2011年1月31日月曜日

1月のこれ一本

最近になって隠れた(?)名作テレビドラマと噂の「ハゲタカ」をちょっとずつ観たんですが、これがまたホントに面白い
企業買収の明暗みたいなのを描いた作品なんですが、これぞテレビドラマって感じのハイクオリティ感がたまりませんでしたね
チャラチャラした若造がキャッキャウフフしながらの経済ドラマじゃなく、けっこうな実力派の俳優さんで固めてるのもいい
映画版も手元にあるので、あとでじっくり観てみたいです

それはそれとして、今月は「息もできない」を推しておきます
鑑賞後に間をおいてもなお強烈な印象が残る作品ですね

2011年1月30日日曜日

蛇のひと (2010/日)

監督:森淳一
出演:永作博美 / 西島秀俊 / 板尾創路 / 劇団ひとり / 田中圭 / 勝村政信 / ふせえり / 佐津川愛美 / 北村有起哉 / 奥貫薫 / 河原崎建三 / 石野真子 / 村隼







ある日、ある会社の部長が自宅で自殺した
時を同じくして失踪した課長を捜す役目を、課長の部下であるOLが命ぜられるのだった

なんでもない日常にちょっとした非日常が割り込んできて、真相に近づくにつれてどんどんおかしな流れになってくる・・・そんな個人的に大好物な系統の作品でしたね
「アヒルと鴨のコインロッカー」みたいなそんなジャンルの内容
どうってことのない人探しのはずが、二転三転してどんどん話に引き込まれていきます

部長が自殺して、同時に行方不明になった課長を探す部下のOLが主人公
その課長の今西を探しているうちに普段いっしょに働いている会社以外でのことや過去が分かってきて、しかし分かると同時に自分の中での課長像とかけはなれた人物像にとまどっていく、ってのが楽しい
観てる方が「ああ、つまりこういうことか」と先読みすると、あっさりと次のシーンでそれを描いてきて、「ん?こういう流れになると思ってた?でもこれだけじゃないんだな」みたいに展開する話に感心せざるえない

そしていよいよ真相が分かると「ほう・・・」と思えていい
いい、んですが、じゃっかん物足りないラストの流れがあるのも事実
ここまでやったんだから、最後にもうひとひねりあってもいいんじゃないか、と
そんなひとひねりがあれば、それこそ相当おもしろい作品になったと思うんだけど、欲張りすぎですかね
「実はこういうことだったんですよ」「ほう」「はい、おしまい」みたいな感じで、その先にある観たあとの「やられた」感がいっさいないんですね

全編にただよう怪しい雰囲気があるくせに、最後だけは普通に終わってしまったという個人的には微妙に残念な一本でした

個人的評価:80点
おすすめ度:子役はすごいと認めざるえない




蛇のひと 予告


※この予告は物語の核心をサラッとネタバレしてます
作品に興味がある人は見ない方がいいです






蛇のひと [DVD]
蛇のひと [DVD]
posted with amazlet at 11.01.28
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2010-11-24)
売り上げランキング: 14915

RED レッド (2010/米)

監督:ロベルト・シュヴェンケ
出演:ブルース・ウィリス / モーガン・フリーマン / ジョン・マルコヴィッチ / ヘレン・ミレン / メアリー・ルイーズ・パーカー / ブライアン・コックス / ジュリアン・マクマホン / リチャード・ドレイファス / アーネスト・ボーグナイン / レベッカ・ピジョン / カール・アーバン / ジェームズ・レマー / ロバート・モース / ジョシュア・ピース / ローレンス・ターナー




穏やかに年金生活をしている男、フランク
そんな彼の家に深夜、突如として暗殺部隊が襲撃してくるのだった

僕らのハゲ俳優で有名で、どんどんジジイくさくなってスターのオーラもハゲかけてきてるブルースさんが主演のアクションですね
最近になってわりと多い気がするおっさんたちが集ってハッスルする系の内容なんですが、なんなんですか、とうとうおっさんブームが到来したんですかね
リアルおっさんとしては嬉しいかぎりなんですが、こうおっさんアクションが増えてくると目新しさがなくなるのは仕方ない問題かもしれません

元凄腕のスパイだったフランクさんが、ひそかに思いをよせているヒロインのサラさんを連れて逃亡しながらかつての仲間を集い、逆襲しようってお話
うん、しょうじきストーリーもありきたり
というかストーリーとかけっこどうでもいい作品で、純粋におっさんおばちゃんスパイアクションを楽しむ内容かもしれません

しかし、その肝心のアクション部分がはっちゃけない
あっさり風味のナチュラルアクションは悪くないけど、ずっと盛り上がるところもなく淡々としたシーンを見せられてもどうテンションをあげていいか迷います
派手でもない、かといってバカでもない、ごくごく普通のアクションとどうでもいいストーリー運びがあいまって、かなり悪い意味での普通映画になってる感じですね
つまらなくはないし、それほど退屈もしないんだけど、これといったものがない幕ノ内弁当みたいな映画

なによりジジイたちを扱ってる作品のくせに、老体に鞭を打つような強烈なアクションシーンがほとんどないってのはどうかと
あとは、主人公であるフランクさんの影が物語が進むに連れてうすくなっていって、どっちかというと脇の仲間たちにスポットが当てられていくってのはどうよ
なんだか凄い存在である主人公のくせに、そのすごさをじゅうぶんに発揮できないまま、単にハゲっぷりを見せつけただけで終わってる印象
その分、仲間であるマーヴィンが存在感バリバリでカバーしてるからいいけど、あまりに主人公が活躍しなさすぎな気がしてならない

なんか最近のブルースがからんでくる作品って、いまいち突き抜けるものがないような・・・
テンポのいい小粋なユーモアがちりばめられているのはおもしろかったし、マーヴィンやほかの仲間たちもナイスキャラだっただけに、あまりに普通すぎる内容でもったいないな、と思った一本でした

個人的評価:65点
おすすめ度:薄いとかハゲとか言っちゃダメ




RED レッド 予告

2011年1月27日木曜日

クレイジー・ハート (2009/米)

監督:スコット・クーパー
出演:ジェフ・ブリッジズ / マギー・ギレンホール / ロバート・デュヴァル / コリン・ファレル / ライアン・ビンガム / ポール・ハーマン / ベス・グラント / トム・バウアー / リック・ダイアル / ジャック・ネイション / ジェームズ・キーン






かつてのカントリー界の大スターであるバッド・ブレイク
落ち目になりながらも地方営業で歌い続ける彼にある日、ひとりの女性記者が取材を申し込んできて…

冒頭の乾いた情景に流れるカントリーミュージック、これにしびれるか否かでこの作品を楽しめるかどうか分かりますね
個人的にはもうしびれまくりで「いいわあ」という感慨にふけまくりなまくり二重構造
音楽の趣向は聴いてみてはじめて自分に合うものがあると分かるときがある、と感じるわけで、ここまでカントリーが心にしみてくるとはこれを観るまで気がつきませんでしたね
いや、もちろん個人的な趣向の問題なんですが

話的には特になにもない
酒と煙草と女と音楽を愛する自堕落で人として峠を越した感のあるアメリカンおっさんを観察する映画ですね
どうしようもないおっさんが、日々の中で小さな幸せをつかんだり、音楽の道にしがみつく姿をカントリーミュージックにのせて淡々と描く、それだけの内容
それだけにドラマチックな何かを期待して観ると、かなり物足りなく感じるかもしれません
いや、ホントにこのおっさんというキャラとカントリーを好きになれること前提の作品です

そんな淡々とした流れが個人的には好きなんですが、どうもクライマックスに向けて流れがおかしくなる
いちお映画的な盛り上げを意識してるんだと思いますが、「これが大人的な映画だ」みたいな取って付けた上に妙に押しつけがましい展開が好きになれない
というかさ、最後の最後にきて主人公のおっさんであるバッドさんがどんどんなよなよしてきて、見ててつらいと言わざるえない
ワイルドさだけはなんだかんだで捨てきれない、ダメ人間でも芯が太くて短い人生を生き抜く強い男として描いてほしかった

このなんかキレイにまとめました、みたいな流れがなければ個人的に神映画認定できたのに、ちょっと残念な一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:あっさり名曲できすぎ



クレイジー・ハート 予告



クレイジー・ハート [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2010-11-26)
売り上げランキング: 3299

2011年1月26日水曜日

シェルター (2010/米)

監督:モンス・モーリンド / ビョルン・ステイン
出演:ジュリアン・ムーア / ジョナサン・リース・マイヤーズ / ジェフリー・デマン / フランシス・コンロイ / ブルックリン・プルー / ネイサン・コードリー








女性精神分析医のカーラは多重人格者否定派の持論をもつ
そんな彼女のもとに人格の変貌が顕著にあらわれる男が連れてこられ…

「解離性同一性障害疾患とか甘え」というカーラさんVS明らかに人格が豹変する男の対決を描いた作品
分かりやすいようなそうでもないような言い方をするなら「フォーガットン」系のジャンルですね
まあ、いちおこんな作品でもネタバレになるんで詳しくは言いませんが、良い感じな「フォーガットン」だなあ、と
突き抜けたバカ映画を狙わず、ごくごくマジメに作ってるだけあって普通にはおもしろい…んだけど、ぜったい観終わったあとに即内容を忘れる自信がある薄味でインパクトのない中身がアレかもしれません

男のもつ人格について調査してるうちに、なんとも奇妙な謎に突き当たり、そうこうしてるうちに次々に新たな人格が男の表層に顔をだしてくる
というのが主な流れで、序盤はけっこうサスペンスの要素があることはあります
観ながら「これはこういう流れか?」とか推測しながら楽しめるかもしれません
変なババアが出てきてからいっきに作品の方向性が変わるんですが、それはそれで「ということは…?」と深読みできる要素はあります

だけど、だけど…ね、この作品はそんな深読みするような脚本じゃねえから
個人的に、森の中で想像を絶する虐待をうけたという話から、なんとなく先の展開を予想してたんですが、まあ、真相はびっくりするくらいどうでもいいガッカリ展開でしたね
だって、ほら、やっぱりそれぞれの人格に関係性とか普通は考えるでしょ
関係性がまったくないってわけじゃないけど、さすがにその関係が大ざっぱすぎる
謎というからまった糸をじょじょにひもといていく、っていうよりこんがらがった糸を袋にねじ込んでどっせーい、と投げつけられたような印象
…うん、分かりづらいね

いや、ホントにつまらなくはないし、けっこう作品にひきつけられるものはあるんだけど、なんともいえない微妙臭が全体的に流れていて、観終わったあとも「ふーん」という空気しか残らないレベルの微妙映画
なんかもっともらしいことを語ってはいるけど、けっきょくなんのこっちゃ分かりづらい、そんな作品でしたね

個人的評価:55点
オススメ度:叔父さんマジナイスガイ




シェルター 予告


シェルター [DVD]
シェルター [DVD]
posted with amazlet at 11.01.26
ポニーキャニオン (2010-11-03)
売り上げランキング: 16130

2011年1月23日日曜日

グリーンホーネット (2011/米)

監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:セス・ローゲン / キャメロン・ディアス / ジェイ・チョウ / クリストフ・ヴァルツ / エドワード・ジェームズ・オルモス / デヴィッド・ハーバー / トム・ウィルキンソン / ジェイミー・ハリス







大手新聞社の社長の息子であるブリット
ぼんくらで口だけのナンパ男であるブリットが、父の死によって社長の座につくことになり・・・

コミカルで安易なアメリカンヒーローアクションかと思ってたら、実はかなり真剣に作られたアメリカンヒーローアクションのパロディ作品でした
B級で雑味たっぷりですが、テンポのいいストーリーはこびとアクションはまったく退屈することなく、あっという間にエンディングまで駆け抜けます

ぼんくら口だけダメ男の主人公ブリットさんが、周囲から立派だったと尊敬される堅物の死んだ父親のあてつけにヒーローごっこをはじめるって話なんですが、あまりにひどいヒーロー誕生話に素敵度数が跳ね上がらざるえない
そんな主人公の相棒のカトーとともに悪人にまぎれて悪人を裁いていく悪徳ヒーローになる、と
いや、とにかくブリットさんのぼんくらっぷりがひどすぎて楽しすぎる
文武両道でメカにも強く特殊能力まである相棒のカトーと、頭脳明晰な会社の女秘書をこきつかって、なにもしないブリットさんだけ「俺がヒーローだ」的に振る舞うしぐさが素敵です

パロディ作品ってことで、そんなヒーロー像から、おこなう行為、ヒロインとの関係までとことん既存のアメリカンヒーローものの王道をはずしてます
ライバル的な存在のブラッドさんにしてもそうで、あまりに威厳がなさすぎてダサい描き方は狙ってやってる・・・と思いますね
そんなパロディ要素に加えてきちんとアクション部分も決めるところは決めているので、単なる安っぽいだけのコメディアクションに成り下がってないからおもしろい

アクションのひとつひとつが痛快で、まどろっこしいシーンはばっさりカットし、とにかくテンポを大事にしてる風なところがよく分かります
そんなアクションとコメディの両立に成功してる良質なB級作品ですが、主人公のぼんくらっぷりを「バカだなあ」と笑って許せる人じゃないと楽しめない内容かもしれないのは惜しいかもしれません
マジでぼんくらすぎてイラっとくる人もけっこういるだろうってのも予想できるんで

個人的には楽しめた作品ですが、この主人公を許せるか否かで評価が大きく変わる一本かもしれません

個人的評価:90点
オススメ度:続編を作れそうな雰囲気だけど、コケる確率がかなり高い気がしないでもない一発屋的作品




グリーンホーネット 予告

2011年1月20日木曜日

プレシャス (2009/米)

監督:リー・ダニエルズ
出演:ガボレイ・シディベ / モニーク / ポーラ・パットン / マライア・キャリー / シェリ・シェパード / レニー・クラヴィッツ / ステファニー・アンジャー / チナ・レイン / アミナ・ロビンソン / ゾーシャ・ロキューモア







16歳の少女プレシャスは、妊娠をきっかけに学校を退学処分にされる
中間施設で学業にはげむものの、プレシャスに次々と苦難がおとずれるのだった

肥満体でお世辞にも美少女とは言えない黒人少女のプレシャスが、底辺生活を送りながらアメリカンドリームでなんたらかんたら…という光り輝く話かと思ったら、ね
もう、なんでよってくらい不幸不幸の連続で、びっくりするくらいヘビーでシリアスな話が延々と続きます
こういう不幸話のヒロインというと、きまってありえないくらい美少女で甲斐甲斐しく不幸かわいい感じで描かれるものですが、この作品ではあまりに現実的すぎる見た目まんまなキャラすぎてほほえましくない

ホントにもう不幸から不幸の負のスパイラル状態がすごくって、それだけでもおなかいっぱいになります
しかし、それに加えてヒロインのプレシャスの性格がまたいい
どん底にありながら心キレイに前向きでポジティブというありがちな設定ではなく、心の奥底の輝くものはありつつ、基本は「いつかなんとかなる」というどうしようもない甘え根性の持ち主
夢見るキレイな心もありながら、他人から楽観的なことをされるのを期待する甘え心を併せ持つ、見た目からは想像できないくらい精神的に子供なんですよね
まあ、16歳っていうんだからしょうがないし、このキャラ性こそ大人と子供の中間的な等身大の16歳なのかもしれません

そんなプレシャスのキャラ性が楽しい作品で、ヘビーすぎる内容のわりに憎めないプレシャスが画面にいるだけでなんとなく中和されるというかなんというか
このキャラゆえにここまでやっても許容範囲な内容になってるんだろうし、なんとも絶妙なバランスの雰囲気に仕上がったと思います
ここまで救われない内容で観おわった時の後味の悪さが軽いのも珍しいかもしれません

個人的評価:80点
オススメ度:豚足を食う文化があるとは思わなかった




プレシャス 予告



プレシャス [DVD]
プレシャス [DVD]
posted with amazlet at 11.01.20
Amuse Soft Entertainment =dvd= (2010-11-05)
売り上げランキング: 14530

2011年1月19日水曜日

ダブル・ミッション (2010/米)

監督:ブライアン・レヴァント
出演:ジャッキー・チェン / アンバー・ヴァレッタ / マデリン・キャロル / ウィル・シャドリー / アリーナ・フォーリー / ビリー・レイ・サイラス / ルーカス・ティル / ジョージ・ロペス







さえないサラリーマンのボブは3人の子供を持つ隣人とつきあっていた
そんなボブにはスパイとしての裏の顔があり…

ザ・昭和の懐かしいコミカルジャッキーアクション映画
ドラマ性いっさいなし、ハナクソていどのストーリーによって、ジャッキー愛がない人お断りというけっこう敷居が高い内容
仮にジャッキー映画じゃなかったら、もうどうしようもないゲロクソなデキと言わざるえない

話的にはつきあってる隣人のヒロインの連れ子に嫌われてるジャッキーが、なんとか気に入られようとスパイアクションする、って感じ
まあ「キンダガートン・コップ」みたいなもの
たぶんわざとだろうけど、ノリがことごとく昭和な時代な感じなのが楽しいですね
平成のこの世で観るとじゃっかん赤面しそうになるくらい懐かしくだらな系で、しょうじき楽しい中にもノリについていけないシーンも多々あります

アクションは狭い空間で小物を使ったせせこましい小粒アクションで、ダイナミックさは感じない駄菓子っぽい味わいがあります
けっしておいしくはないけど、なんかクセになる…けど、やっぱりすごいおいしいものじゃないよね、みたいなアクションがちりばめられてますね
アクションはまあ、いいとして、しかし、それにしてもホントに内容がないよう…ね、そんなことも言いたくもなるわな
とにかくここまでストーリーが薄っぺらい作品も今どき珍しいんじゃないかと

そんなジャッキー愛を試される一本としては観る価値があるかもしれません

個人的評価:50点
オススメ度:敵の魅力のなさは異常




ダブル・ミッション 予告



ダブル・ミッション [DVD]
ポニーキャニオン (2010-12-02)
売り上げランキング: 2190

2011年1月16日日曜日

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を (2009/香港・仏)

監督:ジョニー・トー
出演:ジョニー・アリディ / アンソニー・ウォン / ラム・カータン / ラム・シュー / サイモン・ヤム / シルヴィー・テステュー / チョン・シウファイ / フェリックス・ウォン / ン・ティンイップ / マギー・シュウ / ヴィンセント・ツェ






マカオに住む娘夫婦が銃撃されたと聞き、フランスからやってきたコステロ
瀕死の娘を前に死んだ夫とその子供たちの復讐をコステロは誓う

渋い男たちの落ち着いた雰囲気の中でのスタイリッシュアクション映画
スタイリッシュとはいえ、動きの中で魅せるアクションではなく、静の空間での様式美というかなんというか…まあ、古き良き時代の男のロマンみたいなものの固まりみたいな感じ
どっちかといえばダサカッコイイ系に近いかもしれません
冷静にシチュエーションを考えれば「ねーよ」って感じだけど、ギリギリのところでカッコイイ寄りに撮られてます

娘と孫(&娘婿)のために復讐を誓うコステロが、殺し屋を雇ってともに仇を探し出す…というのが序盤の流れ
この作品に出てくる殺し屋たちは昔ながらの義を重んじるタイプの男たちが多くて、ただ敵を見つけたからって即ドンパチするだけのアクションではないんですね
特に主人公と行動をともにする三人の殺し屋たちは義の精神が強い
そんな古くさい男どもを見てるだけでも気持ちいいんですが、そこに主人公コステロの抱える「ある問題」がからんでくると一気におもしろくなる

コステロが序盤にとったちょっと違和感があるシーンが、中盤で「ああ、そういうことか」と納得いく伏線のはりかたも気持ちいい
最初に娘の名前を言うシーンとか、タクシー内での会話、そもそも殺し屋をやとった理由なんか「なるほど」と思わざるえない
そこに終盤描かれるコステロと殺し屋たちの関係とか男ならロマンがぎゅいぎゅいくること間違いない

今さらで古くさい描き方の男たちがかっこいい、こういうロマン映画はいいもんですね

個人的評価:95点
オススメ度:死体を前に堂々と通行人のフリはないと思います




冷たい雨に撃て、約束の銃弾を 予告



冷たい雨に撃て、約束の銃弾を [DVD]
Happinet(SB)(D) (2010-12-03)
売り上げランキング: 2278

2011年1月14日金曜日

ねこタクシー (2010/日)

監督:亀井亨
出演:カンニング竹山 / 鶴田真由 / 山下リオ / 芦名星 / 高橋長英 / 甲本雅裕 / 草村礼子 / 田村泰二郎 / 根岸季衣 / 柳沢なな / 李千鶴 / リッキー / 唐沢美帆 / 秋山実希 / 味里 / 多菊八重 / 塚本高史 / 水木一郎 / 室井滋 / 内藤剛志 / 加藤英美里





小心者で人付き合いが下手なタクシードライバー、間瀬垣勤
仕事も家庭も低空飛行な日々の中、公園で一匹の野良猫と出会い…

猫映画かと思ったらサラリーマン映画だった…かと思いきや、という作品
「ネコナデ(映画版)」系の内容なため、「幼獣マメシバ(映画版)」でガッカリした自分ですが、これは楽しめました
ちなみに同名テレビドラマは未見
どうせ今まで同様に映画は映画で別ものだろうな、と思ったので

序盤からサラっと観てると、ダメ人間な主人公が野良猫の御子神さんと出会い、タクシーに乗せて営業してるうちにお客さんと円滑にコミュニケーションができるようになる
さらに御子神さん(&コムギ)が間に入ることで家庭環境もみるみる良くなっていく
うん、まあ、観てて気持ちいい話ではあるけど、なんともありきたりすぎるな…というのが序盤の展開
だけど、そこからこの作品のおもしろくなっていきます
簡単に言えば変化と挑戦の映画、主人公のバカ正直なところがいい感じにマッチしてて、わりといい話に仕上がってます

ひとつひとつの細かいエピソードが積み重なって一本の映画になっていて、テンポもよくて色々とドラマが詰まっている
という点はいいんですが、いかんせん各エピソードの掘り下げが甘い
ゆえに積み上がるものが低くて、その分だけグッとくるボリュームも控えめになってしまいます
主人公と御子神さんの友情とか、もっと時間をかけて連続ドラマで積み上げていった方がきいてくるのは間違いないでしょう
主人公のキャラ立てはもちろんいい感じで描かれてるんですが、そこに御子神さんも描こうとするから内容が薄くなってる感じ
主人公+単なる猫という形式ならいいけど、ある意味でダブル主人公になってくると、この尺におさめるには力量不足だったかな、という印象が強いですね

それでもラストへのつなげ方とか、けっこう納得できるし観終わった後の後味もいい
楽しいんだけど、おしい
そんな作品でした

個人的評価:70点
オススメ度:御子神さんマジ反則




ねこタクシー 予告



映画版 ねこタクシー DVD
竹書房 (2010-11-05)
売り上げランキング: 3035

2011年1月11日火曜日

息もできない (2008/韓国)

監督:ヤン・イクチュン
出演:ヤン・イクチュン / キム・コッピ / イ・ファン / チョン・マンシク / ユン・スンフン / キム・ヒス / パク・チョンスン








すぐに暴力をふるい、口を開けば汚い言葉を吐くチンピラのサンフン
ある日、そんなサンフンに対してもひるむことのない少女と出会い…

話の内容うんぬんなんてどうでもいい
たまにこういう作品に出会えると「ああ、やっぱり映画っていいなあ」と思えます
半端にキレイに見せようとしない、ホントに凶器に使うための抜き身のナイフのような作品ですね
暴力的で痛いだけでなく、切なく、もどかしく、なんともいえなく、そしてちょっといいなあと思える…うーん、かなりよく分からない感じの説明ですが、そんな感じなんですよ

最初はよくある粗暴な男が少女と出会って、なんか生き方を変えていく…って感じの暗めのロマンス&バイオレンスかと思ったんですが、そんなもんではなかったですね
実際には心に傷をもった者同士が、けっして口では本当の自分のことを語らないまでも、まるでお互いの欠けてるところを補い合うようにひかれていく感じ
それがまた生ぬるいロマンスじゃなくて、サンフンと少女の内情が描かれていくほど、どんどんバラバラだった話がつながっていくのが楽しい
ちりばめられたピースはわりとかっちりはまっていくので、最初は「ん?」と思っても最後には納得できると思います

しょうじきかなりの良作で文句のつけどころがない…と言いたいところですが、ひとつだけあります
たぶん観た人がみんな思うことかもしれませんが、ラストの急展開はさすがに「は?」とならざるえない
そこまで丁寧に伏線をはっては回収してたのに、そこだけはいきなりすぎてちょっと違和感がありましたね
まあ、でもそんなことは些細なもんで、大きなマイナスにはならない

個人的には幸せってものはこういうもんなんだよ、って感じで見せつけられる展開がかなりよかった
それを含めてオチに向かう一連の展開は「いいねえ」とうならざるえない
荒削りゆえにおもしろい、そんな作品

個人的評価:100点
オススメ度:シーバルロマ!シーバルロマ!





息もできない 予告



息もできない [DVD]
息もできない [DVD]
posted with amazlet at 11.01.11
Happinet(SB)(D) (2010-12-03)
売り上げランキング: 1505

2011年1月10日月曜日

アマルフィ 女神の報酬 (2009/日)

監督:西谷弘
出演:織田裕二 / 天海祐希 / 戸田恵梨香 / 佐藤浩市 / 大塚寧々 / 伊藤淳史 / 小野寺昭 / 平田満 / 佐野史郎 / サラ・ブライトマン / 福山雅治 / 中井貴一







イタリアで開かれるG8を前に日本大使館に外交官黒田がやってくる
外務大臣を迎える準備に忙しい中、ある誘拐事件に黒田が関わってしまい…

なんだろう
つまらないことはないんだけど、すっごい物足りなさが残ります
全体的に軽い感じで、イタリアの観光地シーンがなければテレビドラマっぽい雰囲気
個性的な脇役たちが本編にあまりからんでこなくて、いかにも金だけ積んで作ったテレビドラマ臭が濃ゆくなってますね

G8だ外務大臣だという中、クールで有能だけど協調性がアレな主人公の黒田さんが日本大使館にやってくる、と
そこでいきなり誘拐事件に巻き込まれるわけですが、普通に考えたら主人公の能力を示す前座的な事件としてちゃっちゃと解決するサブイベントだと思うじゃない
でもそれがそのまま実はメインの話だったっていうから、なんともこぢんまりした小さな映画っぽい印象が強くなってます

イタリアでのロケもいいですが、観光名所をわざとらしく映すだけで、他は屋内のシーンばかり
せっかくのイタリアロケでももっとはっちゃけたものが撮れないようじゃ、ホントにわざわざイタリアを舞台にした意味が…
しょうじき観光地を見せられても、映画じたいから「イタリアにいる」という空気が伝わってこないのは逆にすごいんじゃないですかね

あとは警備会社内部での黒田さんの立ち回りが、なんともハリウッドのバカアクション映画を意識してるようで、しょうじきシーン的にうきまくってる気がするのは自分だけでしょうか
いや、でもまあ、ベースはつまらなくはないんだよね
犯人の迷いを感じさせる演技とか、テレビドラマとして観れば十分に楽しめる内容
ただ映画として観ると、ちょっときついかなあ、という作品でした

個人的評価:50点
オススメ度:黒田さんの有能っぷりが結局よく分からなかった





アマルフィ 女神の報酬 スタンダード・エディション [DVD]
ポニーキャニオン (2010-01-01)
売り上げランキング: 1452

2011年1月9日日曜日

アンストッパブル (2010/米)

監督:トニー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン / クリス・パイン / ロザリオ・ドーソン / ケヴィン・ダン / イーサン・サプリー / リュー・テンプル / ケヴィン・チャップマン / ケビン・コーリガン / デヴィッド・ウォーショフスキー / ジェシー・シュラム / T・J・ミラー






人的なミスにより無人のまま走り出してしまった貨物列車
徐々にスピードを上げ、大惨事の危険性がでてくるのだった

これこれ、こういう映画と出会えるからやっぱり映画館通いはいいもんですね
ホントにスカッとする感じで、エンターテインメントに特化したアクションの見本みたいな感じ
なにも考えず、ただぼーっと観るのが一番正しいスタイル
難しい裏事情とか複雑なドラマなんてない、男も女も男気でやるしかねえんだよ、って感じの作品ですね

いちおはベテラン機関士のフランクと、ルーキー車掌のウィルが主人公なんですが、序盤はほんとに暴走列車になかなか絡んでこなくて、ちょっと物足りないものを感じます
だけど、もう、ふたりが絡んできてからがマジで盛り上がりすぎ
そこまでの流れの中でも、暴走列車にいろいろとアクシデントをからめてきて緊張感は持続しますが、主人公たちが本気だしてきてからがもう最高すぎる

クライマックスからの流れがホントにテンションがあがりまくりで、それでいて最高に気持ちのいいラストにつながっていくから、なんともいえずイエーって叫びたくなる
ドラマ部分は最小限の描き方で、本編の部分をひきたてる最低限度のものしかありません
そこら辺が物足りないかどうか、ってところは個人的な感じ方しだい
自分はこのくらいあっさりぎみなドラマで、アクションパートにどっぷりつかってた方が気持ちいいと思いますね

ありがちな展開、ありがちな筋なのに、観てて気持ちいい
小難しいことにうんぬん言う人をのぞき、わりと万人にオススメできる一本かもしれません

個人的評価:100点
オススメ度:アクションは、やっぱりノリと気合いですね




アンストッパブル 予告

2011年1月7日金曜日

フェーズ7 (2008/仏)

監督:ダヴィド・モルレ
出演:エレーヌ・ドゥ・フジュロール / フランシス・ルノー / ディダ / マリー=ソーナ・コンデ / ニコラ・ブリアンソン








謎のウイルスが猛威をふるう中、ソニアとマルコは女兵士とともにノア基地へと向かっていた
その道中、仲違いから銃口を突きつけ合い…

亜流ゾンビというか、バイオハザード系の感染したら怪物化してしまうって感じのもの
原題ずばりミュータントになってしまう、と
しょうじき感染してなんたらというところに新しさはまったくないし、世界観、感染者のゾンビっぷりも他類似作と比べてこれというものはない
かなりの低予算であることが分かり、こう書くと普通にクソ映画じゃねえかって感じなんですが、作り方はわりと丁寧でありがちながらもそこそこの緊張感があるので、けっこう最後まで安定して観られます

出だしから救急車でバーンとなって、つかみはいい感じにインパクトがある
ですが、そこから「なんか人体にやばいウイルスが感染拡大してる」というニュアンスが描かれるだけで、いっさいの説明がないもどかしさモードに
それでも序盤から即仲間割れ、主人公のひとりであるマルコの感染までテンポはひじょうにいいですね
主人公以外のキャラの退場の早さ、そして主人公の感染の早さはちょっと意外性がありました

この作品はむしろ主人公を序盤で感染させることでなりたっている感じですね
いったい、この世界になにがおこっているのか
ということを言葉なんかで説明するのではなく、感染した主人公のマルコが徐々に蝕まれていくさまを描くことで表現しています
感染即凶暴化ではなく、人としての理性が働く中で徐々にウイルスに侵蝕されていく怖さと絶望感、いよいよもってウイルスの影響による凶暴性を押さえたくても押さえきれなくなってくる苦しみ、愛する人がそうなってしまったことで苦悩するソニア
そんなふたりの関係が見どころですね

愛するがゆえに、共に生きたい、失いたくないと思うがゆえの優しさが、この世界では逆に残酷なことになっていくという…
作中でも何度か楽になれるチャンスはあるにもかかわらず、よかれと思った選択が最終的には裏目になる悲しさってのがおもしろかった
パッと見た目はありきたりだけど、中身はそこそこつまってる一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:なにがフェーズ7なのかは聞いてはいけない





フェーズ7 予告



フェーズ7 [DVD]
フェーズ7 [DVD]
posted with amazlet at 11.01.06
角川エンタテインメント (2009-11-27)
売り上げランキング: 89105

2011年1月4日火曜日

キャッチボール屋 (2005/日)

監督:大崎章
出演:大森南朋 / キタキマユ / 水橋研二 / 松重豊 / 光石研 / 内田春菊 / 庵野秀明 / 三浦誠己 / 康すおん / 峰岸徹 / キム・ホジョン















かつての高校の野球部員仲間にそそのかされ、酔った勢いで東京にやってきた大山
公園のベンチで目覚めると、そこには十分百円というキャッチボール屋のおじさんがいて…

日々のつらい生活にしっくりこない大人たちが、あの頃の忘れていた青春を思い出してうんぬん系の社会人癒し(?)映画
全体的に飄々淡々した空気ととぼけた主人公の性格で、なんとなく現実社会における大人のファンタジーみたいな
そして、おもしろいかどうか聞かれるのが一番こまるジャンルの作品
個人的には悪くないと思うけど、それはそれ、人それぞれですよねー、としか言いようがない

キャッチボール屋に出会い、なんだかんだであとを任されて、そしてなんだかんだで言われた通りキャッチボール屋代理として続けることになる主人公
そうしているうちに出会った人々、知ったこと、見たこと、すべてがバラバラのパーツなんだけど、最後まで観てみたらそれがパズルのピースになっていて、収まるべきところに収まって一枚の絵が見えてくる…みたいな
しかし、きっちりくっきりした絵ではなく、なんとなくぼんやりとしたビジョンのような「なんとなく分かるね」みたいな絵が完成します
そんなぼやけたところがおもしろい点でもあるし、人によってはかなり微妙に感じる点かもしれません

個人的によかったなあ、と思ったのはキャッチボールを通じてお客さんと親交が深まるにつれて、そのキャッチボールの間隔が広くなって人と人との距離が物理的に離れるってところ
どんどん慣れてきてより早く、より強くボールが投げられるようになって、それにつれて距離が離れていくんだけど、実際の心の距離は縮んでいる
そして、みんなキャッチボールを通して相手ではなくて自分を思い出していくってのもよかった
さすがに終盤のバリバリコメディ調の対決シーンは「うーん?」って気はしましたが、基本的に日本人の察する美学というか、そういうのにうったえてくる作りは好きですね

個人的評価:75点
オススメ度:さあ、君も公園で僕とセックス




キャッチボール屋 予告



キャッチボール屋 [DVD]
ハピネット (2007-05-25)
売り上げランキング: 44820

2011年1月2日日曜日

ジョナ・ヘックス (2010/米)

監督:ジミー・ヘイワード
出演:ジョシュ・ブローリン / ジョン・マルコヴィッチ / ミーガン・フォックス / マイケル・ファスベンダー / ウィル・アーネット / マイケル・シャノン / ジョン・ギャラガー・Jr / トム・ウォパット / ウェス・ベントリー / ジュリア・ジョーンズ / リオ・ハックフォード / エイダン・クイン / ルーク・ジェームズ・フライシュマン / デヴィッド・ジェンセン / ジェフリー・ディーン・モーガン






南北戦争時、南軍として政府と戦いながらも隊の裏切り者として上官に妻子を殺され、顔に烙印を刻まれた男・ジョナ・ヘックス
生死の境をさ迷い、インディアンに助けられた彼は死者と話す能力を身につけ、悪党を狩る賞金稼ぎとして生きていたのだった

お正月はやっぱり頭をからっぽにして観れる派手派手な脳筋アクションがよく似合う
ということでチョイスしたものの…まあ、ある意味ではお正月にピッタリでした
序盤の展開が終わったら、もうクライマックスに突入していた
そのくらいテンポが早いというか、ぜったいに途中のエピソードとか入れた方がいいんじゃねえの、ってくらい物足りない
よくわからないメーカーの激安カップ麺を食べてるようなインスタントな作り

上官に妻子を殺され、絶望の淵から死者と話せる力に目覚めつつ復讐心をもってターンブルを追うジョナ
しかし、すでに復讐相手は死に、行き場のない怒りをぶつける先として賞金稼ぎになる
その序盤の展開から馬バルカン&コミック調の演出までは「お、バカ映画きたか?!」と期待に胸も躍ります
でもホントに面白かったのはそこまでで、そっから先のシーンはなんか暗くってよく分からないシチュエーションばかりで、そんなところでアクションされても…と

主人公もカラスの力をかりて(?)なんども蘇れるとか、死者と話すことができるとか、ナイスなおっさんキャラとか素敵な設定がてんこもりなのに、なんか説明が消化し切れてない感が強いですね
ホントにラストにつながるまでの必要最低限の展開だけで作った、シンプルで無駄のいっさいない淡泊な作品
そういう意味ではぼんやりとながめてていい、お正月にまったり観るには適してるかもしれません

個人的評価:60点
オススメ度:主人公はかっこいい



ジョナ・ヘックス 予告



ジョナ・ヘックス Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)
ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-12-22)
売り上げランキング: 6743

2011年1月1日土曜日

ザ・ロード (2009/米)

監督:ジョン・ヒルコート
出演:ヴィゴ・モーテンセン / コディ・スミット・マクフィー / ロバート・デュヴァル / ガイ・ピアース / シャーリーズ・セロン / モリー・パーカー / マイケル・ケネス・ウィリアムズ / ギャレット・ディラハント







わずかな人類を残し、動植物が滅んだ地球
ある父子が荒廃した大地で旅を続ける

新年一発目としてネタに走らずに普通におもしろそうなのを選んでみました
が、うーん、これは微妙でしたね
これといってつまらなくはないんですが、とにかく退屈
世紀末SFっぽい設定なのに、アクション主体なサバイバル作品になってないのはいいんですが、観おわった後にホントになんともいえない微妙さがこみあげてきます

主人公の父親は精神的にも肉体的にも頼りない存在ながら、息子に対してはせいいっぱい弱い自分を押し殺して強く装う
荒廃した地球では食べ物も衣類も底をつきはじめており、暴力行為にはしるならず者が横行、しかも人食いをする者も多発している
その中で弱い子供と強がる大人の二人旅なわけで、その途中でいろいろな人と出会いながらも、どんどん絶望的な状況におちいっていく
全体的に画面が暗くて、内容も暗くて、どう考えても救われない最後しか待ってない印象をずっと感じる内容

雰囲気的にはけっこういいんですが、個人的に気になるところがいくつか
旅の目的がちょっと弱い気がしないでもないんですね
淡々と旅を続けていて、しかし最後で「実はこの旅の目的には秘密があって…」という展開がいっさいないのが物足りない
しかもこの旅がけっきょくなんの意味もないっていうアレなら受け入れられたけど、ラストもラストで「ああ、そういうことだったんだね」という納得感が薄い
狙ってるオチは分からんでもないけど、やっぱり微妙

そんな退屈で微妙なひっかかりさえなければ、けっこう雰囲気映画として楽しめる作品だったかもしれません
あと、思ったほどジーンとくる感動ものではないのも意外だった

個人的評価:60点
オススメ度:続編は世紀末救世主になった主人公でマッスルパワーアクション希望…?




ザ・ロード 予告



ザ・ロード [DVD]
ザ・ロード [DVD]
posted with amazlet at 11.01.01
Happinet(SB)(D) (2010-12-03)
売り上げランキング: 2379