2014年8月31日日曜日

グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子 (2013/仏)

監督:ニルス・タベルニエ
出演:ジャック・ガンブラン / アレクサンドラ・ラミー / ファビアン・エロー / パブロ・ポーリー / グザビエ・マシュー

会社をクビになって荒れ、車椅子生活の息子ジュリアンとの関わりを以前にも増して避けるようになっていたポール
そんなジュリアンは、父がかつてトライアスロンへ参加していた事実を知り・・・

無茶なことにチャレンジすることで家族の絆を取り戻す、というよくあると言えばよくある話
それでも母性が中心のが多い日本のドラマより、こういう父性の強いドラマの方が個人的に好みなんですよね
そんなわけでけっこう期待して観たわけですが、じゃっかん思ってたのと方向性が違ってて、「泣き」というより「ちょっぴり笑顔になれる」系の作品でした

会社をクビになったことを引きずって、あからさまに障害を持つ息子ジュリアン、そしてそれを支える妻を避けるようになるポール
そんな中でジュリアンは、父がかつてトライアスロンへ参加していた事実、そして過去に障害を持つ息子と共に競技へ参加した親子の記事を目にし、自分たちも挑戦しようと考える
それはジュリアンの家族の危機を察した末に、距離を縮めようとするための行動だった
という話なんですが、とりあえずジュリアンというキャラの持つ笑顔の力が半端なかったですね

どんな過酷で深刻な状況でも画面にジュリアンの笑顔が映し出されるだけで、不思議とこっちまで笑顔になってしまいます
だけど、影の、ホントの主役は父ちゃんであるポールの笑顔でしょう
無邪気さからくるジュリアンの笑顔もいいですが、やはり人生を背負ってきた男の笑顔は超最高と言わざるえない
そんな最強の笑顔コンビが彩る作品もさわやかな心地よさを与えてくれます

ただ、ジュリアンのレースに対する認識がずっと甘いままなのが残念だったかな
レースの過酷さを参加したことを後悔するほどに痛感する要素がないため、父親のがんばりが軽く描かれすぎてる気がしてしまう
劇中で心の中でずっと「父ちゃん、あんたすげえよ。俺は心からあんたを応援するぜ」と思い続けてました
笑顔のファンタジーだけじゃない、ツライ&キツイ現実と父親のすごさの評価をもっと描いてくれればもっともっとおもしろくなったかもしれんね

個人的評価:80点
オススメ度:意外なジュリアンの行動力、というか我の強さ




グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子 予告

THE NEXT GENERATION パトレイバー第4章 (2014/日)

監督:押井守
出演:真野恵里菜 / 筧利夫 / 福士誠治 / 太田莉菜 / 千葉繁 / 堀本能礼 / 田尻茂一 / しおつかこうへい / 藤木義勝 / 鴻上尚史 / 鈴木敏夫

熱海の海に現れた巨大海棲生物騒動の完結編
および特車二課にしかけられた爆弾騒ぎの二編を描くオムニバス

なかなか2章のインパクトの呪縛から抜け出せない感があったけど、この4章、特に熱海でのGA★PAエピソードは個人的に今までで一番おもしろかった
しょうじき3章で勢いが落ちてあまり期待はしてなかったけど、再びシリーズの期待値が上がらざるえない
一方で爆弾エピソードが内容もじゃっかん微妙だし、完全にGA★PAに隠れてもったいないですね

熱海での巨大海棲生物の騒動はエスカレートしていき、特車二課のオタクどもの悪ノリも加速していくエピソード6
力入れすぎで普通にカッコイイ特撮、そしてGA★PA
ふいにはじまるアクション、コメディ、サスペンス、そして・・・
ネタバレはしないけど、この話、マジでゾクっとくるものがあって、個人的暫定ナンバー1エピソードと言わざるえない

続いて爆弾魔によって特車二課にしかけられた爆弾に右往左往する姿を描いたエピソード7
爆弾パニックの様子をコミカルに描いた、深刻な状況を脱力系な感じで描いてておもしろい
おもしろい・・・んだけど、どうしても息抜きエピソードという印象しかない
バカ犬のくだりは笑えたけど、なんかもうひと味たりないというかなんというか、そんな微妙さが漂ってたかな

と、エピソード6の存在が強烈すぎるのもあるけど、もうちょいエピソード7にパンチがあれば、4章というくくりで個人的にシリーズ最高の一本と言えたのにって感じでした
さあ、次回はいよいよ名物ダンジョンエピソードで、今から楽しみでしかたないですね

個人的評価:80点
オススメ度:鈴木さんとか後編が無駄に豪華すぎる




THE NEXT GENERATION パトレイバー第4章 予告

2014年8月25日月曜日

イントゥ・ザ・ストーム (2014/米)

監督:スティーブン・クォーレ
出演:リチャード・アーミテージ / サラ・ウェイン・キャリーズ / マット・ウォルシュ / アリシア・デブナム・ケアリー / アーレン・エスカーペタ / マックス・ディーコン / ネイサン・クレス / ジェレミー・サンプター / リー・ウィテカー / カイル・デイビス / ジョン・リープ

アメリカのシルバートンの町近くで竜巻が発生すると予測するピーとら竜巻ハンターたち
くしくも町の高校では教頭のゲイリーの息子が撮影する卒業式が行われようとしていた

ディザスタームービーとはいえ、最近では地球そのものが壊滅しかねない級の派手な作品が多い中、竜巻を扱うってだけでなんか地味さを感じるのは否めない
というより竜巻の被害とか迫力は想像できるレベルでしかないし、あまり期待はしてませんでした
しかし実際に観ているとどんどん作品に引き込まれていく自分に気づく
けっこう大味で竜巻の迫力を楽しむだけの映画ではなかったですね

竜巻を撮影するために専用特殊車両で各地を飛び回る竜巻ハンターのピートたち
シルバートンの町の高校の教頭ゲイリーとその息子のドニーとトレイ
おまけに冒険バカたちが竜巻が発生するなかで互いに助け合ったりそうでもなかったりする話
基本はピンチになったキャラを救いにいく方向で展開していきます
誰かが撮影してる映像、もしくは無人カメラによる様々な劇中のレンズ越しにシーンがつながっているのが特徴的でした

よく分からん天変地異で発生した常識外れの竜巻による災害、というのではなくわりとリアルな竜巻を描いてるように感じました
現実の竜巻がどう発生して消失し、動くのかって部分はしょうじき知識としてないのであくまで「リアルに感じた」としか言えませんが
間近でいきなり発生して建物なんかをぶっ壊す竜巻の描写は迫力あって楽しめるけど、この作品はやっぱり登場人物たちが生き抜き、そして救出劇を成功させる部分を応援したくなるのが最たる見所な気がしますね
破壊や死などの被害を「すっげー、やべー」と面白みを感じるより、観ててホントに「生」の希望ある方向へ思わず力が入って願わざるえない

父ちゃんの活躍とか、ピートの行動とか最初はあまり良い印象がないキャラがラストでは株を上げまくるのも良い
だけど、ラストに出てくるキャラだけはどうにも納得できない
そこはお前じゃないだろ、と言いたくなる

個人的評価:85点
オススメ度:冒険バカという訳に惚れる




イントゥ・ザ・ストーム 予告

喰女 (2014/日)

監督:三池崇史
出演:市川海老蔵 / 柴咲コウ / 伊藤英明 / 中西美帆 / マイコ / 根岸季衣 / 勝野洋 / 古谷一行

新四谷怪談の舞台稽古にむかう浩介と恋人の美雪
女癖の悪い浩介は美雪がいながら他の女性にもちょっかいを出し始め・・・

劇中劇と作品世界の現実がリンクしていく系の作品で、けっこう舞台側のシーンが多い
世界のMIIKE作品のわりに悪ふざけが少なく、現代と古典のホラー要素がいい感じに混ざり合ってて面白かったですね
ちょっと普通すぎるホラーな気もするけど、配役の妙もあって引き込まれます

話し的には舞台である四谷怪談の稽古の進捗に合わせ、その話しとリンクするように現実世界の話も進んでいく、と
ようするに主人公の女ったらしなダメ人間っぷりを描きつつ、徐々に幻のようなものが舞台と現実の狭間を曖昧にしていきます

舞台にも現実にも幻惑させる要素が絡みついてくるため、けっこう観てても境目があやふやになって分からなくなってきます
そんな中での怪談として、ホラーとしての怖さがじわじわと展開してきて楽しい

ただ思ってた以上の、MIIKE作品に期待するようなぶっ飛んだ部分がなくて個人的には残念
美雪の内世界(に引き込まれた人)での描写が多く、情念的な怖さ寄りでホラー映画としては目新しい何かが足りない気がしないでもない一本でした。

個人的評価:75点
オススメ度:狙いすぎなキャスティングだけど、それもまた良し




喰女 予告

2014年8月24日日曜日

グレート・ビューティー 追憶のローマ (2013/伊・仏)

監督:パオロ・ソレンティーノ
出演:トニ・セルビッロ / カルロ・ベルドーネ / サブリナ・フェリッリ / ファニー・アルダン / カルロ・ブチロッソ / イアイア・フォルテ / パメラ・ビロレッジ / フランコ・グラツィオージ / ジョルジョ・パソッティ / マッシモ・ポポリツィオ / ルカ・マリネッリ / セレナ・グランディ

元作家で記者をしている老齢の男ジェップ
夜な夜な豪奢なパーティに招かれては騒ぎに興じるものの、どこかむなしさを感じはじめる

ローマの美しい情景、観光客の俗っぽさ、そして死・・・その後もどことなくアーティスティックな表現のシーンが続いて、どうにも眠さしかない
それでも中盤を過ぎるとやっと話が収束しはじめて集中して楽しむことができました
必要だし、私には理解しづらいだけで何かを表現しているんだろうけど、ホントに人とあって会話するというのが延々と続くのは大げさじゃなく眠気との戦いでした

誕生日をむかえ、パーティの騒ぎのむなしさを感じ、初恋の女性の死をしらされ、それでも様々な人とのつき合いがある日々を過ごす主人公のダンディ老人ジェップ
色々と思い悩むところがありつつもローマでの暮らしを続けていく、みたいな話・・・だと思う
しょうじきこの作品の本質みたいなところは理解できてないと自覚はしてます

なにはともあれ個人的な鬼門は前半の作り
どこかアートっぽさが前面に出てる会話や描写が延々と続いて苦痛
イメージとしては重要なのかそうでもないのか判別できない問いかけをずっとされてるような感じで、それが非常に眠くてつらかった
それでも後半になるにつれて徐々に「そういうことが言いたいのか」という部分が見えてきて救われます

そんな余裕が出てくるとローマの美しさと俗っぽさの両方を内包する描写も楽しめてきます
最初に思ってた監督のオナニー映画かよってげんなりしてた部分すら、そう思わせるトリックだったのかな、と
あまり多くを語ると「何も分かってないじゃねえか」と言われそうなんで、ボロがでないところでやめておきます

個人的評価:70点
オススメ度:良い映画だと思いこめばいい、と言えなくもない




グレート・ビューティー 追憶のローマ 予告

新劇場版 頭文字D Legend1 覚醒 (2014/日)

監督:日高政光
出演:宮野真守 / 中村悠一 / 小野大輔 / 白石稔 / 内田真礼 / 平田広明 / 土田大 / 諏訪部順一

秋名山の峠で走り屋の啓介がハチロクに抜かれる
いっきに話題になるが、それに乗っていたのは車にも走りにも興味のない高校生、藤原拓海であった

原作マンガ、アニメ、ゲーム、映画・・・いろんなジャンルで展開してきた人気作品が改めて劇場アニメとして生まれ変わる
と言えば聞こえはいいけど、しょうじきなところこの序盤の展開はさすがに見飽きたと言わざるえない
作り的には丁寧に雰囲気を壊さないよう、それでいて削るべきところは削ってバランスはよくできている
それでも「新しさ」を感じないのは仕方ないのかもしれん

秋名に遠征してきたチームの実力者が、地元でも知られていない謎のハチロク乗りに破れる
で、そのリベンジに燃えてあれこれ画策する啓介とは裏腹に、元凶である拓海は仕事で走ってるだけという意識で、車に興味がないために天然で外野気分で青春エンジョイするのだった
という感じで蛇足なヒロインとの恋愛要素をうまくレースに引き込むトリガーとしてまとめてるのは良かったですね

ぶっちゃけると個人的に車の挙動とかサウンドとか知識がないんで、車好きな人とか走り好きな人の目線での感想は知ったかになるので割愛
まあ、そんな見所を半ば放棄してるゆえにこんな私が観ても完全に楽しめないのかもしれませんね
でも、けっこうこの作品でのバトルとかは好きで、なにげに原作もちゃんと読んでるんですよ

そんな車素人なバトルメインで観てる私からすれば、もうちょいアニメなりの熱い過剰演出があってもよかったかな、と
マンガ版を読んでるようなスッキリした印象なんで、原作を大切にしてるという意味ではこれで良いのかもしれませんが

個人的評価:70点
オススメ度:時代の流れか、やっぱり煙草ふかす豆腐屋って引っかかるものがあるわ




新劇場版 頭文字D Legend1 覚醒 予告

ガンダム Gのレコンギスタ 特別先行版 (2014/日)

監督:富野由悠季
出演:石井マーク / 嶋村侑 / 寿美菜子 / 逢坂良太 / 佐藤拓也 / 高垣彩陽 / 福井裕佳梨

宇宙エレベーターを守るモビルスーツパイロット候補生ベルリ
そんな彼の実習中、宇宙海賊が謎のモビルスーツで襲ってきて・・・

富野っちが子供だましじゃない子供向けのガンダムを作るって言ってたけど、確かにそんな感じの作品
小難しい専門用語は作品世界に生きる者にとっては当たり前の単語、と言わんばかりに観てる側にはなんとなく察するくらいの説明描写しかないいつものガンダムの出だし
それでいて子供の事情で動く世界と物語がおもしろい

宇宙エレベーターでモビルスーツに乗っての実習に移る中、宇宙海賊の襲撃を受ける
ベルリたち候補生は実習用モビルスーツでこれに挑む
という中で宇宙海賊の女アイーダとの出会いによって主人公ベルリの状況が大きく変化していく、と
モビルスーツ戦はあるものの、ガンダムなどのマシンが作品の中心ではなく、キャラクターたちととりまく世界がメインになってるように感じる

とりあえず敵対勢力のモビルスーツや捕虜の扱いが主人公、子供たちの都合の良いように描かれ、大人の事情や都合は極力表に出てないのが印象的
シリアスになるような場面でも、かなりライトにその場のノリだけで話が進む
さらに独特のコミカルさもあって、ガンダムは大人の観る作品という部分はうまく払拭されてると思う

ホントにユニコーンからのノリをイメージしてるといかんですね
ターンAのようでキングゲイナーのようでもあり、昭和の富野っちのロボットアニメのようでもある
「~みたいな感じのガンダム」というくくりをすることじたいが無粋な作品かもしれません
ベルリやラライヤ、Gセルフの抱える謎っぽい部分も気になるし、早く続きを観たいですね

個人的評価:80点
オススメ度:3話までじゃ世界観についていくだけで精一杯です




ガンダム Gのレコンギスタ 特別先行版 予告

2014年8月18日月曜日

ホットロード (2014/日)

監督:三木孝浩
出演:能年玲奈 / 登坂広臣 / 木村佳乃 / 小澤征悦 / 鈴木亮平 / 太田莉菜 / 竹富聖花 / 落合モトキ / 山田裕貴 / 鷲尾真知子 / 野間口徹 / 利重剛 / 松田美由紀 / 野替愁平 / 遠藤雄弥

家族のことで悩みを抱える中学生の少女、和希
ある日、女友達の紹介で春山という男と出会い・・・

世代としては原作マンガを読んでてもおかしくないですが、当時は完全にスルーしてた作品
ゆえに思い入れがないニュートラルな先入観で鑑賞
だけどやっぱり出演者、原作どっちかのファンが観て楽しむ作品なんだろうな、と感じましたね

乗り気じゃないままに結婚した父親の子として生まれた和希
そんな父もすでに亡くなっていて、母親とふたりで暮らしているが、母のつき合っている相手のこともあって和希は悩みを抱えていた
そんな中で出会った春山は、きっかけこそ最悪であったが、どこか似た者どうしなような感覚からじょじょに距離を縮めていき・・・みたいな話
和希&春山と母親のふたつの話が平行して進んでいく感じ

思った以上に暴走族要素は薄く、ケンカやら抗争やらの描写はあるものの、あくまで作品を彩る設定のひとつみたいな印象でした
全体的にどこか危ういイメージをずっとあって、そんな不安定な部分を「青春」とか「未熟さ」みたいな単語に置き換えて楽しむ作品なのかもしれません
ホントにちょっとした出来事でも心の針が大きくブレるキャラばっかりで、メインどころに母親も含めて作品を落ち着かせるしっかりした大人がいない

見た目以上に良い奴ぞろいな暴走族仲間とのやりとりとか、危なっかしい和希の不安定さとか、トオル父親との思い出とか、もちろん春山とのロマンス部分もおもしろい
話的にも良い話だってのも分かる、だけど個人的にどうにも心に響くものがないんですよね
「ホットロードという世界観を楽しんでください」みたいな表面的なドラマっぽい作りに感じ取れる

もちろん原作に強い思い入れがある方が観ればまた違った印象になるかもしれません
そういうところからいろんな意味でファン向けなのかな、と

個人的評価:70点
オススメ度:意外とおっさん客が観にきてて驚いた




ホットロード 予告

STAND BY ME ドラえもん (2014/日)

監督:八木竜一 / 山崎貴
出演:水田わさび / 大原めぐみ / かかずゆみ / 木村昴 / 関智一 / 萩野志保子 / 三石琴乃 / 松本保典 / 田原アルノ / 妻夫木聡

勉強も運動も心根もダメダメな少年のび太
そんな彼のところに未来を変えるため、遠い子孫と猫型ロボットのドラえもんがやってくる

今さらだけど個人的に声優交代後のドラえもんを初めてしっかり観た作品になりました
大人でも楽しめる感動ドラマよりのドラえもんってことで、おっさんの身ながら鑑賞
しょうじき「泣き」を前面にだして映画アピールしてる広告方法に軽い軽蔑をおぼえてたけど、肝心の内容はちゃんと「ドラえもん」という作品を大切に扱っていて、心に響くものもありました

なにをやってもダメな少年のび太のもとに未来からやってきた子孫のせわし&ドラえもん
せわしはドラえもんに「のび太を幸せにすること」というプログラムを与え、未来の便利道具を使ってのび太の人生を変えようと試みる日々がはじまる、と
ドタバタでコミカルな日常とちょっと良い話を楽しむだけでもじゅうぶんですが、ホントに大人が観ても鑑賞にたえうる作りになってていいですね

ドラえもん目線になってのび太を見つめるもよし、作品世界の外野からふたりを見守るもよし、とりあえずおっさん的な視線から言えば「のび太の子供っぽさ」が愛おしく感じずにいられない
道具やドラえもんに頼りっぱなしな根性なしっぷりとか、ダメな部分をちゃんと描いてることでドラマ部分が分かりやすくなってていい
良くも悪くも純粋なのび太の魅力が存分に描かれてます

未来をのぞき見ることの危うさとか、タイムパラドックスとか小難しいことが気にならないと言えば嘘になるけど、あえて細かい部分は目をつぶっておいた方が楽しめますね
ただ、エンドロールのオマケ映像、アレだけはダメ
ディスク化した時に特典として収録するならともかく、エンドロールだとしても本編に組み込んだら、「今までの作りごとですから」と言われてる感じで台無し
それだけが個人的に残念でならなかった

個人的評価:80点
オススメ度:スネオの髪型に違和感がないナイス作り




STAND BY ME ドラえもん 予告

2014年8月17日日曜日

バトルフロント (2013/米)

監督:ゲイリー・フレダー
出演:ジェイソン・ステイサム / ジェームズ・フランコ / ウィノナ・ライダー / ケイト・ボスワース / ラシェル・ルフェーブル / フランク・グリロ / クランシー・ブラウン / イザベラ・ビドビッチ

元麻薬取引の潜入捜査官のブローカーは幼い娘とともに亡き妻の思い出の家で暮らし始める
しかし娘の学校での子供同士のケンカから、親を巻き込みじたいはどんどん大きくなっていってしまい・・・

引退した凄腕捜査官、愛娘との二人だけの家族の暮らし、そこへ襲いくる過去からの刺客・・・って、どんだけこのてのオヤジアクションを量産すればハリウッドは満足するのか
そんなありきたりな設定にプラスアルファな強烈なウリとなるナニかがあればまだ楽しめるけど、残念ながらこの作品にはそれが欠如してるから困る
特にコレといった見せ場がない、クソ映画ではないものの悪い意味で普通な作品

亡き妻と縁のある土地と家で、麻薬潜入捜査官を引退して幼い愛娘と人生の再出発をはかる主人公
しかし、子供同士のケンカからたちの悪い親にからまれ、なまじ強いだけに過剰反撃して、主人公はさらに恨みをかってしまう
報復はどんどんエスカレートしていき、やがて過去に因縁のある組織まででしゃばってくる、という定型ストーリー

子供のケンカからはじまってモンペのいちゃもんというこじんまりした発端に、じゃっかんイヤな予感はしてたけど、結局、最後まで全体的にこじんまりした内容でした
特に盛り上がらない報復劇、突き抜けないアクション、中途半端なロマンス、既視感しかない親子愛ドラマ・・・
「ここはすごかった!」という点がいっこも思いつかないのは逆にスゴいかもしれんね

ありきたりゆえに逆に安定感はあって、最低限のエンターテインメント性はあるっちゃあ、ある
引退した凄腕なオヤジが幼い愛娘のために悪党と戦う、というシチュエーションだと聞いても「そういうのあまり観たことないなあ」という人ならじゅうぶん楽しめるかもしれません

一人娘が護身術を身につけていてケンカが強く、父親のことも嫌ってるわけじゃなく逆に親子関係は超良好という部分はちょっとありきたりじゃない要素で、以後の展開に期待はあったんですが・・・
結局はよくある内容で終わっちゃって、個人的にはガッカリ感が強かったですね

個人的評価:60点
オススメ度:アクションスターのオヤジアクション映画は避けて通れない道なのか




バトルフロント 予告

宇宙兄弟#0 (2014/日)

監督:渡辺歩
出演:平田広明 / KENN / 沢城みゆき / 三瓶由布子 / チョー / 田中真弓 / 有本欽隆 / 大塚明夫 / 乃村健次 / 立木文彦 / 石田太郎 / さだまさし / 水卜麻美

宇宙飛行士の南波日々人は、英雄的な存在であるエディJのもとで訓練を受けていた
一方、兄の六太は車の設計の仕事をしていたが、地方の営業所へ飛ばされてしまい・・・

まあ、とりあえず誰もが思うだろうけど、わざわざ映画化するほどじゃないよね
アニメ作品として個人的にあまり作画うんぬんにこだわりはないんだけど、さすがに素人目でもこのデキはテレビアニメの延長線、ひいき目に見てもテレビスペシャルレベルとしか思えない
新作としての劇場作品というより、マジでテレビ派生のスペシャルアニメという感じでした

話的には兄の六太がまだ宇宙飛行士じたいを目指しはじめる前、地方営業所に左遷されながらも現地で前向きに働く内容
そして、弟の日々人とブライアンJとの関係を描く内容を平行して描いていく感じ
それぞれ日常の中でのちょっと良い話と苦難があり、過去のエピソードやらなんやらが絡みつつ話が組み上げられていきます

個人的には結果ありきの日々人編より、先は読めるけど安定した人情話が展開する六太編のエピソードの方が楽しめました
過去の話ではあるんだけど、テレビアニメシリーズの後半に登場するキャラも出てくるし、そういう意味でもアニメを観てきた人、ファン向けな内容って感じかもしれません
どうせなら過去だけじゃなく、ちょっとでもいいからまだ未発表な先の展開をチラっと描いてくれてもよかったかな、と

そんな感じで劇場作品として大きなナニかを求めなければ、それなりに良い話に心地よくなれる一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:もうちょいブライアンさんと日々人の絆エピソードが観たかった




宇宙兄弟#0 予告

2014年8月15日金曜日

トランスフォーマー ロストエイジ (2014/米)

監督:マイケル・ベイ
出演:マーク・ウォールバーグ / ニコラ・ペルツ / スタンリー・トゥッチ / ソフィア・マイルズ / ジャック・レイナー / リー・ビンビン / ケルシー・グラマー / T・J・ミラー / ピーター・カレン / フランク・ウェルカー / 渡辺謙 / ジョン・グッドマン

ディセプティコンと同一視され人間に狙われるオートボットたち
そんな中、オプティマスプライムはエンジニアのケイドに救われ・・・

とりあえずシリーズ全体としてのクライマックスを見据え、あまりに次回作に意識がいきすぎてる感がありありとしてる内容でしたね
一本の映画として今作に集中できてないというか、話的にも作り的にも中途半端すぎる
とりあえず派手に暴れてるバトルシーン描いてスクリーン上では盛り上がってるように見えるけど、中身はすっかすかと言わざるえない

人間たちから狙われる立場になったオートボット
それでいてCIAはなんかよく分からない宇宙船に乗ってるトランスフォーマーと協力関係にある
さらに、政府とつながりのある企業ではレアメタルによる人造トランスフォーマーの開発が行われていた
という中で命(?)を狙われるオプティマスプライムが、ケイドたちと戦いに挑む、という内容
なんだけど、どうにも何が描きたいのか分かりづらい

最後まで観ればシリーズ全体を見越した、完結へむけてのエピソード1みたいな立ち位置だと理解できる
だけど、それならそうともっと分かりやすくパート1とか序章とかつけてくださいよ
今までのようにそれなりにこの映画だけで話がまとまる、シリーズながら一話完結と思って観てると裏切られます
消化不良すぎるストーリーに苛立ちが押さえきれんわ

そんなストーリーは捨てるとして、アクション部分がおもしろければそれはそれで良かったんですが、そっちもちょっと難ありでした
すっごい派手でテンション上がるアクションの連続、といえば聞こえはいいけど、胃がもたれるほどずっと同じようなバトルを見せられても逆に飽きる

ひとつひとつのシーンはカッコイイし盛り上がるんだけど、そればっかりやられてもメリハリがなくてダレるわな
という感じでラストバトルはそれなりに熱いものがあるけど、なんか感覚的に半分以上ずっと派手に暴れてただけな印象しか残らない一本でした

個人的評価:65点
オススメ度:アメリカンジョークがアメリカンジョークすぎてなんかイヤ




トランスフォーマー ロストエイジ 予告

2014年8月12日火曜日

バードシャー テルグの皇帝 (2013/印)

監督:シュリーヌ・バイトラ
出演:N・T・R・ラオ・Jr. / カージャル・アグルワール / ケリー・ドルジー / ナブディープ

皇帝バードシャーの異名を持つ男ラオ
マフィアのボスであるサードゥ・バーイを倒すべく計画を実行にうつすのだった

「ダバング」からの流れで鑑賞してみましたが、なんというか完全にベクトルが違う作品でしたね
この「バードシャー」はなんというか、主演を輝かせるためだけに作られたPVっぽい印象が強かったです
スタイリッシュにアクションをこなしつつ、コミカルな表情もあり、そしてキレのあるダンスを全面に出してきていて、まさにラオさんカッコイイというだけの内容

なんか主人公のバードシャーとか呼ばれる男がマフィアのボスの一派と対立する中、なんか知らんけどイタリアのある女性の気を引こうと画策しだす
ってな感じでしょうじき最初は何を描きたいのか理解しづらい導入になってますね
おいおい過去が描かれて理由とストーリーは理解できるんだけど、ちょっと分かりづらいのは否めない

特に過去のシーンへの移行のタイミングがちょっと把握しづらくて、「たぶんこれ過去のできごとだよな」と思わずにいられなかった
で、期待してたアクションもなんかちょっとイマイチ
思った以上にコメディ&ダンスパートが多めで、それほどアクションしてる印象が薄い上、主人公がいっさい苦戦することなく無敵っぷりを見せつけてるだけで飽きてくる

血と埃、泥、汗にまみれて傷だらけになりながら・・・というアクションではなく、あくまでアイドル的な見せ場の連続すぎて物足りない
個人的にアクション部分に期待してたんでアレですが、ダンス&コメディ映画として観れば十分に楽しめる一本でしたね

個人的評価:60点
オススメ度:まさかのダバングネタはタイムリーだったわ




バードシャー テルグの皇帝 予告

噂のギャンブラー (2012/米・英)

監督:スティーブン・フリアーズ
出演:ブルース・ウィリス / レベッカ・ホール / キャサリン・ゼタ=ジョーンズ / ジョシュア・ジャクソン / ビンス・ボーン

ウエイトレスになるために夢をもってラスベガスにやってきたベス
しかし、ひょんなことからギャンブルのブックメーカーである男、ディンクのもとで働くことになり・・・

魅力のない登場人物、盛り上がらないBGM、とってつけたような恋愛要素、緊張感のないギャンブルシーン・・・なんというかまったくやる気が感じられないのが逆にすごい
どんなクソB級映画でももうちょい「やってやるぜ」的なものが作品から伝わってくるってのに
制作された事情は知らないですが、素人目な私には「しかたなく作った」みたいな印象しかありませんでした

ブックメーカーのディンクの指示で、ギャンブルに金をかける手伝いをする仕事につくベス
ビッチ人生を生きてきた彼女は才能うんぬんよりも、その幸運をかわれる
そんな中で妻のある身であるディンクと良い仲になっちゃって~、みたいな話のようなそうでもないような

テンションのあがるBGMとスピード感のある描写ですっ飛ばす痛快ギャンブルストーリー、みたいなノリかと思いきや冒頭からぼんやりとした感じで始まって嫌な予感しかしない
で、結局、話はぼんやり進み、ロマンスパートもぼんやり終わって、ベス中心のドラマもぼんやり展開しつつ、ぼんやりしたクライマックスでいつの間にか映画は終わってました

恋愛、サクセスストーリー、逆転劇、エンターテインメントの要素をとりあえずそろえてみて、ブルースさんを引っ張ってきたとこで力つきたんかな
なにがどうっていう生やさしいもんじゃなく、ホントに総合的に中途半端でガッカリ感しかなかった一本でした

個人的評価:10点
オススメ度:ふらふらしすぎな主人公が真ビッチすぎる




噂のギャンブラー 予告


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2014年8月4日月曜日

るろうに剣心 京都大火編 (2014/日)

監督:大友啓史
出演:佐藤健 / 武井咲 / 青木崇高 / 蒼井優 / 大八木凱斗 / 江口洋介 / 伊勢谷友介 / 土屋太鳳 / 田中泯 / 宮沢和史 / 小澤征悦 / 藤原竜也 / 神木隆之介 / 滝藤賢一 / 三浦涼介 / 丸山智己 / 高橋メアリージュン / 村田充 / 屋敷紘子 / 原勇弥 / 山田崇夫 / 島津健太郎 / 山口航太 / 福山雅治

政府転覆を企む志々雄一派を討ってほしいと持ちかけられる剣心
志々雄の非道ぶりを目の当たりにし、ひとり京都へ旅立つ覚悟を決めるのだった

お茶目なキチガイキャラである志々雄さんがとりあえず良キャラだったなあ、という感想しか今のところないですね
二部作の一本目という時点で覚悟はしてましたが、思った以上に十本刀のみなさんの出番がなかったのは残念
とりあえず画面に映っただけの人がほとんどながら、見た目のインパクトがあるだけに原作知らない方からすれば「なんか強そうだけど、よく分からん」ってなるんじゃなかろうか

なんかもう手に負えないくらい力をつけた志々雄問題に剣心を巻き込む政府のお偉いさん
なんだかんだで京都に向かいつつ、志々雄一派とバトって敵の計画をつかんでいく、みたいな流れ
主要なキャラ紹介&軽いバトルで活躍させ、ストーリーはクライマックスへ向けての助走で終わった感じですね

誰と誰がバトってどうなったか、とかネタバレはしない方向でいくとして、とりあえず君付け発言とか先輩発言とか、けっこう志々雄さんの言動がおちゃめで素敵でした
殺陣というか、もう空飛んだり地をはったりの刀アクションは軽いながら見応えはあった
ただやっぱり絡んでくるキャラが多いゆえに、それぞれの見せ場というか活躍シーンは薄め

とりあえずは後編にあたる二本目を観ないことにはなんともいえない作品ではありました
というか、いろんな要素が放置されっぱなしなんで、次の一本でどうまとめてくるかちょっと不安ながら期待せざるえない

個人的評価:70点
オススメ度:バッチこい的なポーズで「剣心!」って言われても笑いしかおきないわ




るろうに剣心 京都大火編 予告

春を背負って (2014/日)

監督:木村大作
出演:松山ケンイチ / 蒼井優 / 豊川悦司 / 檀ふみ / 小林薫

トレーダーとして働いていた亨に父が亡くなったと連絡がはいる
そんな父が営んでいた山小屋を訪れた亨は、自分がそこを引き継いでいくと決意する

思ったほどべっとりするような粘着力のあるドラマではなく、けっこうあっさり味でしたね
良い話ではあるけどメチャ泣きしたいとか、感動したいっていう方向はあまり強く期待しないほうがいいかもしれん
いわゆる「で、けっきょくおもしろかったの?」と聞かれて一番こたえに困る作品
普通すぎて鑑賞直後「良かった~」と思った次の瞬間には、すっかり映画のことなど忘れちゃう感じ

ザ・現代社会の頭脳派ビジネスマンな主人公が、畑違いもはなはだしい山小屋の主人へジョブチェンジ
頼りになる仲間たちとトラブルあり、心温まることあり、冷たい現実ありで、ひと夏のうちにイベントの嵐を乗り越えて経験値をあげていくドラマですね
まあ、ドラマだと分かっちゃいるけど都合良く主人公を成長させるイベントが次々におこりすぎ

ホントに細かいエピソードの連なりでできている作品ですが、そのひとつひとつがけっこうあっさり展開していくので観ていて疲れることはない
どんな気持ちの落ちることが起きても引きずりすぎない、という良い面もあるけど、逆にほんわかするエピソードもあっさり過ぎ去っていく難点もあり

それがクライマックスにも適用されていて、最後の盛り上がりポイントがきたと思いきやけっこう淡泊に描かれて終わってしまう
そういう点からも可もなく不可もないザ・普通な作品だったと思えました

個人的評価:75点
オススメ度:ポケットに手を突っ込んで目上の人間に挨拶するシーンが気になる、そんだけ私がおっさんになった証拠なんですかね




春を背負って 予告

2014年8月3日日曜日

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト (2013/独)

監督:バーナード・ローズ
出演:デビッド・ギャレット / ジャレッド・ハリス / アンドレア・デック / クリスチャン・マッケイ / ジョエリー・リチャードソン / ヘルムート・バーガー

才能がありながらも斬新すぎて周りから相手にされないヴァイオリニストのパガニーニ
そんな彼を成功に導こうとウルバーニという男が現れ・・・

とにもかくにも冒頭の演奏シーンで引きつけられる
その吸引力をことごとく無駄に消費する前半が退屈すぎて残念でしたね
ヴァイオリンさえ弾いてればキレッキレで画になるのに、ぷっつりと演奏シーンがなくなって自堕落な描写&ダラダラとロンドン公演に向けての日常パートがクソすぎる
もっと演奏と日常のバランスをとれば退屈もしなかった気がしないでもないかなあ

才能を持て余しつつも世間に認められないパガニーニが、ウルバーニにみそめられて売り込みによって富と名声を愛を手に入れていくサクセスストーリー、かなり乱暴かつ簡単に言えばそんな話
ヴァイオリンの腕前は天才的なのに、クスリ、女、ダラけ癖がひどいダメ人間なパガニーニ
そんなダメな部分ばかり序盤で描かれまくって、なんとも「もっとすごいトコも観せてよ」と言いたくなる

だけどバーでの即興演奏から先は、なんかいきなり演奏シーンが増えてキレのある魅力的なパガニーニが描かれ出します
そして、そこからやっとおもしろくなってくる
パガニーニの超絶技巧に酔いしれるだけでも楽しいし、「なんかウルバーニさんのキャラが中途半端だよな」という引っかかり要素も解消されて話も盛り上がります

劇中の細かいシーンで矛盾するような感じもあるけど、パガニーニとウルバーニの関係もちょっと深読みできておもしろい
そんな感じで後半になるにつれてどんどんおもしろくなるだけに、ホントに前半のクソダルさがもったいない一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:完全に浮いてる子供の存在とか、ちょっと事実をねじまげて新解釈物語にしてもよかったんじゃなかろうか




パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト 予告

黄金のメロディ マッスル・ショールズ (2013/米)

監督:グレッグ・フレディ・キャマリア
出演:リック・ホール / アレサ・フランクリン / ミック・ジャガー / キース・リチャーズ / ボノ / スティーブ・ウィンウッド / グレッグ・オールマン / クラレンス・カーター / ジミー・クリフ / パーシー・スレッジ / ウィルソン・ピケット / アリシア・キーズ

マッスル・ショールズの音楽スタジオ
小さな田舎町にすぎないそこでは、魔法のように数々の名曲が生まれてきたのだった

なんかよく分からんけど、そこで収録すると魔法のようにヒット曲が生まれる
確かにそんな霊感チックな要素もあるんだけど、あくまで曲を作るのは人間だって描かれていてよかった
そんな人の手によって生まれるにしても、場所が感性を刺激して集まったモノで漠然と曲が完成するってだけでもなく、ちゃんとそこには努力という形のクリエイトする苦しみが見えるのもいい

話的にはマッスル・ショールズという場所がなんでこんなにも名曲を生み続けるのか、「マッスル・ショールズってなによ?」というよく聞かれる疑問を数々の関係者のインタビューなどによってドキュメンタリーとして描いていく、という感じ
もちろん劇中では往年のヒット曲がシーンを盛り上げ、豪華なプレイヤーたちが出演
それだけでも十分に目にも耳にも楽しい

かといって出演する人物や曲をそこまで深く知らなくても、洋楽に対する知識がそう深くなくても問題なく楽しめると思います
ただ、音楽が好きだっていう部分さえ持っているのであれば
もちろん知識があった方がいっそう楽しめるのは確かだろうけど、音楽という大きなものの前ではちっぽけな問題にすぎない

場所と人の力で漠然となんとなく魔法によって名曲が生まれる、というだけじゃない、いろんな要素が互いに絡み合って完成にこぎつける様は観ていておもしろい
リックのバックボーンや山あり谷ありのスタジオの歴史も描かれて映画としても楽しめた一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:またそのうち説教してもらいたいと言わざるえない




黄金のメロディ マッスル・ショールズ 予告