2013年11月30日土曜日

11月のこれ一本

母さん、今年も冬がやってきます
また師走がせまってきているのです
僕の心がどんどんささくれ立っていくのが分かります
優しい人になりたい
そう思うそばから「めんどうくさい」と人につらくあたってしまいます

「ペコロスの母に会いに行く」
この映画を観ても
どんなに音楽で潤しても
僕の心はすぐに渇いてしまうのです

そんな感じで

2013年11月25日月曜日

BAYONETTA Bloody Fate (2013/日)

監督:木崎文智
出演:田中敦子 / 園崎未恵 / 浪川大輔 / 沢城みゆき / 玄田哲章 / 高木渉 / 若本規夫

天使を狩る記憶を失った魔女ベヨネッタ
主神ジュベレウスの復活が目前に迫る中、教団のバルドルが姿を現す

ゲーム版はプレイ済み、ってことでいろいろと思い入れはあるんですが、とりあえずストーリーを追うことに力を注ぎすぎて、ベヨネッタらしい俗っぽさというか、ふざけた部分が物足りなかった気がしました
シリアスなところを抽出してうまくまとめてる感じ
しかもかなり無難な作りになっていて、しょうじき無難すぎて退屈になってるのも否めない、かな

主人公の魔女ベヨネッタと、敵のボスであるバルドルとの戦いを軸にジャンヌやルカ、ロダン、セレッサなどのキャラがからんでくる
流れ的には天使と戦い、ほかのキャラと絡んでいくうちに徐々にベヨネッタの過去と記憶が明らかになり、同時に敵の目的があらわになっていく、と
戦闘シーンの迫力は申し分ないんだけど、話をまとめるためにどうしても説明セリフが多くなっちゃってますね
そんな口を動かすシーンが始まると眠たくなるのはいたしかたないのかなあ

個人的に気になったのはBGMの使い方、オーケストラとか使ってわりと真面目にバトルシーンを描いているのはいいけど、そればっかりだと「なんか違う」と言わざるえない
アフターバーナーみたいな、ああいうくだけたBGMを使用したシーンがもっとあってもよかったんじゃないかと
でもラストバトルとかけっこう良かったですね
ああいう感じなシリアスな中にも妙にふざけたところがあると個人的に「ベヨネッタらしい」と思うんですが・・・思い出補正もあるかもしれんけど

そんな感じでストーリーはけっこうちゃんとまとめているので、作品としては安心して観られる一本でした
もうちょいスタイリッシュクレイジーな方が好みでしたが

個人的評価:70点
オススメ度:トーチャーアタックにしびれるわあ




BAYONETTA Bloody Fate 予告

2013年11月24日日曜日

PERSONA3 THE MOVIE #1 Spring of Birth (2013/日)

監督:秋田谷典昭
出演:石田彰 / 豊口めぐみ / 鳥海浩輔 / 田中理恵 / 緑川光 / 能登麻美子 / 田の中勇 / 沢城みゆき

寮生活をすることになった結城理
ある満月の夜、不思議な化け物に寮が襲われる

ということでペルソナ3
個人的に無印からFESまでプレイしてきましたが、ざっくりとした感想としてはゲームの進行をうまくまとめてる感じかな、と
主人公がしゃべるにしてもゲームの雰囲気を壊すことなく、うまく描けていると思います
逆に言えば「ああ、そんなシーンあったなあ」「そうそう、そんな展開だった」という思いだけにとらわれがちかもしれません

寮生活をすることになった結城は、深夜0時をまわると出現する謎の時間帯に遭遇する
同じくその時間帯に活動できる寮の仲間とともに、出没するシャドウと呼ばれる謎の存在と戦うことになる
銃のような召喚器を用い、ペルソナと呼ばれる力を具現化し戦う結城たち
そして、満月の晩、強大な敵が出没する
と、ようするに敵と味方をあわせた設定の説明がメインになっている作品ですね
敵については多少の解説はあるものの、しかしながら肝心のペルソナについてはちょっと説明不足なんじゃないかな

P4のアニメ版やペルソナシリーズのゲームをプレイしたことあるのがじゃっかん前提でないと、ちょっと分かりづらい気がしないでもない
内容的には印象としてバトルがメインになってる感じで、仲間とかのドラマが薄味なのは否めない
特にサブキャラとのからみはなく、仲間との絆みたいな部分もストーリーとして描いているほど深まっている気がしないんですよね
話の流れとして絆みたいな「仲間」という点を描いてはいるんだけど、なんとなく「描きました」という表層的なもののような感じ

それでもクライマックスのペルソナどうしが連携するバトルとかは燃えるし、主人公の性格が変わっていく様子も一作目としてきっかけみたいな部分がよくでてて良かったですね
個人的にはやっぱり主人公の初ペルソナ顕現が一番のクライマックスだったかな
あとは時間軸をねじまげて無理に人気キャラをからめてこなかったのは正解かもしれませんね
時期的にまだ先の登場となるキャラはいちお顔見せで出てくるけど、そんなもんにしといてよかった感じ

というわけで、ゲームのファンゆえにあまくなるけど、仲間どうしのギスギス感も良い感じだし、先が楽しみな一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:この中二病くささがいいんだよ




PERSONA3 THE MOVIE #1 Spring of Birth 予告

2013年11月18日月曜日

マラヴィータ (2013/米・仏)

監督:リュック・ベッソン
出演:ロバート・デ・ニーロ / ミシェル・ファイファー / トミー・リー・ジョーンズ / ダイアナ・アグロン / ジョン・ドレオ

ノルマンディーの小さな町に引っ越してきたある一家
一見ふつうな家族だが、父親は何者かに命を狙われており母や姉弟の凶暴性もふくめなにやら秘密を抱えているのだった

明らかに悪事について慣れっこな一家が、日常生活の中でその凶暴性を時折むきだす様子がひじょうにおもしろくて、しょうじきそれだけのコメディ映画として作ってもよかったんじゃなかろうか、と思う
そんなスーパーパワフルな一家を楽しんでいたのに、なんか尻すぼみになってる印象が強いですね
そこまでがかなりはっちゃけた展開なのに、最後の方だけやけに映画的な展開という意味で普通に描いちゃってて、けっきょく「なんかもの足らない、かな?」という感じ

なにやらマフィア的な裏がありそうな一家が、平和な田舎町に逃げ隠れるように引っ越してきて暮らし始める
なんとか目立たずに暮らすことを基本としながらも、ちょっとしたことですぐに凶暴性が表に出て騒ぎをおこす様子をコミカルに描いてます
いちおそんな暴走一家を抑制するためのキャラも出てくるけど、ボケに対するツッコミよろしく笑いを大きくするためのエッセンスにすぎない

ストーリーとしても主人公のパパンの自叙伝やらなんやらで一家の抱える問題も見えてくるし、一家を守るような存在のキャラたちの立場も見えてきて飽きません
ただ、翻訳の問題なのか作品じたいの説明がアレなのか、日本人には分かりづらい文化の違いなのか判別できませんが、大元になった「なんで一家は狙われるようになって、なんでスタンスフィールドと一家がこんな関係になってんの?」って部分が分かりづらい
なんとなくは説明台詞とかあるんだけど、それでも個人的な問題なのかもしれないが、本編を観てるだけではよく分からなかった

あとはクライマックスの展開はアクションとしてはまっとうな展開なんだけど、あまりに普通すぎる気がしましたね
もっとブチ切れた一家がはちゃめちゃに大暴れするものかと思ってただけに「なんかやけに皆おとなしいのね」という感じ
姉弟でスタイリッシュガンカタしたり、ワンちゃんがナイフをくわえて無双するくらいのことしても個人的にはOKだったんですが・・・
そんな感じでおもしろいことはおもしろい・・・んだけど、もうひとつなにか物足りなさも感じる一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:最後の一言、そこはファックだろ




マラヴィータ 予告

風俗行ったら人生変わったwww (2013/日)

監督:飯塚健
出演:満島真之介 / 佐々木希 / 松坂桃李 / 中村友也 / 山中聡 / 藤間宇宙 / 穂のか / 駒木根隆介 / 上原実矩 / 阿部進之介 / 山田真歩 / 谷村美月 / 金田哲 / 諏訪太朗 / 菅原大吉 / 佐藤二朗

29歳、童貞、元ニート、コミュ障、吃音、緊張すると過呼吸になる遼太郎
変わりたいと願う彼は意を決してデリヘルをたのみ、そこで理想的な女性であるかよと出会うのだった

あれだろ?ちょっと前に流行った「電車男」みたいなやつだろ?と誰でも思うよね
実際に自分もそんな映画だと思って観てたんですが、ね・・・
詳細はネタバレになるからアレだけど、まさに「そうきたか」という作品でした
だけどなんていうかスッキリした感じはなくて、ある意味でかなり反則ぎみな内容な気がしないでもない
これだけは言えるけど、根が真面目な人には絶対に合わない作品でしょう

典型的なキモヲタっぽい主人公の遼太郎は、そんな自分を変えたいとデリヘルをたのむ
そこへ現れた女性、かよは彼にとってまさに理想的な存在だった
ただ一点、風俗嬢であるということをのぞいて
それでもかよに恋してしまった遼太郎は頻繁に指名を繰り返し、やがてプライベートで会うようになり・・・
というダメ男と風俗嬢のロマンスコメディ、という流れになってますね

ギャグのシーンはとことんバカバカしく描かれていて、それでいて全体的にテンポもいいんで、生きてる世界とキャラが違いすぎる男女のロマンスコメディとしてはありふれた内容ながら笑える部分も多いしじゅうぶんに楽しめます
で、楽しいのは楽しいんですが、そこはやっぱりありふれた感じは否めず、ストーリー的にもいまいちパンチがなくて、「ああ、おもしろいけど、ドラマチックさが足りないなあ。ま、このまま軟着陸して終わりだろう」と思いました

そんな風に感じる点までは多分みんな一緒だと思う
だけどこの映画はそこからがホントの始まり、ホントに描きたかった部分がスタートするわけで・・・
その終盤の展開にしょうじき私も最初は「は?なんじゃこりゃ。ついてけねえよ」と冷めた目で見てました
そこで「あ、そう・・・。そんな作品にしたかったのね」と思えるかどうかが楽しめるか否かの分かれ目でしょう

でもこれ、真面目に観てる人ほど気づきにくいんじゃないかなあ
とりあえず原作とか知らないんで、元々こういう作りなのか判別できないけど、ホントにギリギリ一般受けしそうな体で引き込んでおいて・・・って感じだから反則くさいんですよね
なんとなくやりたいことは分かるけど、怒ったり呆れたりするほど負の印象はないんだけど、鑑賞後のスッキリしなさだけは確かな一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:これピザーラの印象悪くなるだろ




風俗行ったら人生変わったwww 予告

タイガーマスク (2013/日)

監督:落合賢
出演:ウエンツ瑛士 / 夏菜 / 哀川翔 / 良知真次 / 勝信 / 宮地真緒 / 遠藤久美子 / 辻よしなり / ビッグ村上 / 金山一彦 / 温水洋一 / 平野綾 / 釈由美子

児童養護施設の遠足で動物園にきていた少年、伊達直人
謎の声に導かれ、虎の穴という闘士を育成する地下組織に入ることになり・・・

人は時として目に見える地雷原にすすんで足を踏み入れなければならない
というわけで、まあ、明らかに「Vシネでやれ」レベルの臭いがぷんぷんしてるし、実際に観た人の感想もけっこうなガッカリっぷりでしたが、だがあえて私はこれを観る
あえてちゃんと劇場に足を運んで金を払って観る
なんてたいそうな覚悟完了ぐあいで鑑賞したんですが、なんというかクソ映画耐性があるからかどうか知らんけど、意外や意外にそこまで悪い作品じゃなかったかなあ、と
むしろじゃっかん楽しんでました

経営危機でもう閉鎖も眼前な児童養護施設で暮らす少年、伊達直人
ある日、遠足で動物園にきていた彼は虎からテレパシー的な謎の声を聞く
場所のヒントもないままに謎の男が待つ場所にたどりついた直人は、特に深く考えたり疑ったり恐怖したり、施設の関係者のことを気にしたりする様子なく虎の穴に入る
そして虎の穴でも自らの境遇について特になにも考えたり感じたりすることなく、超絶怪しい場所で最強の闘士として厳しく訓練される日々に順応していくのだった
という導入部分ですが、かなりご都合主義で強引ですね

いちお自分のやってることに疑問を持つシーンはあるんですが、それはかなり時間がたってからで、「気づくのおせえよ」とツッコミもめんどくさい
というか、これを観ててツッコミ入れようなんて無粋
「そういうもんだ」というクソ映画を観る生やさしい気持ちがあれば、そんなことは些細な問題にすぎない

アクションシーンもよく動いてる特撮ヒーローレベルで、どうにもしょぼさは隠しきれない
というか「タイガーマスクってプロレスものだよね?」という考えじたいは捨てましょう
これは完全に特撮の変身ヒーローものです
ぶっちゃけ仮面ライダーの亜種です

それでも無理して大作を目指していなくて、元からかなり志が低めで作られてる感じなために、強引に背伸びして作った映画のようなダメさは薄いですね
無理してCGを使いまくったり、無駄に豪華なキャストにしたり、とりあえず壮大な展開にしたり、という無茶をしてないのが目も当てられないクソ映画になるのをふせいでくれてる感じ
個人的には「クソ映画として覚悟して観れば、まあ、そう悪くはない」という印象
だけど、さすがにラスボスのしょぼさは擁護できんわなあ

個人的評価:60点
オススメ度:なにげに続編とか作るなら普通に観たい




ターガーマスク 予告

2013年11月17日日曜日

悪の法則 (2013/米)

監督:リドリー・スコット
出演:ミヒャエル・ファスベンダー / ペネロペ・クルス / キャメロン・ディアス / ハビエル・バルデム / ブラッド・ピット / ブルーノ・ガンツ / ディーン・ノリス / ナタリー・ドーマー / ゴラン・ヴィスニッチ / トビー・ケベル / エドガー・ラミレス / ロージー・ペレス / リチャード・カブラル / ジョン・レグイザモ

ある弁護士が金の都合をつけたくて裏社会と関わりあうことに
そんな時、彼のクライアントが裏社会の組織とトラブルに巻き込まれ、弁護士は仲間もろとも組織から嫌疑をかけられる

偶然(?)とは言え完全にトラブルに巻き込まれた主人公がどうなっていくか、という話だと理解するまでしばらくかかりましたね
個人的な理解力がアレなのかもしれませんが、ホントに序盤は「主人公がなにかヤバイ裏の仕事に手を染めようとしている」ってだけで、あとはセックスとしがない会話劇で退屈きわまりなかった
だけどやっと事態が動き出してくると、どんどん加速度的におもしろくなってきます

知人を通して大金を都合つけるために裏社会と関わる覚悟を決める主人公の弁護士
仲買人とも接触し、すべては順調にいってるかと思われたが、本来の仕事である弁護士としてのクライアントが殺されたことから事態は急転する・・・
ようするに事件に巻き込まれた主人公が組織から命を狙われてさあ大変、ってストーリー
で、その組織ってのが殺しすら生ぬるい手段ですらない、という超絶冷酷無慈悲っていうね
そこらのアクション映画のように銃撃戦のすえにかろうじて逃げ延びられる、とかそんなレベルじゃない絶望感が主人公にじわじわと迫る様を描いてます

とりあえずホントに序盤の展開が他愛もない、というと過言かもしれないけどそれくらいとらえどころのない会話劇で退屈でしたね
そんな描写が鑑賞後には「だから、あんな分かりづらい描き方したんだ」と理解できなくはない
けど、やっぱり退屈なもんは退屈
とりあえず主人公がどうなって、事態がどうなっていくのか、ってのがホントにつかみづらい
それでもやっと事情が見えてくるといっきにおもしろくなってくる

で、いよいよ盛り上がりも最高潮ってところで、ね・・・
個人的にもそうでしたが、多くの人が鑑賞直後「は?」ってなるんじゃないですかね
そして、そのまま「なに、このクソ映画・・・。意味わかんねえ」と思ってこの映画を評価する人がいる、ってのも容易に想像できます
だけど、個人的にはかなりスルメっぽい印象で、鑑賞後にじわじわくる不思議な魅力があった一本
人を選ぶ作品とはよく言う表現ですが、そんな言葉の10倍は人を選ぶ映画でした

個人的評価:80点
オススメ度:どことなく北野武作品っぽいような気がしないでもない




悪の法則 予告

ペコロスの母に会いに行く (2013/日)

監督:森崎東
出演:岩松了 / 赤木春恵 / 原田貴和子 / 加瀬亮 / 竹中直人 / 大和田健介 / 松本若菜 / 原田知世 / 宇崎竜童 / 温水洋一 / 穂積隆信 / 渋谷天外 / 春風ひとみ / 根岸季衣 / 長澤奈央 / 大門正明 / 佐々木すみ江 / 正司照枝 / 島かおり / 今井ゆうぞう / 長内美那子 / 志茂田景樹

サラリーマンとして働きながら音楽とマンガもやるペコロス岡野こと中年男、岡野雄一
雄一は息子とともに認知症の母の面倒をみながらともに暮らしていた

辛気くさくなるばかりの認知症ものを笑い飛ばせ、という単純なものでもなく、きちんと見せるべきところは真摯に描いていてよかった
ようするにしんみりするばかりでなく、かといって認知症についてバカにするコメディってわけでもない、泣きと笑いのバランスが秀逸で、登場人物たちそれぞれの思いに心地よく感情をゆさぶれる内容でした

中年でハゲ頭の雄一は、働きながら合間合間にギター片手に弾き語りをし、マンガも描いていた
そんな雄一の母は夫を亡くしてから、すっかりとボケが進行してきてしまっている
そんな母の認知症からくる日常生活をポジティブに変換して笑いをさそいつつ、母を愛する雄一の心とどんどんボケていってしまう母の交流を描いてます
オレオレ詐欺を認知症ゆえにギャグのように華麗にスルーする母ちゃんとか、ハゲネタとか全編にコメディ要素がふんだんにちりばめられています

かといって認知症というものを小馬鹿にしてるわけじゃなく、母のことを本気で想っているゆえに前向きに生活している雄一がいるからこそ笑える、って感じ
同じ認知症に悩む登場人物やら、雄一のプライベートな部分やら、その他の部分で単純に笑える部分も多い
そんな中でも母ちゃんの過去がよみがえる形で描写される思い出から、それがスイッチになって現在に影響がでるシーンとかシリアス部分もしっかりと描かれているから良い

時に気が滅入りがちな認知症をテーマにした作品ながら、そんな中でも気負うことなく存分に笑って泣ける、そんな一本でした
というか認知症ものというより、親子の想いを描くドラマみたいな部分の方が強い、かな

個人的評価:85点
オススメ度:ハゲネタがあまりにリアルすぎて共感しまくり




ペコロスの母に会いに行く 予告

2013年11月11日月曜日

2ガンズ (2013/米)

監督:バルタザル・コルマキュル
出演:デンゼル・ワシントン / マーク・ウォールバーグ / ポーラ・パットン / ビル・パクストン / ジェームズ・マーズデン / フレッド・ウォード / エドワード・ジェームズ・オルモス

ボビーとスティグのコンビは麻薬王の金を狙って銀行強盗を画策する
計画は順調に進むものの、ボビーとスティグそれぞれにとって予想外の出来事が待ち受けていた

すかした雰囲気とはまた違う意味でのスタイリッシュバディアクションですね
とにかくテンポを重視した作りになっていて、グゥっと胃を締め付けてくるような描写は避けてる感じ
どんなダークな展開になろうと、ホントにスパッと気分を切り替えて次のシーンがはじまります
そんな流れに身を任せ、頭を空っぽにしてヒャッホーと楽しむアトラクションみたいな作品でした

ボビーとスティグのコンビは麻薬王パピに殺された知人のとむらいに、組織の金を奪ってやろうと銀行強盗を企てる
そんなふたりではあったが、実はボビーとスティグにはそれぞれ異なる裏事情があった
そんな中で実行に移される銀行強盗だったが、ふたりにとって思惑と違う出来事がおこる
まあ、そんな感じで大金に群がっていろんな組織が入り乱れる中、ボビーとスティグの立場も微妙になりつつ、結局はコンビを組んでみんなまとめて相手になってやるぜ、って内容ですね

ボビーとスティグ、それぞれの立場から裏の背景がじょじょに見えてきて、関わりのある各組織が乱闘しつつふたりにとって共通の戦いが見えてきて一緒にバトる、と
物語の風呂敷の広がりから、ふたりがコンビを組むまでの流れがヌルすぎずシリアスすぎず、ちょうどいい塩梅で観ててストレスも退屈もなくていいですね
流れ的にはしょうじきよくある感じなんですが、陰謀を画策する者たちも単に金を追う者たちも、みんながみんな頭悪い感じでおもしろい

雰囲気的に知的な立場のキャラもいるけど、その実はけっきょくみんな乱闘バカで、最終的には力こそパワーに収束する頭悪い作り(ほめ言葉)が心地よい
いろいろと策をめぐらせつつ、まあ、でも銃をぶっぱなして解決するのがいちばん手っとり早いぜ、ってね
そんな感じで最初から最後まで突っ走るアクションで、本当に爽快なデキになってます
良い意味で鑑賞後に何も残らないスッキリ感が持ち味で、色々とめんどくさい感情を洗い流してくれる気持ちのよい一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:3ガンズとか安易な続編は勘弁ねがいたい




2ガンズ 予告

ルームメイト (2013/日)

監督:古澤健
出演:北川景子 / 深田恭子 / 高良健吾 / 尾上寛之 / 大塚ちひろ / 筒井真理子 / 螢雪次朗 / 田口トモロヲ

交通事故にあった春海は、そこで出会った気の合う看護師の麗子とルームシェアするこにする
しかししばらく暮らすうちに、麗子の行動や言動にどこか怪しい部分が見えはじめ・・・

私は分からなかったけど、勘の良い人ならすぐに大まかな事情が分かるんじゃないのかな
それくらい序盤からけっこう伏線ははってあるし、見せ方もそれなりに工夫されてます
だけど、なんというかストーリーにしてみても全体的に「それなり」感が否めないんですよね
おもしろい、確かにおもしろいんだけど、1から10まであまりにきちんと順番立てて描いてるせいで、観ながらちょっとずつ先が読めてしまうのがもったいない
これってテレビドラマシリーズでやった方が受けるんじゃないのかな

交通事故にあい、怪我のせいで仕事も続けられず一人暮らしなこともあって経済的な問題に悩む春海
そこへ病院で知り合った気の合う看護師の麗子からルームシェアしないかと持ちかけられる
春海は麗子はともに暮らしながら、事故の加害者である工藤とも関わりを持つようになる
そんな中、徐々に麗子の行動に明らかに異質なものが見えはじめる
という同居人がサイコさんだった?みたいなお話
プロローグからして事件が起こるのは分かりきってるんで、もうはじめっから麗子の怪しさは全開ですね

観てるうちにどんどん「ああ、またこういう系統の話なのね」とありきたり感にゲッソリしてくるけど、それでもちょっとずつひねた要素もあるんで退屈するまではいきませんでした
伏線やミスリードなど話の練り方は良い、と思うんだけど、なんでだろ?ホントに「ほほう・・・」「そうきたか」みたいな感じにならないから不思議

すべてを順序立ててオチまできちんと描いてくれるので、そういう意味では王道なスリラーとして楽しめます
なんだけど、全体的に「それなり」感がまとわりついてるんですよね
印象として「どっかで観たことある傑作スリラーの模造品」という感じ
もちろん、この作品のマネだっていう決定的な根拠はないんで、あくまで個人的な印象ということでひとつ

個人的評価:70点
オススメ度:ミ、ミルクちゃん・・・




ルームメイト 予告

2013年11月10日日曜日

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語 (2013/日)

監督:宮本幸裕 / 新房昭之
出演:悠木碧 / 斎藤千和 / 水橋かおり / 喜多村英梨 / 野中藍 / 加藤英美里 / 阿澄佳奈

同じ中学に通うまどかたち4人の少女は、夜な夜な出没するナイトメアと呼ばれる存在と戦う魔法少女であった
ある日、転校生であり魔法少女であるほむらを仲間に加えるが、彼女は今の日常に違和感をおぼえていた

噂みたいなものは耳に入ってきてはいたけど、なるほどこれは賛否両論ある内容でしたね
最初こそこの新編から入る人向けの、設定だけを流用した番外編というかリブートものかと思ったけど、ちゃんとした続編になってました
続編ということで前後編で描かれた物語の対比としてあるものかどうか分かりませんが、いろんな意味でぶちこわしてくれておもしろかった

学校のそして魔法少女としての先輩マミを中心に、まどか、さやか、杏子たち4人は人を蝕むナイトメアと呼ばれる存在と戦っていた
そこへ転校生として新たな魔法少女ほむらを加えることになる
ほむらはまどかたちと関わっていくうちに、どこかこの現状について違和感をおぼえはじめ、微かな予感と記憶をたよりに調査をはじめる
といった感じではじまります
最初こそ理想的(?)な魔法少女(戦隊)ものっぽい感じで、続編っていうか再構築みたいなのかな、とも思える展開になってましたね

まあ、そこからどういう流れになるか、ってのはネタバレ回避のために詳細はなしに
だけどこれだけは言えるけど、紛れもなくこれまでの話の続編になってます
それも普通に続きとして作られているため、「この映画から観ても大丈夫じゃね?」みたいな気持ちで鑑賞するとまったくついていけないでしょう
というか、これを観る人はたぶんみんなテレビシリーズなり、劇場前後編なりチェックはしてるかな
あと、私みたいに劇場前後編だけ観て、テレビシリーズは未見な人でもちゃんと楽しめます

とにもかくにも途中で訳が分からない部分を抱えつつも、終盤では「なるほど、そういうことね」とちゃんと理解できるような作りはさすが
そこからオチに向けて「あえてそっちにいきますか」という流れは個人的にはアリ、かなと
とりあえずちゃんとした続編でありながら、観るも観ないも、あったことにするもなかったことにするも、受けてしだいってな感じに作られてる印象がしました
この新編を受け入れず、まどかマギカという作品は前回までで完結している、という取り方もじゅうぶんにアリ

個人的には新編は楽しく観られたし受け入れられましたし、あえてこういう作りにしたのもおもしろいと感じた一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:そこまで深く考察せず、描かれてるままに受け取ればそれが答えなんでしょうね




劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語 予告

清須会議 (2013/日)

監督:三谷幸喜
出演:役所広司 / 大泉洋 / 小日向文世 / 佐藤浩市 / 鈴木京香 / 妻夫木聡 / 伊勢谷友介 / 坂東巳之助 / 剛力彩芽 / 篠井英介 / 中村勘九郎 / 浅野忠信 / 寺島進 / 阿南健治 / 松山ケンイチ / でんでん / 市川しんぺー / 浅野和之 / 染谷将太 / 瀬戸カトリーヌ / 近藤芳正 / 中谷美紀 / 戸田恵子 / 梶原善 / 天海祐希 / 西田敏行

織田信長の亡き後、その行く末について一同が集まって会議が行われることとなる
そこで織田家を支える立場として柴田勝家と羽柴秀吉が火花を散らし・・・

真面目で武骨ながら古くさい勝家と、八方美人でお調子者ながら時代の先を読む改革者な秀吉という両極端な男たちがぶつかるドタバタコメディ・・・ではなかったですね
勝家にしてもけっこうなバカっぷりを露呈するし、秀吉にしてもけっこう抜けてる面をあらわにしてる
そこに個性豊かな登場人物たちが画面を騒がしてはいるんですが、しょうじきコメディとしてはじけてる部分が弱い
歴史ものゆえにあまりふざけたことができない、のかもしれないけど、なんか思ったより普通の時代劇だったかな、と

織田信長が亡き後の世継ぎをめぐって対立する柴田勝家と羽柴秀吉、それぞれに肩入れする者たちを巻き込み、男たちと女たち、それぞれの会議の場を舞台にした刀を用いない戦がはじまる
というシリアスな展開の裏でバカ騒ぎをする内容かと思いきや、要所要所にギャグはちりばめられているものの、全体としてみればマジメな作り
ゆえにじゃっかんの地味さは否めなく、この内容的に「三谷作品だから」と観にきた若い世代は楽しめたのかなあ

個人的にはとりあえず話のテンポが悪く感じたのがまずひとつ
そして、もうひとつは勝家と秀吉のダブル主人公はいいんだけど、どうにもどっちにも感情移入できなくて作品的にブレてる印象がしました
どうせならもっと思い切ってどっちかひとりを中心に、もう一方は悪者として扱うくらいにやってくれた方が集中して楽しめたかも
もしくは信雄や忍者が出てくるシーンみたいなバカ丸だしなコメディで全体を統一してくれてもよかった

それでも会議が終わったあとの終盤の男と女の本音ぶっちゃけ展開がおもしろかったのが救い
特に松姫&お市の女性陣の描写は役者さんの演技も相まって、かなりしびれるものがありましたね
と、「笑い」を主として求めて観た個人的にはイマイチだったけど、「歴史もの」「時代劇もの」として観ればまた違った楽しさがあったかもしれない一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:忍者の眼力芸で爆笑してたのは劇場で私だけというのが納得いかない




清須会議 予告

2013年11月9日土曜日

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編] 永遠の物語 (2012/日)

監督:宮本幸裕 / 新房昭之
出演:悠木碧 / 斎藤千和 / 水橋かおり / 喜多村英梨 / 野中藍 / 加藤英美里

魔法少女という仕組みを知るうちに、キュゥべえに騙されていたと感じるまどか
一方、ワルプルギスの夜という桁違いの魔女が街を襲う日が近づいていた

そんなわけで後編を鑑賞することに
前編でもチラっと感じたけど、ダークファンタジーという雰囲気ながら、なんていうか理系の香りが強くするんですよね
ストーリー運びとか数式のように論理的に構築されているというか、きっちりはっきり組み上げられたプログラムみたいというか、うまく言えないけどそんな感じ
理系の出の自分としてはかなり分かりやすい内容でしたし、あまたの魔法少女ものの根元となるような作りで、ターンAガンダムの真逆を描くような話は楽しめました

次々に友人や知人の魔法少女が命を落としていく中、それにつれて魔法少女という仕組みについて知っていくまどか
結果的に自分たちはキュゥべえに騙されて利用されていただけと思い至る
残る魔法少女であるほむらの謎も明らかになる一方、街を強大な魔女が襲う日、ワルプルギスの夜が近づいていた
現状の魔法少女の戦力では心許なく、まどかにいよいよ魔法少女になるか否かの選択が迫られる
と、しょうじき前編では「主人公?」って感じもしなくもなかったまどかがキチンと主人公として描かれている後編でした

話的にはだいたいの謎が解決した上で「で?すべてが分かった上で、この現実をどうする?」という流れがおもしろかった
計算されたストーリーについて解を得たことで、それをもとにどう行動していくか、かなり興味深く観ることができました
ほむらを通して様々な展開を見せることで、ホントに「おいおい、これどうすりゃいいのよ」という盛り上がりの演出が良いですね

クライマックスからラストにかけても、パッとみた感じではぶっ飛んでるような気もしないでもないけど、ちゃんと頭の中で整理した上で作品として表現できていることはすごいと思う
カオスな流れながらも個人的に非常に分かりやすく感じられました
そして、これの続編(?)としての新編についても、どうなるのかまったく予想できなくて今から観にいく時を楽しみにしたいと思います

個人的評価:85点
オススメ度:いろいろと裏設定もありそうですなあ




劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編] 永遠の物語


劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編] 永遠の物語【通常版】 [DVD]
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2013年11月8日金曜日

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語 (2012/日)

監督:宮本幸裕 / 新房昭之
出演:悠木碧 / 斎藤千和 / 水橋かおり / 喜多村英梨 / 野中藍 / 加藤英美里

中学生の少女まどか親や友達と幸せな日々を送っていた
しかし、ある日、不可思議な世界で魔女と魔法少女の命をかけた戦いに遭遇し・・・

おっさんが観る今時の魔法少女アニメ
ってことで、まあ、キモイと言われるの覚悟でいい年ぶっこいた中年がはやり(だよね?)の魔法少女アニメを鑑賞です
熱心なファンの方もたくさんいるでしょうし、あんまり変なことを書くといらん角がたつ気がしないでもないけど、そこは「チッ、このおっさん分かってねえなあ」という広い心でスルーしていただけると幸いです
と、大人は予防線をはって生きていく、勝手をやりつつなるべく責任を回避したい生き物なのです

主人公の中学生、まどかは謎の生物(?)キュゥべえと出会い、現実とは思えない不思議な世界で魔女と魔法少女との戦いの場に遭遇する
友人のさやかと共にまどかはキュゥべえから魔法少女として契約をきりだされる
なんでもひとつ願いを叶える代わりに魔女と命をかけて戦う魔法少女になる気はないか、と
願いを叶えられることは魅力的ながら、命をかけるまでの願いが見つからないゆえに、まどかとさやかは先輩魔法少女マミと行動を共にすることにする
まどかのことだけでなく、一連の不思議な出来事について知っているような謎の転校生少女ほむらと関わりながら、深い悲しみに満ちた現実に翻弄されていく
という感じのお話

魔法少女として大活躍でウェーイ、っていう内容じゃなく、前編だけを観るかぎり「魔法少女とはどういうものか」っていう部分を知っていく物語になってましたね
主人公もここで魔法少女になるのか、と思いきやならないっていうやりとりが何回か繰り返されつつ、じょじょに魔女と魔法少女についての裏側が見えてくる、というダークファンタジーみたいな感じ
後編まで観てないんでなんともいえないけど、たぶん「魔法少女になる(ならない)」という部分を描いた作品なのかな

テレビシリーズは未見ですが、それほど総集編みたいな感じはしなくて、けっこうしっかりつなぎ目は消してあるんじゃないのかな
ただ、尺的にやっぱりというかなんというかちょっと無理が見て取れるのも否めない
特にエピソードというか「これを描きたい」という核となる部分を大事にして作られているため、ストーリーを作り上げることが主になってる印象がしました
主人公に感情移入して作品に没入する、っていうのではなく、完成された世界を「見せられている」という感覚

設定、ビジュアル、キャラクター、どれをとっても個性的でおもしろい・・・と思うと同時に個人的に、あくまで”個人的に”だけど「なんかどっかでみたことあるなあ」と頭のすみで感じる部分があるんですよね
「あ?どこで?いつ?みたんだよ?」と聞かれると答えられないですが・・・ホントに感覚的にそう思えるってことでひとつ
ってなわけで、話も良いところで終わっちゃたし、後編をちゃんと観た上で今やってる新編も鑑賞してみたいですね

個人的評価:75点
オススメ度:なんか妙に存在感のあったまどかの家族は今後からんでくるのかなあ




劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語


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2013年11月4日月曜日

42 世界を変えた男 (2013/米)

監督:ブライアン・ヘルゲランド
出演:チャドウィック・ボーズマン / ハリソン・フォード / ニコール・ベハーリー / クリストファー・メローニ / アンドレ・ホランド / ルーカス・ブラック / ハミッシュ・リンクレイター / ライアン・メリマン

1945年、アメリカのメジャーリーグ、ドジャースの会長リッキーは球界の慣習を破るべく黒人選手との契約を実行にうつす
生半可ではない逆境が待っていることを考慮し、選ばれたのは若さとタフさをそなえたジャッキー・ロビンソンであった

人種差別な社会の中で周りは偏見による敵ばかり、という環境で時に傷つき時に絆を築きながら黒人ベースボールプレイヤーとしてうんぬん・・・と、まあそんな想像に難くない内容
だけど、思ってた以上にザ・ベースボールな内容になっていて、差別という苦難に折れそうになりながらも・・・みたいなドラマ主体なものを期待してるとイマイチしっくりこないかも
あとはやっぱりというかなんというか、球団のある地方における黒人に対する考えや、そもそもメジャーリーグそのものに対する知識は必要かもしれません
野球に興味ないけど単純に差別ものとして泣ける系を観たいってなると、ちょっと難がある作品かも

ドジャースの会長リッキーによって黒人野球のチームから、3Aのチームであるロイヤルズの選手として契約を持ちかけられる
リッキーから前途多難なのは目に見えているが、やられてもやりかえさない勇気を持てとジャッキーは言われる
その言葉を守って何を言われようとされようと自尊心をもち、野球のプレイで自分の存在をしらしめようとする
という内容・・・というか、もう誰もが思ってる通りなストーリーですね

しかし実際の内容はけっこう差別の部分の表現にえぐみがないため、特に3A時代においては「うん?こんなもんか?」と思えました
ま、日本的な陰湿ないじめ表現は薄いってだけで、描かれている差別的な描写はけっこうひどいですけどね
で、観ているうちに気づきますが、これけっこう野球ファン、とりわけメジャーリーグファン向けな作りになってる感じがしました
個人的にメジャーどころか野球の知識もそんなないんで、感覚的なことしか言えないけど、そんな球界の知識を持ってる人が観ればかなり楽しめると思います

それゆえに普通に感動や泣き要素だけを期待してみると、ちょっと物足りない感をおぼえるかもしれません

個人的評価:80点
オススメ度:右の頬を打たれたら左の頬を出すガッツ




42 世界を変えた男 予告

劇場版 SPEC 結(クローズ) 漸(ゼン)ノ篇 (2013/日)

監督:堤幸彦
出演:戸田恵梨香 / 加瀬亮 / 竜雷太 / 北村一輝 / 栗山千明 / 有村架純 / 載寧龍二 / 岡田浩暉 / 松澤一之 / 香椎由宇 / KENCHI / 遠藤憲一 / 渡辺いっけい / 三浦貴大 / 向井理 / 大島優子 / 神木隆之介 / イ・ナヨン / 浅野ゆう子 / 福田沙紀 / 城田優 / 田中哲司 / 安田顕 / 真野恵里菜

警視庁公安第五課、通称ミショウの当麻と瀬文は謎のキーワード「シンプルプラン」の存在を知る
一方、異能力者スペックホルダーの存在を中心に、謎の組織や人物たちの暗躍が顕著になってきて・・・

とりあえず漸ノ篇とはよく言ったもので、ホントに潔いくらいぶつ切りな前編でした
そこら辺は作り手も意識したゆえの今回のシメ方なんでしょうが、これはまた色々と賛否両論ありそうですね
SPECらしいといえばらしいですが、しょうじき一本の映画作品としては超邪道と言わざるえない
そこら辺はなぜ「沈まぬ太陽」をリスペクトできなかったのか

異能力者スペックホルダー
それを抹殺するキーワード「シンプルプラン」
そして人類全体に関わる「ファティマ第3の預言」
まるで神のように振る舞う謎の男セカイ
セカイと行動を共にする謎の白い女
人の世を設計する謎の巨大な裏組織
そんな中でスペックホルダーの抹殺を阻止するために戦うミショウの面々
とりあえずすべてを片づけるために、いちど風呂敷を広げなおしてみた、ってのがこの漸ノ篇かもしれませんね

いちお新要素もあることはあるけど、印象としてはこれまでのおさらい感は否めない
逆に言えばこれまでの話をそこまでしっかり自力でチェックしなおさなくても、この漸ノ篇で説明してくれるからついていけるといえば良い点になるかもしれませんが
これは個人的な意見ながら、やっぱりこの内容だったら翔みたいにテレビスペシャルでやった上でラストは劇場で、ってのが良かったんじゃなかろうか

さすがにこれだけで劇場に足を運ばせるってのは、一本の映画作品としてちょっとひどいかなあ
内容の評価にしてみても、これだけじゃホントになんとも言えないってところで終わっちゃってるしね
あるていどキレイに人類としては完結し、後編ではエピローグみたいな感じで精神的な話になると個人的に思ってただけに残念な一本でした

個人的評価:50点(暫定)
オススメ度:いや、まあ、うん、そりゃ最後まで劇場でつきあうけどさ




劇場版 SPEC 結(クローズ) 漸(ゼン)ノ篇 予告

2013年11月3日日曜日

大統領の料理人 (2012/仏)

監督:クリスチャン・バンサン
出演:カトリーヌ・フロ / ジャン・ドルメソン / イポリット・ジラルド / アルチュール・デュポン / ジャン=マルク・ルロ / アルリ・ホベール

フランス領の南極基地へ取材にきたオーストラリアのスタッフが、男ばかりのそこで働く女性料理人に興味をよせる
実は彼女、ラボリはかつてフランス大統領専属の料理人だった

田舎から出てきた普通の(でもないか)おばちゃんが、いろいろとマナーのうるさい高貴な場所で奮闘、と言えばもう逆境コメディもののジャンルのひとつ
そんなジャンルのひとつ、としては十分に楽しめる作品でしたが、なんというかそこから突き抜けるプラスアルファがちょっと足りなかったかな、と
強気なおばちゃんの姿や大統領の笑顔、作られる料理の本当においしそうなビジュアルはよくできているんですが、それほど強烈に記憶に残る映画としての「何か」は残念ながらあまり感じられなかったですね

田舎からいきなり呼び出された一介のおばちゃんが、大都会のパリ、しかも官邸で大統領専属の料理人になってよと唐突に言われる
男社会の主厨房で働く面々には良い顔にされないながらも、ラボリの食べる相手を思う料理の数々はしっかりと大統領の胃袋を虜にしていく、と
官邸でのしきたりやら昔から働く古株シェフとのストレスもなんのその、料理に対する愛情とパワーで今日も元気にレッツクッキン
という過去パートと南極での料理人としての現在パートが交錯する作りになってますね

官邸パートでは日々チャレンジの精神で料理を作り、周囲の雑音はありながらも着実に大統領の信頼をえていく
だけどまあ、官邸内で力をつければ反動として雑音もどんどん巨大になっていくわけで
そんな中で戦い、調理する主人公の明るさを含めたキャラが非常に魅力的に描かれてますね
もちろん、すべての料理もかなり魅力的
一方での南極パートでは「なんか訳アリで大統領の料理人を辞めた」という雰囲気の中でのその後の物語みたいな感じですかね

で、わざわざそんな過去と現在を描いてるのに、なんともそこら辺の融合した部分のドラマが弱い気がしないでもない
過去は過去、現在は現在で普通におもしろいけど、それが合わさったことによるおもしろさの部分が感じられない
もうちょっとあざとい感じでドラマチックな仕掛けを用意しててもよかったんじゃないかな、とじゃっかん物足りなさの残る一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:大統領の言うシンプルでも庶民としては高級感をおぼえざるえない




大統領の料理人 予告