2011年3月31日木曜日

3月のこれ一本

今月は色々と大変な月になってしまいました
気がつけばお彼岸もすぎ、もう桜の季節になりました
いつもなら今の時期は季節の変わり目を五感で大いに楽しめる頃合いなんですが、そんな心の余裕があまり感じられません
家に帰るとニュース番組にチャンネルを合わせて情報を収集する

今までは家に帰るとすぐにその日の気分で曲をかけてまったり過ごしたものですが、そんなわずかな心のゆとりをも失ってしまいました

まあ、それはそれとして、今月は「キック・アス」一択ですね
ホントに良い意味で予想を裏切るヒーロー映画でした

2011年3月30日水曜日

END CALL (2010/米・日)

監督:山本清史
出演:芳賀優里亜 / 小林俊 / 玲奈 / 永岡佑 / 松木里菜 / 神農幸 / 諏訪太朗 / 渡辺哲 / 臼田あさ美








ある番号に携帯電話から発信すると、その通話時間分の寿命を失うかわりに願いがかなうという噂がたつ
それを実行した仲良し女子高生グループは、一時の幸せを味わうのだが

携帯電話うんぬんでホラー話…いやあ、なんて斬新な設定なんだろうなあ。ファック!
まるで携帯小説出の量産型すっかすかJホラーのような腐臭が漂い、そしてその期待を裏切らないクソファックな作品です
クソB級なデキであると自覚がなく、わりと本気で作った結果がなんともいえない香ばしい内容になっているという最悪に救えないつまらなさが見どころですね
作ってる途中で誰も「これ、つまんねー」って言ってやれなかったのか、と

とりあえず、死神だか悪魔だかの番号にかけると、通話時間に応じた寿命を失うかわりに願いが叶うって設定なんですが、その設定がびっくりするくらいいきてない
寿命を失ううんぬんというより、その番号にかけると1回で160万円ちかく通話料が請求されるっていう設定の方が強く作用してます
出てくるキャラたちがそれぞれがその法外な請求と、うさんくさい番号にかけた後ろめたさから誰に相談できるでもなく転落人生まっしぐら、という感じで話が展開していく
呪いとかそっち系のおどろおどろしさより、金とか後ろめたさ、男が絡んだ女どうしのキツイやりとりな描写がメイン
しかも誰が主人公なのかマジでブレまくりで分かりづらい

あと、あまり個人的に役者の演技とかは気にならない方なんですが、この映画にでてくる奴らはホントに、ホントにひどい
特に男性陣のひどさは逆に素敵ポイントにすらなるくらいのヤバさ
映画作品の演技を観てて本気でうざいと思ったのは初体験でしたね
特にまーくんの初登場の時のうざさと、感情が高ぶった男同士のもみあい時の演技はある意味で必見かもしれません
あまりにあんまりで悪い意味で記憶に残ります

オチもしょうもないし、全編通してホントに作り手のオナニー劇場って感じしかしない一本でした
けっこうなB級耐性を必要とします

個人的評価:10点
オススメ度:AGIEOSUKEHT




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2011年3月29日火曜日

RPG (2009/カナダ)

監督:アレクサンドル・フランキ
出演:リッキー・メイブ / マーク・アントニー・クルパ / トレヴァー・ヘイズ / ティーオ・ホルン / ケント・マッケイド / クラウディア・ジュルト / ニコラス・ライト








剣と魔法のファンタジーゲーム世界のような成りきり体験のできる場所
そこにのめりこんでいく恋人に悩むエリックは、やがて彼女をそこから救い出そうと乗り込むのだが

リアルを忘れて森の中でファンタジー世界ごっこに興じるいい大人たちの話ですね
まあ、なんというか…その、「で?」っていう感じが強烈に否めない序盤が退屈すぎてどうしようもない
主人公エリックの兄貴、そしてエリックの恋人が週末ファンタジーごっこにどっぷりはまってしまっている中、自宅で父親を介護している主人公はそれを冷たい目で見ている
で、もうガマンならねえって感じで、そのごっこ遊びの場所に恋人を連れ戻しに乗り込んでいく、というのが序盤の流れ
これがまたまったく盛り上がらない

日常に割り込んでくるなりきりバカたちをおもしろおかしく描くわけでもなく、現代社会の裏側みたいに冷めた感じで皮肉って描くわけでもない
コスプレなりきりごっこを淡々と見せられる苦痛と、悪い意味でまったく先が見えない序盤の展開はホントにどうでもいい薄味っぷり
しょうじき終盤の展開をやりたかっただけの作品みたいな感じが強いです
ホントに終盤はいっきに盛り上がってきておもしろくなるんですが、それまでこの映画を観続けるという行為のハードルが高すぎる

主人公の恋人関連の描き方とか、終盤になるとかなり良い味が出てきます
ファンタジーごっこの中で「現実」をとらえていく様子は生々しいし、かなり個人的なことだけど「現実とごっこ遊び」の境界線の混同しやすさってのは理解できるからおもしろい
そういう意味では前半の淡泊さがいきてきて、後半のスパイシーっぷりを引き立てている…といえなくもない、のかなあ
とりあえず、こういう設定の映画として「観たい」と思ってるものをちゃんとみせてくれてるんだけど、それと同時に「別に観たくない」って部分までセットでついてくる、なんともいえないもったいない作品でした

個人的評価:60点
オススメ度:すばらしきネズミの国理論





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2011年3月26日土曜日

USB (2009/日)

監督:奥秀太郎
出演:渡辺一志 / 桃井かおり / 峯田和伸 / 大森南朋 / 小野まりえ / 岸建太朗 / 江本純子 / 羽鳥名美子 / 金子清文 / 大杉漣 / 野田秀樹








原子力発電所の臨界事故により立ち入り禁止区域まである小さな町
祐一郎は父を亡くし、地元のヤクザから多額の借金まで背負う中、悪友から病院での法外な報酬のあるアルバイトを紹介され…

なんとなくタイトル借りしたら、なんとも思った以上にダークな内容でした
今だからこそ、というつもりはないですがこれも映画は映画、ひとつの作品として割り切って鑑賞してみました
いや、ホントにこのタイトルからしてポップでちょっとブラックな内容が展開されるものだとばかり思ってたら、もう開始早々その雰囲気からして「これは自分の思ってたのと違うな」と思い知らされましたね
なんともいえないよどんだ空気の閉塞感の中、ズブズブと泥沼にはまっていくように話は進んでいきます

定期的に低濃度放射能注意報が街頭スピーカで流される町、立派な医者だった父を亡くし、主人公の祐一郎は自らも医者になろうと勉強してるが何年もの浪人生活を送っている
しまいにはろくに勉強もせずヤクザに借金を作る場当たり的な日々を過ごすしまつ
そこに悪友がからんできたり、いいように利用して付き合ってた女とのトラブルがあったり、で祐一郎を取り巻く環境はどんどん悪化していく
そんな重い現実に抗うことすら放棄して流されるままに生きる主人公のたどる行く末を描いた、ある意味で後味の悪いドラマですね
なんとも希望の見えない世界観を楽しむ雰囲気重視の作品で、合わない人にはとことん合わない作風かもしれません
序盤の祐一郎の悪友がつれてる女が、警官に免許証を見せようとするシーンで「おお、そうくる」と思えたら楽しめる内容かもしれません

とにかく冷たく淡々と悪化していく日常を描いていく感じなんですが、「リアル」というよりあまりに低調で描いているからか「ファンタジー」に近い悪夢を見てるような印象
しょうじきさえない主人公で、登場してから「こいつが主人公?」って感じだったけど話が進むにつれて、どこにでもいる等身大の若者っぽいようでそうでもない不思議な魅力がたまらなくなってきます
とにかく大げさなことを大げさに描かない展開は、個人的にはいいなと思えたし、出てくる人たちのむき出しの感情みたいな部分も押さえられてるのがダークになりすぎずに、いいあんばいなバランスが保ててると思えました

内容的には冷静に考えて気が滅入るような話なんですが、観てて気持ちが沈みきらないばかりか変な魅力さえ感じる、なんとも不思議な雰囲気映画でした

個人的評価:80点
オススメ度:ファックシーンがサービスに見えません




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2011年3月23日水曜日

ダイナクロコvsスーパーゲイター (2010/米)

監督:ジム・ウィノースキー
出演:デヴィッド・キャラダイン / ジェームズ・C・バーンズ / コーリー・ランディス / エイミー・ラシマス / ジョン・キャラハン / リブ・ヒリス / キャティ・マグヌソン / デリア・シェパード







ハワイのある実験施設から逃げ出した実験体1、そして2
ワニをもとにした巨大生物であるそれらが住民に襲いかかる

みんなおまたせvsシリーズ
今回は恐竜型ワニと巨大ワニの夢の対決だよ
っていうか、あえて同種系の対決をマッチングさせた勇気に乾杯せざるえない
このての設定としては、たいがい異種生物どうしでの戦いがお約束ですが、ワニ対ヘビとかそんなありきたりにせず開き直ってワニ対ワニにするすき間産業的考えが素敵
そして、2010年にもなってこういうのが作られるぼくらの地球は素敵な星だよね
こりゃ2011年も期待できるってもんです

話的には秘密にしてた凶暴な実験体が逃げちゃってヤベー、その場にいた人たちがパニックになりながら餌食になって、やがて立ち向かうようになっていくという黄金パターン
まあ、ストーリーとか気にするような作品ではないんで、まったりと自分にあった素敵ポイントを探しながら観るのが正しい鑑賞法ですね
個人的には超浅瀬なのに空間を無視して真下から巨体が飛び出てくるのが強く印象に残ってます
他にもいわゆるやられ役の人たちが無駄にキャラがたってるのが素敵でしたね
特に水着ビッチ二人組のB級ビッチリアクションっぷりがナイスビッチ

ホントに無駄に雑魚キャラが豊富なんで、観てて視点がなかなか定まらないけど…ま、そんなマジになって観るものでもないでしょう
こう書いてくるとちょっとおもしろそうな雰囲気を感じるかもしれませんが、作品じたいはマジクソB級なんで、観てて苦痛をともなうものをあえて試したいという人以外には拷問でしかないでしょう

そんなクソB級なのをたまーに観たくなるお年頃です

個人的評価:20点
オススメ度:ケイジャンとはなんだったのか




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2011年3月20日日曜日

キック・アス (2010/英・米)

監督:マシュー・ヴォーン
出演:アーロン・ジョンソン / クリストファー・ミンツ・プラッセ / マーク・ストロング / クロエ・グレース・モレッツ / ニコラス・ケイジ / クラーク・デューク / エヴァン・ピーターズ / リンゼイ・フォンセカ / マイケル・リスポーリ / ギャレット・M・ブラウン / ザンダー・バークレイ / オマリー・ハードウィック / エリザベス・マクガヴァン / ランドール・バティンコフ / デクスター・フレッチャー / ヤンシー・バトラー




なんの取り柄もないオタク少年デイブ
コミックでだって特殊な能力なくてもヒーローをやってる例もあると、悪を傍観する側からヒーローになることを決意するデイブだったが…

いや、もう最高
なんというか、もう最高
予告をみた時から近所で上映しないのが悔しくって、パッケージ化するのを心待ちにしてた作品なんですが、かなり良い意味で予告にだまされた
だって、普通に考えてなりきりヘタレヒーローが、なんとはなしに本物の悪党にからまれて、いつのまにやら街のスーパーヒーローになる様子をコミカルに描くような内容だと想ってたら、ね…
マジでこの映画、甘くない

オタク少年がヒーローにあこがれて、小さなことからコツコツとって感じで地味ダサヒーローになるまでは、まあ、普通の流れ
だけど、正義のヒーロー「キック・アス」になっての初戦が「え?」って言わざるえない
というか最初ぜったい夢オチだとばかり思ってたのに
そこからこの作品のほめ言葉としての「ヤバさ」を痛感していきます
とりあえずアクションシーンの本気っぷりがヤバイ
そして、暴力シーンのえげつなさがヤバイ
コミカルヒーローものという羊の皮をかぶった本体である狼の姿を隠すことなく、堂々とヤバさっぷりをあけっぴろげている

ストーリー展開もかなりおもしろく、まさにヒーローものとしてのお約束的な展開をすべて盛り込んであってぜいたくすぎる
かといって消化不良な感じもそんなにしなくて、バカな作品を真剣に、しかも丁寧に描いてるからもう最高に素敵
B級アクションであることにちがいはないけど、へたなメジャーA級映画より完成度は高い気がしないでもない
作り手の楽しんでやってる感と、キチンとマジメにやってる感がひしひしと伝わってきますね
そして、久しぶりにニコラス出演作品で、彼をカッコイイと思えました

あとは個人的にBGMの使い方がいいな、と
スタイリッシュさと悪ふざけとガチアクションのバランスがBGMと相まって、かなり見応えのあるものになってると思います
ちょっとラストのあたりのCGの使い方がしょぼいのと、ラストバトルのやり残した感(わざとだろうけど)がモヤモヤするけど、総じて個人的にかなり好みの素敵映画でした

個人的評価:95点
オススメ度:その童貞を誰から守るというのか、それが問題だ




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2011年3月11日金曜日

あのバスを止めろ (2007/イタリア)

監督:ダヴィデ・マレンゴ
出演:ジョヴァンナ・メッツォジョルノ / ヴァレリオ・マスタンドレア / エンニオ・ファンタスティキーニ / アナ・ロマントウスカ / ロベルト・シトラン / フランチェスコ・パノフィーノ / イヴァン・フラネク / イアイア・フォルテ / マルチェロ・マッツァレッラ






重大な秘密が隠されたマイクロチップ、その取引を行う男からそうとは知らずに盗んでしまった女
大きな争いに巻き込まれた女は、逃亡の最中に借金まみれのバス運転手フランツと出会い…

いや、もっとやる気だそうぜ、この邦題
あまりに地味でダサイやっつけタイトルもここまで極まれば逆にそそるもんがあるわ
それにあいまってこのパッケージデザイン…ある意味で最高に素敵です
まあ、でもしょうじきこのタイトルとパッケ絵はかなりもったいない感じの内容
とはいえすごいおもしろい、というわけでもない佳作映画みたいな
少なくともこのタイトルから連想できるものよりはおもしろい作品ですね

なんかすごい秘密のあるマイクロチップの取引があり、それを見張る刑事と取引相手の謎の男、ひょんなことからマイクロチップを盗んでしまった嘘つき女、そして完全に巻き込まれた一般市民代表のバス運転手、その他にも出てくるキャラがいちいち楽しいやつらばかり
特に刑事二人組がひどい(ほめ言葉)
捜査のためなら暴力はデフォ、必要に応じて拷問もするし、その果てに死人がでることもあるしまつ
しかもこの作品では基本、この二人の刑事が悪役になって主人公の女とバス運転手を追ってきます
ちゃんとボスの命令で動いているので目的はまっとうだけど手段がイカレれる刑事がヒールという、ちょっとかわった感じがおもしろい

ただ全体的に盛り上がり不足は否めないし、もっとキャラ同士の集約でカオスな展開になるのもほしかったかなあ、と
観てる間はおもしろいし楽しいけど、ホントに後になんにも残らない中の上的な微妙な優等生作品でした

個人的評価:70点
オススメ度:先生とよべ





あのバスを止めろ 予告



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2011年3月9日水曜日

ビッチ・スラップ 危険な天使たち (2009/米)

監督:リック・ジェイコブソン
出演:ジュリア・ヴォス / エリン・カミングス / アメリカ・オライヴォ / マイケル・ハースト / ロン・メレンデス / ウィリアム・グレゴリー・リー / ミナエ・ノジ / ケヴィン・ソーボ / ルーシー・ローレス / レニー・オコナー / デニス・キーファー / スコット・ハンレイ / マーク・ラッツ / デビー・リー・キャリントン / ゾーイ・ベル





砂漠にやってきたトリクシー、ヘル、カメロの三人の女たち
人質として連れてきた男、ゲイジに隠されているブツの場所を聞き出そうとするのだが…

久しぶりに最高にバカで素敵でおもしろすぎるクソB級映画に出会えたこの喜び
三人の泥棒猫ビッチどもがお宝を巡って、ケツとチチを振りまくってあえぎながらダラダラとビッチアクションするしょうもない内容かと思ってたら火傷するぜ!
ま、ある意味でダラダラとビッチっぷりを描いてるだけってのは間違っちゃいないけど、それも前半までの話
クソB級映画好きならうれション必至な終盤の展開にテンションが上がりまくる

話的にはビッチどもがサービスショットを交えつつお宝を掘り探す、その合間にじょじょに過去にさかのぼったエピソードをはさんでストーリーのピースがはまっていく感じの内容ですね
あからさまなセクシーショットなシーン、まったく内容のない話、ギャグの域に達しているCGのてきとうさ…もうそれだけで死臭が鼻につくほどキツイ序盤の展開
じゃっかんおもしろいと思えるのは、妙な日本語を話すライバルキャラ的なビッチと世紀末救世主世界からやってきたような男の素敵キャラが出てきてから
むにゃむにゃとなんか日本語をしゃべってるジャパニーズロリ風ビッチのスケバン刑事攻撃に胸がときめかざるえない

そこまで観てると、どこにでもあるしょうもないクソB級映画なんだけど、この作品はマジで終盤にかけての盛り上がりが異常すぎる
基本はお宝をめぐってバトルな話なんですが、その終盤の戦いが無駄に熱い
おまえらスクライドの最終回かよ、とツッコミを入れたくなるくらい個人的にはかなりボルテージが上がるバトルっぷりに画面に釘付けですよ
そして、序盤のどうしようもないガッカリCGの使い方すら逆に開き直って終盤では持ち味にしてるからすごいわ
さらにこんなクソB級映画のくせにきちんと伏線を回収してるから困らない
「ここでその伏線を回収するのかよ」って感じでもう満面の笑みで楽しめましたね
もう終盤はラスト、スタッフロールの最後の最後まで堪能できる具たっぷり仕様が素敵すぎます
あのED曲はさすがに意表をつかれたわ

とにかく普通のビッチ映画のようでそうでもない、三人のビッチどものそれぞれキャラと思惑が素敵すぎる本物のビッチ映画と言わざるえない

個人的評価:100点(超個人的趣味で)
オススメ度:女はみんな結局ビッチなんだよ




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2011年3月7日月曜日

NECK (2010/日)

監督:白川士
出演:相武紗季 / 溝端淳平 / 板東英二 / 佐藤二朗 / 渡部豪太 / 小松彩夏 / 河西智美 / 寺本純菜 / 未来穂香 / 花岡拓未 / 細川茂樹 / 鈴木一真 / 温水洋一 / 板尾創路 / 栗山千明 / 平岡祐太







人間の想像力からお化けがうまれるという持論のもと研究をしている杉奈
自慢ネックマシーンの実験台として告白してきた男、首藤を利用するのだが

そのタイトル、そのストーリー、わっかりやすいクソ映画でナイス見える地雷っぷりが優しさとして現れてます
まあ、そんなわけで、この作品を観ようって人は「それなりの覚悟」をもってると思うんで、内容に大人げなくキレたりしないでしょう
ホラー要素もありますが、基本はライトでバカで笑えないコメディ…というよりさむいギャグ映画という感じ
小学生から中学生くらいをターゲットにした過剰演出コメディテレビドラマを映画化しました、みたいな雰囲気がたまらなくクソです

かといってZ級クソ映画ばりにどうしようもない精神的消耗が激しい、ある意味でとがった内容ではなく、いちお普通に観れないこともない
ビックリマンチョコのシールなしでチョコだけをバリバリ食べてる感じ…分かりづらいか
話的には箱の中に入って首から上だけを出して恐怖体験を妄想すると、箱内部の見えない部分にアレがナニしてそこにお化けが誕生するんじゃね的理論を実証するストーリー
ようするにお化けは人の想像力からうまれるものだよね、って感じ
そんな馬鹿げた理論が実現してしまい…という意外性のかけらもないのが見どころです

素敵ポイントをちょっと無理に探すと、個人的にランドセルゆり子ちゃんのバトルと冥王星Oは気持ちちょこっとだけ楽しかった
その他の「笑い」ポイントはしょうじき、ドン引きせざるえないくらいにさむい
かなり精神年齢が低くないとキャッキャできない
ピュアな心がない私にはこれをおもしろいと大笑いはできませんでした

笑いのツボは人それぞれだし、こういう作品にマジでつっこむのも無粋なんですが、おもしろみのない作品だな、と思わず言わずにいられない

個人的評価:20点
オススメ度:やっぱりBECK的なものを意識したタイトルなのか、そうでもないのか




NECK 予告



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2011年3月6日日曜日

ツーリスト (2010/米・仏)

監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
出演:アンジェリーナ・ジョリー / ジョニー・デップ / ポール・ベタニー / ティモシー・ダルトン / スティーヴン・バーコフ / ルーファス・シーウェル / クリスチャン・デ・シーカ / アレッシオ・ボーニ / ジョヴァンニ・グイデッリ / ラウル・ボヴァ / ブルーノ・ウォルコウィッチ





警察の監視を受けている女、エリーズ
謎の男アレクサンダー・ピアーズの指示で、エリーズはベニスに向かいその途中で旅行者のフランクに接触するのだった

冒頭から日常を監視されているエリーズ、そしてキーになるだろう謎の男アレクサンダー・ピアーズの存在がほのめかされ、それに巻き込まれていくフランク・・・
いったい裏でどんなことが起きてるのか?というのを楽しむオーソドックスなサスペンス
まあ、しょうじきサスペンスの質としてはかなり低い、というかオーソドックスすぎるほどにシンプルで古くささすら感じます
気持ちよく騙されたい、という気持ちで観る映画ではないですね

謎の美女エリーズは何者か、ピアーズとは誰なのか、巻き込まれてしまったフランクの運命は、とかそこら辺の騒動を警察と殺し屋をまじえて描くサスペンスパートと、エリーズとフランクがベニスでイチャイチャするロマンスパートに分かれてる内容になってます
かなりあからさまにジョリーさんとデップさんの夢の競演って感じのアピールを、ベニスの美しい情景をバックに甘ったるく展開してるスウィーツ作品と言わざるえない
冴えない男フランクと社交的な美女エリーズのミスマッチ感をユーモラスに描いてるさまを楽しめるか否かで評価が大きく変わると思いますね
出演者目当てでキレイ&カッコイイと言いながら内容は二の次で観れる人には最適かもしれません

そんなサスペンス要素付きロマンス映画ではなく、ロマンス要素付きサスペンスを期待して観るとガッカリ感がハンパないですね
個人的にはサスペンス重視な作品だと思ってただけに、もうなんというか、ね・・・
あとはもっといろんな土地を転々としながら世界の名所をバックにアクションを展開していくと思ってたんですが、実際はそうでもなかったのが残念でしかたありません
サスペンスのオチとしても、序盤で「まあ、たぶんこうなんだろうな」って思ってたまんまの結末だったのにはテンションが下がる
そんなオチを知ってればエリーズとフランクのロマンスっぷりも納得できなくはないけど、それでもエリーズ側の恋心がまったく理解できない私は恋愛初級者なんでしょうね

そんなわけで、オシャレでスウィーツなロマンス映画として恋人とかそんな人とブラリと立ち寄った映画館で、何となくチョイスして観るには最適な作品だと思われます

個人的評価:50点
オススメ度:ツーリストとか旅行者って言えばいいじゃん





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2011年3月5日土曜日

フローズン (2010/米)

監督:アダム・グリーン
出演:ケヴィン・ゼガーズ / ショーン・アシュモア / エマ・ベル / エド・アッカーマン / ライリア・ヴァンダービルト / ケイン・ホッダー








スキー場に遊びに来たダンたち三人の男女
三人だけで無理に乗り込んだ夜の最終リフトが突如、途中で止まってしまい…

低予算映画の見本のような作品ですね
限られた場所で限られた少数の人間だけを描いているシチュエーションもの
というか、その条件でいくとこの作品はスキー場のリフトの上、男女三人だけっていう思い切った限定っぷりがナイス度胸だと言わざるえない
いや、普通の神経だったらここまで限定した状況下で映画を作ることにゴーサインだしづらいだろうね

話的には係員のミスで夜のスキー場、リフトの上で取り残されてしまった男女三人がどうしましょって感じ
最初は軽く考えているんだけど、日曜の夜でしかも次の金曜までスキー場は営業しないということが重く響いてきて、もとからじゃっかんギスギスしてた三人が・・・みたいな流れ
基本は身動きできない三人の会話劇なんですが、ちょっと退屈な雰囲気になってくるタイミングでイベントやアクシデントが描かれるから飽きません
そのアクシデントがまたやるせなくて痛い

観てる側からすれば「下は雪だし、ちょっと高いけどさっさと飛び降りればいいじゃん」と、軽い気持ちでいたんですが・・・
いや、なんというか、マジで飛び降り厳禁だと思い知らされます
その後の展開も「うわあ・・・」って感じで、直接的な描写はないけど想像力が豊かな人ほどキツイ内容かもしれません
さらにクライマックスもまたキツイ
「え?この流れからいくと、もしや?あいつは?」と思っていると・・・ね、もう容赦ない映画やで

ごくありふれた生活の中にいるとなんてことはないけど、色々と悪条件が重なったとたんにこうまで人は弱いものなんだな、と思わされる一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:低予算だけど面白さのコスパはいい




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2011年3月3日木曜日

乱暴と待機 (2010/日)

監督:冨永昌敬
出演:浅野忠信 / 美波 / 小池栄子 / 山田孝之










みすぼらしい一軒家に越してきた若い番上夫婦
夫が近所に挨拶周りをしていると、お経を唱えるスエット姿の奇妙な女の子に出会い・・・

脱力系、シュール系、どっちでもあるようでどっちでもないような独特な雰囲気を持つコメディでした
かなり観る人を選ぶ内容で、個人的にはかなり楽しめたけど「はあ?なにがおもしろいのか、意味わかんね」という意見があってもわからんでもない作品ですね
コメディのようでサスペンスのようでドラマのようで、やっぱりコメディみたいな感じでしょうか

番上が引っ越し先の近所に挨拶周りしてると、奇妙な女の子の奈々瀬と出会う
その奈々瀬の兄がまたへんてこなキャラで、しかも番上の妻のあずさは奈々瀬とその兄に面識があり、しかも強く憎んでいる
そんな四人の日常が進むにつれて、どんどん四人の愛と憎しみ的な関係が絡んでいきつつ、各キャラの性癖も表にでてくる、と
そんなところをドキドキにやにやしながら楽しむ作品でしたね

最初はシュールななんでもありコメディかと思ってたんですが、登場人物の過去のしがらみが浮き出てくるにつれて「なんか普通じゃないな」感が強くなり、同時におもしろくなってきます
小者な番上、バイオレンスなあずさ、気持ち悪いお兄ちゃん、そしてめんどくさい奈々瀬
中でもやっぱり奈々瀬の存在が一番おもしろいですね
ずっとおどおどしてて、他人に嫌われないように気を使って生きている頭のゆるい小動物・・・のようで、みたいなところがたまらない
奈々瀬のキャラをあるていど把握できるとホントにおもしろくなります
ぜったいに周りにひとりはいるタイプな、ある意味でかなりリアルな性格の描き方な気がしました
他人は自分が考えてるほどバカじゃないし、シンプルでもない

個人的にはもっとサスペンスよりな大きな事件を描きつつ、みたいなのを期待してたところがあって、じゃっかんん物足りなさは否めなかったですが、まあ、これはこれでいいかなと
ホントに油断してるとサスペンスタッチになったり、いい話になったり、かなり頭の悪いコメディになったり、観てて飽きない一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:復讐なら仕方ないな



乱暴と待機 予告



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