 笹野高史 / 片岡礼子 / 井川遥 / 松田美由紀 / 崔洋一 / 石橋蓮司


身代金目的の児童誘拐事件を追っていた巻島は、犯人を逃した結果、誘拐された子供を殺されてしまう
それから6年、地方に飛ばされた巻島は世間を騒がせている連続児童殺人事件の担当に抜擢され、神奈川県警本部に戻されるのだが

地味ながらも底辺に力強さがあるので、変に派手派手しい作品よりじっくりと内容を楽しめました
まあ、どう見ても主役の豊川悦司が警察関係者にみえないってのは仕方ないとして、キャラ的には有能ながら極端に熱血漢でもクールを気取ってるわけでもなく、しかし中途半端さはあまり感じないなんともいえない魅力があります
いわゆる見えない犯人を相手に地道な捜査と巻島のひらめきで犯人を追いつめていく、そういう話ではなく、どっちかというと警察組織というサラリーマン映画に近いものがあるかもしれません

基本的な内容には三つの軸があって、6年前の誘拐事件、現在の連続児童殺人事件、そして警察内部でのごたごた…と、それぞれが同時に進行していくことで、わりと薄めな核心である連続児童殺人事件がいい感じに肉付けされて退屈せずに観られます
しょうじき巻島のやり方がすんなり通っていれば、そんなに盛り上がることもない内容なんですが、そこに県警上層部のサラリーマン的な駆け引きや、足の引っ張り合いがあって巻島に思うように事件を捜査させてくれない、と
それでも自分なりに事件解決に「警察の体裁を度外視」して突き進む巻島は煙たがれるのは当然で、そこら辺は「よくある警察サラリーマンドラマ」なんですが、前に書いた三つの軸のひとつであるゆえに他と絡んでくることでありきたりさをカバーしてます
ようするにひとつひとつは「ありきたりで浅い」ようなことでも、三つの軸がうまく絡んでくることでうまく相乗効果を引き出してるな、と

まあ、それでも話のキーになる事件解決にいたるポイントが、あまりに偶然の結果ってのが…どうかと
それこそ巻島の言う「いつかはボロを出す」ということがアレだってのは、個人的にはご都合主義すぎな気がしないでもないですね
もっと些細なことの積み重ねでパズルが完成に近づいていって…って内容を期待していたがけに、偶然による犯人のうっかりミスとか肩すかしぎみ
そして犯人を追いつめるべく巻島が言う決め台詞、これをカッコイイと思うか中二病かと思うかでこの作品を最後まで楽しめるかどうか決まるかもしれません
個人的にはここまで大仰な方がカッコイイと感じますが、同時に「これは受け付けない人はダメなシーンだろうな」と感じるのも確か

あとはやっぱりラストシーン
すべてが終わって、観てる側も「おわったおわった」と安心してるところにアレですよ
いや、まあ、事件は万事解決ってことで終わってもいいだろ…と思う気持ちもありますが、こういう不安感をあおるラストも嫌いじゃないですね
特にダラダラとセリフと画で説明した上での不安感の匂わせ方ではなく、説明不足ながら逆にそれがいいみたいな
後味は悪いといえばそれまですが、観てる側に投げつけらて思わず自分なりに映画の内容を思い出しつつ、なにか見落としがあったのかと思わせてくれる感じ…よくできてるとは言いませんが、悪くはないと思いました

そんな感じでちょっぴり大人気分のようでそうでもないような、すごい面白いまではいかないけど普通よりは面白い、なんとも微妙な立ち位置の一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:どうでもいいからとっとと救急車呼べよ




犯人に告ぐ 予告

2010年1月22日金曜日

サロゲート (2009/米)

監督:ジョナサン・モストウ
出演:ブルース・ウィリス / ラダ・ミッチェル / ロザムンド・パイク / ジェームズ・クロムウェル / ヴィング・レームズ / ボリス・コジョー / ジャック・ノーズワーシー / デヴィン・ラトレイ / マイケル・カドリッツ / ヘレナ・マットソン


痛みや苦しみを伴わなず、自分好みの容姿を再現した遠隔ロボット「サロゲート」
多くの人々が家から出ることなく安全なサロゲートを使って日常生活を送る中、サロゲート破壊によって操縦者である人間も死ぬという事件がおこる

大多数のサロゲート利用者と生身の肉体こそ本来の姿だと主張する一部の人権擁護団体、そして絶対安全と言われていたサロゲート操縦者の殺人事件、それを追うFBI捜査官で髪ふっさふさな主人公の僕らのブルースさん
「わー、ざんしんなせっていのSFえいがだなー」
なんとも観る前から不安に思ってたんですが、結局はまんま「今さらかよ」って感じの内容でしたね
ありきたりな設定でも見せ方で面白くもなるんですが、これはビックリするくらい王道・・・というか、さんざん手垢のつきまくったジャンルをあえて踏み外さずに忠実にトレースしたような作品

こんな今さら感が充満してる作品ながら、冒頭から懇切丁寧に世界観を説明してくれる親切設計・・・という名の退屈展開
こういう作品では最初はあるていど世界観を言葉じゃなく、ちょっと不親切でも画で見せてくれた方が話に入っていきやすいと個人的には思うんですね
これが十数年前のSF映画ならしかたないですが、今の時代でそこまで親切にしょっぱなからチュートリアル風に設定説明されても、ね
そしてなにより、サロゲートという存在が普通に日常化しててつまらない
そりゃ機械的な冷たさの演出はあるけど、鼻血ブルースさんが半壊サロゲートを使って超人的な動きで容疑者を追うシーンが序盤にあるんですが、そういった超常的なものをもっと最初の方からやってインパクトを与えてほしかった

それでも上のような鼻血ブルースさんのシーンや、あきらかに犯人はおまえだろって出てきた人物が「あれ?おまえじゃないの?」って風な見せ方の演出はよかったですね
あとはブルースさんの奥さんの生身の容姿とか、あえて見せるだけで説明しないシーンとか好きなんですが、やっぱり設定はそんな悪くないと思います
見せ方と見せる順番、そこら辺がイマイチかなあ、と
教科書通りの盛り上げ方では観てる側は言うほど盛り上がらない現実ってやつで
常に道路を制限速度を守って走ってるような、なんか保守的な印象が観てて感じずにいられません

「SFってあんまり観ないし、難しい設定のはよくわかんない」って人には最適かもしれません
逆にわりとSF設定好きだな、って人が見るとつまらなくはないけど物足りない、ちょっとした退屈感をおぼえるかもしれません

個人的評価:50点
おすすめ度:ブルースさんがリアルおっさんすぎて、オーラ的なものを感じられない




サロゲート 予告

2010年1月21日木曜日

モルタデロとフィレモン (2003/スペイン)

監督:ハビエル・フェセル
出演:ベニト・ポシノ / ペペ・ビジュエラ / ドミニク・ピノン / パコ・サガルサス / マリアーノ・ベナンシオ / ハンフリ・トペラ / ベルタ・オヘア / マリア・イスベルト / エミリオ・ガビラ / ヘルマン・モンタネル / ヤヌス・ゼンミャーク / パコ・イダルゴ / ハビエル・アリェル


諜報機関TIAからやる気をなくさせる電波を発射する装置が盗難されてしまう
それも警備に遅刻した使えない二人の諜報部員フィレモンとモルタデロのせいで…

「ミラクル・ペティント」の監督さんの作品
そしてこれもまた他人には手放しでは勧められないけど、個人的には前作以上に楽しめた全力全開アホ丸出し映画
アメリカのコメディアニメのような叩かれれば派手にめり込み、つぶされればぺちゃんこになって歩き回るという手法をそのままに「当然のように」無駄なCGを多用した作り
コメディ好きにしてみてもクセのある全編コント調な内容に好き嫌いは大きく分かれそうですね
個人的には大好きですけどね!

話の流れ的にはDDT(やる気なくさせる電波発生装置)がある独裁国家の将軍の手に渡り、それを使って英国に戦争ふっかけようとしてるようなそうでもないような展開の中、使い捨ての鉄砲玉的な扱いでやくたたずなフィレモンとモルタデロに奪還指令ではないけど似たようなものがくだる、みたいな感じ
そんなストーリーなんかコメディ映画にとってどうでもいいのは言うまでもないでしょう
というか、そこら辺が理解できずに中途半端にストーリーを語りたがる話もギャグも中途半端なコメディが多すぎる
身の丈以上に着飾らない、むしろ基本的にむっさい灰汁の塊みたいなおっさんたちがハッスルする様を描いたこの映画はコメディのひとつの神髄…というのは言い過ぎですね。はい

とりあえずベッタベタではちゃめちゃなコメディ展開が基調にあって、そこにときおり計算された笑いをはさんでくるのがすばらしい
さらにペティントと同様に「んなもんどーでもいいわ」みたいな伏線を回収してくれるので、不覚にも感心…はしないな
ベッタベタな笑いといっても日本やアメリカともじゃっかんずれたスペインのツボは新鮮というか、個人的にすっごいハマリましたね
「ミ○キー○ウスをぶん殴れる券」とかめちゃくちゃ欲しいわ

ラストのオチはちょっと弱いですが、頭からっぽにしてウヒャりたい時には最適な一本ではないでしょうか
いや、オススメはしないですけどね。マジで

個人的評価:80点
オススメ度:そろそろ風呂でます




モルタデロとフィレモン 予告

2010年1月19日火曜日

スペル (2009/米)

監督:サム・ライミ
出演:アリソン・ローマン / ジャスティン・ロング / ローナ・レイヴァー / ディリープ・ラオ / デヴィッド・ペイマー / アドリアナ・バラザ / チェルシー・ロス / レジー・リー / モリー・チーク / ボヤナ・ノヴァコヴィッチ / ケヴィン・フォスター / アレクシス・クルーズ / ルース・リビエ / シャイロ・セラッシェ / テッド・ライミ / オクタヴィア・スペンサー


銀行勤めのクリスティンのところに、ある老婆がローンの延長を申し出に現れる
昇進のために決断力を上司に見せようと、きっぱりと老婆の頼みを断った彼女だが、その帰り道に不意に襲撃を受けるのだった

潔いほどのビックリ系お化け屋敷映画
「来るのか?来ない?来る?」や「右?いや左から・・・?いやいや油断させておいて」とマジで油断ならない展開の連続
久しぶりにドキドキしながら楽しめる作品でした
特に老婆の怪しくて怖くて、そしてコミカルな立ち回りっぷりは必見かもしれません
なんとなく昔懐かしい臭いのするB級映画

とにかく冒頭からビックリ演出で、老婆との出会い、そして車内でのシーンで、この映画の「なんかよく分からないB級くささ」がクセになるでしょう
そこからがもう常に油断できない
撮り方が非常に秀逸で、「え?なにそのカメラの動き?なんかある?ねえ?」みたいな意味ありげなカメラワークと演出にはまりまくり
で、大丈夫だろうと油断してると「おい!」って感じでいきなりビビらせてくれるから困らない

そんなドキドキ感もさることながら、はりつめた緊張感をうまくゆるめてくれるコメディタッチのシーンもいいですね
本当にB級好きにはたまらんくだらなさと脱力かげんがいあんばいに調節されてます

三日目の夜の「来る?来ない?」の緊張感はかなりのものがあって、そこまで観れば本当に満点の映画なんですが・・・
いや、さすがにラストに向かっての展開は「どうせ○○なんだろ」と読めすぎて、そこら辺のシーンの緊張感が薄め
それでももうひとひねりしてくれる、と信じてたのに普通に終わっちゃってげんなり
もうちょっとひねるか、読まれづらい見せ方はできなかったものか
うーん、このラストの流れだけでじゃっかんこの作品の評価が落ちざるえません

本当にかなり惜しい
途中まで最高によかったのに、なんでってくらい残念感が広がってくるラストがアレな映画でした
しかし、ここまでドキドキ感を味わったのはゲームの「バイオハザード(1)」いらいかもしれません

個人的評価:80点
オススメ度:スペルでババァとムチュッとキッス




スペル 予告

2010年1月18日月曜日

ディア・ドクター (2009/日)

監督:西川美和
出演:笑福亭鶴瓶 / 瑛太 / 余貴美子 / 松重豊 / 井川遥 / 笹野高史 / 岩松了 / 中村勘三郎 / 香川照之 / 八千草薫


山奥の小さな村の診療所から、たよりにされている医者が行方不明になった
そんな村に訪れた刑事は医者の身辺を捜査するにつれて、ある疑念が浮かび上がるのだった

コミカルでハートフル、そして最後にほろりと泣ける小さな村の医療ドラマ…じゃねえから、これ
笑福亭鶴瓶と映画の世界の胡散臭さを楽しむ雰囲気映画でしたね
冒頭から医師の失踪による捜査からはじまることで、いきなり出鼻から胡散臭さが漂います
そこから時間軸が戻って失踪した医師(笑福亭鶴瓶)の日常のコミカルな診療風景を描きつつ、平行して刑事側の視点で失踪を追っていくシーンが進んで、過去と現在がラストに向かって交錯していく感じ

何はともあれ胡散臭さ漂う笑福亭鶴瓶がすべて
コミカルな話の流れの中でポツポツと疑念めいたものがちりばめられ、そこで観てる側にギュッと緊張感を与えてくれて最後までだれません
そして、そんなだれない原動力である緊張感、そこからくる必然的な「オチ」への期待
もう途中からどういう「オチ」をつけてくれるのか、とわくわくしながら観てましたね

しかし、待っていたのは…ね
ぶっちゃけ個人的には悪くはないけど退屈なラストでした
どう考えても蛇足すぎるというか、ラストにきて急にテンポが悪くなってダルダルな印象
村から失踪した伊野の落ち着く先はいいんですが、そこまでの過程を無駄に丁寧に描きすぎてる感じがしないでもない
しょうじき駅のシーンとか丸々カット、もしくは大幅に短縮しても気が…
ホームで煙草をふかす、そんな描写だけで十分でしょう

個人的には研修医と刑事のやりとりで十分にオチはついてると思うんですね
村長の変な弁解とかもいらんし、ホントにラストあたりの話のテンポが悪いと感じざるえない
悪い意味で丁寧すぎる見本かもしれません
そう考えるとそこまでに至る本編でもけっこう無駄なシーンが思い当たります
全体的にはおもしろいんだけど、なんか微妙に薄っぺらくて最後がずるずるな感じの一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:笑福亭鶴瓶は笑福亭鶴瓶以外には見えない




ディア・ドクター 予告

2010年1月13日水曜日

溺れる魚 (2001/日)

監督:堤幸彦
出演:椎名桔平 / 窪塚洋介 / 仲間由紀恵 / IZAM / 渡辺謙 / 勝部演之 / 河原さぶ / 伊武雅刀 / 保積ぺぺ / ミスターちん / 成宮寛貴 / 田口理恵 / 竹下玲奈 / 相沢真紀 / 前原一輝 / 佐藤二朗 / 白竜 / 野際陽子 / 宍戸錠


とある警察官について内部調査するために集められた二人の警察官
宍戸錠を愛する男と女装趣味のオカマ、二人の警官が動き出すのを待っていたように事件全体の歯車が回り出す

コメディ調の警察系サスペンスかと思って観たら、堤幸彦やりたい放題のサスペンス風コメディだった
ビックリするくらい寒いシーンとわりとおもしろいシーンの温度差が半端なく、しょうじき「悪ふざけしすぎ」なところもいっぱい
かなりヤング向け(公開当時)な作りで、おっさんにはじゃっかんキツイ内容でした

冒頭から説明なしで次々にキャラが個別の展開の中で話が進み、徐々に本筋が見えてくるタイプの作風
とはいえ、全体像が見えた時点で「おお、そうだったのか」という驚きや感心はなく、「ああ、そうなんだ」みたいな印象しかないですね
ごくごく普通の内容を意味ありげに切り貼りして演出してみました、としか思えない
観進めていくうちにどんどんコメディ要素が強くなってきて、最後の方は緊張感のかけらもないままクライマックスに突入しちゃってる気がしないでもない

良くも悪くも堤幸彦っぽい映画で、おもしろいかつまらないかと聞かれればおもしろいんだけど、手放しでおもしろいとは言い難い
ホントにすべってるシーンは痛々しいほど寒いし、過剰演出はもはや笑わせようとしてるようにしかみえません
それでもオープンカフェのシーンは個人的に好きでしたね
ここクライマックスだろ、って思うくらいにバカバカしくてカオスでいい感じでふざけてる
他の所ももっとやるなら徹底的にキャラ祭りな映画にして、良い意味でふざけてほしかった

最初は複雑で難解なストーリーかと思っていても、本当にどんどん単純で分かりやすすぎるくらい子供っぽい話だなってのが見えてくる
それでも時折「次はこういう展開かと思ったでしょ?でもそうはしないもんね」みたいな天の邪鬼な展開にもっていくのは飽きなくていいんですが、そんな作り手の意図が強くですぎててイマイチいかされてない感じ
ラスボスもバカカッコイイんだけど、見せ方が露骨でちょっと嫌気が…

なんて書いてくると、すごいネガティブなことばかりですが、基本はおもしろいんですよ。ホントに
だけど「おもしろいよね。ただ…」と語尾に「ただ…」とつけたくなるのは私だけでしょうか
そんな小骨がひっかかったような印象を受けるのは、単純明快に堤幸彦ってブラックコメディ向けじゃないよね、と
バカコメディとして作ってればそうとうおもしろかったような?そうでもないような?
断言できるのは、ブラックの部分が明らかにこの映画の邪魔をしてる…ということ

そんな感じで、いろんな意味でおっさん向けじゃない作品でした

個人的評価:60点

2010年1月10日日曜日

携帯彼氏 (2009/日)

監督:船曳真珠
出演:川島海荷 / 朝倉あき / 石黒英雄 / 落合扶樹 / 桑江咲菜 / 前田希美 / 小木茂光 / 星野真里 / 大西結花


好みのパーツを組み合わせてバーチャルな彼氏を作って携帯メールで恋愛ゲームを楽しむ「携帯彼氏」
女子中学生の里美は続けざまに死亡事故に遭遇する中、その人たちの死が「携帯彼氏」にあると考える

予告を見た時から「こりゃサスペンス風を気取ったトンデモ映画」だろうな、とは思ってました
でも、ほら、そうは言いつつ「実は隠れた良作かも?」と淡い期待をもって鑑賞
で、結果はみごとに撃沈、と

さすがの私でも「そりゃねえだろ」ってくらいのトンデモ映画
いや、トンデモ映画ならどんとこいな気分ですが、微妙に中途半端なトンデモ映画だから始末が悪い
「携帯彼氏」の好感度ともいえるラブゲージがMAXか0になると、そのゲームをしていた女性が死ぬっていう内容なんですが、びっくりするくらい昔懐かしのJホラーです
今さらJホラーとか流行が一周回って面白いどころか、その中途半端な懐かしさに寒さしか感じないんですが
映画的にはミステリーをうたってるようですが、劇中での二人目の犠牲者の死に方の時点で「胡散臭さMAX」です
誰もが「うわ、トンデモ映画ひいちまった」と思うことでしょう

そしてそこから主人公の里美の彼氏の回想が展開するんですが、それがもう全身がかゆくなるくらいのリア充スイーツラブロマンスで、観ててキツいとしか言いようがない
そこらへんは非リア充な自分の心持ちひとつなんでしょうが、他人のイチャイチャしてるシーンとか年賀状に子供写真のプリントがしてあるくらい「おまえの幸せなんざどうでもいい」としか言いようがない
さらにそこから汚いというか、リアルすぎる容赦ない冷酷さな女同士の「友達づきあい」を見せられたり、主人公が「そりゃやりすぎだ」と思うような行為でバイト先の店長にナニしたり、違う意味で精神的ダメージがくる

そうこうしてるうちに「携帯彼氏」で人が死ぬひとつのルールが見つかって、それを解決するために協力者といっしょに元凶のところに乗り込むんですが、もうなにが起きても驚かないってくらいにご都合主義&何でもありな展開
すべてが決着したあとにちょっとした別れがあるんですが、どうせならそんな別れなんかなしで何事もなかったように暮らしていく日々を送った方が潔い
中途半端に話をまとめようとしないで、もっとはっちゃけてしまった方がおもしろくなると思うんですけどね
あくまで個人的な意見で世間一般でどう評価されるか別にして

クライマックスも「どうせ解決したかにみえて、まだ終わってねえみたいなオチなんだろうな」というのが見え見えすぎて、しかも期待を裏切らないから困りもの
なにこの「リング」に便乗して俺も俺もと作ったけどヒットせずにワゴン行きになったJホラーの典型みたいな映画、ちょっと長い一言であらわせばそんな作品
それでも里美の小学生時代のビッチ友人の展開は面白かったです

個人的評価:30点
オススメ度:残った謎が多いですが、人智を超えた力ってことですかそうですか




携帯彼氏 予告

ミラクル・ぺティント (1998/スペイン)

監督:ハビエル・フェセル
出演:ルイス・シヘス / シルビア・カサノバ / パブロ・ピネド / ハビエル・アリェル / エミリオ・ガビラ / ハンフリ・トペラ / ヘルマン・モンタネル / トマス・サエス / ヤヌス・ゼンミャーク / カルロス・ソト


子供がほしいという一心で日々「タラリンタラリン」にせいをだすペティントさん
しかしいっこうに子宝にめぐまれないまま年老いてしまい…

シュールでゆるくてブラックなクセのあるコメディ映画
おもしろい所とそうでもない所の温度差が激しく、コメディ部分も大爆笑というより「おいおい」とツッコミを楽しむタイプ
けっこうすかし技が多く、思わず「そっちかよ」とつっこまずにいられない
おばあちゃんにあることがあってから、それ以来かんしゃくをおこさなくなった…というくだりで、「ふーん」と思っていると次のシーンでホントにかんしゃくをおこさなくなる別の展開が、という感じ
かなり人を選ぶ作品ですね

冒頭から精神病院のシーンではじまり、「どんな話だ?」なんて思ってるうちにペティントさんの幼少時代の話からポンポンとテンポよくおじいさんいなるまで話が進みます
ペティントさんのワイフなおばあちゃんの幼少時代の姿とか、一歩まちがえばやばいビジュアルだったりするんですが、ぶっちゃけ笑えないと思える不謹慎さが漂います
ブラックというか、不謹慎ネタとして一番は黒人あつかいがひどい
養子縁組というなの人身売買、あげくのはてには無惨に…
こういう所についていけるかどうかも人を選ぶポイントでしょう

終盤が近づくにつれて、登場人物たちがどんどん勝手に動き回り、あんまりのまとまりのなさにじゃっかん作品の内容と観てる側に距離感を感じるレベル
だけど、そんなちょっとした不満もラストへ向けての展開で一気に解消
バラバラだった展開のひとつひとつが強引かと思いつつも、きちんとまとまってきてるようなそうでもないような感が気持ちいい
伏線をうまく回収していくことで、やっと全体像が見えてくるんですが「なんか分かるようで分かんない」感じが逆に良い味をだしてますね

個人的には「どつかれてアンダルシア(仮)」とか、スペイン映画のコメディのずれてる感が好きなんですが、それでもスペインものはアクは強い作品ばかりだなあ、と思わざるえません
手放しでオススメはできないけど、見聞を広めると思って観てみるのもいいかもしれません

個人的評価:70点
オススメ度:タラリンタラリン




ミラクル・ぺティント 予告

2010年1月8日金曜日

青い鳥 (2008/日)

監督:中西健二
出演:阿部寛 / 本郷奏多 / 伊藤歩 / 井上肇 / 重松収 / 岸博之 / 太賀 / 荒井萌 / 篠原愛美 / 高田里穂 / 山崎和也


東ヶ丘中学校に休職した先生の代わりに臨時赴任してきた村内先生
彼の受け持つ二年一組で、まず片づけられていたひとつの机を教室に戻すのだった

たまにはこういう賢い系(?)のを観て正月気分を吹き飛ばそう、と
なんてふざけた調子で書くと怒られそうなくらい真摯な作品
全体的に静かでセリフも少ないながら、かなり良い言葉が多いですね
ことなかれであたりさわりのない大人な生き方、それがずるいと分かっていて「仕方がない」と割り切ってはいても「ちょっともやもやするものがある」という人はぜひにでも観た方がいいかと
「がんばる」ことの意味を分かりやすく教えてくれるかもしれません

冒頭から冷めた空気感ではじまり、どんな教師ものが展開するのかと思っていた矢先にいきなり「ある事件」とかきな臭い単語が出てきて、観てる側にカウンターパンチをあたえます
そして村内先生の「どもり」という強烈なインパクトと、当然のような生徒たちの態度、そしてそれを受けての先生の言葉
もう、ね…冒頭からどっぷりと映画の世界観にハマってしまいました
全体的にみれば目新しいものはいっさいないものの、ホントにひとつひとつの言葉が胸に染みこんでいくようでおもしろい

村内先生のキャラはじゃっかん完璧すぎる印象はありますが、物静かで優しく厳しい芯のある「真摯に向き合って相手が自ら気づくのを手助けしてやる」系の先生
熱血ものや破天荒もののように、「事情も知らないクセに」と言われながらも、いつの間にか先生、生徒、父兄を巻き込んで熱くなる…そういう作品じゃないです
どっちかというとリアル系の教師もので、そこにちょっとファンタジー要素を足した感じ
冷めた空気感が最後にちょっと暖かくなる、そんな優しい温もりを感じる映画です

個人的には「レイチェルの結婚」での「弟を殺したからって、愛を求めちゃいけないの?」と同じような心にくる言葉のオンパレードにひじょうに気持ちよさをおぼえましたね
ホントに自分みたいな心がねじれて腐りきった人間にはきついながらも、いろいろと勉強になりましたよ
事実を受け止めたその先にあるもの、私もそれに近づけるように「がんばる」ことができそうな気分になりました

あと作中での村内先生の周りの人に対する態度なんですが、わけあり休職した先生の代理できたという点を考えれば納得ですね
ホントに村内先生大人だわ

個人的評価:100点
オススメ度:リセットのきくゲームじゃないんですよ




青い鳥 予告

※予告見ないで、本編を先に観た方が楽しめます

2010年1月3日日曜日

ドゥームズデイ (2008/英・米・南ア・独)

監督:ニール・マーシャル
出演:ローナ・ミトラ / ボブ・ホスキンス / エイドリアン・レスター / アレクサンダー・シディッグ / デヴィッド・オハラ / マルコム・マクダウェル / クレイグ・コンウェイ / ダーレン・モーフィット / マイアンナ・バリング / エマ・クレズビー / リー・アン・リーベンバーグ / ショーン・パートウィー / レス・シンプソン / ノラ・ジェーン・ヌーン / クリス・ロブソン / リック・ウォーデン / ジョン・カーソン / ジョン・ファーコウ / ナタリー・ボルト / クリスティーン・トムリンソン


2008年、イギリスで発生した死のウイルスにより発生源となった北部が巨大な壁によって封鎖される
そして2035年、安全と思っていた南部でウイルスが再発、北部から救出された過去を持つ保安局のシンクレアに壁の向こうにいってワクチンを探してくるように命令がくだった

短かったようで本当に短かったお正月休みの三日間
そんなしめにぴったりの本格B級アクション映画ですね
いわゆる感染者ものってやつで、出だしからけっこう力のはいった軍隊と感染者、そして暴徒とかした民衆の抗争が描かれます
そしてウイルス蔓延以後、安全な南部で国を保っていたイギリスも世界からは見放され、じょじょに衰退がはじまりつつあるさなかに死のウイルスが再発する…という導入
こうインチキ臭いところはインチキ臭く、それでいてちょっとリアルな味付けをしてある演出は嫌いじゃないですよ

で、政府は衛生で監視し続けていた北部で数年前から人が外を出歩いている姿を確認、そこにワクチンがあるんじゃね?的な発想でシンクレアに数人の精鋭部隊を率いて潜入任務がかせられる、と
ここまでは感染者ものの教科書みたいな展開
しかし、実際に壁の向こうの街に入ってみたらさあ大変、そこに現れたのは世紀末覇者でもいそうな世界観の姿をした荒くれ者たち
そいつらがゲームの「Left4dead」ばりにわらわらとシンクレアたちに群がり襲ってきて、それをやっぱりゲームみたいにバリバリと銃でなぎ倒していくんですね
まあまあ、ここまではそれでもまだ感染者もののひとつの形なんですが、本編はそこから先にありました

まんまアレな世界観に投げ込まれた主人公たち…
そしてピンチを乗り切ったと思ったら、そこにはまた一風かわった世界観を持つ人たちが…
さらに近代的な街並みと近代的設備の南部では感染者と治安維持部隊が激突を始めて…
この3つの世界観のギャップがアホ素晴らしい
そしてなによりけっこうグロイ描写があって、ほっといてもB級テンション上がりまくり
ん?ストーリー?なにそれ?…だが、それがいい
ぶっちゃけ最後まで観ても解決してない事態もあるし、拾いきってない伏線も多い
だが、そんな細かいダメっぷりもクライマックスですべて吹き飛びます

B級マキシマムなBGMとともにマジでクライマックスなラストバトル
「いや、そこはもうちょっとやりようあるだろ?」なんてツッコミは無粋、無粋
おまえ何年前の映画の手法だよと歓喜しつつ観ればいい、その先にB級スピリッツがあるさ
個人的には屋根の上で四つん這いになったマキシマムアホポーズが見れただけで大満足です
いや、まあ、冷静に考えてこれを人に勧められるか?と聞かれたら返事に困るけどね

同じ監督の「ディセント」とはまた違った方向性の映画だけど、「おいおい、おまえそっち系の映画かよ」ってツッコミいれる共通点はありますね
感染者ものだけど、そうでもないちょっとシュールかもしれないバカ映画を楽しめます
ちょっと最後は尻つぼみな感じだけど

個人的評価:80点
オススメ度:ミディアムレアはいいものだ




ドゥームズデイ 予告

2010年1月2日土曜日

ニンジャ・チアリーダー (2008/米)

監督:デヴィッド・プレスリー
出演:トリシェル・カナテラ / ジニー・ウィアリック / メイトランド・マコーネル / ジョージ・タケイ / マイケル・パレ / オマー・J・ドージー / ナターシャ・チャン / マックス・パーリッチ / ラリー・ポインデクスター / エリック・ストーンストリート / マイケル・フィッツギボン


モニカ、エイプリル、コートニーの三人組はセクシーなチアリーダー
しかし、その実態はなんとニンジャだった

アメリカ人はどんだけチアリーダーと忍者の組み合わせが好きなんだよ
というわけで、ええ、これもたぶんにもれずクソ映画でした
分かってる、分かってるけど、ほら、クソ映画と分かってても観なくてはいけない心意気ってもんがあるじゃない

「チアリーダー忍者」と違って、こっちの三人組はビッチ属性は備えつつも基本的にみんな頭いいです
キャラ的にはよくある三姉妹ものの典型な長女、次女、三女みたいな立ち位置
セクシーとはいうものの、どっちかといえば美少女系かもしれませんね
きれいというよりかわいい感じ
で、そんな三人は目標があります
「お金をためて短大から立派な大学に編入したい」という目標に向けて、昼は学校でチアリーディングしつつ夜はストリップバーで脱衣なしのポールダンサーとしてアルバイトをしてるわけですよ
そうしながらも師匠であるヒロシの道場で忍者としての鍛錬をつんでいるって設定

そして、ある日、ポールダンスコンテストに優勝すれば、その賞金で念願の大学行きの資金が貯まるってんで、はりきってる所にお金を預けていたヒロシの道場と店が襲撃されて師匠のヒロシがさらわれてしまう事件が発生します
ヒロシを助けようと怪しいヤツを締め上げて情報を収集するかたわら、大学の試験を受けたり、チアリーディング活動をしたり、ポールダンスコンテストに出場したりとせわしない日常
かなり慌ただしいものの、ぶっちゃけ見ててダルイことこの上ない
いちおマジメに事件は追ってるものの、わざわざ映画でやるまでもない低レベルな捜索&日常パートにげんなり
敵側のクノイチであるキンジが出てきて、やっとそれっぽいアクションがはじまるのかと思ったら、なんかしらないですが次のカットでは戦闘すっとばして何事もなかったように話が進んでる不思議演出

こりゃ見るところもなにもない残念映画だなあ、と思っていた…まさにその時ッスよ
最後の展開だけはちょっと面白かった
師匠をさらったボスのアジトに乗り込み、いよいよだぜって時にヒロシさんがいきなり忍術で自分の拘束をといて敵のボスをあっさりにこやかに殺っちゃいます
そんな所に三人組が到着…って、これで終わりとかシュールだなと思ってたら、そこに再びキンジが登場
うん、まあ、やっぱりヒロイン三人組のラストバトルは必要だよな、なんでキンジが出てきたのかよく分からないけどと思わざるえない
ヒロイン三人がキンジ一人に斬りかかり、だけどキンジは余裕のよっちゃんでいなしていきます
その姿、まさに主役級のキャラが群がる雑魚敵を軽くあしらうように

そして、ここからが一番の見所ですよ
見かねた師匠のヒロシがキンジと一騎打ちという展開に
斬り合う二人、なぜかそれまでいっさいなかった刀と刀のせめぎ合う火花のエフェクトもついて、さらにほとばしる雷光のエフェクトもおまけでのっかります
おまえ最後の最後でどんだけヒロシ映画なんだよ、と
で、もちろん最後はヒロシがきれいにきめてフィニッシュ
アホや、このかんとくアホやで…でもそんなセンスが素敵

誰も見ないだろうから普通にネタバレしてますが、気にしちゃなんねえ
それより、ニンジャ・チアリーダーなのにかんじんの「チアリーダー」分が皆無なのはどうかと思う
まあ、この映画は基本的に三人組のかわいこちゃんを視姦するか、ヒロシにときめくかって内容なので多くは望んじゃいけません
そんな感じで、そろそろアメリカ人は忍者に対する妄想は捨てた方がいいと思いつつ、またこんなクソ映画が観たいなと思う自分もいたりいなかったり

個人的評価:30点
オススメ度:ヒロシ




ニンジャ・チアリーダー 予告

子連れ狼 死に風に向う乳母車 (1972/日)

監督:三隅研次
出演:若山富三郎 / 富川昌宏 / 浜木綿子 / 山形勲 / 中谷一郎 / 浜村純 / 名和宏 / 加藤小夜子 / 草野大悟 / 梅津栄 / 伊達三郎 / 山谷初男 / 志賀勝 / 水島道太郎 / 加藤剛


乳母車に子を乗せて、柳生一族の追っ手と戦いつつ旅を続ける拝一刀
ある女郎に売られる女との出会いから、事態は血なまぐさい方向へと流れていくのだった

やっぱり正月は痛快娯楽時代劇でしょう
そんなわけでシリーズの中でもわりと評判のいい今作を観ることに
いやあ、もう渋くてカッコイイですわ
敵を斬り伏せてゆっくりと刀を鞘に収める一刀…しばしの静寂の後にババーンとくる子連れ狼のタイトル、もうしびれまくりですよ
画面を引き締める緊張感と役者たちの重い演技、そこには今の時代劇が置いてきてしまったいい部分がいっぱいありますね
と、えらそうに言うほど時代劇をそう見てるわけじゃありませんが

一方で本格時代劇というにはどうかと思うようなけれんみもあり、これがマイナスではなくプラスに働いていて「娯楽」時代劇として大きな要素になってます
例えば短筒使いとの戦いの顛末とか、各種乳母車の兵装、ある屋敷から出て行く際に後ろ手に抜刀しながらゆっくりと出て行く様など、ひじょうに胡散臭いながらもそれを上書きするような力強さがあって、作品がちっとも軽いものになってないのがすごい
ストーリーもどう考えても強引な運びなんですが、もう若山一刀が画面にでてくる存在感だけでなんか知らないけど許せてしまうんですよね

話のそのものはアレだけど、その運び方はわかってるなあ、と
最初は旅の途中で単発のイベントがちょこちょこ起こるだけなんですが、それらが実はぜんぶ無駄な尺かせぎじゃなくて、きちんとあとで伏線を回収していく丁寧さ
特に良かったのは、なんだかんだいってこの作品は「柳生一族との戦い」が主軸になってるシリーズなんで、そこらへんのけじめは「俺たちの戦いはまだまだ続く」なノリになってしまう…んですが、ちゃんとそれはそれとしてキチンとしたラストがあるのはいい
ストーリー的にすべてをしめた上で「俺たちの戦いは~」ってやられるとギャフンですが、「俺たちの戦いは~」となった後に「でもひとつやりのこしがあるよな」みたいな
かなり限定した言い方をすると「スクライド」でラスボス倒したあとに主人公二人が決着をつけるみたいな、ふたつの終わりを用意してる小憎らしさって感じ

そして燃えに燃えるクライマックスですよ
相手は百人はゆうにこえる軍勢、それに対する一刀ひとり
乳母車に隠された暗器を使い、長刀、槍、二刀流、あげくの果てにはあんな武器まで使う一刀さん、さすがやで
乳母車連射砲を使ってる時点で以外じゃないかもしれないけど、それでもあの武器を手に持った姿はシュールというか、ネタっぽいながらかっこよかったですね
けっきょくは若山一刀かっこいいね映画…だけど、そこがいいんだよ。それがいいんだよ、と

と、たまにはちゃんとした(?)娯楽時代劇を観て楽しんでもいいんじゃないでしょうか
画面に釘付けにする求心力は半端なかったですね

個人的評価:90点
オススメ度:武士道とは…

2010年1月1日金曜日

チアリーダー忍者 (2002/米)

監督:ケビン・キャンベル
出演:キラ・リード / レネ・ディーマー / アンジェラ・ブルベイカー / ジェフ・ニコルソン

ポルノサイトによる青少年の被害を防ぐため、カトリックのママさん会が集会を開く
結論として、エロチアリーダーたちを倒すために、彼女たちに怨みをもつゲイの男を差し向けるのだが

新年あけましておめでとうございます
お正月、元旦、今年の一発目としてふさわしい作品とはなにか
2秒ほど考えてDVDファイルをめくって目に付いたのがこれでした
ね、こりゃ新年早々縁起がよさそうな映画ですね

そんな感じで観たわけですが…
なにこれ…臭みをいっさい包み隠すことをしないマジもんのZ級クソ映画なんですけど
下ネタ満載のZ級映画は好きですが、こうもどうどうとクソっぷりを前面に出してると逆にひくわ
なんというか、こう「見えそうで見えない奥ゆかしさとエロさ」みたいな感じがいいのであって、どうどうと「これZ級クソ映画ですから」と構えられても、それはもう映画じゃなくコントでしかない気が…
いや、おもしろいネタはあるんですが、大多数がしょうじき狙いすぎてて逆に寒い

内容的にはパープリンなチアリーダーたちに、怨みを持ったゲイの男が四人のヤンキー娘をつれて襲いかかるって流れ
チアリーダーたちは対抗手段として忍術を学び、それを受けてゲイの人はインターネット使ったトラップをしかける、と
終盤はクソ戦隊ものの流れになったり、どうでもいい黒幕が出てきたりとがんばってるようなそうでもないような、ひとことでいえば「くだらない」
深夜に流れててもちょっと観て切るレベル
やっぱりどうも映画としてより、しょうもないお笑い番組の寒いコントを見せられてる気分

それでもあえていいとこ探しすると…えー…ほら、ね、色々と察していただきたい
あえて言うと「怒りを感じるような不快さではない」って感じでしょうか
全体的に「あー、はいはい」といったテンションで、かなり冷めた目でゆるーく笑えますね
うん、ほめてない
嫌いなジャンルではないんだけど、イマイチのりきれなかった印象

という感じでお正月から微妙なテンションになったわけですが
それはともかく、本年もよろしくお願いいたします

個人的評価:10点
オススメ度:うんこうんこ言ってるだけで笑えるなら神映画




チアリーダー忍者 予告