2011年12月31日土曜日

12月のこれ一本&2011年総括

もう2011年も終わりッスね
と、季節がらなとりあえず挨拶をしつつ、まずは12月のオススメの一本を
まあ、今月は「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」でしょう
「ニューイヤーズ・イブ」もかなりいいけど、これはやっぱり大晦日に観ることが前提のおもしろさなので
このミッション・インポッシブルは続編だけど回を重ねたことによってダメな部分をすべてはき出して、良い意味でキチンとした続編になってましたね
2、3であれれってなった人も観て損はないと思います

で、続いて2011年のまとめ的な意味で今年の一本を
今年も色々と観たわけですが、その中でも印象に残ったのは「ブラック・スワン」でしょう
前評判が高くて観る前からハードルが上がってたのに、そんな個人的ハードルを楽々こえる作品でした
しかし、それ以上に印象に残ったのが「瞳の奥の秘密」
これはホントにおもしろかった
映像的なインパクト、ドラマ性、ラスト、すべてにおいて強く心に残ります
というわけで今年の一本は「瞳の奥の秘密」で

そして今年のワーストですね
うん、これは「モンスターズ」でいいでしょう
今、思い起こしても男女ふたりで危機的な緊張感のないふうでぶらぶら歩いてただけ、というイメージしかない
この作品が好きな人には申し訳ないけど、個人的にまったく合わない作品でした

そんな感じでまとまったかどうかはアレとして、今年もここまで
来年も素敵な映画に出会えるといいな、と
では、よいお年を

ニューイヤーズ・イブ (2011/米)

監督:ゲイリー・マーシャル
出演:ハル・ベリー / ジェシカ・ビール / ジョン・ボン・ジョヴィ / アビゲイル・ブレスリン / クリス・“リュダクリス”・ブリッジス / ロバート・デ・ニーロ / ジョシュ・デュアメル / ザック・エフロン / ヘクター・エリゾンド / キャサリン・ハイグル / アシュトン・カッチャー / セス・マイヤーズ / リア・ミシェル / サラ・ジェシカ・パーカー / ミシェル・ファイファー / ティル・シュヴァイガー / ヒラリー・スワンク / ソフィア・べルガラ / ケイリー・エルウィズ / アリッサ・ミラノ / コモン / サラ・ポールソン / カーラ・グギーノ / ラッセル・ピーターズ / ジェームズ・ベルーシ / ジェイク・T・オースティン / ジョーイ・マッキンタイア / ショーン・オブライアン / ラリー・ミラー / ジャック・マクギー / イヤードリー・スミス / ドレナ・デ・ニーロ / ペニー・マーシャル / クリスティーン・レイキン / アール・ローズ / チェリー・ジョーンズ / キャスリーン・マーシャル / デヴィッド・ヴァルシン / パトリック・コリンズ


ニューヨークの大晦日にわき上がる人々
そんな中、ある8人の男女がそれぞれの特別な時間を過ごそうとしていた

いやあ、なめてたわ
どうせオサレスイーツなロマンス映画かと思ってたら予想以上に…というかなめてた自分を恥じるくらいすべての要素がパーフェクトにそろっている
大晦日に観たという時期的なものもありましたが、ホントにネガティブな心が洗われる作品でした

ボール・ドロップの責任者、元カレと一年ぶりに再開する女、大晦日の騒ぎが嫌いな男、懸賞金目当ての妊婦と夫、命の灯火が消えかかっている男…さまざまな人たちがそれぞれの大晦日をむかえるストーリーですね
あまりに登場人物が多すぎて混乱するか、と思ったけどそんなことはまったくなく、入り組んで展開する各エピソードを追ってるうちに自然とキャラとストーリーが頭に入ってきます
そして各キャラがみんな良い味をだしていて、つまらない捨てエピソードがないのがすごい

大晦日のカウントダウンに向けてそれぞれのエピソードが収束し、時に絡まっていくさまも無理矢理に関連づけるでもなくまとまっているのがいい
コミカルで小粋な楽しい雰囲気の中でしめるところはきちんとしめてくる丁寧な作りもいい
単純な愛だけの話だけじゃなく、生と死、友情、愛情、思いやり、切なさ、いろんな要素がぎっしり作品の中につまってます
いやあ、しょうじきこの作品で泣かされるとは思わなかった
死を間近にした男の話は直球でくるものがありましたが、個人的にはナースの話のラストがよかった
マジでうるうるとくるものがあるわあ

そんなわけで今さらではありますが、大晦日の今日だからこそ観るべき映画、今年の今日だからこそ気持ちが優しくなれるそんな作品でした

個人的評価:100点(2011年の大晦日に観た前提で)
オススメ度:バレンタインデー誕生の瞬間である




ニューイヤーズ・イブ 予告

2011年12月30日金曜日

ピラニア3D (2010/米)

監督:アレクサンドル・アジャ
出演:エリザベス・シュー / アダム・スコット / ジェリー・オコネル / ヴィング・レームズ / ジェシカ・ゾー / スティーヴン・R・マックイーン / ケリー・ブルック / ライリー・スティール / ポール・シェア / クリストファー・ロイド / リチャード・ドレイファス / ディナ・メイヤー / リカルド・アントニオ・チャヴィラ / イーライ・ロス / ブルックリン・プルー / セイジ・ライアン / コディ・ロンゴ / ブライアン・クーバッハ / グレゴリー・ニコテロ





春休みのヴィクトリア湖、ジェイクはあるポルノ動画の助手としてアルバイトをすることに
一方、湖では男の変死体が発見され…

まさにB級バカエログロジェットコースタームービー
一昔前のB級生き物系パニックホラーを愛してやまない作りがひしひしと感じ取れて観てて気持ちいいですね
B級B級いってますが、普通にジェットコースタームービーとして観てもおもしろい
というか「ジェットコースタームービーってなんだよ?」という問いの答えのひとつといっても過言じゃない感じのザ・ジェットコースタームービーになってます

突如あらわれた人食いピラニア、春休みに浮かれるバカ者たち、おっぱいにつられる主人公、変態ポルノ監督、そして3Dゲロ、3Dチンコ…もう素敵すぎて言葉もありません
バカ、エロ、グロ、そんな要素に真摯に向き合って作ってる制作陣に「おまえら最高にアホだな」と賛辞を呈さざるえない
とにもかくにも作品全体のテンポがすばらしい
ベタなネタを展開しつつも「どうせこうくるんだろ」とつっこむより早く突き抜けていく

なによりクライマックスの大惨事の描写がホントにバカでグロくて素敵
主人公の恋のライバルキャラの鬼畜行動展開とか個人的な素敵ゲージが振り切れるわ
他にも漂うシリコンとか変態監督の一言とか細かいバカネタも豊富にあって、B級好きにはたまらないですね
けっこう観る前はガッカリ感あふれるしょうもないクソB級ホラーかと思ってたのに、あわよくばシリアスパニックホラー路線もいける設定をあえてB級ベクトルにかたむけて作った気概に感心しちゃうことになるとあ思わなんだ

すでに続編も決まってるそうで、今から楽しみにせざえるえない一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:バカな内容だけど意外と設定はしっかりしてるにくいヤツだぜ




ピラニア3D 予告


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ポニーキャニオン (2011-12-21)
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2011年12月27日火曜日

ちゃんと伝える (2009/日)

監督:園子温
出演:AKIRA / 伊藤歩 / 高橋惠子 / 高岡蒼甫 / 奥田瑛二 / 吹越満 / 綾田俊樹 / 諏訪太朗 / 佐藤二朗 / でんでん








ガンで入院してる父を母といっしょに支える史郎
治る見込みのない父、恋人との結婚話を前に史郎の胸中は複雑な思いで占められていた

日本人の大好きな、安易にしみじみできるインスタント感動要素である「ガン」もの
それこそホントに安易な携帯小説みたいなノリの作品から、意外に深くて考えさせられるものまでありますが、これはちょっと変化球ぎみな感じ
じゃっかん奇をてらいすぎて最後にやりすぎ感がただようのが残念だったかな

父親が治る見込みのない状態の中、支え合って明るく強く生きている母と息子
日常生活と過去を描くことによってだんだんと父、母、息子の関係が見えてくる序盤
さらにある事実が見えてきてそれまで観ていた側の印象ががらりと変わる中盤
本当によくできているなあ、とシンプルなガン患者ものでありつつ複雑な心境に揺れる主人公を観ているだけでじゅうぶんすぎるほどおもしろい

だけどそれも終盤で一気におかしくなりますね
個人的には大好きな俳優さんの佐藤二朗さんが出てきたあたりから「ん?」と違和感をおぼえてきます
まずは独特の存在感が魅力な佐藤二朗さんのそのキャラが作品のそれまでの流れとマッチしてない
さらにそこからさすがにありえない展開の連続でちょっと観ててぽかーんとせざるえない
それを乗り切ってまた雰囲気が前にもどってきたかなと思ったら、気にしすぎかもしれないけど主人公の演技があまりにアレなのが目立つような…
特に良いシーンであるはずの演技ほどひどい
淡々と自然体である通常状態の演技はいいんですが、いざ力を入れてセリフを強調する場面になると途端に演技がくさくなる
そんな終盤のせいでいっきにこの作品が楽しめなくなりましたね

序盤から中盤まではホントにおもしろい味のある内容だったのに、なんか着地で大コケしちゃってる印象の強いもったいなさすぎる一本だと思いました

個人的評価:60点
オススメ度:親不孝な親孝行のジレンマを最後までしみじみ観たかった




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2011年12月25日日曜日

ズーランダー (2001/独・米・豪)

監督:ベン・スティラー
出演:ベン・スティラー / オーウェン・ウィルソン / クリスティーン・テイラー / ウィル・フェレル / ミラ・ジョヴォヴィッチ / ジェリー・スティラー / ジョン・ヴォイト / デヴィッド・ドゥカヴニー / ジュダ・フリードランダー / ネイサン・リー・グレアム / アレクサンダー・マニング / アシオ・ハイスミス / アレクサンダー・スカルスゴール / デヴィッド・ボウイ / クリスチャン・スレーター / キューバ・グッディングJr. / ナタリー・ポートマン / レニー・クラヴィッツ / リル・キム / ハイジ・クラム / ギャリー・シャンドリング / ルーカス・ハース / ジェニファー・クーリッジ / ノーラ・ダン



スーパーモデルのデレク・ズーランダーはナンバー1モデルを決める賞をライバルに奪われる
失意の中、彼に謎の悪の組織が接触してきて…

なんとも師走で疲弊しきった心をセルフ癒すシリーズ
というわけで個人的にかなりお気に入りのコメディ作品で心の平穏を保とうぜ、と
いつも思うけど、こういうコメディ作品ってどうにも日本じゃ埋もれがちになっちゃうからもったいない
ホラー系のと同様にどうにもアレなデキのも多い現実もありますが、大作、ロマンス、アクション、子供向け以外にもコメディとホラーはもっと劇場でかけてほしいですね

ストーリー的にはお馬鹿なスーパーモデルの主人公が悪の組織利用されてなんたら、とかいう感じ
まあ、しょうじきストーリーとかどうでもいいんですけどね
とにかくお馬鹿なキャラがお馬鹿な展開でお馬鹿なことをしていくお馬鹿映画
もうね、冒頭から葬儀のシーンまでの一連の流れを観ただけで「こいつは最高にお馬鹿な映画だぜ」と素敵ボルテージが上がらざるえない

主人公デレクのライバルであるハンセルもじょじょに良い味だしてきて、存在じたいがアレな敵のムガトゥもどんどん前へ前へ出てきて画面をにぎわして、さらにけっこう大物ゲストも出演してて画面は常ににぎやか
しょうもないコメディにありがちなクライマックスからラストまでの流れだけシリアス路線になる、なんてこともないので安心して最後までお馬鹿映画として楽しめます
いや、ホントにこういうコメディは心癒されるわあ

個人的評価:90点
オススメ度:続編が待ち遠しいわあ




ズーランダー 予告


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2011年12月23日金曜日

ミスター・ノーバディ (2009/仏・独・ベルギー・カナダ)

監督:ジャコ・バン・ドルマル
出演:ジャレッド・レト / サラ・ポーリー / ダイアン・クルーガー / リン・ダン・ファン / リス・エバンス / ナターシャ・リトル / トビー・レグボ / ジュノー・テンプル / クレア・ストーン / トマ・バーン / オードリー・ジャコミニ / ローラ・ブリュマーニュ / アラン・コーデュナー / ダニエル・メイズ / マイケル・ライリー / パスカル・デュケンヌ / ノア・デ・コスタンツォ / キアラ・カセッリ





2092年、人類最後の死ぬ人間、ニモ・ノーバディの死期が近づく
大々的にメディアのネタとして注目を集める中、その今までの人生を振り返らされることになり…

難解で複雑なビジュアル重視の世界観もの映画、のようで最後まで観るとけっこう分かりやすい作りになってます
しょうじきパラレルワールドなif世界がカオスに交錯しつつ描写されるさまをながめてるだけでも楽しい
それでいて最後には「なるほどね」と思わせてくれるからたまりませんね

主人公のニモが死ぬ間際に過去のできごとを語る形式で話は進みます
産まれ、育ち、恋をして、暮らし、死ぬ
楽しいこと悲しいことは数え切れないほどあるけど、どうにもニモの話には矛盾だらけ
まるで異なる世界に同時に存在していたかのようなパラレルワールドみたいな話ばかり
そんな次々にめまぐるしく移り変わるif世界を楽しめれば問題ないですが、けっこう人を選ぶ作りな気もするのでダメな人にとっては「はぁ?イミフだしぃ」みたいな印象をうけるかも

わりと序盤で印象的なセリフである「選択しなければ全ての可能性は残る」というのが観てるさいちゅうすっと頭に残るんですが、後々になってから「そういうことか」と思わせてくれることから、いっけん難解そうなストーリーでも重要なポイントはけっこう強調して描いてるので分かりやすい
そして最後まで観終わった時の「なるほど」感はうまく作品の展開に誘導されたゆえであっても、独力でそこに思い至ったみたいな充足を与えてくれて心地良い

なんとなくお手軽にアカデミックな俺かっけえ的なノリになりたい時には最適な一本かもしれません

個人的評価:95点
オススメ度:この現実は現実じゃない、と子供の頃に妄想してた痛い時期を思い出すわ




ミスター・ノーバディ 予告


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2011年12月18日日曜日

ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル (2011/米)

監督:ブラッド・バード
出演:トム・クルーズ / ジェレミー・レナー / サイモン・ペッグ / ポーラ・パットン / ミカエル・ニクヴィスト / ウラジミール・マシコフ / ジョシュ・ホロウェイ / アニル・カプール / レア・セドゥー







新たなチームを率いてクレムリン侵入ミッションにつくイーサン
しかし、そこで目的のものを第三者に奪われた上、爆破に巻き込まれてしまい…

すでにシリーズも4作目、どんどん伝説的なスパイとして描かれつつあった主人公イーサンですが、そんな堅苦しさの印象をうまく回避した内容でした
イーサンじたいが茶目っ気あるキャラになった他、ちょっとステレオタイプな感じだけど新チームの面々のキャラもたっててうまくミッションに作用してます
これまで同様に過去作のことはあるていどばっさり切り捨てて、その作品ごとの独立した話になってました
今作でも最初は「ああ、やっぱり前作までの設定はリセットするのね」と思ってたら、けっこう良い感じで3の設定をうまく引き継いでて感心せざるえない

クレムリン爆破の濡れ衣を着せられてしまったイーサン、その責任でIMF解体にまで事態は発展してしまい、組織のバックアップなし&新造のチーム、きちんとメンテされてない機材で汚名返上ミッションに挑む、という内容
チームプレイをメインにしながらも主人公イーサンの見せ場はきちんと作り、さらにドラマ部分とアクション部分のバランスも絶妙
かなりベタな気がしないでもないけど、今作のオープニングの入り方はホントによかった
前作で結婚した設定のイーサンの顛末も消化した上で今作にもからめつつ描いてるのもいい

なによりイーサンの完璧超人っぷりをおもいきって廃し、チームメンバーにもチャラ男系がいることからいっきに画面がほどよく軽くなって活劇の要素が復活してます
赤は死のシーンが個人的には大受けでしたね
3の重苦しい感じもいいですが、今作みたいなほどよい息抜き演出があった方が観てて疲れませんね
さらに舞台も次々に切り替わり飽きることなく話も展開していくし、「え?どうすんのこれから」という要素もあって観ててホントにおもしろい

じゃっかんクライマックスのイーサンのバトルが「すごいことやってるけど地味」な感じはするけど、シリーズの中では間違いなく一番安定しておもしろい一本ですね

個人的評価:90点
オススメ度:無理からルーサーさん出さなくても




ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル 予告

2011年12月16日金曜日

ミッション:インポッシブル3 (2006/米)

監督:J・J・エイブラムス
出演:トム・クルーズ / フィリップ・シーモア・ホフマン / ヴィング・レームズ / ビリー・クラダップ / ミシェル・モナハン / ジョナサン・リース・マイヤーズ / ケリー・ラッセル / マギー・Q / サイモン・ペグ / エディ・マーサン / ローレンス・フィッシュバーン / バハー・スーメク / ジェフ・チェイス / マイケル・ベリーJr. / カーラ・ギャロ / ポール・キーリー / ベラミー・ヤング / トレイシー・ミッデンドーフ / ショーン・オブライアン




組織の第一線から退き諜報員の育成をつとめていたイーサン
婚約も決まり彼女と幸せな生活が始まるという直前、組織からある諜報員を救出するミッションを告げられる

ミッション・インポッシブルの名を冠したからこその予算だからこその作品だろうけど、この内容で別タイトルとして作られていればさらに高評価になってたかもしれない映画
それぞれの監督が作るミッション・インポッシブル、しょうじき1以外は「スパイ大作戦」と言われて連想できるイメージからはかけ離れていってますね
この3は3ですっごいおもしろい、けど「スパイ大作戦」ではないというジレンマ

実際のスパイ活動から退いている主人公が人並みな幸せをつかんで婚約までする
そんな彼のもとへ緊急のミッションがおくられてくる、という感じ
しょうじき吊り橋効果のような激しく刹那的な恋愛は似合うけど、人並みで普通の結婚を前提とした恋愛とか主人公のイーサンには似合わないよね
まあ、それはそれとして仕事に生きる男として、未来の家庭を守る男としてのプレッシャーが伝わってきます
軽快で活劇ともいえるこれまでのアクションと違い、家庭という重荷があるせいか終始なんとなく重苦しい雰囲気が続きます
アクションシーンも内容は別として臨場感重視な演出のために作品全体的にリアル路線を意識して作ってある感じ
悪く言えば息苦しい

まあ、でも個人的にはこういう雰囲気はけっこう好きですね
不必要な部分は極力そぎ落とし、ちょっと遊びと息抜きの要素が足りないけど濃縮された話の展開は最後まであっという間な感じで楽しめます
あとは物語の中でたびたび登場する「ラビット・フット」の扱いもよかった
「別にそれがなんであってもいいんだよ。そういう話じゃねえから、これ」という描き方も中途半端感はなくて、この作品の雰囲気からすればこの描き方で納得できますね

とりあえずこれまでのシリーズの中では一番たのしめた一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:脳爆弾の死に顔が微グロだろ…





ミッション・インポッシブル3 予告


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2011年12月13日火曜日

ミッション・インポッシブル2 (2000/米)

監督:ジョン・ウー
出演:トム・クルーズ / ダグレイ・スコット / タンディ・ニュートン / ヴィング・レームズ / リチャード・ロクスバーグ / ジョン・ポルソン / ブレンダン・グリーソン / レイド・セルベッジア / ウィリアム・マポーザー / ドミニク・パーセル / マシュー・ウィルキンソン / アンソニー・ホプキンス






奪われた「キメラ」を奪還する任務をおびた諜報員イーサン
民間人ながら盗みのプロである女性とコンタクトをとって協力を要請することになり・・・

ゴースト・プロトコルまでに復習みたいなのしようじゃねえのシリーズ
いやあ、まあ、とりあえず誰もが思うだろうけど「これスパイものじゃないよね」ということ
ホントふつうのアクション映画になってますね
ストーリーとかどうでもいいくらい薄っぺらいし、どうみても「アクションシーンを楽しんでください」という作品としか思えません

ヒロインと車をぐるぐるして恋に落ち、ヒロインの元カレが今回の標的なんで彼女を標的に接近させてブツを取り戻す手助けをしてもらおうか
でも彼女も危険にさらされるし、元カレと男と女的なアレを見てるのも辛いよね
みたいなどうでもいい男女の描写とおまけのウイルス兵器について話が進む前半
しょうじき眠いくらいつまらない
1のスピーディにロケーションを移していく展開はいっさいなく、薄い内容をさらに引き延ばし引き延ばしでもっさりと展開していく話にあくびが止まらない

たぶん静と動みたいなのをあらわしたかったのかもしれませんが、後半の畳みかけるアクションの連続になってはじめておもしろくなります
というかむしろ後半のアクション展開こそこの作品のすべてでしょうね
無駄にスタイリッシュに銃撃戦がはじまり、そこに舞う鳩、飛ぶ鳩、鳴く鳩、うん、ギャグでやってるのかと本気で問いただしたくなるけど、そんな演出がバカカッコイイと思えたら勝ちです
個人的には「アリ」でしたね
ほんとうに無駄にスタイリッシュなバイク戦とか、武器を放棄してのプロレスバトルとか、クライマックスのアホすぎるアクションの連続が楽しすぎる

ストーリーとかがんばって描こうとせず、もっと前半をコンパクトにまとめてくれたらよかったのにと思え、またB級アクション化してしまってるのが気にならざるえない
続編としては総じてパワーダウンしてるけど、B級アクションとしてみれば見所もけっこうあっておもしろかった一本でした

個人的評価:65点
オススメ度:どんだけ鳩なんだよ




ミッション・インポッシブル2 予告



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2011年12月12日月曜日

ミッション:インポッシブル (1996/米)

監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:トム・クルーズ / エマニュエル・ベアール / ジャン・レノ / ジョン・ヴォイト / エミリオ・エステベス / ヴィング・レームズ / ヘンリー・ツァーニー








ある裏切り者を監視し決定的な現場を押さえる任務につく諜報員イーサンと彼のチーム
順調かと思われたミッションだったが次々にアクシデントが重なり…

ゴースト・プロトコル前に復習しておこうシリーズ
というかこのシリーズって、この1しか観てないんだけどね。にわか的に考えて
しかもほぼどんな内容だったか忘れてるから新鮮な気持ちで観ることができました
とりあえず言えることは、こんなにエンターテインメントに特化した良作だったのか、ということ
しょうじきもっとガッカリ感が漂うトム出したいだけちゃうんか映画かと思ってたけど、これはこれは意外と普通に楽しめました

自分以外のチームのメンバーをミッションで失ってしまった主人公、たったひとり生き残ったがために逆に裏切り者の嫌疑をかけられる
かつて属していた組織に追われながら、敵組織の仕事を受けることで本当の裏切り者を探り当てようとする、という内容
えん罪によって組織を追われ、己の無実を実証するためにうんぬんという流れはスパイもののエピソードには欠かせないものですね
そういった意味でありふれてるといえばありふれているストーリー
展開的にも「たぶんこいつが悪者なんだろうな」と容易に想像つくからそれほど観ててドキドキ感はない

オーソドックスなものを丁寧に、次々にロケーションを変えてスピーディに、そんな感じで描くだけで退屈感を吹き飛ばしてボーッと観るには十分すぎるほど楽しめる作品になってます
丁寧な作りの中でも真相を知りながらも真の裏切り者の話に合わせる主人公、しかしそのイメージの中ではしっかりと目の前の裏切りものの行動がビジョンとして浮かんでいる、そんな細かい演出が個人的には好きですね
あとは走る列車の上では常識的にぴょんぴょん動き回れっこねえだろ、みたいな描き方も好き
一方でトンネル内のヘリの挙動とか「ラストにこうしたい」というためにありえない動きを描く、そんな描き分けの仕方もいい感じ

陰謀ものとしてはオーソドックスなところがじゃっかん残念だけど、総じて楽しいエンターテインメントスパイアクション映画でした

個人的評価:80点
オススメ度:組織も裏切りものをいぶりだすためにエージェントをあっさり殺すようなところじゃない





ミッション:インポッシブル 予告


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2011年12月11日日曜日

リアル・スティール (2011/米)

監督:ショーン・レヴィ
出演:ヒュー・ジャックマン / ダコタ・ゴヨ / エヴァンジェリン・リリー / アンソニー・マッキー / ケヴィン・デュランド / カール・ユーン / オルガ・フォンダ / ホープ・デイヴィス







西暦2020年、格闘技はより刺激を求めてロボット同士が戦うものになっていた
ロボット・ボクシングを生業とする元ボクサーのチャーリーは敗戦による借金がかさむ中、実の息子であるマックスの親権問題のために裁判所に呼ばれる

奇跡、泣ける、感動、みたいなことが前面に出てるけど、言うほど感動しねえだろ
と思ってたら普通にジーンときた
泣ける、とは違う心の底からわき上がってくるもの系の感情の揺さぶられ方ですね
親子の絆でなんたら…みたいなお涙ちょうだい系の感動ものとはちょっと違う
男同士の親子のちょっと不器用でちょっと打算的な絆、そしてロボットバトルという要素が”男の子心”にビンビンきざるえない

自堕落で他人に迷惑ばかりかけて口先三寸の刹那的な生活をするチャーリーが、金で親権をゆずって一夏だけ実子のマックスと過ごす…という流れ
ホントにどうしようもない父親のチャーリーと、けっこう頑固で強きな父親ゆずりの性格のマックス
似た者どうしぶつかりあい、意地を張り合いながら共通の要素であるロボット・ボクシングでつながっていく
と書くとかなり王道なストーリーですが、実際、かなり分かりやすい王道ものでしたね
でもそう単純なものでもなく、どうせ途中で気持ち悪いくらいベタベタする親子の絆っぽい展開になるんだろ…とか思ってたら、とにかく打算的なぎくしゃくした親子の絆が続く
そんなぎくしゃく感がかえっておもしろく、ずっと会ってなかった父と息子という関係がうまくあらわれてていい感じでしたね

だいぶ日本リスペクトな演出が多く、ロボットのデザインはさすがにアレですが、良い意味で日本のボクシングマンガを読んでるようにスッと映画の世界にはいっていけます
そういう意味でだいぶ少年マンガみたいなノリですので、ホントに泣かせ系の軟弱ヒューマンドラマを期待してると「ん?」って感じかもしれないですね
分かりやすいかどうか知らんけど、「いっけー!」って叫ぶと加速するミニ四駆に燃えられる「男の子の心」を理解できる人にとってはかなり楽しめるかもしれません
また、考えるよりも感じる系の作品なので、単純にロボットバトルのアクションものとして観るものアリかと

じゃっかんライバルの描写が弱くて、主人公との因縁みたいなものも特にないのが残念だった気がしないでもないけど、まあ、そこは些細な問題ということで

個人的評価:95点
オススメ度:大観衆の前で盗品であることを語っちゃう男の子って…




リアル・スティール 予告

2011年12月9日金曜日

鉄路の彼方 (2005/日)

監督:御影たゆた
出演:清川元夢 / 岡部政明







鉄路の彼方
過去と未来をうんぬんしてる鉄道
その駅で死んだはずの父親の姿を見たといって待ち続ける少年の話
しょうじき過去と未来を行き来する鉄道、というと今どき真新しさも面白味もない
それでも謎の映画屋(?)さんの存在が大きくて、この人がいることでこの作品はもっているといっても過言じゃない…と思う
最後の言葉は演出というより、なんかうまく誤魔化すためにああしたように邪推せざるえない


スクリーンの幻
この短編集の中で一番おもしろかった
難しすぎず、複雑すぎず、小粋でちょっとオシャレな感じ
ここでも謎の映画屋(?)さんが登場するんですが、この作品では主人公のキャラがしっかり立っていて魅力も備えてます
今さら無理かもしらんけど、この主人公みたいに小粋に生きたいと思わせてくれる


りんごのきのしま
絵本の世界をCGにおこしてみました的なミニミニ作品
完全に雰囲気を楽しむだけの内容ですが、これもしょうじきどこかで見たような内容と感じる
もっとこの作品から「実はこういうことを言いたかったんだよ」みたいなメッセージが強く感じ取れれば個人的に楽しめたかな、と


KLOKA
うん、なんか分かるようでよく分からない
自分の中で練りに練って産み出したような作品で、この話をよく分かってるのは作り手だけなんじゃなかろうか
観る人のことより「俺はこれを作りたい」みたいな”俺が俺が”感がちょっとしました
私があんまり頭を使うのがうまくないってことだろうけど、いまいち楽しめなかった




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2011年12月7日水曜日

あこがれ (1957/仏)

監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ベルナデット・ラフォン / ジェラール・ブラン / ミシェル・フランソワ









年上の女性にあこがれを抱く幼い少年たち
恋という感情すら理解できない彼らは女性を憎むことしかできなかった

好きな女の子に悪戯しちゃう子供心ってのが万国共通だというのが分かる作品ですね
恋が理解できないもどかしさとあこがれ、性の目覚めにもまだ早い微妙な子供たちの描き方がホントにおもしろい
年上のお姉さんにあこがれがあるけど、正面切っては憎まれ口ばかり
でも隠れたところで想いをつのらせて、でも上手に発散できないもやもや感
そんな子供目線とあこがれの女性とその彼氏の大人目線が画面をばっさり分け切ってあらわれてます

ただあこがれの女性になんたらかんたら、というそれだけのストーリー
そして短編という短い尺
そんな中でここまで完成度を上げて「よく分からないけど、すごいおもしろい」と思わせてくれる作品も珍しいんじゃないでしょうか
悪戯ばかりする子供の気持ちも分かる、悪戯される大人の気持ちも分かる、作られた時代や国をこえてここまで分かりやすく”描きたいものを伝えられる”ってのは地味にすごい

ある意味でアイディア勝負の変化球こそ短編の魅力だと思ってたけど、こういう簡潔&ストレートに伝えようとしてくる楽しい作品もあるんだなあ、と思えた一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:サドルの匂いで昂ぶれる上級者になりたい…?




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2011年12月6日火曜日

歌え!パパイヤ (2007/シンガポール)

監督:ロイストン・タン
出演:ミンディー・オン / ヤオ・ヤンヤン / チー・ユーウー / リウ・リンリン / メイ&チョイ / チェン・ウェイリャン / リン・ルーピン / ジョニー・ン / カレン・リム








それぞれ異なった境遇で育ったふたりの少女
偶然にであったふたりはパパイヤ・シスターズとして歌台でトップの歌い手を目指す

まあ、アレですね、タイトルだけで観るものを選んだ感がバリバリですが、まさにその通り
だってこのタイトルでこのパッケージだったら誰でもテクノ気になるでしょ?テクノ手に取るでしょ?
そら時代はテクノだわ
テク、ノォ、テ、クノォ、テ、テ、クノじゃない?

しょうじきストーリーを把握するのに苦労する作品でした
陰暦7月に霊を喜ばせるため(?)に行われる歌の祭典、歌台
ある歌台の夜に出会ったふたりの少女がマネージャー的なおばちゃんと、その息子で運転手の鶏男とともにトップアイドルみたいのを目指すようなそうでもないような話
女神ことおばちゃんの双子の姉から制約付きで不思議なパワーをもらい、いちやくスターに躍り出るんだけどビッグ&リトルのプライベートは順調とは言えず、さらにライバルのドリアン・シスターズからもうとまれはじめる
コメディなのか、スポ根風アイドルものなのか、ミュージカルなのか、ドラマなのか、とりあえず全部ぶっ込んだごった煮作品という印象が強いですね

すっと入ってくるような映画の手法はまったくなく、これがシンガポール映画の典型なのか知らんけど、ホントに初めて食べた異国の料理のように「おいしいような?そうでもないような?独特な味わい」があります
テクノ歌謡、派手な衣装、そして地味にひどい(褒め言葉)歌詞、歌のシーンがいちいち独特で変なPVを見てるみたいでおもしろいですね
でもホントに作品的にクセがありすぎるので、ダメな人はまったくおもしろく感じないかもしれません
特にマジメに映画を観ることに取り組んでる姿勢な人はダメかもしれない
B級どんとこい、ゲテモノ&色物のぞむところだ、という気概が必須です

そして、印象的なクライマックスからラストの流れ
意図的には泣かせようとしてるんだろうけど、さすがに泣くという方向性には感情がいかない
「え?なんだよ、その決着の付き方」というクライマックスから、「うわ、きっついわあ」というラストのふたりがぐるぐる回るシーン、そんなことを思うけどさすがに泣けない
とりあえずタイトルからパッケージ、本編の最初から最後までめちゃくちゃインパクトがある作品であることは間違いない一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:女神の制約とはなんだったのか




歌え!パパイヤ 予告


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2011年12月4日日曜日

タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密(2011/米)

監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ジェイミー・ベル / アンディ・サーキス / ダニエル・クレイグ / サイモン・ペッグ / ニック・フロスト








新聞記者でスクープを追って冒険の日々をおくるタンタン
ある日、骨董市で手に入れた帆船の模型をめぐり、怪しい人物につきまとわれる

年末&お正月映画として上映される作品の中で、アニメっていうジャンルだとどうしても子供向けな印象が強いです
だけど、この映画は普通に大人が観てもじゅうぶん耐えられる冒険活劇になってましたね
しょうじき子供にしか見えない主人公…というか普通に子供だと思ってたタンタンくんが実は職をもってる大人の男だったというのはビックリですわ

模型に隠された謎を追ううちに大きな陰謀に巻き込まれ、愛犬スノーウィと酒好きのハドック船長とともに冒険を繰り広げる…とにかく単純明快なストーリー
とにかく陸海空を舞台にして流れるようなアクションアドベンチャーの連続、スピーディな冒険活劇が楽しくてしかたない
意外にも普通に銃撃戦もあるし、暴力的なシーンも多い
ただあまり人の死や事態の惨劇を重く描かずにやんわりマイルドに仕上げているので、ちょっと物足りなさは感じるけど、そこは幅広い層に受けるための作りってことで

終盤になるにつれてじゃっかん「ハドック船長の冒険」じゃねえの、これ…と言いたくなるくらいハドック船長が主人公のタンタンをくってる感じは否めない
あとは愛犬スノーウィの活躍もけっこう印象に残ります
まあ、なにが言いたいかといえば、主人公の影うすくないか?と
そんなクセのない主人公の存在がアレでしたが、映画なら「インディージョーンズ」、ゲームなら「アンチャーテッド」が好きな人なら間違いなく楽しめる王道冒険ものでした

個人的評価:90点
オススメ度:続編も期待せざるえない




タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 予告

2011年12月2日金曜日

逃想少年 (2002/日)

監督:山岸謙太郎
出演:橋本栄二 / 粕谷幸司









ある銀行強盗グループが日本を発つまでの時間、どうにかやりすごせないか模索する
そこにある男が通りかかり、その男を追ってアパートに押し入り…

自主制作の映画ですね
こういう作品は既存のテンプレートや制約をぶっとばすような自由な作風、ちょっとクセはあるけど楽しいシナリオ、作り手のセンスそのものを期待して観るのですが…
うーん、とりあえず出だしのシーンと音楽はいいですね
でもそこからいざ本編がスタートしてみると、ね…

しょうじき「あの時に観たあんなシーンを撮りたい」というパーツ、頭で構築して紙になぐり書いたような脚本、とりあえず若々しくて未成熟な感じは楽しめました
悪く言えばどこかで観たことあるような、あるいは有名作品にありがちなシーンを「俺が撮ったらこうなる」みたいにゴーイングマイウェイで作っちゃった印象
とにかく主観的でオナニーを見せつけられてる感じがクセがあって楽しい、と言えればいいけどそうじゃないのが残念でした
もうちょっと客観的というか、自分の作品を「俺が俺が」じゃなくて冷静に見つめた方がいいんじゃないかな、とか偉ぶった言い方をしてみる

けっしてつまらないってわけじゃないんだけど、さいごまで観たあとに「で?」と言いたくなるのはなんでだろうと想わざるをえない一本でした

個人的評価:40点
オススメ度:主犯の男、マジ小物


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