2013年8月31日土曜日

8月のこれ一本

んなわけで夏の大作映画シーズンも終了間近ですが、振り返ってみれば「特にこれといったもんはねえな」と身も蓋もない感想しか浮かばないけど、なんかどっかに敵を作りそうなので言わないでおきますね
そうは言っても今月は「エンド・オブ・ウォッチ」とか意外なところからおもしろい作品に出会えたのも確か

ようするに金をかけて派手に宣伝してた作品ほどアレだったと…いや、なんでもない
他には個人的にほぼ期待してなかった「少年H」もけっこう楽しめましたし、DVD作品としては「シリアル・ママ」「リトル・ランボーズ」という当たりもあって、なんだかんだでそこそこ豊作だったのか?と思えなくもない
それだけ大作と言われる…んなところで今月はこれにて
また来月

2013年8月30日金曜日

シリアル・ママ (1994/米)

監督:ジョン・ウォーターズ
出演:キャスリーン・ターナー / リッキー・レイク / サム・ウォーターストン / マシュー・リラード / メアリー・ジョー・キャトレット / ジャスティン・ウェイリン / パトリシア・デュノック / ミンク・ストール / スザンヌ・ソマーズ / スコット・モーガン / ウォルト・マクファーソン

サトフィン家は明るい母親のもと、ごくごく普通な平凡家族・・・に見えた
しかし、ママのビバリーはキレると危ないとんでもない性格で・・・

好きな映画監督は誰ですか、と聞かれたら「邦画なら塚本晋也、洋画ならジョン・ウォーターズ」と個人的に答えざるえない
ってなわけで、最近になってやっとDVD(ブルーレイ)化してくれたこの作品を観なおすことに
VHS版を大事に保管してましたが、ブルーレイ版を購入してとりあえず現状では将来的な保存の意味でひと安心ですね
まあ、しょうじき映像的にはDVDでじゅうぶんな気がしないでもないけど、そこはお布施ということで

日常生活においてちょっとしたストレスでも異常なまでにキレるビバリー
最初こそ隣人に対する(それでもいきすぎた)イタズラていどだったのだが、ある日、とうとう許せない要素の畳みかけにあって殺人をおかしてしまう
だけど悪びれる様子もなく、その後もたびたびキレるビバリーに警察の目が光りはじめ・・・という内容
基本的にはキレてははっちゃけたり、ぶっ殺したりするママをブラックに描くコメディ
警察に追われようがなんだろうがマイペースでキレまくるママの様子を楽しむ作品ですね

とにもかくにもママのキャラがどんどん素敵に輝いていき、明らかに悪人キャラなのに「もっとやってしまえ」と背徳的に応援したくならざるえない
警察に追われてようが、決定的な証拠をつかまれようが、周りから殺人鬼と後ろ指さされまくられようが、気に食わないことにはガマンならねえ、ってんで殺しにハッスルする主人公のためのキャラ映画と言えなくもないかも

個人的にパトカーが金魚の糞のようについてまわったり、アニーのシーンとか、裁判所での家族の態度(判決後の態度もふくめ)とかがツボで、ホントにいま観てもすっごいおもしろいわあ
この作品こそ今、もっとぶっとんだ感じでリメイクしてほしい一本ですね
なかなか洋画のコメディ作品のファンって少ないかもしれないけど、コメディ好きならおさえておいて損はない映画だ、と監督のファンとして盲目的に叫ばざるえない

個人的評価:90点
オススメ度:シートベルトをなにげにめちゃめちゃ気にしてるママが素敵です




シリアル・ママ 予告


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2013年8月26日月曜日

ガッチャマン (2013/日)

監督:佐藤東弥
出演:松坂桃李 / 綾野剛 / 剛力彩芽 / 濱田龍臣 / 鈴木亮平 / 初音映莉子 / 光石研 / 中村獅童 / 岸谷五朗

謎のウイルスXに感染した者たちギャラクターにより、人類は滅びの道を進みつつある地球
それに対向すべく不思議な石の力によって力を得た科学忍者隊ガッチャマンが戦いを挑む

大人も楽しめる現代によみがえったリアル描写の変身ヒーロー・・・かと思いきや、まんま役者で客寄せしてる子供むけな内容でした
ちょっと影のあるヒーローってカッコイイ!とキャッキャしながら子供たちは存分に楽しむがよいわ
ただし、アニメのガッチャマンに思い入れがあったり、リアル描写の変身ヒーローものに食指を動かされたような人はガッカリすること間違いなし

謎のウイルスXによって謎の進化を遂げた者たち
謎の集団ギャラクターを組織して謎の目的のために人類を駆逐して地球を支配しようとしていた
謎のギャラクター戦闘兵、謎のギャラクター幹部、謎の存在ベルク・カッツェ
対するは謎の石によって謎の力を得た謎の組織の謎NINJAことガッチャマン
敵味方入り乱れて小中学生ライクな恋愛模様に狂い、手にした持て余す力を使ってガチバトル
まあ、そんな映画です

とりあえず最初っから特撮ヒーローものかよ、ってレベルの映像技術でバトルが展開し、ちょっとおちゃらけがあった後に中学生日記な恋愛模様が描かれつつ、なんか知らんうちに地球が大ピンチでラストバトル
子供だまし、と言わざるえない内容なんだけど、さすがに今時の子供でも「なにこれ、ガキっぽい映画」とか感じるんじゃないかなあ

とりあえず予算的な大人の事情があるのか知らんけど、途中のドラマのあいまにちょっとでもいいんでガッチャマンアクションを入れてほしかった
最初と最後だけ、しかも微妙な映像のバトルシーンってんだから、ホントにガッカリだわ
どんなピンチもパワープレイと精神論&ご都合主義で切り抜けちゃうし、最初に語られる設定以外はすべての謎について放置だし・・・
挙げ句の果てには「どこのゾンビ映画だよ」というオマケまでついてるサービス精神に、皮肉的な意味で続編が非常に楽しみな一本でした

個人的評価:30点
オススメ度:最初のオマケアニメが一番おもしろい、みんなそう思うはず




ガッチャマン 予告

少年H (2013/日)

監督:降旗康男
出演:水谷豊 / 伊藤蘭 / 吉岡竜輝 / 花田優里音 / 小栗旬 / 早乙女太一 / 原田泰造 / 佐々木蔵之介 / 國村隼 / 岸部一徳

昭和初期の神戸、少年の妹尾肇は親の仕事と宗教柄、外国人と接する機会が多く育つ
そんな中、戦争が社会に大きく影響を与えはじめ・・・

いちお夏の名物である反戦映画のひとつかもしれませんが、他にも思った人もいるだろうけど個人的には「ALWAYS」に近い当時の時代背景や設定をスパイスにしたファンタジー作品って印象が強かったですね
キリスト教、洋服屋、戦争、それらの特殊な環境下で少年が生きていくファンタジードラマという視点で観てたんですが、そういう見方をするならけっこう普通に良質なドラマとしてできてると思います
時代設定やら実際に当時はうんぬん、とかそういう部分はぬきにして、話そのものを楽しめばいい作品かもしれません

キリスト教だから、外国人とつきあいがあるから、戦争が激化して社会に大きな歪みがでてきたから、と色々なことに思い悩まされ、実害も受けながら強く生きる主人公の少年H
道を踏み外しそうになるといつも父親が強く優しく導いてくれるからこそ、少年はどんな異常ともいえる日常の劇的な変化の中でもまっすぐに歩んでいける、みたいな内容
少年の成長ものでもあるけど、けっこう父親の存在が大きくて、個人的にはこういう父性の強い作品は好みでよかったですね

画面的にすっごい自然ってわけでもないけど、CG臭もそんなに感じなくてわりとすんなり世界観に没入できるのはいい
ドラマ要素も単調すぎず長すぎず、テンポよく話が進んでいって、言わんとしてるところも分かりやすい
反面、露骨なのもアレだけど、じゃっかんドラマティックな盛り上げが足りないかなと思う点と、さすがに父親が前に出すぎて「水谷映画」な印象が強くなっちゃってるのが気になったかなあ

まあ、とにもかくにも戦争うんぬん言わず、この父と子の物語を黙って楽しめばいい一本でしたね

個人的評価:80点
オススメ度:言うほどHって呼ばれてない




少年H 予告

2013年8月25日日曜日

スター・トレック イントゥ・ダークネス (2013/米)

監督:J・J・エイブラムス
出演:クリス・パイン / ザッカリー・クイント / ゾーイ・サルダナ / ベネディクト・カンバーバッチ / ジョン・チョウ / サイモン・ペグ / カール・アーバン / ピーター・ウェラー / アリス・イヴ / ブルース・グリーンウッド / アントン・イェルチン / ノエル・クラーク / ナズニーン・コントラクター / アマンダ・フォアマン / ディープ・ロイ / クリス・ヘムズワース / ジェニファー・モリソン / レナード・ニモイ

任務は成功させるものの数々の規約破りにより艦を降ろされるカーク
そんなおり、謎の人物による連邦艦隊施設の爆破事件がおこり・・・

人類最大の弱点は、愛だ
みたいにあおってはいるけど・・・まあ、「愛」がテーマになってるような感じはしないでもないけど、ちょっとこのキャッチは違うんじゃないかなあ
個人的な感想として、すべてを観おわったあとで言うなら、なにかしらテーマは設定されてるんだろうけどことごとく描ききれてないゆえに核となる部分がブレてる印象
しょうじき前作のような作品じたいと扱うテーマの融合みたいな完成度はない

ジョン・ハリソンのおこしたテロ
追跡任務を提督に直訴するカークは、犯人の逃亡先であるクリンゴンの星に向かう
時に連邦とクリンゴンのあいだは一触即発の状況下、困難な条件の中で任務を遂行することになる
という展開(意図してじゃっかんネタバレ回避はしてます)ですが、ジョンさんが言うほど「愛」を弱点として利用してる感がないんですよね
「愛」というか「情」を、いや、主人公であるカークの性格を利用してるっていう感じが強いかもしれません

話的に風呂敷がどんどん広がっていく中盤までは非常におもしろいんだけど、途中から明らかに流れがおかしくなってきて「これ、ちゃんとスッキリ終わるように収束してくれるのか?」と不安になってくる
で、結局その不安は不安のままに、なんともいえない煮えきらない結末にモヤモヤ感だけが残りました
ジョンさんのキャラ、カークに迫る陰謀、スポックとの友情・・・すべてが散漫な感じ
とりわけクリンゴン関連のことは「なかったこと」にしちゃったのかなあ

映像としての画面の派手さはパワーアップしてるけど、ちょっと3D部分に気を取られすぎて肝心の内容がおろそかになっちゃった作品の典型かもしれません
個人的に「これは大艦隊戦」がくる・・・!と途中まで期待してたのに、けっきょく人が飛んだり跳ねたり撃ちあったり殴りあったりするシーンばっかりだったのも残念な感じの一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:マジでもっと兵器対兵器の戦いが観たいわあ




スター・トレック イントゥ・ダークネス 予告

スター・トレック (2009/米)

監督:J・J・エイブラムス
出演:クリス・パイン / ザッカリー・クイント / エリック・バナ / ブルース・グリーンウッド / カール・アーバン / ゾーイ・サルダナ / サイモン・ペグ / ジョン・チョウ / アントン・イェルチン / ベン・クロス / ウィノナ・ライダー / クリス・ヘムズワース / ジェニファー・モリソン / レナード・ニモイ

地球と他惑星との間で惑星連邦が設立されている未来
優れた資質を持ちつつもやけ気味に生きるカークは、宇宙艦隊へ入隊するためアカデミーに入ることになり…

シリーズとしては映画版の2、3作目くらいまで観たくらいの相変わらずのにわかでファンには申し訳ない、と最初に謝ります
今回、新作は劇場で観ようということで、どっからシリーズを追えばいいのかな、と調べたらこの2009年版をチェックしておけばとりあえずは大丈夫みたいなんで鑑賞することに
繰り返してあれですが、ドラマ版は未見で劇場版も最初の2、3作目までしか観てないにわか野郎が、こんな大シリーズについて語ろうってんだからホントに真摯なファンには申し訳ない

話としてはシリーズのリブートという立ち位置で、はじめて観た人でも楽しめる作りになっているというこの作品
実際に観てみても今までのシリーズを追ってこなくてもじゅうぶんに楽しめる内容でしたね
父親の不幸から才能ありながらはねっかえりに育ったカーク、バルカン人と地球人のハーフとして周りから色々いわれつつも気高く育ったスポック、それぞれに見た目とは別の内なる感情をひめつつも入隊し出会うことになる
最初こそ最悪な出会いで大きく衝突するふたりだけど・・・というドラマに加えてメインストーリーが進みます

しょうじき言ってリブートという作りなわりに、けっこうストーリーは変化球ぎみな気がしないでもない
だけどそこがありきたりな仕切直しものっぽさがなくて、逆にこのストーリーだからこそ個人的にはおもしろかった
話の内容も作品じたいのコンセプトに合わせたストーリーになっていて、なるほどなあと感心する部分もありましたね

ただひとつだけ気になったのは、このシリーズをホントにはじめて観る人にとって、大前提となる舞台や世界観の説明が映像として映されているもの以上の解説がないのはちょっとアレかもしれません
まあ、そこはそれ、さすがにいきなりなんの前知識もなく観る人はいねえだろ、ということなのかもしれませんが・・・
とにもかくにもキャラクター、SF設定、戦闘シーン、アドベンチャー要素にドラマ要素、総合して考慮すればかなりよくできているSF作品と個人的に言わざるえない

個人的評価:85点
オススメ度:これはドラマ版を最初から勉強する必要があるか




スター・トレック(2009年版) 予告


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2013年8月19日月曜日

エンド・オブ・ウォッチ (2012/米)

監督:デビッド・エアー
出演:ジェイク・ギレンホール / マイケル・ペーニャ / アナ・ケンドリック / ナタリー・マルティネス / ハイメ・フィッツシモンズ / フランク・グリロ / デビッド・ハーバー / アメリカ・フェレーラ / モーリス・コンプト / ヤヒラ・“フラキス”・ガルシアララ / クレ・スローン

ロス市警のテイラーとザヴァラ
コンビで街を巡回する中、今日も様々な事件の報せが入ってくる

テイラーがビデオを手に日々の警官の行動を記録する目的で撮っている、という記録映像風の作り
とはいえ一人称ってわけでもなく、そこは臨機応変にハンディカメラ撮影という部分だけは共通させつつ視点はころころと変わる
ドキュメンタリー風といった方が近い感じの作品ですね
なんてことはないふたりのダベり、人並みな幸せのプライベート、不真面目な職務態度、でもやる時はやる警官としての顔、そんな普通のロス市警の警官たちの日常ドラマなだけなんだけど不思議に心に残る映画でしたね

いつものように街をパトカーで巡回しつつ、犯罪や要請の報せを受けては現場に急行するテイラーとザヴァラ
プライベートも含めて兄弟と公言する絆で結ばれたふたりは、日々の事件を処理するうちにある大きな影に触れてしまっていた・・・
内容としては大小様々な事件に立ち向かうふたりの警官って感じで、メインストーリーとなる事件を軸に他の事件が肉付けされています
そこにプライベートや、なんてことはない警官としての仕事(暇つぶし)っぷりも描きつつ話は進んでいく

無駄話してるふたりと実際の犯罪なんかに立ち向かうふたりのオンオフの描き方がおもしろく、どうでもいい日常を描いてたかと思いきや次の瞬間にはガツンと頭を殴られるような事件に遭遇する強弱の付け方がいいですね
しかもなにげないシーンでも「なにかいきなり不穏な空気になりそう」という緊張感が底辺に流れていて飽きることがなく観ていられる

唯一の不満点は銃撃に対する主人公補正
さすがに「あんだけ撃たれてそんなもんかよ」と誰もが感じる・・・と思う
盛り上がるクライマックスから、「ほう」となるラスト、そして締めのシーンのチョイスまでよくできてる映画だとハートに響く一本でした

個人的評価:95点
オススメ度:メキシコこわい




エンド・オブ・ウォッチ 予告

ワールド・ウォーZ (2013/米)

監督:マーク・フォースター
出演:ブラッド・ピット / ミレイユ・イーノス / ダニエラ・ケルテス / ファナ・モコエナ / アビゲイル・ハーグローブ / スターリング・ジェリンズ / ジェームズ・バッジ・デイル / マシュー・フォックス / デビッド・モース

世界中に蔓延するウィルス性のゾンビ化してしまう伝染病
家族を安全な場所に置くことを条件に、ジェリーは伝染病の調査をすることに

とりあえず金に糸目はつけねえから、低予算アイディア勝負な現在のゾンビ映画じゃないもんを作ろうぜ
みたいなノリで制作されたかどうかは知らんけど、とりあえず低予算アイディア勝負なゾンビ映画の枠はみごとにぶち破ってますね
ええ、予算をかけたノーアイディアなありきたりゾンビ映画がよく撮れてます・・・皮肉的な意味で

その兆候はあったものの対岸の火事だったウィルスの感染ニュースも、いよいよもって大事&手遅れな状態になってやっと人々はその重大さに気づく
世界に広がるゾンビ化、もはや安全な場所はほとんどない状況下、その感染の根本となるものを調査して事態を収拾すべく主人公たちの任務が開始される、というお話
キャスティングや映像をみれば一目瞭然、かなりの予算が組まれて作られた正統ゾンビ映画ですね

正統、と言えばよく聞こえるけど、しょうじきありきたりといった方が正しいかもしれません
予算はないけどアイディア勝負、の真逆を行く勇気はいいけどあまりにゾンビ映画としての核となる部分が普通すぎるかなあ
「28週後」以前に作られていれば「おお、すっげ!新しいゾンビ映画だぜ!」と興奮できたかもしれんけど、「バイオハザード」シリーズとかも撮られている今、そんなに目新しさはない

市街、軍施設、その他のいろいろな場面で次々とゾンビとの戦い(サバイバル)が描かれていて、ゾンビものの総合デパートなノリの作風は楽しい
ただそれぞれのシーンでの展開的に「ここでゾンビが襲ってきたらヤバイ」という最悪のパターンにおちいってあたふた、という繰り返しなのはどうかな
オチにしてみても「そこまで既存のゾンビものを踏襲しなくても」と言わざるえない
そんな感じで画面的には派手だし、ゾンビ映画としては普通におもしろい
そんな派手さでも「どこかでみたことがある」という部分が隠しきれてないのがちょっとアレかもしれない一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:G的な意味でのZだったんか




ワールド・ウォーZ 予告

2013年8月18日日曜日

ホワイトハウス・ダウン (2013/米)

監督:ローランド・エメリッヒ
出演:チャニング・テイタム / ジェイミー・フォックス / マギー・ギレンホール / ジェイソン・クラーク / リチャード・ジェンキンス / ジョーイ・キング / ジェームズ・ウッズ / ニコラス・ライト / ジミ・シンプソン / マイケル・マーフィ / ラシェル・ルフェーブル / ランス・レディック / マット・クレイヴン / ジェイク・ウェバー / ピーター・ジェイコブソン / バーバラ・ウィリアムズ / ケヴィン・ランキン / ガーセル・ボヴェイ / フォーク・ヘンチェル / ロマーノ・オルザリ / ジャッキー・ギアリー

議会警察官のジョンは娘とホワイトハウスの見学にくる
その最中、ホワイトハウスは内通者により占拠、娘とはぐれたジョンは大統領の危機を救い警護することに・・・

なんというか、ここまで想像以上に普通だと思わなかった
特に序盤の求心力が弱いのが気になりましたね
シリアスになりきれない、バカ騒ぎに徹しきれない、でこぼこコンビのおもしろアクションにもなってない、なんというか中途半端っぷり
つまらなくはないし、ところどころの小ネタで笑いもおきるんだけど、総じて悪い意味でのザ・普通といった感じ

ホワイトハウスが武装集団によって占拠された
人質以外に警護任務につけるスキルを持つ唯一の男である主人公は、大統領を狙う悪党どもをかわして無事に脱出できるのか
と書くとホントにいくつかの映画に共通してるあらすじに思えなくもない
それくらいありきたりなあらすじだし、特に目新しい魅力もないんで冒頭から「あれ?これ思ってたほどじゃ」という悪い予感が・・・
作品的にけっこうな大作っぽい売り方してるのもアレかもしれませんが、期待して観た時のガッカリ感は否めない

中盤になってやっと主人公と大統領のかけあいと、アクションの要素が盛り上がってくるんだけど、ちょっと時すでに遅しかなあ
ストーリーじたいはそんなに悪くないと思うんで、やっぱり作品の方向性をビシッと決めてないのがイマイチな理由でしょうね
陰謀・策謀めぐるシリアスアクション、でこぼこコンビのハイテンションアクション、どっちかにしぼった方が個人的には好みなデキになってたかもしれません

個人的評価:75点
オススメ度:伏線の回収の古くささはわざとなのかな




ホワイトハウス・ダウン 予告

パシフィック・リム (2013/米)

監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:チャーリー・ハナム / イドリス・エルバ / 菊地凛子 / チャーリー・デイ / ロブ・カジンスキー / マックス・マーティーニ / 芦田愛菜 / ロン・パールマン / バーン・ゴーマン / クリフトン・コリンズJr. / ディエゴ・クラテンホフ

ある日、突如現れた怪獣に対し人類は巨大ロボット・イェーガーを作って戦っている怪獣戦争
兄とともにイェーガーのパイロットをつとめるローリーは、いくどめかの出撃の戦いに破れて兄を失い・・・

バカすぎるほどに金をそそぎ込んで、とにもかくにも迫力とかっこよさ重視で作られた映画ですね
なにごとにもトコトンこだわれば長所になる、ってわけでそんな表面だけの作品ながら頭からっぽにして観てる限りではじゅうぶんに楽しめます
ストーリーとか設定とか気にせず、燃える展開とかっこいい(個人的な見方ですが)ロボ、そして登場人物たちに酔えればハマれますね

太平洋海底にできた次元の狭間
そこから現れた巨大怪獣によって人類は瞬く間に都市を壊滅状態にされてしまう
なんとか軍隊の活躍によって怪獣を倒せたものの、間をおいて次々に現れる怪獣を前に、人類は本格的にこれに対抗すべく巨大ロボット兵器イェーガーを作り出す
ふたりのパイロットによるシンクロという特殊な才能に恵まれた者たちが集められ、イェーガーは運用され成果をあげつつあったが、主人公ローリーたち兄弟の敗北を期に旗色は一変し始める
みたいな始まりで、冒頭で設定をいっきに解説してくれる&そんな難しくないので、ロボットアニメなんかに慣れてる人はすんなり世界観に入っていけると思います

個人的にあまり3D作品はなるべく2D版をチョイスするんですが、たまたま時間的に3D版しかなかったのでこの作品は3Dのを鑑賞しました
いやあ、これがけっこうアタリで、3D作品の技術の進歩ってすごいんだなあ、と
この作品にかぎってはぜひ劇場で3D版を観ることをオススメでしますね
で、肝心の内容ですがしょうじきストーリーとか細かい部分は気にしちゃダメです
凶悪な恐かっこいい怪獣VS鋼鉄の無骨かっこいいロボの大迫力バトル、そしていちいちスタイリッシュに決めてくるスーツ姿のパイロットたちをみるためだけの作品なんで

そういう意味ではちゃんとしっかりしたSF設定をもとめたり、こんなだせえロボとかねーよって人はダメかもしれんね
今川ジャイアントロボとか好きなら大丈夫、だと思う
とは言え、そんなストーリーをあまり気にならない私でも、さすがにじゃっかん眠くなる中だるみ展開があったことは否めない

ラストのオマケ的なオチも、このての作品のお約束をネタにしてておもしろかったし、個人的にテーマ曲も熱くてよかったですね

個人的評価:80点
オススメ度:耐えられる衝撃と耐えられない攻撃、さすがにイェーガーの頑丈さ演出のバラつきは気にならざるえない




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塀の中のジュリアス・シーザー (2012/伊)

監督:パオロ・タヴィアーニ / ヴィットリオ・タヴィアーニ
出演:ジョヴァンニ・アルクーリ / サルヴァトーレ・ストリアーノ / コジモ・レーガ / アントニオ・フラスカ / フアン・ダリオ・ボネッティ / ヴィンチェンツォ・ガッロ / ロザリオ・マイオラナ / ファビオ・カヴァッリ

ローマのある刑務所で重犯罪者たちによる演劇実習が行われていた
今回の演目はシェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」に決まり、キャストの選出がはじまる

演じるのは本物の○○たち・・・というウリはそれほど新しいものじゃないけど、この映画の囚人たちは熱い
ものすごく熱い
獄中、廊下、中庭、囚人たちが演じはじめると、マジでそこがローマになったような錯覚をおぼえる
それは劇中劇としての役のセリフか、囚人としてのセリフか、はたまた自分自身の本当の声か、その境界があやふや・・・というか境界じたいがない
画面に映り語るその囚人の言葉の在処の曖昧さ、それがおもしろい

劇の舞台の改修作業により、稽古はつど刑務所のいたる場所で行われる
役に自分らしくアレンジを加える者、作品にのめり込んでいく者、どんどん演じていくうちに現実と劇がカオスに融合していく
自分の役柄ゆえに過去を思い起こしたり、敵対する役を演じる者に現実世界での不満をわきあがらせたり、それでもひとつの劇を完成させるために芝居は続いていく、という内容
しょうじきこの際だから、演じてるのは本物の囚人とかいう要素は忘れて観てもいいんじゃないのかな、と思わなくもないくらい稽古の様子をみてるだけでじゅうぶん楽しめますね

ただしあくまで稽古をみるための映画なので、囚人ゆえの刑務所だからこそのなんらかの深いドラマを期待してると肩すかしをくらうかもしれませんね
あと、セリフや演技に対して「それは劇中劇の役として言ってるの?囚人役として言ってるの?」とはっきりしない点に苛立ちを感じる人は合わないかもしれません

そういう意味でもおもしろい人は大ハマりするし、そうじゃない人にとっては何がおもしろいのか理解できない作品かも
理解できるから賢い賢くないじゃなく、ホントに趣味の問題で大きく評価が異なる一本だと思いましたね

個人的評価:90点
オススメ度:これまたシェイクスピア原作が読みたくなる系の作品




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2013年8月11日日曜日

コネクテッド (2008/香港・中国)

監督:ベニー・チャン
出演:ルイス・クー / バービー・スー / ニック・チョン / リィウ・イェ / フローラ・チャン / エディー・チョン / ルイス・ファン

ある日、謎の男たちに拉致監禁されるグレイス
彼女は壊された電話をなんとか通話できるまで直し、無作為にかけた番号の相手のアボンに助けを求める

個人的に大好きな映画の十指に入る「セルラー」、その香港リメイクですね
オリジナルよりじゃっかんシリアス要素が強くなっていて、それでいて香港映画らしいクセのあるコミカルな部分もあります
もともとの脚本がいいだけに、オリジナルをなぞった作りのリメイクであるこの作品もおもしろい
じゃっかん画的なショボさは否めないけど、香港アクション映画としてもじゅうぶんなデキでした

謎の集団に拉致監禁された女性、犯人によって壊された電話を応急修理してかけ、偶然にもその電話にでた男に助けを求める
最初は相手にしなかった男や警官たちも、女性の切迫した状況をじょじょに理解し、救出するために行動をおこす、と
そんなもん警察に携帯電話わたせば終了じゃねえの、って話ではあるけど、そう簡単にいかないアクシデントがたたみかけてくるからおもしろいんですよね

展開は無理せずほぼオリジナル通りなんで安心して鑑賞できました
だけどどうしてもカーアクションの部分を含め、それぞれの場面やキャラの画的な見た目がショボいのが気にならなくもない
あと、聴き間違えや主人公ふたりの職業的な設定がうまく作品としていかされてないのはちょっと残念なところかも
特に頻繁に繰り返される聴き違いネタは、緊迫した状況でのリアルさを演出してるのかもしれないけど、どうしても何かしらの伏線だとふつう思うでしょ
だけど、単なる聴き違いってだけでそのネタがそれ以上広げられて描かれないのは物足りなかったですね

個人的にはさすがにオリジナル越えはしなかったですが、もとのおちゃらけたノリが嫌いな人ならこっちのが楽しめるかもしれません
まあ、この作品もこれでそれなりに独特のクセはありますが

個人的評価:80点
オススメ度:ぜひ日本でもリメイクしてほしい




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キャプティビティ (2007/米・露)

監督:ローランド・ジョフィ
出演:エリシャ・カスバート / ダニエル・ギリス / プルート・テイラー・ビンス / マイケル・ハーネイ / ラズ・アロンソ / マギー・デイモン / クリスタ・オルソン / カール・パオリ / トレント・ブロイン

トップモデルのジェニファーはある日、誘拐されてしまい見知らぬ密室で目覚める
なんとかそこから脱出しようと試みるのだが…

謎の人物に拉致監禁、そして拷問・・・残酷ショーものとしてすでにひとつのジャンルとして確立したのかな
で、これは「SAW」のような「ファニーゲーム」のような、その両者をあわせて残念さだけをしぼりとった劣化コピーみたいな作品でしたね
しょうじき鑑賞後、すぐにこの映画の内容を記憶の彼方に置いてこれる、ってくらいあまり特徴がない

謎の人物によって拉致され、見知らぬ部屋で目を覚ます主人公の女性
なんとか脱出を試みるも失敗、そして罰として拷問を受けることに・・・
最初は精神的な軽めの拷問だったけど、どんどんエスカレートしていく理不尽な暴力に陵辱されるままの主人公、という感じの残酷ショーを楽しむ作品
そのくせに単なるショーじゃねえぜ、って意気込みから中盤よりストーリーを動かしてくるんだけど、それが逆効果になってダメっぷりをあらわにしちゃってるかな

いよいよもって犯人の姿が見えたところあたりから、なんか急に展開が雑になってる感が否めないんですよね
テレビのチャンネルがうっかり切り替わったり、死んだと思ってた奴がババーン!とか作りがテキトーすぎるわ
オチから冒頭のシーンへのつながりは「ああ、なるほどね」と思えるけど、それ以外の暴力シーンは「SAW」ほどキレはないし、中盤以降の描写も「ファニーゲーム」ほどインパクトはない
それでも序盤はまあ、先の展開に何が待っているのか期待をもたせてくれるので退屈はしませんでしたが、それだけな感じのトータルでは残念さしか残らない一本でした

個人的評価:50点
オススメ度:ザ・雑




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2013年8月5日月曜日

ローン・レンジャー (2013/米)

監督:ゴア・ヴァービンスキー
出演:アーミー・ハマー / トム・ウィルキンソン / ウィリアム・フィクナー / バリー・ペッパー / ヘレナ・ボナム・カーター / ジェームズ・バッジ・デイル / ルース・ウィルソン / ブライアント・プリンス / メイソン・クック / JD・カラム / ハリー・トレッダウェイ / ジェイムズ・フレイン / ホアキン・コシオ / マット・オレアリー / W・アール・ブラウン / ティモシー・V・マーフィ / ギル・バーミンガム / ロバート・ベイカー / リュー・テンプル / レオン・リッピー / スティーブン・ルート / ブラッド・グリーンクイスト / ランス・ハワード

1933年、ある少年が見世物小屋で老インディアン、トントに出会う
トントはキモサベと呼ぶ白人の仮面の男、ローンレンジャーと自分の活躍の話を語り出す

予告を見るかぎり、ローンレンジャー&トントが敵か味方か不二子ちゃんポジションの謎の女に翻弄されつつ、悪を討つために大暴れ・・・という印象だったんですが、詐欺レベルに近いくらい謎の女はその表現じたい過剰演出でしたね
実際はローンレンジャー&トントのでこぼこコンビが時に息のあったコンビプレイで、時に反発しあいながら悪者をやっつけるためにはっちゃける、と

地方検事のジョンが列車で故郷に帰る中、そこに居合わせた死刑囚が暴れ出す
同じく囚われの身であったインディアンのトントを巻き込みつつ、ジョンは罪人を追うが逃がしてしまう
後日、故郷の凄腕テキサスレンジャーの兄と仲間たちとともに罪人を追うが返り討ちにあってしまい・・・
という内容ですが、もう最初っから老トントの語りという形で話が展開しつつ、いきなりふたりで強盗したんだよって始まるスタートダッシュは嫌いじゃないですね
過去を時系列順に絵本みたいに語られるより、けっこう先もきになるしおもしろい

だけどおもしろいのはローンレンジャー誕生からちょっと話が進んだところまで
なんかストーリーを進めだしたとたんに退屈に
しょうじき話じたいはつまらないし、そこまで大げさな何かがあるってわけでもないんですよね
そこに復讐か不殺か~先住民が~トントの過去が~とか中途半端に描かれるものだから退屈さに拍車をかけます
唯一の眠気ブロッカーであるシルバーさんの存在があったからよかったものの、ホントに長い中だるみに悩まされました

そっからのクライマックスは今の今までが嘘だったかのように、いっきに盛り上がります
うーん、序盤とクライマックスのおちゃらけアクションみたいなノリをなんでずっと通しでやらなかったのかなあ
というくらいにホントに序盤とクライマックスはおもしろい、超盛り上がる
トントのおとぼけっぷりは笑えるし、おちゃらけながらもなにげにすっごいアクションが展開するのも良いんですよね
とにもかくにも序盤とクライマックス以外の部分が退屈すぎる、ってのが残念すぎる一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:シルバーさんのキャラが一番おもしろいわあ




ローン・レンジャー 予告

リトル・ランボーズ (2007/英・仏)

監督:ガース・ジェニングス
出演:ビル・ミルナー / ウィル・ポールター / ジェシカ・スティーヴンソン / ニール・ダッジェオン / ジュール・シトリュック / エド・ウェストウィック / アンナ・ウィング / エリック・サイクス / アダム・ゴドリー / エイサ・バターフィールド / アダム・バクストン / エドガー・ライト

厳しい戒律のある教会の信者で内気な少年ウィル
ある日、ウィルはみんなから悪魔と嫌われるやんちゃ少年のリーと出会い、ひょんなことから一緒に映画作りをすることになる

夏にピッタリ、ちょっと笑いあり感動ありのすっきりドラマが観たいというわけで、これをチョイス
ある夏の少年たちの友情物語、というよくあるといえばよくある内容ですが、定番で王道でもちゃんと作ればおもしろいものはおもしろい
そのキャラ設定もいいですが、少年たちの友情や絆という部分以外にも家族との絆もさりげなく描かれてていいですね
内容的には大人がムカシの自分を思い出す感じな「あったあった」「分かる分かる」というのを楽しむ作品で、ちょっと今の子供たちが親と観るようなファミリー映画じゃないかもしれん

内気な少年ウィルは教会の教えで、テレビを観ることすらダメなほど娯楽を厳しく禁じられて育てられている
そんなウィルはある日、学校で教師や生徒たちから嫌われているやんちゃ坊主のリーと出会う
さいしょはリーのイタズラに巻き込まれる形で引っ張られていたウィルだったが、戒律から外れる楽しさからどんどん積極的になっていく
そんなふたりはひそかに自主映画の撮影をはじめ・・・
と、筋だけみればホントによくある話

厳しい戒律のある教会の信者という設定からお約束な要素に悩むことになるウィル
一方でリーは嫌われ者のやんちゃ坊主だけど実は家は裕福で、しかも兄やその仲間からは半分いじめのように蔑まれている
そんなふたりの設定だけでもじゅうぶんにおもしろい上に、あまりくどくどとした描写はなくシリアスな部分もけっこうカラっと描いてますね
だからこそ観ててもそんな気分は落ちないし、さわやかな印象が強く残る
しかし、ちゃんと重いところはガツンときめてくるから軽すぎることもない

個人的には単なる良い子ちゃんじゃないウィルの魅力も捨てがたいが、強気な態度の内側にもろいところを隠し持ってるリーのキャラがすごくおもしろかった
ストーリーじたいは先が読めるっていえばそうだけど、ウィルとリーだけじゃなくちゃんと兄貴とのあれこれも風呂敷をただんでくれたことは評価せざるえない
欲を言えばディディエとウィルの顛末をもうちょいフォローしてほしかった気がしないでもないけど、まあ、そこら辺はささいな問題ということで

個人的評価:90点
オススメ度:リトル・ランボウズじゃないのか




リトル・ランボーズ 予告


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2013年8月4日日曜日

アイアン・フィスト (2012/米・香港)

監督:RZA
出演:ラッセル・クロウ / RZA / ルーシー・リュー / リック・ユーン / ジェイミー・チャン / カン・リー / デビッド・バウティスタ / バイロン・マン / ダニエル・ウー / パム・グリア

荒くれ者たちによって常に動乱の渦中にある村
金塊の護送団が村に訪れることから、様々な野心を持った男たちが行動を開始する

ようするに力こそパワーだという暴力ヒャッハーな村で、いろんな武器と格闘スタイルをもつならず者たちがバトルするって作品ですね
ええ、とうぜんながらストーリーとかどうでもいいタイプですわ
というかストーリーや設定を語りだしたとたんに退屈になり、アクションが始まると盛り上がるという典型的なB級アクション

金塊をめぐる陰謀から、村の最大勢力であるクランのボスが手下の裏切りにあう
後がまにすわった銀獅子と銅獅子は先代のボスの平和的なやり方に反発、クランは一変して暴力至上主義へ
金獅子の息子であるゼン・イーはそんな銀獅子たちへ復讐を誓い、一方で金塊につられてそとの町からもならず者たちが村へ集まってくる
そんな中で村で鍛冶屋をしている男、ふらりと村を訪れた英国のナイフ使いが・・・
ね、書いててもアレだけど、よくわからないでしょう
そんなカオスでよく分からない序盤が致命的に作品をダメにしてる気がしてならないんですよ

とりあえず誰に視点を合わせればいいか分からない
復讐鬼のゼン・イー?鍛冶屋のブラック・スミス?英国狂紳士のジャック?
三者三様の話がぶつ切りで展開するため、ホントに作品の軸がブレブレなんですよね
中盤すぎてからやっと鍛冶屋がメインに話が進みだすんですが、しょうじき「遅せえよ」と言わざるえない
頭に浮かんだ描きたいことを即興で撮っていってるのか、と思うくらい話がぐっちゃぐちゃ

とりあえず、これはこれとして、ここから編集作業を開始して鍛冶屋メインに構築しなおした方がいいんじゃないか、と素人ながら思ってしまいます
アクションシーンは人を選ぶだろうけど、かなり中二病が入ってておもしろいだけに、そのアクション以外の部分が残念すぎる
ホントに個人的にこういうバカアクションは好きで、けっこうストーリーとかダメダメでも気にならない方だけど、ここまでアレだとさすがに気になりますわ

個人的評価:70点
オススメ度:RZAが強そうに見えない、っていうのは禁句ですか




アイアン・フィスト 予告

2013年8月1日木曜日

終戦のエンペラー (2012/日・米)

監督:ピーター・ウェバー
出演:マシュー・フォックス / トミー・リー・ジョーンズ / 初音映莉子 / 西田敏行 / 羽田昌義 / 火野正平 / 中村雅俊 / 夏八木勲 / 桃井かおり / 伊武雅刀 / 片岡孝太郎 / コリン・モイ

1945年の日本、終戦とともにマッカーサーたちにより戦争責任者たちの選定がはじまる
中でも天皇の扱いをめぐり、戦争責任の可否による裁判および処刑の判断をするためフェラーズは関係者に尋問を開始する

夏になるとかならず一本は日本に引っ張り込まれる(もしくは作られる)日本がらみの戦争もの
そういう意味で、しょうじきこの映画にも個人的にはそんなに期待してなかったんですよね
年末恒例の忠臣蔵くらいの関心レベルでした
だけど、急に休みをもらって持て余してた、ということもあって鑑賞したんですが、いやあ、観てよかった
食わず嫌いというか、勝手な先入観だけでスルーするにはもったいない作品でしたね

日本を解放するという名目で戦後の混乱をおさめにかかるマッカーサーたち
そこで大きな問題となって立ちふさがったのが、日本人にとって神としてあがめられている天皇の処遇
アメリカ本国からすれば処刑が総意ではあるが、現実問題として裁判にかけるだけでも今はおとなしい日本人がどう動くかわからない
主人公フェラーズとしても、なんとか天皇の戦争責任のなない証拠と証言を得て本国を納得させる報告書を作りたいと動くが・・・
舞台が戦後の日本という特殊環境下である、というだけで別段そんなに反戦やら戦争責任やらの臭さは感じません
普通にデリケートな問題に対して、それぞれの思惑がある中で主人公が奔走するドラマとしておもしろい

アメリカ本国の思惑、マッカーサーの思惑、天皇側近たちの想い、主人公フェラーズの想い、そして天皇自身の想い・・・よくある、というと語弊があるかもしれませんが、史実をベースにしたサスペンスドラマとしてよくできてますね
日本人によって作られるこのての精神論、感情論を前面にだしてくるじっとりウエットなドラマも悪くはないですが、この作品みたいにウエットとドライのメリハリがあるのはやっぱり別ベクトルで良い
戦争ものとか構えて観ずに鑑賞するのが一番たのしめるかもしれませんね

白黒はっきりしない灰色の日本人気質、建前と本音、内なる凶暴性、形式的な部分、精神的な部分、そこら辺をあんまりどろっどろでねっとりしすぎずに描いてるのは共感がもてます
ただ、しょうじきコレって日本人以外の人が観て楽しめるのか不明ですよね
ホント、なんで洋画あつかいでこの題材のものを撮ろうと思ったのか不思議な一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:通訳さんナイス仕事っぷり




終戦のエンペラー 予告