2011年6月30日木曜日

6月のこれ一本

今月は職場で映画について、特にB級映画について語れる同僚の登場により、なんか微妙にテンションが上がって鑑賞した本数が増えちゃいました
同じ趣味について語れる人がいるって、ホントにいいもんだなあ、おい
まあ、反面、積みゲーが(よりいっそう)山のようになってしまい、ZEITAKUな悩みに翻弄されてるわけで

それはそれとして、今月、一番印象に残った作品は「スカイライン」ですね
せけんではやっぱり微妙評価なんですが、そんなこたあ知ったこっちゃねえ
こんな寂れた個人ブログで超個人的な趣味を叫ばずしてどこで声を大にすればいいというのか
みんな観ろよ、おもしれえだろ?あ?…なんてことはぜったいに言わないし、あえてオススメはしないですが、ホントに個人的にツボにはまった作品でしたね

それでは、また来月

2011年6月28日火曜日

SUPER 8 (2011/米)

監督:J・J・エイブラムス
出演:ジョエル・コートニー / エル・ファニング / カイル・チャンドラー / ライリー・グリフィス / ライアン・リー / ガブリエル・バッソ / ザック・ミルズ / ロン・エルダード / アマンダ・ミハルカ / ジョエル・マッキノン・ミラー / ジェシカ・タック







母親を亡くして四ヶ月、少年ジョーは友人たちと映画を作っていた
駅での撮影中、列車事故に巻き込まれたジョーたち、そしてその積み荷には大きな秘密があった

雰囲気的にはアメリカの片田舎での少年冒険もの
というかSF、パニック、青春、コメディ、サスペンス…ホントにいろんな要素がごった煮になってる作品ですね
列車事故によってなんかやばい「モノ」が解き放たれ、小さな町では徐々に異変が起こり始める
そんな中でも少年少女たちは映画作りに情熱を傾けて、大人の抑制に抵抗しながら青春してるわけで
なんともいえない懐かしさを感じます
この「懐かしさ」っていうのは、自分が子供の頃にドキドキしながら観たエンターテインメント映画を思い起こす「懐かしさ」ですね
昔の楽しかった、そして記憶の中で美化された映画の思い出をまんま形にしたような作品

列車の積み荷によって事態は深刻化していく中、少年たちだけが真相に近づいていって謎を知っていく、というざっくり言えばそんな内容です
少年たちが大人たちの世界と現実の冷酷さに触れながらちょっとは成長しつつ、だけど受け止めきれない重さは取りこぼしながらただ前に向かって進んでいく…そんな昔はよくあったような展開が懐かしおもしろい
まあ、そう「懐かしい」と感じたなら作り手の狙い通りなんでしょうね
演出的にも序盤の列車事故シーンのど派手さから、いっきに見えそうで見えない「なんか分からんけど大変なことがおこってる」という想像力を刺激してくる流れになり、もう先が気になって気になってしかたがない

だけどちょっと期待しすぎたのかもしれませんが、終盤にかけてなんともご都合主義な展開が目に余りました
「地下」からそっこうで正解を連想したり、ピンポイントでバスが襲われたり、足がなくなったらすぐ車が通りかかったり、なんかそっこうで心が通じたり…
最後も最後でなんかいい話だったなあ、という流れにもっていこうとしてるけど「いや、さすがにいい話とか思えないから」と言わざるえない
がんばってる親たちの描写とジョーと積み荷のつながりの描写がイマイチ足りない気がしたのは私だけではない、はず

そんな感じで期待しちゃっただけに粗が目立ったけど、B級映画として観ればおいしくいただける内容でした

個人的評価:75点
オススメ度:中盤までとエンディングは最高におもしろかった



SUPER 8 予告

2011年6月27日月曜日

地下拷問室 (1994/英)

監督:レイ・ブラディ
出演:ダニエル・サンダーソン / ティム・プール / マーゴット・スタインバーグ


バーで知り合った男と女
誘われるままに女の部屋にあがりこみ、これからおたのしみという時になり…

本格的な夏も近づいてきたわけで、そうなるとなんか知らんけどホラーな季節とSOUBA的なものが決定されてる素敵ジャパン
そんなわけで厳選に厳選を多重してアレした結果、選ばれたのがこの作品
まあ、あえてなにを基準に選んだかは言いませんが、いやあ、こう長々と前口上たれながしちゃうくらいクソB級だったなあ、と

バーで出会った男の下心を利用してお持ち帰りした女が、おいしくいただくために男を地下の拷問部屋に監禁するっていう作品
この手の映画に求めるのはやっぱり痛い残酷描写と追いつめられていく犠牲者・・・なんですが、悪い意味で裏切られた内容でしたね
まあ、拷問はするんですが肝心のその行為のシーンより女が持論を展開して男とおしゃべりしてる方が長い
「体感的に」おしゃべり9割拷問1割といった比重

しかもずっと黒い壁の密室で話は展開していくので、ぶっちゃけ眠気MAXでしたね
途中でのある交代劇がなければ完全に落ちてたかもしれません
ただの残酷拷問映画じゃねえ、ってところをアピールしたいのか「なんか意味ありげな」話を延々と女がしてるんですが、しょうじきどうでもいいし、何か感じるものはいっさいありませんでした

地下拷問室というストレートすぎるタイトルのくせに肝の拷問シーンが物足りなさすぎる、といった一本でした

個人的評価:30点
オススメ度:なめくじ普通に食いすぎだろ




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2011年6月26日日曜日

犬飼さんちの犬 (2011/日)

監督:亀井亨
出演:小日向文世 / ちはる / 木南晴夏 / 池田鉄洋 / 徳永えり / でんでん / 佐藤二朗 / 清水章吾 / 小野花梨 / 矢部光祐 / 伊東由美子 / 滝沢涼子 / 川村亮介 / 鷲尾昇 / 松本秀樹







離島での1年の単身赴任から我が家に戻ってきた犬飼さん
久しぶりのうちでは内緒で犬を飼っていたのだが、犬飼さんは大の犬嫌いだった

こういう作品でドラマ版と比べるのはアレですが、ざっくりとした設定だけが共通な別のお話という感じでした
ドラマ版はどっちかといえばサラリーマンドラマで映画版はファミリードラマ、という色分けになってます
感動押しつけの泣ける作品ではなく、すうっとのどを通るさわやかなデキ

久しぶりに家に帰ったら大嫌いな犬を飼っていて、しかも家族みんなちょっとずつ変わってしまっていた
なんとなくバラバラになってしまったような家族の絆という問題を前に、事なかれ主義で世渡りしてきた犬飼さんはどう乗り越えていくのか
そんな感じのストーリーですね
なんで嫌いな犬と無理していっしょに暮らし、みんな好き勝手してる中で犬飼さんはがばれるのか、なんでみんなちょっとずつ変わってしまったのか、そこら辺の説明がセリフとしてあらわしてくれるのでかなり分かりやすくなってる気がしました

犬飼さんとサモンの関係も「理由」がちゃんとあって向上していくし、同じように家族の絆のありようにも不自然さがあまりない
これといったジーンとくるものはないけど、最後まで観ると不思議とちょっとだけ優しくなれる作品でしたね
それでもやっぱりちょっとは泣き要素があってもバチがあたらんのでは、と思わざるえない
すっきりあっさりしてる反面、なにか物足りない感があるのも事実
なんだかんだ家族みんな物わかりがよくて、深刻な危機を乗り切った感はうすいんですね

思った以上に「犬かわいい」要素も盛り込まれていて、かなりライトな感じに仕上がってるな、と思えた一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:犬の擬人化ほどほどに




犬飼さんちの犬 予告



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2011年6月24日金曜日

インプリント ~ぼっけえ、きょうてえ~ (2005/米)

監督:三池崇史
出演:工藤夕貴 / ビリー・ドラゴ / 美知枝 / 根岸季衣 / 岩井志麻子









女郎たちの島にやってきたアメリカ人
小桃という女郎を探しにこの島を訪れ、ある女と話をしているうちに…

世界のMIIKEが放つ感じなアメリカの企画ものホラー映画
あっちのお国の企画なので作品も台詞が全編英語でできており、しかし内容は和風テイストなのでなんともいえないカオスな雰囲気がたまりません
和風とはいえJホラーといったふうではなく、おどろおどろしい怪奇ものに近いですね

いぜんに買った女、小桃のことが忘れられずアメリカに連れて帰ろうとする男
しかし小桃は他の地へと売られたらしく居場所がわからない、という中で女郎たちの島に渡ってくる
その島でも有意義な情報が得られず、適当な女を買って夜を過ごすことにしたが、女と話しているうちに…という内容
しょうじき最初は「ふーん」レベルの怖さなんですが、もうどんどん生理的な嫌悪感が激しくなってきます
痛くて気持ち悪い、それゆえの怖さといった感じ
まあ、でもけっこうコミカルな描写もあるので、心底たえられない気持ち悪さは回避されてますね

最初に観たときはしょうじき「ん?意味わからんな」という感じだったんですが、ちょっと考えてみると色々とうがった解釈ができることに気づきます
普通の場所じゃなく、普通の女との会話じゃない
すべてが胡散臭いと思えるからこそ、真実がもやもやしてきます
そんなもやもやこそが狙いなのかもしれません
高橋葉介作品とか好きなわたしにとっては楽しめた怪奇作品でした

個人的評価:70点
オススメ度:女郎蜘蛛




インプリント ~ぼっけえ、きょうてえ~ 予告



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2011年6月23日木曜日

ソドムの市 (1975/仏・伊)

監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ
出演:パオロ・ボナチェッリ / ジョルジオ・カタルディ / カテリナ・ボラット / アルド・バレッティ / ウンベルト・パオロ・クィナバル









ナチス占領下の北イタリア、公爵、最高判事、大統領、大司教により集められた若い男女
その中から選び抜かれた18人の男女はある屋敷に連れてこられ…

とりあえず悪趣味、とにかく悪趣味、とことん悪趣味な作品でした
本気でこれを「おもしろい」と言ったら引かれるだろうな、と思わざるえない
しかし、まあ、なんていうか、ちょっと観てるうちにおもしろいと思ってきちゃう自分にびっくり。あえて言えばクリビツ
自分の中の新たな性癖を開拓できるかもしれない内容ですね

内容としては公爵、最高判事、大統領、大司教の4人の性的な意味での変態趣味を満足させるため、集められた男女が道具として扱われる、といった感じ
同性愛、折檻、羞恥プレイ、食糞、拷問、場を支配する4人が好きな時に好きな場所で己の変態趣味を発散していきます
この館で行われる狂宴は死すら生ぬるい
そして歯向かったり気に入らない行動をとると懲罰リストに書かれて…
いや、ある意味でほんとにすごい内容ですね
最後の最後まで人権とかいっさい無視してもてあそばれる様を描いてるだけ

なんとなく、ホントになんとなくメッセージめいたものを作品から感じなくもないので、単なる悪趣味映画ってだけの内容じゃない…気がする
最初は普通に「単なる変態プレイ集か」とも思ったけど、不思議な魅力がありますね
特に大統領、こいつはマジもんなんじぇねえの、と勘ぐらざるえない変態演技っぷり
まあ、とりあえずこれだけ言えるのは「興味をもったとしても、わざわざ観るほどのものじゃない」ってことでひとつ

個人的評価:65点
オススメ度:道具として扱われつつ罪は罪として罰せられる




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2011年6月22日水曜日

フラガール (2006/日)

監督:李相日
出演:松雪泰子 / 豊川悦司 / 蒼井優 / 山崎静代 / 池津祥子 / 徳永えり / 三宅弘城 / 寺島進 / 志賀勝 / 高橋克実 / 岸部一徳 / 富司純子








昭和40年、いわき市では住民の仕事の支えである炭坑が下火になってきていた
そんな中、紀美子は友人の早苗にさそわれて新たにできる施設、常磐ハワイアンセンターでフラダンスをすることになり…

いやあ、臆することなく直球勝負って感じの作品でしたね
オーソドックスはあるけど丁寧な作りで最後まで楽しめました
こういうスポ根っぽい作風は個人的に大好きで、大人も子供も自分のまっすぐな感情をそのまま吐き出してるのが観てて気持ちよかった

廃坑が現実として間近に見えてきた町で、新たな施設としてハワイアンセンターなるものが建つことになる
そこでのフラダンスショーのためにダンスレッスンの先生を呼んで、地元の女性たちでショーをしようとするけど・・・
まあ、やっぱり「ヘラヘラ笑ってお気楽にダンスってか?ああ?」という地元民の根強い反感もあり、って感じのお話ですね
レッスンを受ける女性たちにも、先生にも、地元民にもそれぞれ言い分があるんだけど、あまりにそれぞれの色が違いすぎるためにお互いに反発しあってしまう
それぞれの立場や気持ちが観てて理解できるゆえに、単純にイヤな奴ってキャラはあまりでてきませんね
気持ちは分かるけどままならない現実ってのを見つめていくのがおもしろい

ハワイアンセンターを建てるにしても結局は町の将来を考えてのことだし、炭坑で働く人にとっても今を生きることに危険信号が灯されてきていて余裕を失いつつある
フラダンスをやろうとレッスンを受ける女性たちにしても、まだどこかダンスをすることに偏見を捨て切れてない
単なるいい人たちの集まりじゃない、誰が、どっちが正しいでもない
ちょっとだけ相手の気持ちを考えて受け入れるだけで、意外と人はつながれるもんじゃねえのってことで、そんなファンタジーに酔えた一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:借金のエピソードの必要性について




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2011年6月21日火曜日

ロシアン・ルーレット (2010/米)

監督:ゲラ・バブルアニ
出演:サム・ライリー / ジェイソン・ステイサム / ミッキー・ローク / レイ・ウィンストン / カーティス・ジャクソン / アレックス・スカルスガルド / マイケル・シャノン / エマニュエル・シュリーキー / ギャビー・ホフマン / デヴィッド・ザヤス / ベン・ギャザラ / デイジー・ターハン / ウェイン・デュヴァル / チャック・ジトー / ジョン・フィオーレ / スティーヴン・ジェヴェドン / アシュリー・アトキンソン / ロナルド・ガットマン / ジョン・ベッドフォード・ロイド / ドン・フライ




父親の莫大な入院費のために金の工面に困っていたヴィンス
ある日、一日にして大金が入るという甘い誘惑の話を盗み聞きし…

出た、悪い意味での普通映画
ホントにつまらんってわけじゃないんだけど、別にこれといっておもしろかったところもない平坦な作品でしたね
なにやらリメイク作品らしいんですが、旧作は観てないんでなんともいえません
ただ、このリメイク版を観てて思ったのは、なんか旧作をネタにしたのかな?と思うようなシーンがちょっとあったのがアレでしたね
リメイクに際して旧作を観た人に対するサービス的なシーンがあってもいいですが、新作しか観てない人に違和感を与えるような描写はいかがなものかと
まあ、完全に旧作ネタかどうかは元を観てないから判別できないんで、そんな違和感に対する印象は今回はスルーで

金に困ったヴィンスが電気工事で訪れた家で「うまい話」をしてるところを盗み聞きし、たまたまその家の男が死んでしまったことからコッソリ身代わりになって、その「うまい話」に参加しました、という感じのストーリー
まさか命がけのゲームとは知らずに参加するんですが、いざロシアン・ルーレットって感じで始まるまでホントに淡々と話は展開していきます
命がけと知らされて葛藤したりなんだりする描写はすっぱりカットして、「なんかやばいことやらされそう」と主人公が思った次の瞬間にはすでにゲームの舞台に立たされてるところに場面が移ります
そんな淡々とした描き方は個人的に好きでしたね
うだうだいわず、さっさと本番という流れはいい

そこから先もゲームが進もうがゲームが終わろうが、最後の最後まで淡々と描くことに徹しており逆に何とも言えない不気味さと緊張感はあるんですが、肝心の内容がちょっと、ね
ロシアン・ルーレット中のアクシデントとかハプニングとか、もっと観てる側を楽しませる演出があっても罰はあたらないと思うんだ
あと、ゲームが終わったあとにもうちょい「すんなり終わらない」というような何かがあってもよかったかな…と、もう一歩なにが足らない感じは否めませんでした
ホントにただロシアン・ルーレットしてるだけって風な印象

キャストも豪華ではあるんですが、それゆえに各キャラのバックボーンの消化が今ひとつで有名どころを集めたゆえに「このキャラがこの俳優である意味あるのか?」と思わざるえない
そしてまたこれだけの俳優を集めておきながら映画的な絵面が地味ってのはどうよ?
そもそももっと強烈な刺激を映画で味わえるこの時代に、「ロシアン・ルーレットやるよ!」というだけではインパクトが薄すぎないですかね
ゲームとしての見知らぬ物同士の殺し合いってシチュエーションがまだ新鮮味をもってた頃に観たら、もっとおもしろい作品だと思えたかもしれません

個人的評価:60点
オススメ度:ゲーム進行役のおっちゃんだけが印象に残るわ




ロシアン・ルーレット 予告

2011年6月20日月曜日

ALWAYS 三丁目の夕日 (2005/日)

監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆 / 堤真一 / 小雪 / 堀北真希 / 三浦友和 / もたいまさこ / 薬師丸ひろ子 / 須賀健太 / 小清水一揮 / マギー / 温水洋一 / 小日向文世 / 木村祐一 / ピエール瀧 / 神戸浩 / 飯田基祐 / 麻木久仁子 / 奥貫薫 / 石丸謙二郎 / 松尾貴史 / 小木茂光 / 益岡徹






昭和33年、東京は夕日町三丁目に青森から就職してきた少女、六子
就職先の小さな自動車修理工場の社長の鈴木と、売れない作家の茶川を軸に人々のふれあいを描く

日本人が忘れていた心を懐かしい映像タッチで描く感動作品
という作り手の意図がいやらしいほど伝わってきて、さらにギャグとしか思えないCGで観てる方のテンションはだだ下がり
泣ける映画だと思ってたけど、実際に観てみるとそうでもなかった
懐かしくておもしろいというより「あるある」と共感する作品でしたね

話的には昭和33年の世界観の中、厳しくも根はまっすぐな人たちがつむぐ人間ドラマ
懐かしい情景の箱庭世界でちょっといい話の寄せ集めストーリーが次々に展開していきます
個人的にどうもこの世界観が「子供だましの作り物」っていう印象を最初に抱いてしまったので、なんとも雰囲気になじめなかった
もちろん「いい話だなあ」と思えるエピソードはこれだけあれば1つ2つはあったけど、総じてみれば「うーん」といった感じ

あとは話がぶつ切りになって次の「いい話」に移っていくのがなじめなかったのと、初期の鈴木オートの乱暴な性格はよかったのにあっという間に丸くなっちゃったのがどうも
昔ってもっと乱暴で暴力的な言葉や行動をする人が目立って、そんな中でも芯は熱くて優しさをはらんでいる…って感じだったと思う
この作品では軽すぎる良い子ちゃんキャラが多すぎて、どうも好きになれなかった

と、ノスタルジック的なアレをウリにしてる作品でそれを感じられないっていう時点で、あとに残るのは「ちょっといい話の寄せ集め」だけになってしまうわけで
個人的にはどうにもノリきれなかった一本でした

個人的評価:50点
オススメ度:ヴァーチャル世界にしかみえない




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2011年6月19日日曜日

スカイライン-征服- (2010/米)

監督:コリン・ストラウス / グレッグ・ストラウス(ザ・ブラザーズ・ストラウス)
出演:エリック・バルフォー / スコッティー・トンプソン / ブリタニー・ダニエル / デヴィッド・ザヤス / ドナルド・フェイソン / クリスタル・リード / ニール・ホプキンス / ロビン・ガンメル / ターニャ・ニューボウルド / J・ポール・ボーマー







友人テリーのパーティに誘われて恋人と共にLAにやってきたジャロッド
パーティから一夜明けた早朝、空から謎の光が街に落ちてきて…

なんかけっこう評判が悪いみたいですが、個人的にはめちゃくちゃおもしろかった
なんというか子供の心を忘れてない…悪く言えば精神年齢が低い男が観るとかなりはまると思うんですね
いい年こいて少年マンガのノリとかヒーローもののノリが大好きな自分にとっては、もう最高でした
どうしても「第9地区」と比べられてしまうかもしれませんが、個人的にはこっちの方が好みかも
万人には、特に映画に対してマジメに観るスタンスの人にはオススメできないB級SF作品です
ノリはどっちかというと特撮とかに近い印象はありましたが

早朝、街に落ちてきた光によって知人が消えてしまう
なにが起きたかわからないまま朝日がのぼって街の様子が見えるようになると、そこには地球外のエイリアンの巨大飛行機があって人々を吸い上げていた…
外には人間狩りをするエイリアンがおり、脱出するべきか隠れるべきか決断をせまられる
という序盤の流れ
脱出しようかな、隠れてようかな、と主人公たちがうじうじするパートとエイリアンにこてんぱんにやられるアクションパートがうまく織り交ぜてあり、ちょっとダレそうな雰囲気になるときちんと派手なシーンをはさんでくるので飽きません
ストーリーは皆無で「うわ、ごっついエイリアンでいっぱいだし。どうすっぺ」という人類VSエイリアンとの戦いの裏にある生き残ろうとする一般人のお話

照明を暗くしてなにやら得体の知れないものがうろついている、という感じではなく昼の明かりのもとにもろだしなエイリアンたちがハッスルするあけっぴろげ型モンスターからのサバイバルを描いてます
怪獣ものっぽい感じでどうにもできない相手になんとか逃げようともがく姿が素敵
さらに主人公たちがあたふたしてる間にも街では軍とエイリアンとの戦争が激化していくんですが、そっちをメインにせずにミクロな視点の一般人に焦点を合わせてるのがいいですね

どうやってもかなわない相手から逃げる、その間にも人類的な意味でとんでもなく事態が深刻化していく
こういうタイプの映画でもっとも大切なのがオチ
これはかなり賛否両論わかれると思いますが、超個人的な意見としては「最高」と言わざるえない
あのラストのしめで「かっこいいな、おい」と思ったのは私だけではない、はず…!
続編を早く作ってもらいたいような、あえてこのままの方がいいような複雑な心境ですね

そんなわけで、公開早々の今のところ評価が低い作品ですが、そういった意味でもこれを観て「おもしろい」と思えたら個人的にかなり趣味があいます
まあ、趣味があったからといって「で?」っていう感じですが

個人的評価:100点
オススメ度:エイリアンと拳で語り合う




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ナースのお仕事 ザ・ムービー (2002/日)

監督:両沢和幸
出演:観月ありさ / 松下由樹 / 神田うの / 藤木直人 / 石原良純 / 国分佐智子 / ウド鈴木 / 根岸季衣 / 原田龍二 / 上原多香子 / 岡田浩暉 / 伊藤かずえ / 吉行和子 / 蟹江敬三







お気楽ナースの朝倉いずみ
上司や後輩とどたばたな日々の中、以前に入院していた患者が再び入院したいと訪れてきて…

お気楽極楽などたばた病院コメディ
と分かってはいたんですが、思った以上にお気楽な作品でしたね
ドラマ版はいっさい見てないんですが、けっこう人気があったのも分かるような分からないような、とりあえず頭からっぽにしてダラダラと見るのに適してるかも

お気楽な主人公、口うるさい上司、マイペースな後輩、そんなキャラがつめるナースステーションをメインにしょうもないコメディが次々展開する、という内容
医療関係の描写はほとんどなく、ただ内輪で大騒ぎしてるだけなので小難しい医療ドラマに嫌悪感がある人には問題なく楽しめるかもしれませんね
看護師という設定だけをベースにした内々だけのコメディといった感じ

個人的にどうも主役のいずみというキャラが好きになれず、なんともイマイチのりきれなかった
とにかく患者軽視でおちゃらけてばかり、しょうじき憎まれ役の婦長さんの方に肩入れしてしまいたくなる場面もしばしば
それでもいざという時は心のこもった患者を大事にする精神を発揮して、普通のナースたちにはできないことをやりとげる・・・という描写があれば救われたんですが、それもなし
たぶんそこら辺はドラマでさんざんやったんでしょうかね
さらに、そんなおちゃらけっぷりの罰として深刻な事態を招くという展開を期待もしてましたが、まさか医療行為とはまったく関係ないトラブルにおそわれるとは
ある意味で意表つかれたわ

そして、この手の映画化作品ではよくあるパターンな気がする主人公大ピンチなクライマックスの流れも、ね・・・
もしかして、この作品って「別に病院が舞台じゃなくてもいいよね」とつっこんでもらいたいのか?
などと本気で思った一本でした

個人的評価:30点
オススメ度:色々つっこんだら負けかな、と思っている




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2011年6月17日金曜日

プラトニック・セックス (2001/日)

監督:松浦雅子
出演:加賀美早紀 / オダギリジョー / 野波麻帆 / 石丸謙二郎 / 根岸季衣 / 加勢大周 / 阿部寛








屋上の縁に立ち今まさにその足を踏みださんとする少女あおい
そこに見知らぬ相手から間違いメールが送られてきて…

もっとしょうもない作品かと覚悟して観たけど、意外にちゃんとみれる内容で驚いた
それでも最初はそんな「しょうもない空気感」が充満しててアレだったけど、話が進むにつれて色々と明確になっていって楽しめましたね
そんな序盤のだるさと90年代のトレンディドラマくずれみたいな雰囲気が残念要素かもしれません

間違いメールに返信したら、そこからメールのやりとりがはじまった
あおいとトシはずぶずぶと沼に沈んでいくような幸の薄い人生を送りながらも、お互い顔の見えない相手同士でメールしあう
きがつけばどんどん不幸なできごとに見まわれるヒロインのあおい
自分のせいでもあり人生のタイミングが悪いせいでもある不幸への道
すぐそこに幸せはあるのに、それに気づかず目先のことだけに必死でゆえに幸福ではないものしか手に入らない

後悔ののちに気づくことさえ目先のことで、さらに大きな後悔につながっていく
なんとなく「明日、君がいない」とちょっとだけ、ほんのり、かすかに似てるものを感じました
AV騒動時のトシの言動や行動に感じる「イヤな印象」も後々には作品の中でツッコミがはいったり、わりと分かりやすい物語で堅苦しさはなかったですね
作り手側の言いたいことが分かりやすいからおもしろい
感動したり泣いたりはしないけど「悪い話じゃないな」って感じの一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:後悔先に立たず




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2011年6月15日水曜日

戦慄迷宮3D The Shock Labyrinth (2009/日)

監督:清水崇
出演:柳楽優弥 / 勝地涼 / 前田愛 / 水野絵梨奈 / 蓮佛美沙子 / 松尾スズキ / 平岡拓真 / 松本花奈 / 森大悟 / 荒川ちか / 伊藤星 / 中村久美 / 中島ひろ子 / 山中崇








久しぶりに幼少時代を過ごした街に戻ってきた賢は懐かしい友人の家に向かう
しかし、そこでは子供時代にお化け屋敷で行方不明になった由紀が突如として戻ってきていて…

いっちょ3Dでホラー作ろうぜ、という意気込みのもと「3Dであること」ばかりに気をとられて肝心の本編がぐだっぐだになってしまってる感が強い
あきらかなやる気のなさがあんまりな「企画モノ」系の作品ですね
ホラーなのにこわくない、新感覚のお化け屋敷ホラー

久しぶりの友人との再会を楽しもうとする賢→なんか子供の頃に行方不明になった女の子が不気味に戻ってきた→女の子が怪我したから病院へ行こう→いつのまにかお化け屋敷の中にいた
考えるな、感じるんだ!という便利な言葉のマジックの力をかりてもついていくのがキツイ
あまりにもあんまりな飛び石展開のために、別作業しながら片手間に観たいのにそれを許してくれないから困る

終盤の死のトラップが微妙だったのもアレですね
もっと、こう過去と現在がクロスしてみんな死んでいくみたいなトリッキーなのを期待してたんですが、なんかめんどくさくてやめちゃったみたいですね
その結果(?)、うさぎの腹からこんにちは、連続ダイブアタック、眼力芸という由紀さんの素敵シーンが盛り込まれて個人的には爆笑でした
最後も最後でよく分かんないけど、うん、深く考えちゃダメだよね

個人的評価:20点
オススメ度:戦慄?迷宮??




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2011年6月14日火曜日

X-MEN:ファースト・ジェネレーション (2011/米)

監督:マシュー・ヴォーン
出演:ジェームズ・マカヴォイ / ミヒャエル・ファスベンダー / ケヴィン・ベーコン / ローズ・バーン / ジェニファー・ローレンス / ジャニュアリー・ジョーンズ / ニコラス・ホルト / オリヴァー・プラット / ゾーイ・クラヴィッツ / ルーカス・ティル / ジェイソン・フレミング / ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ / エディ・ガテギ / アレックス・ゴンザレス





ミュータントも人間も受け入れて共存を目指すチャールズと、己の憎しみに力を使うエリック
ふたりは共通の敵を追うことで友情を深め、徐々にチャールズは仲間を増やしていく

人気シリーズがよくやる安易な原点もの、とさして期待せずに観たわけですが思った以上にしっかりと作ってあってビックリ
誰もが知ってるチャールズとエリックの決別というラストが分かっていながらも最期まで楽しめました
個人的にX-MENの知識はあんまりないんですが、それでも分かりやすく「X-MEN」であることにあぐらをかかないデキでしたね

ミュータントを集めて訓練し、なんか悪巧みしてるショウ
それを阻止するべくCIAと協力するチャールズ、恨みのある仇敵としてショウを倒さんとせまるエリック…ふたりが別々の道からショウを追いつめ、やがて道がひとつに重なっていく
チャールズ、エリック、ショウ、それぞれのミュータントと人間に対する考え方によって集められたミュータントたちの心は揺れ動き、己の進む道を定めていく
みたいな感じのお話ですね

個人的な、かなり個人的な意見ですが、初期に集められたミュータントさんたちって微妙に地味じゃないかな、と思わざるえない
まあ、そこはチームとしての未熟さが出ていていいといえばいいんですが
いちおファンサービスとしてミュータントを探すシーンで有名どころのキャラもちょこちょこ出てきます

ストーリーもけっこう一本の映画として楽しめるもので、単純にチャールズとエリックの決別に重きをおいたものじゃなかったのがよかった
シリアスにいくところはキチンとしめて、軽く息抜きできるところは突き抜けて描く、メリハリがよくできてる感じでした
なによりチャールズとエリックの関係が、最初は「友情とか無理だろ」と思ってたけどけっこううまくいってましたね
優しいだけじゃない厳しさを持ち合わせるチャールズ、負の感情の中にも温かい心を残しているエリック、ふたりが絡んでくるシーンはホントにおもしろい

アクションとしてのクライマックスの盛り上がり、ストーリーとしてのラスト、チャールズとエリックのお互いを信じ合う気持ち、すべてがうまくまとまっていた作品でした

個人的評価:90点
オススメ度:おっさんじゃなくても実写マグニートーコスチュームはちょっと…ね




X-MEN:ファースト・ジェネレーション 予告

マーターズ (2008/仏・カナダ)

監督:パスカル・ロジェ
出演:モルジャーナ・アラウィ / ミレーヌ・ジャンパノイ / カトリーヌ・ベジャン / イザベル・シャス / エミリー・ミスクジャン / マイク・チャット / ガエル・コアン / アニー・パスカル / ジェシー・パム / パトリシア・トゥラスーヌ / ロベール・タパン / ジュリエット・ゴスラン / グザヴィエ・ドラン・タドロ






監禁拷問されていた時のトラウマに悩む少女リュシーとそんな彼女に付きそうアンナ
そして15年の月日が流れ…

これもオススメ返しされた一本
かなりショッキングな内容で話の展開にもそこそこ緊張感があります
ええ、前半までは…
単純なホラーかと思ってみてたら「そっちが題材なのか」という意外性はあるけど、しょうじき個人的には不必要な意外性だったかな

監禁拷問生活時のトラウマを消し去ろうと犯人を見つけて復讐しようとするリュシー、あまりにいきすぎる行為に気が気じゃないアンナ
リュシーは完全に狂気にとらわれてしまったのか、そしてリュシーをさらった犯人とは、という序盤の展開
正気と狂気の狭間にゆれるリュシー、真実を知るアンナ、そして…という大ざっぱに分けても3つの大きな話の展開が用意されていて、話が進むにつれて「え?これでどうなるんだ?」という緊張感の持続はあります

そこそこのゴア描写、そこそこのホラー要素、そこそこの緊迫感、普通におもしろい作品なんですが、何とも言えないむずがゆさがあるんですね
声を大きくして「あー、おもしろかった!」と言い切れない感じ
特に後半部分が個人的に合わなかった
完全に後半になって話のテンポが大きくゆるやかになっていて、それまでスピーディに展開してきた話が台無しに
そういう意味では「ホステル」後半の脱出アクションの必要性の重要度がよく分かったかもしれません

痛くてちょいグロ、なにかありそうなおどろおどろしさを求める人は「過度な期待」を持たずにみればそこそこ楽しめる一本かもしれません

個人的評価:65点
オススメ度:なぜ数日も居座ったのか、って疑問は無粋ですか




マーターズ 予告



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2011年6月12日日曜日

星守る犬 (2011/日)

監督:瀧本智行
出演:西田敏行 / 玉山鉄二 / 川島海荷 / 余貴美子 / 岸本加世子 / 温水洋一 / 濱田マリ / 塩見三省 / 中村獅童 / 藤竜也 / 三浦友和








市役所に勤める奥津京介のところに死後六ヶ月の身元不明の白骨死体がみつかったと連絡が入る
死体のそばには死んで間もない犬の亡骸もあり、主人思いの犬に刺激された京介は男のわずかな手がかりから男の歩んできた道のりを追っていく

感動、泣ける、と評判だけは聞いてましたが、しょうじきどんな話かまったく知らないまま鑑賞
遺体で見つかった男が京介のおじいちゃんで、その死にいたるまでの足跡をたどっていく内容かと思ったらそうでもなかったのね
けっきょく京介が見知らぬおっさんについて調べる、という内容でおっさんと京介の間になんらかの接点があるんだろうなと期待してた気持ちには応えてくれるストーリーではなかったです

本が好きで自分の殻に閉じこもったまま大人になった京介が、積極的に他人に関わってくる少女を途中で拾い、犬に愛されていたおじさんのたどってきた道のりを追う
そして、その道中でおじさんが体験した話を少しずつ描いていく
犬がメインで心温まる明るい話を展開しつつ、ラストは一気に重いシリアスな展開にもっていく…という感動系の定石とはちょっと違う展開はよかったと思う
でも、それでももうちょっとコミカルなシーンを多くしてラストの悲壮感とのギャップを演出したり、いっそのこともっと暗く冷たい救われない坂を転がっていくおじさんの姿を描いてくれた方が個人的に好みだったかな、と
ラストまでの道中が軽すぎることもなく重すぎることもない、ひどく中途半端な印象がありました

あとはヒロインの京介と旅をともにする少女の第一印象が最悪すぎる
あまりにもうざいキャラな上に微妙に背負ってるものが軽いので、最後まで好きになれなかった
こう見えて実はこんな重い悩みを抱えてるんだよ、という部分があれば好感をもてたかもしれません
というか、個人的に死んだおじさんも好きになれなかった
あまりにも普通のおじさんすぎて、映画の中でもこんなリアルなおっさん見てたくない
完全に憎めないいい人という「キャラ」じゃなく、生々しすぎるからイヤだ
そんな登場人物が個人的に合わなかったことと、おじさんとハッピーの演技があまりに「なじみすぎ」ていて、逆に「ああ、いい芝居してるな」と作り物を観てる感じが伝わってきたのがイマイチ感動できなった要素ですね

一方で主人公の京介とクロのエピソードは個人的にツボに入りまくりで、少年時代の京介とクロの話とか、クロの最期とかそこら辺は心にくるものがありました
むしろクロの最期で普通に泣きましたね
けっこう映画本編のラストで場内ですすり泣きする人が数名いたんで、あくまで個人的に心に響くポイントがずれてるのかもしれません
自分はラストに何か感じるものはありませんでしたが、そこはほら思うところは人それぞれってことでひとつ

個人的評価:65点
オススメ度:遠回しな特定政治家批判ってことか




星守る犬 予告

ブラッディピエロ 100人連続切り裂き (2007/米)

監督:マーカス・コッチ
出演:ジョージア・クリス / レイニー・ブラウン / ジョー・デイヴィソン / ジャック・エイモス / ジェフ・ディラン・グレアム / テッド・ゲオガーガン








地元タブロイド誌の記者であるマークとジェニファー
胡散臭いホラ記事ばかりでうんざりしてたジェニファーは、ちまたで噂の連続殺人鬼を追う決心をする

映画話した職場の人にオススメ返しされた一本
しょうじきこれを勧めてきた男気に乾杯したくなるクソB級映画でした
とりあえず血がビッシャーで腸がでろーんな「だけ」の内容で、どうしようもなさが漂ってます
しょうじき後半のバカ展開とバカオチがなかったらどうしようもない救いようのないかなり底辺に位置するクソ映画認定していたかもしれません

とにかく殺して殺して殺しまくるという内容におまけでストーリーがついてくる感じ
20年間ずっと殺人を犯してきて捕まらなかった殺人鬼、それをあっさりと地方紙のビッチとデブが手がかりをつかんで犯人に近づいていく
この映画を観る誰もが期待するゴアシーンですが、血も内臓もそれなりに画面には映るんですが、それがどうしようもなく作り物にしか見えないんでグロくも痛くもない
やばいものを観てるっていう緊張感がないんですね

それでも後半の展開はホントに素敵
ここで書いてもどうせ誰も観ないだろうから、もうネタバレ全開でいくと後半、殺人鬼の娘が出てきてふたりでタッグを組んで殺人をはじめるんですね
その娘のキチっぷりがすがすがしいほど素敵すぎる
もうこの娘の行動がいちいちキチガイじみてて楽しいたらありゃしない
ピエロの父親の方がよっぽどなんですが、やっぱり普通の人間が豹変する姿をみてたほうがくるものがあります

で、オチですが、これもまたバカっぽくてい
ひとり勝ちしたかのようにみえた殺人鬼の娘が外に出て歩いていると、後ろから生き残ったビッチにひき殺される…なんとも余韻もクソもない唐突なオチにボクの中の素敵度がはねあがりました
そんな素敵ポイントがあったからそこ個人的に飽きずに最後まで観れた一本でした

個人的評価:40点
オススメ度:吹き替えがあんまりにひどすぎる件




ブラッディピエロ 予告



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2011年6月10日金曜日

ホステル (2005/米)

監督:イーライ・ロス
出演:ジェイ・ヘルナンデス / デレク・リチャードソン / エイゾール・グジョンソン / バルバラ・ネデルヤコーヴァ / ヤナ・カデラブコーヴァ / ヤン・ヴラサーク / ジェニファー・リム / リック・ホフマン / 三池崇史







海外旅行を楽しむ男たち三人組は、女たちが簡単にヤらせてくれるという場所を聞いてさっそく向かう
目的も達し、満足する一行だったが翌朝、仲間のひとりが忽然と姿を消し…

手持ちのDVDを勧めたら逆にオススメされた作品
人から勧められるとネタにはしって同じようなタイトルのパクリ作品を観たくなるサガなんですが、今回は自分をおさえて素直に鑑賞
いちお手元にはおいてあったタイトルなんですが、今までなぜか放置してありました

ふいにいなくなる友人・知人、そして謎の場所でおこなわれる猟奇的な拷問…
オーソドックスなB級ホラーにプラスアルファの手間をかけたような印象でしたね
インスタントラーメンをひと工夫して、いつもの味とちょっと違うワンランク上のものを作りました、みたいな
しょせんはベースは即席のラーメンであることは間違いないんで、驚くようなものはない
でもそのひと工夫はいい感じに作用してるんで、最後まで飽きずに楽しめる内容にはなってました

しょうじき個人的にもっと殺人ショー的な作品かと思ってたんですが、意外にもきちんと設定を消化して主人公視点における物語をそれなりにまとめてるのはよい点だと思いました
よい点ではあるんですが、一方では小さくまとまりすぎな感も否めない気がしないでもない
あと、こういうB級ホラーでは序盤はダルイものですが、それにしてもこの作品の序盤はダルイ
いざ本番という前に観てる側の精神をきりきりさせてくる緊張感がない

クソB級として観ればおもしろい
普通B級として観ると普通
あまり過度な期待をしないで観た方がいい一本でした

個人的評価:65点
オススメ度:お岩さんはないわ



ホステル 予告



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2011年6月9日木曜日

ファニーゲーム U.S.A. (2007/米・仏・英・オーストリア・独・伊)

監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:ナオミ・ワッツ / ティム・ロス / マイケル・ピット / ブラディ・コーベット / デヴォン・ギアハート / ボイド・ゲインズ / シオバン・ファロン・ホーガン / ロバート・ルポーネ / スザンヌ・ハンケ / リンダ・モーラン







ジョージたち一家はバカンスで湖の別荘を訪れる
すると隣人のつかいの青年が訪れてくるのだが、人の神経を逆なでするような行動が目につき…

ちょっと前に観たオススメ映画シリーズその4
とはいえ今回はリメイク版で
セルフリメイク&内容はほぼ同じってことで、どうせならこっちをオススメしたいかな、と
っていうか、これを「おもしろいよ!」と胸を張って勧めたら人間性を疑われて、後々「うわぁ…」とガチでひかれそうな気がしないでもない

ジョージ一家の別荘を訪れる二人の青年
物腰は柔らかいがいちいちこっちの神経を逆なでる行動をとるもんだからイラッときて強くあしらったら…
都合の良いときだけ礼儀と正論を押しつけてくるヤツらとの命がけのゲーム
ゲームとはいえ遊んでるのは青年ふたり組だけで、ジョージ一家はおもちゃにすぎない
人間の尊厳的なものを奪う精神的な暴力&肉体的な暴力でせめてせめてせめまくっちゃうよ、という内容

人によってはかなりの不快感をおぼえるだろうけど、個人的にはそうでもないんですよね
やっぱり途中途中で入る観てる側に干渉してくる演出で、ちょっと張りつめた気がゆるんでちょうどいいあんばいになってます
まあ、ここらの演出も嫌いな人は大嫌いで「ふざけんな」と思うだろうってのは容易に想像つきますが
そんな映画に対してマジメな直立不動の体勢で観るような人が、わざわざこの作品を手に取るかは疑問ですが

これは映画なんだよ、おまえらだってこっち側の視点だろ?
人の死なないホラーとかあったらブーブー言うんだろうし、観てる側の立ち位置はいつも人殺しの後ろの安全なところにある
ちょっと深くよめばそんな感じかもしれません

個人的評価:80点
オススメ度:完璧じゃない穴だらけの計画のリスク、それゆえのゲーム




ファニーゲーム U.S.A. 予告



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2011年6月8日水曜日

ビッグ・ヒット (1998/米)

監督:カーク・ウォン
出演:マーク・ウォールバーグ / ルー・ダイアモンド・フィリップス / クリスティーナ・アップルゲイト / エイブリィ・ブルックス / ボキーム・ウッドバイン / アントニオ・サバトJr. / チャイナ・チャウ / レイニー・カザン / エリオット・グールド / サブ・シモノ / ロビン・ダン / リーラ・ローション






ある組織に属する変なところでマジメで他人に利用されてばかりの殺し屋メルビン
どうしてもお金が必要になり、組織のタブーであるボスを通さない仕事をすることになり…

ちょっと前に観たオススメ映画シリーズその3
この映画はホントに何度も観てますね
頭からっぽにして楽しめるバカでバカでマジおバカなアクション映画
ほどよいアクションとほどよいコメディ要素がいい感じで織り込まれてます

お人好しで微妙に小心者だけどエロ方面はゆずれないふたまた野郎…というよくわからん性格設定な主人公
プライベートでもお仕事でも胃をきりきりさせながらフィアンセに裏の顔を隠して暮らす
ある誘拐に関わってしまったために、立場が危うくなっていきストレスが急上昇していく、みたいな流れ
アクションを決めるところはビシッときめ、笑わせるところはキチンと笑わせにくる
そしてテンポのよさが気持ちいい

アクション部分もスタイリッシュさをだそうとしてる、んだけど今になって見直してみるとやっぱり古くささが目立つ
ひとむかし前にヒットした人気バラエティ番組の動画を観てる感覚に近いですね
ホントに軽い気持ちでサラッと観て、それでいてきっちり楽しめるかなり口当たりがライトな作品です

個人的評価:80点
オススメ度:こんなレンタルビデオ屋はイヤだシリーズ




ビッグ・ヒット 予告


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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2009-06-03)
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2011年6月7日火曜日

シューテム・アップ (2007/米)

監督:マイケル・デイヴィス
出演:クライヴ・オーウェン / ポール・ジアマッティ / モニカ・ベルッチ / スティーヴン・マクハティ / グレッグ・ブリック / ダニエル・ピロン / ジュリアン・リッチングズ / トニー・マンチ / ラモーナ・プリングル







銃をもった男に追われる妊婦を助けてしまったがために、巨大な組織に追われる身になってしまったスミス
赤ん坊を狙う一味と戦いながらの逃避行がはじまる

ちょっと前に観たオススメ映画シリーズその2
とにかくバカでスタイリッシュでクレイジーでお下品なガンアクション
というか、個人的に勧める作品すべてに「お下品」要素があるわけじゃないんだからね!勘違いしないでよね!///

うん、まあストーリーとかはぶっちゃけどうでもいいでしょ
とことんテンポ良く飛んだり跳ねたりすべったり***しながら銃をぶっ放す、それだけの映画
ああ、この潔さが漢らしいぜ
ライバルキャラにこっちの行動を読んでくる変態インテリファイターを置くことで、たえず主人公の追跡が切れることがありません

アクションセンスもさながら、展開の組み立てがうまい
流れるように飽きさせずに緩急をつけてアクションとストーリーをくみ上げてますね
ホントにいつのまにやら最後まで観ちゃったじゃない、という勢いまかせ
これでもうちょっと下ネタをひかえれば、もっと万人受けするB級アクションになったかも?
いや、それじゃ魅力も半減か

頭空っぽで「アホくせー」と汚いケツをぼりぼりかきながら観るには最適な一本でしょう

個人的評価:90点
オススメ度:ナイスおっぱい




シューテム・アップ 予告



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ワーナー・ホーム・ビデオ (2008-10-08)
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赤ちゃんの逆襲 (2003/仏=スペイン)

監督:パトリック・アレサンドラン
出演:ティエリー・レルミット / オフェリエ・ウィンテル / マリア・パコム / レオノール・ワトリング / クレマンティーヌ・セラリエ / ミシェル・ミュレル / フランソワ・ルバンタル / リズ・ラメトリ / コレット・カシッド / マティアス・ヴァン・カーシュ






とにかくツキのない貧乏で落ち目の建築家シモン
ある日、自分が書いた美術館の設計図がある建築会社に盗作されたと気づき、社長のポレルのもとに直談判にいくのだが…

B級好きな会社の人と話す機会があって、オススメなのをピックアップすることに
とりあえずちょっと前に観たやつを勧める前にもう一度みなおしておこうシリーズ
心の声でしゃべるいたずら赤ちゃん、というそんな目新しいっていう設定じゃないけど、どうにも下品なコメディ要素が気に入ってお気に入りリストにはいった一本

社長のポレルを恨んだまま死んだシモンが、そのポレルの赤ちゃんとして生まれ変わるんだけど生前の記憶はそのままな中身は35歳のおっさんという設定
ポレルに対する恨みから赤ちゃんらしい嫌がらせでパパだけを困らせるジュニアを軸に展開していくお下品コメディですね

とにかくコメディとして普通におもしろいというのもありますが、周りのキャラが良い味出し過ぎててグッド
子育てとか面倒なだけと思いっきり態度にだす母親、そんな彼女とそりのあわない使えないおばあちゃん、他にも出てくるヤツらがみんなクセのあるキャラばかり
どたばたで強烈なキャラ祭りなんですが、いちおラストは強引にまとめにいくからいいですね
オチも含めて全体的に軽いブラックなノリも楽しい一本です

個人的評価:80点
オススメ度:いらんところにリアリティだしすぎだろ




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2011年6月5日日曜日

マイ・バック・ページ (2011/日)

監督:山下敦弘
出演:妻夫木聡 / 松山ケンイチ / 忽那汐里 / 石橋杏奈 / 韓英恵 / 中村蒼 / 長塚圭史 / 山内圭哉 / 古舘寛治 / 松浦祐也 / 青木崇高 / 山本浩司 / 山本剛史 / 中野英樹 / 菅原大吉 / 中村育二 / 康すおん / 山崎一 / あがた森魚 / 三浦友和






1969年、ジャーナリストの沢田は学生運動の取材をしたい思いながら、そんな記事をまかせてもらえない日々を送っていた
そんなある日、活動家を名乗る梅山という男から取材をしてほしいと依頼があり…

思ってたほどの派手さはない、というかかなり地味で静かな映画なんですが、最後まで観させる魅力と鑑賞後に深く心に染みる、まさに「映画」という感じの作品でした
「若さ」ゆえの純粋さ、ずるさ、情熱、後悔…それらがぎっしりとつまってますね
一昔前の時代設定ながら現代にも通じるものがある作品、ありていに言えばそんな感じ

熱いモノをもちながらくすぶって空回りしてる日々の沢田
究極的に胡散臭いけど人間的な魅力をもつ梅山
何かをしたい、行動を起こしたい、その一点から沢田は梅山に自分と通じるものを見て惹かれていく…
いやあ、とりあえずそんな最初の沢田と梅山の人物像を自分の中で構築してしまった時点で、作り手にうまくやられてしまったな、と
なんとも心地よい敗北感
うまい話には裏がある…分かってはいても「もしかして?」と淡い期待を持たざるえない
「おまえはバカか」とガツンとやられても、それでもなにか引きずって期待を捨てられない
一時の甘い誘惑と痛がゆい刺激を与えてくれた上で、きちんと目を覚まさしてくれる映画ですね

社会部(新聞部?)の編集長にガツンと言われたり、雑誌の表紙を飾ってた女の子に素直な意見を言われたり、いろんな伏線をすべて受け止めるラストは最高の一言
沢田の最後の姿を見ながら、この作品についてあれこれ考える、そんな時間を与えてくれることがうれしい
そして、最後の最後のまぶしさで現実へと引き戻してくれる思いやり
いや、ホントに作り手のサービスに酔いしれながら最後まで楽しめましたね
しょうじきとっつきにくい雰囲気のある映画で、あまり万人受けもしない気もしますが、観てハマる人はかなりハマる一本でしょう

個人的評価:85点
オススメ度:普通ってなんだ?




マイ・バック・ページ 予告

2011年6月4日土曜日

クレイジーズ (2010/米)

監督:ブレック・アイズナー
出演:ティモシー・オリファント / ラダ・ミッチェル / ジョー・アンダーソン / ダニエル・パナベイカー / クリスティ・リン・スミス / ブレット・リッカビー / プレストン・ベイリー / ジョン・エイルワード / ジョー・リーガン / グレン・モーシャワー / ラリー・セダー / グレゴリー・スポールダー / マイク・ヒックマン / リサ・K・ワイアット / ジャスティン・ウェルボーン / チェット・グリソン / ターマス・ラウンズ / ブレット・ワグナー / アレックス・ヴァン / リン・ローリイ




小さな田舎町の野球場にショットガンを持って乱入してくる狂気じみた男
男は保安官によって対処されるものの、住人たちがじょじょに狂気に染まっていく

これぞホラー映画という感じの基本をがっちり押さえた良作でしたね
ホラーとして必要な要素がぎっちりみっちりつめこまれていて、オーソドックスな内容だけどあまりに直球な作りがかえって良い方向に働いてます
思えば、こういう「普通の」ホラーってそんなに観てない気がします
そこらのクソB級ホラー映画を数本こなすくらい内容があって展開も早く、かなり満足できる作りになってました

小さな町の住人が凶暴化…いったいなにが起こってるのか?
という出だしではあるけど、あっという間に「なにが起こってるか」という部分が判明し、というかそこからがこの作品の本編
ひとつのみどころは「凶暴化」の部分
主人公たちはなんとか逃げ延びようとするんですが、極限状態の中で正常な精神を維持する方が難しい
つまり「パニック症状」なのか「凶暴化」なのか判別できないじゃん、と
もうひとつの見どころはヒロインの立場
このヒロインは医者であるってのがミソで、「医者として凶暴化してるかもしれない自分がこのまま逃げていいのか」という部分を頭において気持ちを察しながら観ると、また違った印象を受けるでしょう

ちゃんと最後にはホラー的なバトルも用意されてるし、オチも変に狙いすぎてない「うん、やっぱそうくるよね」って感じで良い
良く言えば安定感のある、悪く言えばトガったところがない、という感じ
あと、じゃっかんゴア描写が足りない気がしますが、まあ、気にするほどでもないかもしれません

個人的評価:90点
オススメ度:汚物は




クレイジーズ 予告


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2011年6月2日木曜日

ねこばん (2010/日)

監督:有馬顕
出演:伊武雅刀 / りりィ / 奥田いろは / 片山けい / 上原奈美









元電車運転手の男は仕事を辞めて初めての夏をむかえる
時間に追われない自宅での日々を持てあます男のもとに、毎日のように子猫が集まってきて…

飛び出す伊武雅刀でみなさんご存知なこの作品
疑問を抱くことじたいが作り手の罠なのか、元はなぜかなぜかの3D
疲れた大人のドラマをメインに動物が絡んでくる「ネコナデ」系の作品です
とはいえ他の「ネコナデ」系作品に比べれば、かなり「ネコちゃんかわいいなあ」という動物のかわいさが前面に出てますね

仕事にいってる時は常に時間に気をつける日々を送っていた元電車運転手の男
家庭をかえりみない仕事人間だったことで、いざ退職してみると慣れない自由が逆に苦しくストレスがたまり持てあます
そんな夏のある日、孫娘とふたりだけで家に残された男は毎日のようにやってくる子猫たちに囲まれながら、どう過ごせばいいか分からない一日がはじまる…という内容
かなりのまったり展開とネコ映像で男の一日を描いてます
しょうじき予告を見たときに感じる微妙さ、そのまんまな感じでしたね

とりあえずドラマパートとネコパートがうまく絡んでない
男のドラマが進んでネコが出てくると、男を無視して「ネコちゃんのかわいい映像シーン集」が挿入されます
なんというか「とりあえず映画なんだから一時間作品にはしろよ」みたいな制約で、あとから無理矢理にネコシーンをねじこんだんじゃないかと邪推してしまうレベルの絡んでなさっぷり
ドラマ本編は描きたいことがけっこう分かりやすく、逆に言えば深みがない
もっと時間にきびしいキッチリ感があった方が…いや、まあ、どうでもいいか

クライマックスの孫娘の無茶ぶりがおもしろかったものの、他が微妙だったのが残念
「世界がつまらないのは、おまえがそう思ってるからだ」というシンプルで個人的に好きなテーマをうまく消化できてないかな、と思った一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:露骨にエサで釣りすぎ




映画ねこばん 予告


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