2014年6月29日日曜日

her 世界でひとつの彼女 (2013/米)

監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス / エイミー・アダムス / ルーニー・マーラ / オリビア・ワイルド / スカーレット・ヨハンソン

妻との離婚問題を抱える中、セオドアはAIによる対話型OSをPCにインストールする
サマンサと名乗るOSの彼女はまるで人間のように接してくるのだった

擬人化したOSとのロマンス、日本においては萌え系ラブコメの定番設定だし、そういう面では目新しさはない
目新しさはないんだけど、そこは日本とアメリカという国の違いによる作りにおもしろさがありましたね
ビジュアル的に主張せず、あくまで声というか見た目ではない本質の部分でのロマンスを描いてくるのがよかった

セオドアとOSのAIであるサマンサは他愛のない会話をしているうちに、じょじょに恋愛関係におちいっていく
だけどやっぱり人とAIという関係上、障害があったりすれ違いがあったりするわけで、ってな感じで内容としてはけっこうありがち
それでもあまりに人間くさすぎるサマンサの口振りによって、セオドアとのなにげない会話を聞いているだけで楽しめる

けっこうコミカルな要素も多く、またお国柄の違いというかなんというか、あっさりサマンサとのファック的な関係まで進んでしまうのもいい
しかもCGで自分をあらわしたりと、ビジュアル面での主張をしてこないのも個人的に好印象
なにより人とOSのロマンスを描きながら、人は人、OSはOSという基本部分は頑なに守る描き方が非常によかった

終盤まではホントにありがちすぎて、「まあ、こんなもんかな」という感じでしたが、クライマックスからの展開でいっきにラストがしまった感じ
そんな感じでよくある話かと思いきや、終わりよければすべてよりで楽しめた一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:死骸猫ファックとか斬新だな




her 世界でひとつの彼女 予告

渇き。 (2014/日)

監督:中島哲也
出演:役所広司 / 小松菜奈 / 妻夫木聡 / 清水尋也 / 二階堂ふみ / 橋本愛 / 國村隼 / 黒沢あすか / 青木崇高 / オダギリジョー / 中谷美紀

別れた妻から娘が失踪したと連絡を受けた男
クスリに手を出していた形跡もあり、男は警察にたよらず独自に探す娘をことにする

まあ、アレだ、特に深く考えず狂ったクソたちのバイオレンスを楽しむだけの映画でした
いちおミステリーの体裁はとってるけど、展開は唐突だしキャラはポッと出で絡んでくるし、謎解きとかそっち系を楽しみにしてるとガッカリするかもしれません
とにもかくにも「クソが」と「ぶっ殺す」が織りなす狂気の世界に酔うのがすべての作品

元警察官で躁鬱の気がある主人公の男
どうやらクスリをやってたらしい失踪した娘の加奈子を独自に探し始める・・・という中で、意外な娘の姿や関わった事件が見えてくる、と
それに加えて加奈子の過去話が平行して話に絡んできます
個人的に真面目な父親が狂った娘の一面を知っていくうちに、自分も狂気に沈んでいく展開かと勝手に思ってたけど、主人公が最初っからフルスロットルでクズっぷりをさらけ出してて意外だった

どいつもこいつもクズで狂ってて、そんな暴力描写で娯楽作品を作ったってのは良いッスね
けっこうやりすぎなところもあるけど、ポップな感じでエンターテインメントしてるんで、どろどろとしたもので気分が沈むことがない
非現実の出来事であると感覚的にわかる作りになってて、それほど不快感がないんですよね

いちお事件があって、それに加奈子が絡んではくるんだけど、あまりオチとか期待しない方がいいかも
あくまで課程、狂った者どもの狂った行動を観てテンションを上げる内容・・・とか言うとなんか自分の人間性が疑われる、か?

なにはともあれファンタジーなバイオレンス作品として、日常の憂さをはらせる感じで楽しめた一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:主人公、野放しにされすぎ




渇き。 予告

トランセンデンス (2014/米)

監督:ウォーリー・フィスター
出演:ジョニー・デップ / モーガン・フリーマン / レベッカ・ホール / ポール・ベタニー / キリアン・マーフィ / ケイト・マーラ / コール・ハウザー

人工知能の研究をしているウィル博士は、その研究に反対する組織のテロによって余命わずかな身になってしまう
そこで妻エヴリンの協力もあり、ウィルの意識をコンピュータにアップロードしようと試みる

人の意識がコンピュータネットワーク上にアップロードされ、全世界のデータを思いのままに管理する
ネタ的にはじゃっかん古くさいSF設定な感じも否めなく、果たして内容もやっぱり古典っぽい印象を受けた
映画を観ているというより、どこか懐かしいSF小説を読んでる気分になりましたね

主人公のウィル博士の意識をコンピュータにデータとしてアップロードし、ネットワークにつないだら大騒ぎ、みたいな話でした
端から見ればデータにしかみえないAIの主人公が、エヴリンやら協力者の力添えもあって、どんどん大きな存在になっていく、と

ネットにつながり、情報を操作し、拠点を作り・・・と、どんどん強大になっていく力に怪しいものが見え隠れし始める
それに対する勢力も結成され、世界はどうなってしまうのか、という展開がおもしろい
というより、際限なく力をつける主人公の存在と、その怪しい思惑に観ていて振り回されるのを楽しむ感じかもしれんね
まあ、先読みはできるんで完全に振り回されるのは難しいかも、ですけど

あまり大作っぽいのを期待せず、佳作SFをサクっと楽しみたい時にピッタリな一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:技術的にもっと大戦争に発展してもおかしくないと思わざるえない




トランセンデンス 予告

2014年6月23日月曜日

300 スリーハンドレッド 帝国の進撃 (2014/米)

監督:ノーム・ムロ
出演:サリバン・ステイプルトン / エバ・グリーン / レナ・ヘディ / ハンス・マシソン / ロドリゴ・サントロ / イガル・ノール / カラン・マルベイ / ジャック・オコンネル / デビッド・ウェンハム / アンドリュー・ティアナン / アンドリュー・プレビン

アルテミシア率いるペルシアの大海軍がギリシアに迫っていた
そんな中、アテナイの将であるテミストクレスは少数の海軍を指揮して策をもってこれに挑む

前作は主にレオニダスとスパルタ兵による局地的で小規模な戦闘だったけど、今作では海上という限定空間ながら規模の大きな戦争である部分に力を入れてる感じでした
英雄VSとんでも兵たちというのも悪くはないけど、あるていど数あるもの同士のぶつかり合いは盛り上がる
それでいてちゃんと戦闘シーンでは特徴的なスロー演出も入り、さらに残虐描写も大幅パワーアップで思わず股間をさすりたくなる興奮をおぼえずにいられない

話的には前作でレオニダスがペルシア軍相手に奮闘している同じ時間軸で、海上では今作の主人公であるテミストクレスがアテナイ兵を指揮して海戦を展開していた、という感じ
一騎当千の屈強なスパルタ兵と生きる英雄レオニダスの超絶戦闘とは違い、テミストクレスは寄せ集めの兵たちで策をもってペルシア軍と戦う作りが個人的に好みなものだった
日本人的な思考でいう戦国ものの戦を観ているような、力と力だけじゃない戦略もある戦いが見応えありました

敵役のアルテミシアのキャラも素敵で、その暴力性に引っ張られる感じで作品全体的に残虐描写があふれてました
だけど残念というかなんというか、このアルテミシア以外の今作からのキャラがみんな存在じたい地味すぎる感じがするんですよね
あくまで人対人の戦いがメインで、前作のようなアニマルモンスターもとんでも兵もほぼ出てこないってのも地味さを色濃くしてるかも

画面的にはすごい派手だし、戦闘をふくめ内容も申し分なく盛り上がっておもしろいんだけど、なんか不思議な地味さの残る一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:バトルファックも素敵です




300 スリーハンドレッド 帝国の進撃 予告

300 スリーハンドレッド (2007/米)

監督:ザック・スナイダー
出演:ジェラルド・バトラー / レナ・ヘディ / デビッド・ウェンハム / ドミニク・ウェスト / ビンセント・リーガン / マイケル・ファスベンダー / トム・ウィズダム / アンドリュー・プレビン / アンドリュー・ティアナン / ロドリゴ・サントロ

スパルタの王であるレオニダスのもとにペルシアより降伏勧告の使者が訪れる
神官によって戦争を反対される中、王はわずか300人の親衛隊を率いてこれに立ち向かうのだった

なにげに鑑賞の機会を逸してた今作
続編が公開されるということで、せっかくだから積みDVDタワーから引っ張り出してきました
思ったよりシンプルな内容で、バトル中心な作品だけにわりと軽い感じでまったりと観られましたね
かなりビジュアル重視な感じで、熱い、迫力があるというより格好良いという点に特化してる印象が強かったです

ペルシア軍にケンカをふっかけられたけど、神官にダメ出しされたスパルタの王レオニダスさん
しょうがないから精鋭300人の戦士を護衛につけて、ちょっとペルシア軍がいるあたりまで散歩にでかけることに
そんな300人VS100万人のバトル映画…なんだけど、しょうじき言うほど数の差が肌に感じられなかったかな
まあ、基本は狭いとこに敵を引き寄せての戦いなんで、画面におさまる戦士たちの数もおのずとかぎられちゃうから仕方なしかもしれんけど
大平原で絶望的な数の敵を相手に無双するような感じではなかったですね

スロー演出を多用し、通常兵、びっくりどっきり兵、モンスターアニマルを相手に立ち振る舞う姿を格好良く魅せる演出が見所、というかそれがすべてといってもいいかもしれません
英雄譚、物語、といった類のものを映像化したような”すごい””すばらしい”という部分だけを抽出した見た目重視な作品というふうに個人的には思えた
それゆえにじゃっかん戦闘シーンじたいは見た目よりあっさりしていて、「はい、死んだ~」「はい、次の敵~」と流れ作業的に戦いが進んでる感じ

壮大で重厚な戦争アクション、というより楽な気持ちで展開されるバトルに身を委ねて楽しむ一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:アニマル勢の扱いがあっさりすぎるだろ




300 スリーハンドレッド 予告


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聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY (2014/日)

監督:さとうけいいち
出演:石川界人 / 赤羽根健治 / 小野賢章 / 岡本信彦 / 野島健児 / 佐々木彩夏 / 大杉漣 / 島田敏 / 宮本充 / 小山力也 / 山寺宏一 / 平田広明 / 井上剛 / 真殿光昭 / 浅野真澄 / 森川智之 / 川田紳司 / 浪川大輔 / 桐本琢也

アテナである沙織を護る戦士となるべく、修行をおさめて集められた星矢たち5人
刺客を倒し、偽アテナと教皇の思惑を探るためにサンクチュアリへと向かう

今時なイケメンというか、ホスト風な男の子たちがごつい鎧をまとって敵と戦う3DCGアニメ
しかも題材は聖闘士星矢ときた日には、マンガ版でもアニメ版でも盛り上がってた世代としては観ないわけにはいかない
しょうじきキャラクターのデザイン的にちょっと地雷臭はしてたけど、内容じたいは思ったほど悪くなかった
ただ、これ聖闘士星矢ではないのは確か

教皇の陰謀によってアテナである沙織は逆賊扱いされて刺客に狙われる
それを護るために集められた5人の聖闘士
いっちょ敵地に乗り込んで真相を暴こうぜ、っというノリでサンクチュアリへ攻め込むことに、という流れ
原作再現シーンはあるものの、聖闘士星矢に思い入れがある人はいったん先入観をなくして観た方がいいかもしれん

とりあえず最初の星矢たち聖闘士が顔見せバトルする序盤は「なんか変身ヒーローものっぽいな」と思わせる
そして、話が進むにつれて「いや、どっちかというと戦隊ものか?」となり、けっきょく「うん、これプリキュアだわ」という感想に至りました
もしプリキュアメンバーが全員男の子だったら、という作品ととらえて間違いないんじゃないかな
個人的に初期のプリキュアをざっくり見てたくらいの知識しかないから今のとは違うかもしれんけど

リアルな背景CGとアニメチックなキャラのギャップに最初は違和感を感じるけど、観ているうちに慣れます
そんなことより原作世代のおっさんとしては、全体的にお子さま向けっぽい作りに抵抗感をおぼえざるえない
シリアスで熱いバトルより蟹座とか、蟹座とか、特に蟹座あたりのコミカルなノリの方の印象が強く残ってます

そんな感じで原作世代はネタとして、広い心をもって観る覚悟で挑戦した方がいいかもしれない一本でした
ホントに作品じたいは王道な友情・正義・勝利のアニメなんで安心して観られます

個人的評価:70点
オススメ度:瞬さんの出番に気を使ってあげてください




聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY 予告

2014年6月22日日曜日

超高速!参勤交代 (2014/日)

監督:本木克英
出演:佐々木蔵之介 / 深田恭子 / 伊原剛志 / 寺脇康文 / 上地雄輔 / 知念侑李 / 柄本時生 / 六角精児 / 市川猿之助 / 石橋蓮司 / 陣内孝則 / 西村雅彦 / 甲本雅裕 / 近藤公園 / 忍成修吾 / 和田聰宏 / 冨浦智嗣 / 舞羽美海 / 前田旺志郎

小藩である湯長谷藩が参勤交代により江戸から戻って2日
そこへ再び5日のうちに参勤せよと命が届き、この無理難題に藩主の内藤は決断を迫られる

単なる時代劇コメディかと思いきや、けっこう人情ドラマの要素も多く、それでいてアクションもありのバランスが良い娯楽時代劇作品でした
時代設定を逸脱したネタで笑いを誘うという感じもあまりせず、本格ってわけではないけどシニア層にも支持されそうな作りかもしれん
まあ、じゃっかん隠密や忍者の扱いが軽すぎる気はしたけど、それも細かい不満にすぎないですね

金山をめぐっての陰謀から、藩をとりつぶす前提で無理難題の5日での参勤を命じられた湯長谷藩
藩主の内藤の決断により江戸へ向かい、とりつぶしの陰謀をくつがえすことにする、という感じのお話でした
金的にも時間的にもまっとうに大名行列していては絶対無理という状況に、知恵をしぼって走り抜く、と

その強行軍の計画の解決策も突拍子もないもので楽しいけど、道中でのハプニングに対するひらめきと対処もおもしろおかしい
絶望的な状況をマジメにバカをやる様を観てるだけでも楽しめます
それでいて苦境にありながらも藩主の内藤を筆頭に人の心の温かさを捨てることなく、変に暗黒面におちずに立ち向かう姿が心地よい

そんな主人公たちだけに、苦しい場面では協力してくれたりする人もいて、人情ドラマな部分も魅力的でしたね
ちょっと隠密や忍者たちが弱すぎる気がするけど、それなりにアクションの要素もあって、けっこう盛りだくさんな要素に満足できる
陰謀劇じたいにもちゃんとオチはついてるし、ホントに超大作とはいかないけど全体的にバランスの良い一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:敵が弱すぎるのか味方がタフすぎるのか




超高速!参勤交代 予告

ラストミッション (2014/米)

監督:マックG
出演:ケビン・コスナー / アンバー・ハード / ヘイリー・スタインフェルド / コニー・ニールセン / リヒャルト・サメル / トーマス・レマルキス / マルク・アンドレオーニ / ブルーノ・リッチ

CIAエージェントであるイーサンは、ミッション中の体調不良から余命わずかな病にあると分かる
そこで仕事を辞めてパリにいる家族に会いに行くのだが・・・

凄腕なエージェントの主人公の唯一の弱点は娘だった、というスーパー父ちゃんが娘との関係をあれこれしつつ裏の仕事を・・・というパターンの映画でした
そんなことはこの作品の売り方から容易に想像できてたんだけど、個人的に思ってたのとちょっと違ってた感じ
なんというか、この手のパターンの作品だったらこうくるだろ、という点をわざとかどうか知らないけど外してきてるんですよね
かといって意外性のあっておもしろいわけじゃないから、じゃっかんもったいない

余命わずかな病と分かってエージェントの仕事を辞め、残る時間をずっと放っておいた家族と過ごそうとする主人公のイーサン
だけど、そこへ延命につながる試薬を報酬にエージェントのヴィヴィから仕事が持ちかけられる、と
そんな中、表の顔で娘とのぎくしゃくした溝を埋めていく日常を過ごし、裏の顔でミッションをこなしていく
まあ、よくある感じのストーリーですね

しょうじき親娘、夫婦という間の家族ドラマの部分はショボい
深刻な問題になりそうでならず、なんか問題が起こりそうになりつつもあっさり乗り越えちゃうから物足りない
同じことはミッション部分でも言えて、大ピンチ的な緊張感が希薄
なによりベタではあっても外せない要素「家族が敵に狙われる」というのをやらない意味が分からなかった

それでも本筋から離れた不法居住者とのからみや、人質にとった相手との相談コントは個人的に楽しめた
というかこの映画で一番しんみりしたのが不法居住者とのシーンだったのはどうか
ヴィヴィさんの存在も深読みすれば「そういうことなのかな」と思えるし、ホントにメイン以外の部分の方がおもしろい一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:いや、さすがにウルフが小物すぎるだろ




ラストミッション 予告

2014年6月21日土曜日

私の男 (2013/日)

監督:熊切和嘉
出演:浅野忠信 / 二階堂ふみ / 高良健吾 / 藤竜也 / モロ師岡 / 河井青葉 / 太賀 / 相楽樹 / 三浦誠己 / 安藤玉恵 / 三浦貴大 / 山田望叶

身よりのない遠い親戚の幼い女の子を引き取った男
時は過ぎ、17歳になった女の子と男の間には微妙な関係が築かれつつあった

背徳的なシーンをふくめ、日常の部分でもどこか重苦しく観てる側を締め付けてくるような変な緊張感に全編つつまれてましたね
だけどギリギリで不快にならない、痛かゆいカサブタみたいな感じが魅力な作品
少女の時に幼く、時に妖艶な演技のギャップもおもしろい

北海道南西沖地震によって親を亡くし、避難所にひとりでいた幼い女の子
そこを親戚の安否の確認のためにおとずれた男は、遠縁にあたる女の子を娘として引き取ることに決める
それから時は過ぎ、親娘という関係だけではすまされない妖しい影がふたりに見て取れ・・・という感じの話
で、なんとなくうっすらと怪しむ関係者が出てくるうちに、臭わせるようなだけの描写だったふたりの関係がダイレクトに描かれ出す、と

けっこう少女の抱えている部分のネタバレは早くに分かり、話的に「これ以上どう展開していくってんだ」というくらい行くとこまで行った後にも続いていっておもしろい
なによりこの作品じたいが発する雰囲気、観ていて変な緊張感があるというか不安定感をおぼえるというか、そこら辺が個人的によかったですね

じゃっかん昔よくあったような背徳的な部分を扱う内容な感じもするけど、これはこれで
しかし、現代の刺激になれた身で鑑賞すると、この内容でもさほど問題作に思えない慣れがちょっとこわくなった一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:冒頭の流氷シーンのインパクトでガッツリ最後までもってかれた




私の男 予告

女子ーズ (2014/日)

監督:福田雄一
出演:桐谷美玲 / 藤井美菜 / 高畑充希 / 有村架純 / 山本美月 / 大東駿介 / 安田顕 / 岡田義徳 / 黄川田将也 / 皆川猿時 / きたろう / 佐藤二朗

謎の男チャールズに集められた5人の女子たち
彼女たちは地球を襲う怪人と戦う戦隊女子ーズに選ばれたのだった

特撮系の作品を模倣した感じのゆっるいコメディだろう、とあまり期待してなかったけど、これが思いのほか楽しかった
というかノリからして、まんま勇者ヨシヒコの戦隊版だった
個人的にヨシヒコシリーズは好きだったんで、この作品もツボにハマっておもしろかったですね

内容的にはチャールズ(仏)に集められた女子ーズ(ヨシヒコたちパーティ)が怪人(魔物)と色々ボケ&ツッコミしつつネタをまじえて戦うというもの
作り手のノリツッコミみたいのにつきあわせてる感は否めないけど、ゆっるゆるな笑いが個人的に丁度いい
戦隊あるあるっていうより、普通の脱力コメディって印象の方が強いかも

それでいて仕事と正義の戦いの両立うんぬんの話も描かれ、ゆるい感じで展開のめりはり(っていうのか?)があっていいですね
ショボい特撮コメディだけど、ホントにあまり特撮ネタ方向は意識しないで楽しめる
やっぱりしゃべり、というかキャラたちの掛け合いで笑いにもっていく作りはいいですね

そんな感じで特撮とか戦隊とか意識しないで、さらにあまり期待値を上げることなくゆる~くつき合えば「意外とおもしろいじゃん」と思える一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:個人的にチャールズのトークだけでも満足ですわ




女子ーズ 予告

2014年6月16日月曜日

ニード・フォー・スピード (2014/米)

監督:スコット・ワウ
出演:アーロン・ポール / ドミニク・クーパー / イモージェン・プーツ / マイケル・キートン / ラモン・ロドリゲス / スコット・メスカディ / ラミ・マレック / ハリソン・ギルバートソン / ダコタ・ジョンソン / スティービー・レイ・ダリモア / マイケル・キートン

整備工でありドライビングの腕もあるトビー
そんな彼に因縁のある相手であるディーノから仕事がもちかけられ・・・

車に無関心で疎い私でも「こりゃ高そうだ」と分かる車種ばかりが登場してますね
そんな高級車で荒っぽいレースするってのが売りなんだろうけど、なんだろうイマイチ観てて盛り上がらなかった
ほかの作品との差別化かもしれないけど、やっぱりレース中のBGMはハイスピード&ハイテンションな感じでいった方がいいんじゃなかろうか

ストーリーとしてはライバルであるふたりが、作中でも新たな溝を作りつつレースで対決する、というシンプルなもの
ディーノのクズっぷりが擁護できないレベルで、それはそれで分かりやすい真っ黒な敵役としてはいい
それに比べて主人公のトビーの微妙さがなんとも
ディーノに寝取られたっぽいアニータの存在もなんだかアレだし、わざわざジュリアとヒロインを分割させる意味が分からない

話の展開もじゃっかん間延びしてる感が否めなく、こういうカーアクションを観る人はそこまで丁寧に話をつなげることに期待してないと思うんですよね
特に必要以上のヒロインとのドラマはいらんと思う
あと、レースシーンも警察の介入という要素はおもしろいけど、もっとバカっぽいところが多くてもよかったかなあ

そんな感じでぶっちゃけ「ワイルド・スピード」みたいのを期待してると、けっこうマイルド&マジメな作りに「あれれ?」となるかもしれません
でも、そういう意味では「NFS」としてキチンと差別化できてると言えなくもないのかな

個人的評価:70点
オススメ度:おもしろ黒人や全裸メカニックの方が主人公より強く印象に残ってる不思議




ニード・フォー・スピード 予告

トカレフ (2014/米)

監督:パコ・カベサス
出演:ニコラス・ケイジ / レイチェル・ニコルズ / ダニー・グローバー / ピーター・ストーメア / マイケル・マグレディ / マックス・ライアン / パシャ・D・リチニコフ / オーブリー・ピープルズ / マックス・ファウラー / ウェストン・ケイジ

ある夜、ポールの愛娘が誘拐される
過去に秘密を抱えている彼は独自に捜索をはじめるのだった

娘を誘拐されたパパンには実は裏の顔があって、というキレた主人公が暴力的に犯人を追う定番映画
今回もこんなありふれた内容の作品に出るとか仕事選ばないなあ、ニコラスさんは
とか余裕ぶって観てたらけっこう楽しめたという珍しい作品ですね
ニコラスさんの負の出演作にありがちな、たいがい序盤でつかめる予想通りの内容で「まあ、うん、普通だったね」と終わると思ってたから、そういう意味では良い感じで裏切られた

娘が誘拐されてた主人公ポール
実は彼はすねに傷のある身で、昔の仲間に声をかけて独自にバイオレンスな感じで犯人を追う
そんな中で過去の因縁の相手の影がちらついてきて~、みたいなありがちな展開
で、流れ的にも話が進むにつれてポールの過去がどんどん明らかになってくる作りもありがち

しょうじき主役がニコラスさんってだけでもってる映画、としか思えない内容にじゃっかん冷めた目で観てたんですが・・・
ネタバレはしない方向にして、そういった個人的に「ありがちだな~」と油断して「こうなるんだろ」と冷ややかに観てた自分としては結果的に「おもしろいじゃん」と思わされましたね
ニコラスさんのいつものB級映画、というくらいの期待値で観ると楽しめるかもしれません

なにげにピート刑事がポールに話す息子のこととか後々できいてきてるし、作ってる方も「ありがちさ」を理解してこういう作品にしたんでしょうね

個人的評価:80点
オススメ度:ニコラスさんのリアル息子の見た目が想像以上にアレだった




トカレフ 予告

ノア 約束の舟 (2014/米)

監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ラッセル・クロウ / ジェニファー・コネリー / レイ・ウィンストン / エマ・ワトソン / アンソニー・ホプキンス / ローガン・ラーマン / ダグラス・ブース

アダムとイヴの末裔であるノア
ある日、彼は神による滅びの夢を見たことで、その夢に出てきた祖父の山へ向かう

やっぱりラッセルさんはあるていど汚い役がよく似合うわな、と思わざるえない
特に終盤になるにつれてハマリ役度が高まっていきますね
作品としてもよくできていて、あまり宗教くささを感じさせない作り、というか「ファンタジーアクションだったのか」みたいな展開で気楽に観ていられます
で、ほどよく客を楽しませてからの後半もおもしろかった

話的には夢で神が世界を滅ぼす日がくるのをみた主人公のノアが、さらに夢で自分にかせられた使命にしたがって動物たちを滅びから救う箱舟を作ろうぜ、とはっちゃける感じ
で、そこに「人間様さしおいて動物救うとかバカか」とカインの末裔が乗り込んでくる、と
ノアさんとか普通に人殺すし、ホントに思ってた感じと違う作品のノリで、まさにファンタジーアクションという印象

だけど家族に問題を抱えたままの大洪水後の話が、それまでとテイストが変わってきて、ドラマ重視になって二度たのしめますね
個人的には後半の重苦しいドラマ展開の方が好み
いかにも人間くさいラッセルさんが演じる、使命にしばられたノアさんの姿が良いッスわ

変に説教くさくもなく、生ぬるすぎないところが個人的に好印象な一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:人間だもの




ノア 約束の舟 予告

2014年6月15日日曜日

PERSONA3 THE MOVIE #2 Midsummer Knight's Dream (2014/日)

監督:田口智久
出演:石田彰 / 豊口めぐみ / 鳥海浩輔 / 田中理恵 / 緑川光 / 能登麻美子 / 坂本真綾 / 緒方恵美 / 中井和哉 / 田の中勇 / 神奈延年 / 小野坂昌也 / 沢城みゆき

シャドウとの戦いが続く中、屋久島で不思議な少女と出会う理たち
そして、影時間を消失させる方法の手がかりを得るのだった

人気キャラであるアイギスが登場ってことで、やっとP3も本編はじまったな、という期待に満ちて鑑賞
だけど思った以上にごちゃっと仲間が増え、敵も登場し、物語の設定も語られはじめ、なんかバトル方面がおざなりな印象でしたね
動いてるキャラやペルソナを観て燃える、という部分が少なかったのは残念です

アイギスの登場、シャドウ討伐による解決方法、天田、コロマル、荒垣、ストレガの面々・・・
いちお押さえるべき点は押さえてるんだけど、どうもやっぱり詰め込みすぎで、各キャラの見せ場が必要最低限になりすぎてるかなあ
おかげで思いの外キャラや展開に感情移入できなかった

主人公の理がシャドウがいなくなった後のことを考え、戦いの中でこそ充実してる暮らしに悩む、という描写は良かった
良かったんだけど、前作の最後の笑顔みたいなスッキリした解決にいたらないのがどうにも
そんな点においても足りない要素すらないものの、もうちょい個々にスポットを当てた深みと余裕のあるところが観たかったかな

個人的評価:70点
オススメ度:なにげに序盤のコミカルパートがおもしろさのピークかもしれん




PERSONA3 THE MOVIE #2 Midsummer Knight's Dream 予告

スイートプールサイド (2014/日)

監督:松居大悟
出演:須賀健太 / 刈谷友衣子 / 落合モトキ / 荒井萌 / 太賀 / 井之脇海 / 谷村美月 / 木下隆行 / 利重剛 / 松田翔太

水泳部の太田は下の毛がはえないことに悩んでいた
そんな時、同じ部の女子の後藤から毛深いことについて悩みをうちあけられ・・・

剃毛でつながる恋愛模様、っつーか変態模様
最初こそ悩みを抱え合う男女のちょっと変わった青春恋愛コメディものっぽい流れだったけど、話が進むにつれてテイストが変化してきておもしろくなる
剃毛映画とか、こんなのなんで観てんだという軽い気持ちも終盤ではすっかり消し飛んでましたね

下の毛が生えない悩みを抱え、しかも水泳部の先輩にみんなの前で暴露されてしまった少年、太田
一方で女子なのに毛深いことに悩む後藤
そんなふたりが接近することで、なんだかんだ太田が後藤のムダ毛を剃ることになる変な日常がはじまる、というお話
で、そんな中で恋愛感情みたいなものがわいてくるのはお約束なんだけど、そう単純なラブコメじゃないのが良い

ちょっと風変わりな青春、という印象からどんどん変態方向に傾いていきつつの、ドラマ的にも各キャラの想いが描かれてくることで面白味が増していきます
特に太田の姿に対する観てる個人的な印象として「ああ、なんとなくわかる」から「うん、まあ、分からなくはない」となり、「いや、さすがにないわあ」となっていく展開が素敵すぎる

青春ゆえの若いゆえのまっすぐだけどブレブレで、感情を処理しきれないもだえる姿が楽しめた一本でした
ただ個人的にカミソリにちょっと拒否反応があるらしく、肝心の剃毛シーンではエロスやコミカルさより痛々しい感じの方が強かったですね

個人的評価:75点
オススメ度:存分にダイナモを暴発させればいいじゃない。若いんだから




スイートプールサイド 予告

2014年6月9日月曜日

THE NEXT GENERATION パトレイバー 第2章 (2014/日)

監督:押井守
出演:真野恵里菜 / 筧利夫 / 福士誠治 / 太田莉菜 / 千葉繁 / 堀本能礼 / 田尻茂一 / しおつかこうへい / 藤木義勝 / 岩松了 / 竹中直人

稼働試験の最中に調子に乗って動かしたことでレイバーを壊してしまう
時を悪くして、装備総点検の場にレイバー持参で出るように命じられ・・・

わりと微妙な感じだった第1章だったけど、そんな導入ゆえにはじけられなかった部分が今回で炸裂してましたね
とにかくネタで悪ふざけしまくるエピソード2、なんでこんな話を真剣に観せられてんだ感のするエピソード3
ともに違ったテイストのおもしろさがありました

エピソード2ではメインストーリー(?)にからむような特車二課の解散問題をはらんだ話・・・なんだけど、どんどんネタに走っていって暴走っぷりが加速
ネタじたいも分かりやすいものばかりなんで、大いに楽しませてもらいました
悪ふざけの暴走の果てのオチもおもしろかったし、なによりこのTNGパトレイバーシリーズの今後も楽しみにせざるえない作りでした

エピソード3はバカ騒ぎとはかわり、どことなくシリアスで哲学的なムードが漂います
だけど話の流れ的には格ゲーでおっさんにボロ負した明のリベンジマッチ、という完全にどうでもいいストーリー
おっさんと明のシリアスな空気感と、特車二課の面々と明の軽い空気感のギャップがいい
おっさんもわりとマジメに良い話することもあって、観てる方もいつのまにかどうでもいいエピソードに見入ってしまう

と、異なるテイストの2本で楽しめた今作、次回予告からもうかがえるバカっぽさもふくめこれからのTNGシリーズもホントに楽しみに思えるような作品でした

個人的評価:80点
オススメ度:そっと「二月のかもめ」をググったのはナイショだ




THE NEXT GENERATION パトレイバー 第2章 予告

2014年6月8日日曜日

グランド・ブダペスト・ホテル (2014/米)

監督:ウェス・アンダーソン
出演:レイフ・ファインズ / F・マーレイ・エイブラハム / マチュー・アマルリック / エイドリアン・ブロディ / ウィレム・デフォー / ジェフ・ゴールドブラム / ハーベイ・カイテル / ジュード・ロウ / ビル・マーレイ / エドワード・ノートン / シアーシャ・ローナン / ジェイソン・シュワルツマン / レア・セドゥー / ティルダ・スウィントン / トム・ウィルキンソン / オーウェン・ウィルソン / トニー・レボロリ

ある作家がおとずれたホテルで出会った興味をひかれた老人
その話を聞くうちにグランド・ブダペストホテルの前任コンシェルジュとの過去話になり・・・

独特なカメラワークと独自の世界観、ただそんな雰囲気を楽しむだけじゃなくておもしろかった
なにより随所に仕掛けられたテキトーさが楽しい
加えて魅力的な登場人物と進むストーリーに心地よさを感じずにいられないですね

基本の話は新人ロビーボーイのゼロと、その師とも呼べるコンシェルジュのグスタヴの回想物語
ホテルの常連の貴婦人が死去し、親しくしていたグスタヴがその遺産相続問題に巻き込まれる、という内容ですね
個性豊かでクセのあるキャストばかりですが、人物相関とかあまり深く考えなくても複雑じゃないんで、思ったより頭をからっぽにして楽しめました

なにはともあれ目に付くのがカメラワークだけど、やっぱり個人的にはゼロの髭とか、代わりにかけられた絵とか、囚人のタトゥーとかホントにテキトー感ただよう脱力加減が素敵すぎる
それでいてどろどろしてたり、殺伐してたりする展開もありの、グスタヴとゼロのドラマも良い関係で観てて楽しい

グスタヴのチャーミングさだけを観てても十分おもしろいし、独特な世界観がありながらも不可解さや難解さはなくてマイルドな作りなので、わりと万人受けするんじゃないかと思える一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:猫の身体能力とか都市伝説なんかな




グランド・ブダペスト・ホテル 予告

X-MEN:フューチャー&パスト (2014/米)

監督:ブライアン・シンガー
出演:ヒュー・ジャックマン / ジェームズ・マカボイ / マイケル・ファスベンダー / ジェニファー・ローレンス / ハル・ベリー / ニコラス・ホルト / アンナ・パキン / エレン・ペイジ / ピーター・ディンクレイジ / イアン・マッケラン / パトリック・スチュワート / ショーン・アシュモア / オマール・シー / エバン・ピーターズ / ジョシュ・ヘルマン / ダニエル・クドモア / ファン・ビンビン / エイダン・カント / ブーブー・スチュワート / ルーカス・ティル / マーク・カマチョ / ファムケ・ヤンセン / ジェームズ・マースデン / ケルシー・グラマー

ミュータントとその協力者と人間の戦争が激化する中、ミュータント勢はセンチネルの猛攻に苦しんでいた
そのセンチネル完成にいたる要因を排除するため、精神的ダメージをおしてウルヴァリンが50年前の過去へと送られる

過去が気に入らないから、ちょっと手を加えて改変しちゃえっていう反則技をどうどうとやってのけた部分をよく誤魔化してるな、と
しょうじき現状がひどいからってんで、ヒーロー側が過去を改変して未来うんぬん語る時点でなんかおかしいけど、そこら辺のことを「良い未来になった」と大団円みたいなノリにしてるのはどうか

センチネルの無敵っぷりにミュータントたちは為すすべなくおいこまれ、「なら過去を変えればいいんじゃね」という感じでウルヴァリン(の精神)を50年前にとばす
過去で若いプロフェッサーたちと協力しながら、キーとなるミスティークを追う、みたいな流れ
で、過去の仲間たちは簡単に分かりあえるヤツもいれば、なかなかの頑固者、クセ者もいるわけで
ちょちょいと歴史を変えちゃう簡単なお仕事のようで、なんだかんだめんどくさいことになっていく、と

ドラマ部分とアクション部分、そして息抜きのコミカルな部分とさすがにシリーズを重ねてきてるだけあってこなれてる印象
なんだかんだでぐずったり、思い通りにやってくれない若いプロフェッサーとマグニートーさんの行動が事態を複雑&めんどくさくしていくのがおもしろい
思ったよりウルヴァリンさんの大暴れは少ないわりに、そう退屈しなかったのは意外だった

いきなり最終局面みたいなノリではじまり、良い最終回っぽい作りしてることだし、これでシリーズ完結でもいいんじゃないッスかね
続編は、まあ、気にならないといえば嘘になるけど、どうにもこっから続く話にはちょっと不安があるかなあ

個人的評価:80点
オススメ度:マグニートーさんの能力の使い方がエグいわあ




X-MEN:フューチャー&パスト 予告

ポンペイ (2014/米)

監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:キット・ハリントン / キャリー=アン・モス / エミリー・ブラウニング / アドウェール・アキノエ=アグバエ / ジェシカ・ルーカス / ジャレッド・ハリス / キーファー・サザーランド

紀元62年、ポンペイで奴隷戦士として闘技場で戦うことになった男
一方、そんな大都市ポンペイから望むことのできる山に噴火のきざしがあらわれる

なんとも剣闘士としての戦いと噴火による大災害というふたつの要素がうまく作用しあってない感がひどい
ポンペイとか日本語の響き的にアレだけど、個人的に内容もそれなりに微妙だった
特に主人公の恋愛話だったり、陳腐なドラマはふつうに観てて眠くなるから困る

ケルト人の生き残りの主人公がポンペイで奴隷として闘技場で戦わされることになる
という中で親の仇と再会したり、身分違いの恋にときめいたり、奴隷仲間と拳や剣で語り合ったり、特に盛り上がることなく話は進みます
で、ストーリーとはまったく関係なく大災害が襲いかかってきて、パニックの中でどさくさのうちに因縁にケリをつける、と

とにかくこの映画で描きたい部分が始めるまでがダルい
いよいよ闘技場でのバトルがはじまる、ってところからは盛り返してくるけど、そこまでがあまりに退屈
なんとなく金をかけたすっげえ映像と壮大っぽい楽曲で大作みたいな作りにしてるけど、どうにも作品として上っ面だけな感じが否めない一本でした

個人的評価:50点
オススメ度:普通に復習劇のスタイリッシュ活劇にすればよかったんじゃなかろうか




ポンペイ 予告

2014年6月4日水曜日

MONSTERZ (2014/日)

監督:中田秀夫
出演:藤原竜也 / 山田孝之 / 石原さとみ / 田口トモロヲ / 落合モトキ / 太賀 / 三浦誠己 / 藤井美菜 / 松重豊 / 木村多江 / 川尻達也 / 森下能幸 / 平山祐介 / 松岡恵望子 / 林田直樹 / 佐藤詩音 / 土師野隆之介

視界に入った人間を思いのままに操る能力をもつ男
20年間、能力を利用しながら生きてきた男だったが、ある日、操ることのできない人物と出会い…

まさかここまで出オチ映画だとは思わなかった
深夜ドラマでやってても、ちょっと観てそっぽ向くレベルってくらいひどいわあ
主演のふたりを前面に出して、すっごいエンターテインメント作品ですみたいに見せてるけど、実際の作品じたいがショボすぎる
やりたいことに映画作りの能力がまったく追いついてない感がすごい

視界に入った者を操れる男
そんな男がゆいいつ操れない奴と出会う
そんなふたりのケンカを延々とやってるだけ
時折、緊迫すべきシーンに「それはギャグでやっているのか?」と思うようなチャラけた描写が入り、クソB級感を助長します
能力の効果範囲は?持続時間は?限界人数は?みたいなのを読み合いつつのダブル主人公の頭脳戦、という「デスノート」系を期待してると悪い意味で裏切られます

能力者側は肉体的な負担はあるけど、けっこう拡大解釈で無制限に力を使いまくり
対する側は頑丈な体を利用して正面から突っ込むのみ
このふたり、ホントに頭を使わない…っていうか、能力者の男は軽率な行動ばっかとってるけど、ホントにどうしてこの20年間バレずにやってこれたのか疑問すぎる
劇中で刑事さんが「どうやって20年間生きてきた~」みたいな問いをするんだけど、そこに答えがないから困る
密かに能力者を陰から援助する組織が実はある、とかそういった類の裏設定もないしね

こういう作品は世界のMIIKEにオファーした方が良かったんじゃなかろうか、と思わざるえない一本でした

個人的評価:20点
オススメ度:画的に死人が死んでるように見えないし




MONSTERZ 予告

2014年6月1日日曜日

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳 (2014/日)

監督:佐藤信介
出演:綾瀬はるか / 松坂桃李 / 初音映莉子 / ピエール・ドゥラドンシャン / 村上弘明 / 橋本じゅん / 村杉蝉之介 / 児嶋一哉 / 角替和枝

物から催事内容までなんでも鑑定する万能鑑定士の凜田莉子
ある日、そんな彼女のところにモナ・リザの鑑定がもちかけられる

なんとなくだけど映画作品ってよりTVドラマを観ている、というよりTVドラマの劇場版を観てる感覚に近かったかもしれません
ドラマ版の最終回を経て事件の規模を大きくし、すごい能力をもった主人公の絶対的なピンチを描く・・・ってな具合のありがちな雰囲気が漂ってます
本格的なサスペンスやらミステリを期待してるとアレかもしれないけど、少年マンガ的なライトな娯楽ミステリと思ってみればつまらなくはない

久しぶりに日本で公開されるモナ・リザのため、現地での学芸員を選出するテストとして鑑定試験を受けることになった主人公の凜田莉子
偶然に知り合うことになった記者の取材対象になりながらも、凜田は学芸員候補として同じく選ばれた女と試験を続ける、という内容
しょうじき話が動き始めるまでけっこう時間がかかり、軽井沢合宿パートがじゃっかん長めでダレる

わりと簡単にピンチに陥る主人公の姿から、超有能な人物なんだろうけどイマイチそれが伝わってきづらいかな
ストーリーとしては二転三転はあって、あくまでライトな娯楽作品と割り切ってれば退屈はしませんが
それでもやっぱり細かいツッコミどころは多い
普通にTVドラマで主人公のスゴさを描いておいて、その延長線上でこの映画を公開した方が良かったんじゃなかろうか、と思わざるえない一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:ぜんぶ慎重に解体すればいいと思うよ




万能鑑定士Q モナ・リザの瞳 予告

薔薇色のブー子 (2014/日)

監督:福田雄一
出演:指原莉乃 / ユースケ・サンタマリア / ムロツヨシ / 鈴木福 / 田口トモロヲ / 三浦理恵子 / 片桐はいり / 志賀廣太郎 / マギー / 佐藤二朗 / 小嶋陽菜 / きたろう / 山西惇 / 中村ゆり / 橋本じゅん / 大河内浩 / 井上裕介 / 松岡璃奈子 / 酒井健太 / 平子祐希 / 春名風花 / 上地春奈 / 岡田義徳 / ホリ / コージー冨田 / 浪川大輔 / 平野綾

女子大生の幸子は引きこもって少女マンガを読みふける日々を送っていた
そんな時、ネットで知り合ったスパロウさんと少女マンガの話をしようと外で会う約束をするのだが・・・

ブーブー文句を言うからブー子と呼ばれ、そんな性格ゆえにリアルでも友達はいないし、人並みに楽しむこともできない主人公
という点では非モテ主人公がリア充めざす内容として、ちょっと期待できる設定かなと思いもしましたが・・・
なんだこれ、さすがにクソすぎるコメディっぷりに軽く怒りすらおぼえるわ

少女マンガみたいな出会いを期待してネットで知り合った男と会う約束をし、そのために自分を変えるために色々と努力をする
けどトラブルやらなんやらに巻き込まれてうまくいかない様をコミカルに描いた作品・・・というかコントなんですが、もう個人的にほぼ笑える要素がなくてガッカリ
とにかくギャグがいちいち古くさい上にベッタベタで、一周回って懐かしいネタが笑えるまでいかない中途半端なコメディ要素がダメな意味でやばい

とりあえず序盤の駅改札のシーンでのネタで「うわあ」と感じたなら、もうずっとそんな感じのギャグが続くんで覚悟した方がいいでしょう
逆にそこを「おもしれえ」と感じられたならハマるかもしれません
ええ、個人的にはこの作品の笑いのセンスはまったく合わなかったですが
もう「こんなんVシネでやってろ」とマジで思ったわ

個人的評価:30点
オススメ度:BOOKOかBUKOかどっちなんだよ




薔薇色のブー子 予告