2013年1月31日木曜日

1月のこれ一本

2013年も颯爽と(?)スタートしたわけですが、今月の一本は「ダイ・ハード」です
ええ、ド定番でド名作でアレですが、いま観てもふっつーに面白すぎるから仕方ない
「人生、ここにあり!」も良かったちゃあ良かったけど、いま一歩といった感じだったかな

今月から銀座のふたつの劇場も視野に入れて観に行く作品の幅を広げてみましたが…
ちょっと選択肢が多くなりすぎたかな、と
さすがに気軽に通える場所じゃないってのもあるし、そこに「おもしろいか否か未知数」という博打感が合わさって観に行くものを選ぶ予定だてが難しい
というのは贅沢な悩みですね

そんなところで今月はこの辺で

2013年1月28日月曜日

さよならドビュッシー (2013/日)

監督:利重剛
出演:橋本愛 / 清塚信也 / ミッキー・カーチス / 吉沢悠 / 柳憂怜 / 相築あきこ / 山本剛史 / 清水紘治 / 熊谷真実 / サエキけんぞう / 相楽樹 / 戸田恵子 / 三ツ矢雄二

16歳の遙は幼い頃に香月家に預けられた片桐ルシアとともに育つ
そんなある日、離れが火事になり祖父とルシアが亡くなり、現場にいて生き残った遥も全身に大やけどを負い…

極上音楽ミステリー…えー、と極上?と言わざるえない
そこまで期待して観たわけじゃないんだけど、ここまで悪い意味で裏切られるとは思わなかった
このての作品でデキがアレだった時によくいう「まるでテレビの2時間ドラマみたい」という表現がありますが、これはそのさらにその下をいきますね
どこがとかそういうレベルじゃなくて、ホントに全部ダメでおもしろいところがいっさいないのが逆にすごい映画

仲良しのルシアと金持ちおじいちゃん&家族という環境で豪邸暮らしの遥さん
ある日、離れが火事になりおじいちゃんとルシアが死に、遥は大やけどで声も出せずほぼ全身皮膚移植のすえに生き残る
で、おじいちゃんの遺産問題が勃発し、遥にも莫大な遺産が転がり込むことになるんだけど、その条件が「ピアニストになるためにお金を使うこと」というものだった
長い入院生活のブランク、全身大やけどからのリハビリ、という状態ながらも本人はピアニストを目指すことを決意
ちょっと変わり者のピアノの先生とともに練習を開始するが、遥の命を狙うかのような人為的な罠が身の回りにあらわれ…
って感じの内容で、ミステリーのストーリーとしてはけっこう引き込まれるところはなくもない

まあ、しかし、悪いところがあまりに多すぎて、もう良い点が思い浮かばなくなってますね
とりあえず役者さんたちの演技レベルがひどい(やる気が感じられない)
いきなり流れるアレンジ曲が唐突&シーンに合わない
全体的に淡々とストーリーを追ってるだけで起伏がない
無駄に多くて長すぎるピアノ演奏シーン
ミステリーとして「それどうなの」と言わざるえない遥を狙ってる犯人の判明シーン

なによりオチがしょうもない
このオチが明らかになっても「うん、知ってた」としかリアクションとれんわ
さらにキスがなんたら~の流れとか、これなんてラノベ?とツッコミたくなりましたね
あとから知ったんだけど、この原作ってピアノの先生を探偵にみたてたシリーズものらしいですね
さすがに続編はかんべんしてほしいところです

個人的評価:10点
オススメ度:特に医者と刑事の演技のヤバさは異常




さよならドビュッシー 予告

2013年1月27日日曜日

ピラニア リターンズ (2012/米)

監督:ジョン・ギャラガー
出演:ダニエル・パナベイカー / マット・ブッシュ / クリス・ジルカ / デヴィッド・コーチナー / カトリーナ・ボウデン / ジャン・リュック・ビロドー / ヴィング・レームズ / クリストファー・ウォーケン / デヴィッド・ハッセルホフ / ポール・シェア / ゲイリー・ビジー / クルー・ギャラガー / エイドリアン・マルティネス / ミーガン・タンディ / ポール・ジェームズ・ジョーダン / マシュー・リンツ / シエラ・フィスク / シルヴィア・ジェフリーズ / ジェナ・ハート / ロズリン・パパ

ヴィクトリア湖でのピラニア災害から一年、遠く離れた湖で目撃される件の古代ピラニア
その湖に排水している巨大プール施設がリニューアルオープンをむかえようとしており…

古き良き時代のエログロバカB級ホラーコメディとして”作られた”前作
その続編ということでちょっとは期待してたんですが…なんなんですかね、これ
ナチュラルに目も当てられない真性クソB級映画に”なっちゃった”というのがしょうじきな感想
エロ要素もグロ要素もコメディ要素も大幅パワーダウン、いっさい盛り上がらず、危機感や緊張感のまったくない展開にげんなり
唯一作ってておもしろいと感じたのか、制作側のハッセルホフ推しもしつこすぎて最後には「はいはい」と軽く引くわな

湖に凶暴な古代ピラニアが出た!…ぐだぐだ…ぽつぽつと被害者が!…ぐだぐだ…ハッセルホフ!…ぐだぐだ…あ、プールにピラニアでたみたいだよ?(クライマックス)…ぐだぐだ…オチ…ハッセルホフ!
というハッセルホフの近況を観る作品ですね
いやあ、うーん、ホントにクッソつまんねえわあ
パニックの危機感を描くセンスもグロいギャグを描くセンスもないとしか言いようがない
逆にここまで盛り上がらないクライマックスのピラニアフィーバー展開をやってのけるのは一種の才能かもしれんね

プールという施設が舞台である意味があまりなく、アダルトエリアとかぜったい何かの伏線だろと思ってたのに特にこれといって後々にいかされてこない
エンドロール中のおまけもおもしろいと思ってこういう作りにしたんだろうけど蛇足すぎるし、ホントにはらはらもドキドキもアハハもなにもない、能面のような無表情で最初から最後まで貫き通せた一本でした

個人的評価:20点
オススメ度:ハッセルホフに思い入れがない人はさらにクソつまらんだろうね




ピラニア リターンズ 予告


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2013年1月26日土曜日

ダイ・ハード2 (1990/米)

監督:レニー・ハーリン
出演:ブルース・ウィリス / ボニー・ベデリア / ビル・サドラー / ジョン・エイモス / フランコ・ネロ / ウィリアム・アサートン / アート・エバンス / レジナルド・ベルジョンソン / デニス・フランツ

クリスマスイヴ、ワシントンの空港で妻の到着を待つ警部補のジョン
偶然に見かけた怪しい男を追ううちに銃撃戦へと事態は発展し…

ラスト・デイまでにシリーズを観なおしておこうじゃないのよ、その2
2作目ということで色々とスケールアップした点と、この手の続編ものは気負いすぎて大コケするのが定番だけど、そうなってない点はよかったですね
まあ、だけど1作目と比べたら「なんか普通のアクション映画になっちゃったね」と言わざるえない
舞台の規模も大きくなって、事件も大きくなって、派手になったんだけどそれゆえにそこら辺にごろごろしてるハリウッド映画と差別化ができてないかな、と

話的には某国から空路で護送されてくる重要犯罪人、それを救出しようとする武装グループが空港機能を内部および外部から乗っ取り、その現場に妻を迎えるために居合わせたツイてない男ジョンが事件に関わっていく、という感じ
前作と大きく違うのは主人公が積極的に事件に関わっていくという点ですね
事の重大さを真に理解しているのは主人公だけで、他の人たちは保身やら体面やらで事態が悪化していくのを指をくわえて見てるだけ状態…という事態に主人公がしょうがねえなってんで活躍する

今回のジョンさんは敵の包囲網に単身つっこんでは銃を撃ちまくる、そこらのアクション映画のスーパーコップになっちゃってるのがちょい残念でならない
さすがに完全無欠な存在ってわけじゃなくて情けない面も持ち合わせてはいるんだけど、前作ほどの普通のおっさんみたいな印象は薄い
個人的には途中まではとことん三枚目でなんとかかんとか危機を乗り切る情けない存在で、最後にはビシっときめるパターンが好きだったんだけど

あとは実際に事件が起きてる現場にいる主人公と、そこからちょっと距離をおいた外側とのやりとりの描写が薄いのと、スケールアップした状況に話の練り込みがついていけてない感がするのがちょっと気になりましたね
それでも「普通の良作アクション」として観る分には十分に楽しめるし、物語の展開の転がり方も退屈するレベルじゃない
あくまでアクション映画としての新境地、みたいな感じがした1作目が偉大すぎるゆえにダメな面が見えすぎて辛口になっちゃうけど、これ単体で観ればおもしろい作品ですね

個人的評価:80点
オススメ度:周りがあてにならないからって、ジョンさん独りで突っ走りすぎだろ




ダイ・ハード2 予告


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2013年1月24日木曜日

ダイ・ハード (1988/米)

監督:ジョン・マクティアナン
出演:ブルース・ウィリス / ボニー・ベデリア / レジナルド・ベルジョンソン / アラン・リックマン / アレクサンダー・ゴドノフ / ジェームズ繁田 / ウィリアム・アサートン / ポール・グリーソン

クリスマスイブ、妻の勤める企業の所有する高層ビルで行われたパーティに訪れる刑事のジョン
その時、謎の武装集団によってビルが占拠されてしまい…

ラスト・デイまでにシリーズをおさらいしとこうシリーズ
1作目はもうそれこそビデオレンタルが開始された当時に観たっきりで、「なんか普通のおっさんがドタバタしてた」くらいの印象しかありません
で、今回、ホントにかなり久しぶりに観なおしたわけですが…これ、こんなにおもしろかったんだ、というのがしょうじきな感想
単純な脳筋ハリウッドアクションではなく、ちゃんと中身も練られて作られていて次々に小気味が良く展開していく話の完成度がすごい
伏線の回収の仕方もよくって「そこで伏線をひろいますか」と感心せざるえない

内容的にはテロリスト集団に占拠されたビルを舞台に、主人公の刑事が孤軍奮闘してこれに対処するっていうアクション映画の王道
だけど何より特徴的なのが主人公が裸足&タンクトップ姿、そして口半開きでテンパりながら敵の様子をうかがうという情けないキャラっぷり
敵の集団に単身つっこんでいって銃弾の雨を避けながら華麗に撃ち倒していく、というアクション映画の主人公のフォーマットから著しく外れている
スーパーコップでもなんでもない、敵と一対一ならなんとか倒せるってだけの、ただタフですばしっこいおっさんなんですよね
でも、だけど、そんなおっさんがすっごい魅力的に描かれてるからおもしろい

話の展開的にもビルの外で無線のやりとりの中で絆を強める地元の警官とのやりとり、その警官の無能な上司、FBI、空気の読めないメディア…いろんな要素が複雑になりすぎないていどにストーリーに絡んでくるのが良いですね
あとは知的な香りのする敵の首領とのやりとりとか、主人公の正体が徐々に露呈されていってそのつど状況が優勢、劣勢と転がる作りとかまったく退屈することなく最後まで楽しめます

いやあ、こういう見かけだけじゃない芯までしっかり作られてる骨太アクションっていうのは良いですね
ただ頭からっぽにして観る派手なだけのものも嫌いじゃないですけど、さすがにシリーズ化しただけはある第1作目でした

個人的評価:90点
オススメ度:靴を拾う暇もなかった、のかな?




ダイ・ハード 予告


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2013年1月21日月曜日

テッド (2012/米)

監督:セス・マクファーレン
出演:マーク・ウォールバーグ / ミラ・クニス / セス・マクファーレン / ジョエル・マクヘイル / ジョバンニ・リビシ / パトリック・ウォーバートン / マット・ウォルシュ / ジェシカ・バース / パトリック・スチュアート / ノラ・ジョーンズ / サム・ジョーンズ / トム・スケリット

友達のいない少年ジョンがクリスマスプレゼントにもらった熊のぬいぐるみに祈りをささげ、奇跡によりそのぬいぐるみに命が宿る
少年とぬいぐるみとの楽しい生活、そして年月はたち少年は大人へ、ぬいぐるみもおっさんと成長して・・・

基本はバカで下品なコメディですが、けっこう映画ネタとか細かいネタがちりばめられていて、中にはけっこう(日本人的に)マニアックなものもあります
しょうじきこの映画を100%楽しむにはそうとうのマニアックな知識がいるんじゃないかなあ
個人的にも「これは何かのネタなんだろうけど、よくわからん」というシーンもけっこうありましたね
シンプルな下ネタコメディを期待してると笑い所が限定されちゃうかもしれません

少年の成長とともに命のやどったぬいぐるみテッドも成長し、ふたりともけっこうなダメダメっぷりに育つ
それでもジョンには美しい恋人もでき、リア充(?)ライフを満喫
そんな中でさすがにいい大人なんだからジョンとテッドの関係も見直した方がいいんじゃね?的な流れに恋人がのっかって日々の生活に変化が訪れ、それによっておこるドタバタ劇を描いてます
いやあ、下ネタとか大好物な私にとって、すっごい楽しみにしてた作品
予想を裏切らない下品さに思わず笑いもこぼれます

でも、ちょっと下ネタ以外のネタに走ってるとこが多くて、下ネタ好きにとっては満足ってほどお腹いっぱいにはならなかったかな
あとは後半のシリアスになっていく流れがちょっと長い
単なるバカ騒ぎものじゃねえって感じの作品として完成度上げるには常套手段なんでしょうが・・・
結果、個人的に「よくある軟着陸系のハッピーコメディ」に落ち着いちゃってる感じが残念
前半のすっとばしっぷりが嘘みたいな普通さとか、ちょっとそういうの期待してた作品じゃないかな

下品でマニアックで安定感のあるラスト、うーん、これっていったいどんな人をターゲットにした作品なのかな、とじゃっかん疑問に思った一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:なんだかんだテッドよりジョンの方がゲスだよね



テッド 予告

2013年1月20日日曜日

アルマジロ (2010/デンマーク)

監督:ヤヌス・メッツ

アフガニスタン、アルマジロ前線基地
そこに配属された若きデンマーク兵たちをカメラが追う

うーん、もっとピュアなドキュメンタリー映画かと思ってたんですが、どうにも演出の色が濃いですね
こういう画がほしい、こういうシーンがほしいというのありきで撮られてる印象が強い
そんな撮りたいものに合わせて映像を切り張りしてるって感じで、すっごい作為的な感じがするドキュメンタリー

戦場におもむく兵士たちと家族、生死のやりとりをする場所なのにひどく美しい情景、ひょうし抜けするほど退屈な日常、唐突にふりかかる銃弾の洗礼・・・
なんというか分かりやすいッスよね
最初はまあ、なんとか観ていられるんですが、じょじょに肝心なところを追い切れてないカメラにイライラしてきます
「いや、観たいのはそこじゃないんだよ」と言いたくなるくらい撮っておくべき決定的な部分を逃してる

しょうじきほぼ「何か起こりそうで何も起きない退屈な日常」を映してるだけで、しかも作為的ゆえに緊張感もない
見所である銃撃戦のシーンも「なんでそんなカメラワークできるの?」と、なんというか「後撮りしてない?」と言いたくなるところも
なんだかんだで、クライマックスの奇襲作戦の映像がたまたま撮れたことで「これならいける」と、変なテンションで映画化強行しちゃったのかな

特に画面からこれといったメッセージも感じられないし、観やすいことは観やすいけど「ドキュメンタリーか?」と思わざるえない一本でした

個人的評価:50点
オススメ度:これが本物の戦場だって言われても



アルマジロ 予告

2013年1月18日金曜日

やぎの冒険 (2010/日)

監督:仲村颯悟
出演:上原宗司 / 儀間盛真 / 平良進 / 吉田妙子

沖縄の都会育ちの裕人は同じ沖縄の田舎町に遊びに来る
そこではかわいい子やぎが飼われており、しかしそれが食用だと知った裕人は…

中学生監督ってことが前面に出てる作品ですね
うん、しょうじき中学せいだから、とかどーでもいいッスわ
むしろそういう売り方をする制作側に嫌悪感しかおぼえませんわ
そんな色眼鏡で観なくても内容で勝負できるだけの完成度なんだから、こういうセールス方法はマイナスにしか働かないんじゃないでしょうかね

話的には食物連鎖的な捕食者と被捕食者の関係、料理として出されるモノの生きている姿を直視したことで食べることをためらってしまう
だけど目の前のことにきれい事や哀れみを感じても、結局は人は他の生き物を生きる糧に変えて行かなくてはいけないジレンマみたいなものを抱く少年の物語
ストーリー的にはよくある…とまでは言わないけど他にないでもない
でも、おもしろいのは舞台を沖縄に限定している点ですね

東京もんがド田舎を訪れてショックを受けつつ学び、成長するってのがこのての話の王道設定だけど、この作品では同じ沖縄の中での都市部と田舎のギャップを描いているのがいい
イメージ的に沖縄っていうと海、山、森と全体的にノンビリしてる田舎みたいなものが頭に浮かぶけど、けっこう文化的なギャップがあるんだな、ということが分かります
というか田舎パートでの登場人物がめちゃくちゃ方言を丸出しでしゃべるシーンがけっこうあるんですが、はっきりいってなに言ってるのか分からない
まあ、なんとなく雰囲気で察せるから混乱はしないですが

鑑賞後、そのオチに個人的にちょっと引くくらい怖い話だな、という印象を受けたんですが、ざっくりと同作品を観た人の感想をネットで調べたけど、私と同じことを思った人は見つからないんで気のせいなのかな
もっと調べれば同じように思っている人もいる、と思うんだけど…


※以下ネタバレ

つまりふたりは死んじゃってるっていうオチね
夜、ふたりのそばを通り過ぎる二頭のやぎ、これは先に殺されたやぎと追いかけてたやぎをあらわしている、と
で、夜前には追いかけてた方のやぎは別の人に捕まってて、次の日には予定通り料理されてみんなに振る舞われている
だけどこの時点でふたりはまだ行方不明という状態
で、死後の世界でふたりはやぎを抱いて森を歩いている
というふうにとらえたんですが、これってやっぱり考えすぎかなあ

以上、ネタバレ

と、まあ、その売り方じたいは気にくわないけど、作品的にはじゅうぶんに楽しませてもらった一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:ぽっちゃりくん、嬉しそうに帰りすぎ




やぎの冒険 予告


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2013年1月15日火曜日

映画 鈴木先生 (2012/日)

監督:河合勇人
出演:長谷川博己 / 臼田あさ美 / 土屋太鳳 / 風間俊介 / 田畑智子 / 斉木しげる / でんでん / 富田靖子 / 夕輝壽太 / 山中聡 / 赤堀雅秋 / 戸田昌宏 / 歌川椎子 / 澤山薫 / 窪田正孝 / 浜野謙太 / 北村匠海 / 未来穂香 / 西井幸人 / 藤原薫 / 小野花梨 / 桑代貴明 / 刈谷友衣子 / 工藤綾乃 / 三浦透子 / 岡駿斗 / 久本愛実 / 鈴木梨花 / 小山燿 / 吉永アユリ / 下山葵 / 影山樹生弥 / 柿澤司 / 中西夢乃 / 伊藤凌 / 松岡茉優 / 中嶋和也 / 馬渕有咲 / 松本花奈 / 西本銀二郎 / 森野あすか / 米本来輝 / 鈴木米香 / 齋藤隆成 / 三宅史 / 中澤耀介 / 澤田優花 / 安田彩奈 / 山口愛 / 福地亜紗美

独自の教育方針をもつ中学教師、鈴木先生
2学期になり、生徒会選挙や文化祭が迫る中、なにやら不穏な空気を感じ・・・

TVドラマ版を受けての劇場版という作品で、そのオープニングから分かるように完全に第11話という位置づけですね
もとからほぼ1話完結ものなんですが、鈴木先生と各登場人物の関係が分からないとついていけないでしょう
内容もしょうじき映画というより、TVドラマのスペシャル版を観てる感覚に近いですし、ホントにこれドラマを観てた人向けな作品になってます

内容的には再発した小川病、生徒会選挙と公園問題にじゃっかん文化祭エピソードが重なりつつ、足子先生が各問題に口を挟むことで問題が加速していく感じ
小川病、選挙、公園、文化祭、要素的には色々ありますが、話が進むにつれて物語の核である部分は集約されていくので複雑さは感じないですね

劇場版であることをいちお意識してか、ちょっとヘビーな展開がクライマックスに待ってるわけですが・・・
うーん、それじたいは悪くない、というかよくある学園ドラマに対するアンチテーゼみたいな感じで描きたいものとしてはおもしろい所をついてる
だけど、さすがに勝野事件のオチの付け方は過剰演出がすぎて「えー」って感じで引くわ
その後の勝野への鈴木先生の言葉も、なんか違うというか鈴木先生っぽくないというか・・・

「劇場版だし、盛り上げるためにちょっと派手なシーン入れようや」みたいな部分が大きくマイナス方向に働いちゃってるかなあ
TVドラマ観てた人向けというところと合わせると、しょうじき「映画」としての完成度は微妙
あくまで第11話として観ればおもしろいんで、変に劇場版として期待しなければ楽しめる一本かもしれません

個人的評価:70点
オススメ度:けっきょく小川病が放置状態な件





2013年1月14日月曜日

96時間/リベンジ (2012/米)

監督:オリヴィエ・メガトン
出演:リーアム・ニーソン / マギー・グレイス / ファムケ・ヤンセン / ラデ・シェルベッジア / リーランド・オーサー / ジョン・グライス / D・B・スウィーニー / ルーク・グライムス / ケヴォルク・マリキャン / アラン・フィグラルツ

前回の事件で娘のために殺した犯人の身内が復讐にのりだす
からくも娘は逃がしたものの、ブライアンは元妻とともに拉致されてしまい・・・

前作がけっこうシンプルな話だったんで、わりとすんなりこの続編を観ることができました
今回もとにかくストーリーはシンプルで、前作で殺した犯人たちの親や身内が復讐をくわだててくる、というもの
娘と元妻という守るべき対象がふたりになり、しかも自分が拉致されてしまうという状況が空回りせずに働いて、続編ものでありながら楽しめました

キャラや作品世界の設定とかは前作を完全に流用してるんで、さすがに今作からいきなり観ても楽しめるか、と言えば疑問ですが、まあ、深いこと考えずにオヤジアクションを楽しみたいってだけで観ても問題ないかもしれません
相変わらずオヤジが戦闘技術的にも知能的にも最強すぎて、どんなピンチにおちいっても緊張感はない
だけど、そんな中で娘と元妻という複数の弱みというファクターがあることで、きっちりと内容がしまってきていて良い

今回は最愛の息子を殺された敵の首謀者という存在があることで、敵側のキャラもそれなりに立っていて作品の完成度的にグレードアップはしていると思う
だけど、肝心のリベンジという点はちょっと描き切れてない感はしないでもない
敵側の復讐心にいま一歩、なんとも力強さが感じられないんですよね
せっかく主人公との対比として存在してるんだから、もっともっと強大な役回りをしてほしかったかな

まあ、こういう作品でストーリー性うんぬん言うのは野暮かもしれないですが、そこら辺がもうちょいしっかりしてれば堅実アクションという枠を越え、かなりの大作に化けると思うんだけどな、と感じた一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:次回はジェイミーも巻き込まれるわけですね



96時間/リベンジ 予告

2013年1月13日日曜日

LOOPER (2012/米)

監督:ライアン・ジョンソン
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット / ブルース・ウィリス / エミリー・ブラント / ポール・ダノ / ノア・セガン / パイパー・ペラーボ / ジェフ・ダニエルズ / トレイシー・トムズ / フランク・ブレナン / ギャレット・ディラハント / ニック・ゴメス / ピアース・ガニォン

30年後の世界から送られてくる、”組織”にとって邪魔者を殺して処理する仕事をするジョー
ある日、いつものように処理しようとするジョーの前に束縛されていない未来のジョーが送られてきて…

オッス!オラ、ジョー!未来から送られてくる対象を殺す仕事をしてるんだ!
おっと、今日も送られてきたな…って、ハゲ!激しくハゲ!ハゲだけに!
つーか、これ俺じゃん!俺、ハゲちゃってるじゃん!
とかなんとか言ってるうちに逃げちゃったし…うわ、やっべ!みすみす逃がしたら組織におしおきされちゃうよ!
というノリを想像してたんですけどね、もう、こう銃をバッキュン!バッキュン!アババババァァ!ってな感じのアクションを期待してたんですけどね、みごとにそんな映画じゃなかったですわ

序盤からみょうに重苦しい雰囲気で、どっちかといえば時間ネタを扱った本格SFっぽい作りの作品でした
バイクも宙に浮くし、超能力も存在する独特な未来世界観ですが、主人公の立ち位置やら話の設定やらもわりと丁寧に描いてくれてるんで作品世界という点は理解しやすいと思います
ヤング・ジョーとオールド・ジョーが共存する世界での、後天的であってもヤング側で起こったことはオールド側にも影響するっていうのもおもしろいし、こりゃけっこうトリッキーなのを期待できるか?と思わせてくれるところも良い

ただ、ヤング・ジョーが農家を訪れたところからおかしくなる
眠い、ダルイ、びっくりするくらいつまらない中盤の農家生活
時折、オールド側の展開が挿入されて眠気を飛ばしてくれるけど、ホントに軽く怒りがこみ上げてくるくらいうっすい農家での日常シーンはどうにかしてほしかった
素人目にも、もっとコンパクトに、描きたいポイントだけをテンポよく展開させることもできると思うんだけどなあ
そこからのクライマックスの流れは盛り上がるし、すんごいおもしろいだけに中盤の残念っぷりが心底もったいない

で、肝心のオチは賛否両論あるだろうな、と
「は?意味わかんねえんですけど」という人もいれば「ああ、そういうことね」という人もいるかと思われます
個人的には「うーん、まあ、分からんでもないけど…」って感じでなんとも嫌な後味がしましたね
もっとシンプルに、分かりやすく、気持ちよく終わらせる表現でラストをむかえてくれれば文句なしに最高の映画だ、と言えただろうそんな一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:自演乙




LOOPER 予告

劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影 (2012/日)

監督:佐藤雄三
出演:潘めぐみ / 伊瀬茉莉也 / 藤原啓治 / 沢城みゆき / 浪川大輔 / 内田直哉 / 大塚明夫 / 山口勝平 / 日高のり子 / 木内秀信 / 朴路美 / 宮野真守 / KENN / 前田玲奈 / 荒川美穂 / 平野綾 / 川島海荷 / 藤木直人

眼を奪われたクラピカ
彼がわずかに幻視した光景をたよりに仲間たちはその眼の奪還へ乗り出す

作品の登場人物のひとりであるクラピカの過去を絡めた、彼がメインとなる物語…かと勝手に思ってたんですが、個人的な感覚としてキルア5、クラピカ3、オモカゲ2な比率の内容でしたね
というか冒頭がおもいっきりキルア話から入ってることから、推して知るべしってことかもしれませんが
と、いきなり原作マンガ(もしくはTVアニメ)を知ってる前提ではじめてますが、この作品じたいがマンガ原作(TVアニメベース)の映画化っていうもののご多分にもれず、基本的なキャラと設定を知っていることは必須条件となってるんで申し訳ない

個人的には今やってる(2013年現在)TVアニメ版は観てなくて、原作マンガだけおっかけてる身ですが、この劇場版は小さいお子さんにはちょっと難しいし、いい大人にはガキっぽい「少年向けアニメ」な内容だったかな、と
クラピカだけのエピソードじゃなく、キルア、オモカゲのエピソードを絡ませることでストーリーが単調になることを防ぎ、だけどベースにあるものは絆とか友情とか少年マンガなそれでできてます
で、そんなストーリーが単調になるのを防いでる各エピソードの絡みはいいんですが、それがごちゃごちゃと煩雑な負の方向に作用してるのも否めないかな

ようするに全体的に練り込み不足感がある気がしないでもない
なんか困った時のクモ頼りな感じで、団員たちを便利キャラに使ってるのもアレだし、オモカゲももっと魅力的&凶悪なライバルキャラに描ける要素はあったと思う
そんな感じで作品として微妙…というより色々と今回の劇場版これだけで消化するにはもったいないエピソードな気がした一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:オモカゲさんにもっとスポット当ててあげて




劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影 予告

2013年1月10日木曜日

ドリーム・ホーム (2010/香港)

監督:パン・ホーチョン
出演:ジョシー・ホー / イーソン・チャン / デレク・ツァン / ローレンス・チョウ / ジュノ・マック / ミシェル・イェ / ノーマン・チュー / パウ・ヘイチン / フェリックス・ロク / タン・ラップマン / ロー・ホイパン

ある高級マンションに侵入し警備員を殺害する人影
その正体はそのマンションの一室を購入するために金を貯める女だった

冒頭の警備員襲撃シーンから、アジア版シリアルキラーものかと単純に思って観てたんですが、実はけっこうストーリーもしっかりしてておもしろかった
その時代の背景がストーリーに影響していて、単に殺人ショーを魅せるだけのエログロ映画じゃないですね
なにより殺人鬼な主人公が「イカレた普通の人」でしかなくて、ジェイソンやらなんやらな「怪物」ではないのがいい
殺しのターゲットにしっかり反撃受けてダメージも負って、異常な生命力や回復力なんかないから身も心も相手を傷つけるたびにすり減っていく様子がいい

内容的には高級マンションで繰り広げられる殺人劇の合間に、時間軸を飛び飛びにして主人公の過去が描かれて現在の殺人にいたるまでの話が描かれるという感じ
暴力的な殺人描写、そして「こんな主人公がどうして?」という過去の描写のつむぎ方がよくできていて、「この先どうなるんだ」「なんでこんなことになったんだ」という疑問点が良いスパイスになって物語をひきしめてますね
あとは全体的にシーンごとの画がマンガ的というかアニメ的な感じがして、この点は「なんかあざとい」と思う人もいるかもしれませんが個人的にはアリだと思いました

オチもけっこう考えられてて「ほほう」と、よくあるホラーとはちょっと違う感じでおもしろかったですね
まあ、でもさすがに「そんなうまく話が着地しねえだろ」という引っかかりはあるし、じゃっかん雰囲気重視で強引にまとめてる感もしないでもないのがアレですが
とりあえずホラー映画にしては珍しく(?)頭を使って作られてる感がした一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:どっちかといえば被害者の方が生命力ありすぎ




ドリーム・ホーム 予告


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2013年1月7日月曜日

人生、ここにあり! (2008/伊)

監督:ジュリオ・マンフレドニア
出演:クラウディオ・ビジオ / アニタ・カプリオーリ / ジュゼッペ・バッティストン / ジョルジョ・コランジェーリ / アンドレア・ボスカ / ジョヴァンニ・カルカーニョ / ピエトロ・ラグーサ / カルロ・ジュゼッペ・ガバルディーニ / ミケーレ・デ・ヴィルジーリョ / ナターシャ・マッキニズ / フランコ・ピストーニ / アンドレア・ガッティノーニ / ローザ・ピアネータ / ジュリア・ステイゲルワルト / ベボ・ストルティ

バザリア法により精神病院が閉鎖され、入院患者たちは慈善事業による退屈な仕事を単調にこます日々を送っていた
そんな中、協同組合180を任された労働組合員のネッロは、無気力な元患者たちへ熱い思いをもって普通に働くことで市場介入する計画をもちかける

ラジオで隠れた(?)人気作品であるような紹介がされていた今作、さっそく観てみたんですが…うん、確かにこれはおもしろい
やる気のない人たちに熱意をもって真摯に向き合い、失敗も問題も乗り越えて仕事的にも人間的にも前向きに変革していく…これはかなり日本人好みな内容かもしれませんね
ベースはコメディなので物語に入り込みやすい
すっごい気持ちの良いってだけの内容じゃないけど、鑑賞後には笑みとともに心が前向きになります

ただ無刺激な環境下で単純な仕事を淡々とこなし、とにかく完治してるとはとても言えない元患者たちが問題を起こさないように働かせている協同組合180
そこを任された主人公は情熱的に接し、おなさけでどうでもいい仕事を任されている現状を打破し、普通に働ける組合を作り上げようと元患者たちを団結させていく、というお話
ようするに指導者が主人公のスポ根もの…と言っていいのかどうか分からんけど、やる気がなくてバラバラな人たちをやる気にさせてひとつにしていく系ですね

その課程で失敗もあるし、元患者というレッテルによる世間の無理解に直面することもある
元患者ゆえに起こす問題もあるし、そうでない問題もある
それらを主人公の熱意で乗り切っていき、作品的にはコミカルに描くことで精神病という腫れ物を扱ってる感が薄くて観やすい
かといって軽すぎる作風に油断してるとガツンとやられるシーンもあるし、コミカルな中でも「うんうん、そうだよなあ」と感情にうったえてくるシーンもある

しょうじきなところ小さくまとまってる感で「うおお!よかったー!!」とはならないし、序盤の主人公の元患者たちに対する行動が的確すぎるのにファンタジー感をおぼえる
というか全体的にちょっとファンタジーに良い方向に話が流れすぎな気もするけど、まあ、これはこれで作品に身を任せてありのままを観てもじゅうぶんにおもしろいことに変わりない、そんな作品でした

個人的評価:80点
オススメ度:エイドリアーン!




人生、ここにあり! 予告


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2013年1月6日日曜日

トワイライト・サーガ / ブレイキング・ドーン Part 2 (2012/米)

監督:ビル・コンドン
出演:クリステン・スチュワート / ロバート・パティンソン / テイラー・ロートナー / ビリー・バーク / ピーター・ファシネリ / エリザベス・リーサー / ケラン・ラッツ / ニッキー・リード / ジャクソン・ラスボーン / アシュリー・グリーン / マイケル・シーン / ダコタ・ファニング / マッケンジー・フォイ / ジェイミー・キャンベル・バウアー / クリストファー・ハイアーダール / キャメロン・ブライト / ダニエル・クドモア / チャーリー・ビューリー / トレイシー・ヘギンズ / ジュディス・シェコーニ / クリスチャン・カマルゴ / ミア・マエストロ / マイアンナ・バーリング / マギー・グレイス / ケイシー・ラボウ / オマー・メトワリー / ラミ・マレック / アンドレア・ガブリエル / アンジェラ・サラフィアン / リサ・ハワード / パトリック・ブレナン / マーレイン・バーンズ / ジョー・アンダーソン / リー・ペイス / グーリー・ワインバーグ / ノエル・フィッシャー

人と吸血鬼との子である娘を産み、命を落とした末に吸血鬼へと転生したベラ
エドワードたちと吸血鬼ライフを満喫する中、その娘が忌み嫌われる存在である”不滅の子”ではないかとヴォルトゥーリ一族に目をつけられ・・・

いよいよシリーズ完結、そしてヴァンパイアの王たるヴォルトゥーリ一族との因縁(?)に決着がつくのか、ってのが見所なんですが・・・なんとも内容が薄いなあ、と
前作でとうとうベラも吸血鬼へと転生だ、ってところで終わり、このパート2ではどれだけ重い展開が待ってるのかと思いきや、序盤から吸血鬼ライフ満喫でエドワードとキャッキャうふふで拍子抜け
シリーズ完結って作品なのに、いきなりこんなライトな展開でいいのか、と思わざるえない

で、娘がヴォルトゥーリ一族に目を付けられて襲撃にくるぞ、というシリアス展開に「きたきた」と眠気も引いてくるんですが、ここでまたもやダルい流れになる
なぜかすぐに攻め込んでこないヴォルトゥーリ一族、不滅の子なんかじゃないよと証言してくれる仲間を集めるカレン家の面々、と仲間集めはいいんだけど無駄に長くてテンポが悪い
このパート2全体に言えるかもしれないけど、展開の引き延ばしみたいな描き方をしてる印象が強いんですよね

クライマックスは盛り上がるし、決着の付き方も悪くない、ちょっとヴォルトゥーリ一族の強大さが伝わってこないのがアレだけど、まあ、それなりなクライマックスとラスト
だけど、ホントにそこに至るまでの展開が退屈きわまりない
これって、パート1と2を再編集して3時間くらいにまとめてくれた方がよかったんじゃなかろうか、と素人考えに思っちゃいますね

なーんかエドワードさんの存在感はめちゃくちゃ薄いし、ジェイコブは情けない不遇キャラに成り下がってるし、ベラは微妙に性格かわってビッチ化してるし、しょうじき主人公はアリスなんじゃねえのと言わざるえないし
なにより完結っていうほどヴォルトゥーリ一族との一件が気持ちよく片づいてない気がしないでもないのがもどかしい一本でした

個人的評価:65点
オススメ度:ファック専用ベッドとか、アリスさん分かってらっしゃる



トワイライト・サーガ / ブレイキング・ドーン Part 2 予告

2013年1月5日土曜日

あしたのパスタはアルデンテ (2010/伊)

監督:フェルザン・オズペテク
出演:リッカルド・スカマルチョ / ニコール・グリマウド / アレッサンドロ・プレツィオージ / エンニオ・ファンタスティキーニ / ルネッタ・サヴィーノ / イラリア・オッキーニ / ビアンカ・ナッピ / エレナ・ソフィア・リッチ / ジョルジョ・マルケージ / マッテオ・タラント / マッシミリアーノ・ガッロ / カルミネ・レカーノ / マウロ・ボナフィーニ / ジャンルカ・デ・マルキ / ダニエレ・ペッチ / ジャンカルロ・モンティチェッリ / ジェア・マルティーレ

ある日、ゲイであることを兄に告白するトンマーゾ
家族の夕食会の時、皆にも言うつもりだったが、その席で兄が先に自分がゲイであるとカミングアウトしてしまい…

たぶんあえてそうしてるんだろうけど、全体的にぼんやりしてるというか、なんか濁した描き方をしてる感じがしますね
エピソードのしめ、シーンのしめが「…」みたいになってる感覚
なんとなくは分かるんだけど、絶対的に「これはこうだ」という明確な答えが描かれてない…気がする
ここら辺は私の理解力の問題かもしれないんで、なんともアレだけどあくまで個人的にはそんな風な印象を受けました

話的にはゲイである弟が言おうとしてた矢先、先にお兄ちゃんが家族に自分はゲイだってカミングアウトしちゃってさあ、たいへんという流れ
あまりの衝撃にお父ちゃんは卒倒してしまい入院するはめになったことから、弟くんは自分までゲイだなんて言ったらヤバすぎるだろコレって感じで言い出せず
そうこうしてるうちに事態はどんどん言い出せない状況になっていき、同時にファミリーの面々のサイドストーリーが描かれていって本編を肉付けしていく

ようするに「生きたいように生きてるかい?」「やりたいようにやってるかい?」「世間体やらなんやらで自分を殺してないかい?」という内容
ベースはコメディでゲイであることをコミカルに描きつつも、すっごいマジメに描いてる
そしてそれぞれの登場人物も過去や現在に問題があったりなんだりで、主人公の物語を良い感じで厚みをもたせてますね
ただおばあちゃんのエピソードがけっこう大きく扱われてて、けっこう重要な描かれ方をしてるわりにあまり本編にからみきってない気がしないでもない
おばあちゃん関連の話をそこまで長々と伏線やら描写やらやる必要があったのかな、と

最後もなんかぼんやり終わっちゃうけど、話の組み立てと主人公の心の揺れ動き、コメディとシリアスの絡み合う演出はけっこうおもしろかったです
これでもうちょいはっきり分かりやすく描いてくれれば個人的にもっと楽しめたかな、と思った一本でした

個人的評価:65点
オススメ度:知らぬは父親だけなり、か




あしたのパスタはアルデンテ 予告


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2013年1月2日水曜日

青の祓魔師 劇場版 (2012/日)

監督:高橋敦史
出演:岡本信彦 / 福山潤 / 花澤香菜 / 中井和哉 / 遊佐浩二 / 梶裕貴 / 喜多村英梨 / 高垣彩陽 / 佐藤利奈 / 小野大輔 / 神谷浩史 / 藤原啓治 / 釘宮理恵 / 木内秀信

悪魔を祓う祓魔師の候補生である奥村燐
ある日、ファントムトレインを祓う仕事の補佐をしている最中、ひとりの不思議な悪魔の子を見つけ・・・

なにげにザ・少年マンガみたいなノリが好きでTVアニメ版もすべてじゃないけど観てました
というわけでこの劇場版も鑑賞することに
話はオリジナル(総集編とかじゃないって意味で。マンガ版は読んでないので映画オリジナルストーリーかは不明)になっていて、それでいて作品としての設定やらこれまでの物語やらにはほぼ触れません
だからってこの作品単体で楽しめる内容でもなく、TVアニメ版で語られた設定を知ってる前提で作られてますね

悪魔を祓う立場の側が悪魔の子を引き受け、主人公は色眼鏡でみることなくその子に接していくけど、やっぱり大きなトラブルの原因になっちゃう・・・みたいなお話
主人公の置かれた境遇と似たようなキャラに自分を重ねて、っていう感じのサイドストーリー(?)としては王道かもしれんね
なんで今頃になって劇場版?と思わなくもないけど、総集編やら完結編やらじゃなく、ドラえもん方式の独立エピソードで挑戦してきた気概は好印象
ただ、商業的にはツライんじゃないッスかね

TVアニメファン向けっていう以外には別段これといってマイナス要素はない堅実な作りで、「スクリーンに帰ってきたぜ!」みたいな浮かれたお祭り騒ぎ&サービスシーンばかりで本編スカスカということはないので、設定さえ知ってれば普通に楽しめます
ただ、観てる分にはおもしろいんだけど、やっぱり作品として「おお、すっげえ良かったわあ」というほどじゃない
良い話ではあるんだけど、あくまでサイドストーリーという外伝ポジションっぽい部分は否めないかな

個人的にはこの劇場版からの登場人物である劉さんが意外とナイスキャラになってるのが良かっただけに、じゃっかん味が出し切れてない感がもったいないな、と思った一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:なんつってな



青の祓魔師 劇場版 予告

2013年1月1日火曜日

シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~ (2012/仏)

監督:ダニエル・コーエン
出演:ジャン・レノ / ミカエル・ユーン / ラファエル・アゴゲ / ジュリアン・ボワッスリエ / サロメ・ステヴナン / セルジュ・ラヴィリエール / イサ・ドゥンビア

才能と情熱はあるけど、それを他者に押しつけがちで煙たがられる若き料理人ジャッキー
スランプの上にビジネスライクな経営者から鼻つまみにされているベテランシェフのアレクサンドルは、ジャッキーを助手に雇うことにするが・・・

堅物なベテランと生意気な若者のでこぼこコンビもの、っていえばそうなんだけど、とにかくスーパーライトってくらいに軽い雰囲気な作品ですね
それなりにストーリーはあるんだけど、ドラマとかホントにどうでもいいってくらいこてこてのコメディでした
とにもかくにも「頭からっぽにして笑ってくださいよ」というノリ、いさぎよいほどのコメディ映画として作ってる姿勢は良い

いちおベテランシェフのアレクサンドルはスランプだし、経営する店が三ツ星から格下げになったら即クビっていう状況で、ビジネスライクな現オーナーとの仲の悪さから嫌がらせをうけたりな問題を描くドラマはある
一方で若造のジャッキーにしてみても妻は妊娠してるのに、自分は研修期間中ゆえに収入ゼロでプレッシャーを感じてるっていうドラマもある
まあ、でもそんなのはホントにどうでもいいから、とにかくふたりのかけ合いにクスクス笑ってくださいという作品


中でもノグチ夫妻のシーンはあまりに無駄に力入れて作ってて、一言一言と仕草がいちいちおもしろすぎる
高橋英樹かよ、って思ったのは自分だけでじゃない・・・はず
一方で軽い笑いなコメディとしてはじゅうぶんにおもしろいけど、家族愛とか絆的なとこまで軽く描きすぎな気がしますね
「おまえそれで仲直りしちゃうの?」みたいな
とにかく観てるみんなで、あるいはひとりでも馬鹿馬鹿しい展開に肩の力を抜いて笑って観れる一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:分子料理が気になって仕方ない



シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~ 予告

SUSHI GIRL (2012/米)

監督:カーン・サクストン
出演:トニー・トッド / ジェームズ・デュヴァル / ノア・ハサウェイ / アンディ・マッケンジー / マーク・ハミル / コートニー・パーム / 千葉真一 / マイケル・ビーン / ジェフ・フェイヒー / ダニー・トレホ

テーブルの上に用意された女体盛りをはさむ5人の男たち
刑務所を出たばかりの「フィッシュ」はダイアの在処を問われるが・・・

この制作陣との関係はよく分からないけど、とりあえず素人目に見ても「ああ、完全にタランティーノ意識してるな」ってのが分かります
というか「レザボア・ドッグス」のリメイクかって途中まで本気で思ってたわ
あと「キルビル」も入ってるかな、とネットで鑑賞後に調べてみたら、やっぱり同じ印象を受けてる人が多数いるみたいですね

話的にはダイアの在処をめぐって、事情を知っていると思われるフィッシュというひとりの男が他の面々にせめられる、と
そうこうしてるうちにことの発端となったダイア強奪計画の過去話が途中途中ではさまれ、過去がじょじょに話が見えてくると同時に現実のストーリーも進んでいくって感じ
シンプルそうで「何かある」っていう雰囲気がたまらなくおもしろい

ただ、しょうじき各キャラの説明をかねてる序盤の展開の遅さがタルイ
鑑賞後に振り返ってみれば、なんともストーリーを引き延ばしてるだけっていうマイナスイメージがわかざるえない
もっと会話劇をみてるだけでも魅力的な作りになってれば良かったんですが・・・

そんなタルさも終盤のいっきに畳みかけてくる真相にむけての加速で多少は気にならなくなりますね
各キャラの思惑、隠された真実、次々に「そういうことか」ってのが分かってくるのがテンポよく進んでおもしろい
確かにおもしろいんだけ、あまりにタランティーノ臭くてオリジナリティが薄いのはもったいない
タランティーノパロみたいな前提条件の色眼鏡だけで観ればすごく楽しめるけど、これ単体の映画作品としてはちょっと微妙な気がした一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:序盤にフグの説明は余計かなあ



SUSHI GIRL 予告