2013年7月31日水曜日

7月のこれ一本

最近アレですね、なんというか基本的にやる気がアレです
たいしたことでもないんだけど、物事がうまくいかないことが積み重なってアレです
細事がアレしていくことで精神的にアレな感じでストレスがアレっぽいです

こういうネガティブな時はとっとと今月の一本を記して寝ます
7月、今月は「アンコール!!」一択と言わざるえない
老人+音楽、そんな個人的なツボをついてる作品っていう理由が大きい、ホントに超個人的な一本ではありますが

他にもシリーズに見限ってないなら、「ハングオーバー!!!」を
というかふだん映画を観ないけど「テッドが~テッドが~」って言う人に、それとなく「オーガズモ」や「ハングオーバー」シリーズを推してるんですが成果がないのが悲しいわあ

2013年7月29日月曜日

アンコール!! (2012/英)

監督:ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
出演:テレンス・スタンプ / バネッサ・レッドグレーブ / ジェマ・アータートン / クリストファー・エクルストン

とある老夫婦のアーサーとマリオン
妻を愛するが偏屈なところのあるアーサーは、体の調子の悪いマリオンが合唱団で無理をしているのではないかと心配の日々をおくる

どこか他人をよせつけない不器用な夫とみんなに好かれる妻、そんな老夫婦のドラマ
と、英国映画ながらかなり日本人向けな作りになってます
個人的にも老人もの(特に外国の)が好きなこともあり、かなり楽しめましたね
ギリギリくさくなりすぎない小粋な演出が光り、それでいて分かりやすい表現になっているので、ホントに日本のお年をめした方々が観てもじゅうぶんに理解できると思う

公民館での合唱団の練習で楽しく過ごすマリオン
そんな妻を愛するがゆえに付き添いで送り迎えするが、合唱団の面々とはいっさい話すらしない夫のアーサー
そんなマリオンの体調はけっして良いものとは言えず、妻を心配するアーサーは合唱団のこともふくめて無理をしないように言うが、とうの本人は日々の楽しみを放棄しろといわんばかりのそんな言葉は聞く耳をもたない
一方で、アーサーは息子との関係にも大きな問題を抱えており・・・
そんな内容ではあるんですが、とにもかくにもアーサーのツンデレ(?)キャラがよく描けていて、さらに老夫婦の関係もしんみりあったかで素敵すぎる

作品としてはわりとオーソドックスな妻の存在感と、固い夫がやわらかく変化していく様子、みたいな感じなんですが、いちいちワンシーンワンシーンが素敵で、楽しく、笑えて、泣ける
合唱団としての歌の要素もけっして上手くはないけど、楽しんで歌うみんなや主人公たちの姿をみてるだけで微笑ましくて「歌っていいもんだなあ」と思わざるえない
そういう意味では個人的に歌という要素もこの作品の評価をあげることになってるかもしれん

とりあえず老人ものが好きってのはかなり個人的なアレな部分が大きいですが、音楽ものが嫌いって人はそういないだろうし、けっこう万人にうける一本でした
ソロ曲やED曲をふくめ、ホントに作品と歌をよくシンクロさせてあっておもしろい

個人的評価:100点
オススメ度:エンジョイ!




アンコール!! 予告

2013年7月28日日曜日

ルパンの消息 (2008/日)

監督:水谷俊之
出演:上川隆也 / 岡田義徳 / 佐藤めぐみ / 新井浩文 / 柏原収史 / 津田寛治 / 正名僕蔵 / 中村靖日 / 山田辰夫 / 吹越満 / 街田しおん / 下元史朗 / 俵木藤汰 / 江畑浩規 / 宮地真緒 / 相島一之 / 遠藤憲一 / 塩見三省 / 羽田美智子 / 長塚京三

3億円事件の容疑者を取り調べつつも時効としてしまった刑事の溝呂木
それから15年、ある時効間近にせまった殺人事件の指揮をまかされ・・・

「震度0」がおもしろかったので、同じスタッフによる作品を観てみよう、と
まあ、これも映画ではないですが細かいことは言わない方向でひとつ
この作品は「震度0」とはまた違ったおもむきなんだけど、どことなく作風は近いものがありますね
でも個人的にですが、なんとなくこっちの方が雑、というかまとまりが悪いかなと思わざるえない

3億円事件の最後の容疑者の取り調べで、その時効の瞬間に立ち会った主人公
それから15年が経った後に当時の上官から呼び出され、時効間近の殺人事件をまかされる
容疑者としてあがる3人、そして、その3人は3億円事件の容疑者とも面識があった
3人の容疑者の取り調べの中、「ルパン作戦」とよばれるたくらみから事件の真相、そして新たな謎が浮かび上がり・・・という内容
序盤は取り調べによる断片的な情報から、次々に新たな謎が浮かび上がってきて「単純な事件じゃない」という深みを描いていきます

新たな容疑者と人間関係が露わになっていくことで、本当の真相が見えてくるんですが、事件そのもののオチは2時間ミステリドラマレベルのありきたりなもの
というか途中までホントに「なんだよ、普通の2時間ミステリドラマじゃんかよー」と退屈感をおぼえます
だけどクライマックスにはちゃんとそれだけじゃない、という展開もあるので作品じたいは総じてよくできてます

ただ、やっぱりなんというか「おもしろいんだけど」という感想が一番しっくりくるかな
ストーリーに対して描ききる尺がぜんぜん足りてないのがアレですね
限界までそぎおとしてまとめてみました、それでもなお描ききるには尺が足りなかった・・・みたいな
おかげで3億円事件をからめる意味がちょっと弱くなってるし、主人公の存在じたいが薄くなってる気がします

個人的評価:70点
オススメ度:なんか良い奴らだってノリだけど、普通にどうしようもない悪ガキですから




ルパンの消息 [DVD]
ルパンの消息 [DVD]
posted with amazlet at 13.07.28
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2009-01-01)
売り上げランキング: 22,443


2013年7月26日金曜日

迷宮物語 (1987/日)

監督:りんたろう / 川尻善昭 / 大友克洋
出演:吉田日出子 / 津嘉山正種 / 水島裕 / 家弓家正 / 八奈見乗児 / 大竹宏 / 銀河万丈 / 屋良有作 / 田中和実

猫とかくれんぼをしていた少女
いつしか不思議な世界に引き込まれ、ピエロの導きに誘われて…

ひとつの作品を観たことによって連鎖的に「そういえばあれも・・・」と鑑賞したくなる法則
ってわけで「迷宮物語」です
しょうじきそれぞれの話がどんなものか記憶の彼方でしたが、そこはおっさんの記憶力的な特典として「いつでも新鮮に再鑑賞できるぜ」と前向きに考えることに
「SHORT PEACE」「MEMORIES」ときて、この「迷宮物語」が個人的には一番作品として完成度は高いと思いましたね
導入から作品の構成、短い尺によくまとまってます

「ラビリンス・ラビリントス」
この作品の導入としては最適な話
不思議な世界に迷い込んだ少女と猫が、ピエロに誘われつつ最後には次に続く作品を鑑賞する立場となってます
少女、猫、鏡の向こう、不思議な世界というとアリスみたいなファンタジックなアレを想像しますが、この作品はいたって昭和チックな和のテイストな雰囲気
大人の社会人、サラリーマンのシステマティックな部分を風刺するような描写も良いですね

「走る男」
近未来のマシンレースのチャンピオンが主人公
ずっと頂点に立ち続ける男の秘密をサイバーパンク(?)っぽく描いている
アニメ作品として、今でも色あせないどころか、現在でもじゅうぶんに鑑賞に耐えうるビジュアルが印象的ですね
内容としてもレースとしての迫力、主人公の能力、クラッシュシーンの描写、それぞれぜんぶ高クオリティと言わざるえない

「工事中止命令」
ジャングルの奥地で自立機械によって大工事がオートメーションで行われている場所へ、社命によりひとりの男が工事の中止を命令するためにやってくる
狂った機械たちによって暴走ぎみに工事が続く場所
人間は主人公ただひとり
工事中止の命令も現場のロボットは聞く耳もたず、あげくに妨害行為とまでとられてしまい、さらにはどんどんロボットたちは狂っていく、と
オチや世界観ともにいかにも大友克洋が関わりそうな作品ですね
最初はコミカル、だんだんとダーク、最後はシニカルな感じでおもしろい

という感じでショートアニメ祭が、おっさんひとりの中でかってに盛り上がってて申し訳ない
でも、ほら、なんとなく昔を懐かしむそんなお年頃ってことでご容赦ねがいたいです

個人的評価:85点
オススメ度:次はアレが、いやコレも捨てがたいと次々に頭に浮かぶなつかしアニメたち




迷宮物語 予告


迷宮物語 [DVD]
迷宮物語 [DVD]
posted with amazlet at 13.07.24
角川エンタテインメント (2008-04-25)
売り上げランキング: 14,449


2013年7月22日月曜日

MEMORIES (1995/日)

監督:大友克洋 / 森本晃司 / 岡村天斎
出演:磯部勉 / 山寺宏一 / 飯塚昭三 / 千葉繁 / 高島雅羅 / 堀秀行 / 羽佐間道夫 / 大塚周夫 / 阪脩 / 緒方賢一 / 大塚明夫 / 林勇 / キートン山田 / 山本圭子

3人の監督による3つの作品
それぞれおもむきの異なるオムニバスアニメ

「SHORT PEACE」を観たら、なんとなくこれを鑑賞したくなったわけで
というかこの中の一編である「最臭兵器」が観たかったわけで
個人的にこの「最臭兵器」はけっこう印象に残ってる作品で、「老人Z」と並んでふいに観たくなるんですよね

「彼女の想いで」
未来、宇宙空間のデブリを処理している作業員たちが乗る宇宙船が暗礁宙域から発せられるSOS信号を受信し・・・
なんというか「プラネテス」を思い浮かべざるえない設定だけど、内容的にはけっこうホラー要素もあって不思議おもしろい
単純にSF的なコンピュータでバーチャルなアレがナニして、っていうだけじゃない情念みたいなものも要素としてあるのが良いスパイスになってますね
短編なのにホントに濃密でギュっと中身の詰まった一本でした

「最臭兵器」
勤める会社で風邪薬の試薬と思って飲んだものが、実は開発中のとんでもないもので・・・
タイトルからしてバカっぽいコメディ作品で、それでいてそこまでコメディとして笑える要素もない
さらにバイオハザードものとしては地味すぎる・・・と、あまり良い印象がない出だし
しかし、だがしかし、後半にさしかかってアクションが展開しはじめるといっきに盛り上がる
こんなアホくさいものにノリノリで描かれるアクションだけでも観る価値はあるんじゃないでしょうか

「大砲の街」
敵に対して超巨大な大砲を撃つために作られた街で過ごすある一家の物語
しょうじきストーリーはどうでもいいかな
その独特のアニメとしてのタッチと世界観、1カットによる長回しという演出を楽しむ作品ですね
「火要鎮」と違って、なにかに挑戦しようという気概と内容がうまく合わさっているので、話じたいは印象に残らないけど作品としての存在感は大きい
だけどやっぱりストーリーもをもっとがんばってくれれば、個人的にもかなり好きな作品になったかも
「起承転結」の「起承転け」で終わっちゃってる感じが残念かな

というわけで、3つのオムニバスのバランスもとれてるし「MEMORIES」という作品としても楽しめる
「彼女の~」と「大砲~」の配置を入れ替えてもよかった気がしないでもないけど、まあ、これはこれで

個人的評価:80点
オススメ度:おっさんが昔のアニメを懐かしむ夏2013




MEMORIES 予告


MEMORIES [DVD]
MEMORIES [DVD]
posted with amazlet at 13.07.22
バンダイビジュアル (2003-10-24)
売り上げランキング: 10,094


SHORT PEACE (2013/日)

監督:大友克洋 / 森田修平 / 安藤裕章 / カトキハジメ
出演:早見沙織 / 森田成一 / 山寺宏一 / 悠木碧 / 草尾毅 / 田村睦心 / 浪川大輔 / 二又一成 / 檀臣幸 / 牛山茂 / 大塚明夫 / 置鮎龍太郎 / 春名風花

日本を舞台にした時代や世界観の異なるオムニバス
4つの個性的な物語で構成される

大友アニメの全盛期を彷彿させるアニメ映画、ってんで期待して鑑賞したんですが・・・
いや、それぞれつまらない、というわけではんだけど、「武器よさらば」以外の作品が「和」のテイストがベースになってることから全体的にバラエティ豊かな作品たちという感じが薄い
どっちかというと「武器よ~」だけが異色で、あと3つは「和」という意味で同類になってる感じでかたよってるかな、と

わかりやすくシンプルで昔話みたいな感じでまとまってる「九十九」、3DCGな雰囲気がじゃっかんナチュラルさにかけてるけど最初のエピソードとしては軟着陸でいい
で、次の「火要鎮」は浮世絵の世界が動き出したような映像と炎の描写が「だけ」が見所と言わざるえない
しょうじきエピソード的には「で?」って感じ
3つ目が「GAMBO」、ここで「なんか似たような「和」の世界観が続くな」とちょっと心に引っかかるものが芽生えます
話じたいは個人的に一番おもしろかったし、なによりガンボさんが最高にかっこよすぎ

で、最後がメイン(?)の「武器よさらば」
雰囲気からなにからまんま大友マンガっぽさがただよいます
荒廃した世界でのSFなんですが、けっこう今風なゲームっぽい描写もあって古くささはないですね
ただ、これといった目新しさはないかなあ
オチは読めるけど、なんとも懐かしい感じがして「ああ、こういうマンガ、昔けっこう読んだなあ」としみじみ

という感じでこの映画じたいはこれで終わりなんですが、なんというかホントに全体的な視点でみてバランスとってるの?といった印象が強い
とりあえずなんにも考えずに寄せ集めた、という感じがしないでもないんですよね
ひとつひとつの作品のクオリティはまずまずなんだけど、鑑賞後に「あ、え?終わりッスか」みたいな物足りなさがある、そんな一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:やだ、赤鬼さんガチロリコンじゃないですか



SHORT PEACE 予告

風立ちぬ (2013/日)

監督:宮崎駿
出演:庵野秀明 / 瀧本美織 / 西島秀俊 / 西村雅彦 / スティーブン・アルパート / 風間杜夫 / 竹下景子 / 志田未来 / 國村隼 / 大竹しのぶ / 野村萬斎

幼い頃から飛行機作りを夢見る堀越二郎
東京で設計を学ぶ中、魅力的な少女と出会い、同時に関東大震災にみまわれ・・・

ジブリ=子供向けという既成概念なんてクソくらえ、というスタンスはなはだしすぎるわ
そらちっさい子供は退屈で騒ぎだすのも分かる
一方で大々的な予告を流し続けた意味をきちんと理解し、どんな内容なのか分かって観にいく大人にとっては非常におもしろい作品でした
どことなく朝の連続テレビ小説っぽいイメージなものだと思ってればいいかもしれません
さらに技術者ものが好きな人にとっても楽しめる
個人的にはその両方の雰囲気は好きな方なので、けっこうおもしろく観ることができましたね

基本的には最初にヒロインとの出会いが描かれたあとは、しばらく時代と場所を細かく変えながらの飛行機作りとしての技術者ドラマが続きます
というかむしろロマンス成分より、物作りドラマ成分の方が多いかもしれません
そんな部分もお堅いだけ、人情ものだけ、ってわけでもなく夢をうまく使った幻想的な要素もたぶんにあるので展開にめりはりがあって退屈はしません

ただちょっと話じたいは淡々と進む、というかけっこう行間(幕間?)を読めないと難しい作りかな
油断してボーっとながめてると、「あれ?なんでこんな展開になってるの?」となっちゃうかもしれん
話的にはシステマチックによくまとまってるので、なんとなく分かりづらいと感じても、「つまらない」と思うより先に「もういちど観てもいいかな」と感じるかもしれません

そんな感じでとにもかくにも理系な技術者ものをガチガチな感じでなく、ほどよくやわらかく描いてくれた希有なアニメとしてひじょうに楽しめた一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:いや、ホント、これ子供には理解できないだろ




風立ちぬ 予告

2013年7月20日土曜日

紅の豚 (1992/日)

監督:宮崎駿
出演:森山周一郎 / 加藤登紀子 / 桂三枝 / 上條恒彦 / 岡村明美 / 大塚明夫 / 関弘子 / 阪脩 / 田中信夫 / 野本礼三

呪いにより豚の姿になった飛行艇乗りポルコ・ロッソ
空中海賊相手の賞金稼ぎをする中、エンジンの不調時にカーチスによって撃墜されてしまい…

昔に観た時は「豚が主人公とかさすがにねえわ」みたいに、なんかポルコがダサくて地味な印象しかなかった
ジブリ=子供向け(&萌え要素のある)キャラ作品と思ってたこともあって、ちょっと当時の個人的評価はイマイチだった
おっさんの豚がダンディに飛行艇にのってなんたら、くらいの記憶しかありませんでした
だけど、自分がおっさんになった今、改めて観てみると(あたりまえかもしれないけど)ちょっと違った印象を受けましたね

とりあえず主人公のポルコ、昔は「おっさんな豚」というキャラにその良さがまったく理解できなかった
かわって今、再び観てみるとけっこうポルコって子供っぽい感じにみえるから不思議
ダンディな素振りをみせても、勝負ごとやら女がらみのことには妙にガキっぽいリアクションしてるなあ、と
内容にしてみてもけっこうエンターテインメントしてて、深く考えずに世界観を楽しめる作品だったんだな、みたいに再認識せざるえない

ただストーリーはちょっと物足りないですよね
うっかり撃墜されちゃって、新しい機体を作ってもらう課程で出会いやらポルコの背景を描き、ラストにリベンジというシンプルさ
せっかく空軍をからめてきたんだったら、もっと大乱闘な飛行艇バトルシーンを観たかった気がしないでもない
空軍の大部隊VSポルコ(+カーチス・空賊連合)みたいな、キャラや陣営入り乱れてのクライマックスバトルとか盛り上がると思うんだけど

まあ、そういう意味では昔に抱いた印象も、今また観てみての印象も「ちょっと地味だよね」って感じかな
それでも前に観た時よりは確実に楽しめたとは思いますが
とりあえずは世界観と雰囲気重視な作品としてなら、じゅうぶんに楽しめた一本でした

個人的評価:75点
おすすめ度:人間に戻ってもさほどイケメンじゃない現実は良し




紅の豚 予告


紅の豚 [DVD]
紅の豚 [DVD]
posted with amazlet at 13.07.17
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント (2002-03-08)
売り上げランキング: 511


2013年7月15日月曜日

バーニー みんなが愛した殺人者 (2011/米)

監督:リチャード・リンクレイター
出演:ジャック・ブラック / シャーリー・マクレーン / マシュー・マコノヒー

テキサスの田舎町カーセージで葬儀社の助手として働くことになったバーニー
献身的な働きぶりからすぐに住民たちから愛される存在になった彼は、逆に町一番の嫌われ者マージョリーとかかわり合うようになり・・・

さすがにこの副題はないわあ
普通に「バーニー」ってだけでいい気がしないでもないけど、この映画がどんなものか明確にあらわすには仕方ない・・・のかなあ
実際、個人的にも葬儀社で働くバーニーという男の話、ってだけじゃイマイチつかみきれないしね
まあ、なんだ、とりあえず「おくりびと」みたいな内容だと良い意味で誤解させる邦題を考えつかなかったのかな

葬儀屋としてはもちろん、セールスマンとして、キリスト教信者として、他にも歌や演劇などの趣味の部分でも秀でた才能を発揮し、かつ住民たちにわけへだてなく優しい男バーニー
すぐにみんなに受け入れられ、さらに誰からも愛されるようになった彼は、富豪ながら町の嫌われ者マージョリーと関わり合うようになってから歯車が狂いはじめる
基本はバーニーとマージョリーについて、住民たちがインタビューに応える&自分たちの意見を主張するという描写によって構成されてます
つまりはドキュメンタリーチックな感じで、住民たちの思うところのバーニー像に合わせて描かれている、と

いちおバーニーやマージョリー自身で内面的なものをあらわす場面もあるけど、そこら辺はホントに最小限にとどめられている
常に観てる側にコメントをする人物たちからの情報が与えられ、そこにバーニーとマージョリーの映像が重なることで常に「観てるあなたならどう思う?」と選択肢が出てくる印象
その選択肢がかなりどうでもいいものから、けっこう重要なものまで多岐にわたっており、その積み重ねによって作品ができてます

そうしてすべてが終わったとき、バーニーについて、マージョリーについて、その他の登場人物について、この作品じたいについてどう答えをだすのかは観た人しだい、という感じ
絶対的な答えを出せないことすらひとつの答えになり得るだろうし、個人的に他にこの映画を観た人がどういう印象をもったかすごく気になるわあ
作品じたいはものすごく地味だし、合わない人にはとことん退屈なだけだろうことは否めないのが残念です
あと、どんな内容なのか伝わりづらいのもアレかもしれんね

さすがにここで「私はこう思いました」とか書くとネタバレを含めて、これから観る人に変な固定観念を与えちゃうかもしれないんでふせます
どっかに考察スレとかないかしら

個人的評価:85点
オススメ度:バーニー~ザ・未亡人キラー~




バーニー みんなが愛した殺人者 予告

モンスターズ・ユニバーシティ (2013/米)

監督:ダン・スキャンロン
出演:ビリー・クリスタル / ジョン・グッドマン / スティーブ・ブシェーミ / ヘレン・ミレン / ピーター・ソーン / ジョエル・マーレイ / ショーン・P・ヘイズ / デイブ・フォーリー / チャーリー・デイ / アルフレッド・モリー / ジュリア・スウィーニー / ネイサン・フィリオン / タイラー・ラビーン / オーブリー・プラザ / ボビー・モナハン / ノア・ジョンストン / ボニー・ハント / ジョン・クラシンスキー / ビル・ヘイダー / ベス・ベアーズ / ボブ・ピーターソン / ジョン・ラッツェンバーガー

モンスター世界、怖がらせ屋に憧れるマイクはモンスターズ・ユニバーシティと呼ばれる大学に入学する
怖がらせ学部で勉強するマイクは、才能にあふれた鼻持ちならないモンスターのサリーに出会い・・・

いろいろと評判はあるだろうけど、個人的には前作よりこっちの方が好きかな
インクは「楽しさ」を重視して、それこそホントに小さな子供にも分かりやすいシンプルな作り
で、こっちのユニバーシティはストーリーに重きをおいていて、おっさんでもけっこうおもしろいと思える内容になってますね
いろんな個性的なモンスターたちが登場し、ドタバタ騒ぎを展開するんで小さな子供たちも退屈はしないと思います

怖がらせ屋になるために大学に入ったマイク
そんな大学の怖がらせ学部で才能をひけらかす鼻持ちならないサリーと出会い、ライバル心をわかせつつ必死に努力して勉強をはじめる
怖がらせ学部の規律は非常に厳しく、試験にパスできない者は容赦なく即刻学部から追い出されてしまうのだった
という中での学園生活もの
ユニバーシティ単体とか、こっちを先に観てからってのも問題はないけど、インクを観てた方ががぜん楽しめる

「ここでそのキャラがでるのか」とか、「おまえそんな性格だったんかい」みたいなインクでのキャラを知ってるからこその要素がけっこうありますね
どうつながっていくのか、という点を気にしつつ前作と比較しながら観るのが一番たのしめる、かな
内容的にはマイクがメインになり、そこから大学生活、サリーとの出会い、つきあい、ちょっとした成長みたいなドラマ性が強めで、逆にアクション要素としての爽快さはそうでもない
頭からっぽで楽しめた前作のノリとちょい違うかも

ドラマ性うんぬんといっても、あまりシリアスになりすぎないように調整されてる感がある
それでも小さい子供にとって、この話ってついてこれてるのかな、と思わざるえない
いろんなモンスターたちのキャラ祭でキャッキャはできるけど、なんというか意外と単純な笑いの要素が足りない気がしましたね
実際、劇場内でもお客さんに小さな子供たちはたくさんいたけど、作中あまり笑い声をあげてる印象はありませんでした

前作と同じものを期待してるとアレですが、「これはこれ」として工場から外の世界に広がった開放感と個性的なモンスターたち、そしてマイクとサリーの関係&物語がおもしろかった一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:マイクさん、ナチュラルに犯罪しまくり




モンスターズ・ユニバーシティ 予告

モンスターズ・インク (2001/米)

監督:ピート・ドクター
出演:ビリー・クリスタル / ジョン・グッドマン / ジェームズ・コバーン / ジェニファー・ティリー / ボニー・ハント / メアリー・ギブス / スティーヴ・ブシェーミ / ボブ・ピーターソン / ジョン・ラッツェンバーガー / フランク・オズ

モンスターたちが暮らす世界では人間の子供をおどろかせることで、それをエネルギーに変換して生活していた
そんなエネルギー工場で働くマイクとサリーは、ある日、同僚の悪だくみから禁忌である人間の子供をモンスター界に連れ込んでしまい・・・

しょうじきユニバーシティを観るつもりはなかったんですが、前作であるインクがTVでやってたので「どうせならシリーズ連続で観てみようじゃねえの」と、まんまと広報的な戦略に引っかかってみました
個人的に意外だったのが、こういう作品の主人公っておちこぼれっぽいのが多いのに、マイクとサリーはかなりのやりてだった点
あと、ダブル主人公とはいえ実際にはマイクがメインの内容かと思いきや、ちゃんとふたりとも活躍の機会があって丁寧に作ってるな、と感じましたね

ゲームやテレビによって子供たちは刺激に慣れ、あまりモンスターたちのおどろかしが利きにくくなってきている現状の中、それでもマイクとサリーのコンビは順調にエネルギーを集めていた
そんなふたりをライバル視する同僚が、こっそり時間外にエネルギーを集めている現場に偶然居合わせてしまったサリーは、不可抗力ながら人間の子供をモンスター界に連れ込んでしまう
モンスター界では人間の子供は危険視されており、触れることすらタブーなために大混乱におちいっていく、と
まあ、そんな中でモンスターであるマイク&サリーと人間の子供ブーの間に絆がなんたら、って感じの作品ですね

とりあえず難しい話や裏事情は必要最小限にとどめ、分かりやすく&観てて爽快なノリとテンポをだいじに作られてるのが分かります
この流れを断ち切るような説明シーンなんか入れるくらいなら、多少は強引でもご都合展開を選んでるという印象で、それがギリギリのところでバランスを崩してないからいいですね
おっさん的な視点で観れば「もっと設定を掘り下げて・・・」とか、「ちょっと説明不足じゃねえの」とか思わなくもないですが、ホントにギリギリ痛かゆいレベルの問題におさまってる

クライマックスのジェットコースターアクションのように、本編もとにかく足をとめずに緩急をつけつつ走り抜ける爽快さ重視の作品で「楽しい」という部分を大切にしてると感じられる一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:でもリアルなお子さま描写はカンベンな




モンスターズ・インク 予告


モンスターズ・インク [DVD]
ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント (2007-06-20)
売り上げランキング: 55


2013年7月14日日曜日

サイレントヒル: リベレーション (2012/仏・米・加)

監督:マイケル・J・バセット
出演:アデレイド・クレメンス / キット・ハリントン / ショーン・ビーン / キャリー=アン・モス / マルコム・マクダウェル / マーティン・ドノヴァン / ラダ・ミッチェル / デボラ・カーラ・アンガー

夢の中、サイレントヒルと呼ばれる謎の場所で、恐ろしい怪物に襲われことをたびたび経験する少女ヘザー
ついには現実世界においても唐突にその世界が蝕んできて・・・

前作の無印版はゲーム原作の映画としてはかなりよくできていて、ホントにホラーとしても「元がゲームだから」とかネガティブなイメージが感じられない個人的に好きな作品
で、このリベレーションですが・・・うーん、ホントに「どうしてこうなった」としか言いようがない
映像的な見た目はグロくってダークで深みや厚みがあるホラー、なんですけどね
とにかく展開が一本調子で話を素直にとりあえず映像化して垂れ流しました、という印象しかない

物心つかないほど幼い頃にサイレントヒルから抜けだし、当時の明確な記憶がないままに父と暮らす少女ヘザー
父も娘も名を変え、住む場所も転々としてきた生活の中、ヘザーは新たな学校で元の名を知る謎の中年男性につきまとわれる
同時にサイレントヒルの悪夢も頻繁にみるようになり、現実世界にもフラッシュバックのように恐怖が浸食してくる・・・
設定や話じたいは原作つきだけあってよくできてるんですが、ホントに見せ方がいちいち一本調子
「え、この設定ってもっと盛り上げつつ展開した方がいいんじゃないの?」って素人でも思うくらい「とりあえず説明しましたよ」的にあっさり右から左に流されていきます

ホラーとしての要素も同じくベルトコンベアよろしく事務的に描写されるだけで、良い意味での胸を圧迫されるみたいな緊張感のかけらもない
おどろおどろしいクリーチャーたちも同様で、画面としてそのシーンだけくりぬいて見る分にはすっごい怖そうにみえるんですが、実際に動いてる場面としてはゲームのムービーシーンをみてる感覚に近い

ストーリー、設定、美術、雰囲気、クリーチャー、それぞれの素材はかなりレベルは高い
そんな高級食材の調理のしかたが壊滅的にダメすぎて、けっきょく出来上がったモノがガッカリな代物でした、と言わざるえない一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:普通にゲームをプレイしてた方が楽しめるわ




サイレントヒル: リベレーション 予告

総天然色少年冒険活劇漫画映画 ハルヲ (2005/日)

監督:アオキタクト
出演:相元ゆうき / 箱森ゆめ / ニシカワヨシト / 磯部たかし

あるヤクザの組事務所を荒らして逃走をはかるハルヲ
その組に雇われていたバウンサーのハクはハルヲと因縁浅からぬ間柄で…

正確には映画というより短編アニメなんですが、細かいことは気にしない方向で
ひとりで作り上げた3DCGアニメーション作品ですが、「ひとりで作った」とかそこら辺は色眼鏡でみないように鑑賞
しょうじき映像的にはしょぼさマックスと言わざるえない
それでも内容としてのまとまりはけっこうよくて、世界観も個人的に好みなこともあって、見た目はアレだけど作品じたいは楽しめました

口はかなり最悪なくらい悪いけど、なんだかんだ困った人をほっとけない悪ガキのハルヲ
そのハルヲが荒らしたヤクザの事務所に雇われていた用心棒、バウンサーのハクはハルヲと見知った間柄でふたりは対峙することになる、というお話
戦争、義体、偏見、そこら辺が語られつつハルヲの生きざまとその戦いを描いていってます

アニメーションとしての動き、見た目はホントにカックカクだしローポリだし、技術面での見た目重視で観るとガッカリするでしょうね
だけど個人的にはそんな外見的なアレより内容面でのおもしろさがあったのでけっこう満足感はありました
このての作品って、説明しきれないのわかりきってるのに自己表現を抑えず、なんか風呂敷を広げまくって投げっぱなしで「どやぁ・・・」みたいな自己満足作品になってるのが多い印象がある
だけど、そんな悪い面がまったくない、とは言えないけどこの作品はわりとまとまりはいいと思います

とにもかくにも短編ものなんで合う合わないを気にせず、こういう作品はガンガン観ていくにかぎりますね

個人的評価:75点
オススメ度:同じ世界観の劇場長編もあるのか

2013年7月12日金曜日

プラネット・テラー in グラインドハウス (2007/米)

監督:ロバート・ロドリゲス
出演:ローズ・マッゴーワン / フレディ・ロドリゲス / マーリー・シェルトン / ジョシュ・ブローリン / マイケル・ビーン / ジェフ・ファーエイ / ステイシー・ファーガソン / ナヴィーン・アンドリュース / ブルース・ウィリス / マイケル・パークス / レベル・ロドリゲス / カルロス・ガラルド / ジェリリ・ロメオ / トム・サビーニ / エレクトラ・アヴェラン / エリーズ・アヴェラン / スキップ・ライシッグ / クエンティン・タランティーノ / デレク・サザーズ / ハン・ニュイエン / フリオ・オスカル・メチョーソ / ニッキー・カット / ジェイソン・ダグラス

解体屋レイと元恋人のチェリーは偶然出会った店から車を走らせる
その途中、謎の集団に襲われ、町にもその奇妙なゾンビのような集団があふれはじめていた

「デス・プルーフ」の方は観たんだけど、そのまま長期間熟成させていたDVDを引っ張りだしてきてこの作品を鑑賞することに
おいしそうな方は後にとっておくめんどくさい性格がアレして、けっきょく今まで観る機会を逸してるってんだからバカっぽいですね
まあ、しょうじき同じ感じな理由で積んでるDVDなんざ高層タワーのごとしなんですが・・・とか、そんなことはどうでもいい

町に謎のガス兵器がまかれ、それをあびた人がまるでゾンビのようになってしまう
さらに感染者の暴力衝動によって噛みつきなどによって体液を介して他者へも感染拡大していく
解体屋でありながらライフルを自在に操るレイ、その元恋人で感染者によって右足を奪われたチェリーはパニックになる町で保安官たちとともに、ゾンビと戦いながら感染していない者たちと逃避行を続ける
いわゆるゾンビものなんだけど、その感染が拡大する経緯やらなんやらを含めて意外とストーリーはしっかり作られてる・・・と思う

と、なんとも煮えきらない言い方になるのは、この作品自体が「昔の映画っぽいテキトーさ」を再現してるからにほかならない
映像的なノイズは基本として、ストーリー展開の強引さ、ご都合主義さ、つじつまの合わなさ、すべて昔の映画らしいテキトーさを再現してますね
その「テキトーさ」が良い方に作用してるからホントにおもしろい
「多少強引でもこっちの展開にした方がおもしろいだろ」という方へどんどん流れていく感じ
そんなだから細かいツッコミどころ満載なのに、その場その場ではおもしろいから多少のことは気にならない
逆にそんなツッコミどころさえ味になってる気がしないでもないかな

公開当時、予告とか宣伝とかみてたかぎりの印象として、片足がライフルになった姉ちゃんがセクシー&バイオレンスに敵を撃ちまくる・・・みたいな内容かと思ってたけどそうでもないんですね
どっちかといえばレイが主人公だし、この姉ちゃんがバトルのも「え?こっからやっと?」ってくらいのところからだし
そういう意味で全体的に刹那的おもしろさを追求して、観る側の予測する内容を良い意味で外し続ける作品でしたね

個人的評価:85点
オススメ度:マチェーテはフェイク予告を忠実に再現した方がおもしろかったんじゃなかろうか




プラネット・テラー in グラインドハウス 予告


プラネット・テラー プレミアム・エディション [DVD]
ジェネオン エンタテインメント (2008-03-21)
売り上げランキング: 16,074


2013年7月8日月曜日

ダークスカイズ (2013/米)

監督:スコット・スチュワート
出演:ケリー・ラッセル / ジョシュ・ハミルトン / ダコタ・ゴヨ / ケイダン・ロケット / J・K・シモンズ

失業中の男ダニエル、その妻レイシー、息子のジェシーとサミーが暮らす家にある夜、侵入者の痕跡が見つかる
そして次の夜もきちんと戸締まりしていたにもかかわらず侵入の跡があり、さらに一家を不可思議な現象が襲いはじめる

あれですかね、やっぱりこの手の内容の作品ってコンスタントに作り続けられていくものなんですかね
それにしてみても、もうちょい工夫というか「この映画だからこそ」というものがあってもよかったかな、と
内容的にかなり古くさくてありきたり
作りは丁寧で観てる間の緊張感はあって作品としての完成度は高い、んだけどストーリーの今さら感は否めない
感覚的に150円とかワンランク上な自販機の缶コーヒーを飲んでる気分・・・と、いつものように分かりづらいたとえですね

ある夜、家の冷蔵庫が荒らされる事件がおこる
次の夜もちゃんと戸締まりをしたはずなのに、まるでなにかを誇示するかのように家の中にオブジェクトが作られていた
それから家の中の物がなくなったり、子供がナニかを視たりと不可思議な現象が次々に一家を襲う
夫の失業問題、夫婦感の意見の対立などから家庭環境もどんどん悪化していき・・・という話
いったいこの一家に何が起こっているのか?系のホラー・・・になるのかなあ
ビックリ系な感じでそうでもないんで、ビビリな人や心臓が弱くてもけっこう大丈夫

逆に言えばそう怖い内容でもないってことで、見所と言えばそつなく手堅く作られてるって点くらいかな
そこそこの緊張感があり、それなりに伏線もはられて回収もされ、ラストもそれなりにそういうことだったのか感を味わえる普通な映画ですね
個人的にはアメリカンなファミリーらしい「正体が分かってなお物理的手段で対抗しようとする」登場人物たちが素敵でよかった

個人的評価:70点
オススメ度:AVを恋愛のバイブルにしちゃダメぜったい




ダークスカイズ 予告

2013年7月7日日曜日

ワイルド・スピード EURO MISSION (2013/米)

監督:ジャスティン・リン
出演:ヴィン・ディーゼル / ポール・ウォーカー / ジョーダナ・ブリュースター / ミシェル・ロドリゲス / ドゥエイン・ジョンソン / タイリース・ギブソン / クリス・"リュダクリス"・ブリッジス / サン・カン / ガル・ガドット / エルサ・パタキー / ルーク・エヴァンス

ショウ率いる国際的な車を扱う犯罪集団
そこに死んだと思っていたかつての恋人レティの姿があることを知り、ドムは再び仲間を集めて対決の準備をはじめる

いい感じで前作のノリを継承してくれて、かなり安定して楽しめるアクション映画になってますね
まあ、ここまでくると前作もそうだけど初期の「ワイルドスピード」っぽさはないのは仕方ない
変にこだわって4みたいな作りで迷走されるより、もう吹っ切ってなんでもありな今の状態がベストかもしれんね
とりあえずストーリーとかどうでもいいのはいつも通りで、前作を観といて「昔の死んだはずの恋人が生きてる?」ていどの知識をもってれば十分
欲を言えば3も観といた方がより楽しめるかもしれないけど

ショウが率いる車を扱った凄腕犯罪集団に対抗するため、同じ穴のムジナであるドムに声がかかる
ショウの仲間のひとりに死んだと思ってたドムのかつての恋人の姿があったことから、ふたつのチームの激突は避けられないものになり・・・という流れ
うん、ま、ホントにそこら辺のストーリーとかどうでもいいんで、ぶっ飛ぶカーアクション&筋肉バトルを存分に楽しみましょう

とりあえず今作ではけっこう楽曲と場面のシンクロ具合がいい感じでしたね
暴走する車とテンションの上がる楽曲、スタイリッシュなアクションとサウンドが相乗効果で盛り上がらざるえない
反面、どうしてもドラマ部分としてストーリーを追うパートの退屈さは否めない
作品として最低限のストーリーは描かないとしょうがないだろうけど、どうしてもアクションシーン以外が眠気をさそう
それなりに体を動かすシーンと口を動かすシーンのバランスはとってるけど、それでも口を動かす場面が増えてくると途端に睡魔が襲ってくるわあ

あとはじゃっかん、ホントにじゃっかん車率より筋肉率が高くなってきて、どんどんオーソドックスなアクション映画化してきてる気がしないでもない
それでもじゅうぶんにアクションものとしては楽しいんで、なにも考えずにバンバンガンガンやりまくりな内容に身をゆだねておけばいいでしょう
恒例の最後のオマケ映像も今回は個人的に今までで一番興奮できたし、シリーズファンは前作に続いて今回も大満足なデキだと思います

個人的評価:85点
オススメ度:ブライアンさんが筋肉率に埋もれて影がうすく・・・




ワイルド・スピード EURO MISSION 予告

容疑者Xの献身 (2008/日)

監督:西谷弘
出演:福山雅治 / 柴咲コウ / 北村一輝 / 松雪泰子 / 堤真一 / 渡辺いっけい / ダンカン / 真矢みき / 品川祐 / 長塚圭史 / 金澤美穂 / 益岡徹 / 林泰文

ある殺人事件の容疑者として被害者の元妻が有力視されるものの、彼女には完璧なアリバイがあった
その元妻の隣人である数学教師と昔なじみの物理学者の湯川は独自に事件を追いはじめる

「真夏の方程式」を観にいきつつ、実はこっちは未鑑賞だったといういつものにわかっぷりを露呈せざるえない
けっこう名作と言われる作品ですが、先に真夏~を観ただけにしょうじき期待は薄かった
だけどさすがにというかなんというか、世間的な評価がわりと高いだけあっておもしろかったですね
ドラマとして、ロマンスとして、ミステリとしてバランスの良くって、観ててじゃっかん先が読めるかな?と思わせつつ次々に話や場面が展開していくさまはまったく飽きない

つきまとう元夫を思わず娘といっしょに殺してしまった女
その隣人である石神は荒そう物音からその部屋を訪ね、殺人の隠滅をする指示を母子に与える
その石神は希代の物理学者である湯川をもって天才と言わしめる数学者だった
石神の指示はことごとく警察の捜査を手玉に取り、ほどよく怪しまれながらも完璧なアリバイによって母子は守られるが・・・、と
そこで探偵役の湯川さんがあれこれしつつ真相に近づいていくミステリの王道展開
最初から犯人が分かっているコロンボ形式ですね

メインは石神と加害者の女とのドラマ部分で、またその石神役のキャラというか演技っぷりがとてつもなくハマってる
話が進むにつれて石神の行動や思惑が見えてくる、そう思わせる伏線も秀逸でシンプルなトリックの重ねがけではあるけどミステリとしてもけっこう楽しめる
ちゃんと最後には「そうだったのか」と思わせてくれるポイントも用意されているし、それをふまえてのドラマとしても申し分ない完成度

あとこれは本来あまり言うべきじゃないかもしれませんが、ガリレオのドラマ二期を観てた時にも感じたけど、この作品までのガリレオ一期で原作的な意味でのおもしろい話は消化しきっちゃってるんじゃなかろうかと個人的に感じる
原作を読んだことないんで的外れな意見かもしれないけど、どうにもドラマ二期から真夏~のエピソードはイマイチな気がしないでもない
真夏~はまだおもしろいけど、ちょっとこの容疑者Xのヒットが逆に足かせになって、作りに余裕がなくなっちゃったのかなとも後から思える

とにもかくにも、この作品のおもしろさが偶然の産物じゃないってのを今後のガリレオシリーズに期待したい、とか生意気に言うのもアレかもしれんね

個人的評価:90点
オススメ度:原作小説に手を出すべきか




容疑者Xの献身 予告


容疑者Xの献身 スタンダード・エディション [DVD]
ポニーキャニオン (2009-03-18)
売り上げランキング: 214


2013年7月3日水曜日

ポテチ (2012/日)

監督:中村義洋
出演:濱田岳 / 木村文乃 / 大森南朋 / 石田えり / 中村大樹 / 松岡茉優 / 阿部亮平 / 中村義洋 / 桜金造

どこかとぼけたところのある空き巣の常習犯である今村
ある日、あこがれのプロ野球選手である尾崎の部屋に忍び込むと、そこで気になる留守電を聞いてしまい・・・

最初はそうでもなかったけど、出演作を観るうちにどんどんその魅力に個人的にハマってきた濱田岳のキャラがマッチしすぎてる内容の作品ですね
どこかとぼけててコミカルな印象を受けるんだけど、なんかそれだけじゃない底の深さみたいのを感じられる濱田岳さん
そのキャラと話が相互作用で絡み合って非常におもしろい映画になってますね
なんでもない、だからなんだって話なのに気持ちよい笑顔で鑑賞することができる変な(褒め言葉)魅力のある作品

ことあるごとに慕っている同業者の黒澤を呼び出す空き巣の今村
彼は黒澤の情報であこがれのプロ野球選手である尾崎の部屋に、結婚はしてないもののつき合っている女性の若葉と忍び込む
そこにちょうどかかってきた留守電メッセージが気になった今村は尾崎の代打として行動にでる
かなり話的には短い尺の作品ですが、そのまとまりというか伏線のはりかたが秀逸

主人公のとぼけてて天然な不思議ちゃんなキャラも魅力的だけど、よくよく考えればけっこうすごい奴なんじゃねえのかとも思える
そんな主人公以外の主要登場人物である兄貴分の黒澤、若葉のキャラもかなり良い味をだしてますね
かといってバカバカしいキャラクター祭的な映画っていうほど単純じゃなく、全体的に物静かに展開する場面に「何かある」みたいなものをずっと感じさせて緊張感もあります

そして伏線がどんどん回収されていく中で、なんとなく主人公のことを理解でき、そこからラストに流れていく「そこまで大きな何かではない」ことに自然と笑顔にならざるえない

個人的評価:90点
オススメ度:学校で習う常識的なことに自分で気づくすごさ




ポテチ 予告


ポテチ [DVD]
ポテチ [DVD]
posted with amazlet at 13.07.03
アミューズソフトエンタテインメント (2012-10-26)
売り上げランキング: 12,853


2013年7月1日月曜日

ハングオーバー!!! 最後の反省会 (2013/米)

監督:トッド・フィリップス
出演:ブラッドリー・クーパー / エド・ヘルムズ / ザック・ガリフィアナキス / ジャスティン・バーサ / ケン・チョン / ヘザー・グラハム / ジェフリー・タンバー / ジリアン・ビグマン / サーシャ・バレス / ジェイミー・チャン / ジョン・グッドマン

父親の死をきっかけに問題ばかりおこすアランを施設に入れることになる
その道中につき合うことになったフィル、ステュ、ダグだったが、謎のトラックに襲われ・・・

ホントになんでこのシリーズが日本ではいまひとつパッとしないのか不思議すぎる
という私も一作目は二作目を劇場で観るために後からDVD鑑賞したんですけどね
とりあえず1、2と観てきた人にとっては間違いなく最高に楽しめる3でしたね
いまだにこのシリーズを観たことなくて、ちょい過激なコメディに抵抗ない人ならこれを期に1、2、3といっとくべき
ただ今作はシリーズの総仕上げみたいな完結編のノリでできてるんで、過去作を観てること前提のつながりで作ってあるので注意
さすがにこの3からいく人はいないだろうけど、これ単体ではまったく楽しめません

シリーズファンなら分かるだろうけど、あまり出だしとかも書くのも楽しみを奪うことになっちゃうんで割愛で
まあ、アレだ、いつものノリだろってくらいの心構えでのぞめばOKですわ
とにもかくにもここまでシリーズを追ってきた人だからこそ楽しめる、そんな内容になってます
チャラそうで一番まともなフィル、永遠の空気よめないウザキャラのアラン、そしていじられ貧乏くじナンバー1のステュのドタバタっぷりを堪能しましょう

んで、ここまで私が持ち上げてるんで、「いつも以上にすっごい楽しめると思ってたのに・・・」と実際に観にいった人はクライマックスで思うでしょうね
いやあ、しかし、それでいいんですよ
個人的にもクライマックスを迎えて話がまとめに入ったら「おもしろい・・・けど、まあ、このての完結編ってのはこんなもんだよな・・・」って思いましたし
そう、そう思っていいんですよ

日本ではなんで外国のコメディが受けないのか
アクション大作みたいな派手派手なのを好む人は多いのに、ホントに残念だわあ

個人的評価:100点(シリーズファンなら)
オススメ度:さすがに動物虐待しすぎだろ




ハングオーバー!!! 最後の反省会 予告

俺俺 (2012/日)

監督:三木聡
出演:亀梨和也 / 内田有紀 / 加瀬亮 / キムラ緑子 / 高橋惠子 / ふせえり / 岩松了 / 中谷竜 / 小林きな子 / 渋川清彦 / 森下能幸 / 少路勇介 / 岡野真也 / 町田マリー / 佐津川愛美 / 松重豊 / 松尾スズキ

出来心から盗んでしまった見知らぬ男の携帯、そこにかかってきた持ち主の母親相手にオレオレ詐欺をしてしまう永野
ある日、永野のアパートの部屋に詐欺相手の母親がおり、自分のことを本当の息子のように言いだし・・・

自分のことを息子だと言い張る詐欺相手の母親、逆に本当の母親は自分のことなど知らないという
そして、増殖する「俺」たち
と、なんともいえないシュールな不思議系コメディかと思ってたんですが、意外にもけっこう増殖する部分の怪しさあたりを力入れて描いててシリアス要素が強い
逆にコメディ部分というか、たぶん笑ってほしいと思って挿入されるギャグシーンのことごとくがビックリするくらいつまらない
なんだかよく分からないカオスっぷりを描いておいて、「観た人どうしで語ってみてよ。ほらほら・・・」という作り手の思惑が露骨すぎて、素直に自分の意見を言いたくないデキなのがアレかもしれんね

主人公、永野均のオレオレ詐欺からはじまり、自分と同じ顔の大樹という男が本当の母親のもとで息子として暮らしていた
一方で、自分は大樹の母から実の息子と思われてしまう
大樹と均は冷静にことのしだいを考えると、どうにも原因は不明だが均のコピーとして「俺」がいるんじゃないかと結論づける
そこに第三の「俺」であるナオが現れ、さらにプライベートでも謎の女に変な仕事を紹介されたり、その女の夫から理不尽な暴力をふるわれたり、なにかみんなが自分のことを見ているように感じる、と日常がどんどん非日常へと変化していく、と
しょうじきなんでこうなったのか、という部分は忘れてカオス展開をありのまま楽しむのが正しい鑑賞方法かもしれません

基本的な考えとか好みなんかは同じ「俺」たち
だけど微妙に個性がことなっていて、さらに増殖するたびにどんどんオリジナルに比べて「これじゃない感」が強くなっていく
最初は状況を楽しんでいたものの、さすがに気持ち悪くなっていくってのもお約束
だけど、そこはそれ基本的な考えの部分は同じもんだから、気持ち悪く思うのも共通しちゃうのがミソ、なのかな
で、そっからの終盤にむけてのシリアスっぽい展開についていけない人も多いと思いますね

とにもかくにも中途半端に哲学的で、コミカルで、シリアスで、ミステリーで、サスペンス、そんなテキトー感が本来なら心地いい作品・・・なんだろうね
「あのシーンって」とか色々と引っかかる部分が多く、鑑賞後にみんなでわいわい考察してほしい・・・んだろうね
確かにそんな感じであとから意見をだしあうタイプの作品も嫌いじゃないし、この映画もそうつまらなくはない
だけど、個人的にちょっと露骨に引っかかる部分を配置してるのがイヤかな
あとはギャグのつまらなさが大きく足を引っ張ってる気がしないでもないのと、日本の映画作りにおいて仕方ないのかもしれないけど主演はもっと個性的な顔立ちの方がいいだろって感じなもったいない一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:究極の投げっぱなし映画かもしれんね




俺俺 予告