2010年10月31日日曜日

10月のこれ一本

なんか来年早々に新たな人事異動がありそうで、じゃっかん嫌な気分になりつつも、今日もゲームで現実逃避の日々ですが
最近はWiiが大活躍で、毛糸のカービィ、ノーモアヒーローズ2、安藤ケンサクをローテーションしつつ遊んでますね
特にシンプルなものを選びがち
なんというか攻める気持ちがまったくわいてこないんで、ホントに遊び特化のゲームをぼちぼち

で、そんなこととはまったく関係無しに今月は「サバイバル・オブ・ザ・デッド」が一番印象に残りましたね
ちょっと変な雰囲気なゾンビものと、最後のカットの撃ち合いが特に記憶に残ります

ちょんまげぷりん (2010/日)

監督:中村義洋
出演:錦戸亮 / ともさかりえ / 鈴木福 / 今野浩喜 / 堀部圭亮 / 佐藤仁美 / 忽那汐里 / 中村有志 / 井上順









仕事と育児に追われながらも、幼い息子と暮らしているひさ子
ある日、侍のかっこうをした謎の男、安兵衛と出会うのだった

現代にタイムスリップしてきた侍が、そのギャップにドタバタしつつ・・・というありふれた話ですが、意外にけっこう安兵衛のキャラがいい味だしてます
いちいち現代の物事に大仰にリアクションするさまと、昔の人だからこそ芯のしっかりしているところをだすのを楽しむ映画ですね
コミカルなシーンが多く、ホントに肩の力を抜いてリラックスしてまったり観るのに最適かもしれません

だけどね、これはかなり個人的なアレなんですが、子役がクソガキすぎて困り果てる
映画でリアルクソガキ演技はやめてくれと、あれほど言ってるじゃない
まったり観てると、要所要所にクソガキ成分がちりばめられていて、なんというか「あー、こいつ○○してえ」と本気でダークな気分になるようなならないような
これがあるだけでまったりする気分とイライラする気分が混ざりあって、ひじょうに不安定な状態で鑑賞することに

あとは母ちゃんも母ちゃんで終盤にきて、リアル汚い大人っぷりを発揮するのが・・・ね
具体的にいうと子供と二人で卒園式うんぬんの話をするシーン
そこで安兵衛についての母ちゃんの言葉が、ホントにリアル汚い大人発言すぎてどん引きですよ
せっかくほんわかまったり笑えてジーンとくる作品なんだからさ、そういう現実に言いそうな汚い大人セリフはやめてくれよと

話の展開的にはオーソドックスなものですが、きちんと丁寧に作られている好印象っぷり
そこへクソガキ母子が画面に映るだけで、なんともいえない苛立ちが・・・
安兵衛が良い奴すぎることが救いですが、それがなかったら本気でクソ映画認定せざるえない
あとはクライマックス近くのトラックを追うシーンも個人的には、ちょっと
あんまりにベタすぎる上に、なんでここで侍であることを見せつけるような展開になるんだって感じ
けっこう乱暴で強引に流れを変えてる感が強いですね

ラストもラストで、けっこういい感じな展開なのに、それなのに、ここでもやっぱりクソガキが良いシーンを台無しにしてくれます
わかったから、もうおまえはしゃべるな、と心の中で悪態の嵐がおきたわ
そんなわけで、この子供と母ちゃんのキャラが気にならないって人なら、かなり楽しめるまったり系の良作かもしれません

個人的評価:55点
オススメ度:エドウィン




ちょんまげぷりん 予告

2010年10月27日水曜日

Versus (2000/日)

監督:北村龍平
出演:榊英雄 / 坂口拓 / 三坂知絵子 / 大場一史 / 松田賢二 / 新井雄一郎 / 松本実 / 片山武宏 / 吉原歩 / 上赤俊朗 / 増本庄一郎 / 谷門進士 / 浅井星光 / 渡部遼介 / 古宮基成







刑務所を脱走した男が、森の中で逃走の手引きをしてくれる一団と合流する
しかし、一行はちょっとした言い争いから殺し合いに発展していくのだった

イカれた奴らのスタイリッシュ殺し合いアクション…を期待していたらゾンビものだった
しかも森という限定された空間の中で人間同士、人間とゾンビでひたすら戦ってる「だけ」の内容だった
なんというか、色が付いてるだけの薄い、しかも冷めたホットコーヒーを飲まされた感じですね
銃撃、格闘、ナイフ、刀、いろんなアクションが楽しめるのは楽しめるんですが、それが森というシーンは変わらずにずっと続くとしょうじき「もういいよ」とならざるえない

ホントにストーリーとかどうでもよくて、「ぼくのかんがえたかっこいいアクション」を終始みせつけられます
よくいえばスタイリッシュですが、個人的にはやりすぎで逆にくさい決めアクションに成り下がってるようにみえてしかたない
しかもひとつひとつのアクションシーンがやたら長い
おまえらいつまで戦ってるんだよ、と鼻ほじりながらツッコミたくなります

あとはゾンビたちの特性がよく分からない
単純に頭を撃ち抜けば動かなくなる、ってのならいいんですが、この作品の屍さんは頭を撃たれても大丈夫
そのくせに何発か胴にくらっただけで動かなくなったり、格闘技の打撃を受けて動かなくなったり、首の骨を折られて動かなくなったり…おまえらの弱点はどこなんだよ、と

そんなB級バカアクションなのに個人的に好きになれないのは、やっぱり微妙にアクション部分を「ああ、俺が撮ってるアクションカッコイイ」みたいなところが感じられるからで
あきらかにB級だし、あるていど制作側もB級と認めてるくせにへんなところで「でも決めるところは決めるぜ!」ってのがある
そこがキチンと決まってればいいんですが、ホントに痛々しいほどに観てて「うわあ…」感が強いからどうしようもない

ラストのバトルはけっこうみれますが、まあ、でもやっぱり退屈さの方が上
最後のオチはちょっとよかったですが、それだけの作品でした

個人的評価:20点
オススメ度:ここまで退屈したのも久しぶり




Versus 予告



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2010年10月25日月曜日

マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾 (2002/スペイン)

監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
出演:サンチョ・グラシア / アンヘル・デ・アンドレス・ロペス / カルメン・マウラ / エウセビオ・ポンセラ / ルイス・カストロ / マヌエル・タリャフェ / エンリケ・マルティネス / ルチアーノ・フェデリコ / エドゥアルド・ゴメス / テレレ・パベス / ラモン・バレア / セサレオ・エステバネス





少年カルロスは母と祖母と暮らしていた
死んだ父について詳しく語ってくれない母だったが、父のことに詳しい祖父が生きているということを知り、こっそり会いにいくのだが

こてこてのマカロニ・ウエスタンかと思いきや、現代劇だったという
しかも西部劇ショーだったという
最近みた「ベビールーム」の監督と同じですが、こっちはホントに前2作と同じ感じに変な映画ですね
けっこうコメディ色が強いけど、大人のずるさとか身勝手さをうんぬんって感じで、そこにバカな西部かぶれどものドタバタを加えた感じ

やんちゃすぎるクソガキのカルロスが、こっそり祖父が働いている西部劇ショーが見せ物のウエスタン村にたどり着く
そこでショーの登場人物になりきって西部劇かぶれでハッスルしてるバカなおっさんたちと出会い、クソガキ属性ゆえにおっさんたちとうまがあって居着くことになる
ウエスタン村の面々がホントにどうしようもない悪たれっぷりで、社会的に見て最底辺のクス野郎なんですが、ウエスタンって免罪符でなんとなく「アリ」な感じに

本編というか話が本格的に始まるのが後半からで、ちょっと前半は退屈かもしれません
西部劇かぶれたちに現実の波が押し寄せてきて、さてどうするよってところからおもしろくなってきます
おじいちゃんがそんな現実に対する方法を実行にうつすんですが、それがまた観てても「本気かよ」とツッコミをいれざるえない
だけどそんなぶっとんだ行動が楽しいし、その末路として想像できるものがいいスパイスになってていいですね

でも、なんとなく全体的に作りが甘い…というか、ぜったい先のこと考えずにノリで作ってるだろ、と感じるのも確か
「こうやった方がおもしろいだろ」「まとめるにはこうした方がいいかな」って展開が唐突に起こり、そんな予測できない先行きは楽しいけどやっぱり「作り込みが甘い」というのは否定できない気がします
「これとこれを混ぜると意外とうまいんだぜ」みたいな酒場のつまみをミックスしてこさえたC級グルメっぽい作品でした

個人的評価:70点
オススメ度:クソガキがもみまくり




マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾 予告



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2010年10月24日日曜日

日本のいちばん長い夏 (2010/日)

監督:倉内均
出演:木場勝己 / 池内万作 / キムラ緑子 / 湯浅卓 / 中村伊知哉 / 青島健太 / 小田豊 / 山本清 / 早川純一 / 林望 / 富野由悠季 / 重松収 / 鳥越俊太郎 / 立川らく朝 / 島田雅彦 / 田原総一朗 / 瀬川菊之丞 / 市川森一 / 松永英晃 / 山本益博 / 江川達也 / 武藤兼治 / デイヴィッド・ディヒーリ / 柚原旬 / 加納竜 / 松平定知 / 半藤一利




十万を越える時給が支払われる閉鎖空間での心理実験のアルバイト
それに応募した十人の老若男女だったが、死人が出たことにより雰囲気が一変するのだった

しょうじきはなから期待せずに観たので絶望的なガッカリ感はなかったですが、やっぱり「うーん」とうなりたくなる内容
むしろ「うーん」というより「うーん?」って感じかもしれません
劇中でも言ってますが「そして誰もいなくなった」のパロディで、どっかでみたけどそれに「十角館の殺人」と「バトルロワイアル」を足してギリギリ味がするくらいまで薄めた印象

ヘタレな主人公が平和的に七日間すごそうという中、第一の死者がでたことでみんな疑心暗鬼におちいって、連鎖的な殺人事件が展開していく
暗鬼館の構造や、ボックス内の武器とかおもしろいギミックがあり、しかも探偵・犯人・死人の各種ボーナス、参加者がじょじょにみせはじめる隠してた裏の顔が、なんともいえないミステリーの期待値をあげていきます
まあ、それも前半までで、後半がホントに「うーん?」の連続
吊り天井からの一連の展開、暗鬼館の仕掛け、しょうじき失笑ものとしか言いようがない

というかガードが出るたびに作品じたいの腐臭が充満していく気がしてならない
誰がどうみてもガードの自己主張っぷりが雰囲気をぶちこわしにしてるだろ
「すべてがFになる」みたいなのをあらわしたかったのかもしれませんが、画としてだされたアレはさすがに違和感以外を感じない

ミステリーにしても「まあ、こいつがコントロールする立場でいるんだろうな」とはじまってすぐ思いつき、実際にホントにそうだったもんだからビックリ
もっとひねろうぜ、と
そういう意味でミステリー的な「そうきたか」感は皆無
そもそもミステリーとして作品を成り立たせるには、なんか足りない気がしてならないんですよね
かといってバトロワみたいなデスゲームとしてみてもイマイチなにか物足りない
全体的にひじょうに中途半端

オチも「いまさらこのネタ?」と言わざるえない
もうさんざん他でこういったネタはある
十年以上前ならまだ「新しい」と思えたかもしれませんが、今これを作られても「ああ、またこれか」としか
そんなダメな部分ばかり目に付きますが、それ以外のところはそれほど悪くはないですね
ぺらっぺらの内容に片足をつっこみつつ、なんとか踏みとどまってる雰囲気というか、過剰な期待をもって観なければそんなにダメージは受けない内容にはなってます

食えなくはないけど、けっしておいしいものじゃない、そんな一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:シンジテミルとかやめてもらえませんかね




日本のいちばん長い夏 予告



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2010年10月21日木曜日

スパニッシュ・ホラー・プロジェクト ベビー・ルーム (2006/スペイン)

監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
出演:ハビエル・グティエレス / レオノール・ワトリング / サンチョ・グラシア / マリア・アスケリノ / アントニオ・デチェント / テレレ・パベス / ラモン・バレア / エウラリア・ラモン / アスンシオン・バラゲール / マヌエル・タリャフェ / セサレオ・エステバネス / グラシア・オラヨ / エンリケ・マルティネス / ペネロペ・ベラスコ / アントニオ・デ・ラ・トーレ



ボロ家ながら格安の物件に越してきた夫フアンとその妻と赤ちゃん一家
しかし、その家では夜な夜な赤ちゃんの部屋で何者かの気配がするのだった

Jホラーというとなんかアレですが、スパニッシュホラーとかいうと微妙にかっこいい響きになるのは反則だよね
そんなわけで「フォースがあふれ出る」ことで(個人的に)有名な監督が撮ったわりと本格派なホラー映画
どことなく懐かしいオーソドックスなホラーで、特に新しいところがない…というか、むしろいろんなホラー映画である手法を混ぜ合わせて作ったような「どっかでみたことあるよね」って雰囲気の作品

引っ越したばかりの家で、夜に赤ちゃんのいる部屋から不審な声が響き、夫は赤外線カメラで監視できるモニタ装置を買ってきます
で、夜、夫が見てる前で赤ちゃんのベッドの横に謎の男が現れる
肝は妻は決定的な瞬間であるそれをいつも見逃してしまうってところ
けっきょく一人で大騒ぎする夫は妻から冷たい目で見始められて…って感じに展開して、謎の男は実在するのか、幽霊か、それとも夫の妄想かという流れに
結局はオーソドックスなホラー映画に落ち着くけど、目新しいものがないかわりにひどいポイントも少なくなってます
ホントにそつなくまとめあげた普通のホラー映画

謎の男がアレでナニだよな、ってのはわりと早い段階で想像できますが、それでも最後まで観るとなんか誤魔化されてるような感じがします
謎の男がキチンと姿を見せたとしても、現状はそれで理解できるとして、じゃあ過去のアレはなんだったのさという話に
それ以外にも「意味ありげなおばあちゃんはなに?」とか「ずぶぬれの子供はどうなったの?」とか消化不良も目立ちます
まあ、あたぶん細かいことは気にしちゃいけないってことでしょう

あまり同じ監督の過去作品と比べるのは気が引けるけど、ずいぶんと丸くなっちゃって普通の作品とるようになったんだなあ、と
そんな作品でした

個人的評価:65点
オススメ度:入ったら出る。入らなくても出る




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2010年10月20日水曜日

インシテミル 7日間のデス・ゲーム (2010/日)

監督:中田秀夫
出演:藤原竜也 / 綾瀬はるか / 石原さとみ / 阿部力 / 武田真治 / 石井正則 / 平山あや / 大野拓朗 / 片平なぎさ / 北大路欣也








十万を越える時給が支払われる閉鎖空間での心理実験のアルバイト
それに応募した十人の老若男女だったが、死人が出たことにより雰囲気が一変するのだった

しょうじきはなから期待せずに観たので絶望的なガッカリ感はなかったですが、やっぱり「うーん」とうなりたくなる内容
むしろ「うーん」というより「うーん?」って感じかもしれません
劇中でも言ってますが「そして誰もいなくなった」のパロディで、どっかでみたけどそれに「十角館の殺人」と「バトルロワイアル」を足してギリギリ味がするくらいまで薄めた印象

ヘタレな主人公が平和的に七日間すごそうという中、第一の死者がでたことでみんな疑心暗鬼におちいって、連鎖的な殺人事件が展開していく
暗鬼館の構造や、ボックス内の武器とかおもしろいギミックがあり、しかも探偵・犯人・死人の各種ボーナス、参加者がじょじょにみせはじめる隠してた裏の顔が、なんともいえないミステリーの期待値をあげていきます
まあ、それも前半までで、後半がホントに「うーん?」の連続
吊り天井からの一連の展開、暗鬼館の仕掛け、しょうじき失笑ものとしか言いようがない

というかガードが出るたびに作品じたいの腐臭が充満していく気がしてならない
誰がどうみてもガードの自己主張っぷりが雰囲気をぶちこわしにしてるだろ
「すべてがFになる」みたいなのをあらわしたかったのかもしれませんが、画としてだされたアレはさすがに違和感以外を感じない

ミステリーにしても「まあ、こいつがコントロールする立場でいるんだろうな」とはじまってすぐ思いつき、実際にホントにそうだったもんだからビックリ
もっとひねろうぜ、と
そういう意味でミステリー的な「そうきたか」感は皆無
そもそもミステリーとして作品を成り立たせるには、なんか足りない気がしてならないんですよね
かといってバトロワみたいなデスゲームとしてみてもイマイチなにか物足りない
全体的にひじょうに中途半端

オチも「いまさらこのネタ?」と言わざるえない
もうさんざん他でこういったネタはある
十年以上前ならまだ「新しい」と思えたかもしれませんが、今これを作られても「ああ、またこれか」としか
そんなダメな部分ばかり目に付きますが、それ以外のところはそれほど悪くはないですね
ぺらっぺらの内容に片足をつっこみつつ、なんとか踏みとどまってる雰囲気というか、過剰な期待をもって観なければそんなにダメージは受けない内容にはなってます

食えなくはないけど、けっしておいしいものじゃない、そんな一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:心理戦、ではありません




インシテミル 予告

2010年10月17日日曜日

エクスペンダブルズ (2010/米)

監督:シルヴェスター・スタローン
出演:シルヴェスター・スタローン / ジェイソン・ステイサム / ジェット・リー / ミッキー・ローク / ドルフ・ラングレン / エリック・ロバーツ / スティーブ・オースチン / ランディ・クートゥア / デヴィッド・ザヤス / ゲイリー・ダニエルズ / テリー・クルーズ / ブルース・ウィリス / アーノルド・シュワルツェネッガー





金さえもらえばどんな危険な仕事も引き受ける消耗品部隊「エクスペンダブルズ」
その部隊を率いるバーニーのもとへ、ギャラは最高だけど地獄行きという依頼がくるのだった

豪華キャストで制作されたスタローンこと、我らのスタ公のためのスタ公アクション映画
複雑なストーリーも難解な駆け引きもない、とにかくすべてがパワープレイの昔ながらの派手さ重視のシンプルアクションでしたね
よく言えば安定感のある作り、悪く言えば古くさい感じがする作品


話的には将軍率いる200人の兵士がいる島を解放しようって感じで、まあ、その将軍の背後にも黒幕がいるという昔のアクション映画にありがちなストーリー
そこにヒロインが絡んできて、スタ公がハッスルしつつとりあえず武力にものを言わせて力ずくで敵をやっつける・・・みたいな
最近のアクションの中にも裏に壮大な陰謀劇や、トリッキーなサスペンス要素を含むのが主流の作りに反逆した、みごとなシンプルで懐かしいアクションですね
そのシンプルさが逆に良い方向に作用してて、新しくはないけど現在の技術力であの頃のアクション映画を復刻してくれて嬉しい、という気分にはなります

とにかく派手な銃声、派手な爆発、派手なBGMでガンガン突っ走しります
部隊の面々もそのキャストゆえにみんなヒーローっぽい感じの主人公補正がついていて、端から見ても「普通に負ける姿が思い浮かばない」みたいな安心感があります
豪華キャストが派手に立ち回って敵を倒しまくる、ってだけな感じも否めませんが

とはいえ実際に活躍するのはスタ公とハゲマッチョなジェイソンと、僕らのジェット・リー先生くらい
しかもすべてにおいてスタ公が中心になって、みんながみんな引き立て役として派手に立ち回ることで、なんかスタ公のキレのなさをカバーしてる感が漂います
スタ公のダッシュしてるシーンを観た時に「ああ、オーラがなくなったな」と思わざるえませんでしたね
あとあくまでブルースとアーノルド、ミッキーはゲスト出演にすぎません
ジャングルネタはちょっとおもしろかったけど

最近のめんどくさくて中途半端に複雑なアクションに飽きてきたけど、わざわざ昔の作品を観るのもなあ、と思ってたおっさんには大変満足できる内容ですね
「昔ながらの」ってつければ響きがよくなる、チープな味を楽しみたいんだよって人にはうってつけかもしれません

個人的評価:85点
オススメ度:ジェット・リー先生をチビチビ言うな




エクスペンダブルズ 予告

2010年10月14日木曜日

処刑人II (2009/米)

監督:トロイ・ダフィー
出演:ショーン・パトリック・フラナリー / ノーマン・リーダス / クリフトン・コリンズJr. / ジュリー・ベンズ / ジャド・ネルソン / ボブ・マーレイ / ブライアン・マホニー / デヴィッド・フェリー / デビッド・デラ・ロッコ / ピーター・フォンダ / ビリー・コノリー / ウィレム・デフォー





あれから8年、アイルランドで平和に暮らしていたマクナマス兄弟にボストンでの神父殺しの報せが届く
明らかに兄弟が以前手を下してきた「聖人」の仕事を真似た挑発であったが、ふたりはそれにのってボストンへ向かうのだった

前作よりすぐれた続編などない、という定説がありますが…
うーん、まあ、やっぱり前作超えはしてないですね
前作の荒削りで雑味たっぷりなのが持ち味だった作りから、わりと角が取れてマイルドでスムーズに観ていられる印象が強くなりました
それゆえにアクションシーンはスタイリッシュさが増し、こなれてきた兄弟の描写にはコミカルさが強く出てますね
それが悪いというわけではないですが、序盤を観て思った第一印象が「なんか普通になっちゃったね」という感じ

前作のラストで殺された組織のボスの息子が兄弟に復讐の罠を仕掛けるって展開で、わりと流れは一本調子でシンプル
色々な悪人を殺しながら敵の核心に近づいていく、アクション映画的なベーシックな展開がじゃっかん肩すかしぎみ
それでも前作の登場人物の今の描写がうまくて、そこらを楽しんでるうちに他の退屈な部分から注意をそらしてくれます
それでも個人的にアレだなあ、と思ったのはやぱりFBIのお姉ちゃんの存在ですね
前がおっさんだったから、今作ではギャルでいきましょう、というのは分かるけどありきたりすぎる
恒例(?)の銃撃戦シンクロシーンもおっさんの方がよかったなあ、と

前半のちょっと残念な物足りない感じから、後半はどんどんやりたい放題な前作のノリが復活してきてくれて嬉しかった
話の流れをぶった切ったり、必要最低限の説明でぐだぐだしない展開、あくまで不利な状況では普通に窮地に陥る主人公たち、推理による再現アクションシーン、これが観たかったってポイントが後半にぎゅっとつまってます
エピローグも個人的にはよくできてて楽しかったし、あえてこういう続編をにおわすやり方は「この映画ならアリ」と思います
というか、どんどん設定を大きくしていったさらなる続編が観てみたくてしかたないですね
その巨大化した設定でがんじがらめで窮屈にならないで、ノビノビとやってくれる続編があると信じてます

前作よりじゃっかん、ホントにちょっとだけ万人受けするようなマイルドさがあるのは善し悪しだけど、それでもラストまでの疾走感は失ってなかったですね

個人的評価:70点
オススメ度:口を開けばファックかゲイ




処刑人II 予告



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2010年10月13日水曜日

処刑人 (1999/カナダ・米)

監督:トロイ・ダフィー
出演:ウィレム・デフォー / ショーン・パトリック・フラナリー / ノーマン・リーダス / ビリー・コノリー / デビッド・デラ・ロッコ / デヴィッド・フェリー / ブライアン・マホニー / ボブ・マーレイ







信仰心の強いマクナマス兄弟は、ある日、ロシアマフィアとのいざこざをおこす
その後、「悪人を滅ぼせ」という天啓を受けたふたりは法の目を逃れる悪人を殺し始める

口コミで広まった隠れた名作アクションということで、いつのまにやら2も出てたんでこれを機会に観てみようと
全体的になんか普通のアクション映画とは文法が違うというか、しょうじき内容を飲み込むのに時間がちょっとかかりました
荒削りな上にふぞろいでいびつなものを目の前に置かれてる感じで、本当に引っ掛かりながら少しずつ内容を把握していかなくてはいけません
で、それが逆に楽しい
基本文法通りに組上がってないからこそなんとなく新しさというか、初々しさというか、そんななんともいえないものを覚えましたね

精肉工場で働く普通の労働者のふたりが、なんか天の啓示を受けて私刑人デビューするわけですが、そのアクションシーンがまたおもしろい
スタイリッシュに演出してるようで、なんか泥臭いところもあり、いい感じでスカした嫌味なところを排除してます
主人公ふたりも別に凄腕の殺し屋ってわけでもなく、わりと感情むきだしなところがいい
とにかく処刑パートでは制作陣のやりたいことをやりたいように描いてくれていて、きちんとしたものを描く頭のよさがいっさいないので安心です
各キャラも話が進むにつれてどんどんはじけてきて、特にFBIのおっさんが完全に主人公を食ってる感が否めない

雑味がたっぷりで、プレイバックで描く演出とか、観てる方をなんとか裏切ろうとしている展開とか、飲み込むのに労力を使いますが飲み込めてしまえば楽しめます
良質のアクションを観たというより、なんかちょっと変な映画を観たなって感じの満足感がありましたね

個人的評価:75点
オススメ度:この、ホモ野郎が




処刑人 予告



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2010年10月10日日曜日

サバイバル・オブ・ザ・デッド (2009/米・カナダ)

監督:ジョージ・A・ロメロ
出演:アラン・ヴァン・スプラング / ケネス・ウェルシュ / キャスリーン・マンロー / デヴォン・ボスティック / リチャード・フィッツパトリック / アシーナ・カーカニス / ステファノ・ディ・マッテオ / ジョリス・ジャースキー / エリック・ウールフ / ジュリアン・リッチングズ / ウェイン・ロブソン / ジョシュ・ピース / ハーディー・T・リンハム




突如として死人がゾンビ化するじたいが起こって4週間
州兵から強盗に成り下がったサージたちは、ゾンビのいないとされる場所プラム島に向かうのだが

みんな大好き「オブ・ザ・デッド」
この「サバイバル~」は前作「ダイアリー~」の正統続編…というか世界観を同じにした別主人公の話になってます
「ダイアリー~」を観てなくても楽しめるかもしれませんが、やっぱり前作の知識があった方がいいかもしれません
序章としての、今までのゾンビ映画としての「ダイアリー~」に対し、今作はこれからのゾンビ映画みたいなものをにおわせてくれる内容になってます
そういった意味で「サバイバル~」を観たあとよくよく考えると、「ダイアリー~」に対するの個人的な評価をじゃっかん上方修正せざるえない

プラム島ではゾンビ化したものは容赦なく処分するべきと考える一派と、ゾンビ化したからといって殺すべきではないと共存の道を考える一派が対立している
ある日、処分派のリーダーが追いつめられ島から追放され、そんな時にサージたちと出会って島に戻るという流れ
すでにゾンビによって世界は終末に向かっているみたいな状況からスタートし、ゾンビはもういてあたりまえな感じになってます
そんなゾンビたちからなんとか生き残る戦いをする…という話ではなく、あくまで人間たちのゾンビに対するスタンスを描く内容
ゾンビがいるのはもう仕方ない、じゃあどうするよ?って感じ

発症、パニック、戦い、逃走、というゾンビもののテンプレ展開の先を描いてるってのが個人的にはよかったですね
まあ、先を描くといっても本当に今後を予感させるようなさわりでしかないですが
それでもひとつの作品としてストーリー重視な内容はおもしろいし、さらに続編があるなら期待がふくらみます
「100年後には治療法が見つかるかも」というセリフを最初はそんなバカなと聞き流していたものの、最後まで観たあとではひっかかる言葉でしたね
産まれ、生き、死に、そしてゾンビになる、そこまでを人の生涯に含めることができるか否か、みたいな

しょうじきすべての意味できちんと解決はしませんが、クライマックスの戦闘もラストのオチもけっこう秀逸
ゾンビもののホラーとして観ると「あれ?」って感じですが、そんなの気にならないほど楽しくなってる自分がいましたね

個人的評価:80点
オススメ度:ゾンビ料理とかどうよ




サバイバル・オブ・ザ・デッド 予告



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2010年10月8日金曜日

クロスゲージ (1997/米)


監督:デビッド・グレン・ホーガン
出演:キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ / ジョン・ヴォイト / ジル・ヘネシー / ポール・ソルヴィノ / ロバート・カルプ / ウルフガング・ボディソン / エリック・ロバーツ






戦場での上官殺しにより死刑囚となったダン
死刑囚収容所に移送される途中、謎の一団がダンの乗る護送車を襲撃してくるのだった

なんちゃら洋画劇場とか、深夜のアクション映画枠で人気がありそうな作品
堅実に作られた内容とちょっとしたユーモア、地味ながらわりと骨があるだけに知らずに観たら「あら、おもしろいじゃない」という評価がもらえそう
軽く流す感じで観るのに最適な内容ですね

序盤から謎の一団に脱走というか無理矢理助け出され、俺たちの仲間になれ的な感じで秘密組織に入るダンさん
そのしょっぱなのミッションでアクシデントがおこって、なんか陰謀めいた罠にはめられたダンさんは逃亡しながた反撃の糸口をみつけだす
こう書くとわりとオーソドックスな陰謀劇作品ですが、あれよあれよという間に話が展開していくので、勢いで飽きさせないようにのりきってます
無駄を省いて堅実に話を展開させていき、物語をスピーディに見せることで「ここがすごかった」っていうポイントはなかなか言い表せないながら、最後まで集中して楽しめました

個人的には序盤のたたみかけるような展開でダンさんが罠にはめられていく様が楽しかったですね
あとは集団おいかけっこ→大事故の流れはホントにバカっぽくて心から拍手を送りたい
難をいえばすべての真相がわりとどうでもいい感じで、しかもラスボスが小物臭全開&あっさり事件解決の流れはちょっと物足りなかった
ここは脳筋演出でパワープレイアクションでしめてもよかったような気がしないでもないですね

あんまりにも地味でありがちってことをのぞけば、意外や意外に良作&手堅い一本かもしれません

個人的評価:75点
オススメ度:ダンさん特定されすぎ




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2010年10月6日水曜日

ナイト&デイ (2010/米)

監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:トム・クルーズ / キャメロン・ディアス / ピーター・サースガード / ポール・ダノ / オリヴィエ・マルティネス / ジョルディ・モリャ / ヴィオラ・デイヴィス / マーク・ブルカス / レニー・ロフティン / デイル・ダイ / マギー・グレイス / ジャック・オコネル / ガル・ギャドット / セリア・ウェストン





ある空港でジューンは偶然にロイと出会う
それからというものジューンは正体不明の男たちに命をねらわれ続けるのだった

10月6日はトムの日ということで先行公開にいってきました
ひっさしぶりに「個人的に」心からおもしろいと思える映画を観た感じですね
こういうの観るとテンションがあがるわあ
作り方からなにから全部において個人的なツボにはまってるアクション映画でした

空港でイケメンなロイと出会い、同じ機内で色気付くジューンだけど、ロイには秘密があって彼ともども命をねらわれる日々が始まる、と
訳が分からないまま日常生活に戻るジューンだけど、やっぱり次々に危機がおそってきて、そこへストーカーばりにいいタイミングでロイが常に助けに現れる
辛い顔をいっさい見せずにさっそうとジューンを助け、しかもきちんとアフターフォローも忘れない紳士なロイ
自分が巻き込まれたことと得体のしれないロイに戸惑い、彼の言うことをきかずにいつも窮地におちいるジューン
ふたりの掛け合いがホントに楽しい

なによりアクションとドラマのシーンのつながりがおそろしいほどテンポよく、観てて気持ちのいい作りになってます
いっさい無駄がなく要所要所をつなぐ感じで、かったるい途中経過はすっとばして描いているものの、ちゃんと話の内容は理解できるようになってます
アクションも最近のものに比べて分かりやすく、「なんだか分からないけどすごい」という描き方じゃなく「分かりやすくておもしろい」というのがいいですね
じゃっかんジャッキーアクションっぽいところがあって、シビアな戦闘の中でも小さな笑いが散りばめてあります
本当に止めるところはきちんと止め、突っ走るところはいっきに突っ走る爽快感がたまりません

ただし、B級臭がするってことだけは確か
いい大作映画を観た後みたいな満足感はないです
あくまで楽しすぎるB級アクションを観た満足感
細かいツッコミどころはいっぱいあるし、ストーリーじたいもしょうじき目を見張るものはありません
B級嫌いでもそんなに観て嫌な気分になる作品ではないと思いますが

個人的評価:95点
オススメ度:キスシーンをはじめて「いいなあ」と思えた




ナイト&デイ 予告

2010年10月5日火曜日

ショートバス (2006/米)

監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演:スックイン・リー / ポール・ドーソン / PJ・デボーイ / リンゼイ・ビーミッシュ / ラファエル・バーカー / ジェイ・ブラナン / ピーター・スティクルス








様々な愛の悩みを抱えるニューヨークの男と女たち
今宵も答えを求めてショートバスを訪れるのだった

開始早々に自分で自分のナニを口でアレする男、それを覗き見する男、女王様プレイをする女、絶倫ファックをする夫婦…これはしょっぱなからテンションが上がらざるえない
大好物の下ネタ連発コメディか、と期待がそりたちます
しかし実際は…いや、ホントに真面目な下ネタ映画でしたね
くだらないネタを大真面目にやっておもしろおかしく見せるのとも違って、本気でセックスありきの愛について描いてます

九割方が同性愛っぽい展開で、というか同性も異性も関係なく自分なりの愛を模索する場所が「ショートバス」というところ
物語の底につねに重たいものが流れていて、そのおかげでどんなに下ネタを連発しても軽いコメディにならなりません
登場キャラがみんな本気で性の悩みを抱えていて、話が進むにつれてそれがじょじょに浮き彫りになってくるわけですが、その描かれる過程がホントにおもしろい
「なんでこんなホモ野郎たちの話に見入ってるんだ」と思いつつも、なんか食い入るように観続けてしまう魅力がありますね

ロマンス的な要素もあって、ラストに続く流れの中でもびっくりするほど安っぽくならないから不思議
明らかにジャンクフードを食べてるのに、意外なほどに安っぽさを感じないみたいな感覚
演出もちゃんと観てればギリギリ理解できるような描き方で、こういう作風はホントに観てて気持ちいい
あからさまに「映画的にこういう流れになるんだろ」という感じも薄いし、「はあ?意味わかんねえよ」みたいなのもない
はっきりと「これこれこうだから、そういう風になった」ってのじゃなく、「言葉ではうまく説明できないけど、分かる」という感覚で伝わってくる作品

観ててなんか「ヘドウィグ」っぽいよな、と思ってたら同じ監督作品で納得
俗っぽいけど安っぽくない、なんとも不思議な魅力のある一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:部屋の明かりをすべてロウソクにするのもいいね




ショートバス 予告



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2010年10月3日日曜日

フィメール・トラブル (1973/米)

監督:ジョン・ウォーターズ
出演:ディバイン / デビッド・ロチャリー / ミンク・ストール / エディス・マッセイ









デブでブスでビッチな女子高生ドーンは、ゆきずりの相手との子供ができてしまう
最初はまっとうに働いていたが、女友達とつるんで泥棒するまでに転落していく

悪趣味なものを撮らせたら最高のものをみせてくれるジョン・ウォーターズ
「ピンクフラミンゴ」が有名ですが、個人的にはこっちの方が好きなんですよね
とにかく醜悪、これでもかってくらいに醜い人間たちがでてきてドタバタするって感じ
主役の怪優ディヴァインだからこそなりたつ作品ではありますが、けっこう脇もいっちゃってるキャラが出てくるので素敵です

話的には冷静に考えて転落人生なドーンの生活ですが、本人はいたってポジティブで犯罪をおかしても「そんなのあたりまえ」って空気が作品全体に漂ってます
どんなにひどいことをしても「あたりまえ」に描いて、中身の醜悪っぷりをホントに冷めた感じに淡々と描いてます
悪のりコメディのようなドタバタ感ではなく、画面の向こうの見世物小屋をのぞいている冷めた感覚みたいな

どうでもいい醜悪ショーがずっと展開しながらも、気づくとそれなりに話も展開していて、表現はアレだとしてもきちんとドーンの生き様を描いている…ような気がしないでもない
主人公であるドーンがどんどん狂っていく様と反比例して、場面は冷静に展開していく様子がおもしろいのと、個人的にはタフィーのキャラがわりと好きですね
タフィーの知的障害っぷりがだんだんツボになってきます
あとは今じゃどうなのって感じの乳児を普通に抱っこするシーンがあったりするのが印象的

なんというかジョン・ウォーターズの作品ってホントに最低なんだけど、どことなく賢さを隠して撮ってる感じがするのが他にないおもしろさを感じますね
まあ、気のせいかもしれませんが

個人的評価:80点
オススメ度:ぶよっぶよ




フィメール・トラブル 予告



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2010年10月2日土曜日

デス・レース (2008/米)

監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ジェイソン・ステイサム / ジョーン・アレン / イアン・マクシェーン / タイリース・ギブソン / ナタリー・マルティネス / マックス・ライアン / ジェイコブ・ヴァーガス / ジェイソン・クラーク / フレデリック・コーラー / ジャスティン・メイダー / ロバート・ラザード / ロビン・ショウ / ジャネイア・スティーブンズ





妻殺しの罪をかぶらされて刑務所送りになったエイムズ
しかしその刑務所は民間所有で囚人を殺し合いのカーレースに参加させていたのだった

ザ・B級
というわけでスタ公じゃなくてハゲマッチョの方のデス・レースです
ちなみに「デス・レースです」の「です」は「death」にかけたインテリジョークdeath
秋の夜長にバカ映画、心安らぐB級アクションは定番と言わざるえない
そういう意味でこの作品は最適なんじゃないでしょうかね

まあ、とにかく「なんだそりゃ」っていうのを楽しむ内容で、いちおストーリーもあるにはあるけどオマケていど
各種武器と防御装置の搭載された改造車で殺し合いレースをするんですが、それを利用するにはコースに設置されたマークを踏まなくてはならない実写マリオカート
全3戦のレースで一区切りで、第一戦はガチバトル&死に様ショーでいかにも「デス・レース」から想像する通りの内容ですが、第二戦、第三戦は…
とくに第二戦の「なんだそりゃ」っぷりが個人的に素敵で大好きです

バカな内容は確かですが、けっこうアクション部分とドラマ部分のバランスが良く作られてて、映画的に丁寧に撮られている…けど、基本バカ
特にラストにかけての何とも言えない消化不良みたいな感じは、受け付けない人には「なにこのクソ映画」としか思えないかもしれません
個人的にもちょっと物足りない気がしました

とにかく派手でバカなのが観たい、細かいことは気にしない人向けの作品でしたね
映画に意味を求める人はアレかもしれません
というか、そんな人はこんなタイトルの作品は手にしないでしょうが

個人的評価:70点
オススメ度:サヨナラ☆




デス・レース 予告



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