2014年9月29日月曜日

TOKYOてやんでぃ (2012/日)

監督:神田裕司
出演:ノゾエ征爾 / 南沢奈央 / 有坂来瞳 / 黒田福美 / 伊藤克信 / 池田鉄洋 / ラサール石井 / でんでん / 石井正則 / 千太郎 / 中村昌也 / 平沼紀久 / 山田清貴 / 佐藤栞菜 / 村木藤志郎 / 里見要次郎 / 泉堅太郎 / 金原亭世之介 / 夕霧 / 白須慶子 / 三谷昇 / 真野響子 / 安達祐実 / 小松政夫

すでに9年5ヶ月も落語家の前座修行をしているピカッチ
師匠が高座に上がるという日、楽屋をまとめる彼にトラブルが次々と襲いかかる

落語の映画なのにほぼ全編が楽屋で話が展開するワンシチュエーション、なんか舞台っぽいなと思ったらやっぱり演劇版がありましたね
感覚的にも舞台を観劇してるようで、話の転がし方とか良くも悪くもあまり映画っぽくない
無駄にずっとバカ笑いするようなコメディではなく、笑わせられるポイントも大小の波があって楽しめました

話的には寄席の支配人な席亭のたくらみやら単純な遅刻やらで、高座に上がる人が常に足りなくなってしまう状況下でドタバタしながら主人公のピカッチがまとめていく…みたいな感じ
入れ替わり立ち替わりなゲスト出演者のトラブルやらなんやらでワンエピソードを展開しつつ、主要キャラの裏側っぽい部分がじょじょに見えてきます
高座でどんなことが起こっているのか想像し、楽屋に引っ込んできた出演者の姿と他のキャラのリアクションを見ているだけでもおもしろい

とりあえずクセのありすぎるおもしろ登場人物の要素が大きいキャラクター祭もの、という感じ
それでいてちょっとしたネタが後につながっていたり、笑いの部分が爆笑、小笑、凪とリズムよく組み立てられていて良いですね
今、ここで言うか、というたたみかけが個人的にツボでした

ピカッチの師匠が引き締めるクライマックスもビシッと決まっていて、作品トータルとしてよく計算されて作られていると思った一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:ピカッチの師匠はマジで惚れざるえない




TOKYOてやんでぃ 予告


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2014年9月22日月曜日

柘榴坂の仇討 (2014/日)

監督:若松節朗
出演:中井貴一 / 阿部寛 / 広末涼子 / 中村吉右衛門 / 高嶋政宏 / 真飛聖 / 吉田栄作 / 堂珍嘉邦 / 近江陽一郎 / 木崎ゆりあ / 藤竜也

幕末の日本、生命を賭して護ると誓った主君をむざむざ殺されてしまった金吾
その責により生き恥をさらしながら逃亡した刺客を討つことを命じられる

時代劇、仇討、というキーワードおよび予告編から連想してたものと大きく異なる感情がそのラストでわきあがりました
内容も予告編から見て取れる部分だけの話でもなく、なんだかんだ単純なものを引き延ばして一本の作品にしたような安易さは感じられなかったですね
終着点がどうなるか、って部分は書かない方向として、とりあえずまっすぐな作品という印象を受けました

主君である井伊直弼を一命をかけて護ると誓いながら、わずかな少数の刺客に翻弄され暗殺まで許してしまった金吾
唯一の生き残りであった金吾は切腹を希望するが、命じられたのは逃亡した刺客を討てというものだった
という感じで生き恥をさらし、世の大きな変革の流れによる社会と人々の変容に苦労しながら、いっこうに足取りのつかめない刺客を追う、時代に取り残された侍のお話ですね

命を受ける相手が変わっても、みな洋服を着て新たな生活を生きても、藩そのものがなくなっても、頑なにちょんまげ袴姿で刀を携えて身も心も侍をつらぬく主人公が魅力的
けして侍として見た目がカッコイイわけでもなく、どこか情けなく儚いのに芯が強いのがいいですね
そんな意固地なまでに全身侍を貫く主人公と、新たな時代で新たな生き方を進む登場人物たちの関わりからくるドラマがおもしろい

仇討うんぬんという部分より、時代が流れていく中で関わりを持っていく人物たちとのやりとりの方に自然と関心がむきますね
変わるもの、変わらぬもの、変わらなくてはいけないもの、変えてはいけないもの、そこら辺が分かりやすく描かれてて賢くない私でもすんなり飲み込めました
作りも重く堅苦しい展開の中にも、ホッと一息つけるところが用意されているので疲れない一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:ミサンガに懐かしさを感じるのはおっさんの証拠




柘榴坂の仇討 予告

幼獣マメシバ 望郷篇 (2014/日)

監督:亀井亨
出演:佐藤二朗 / 高橋洋 / 竹富聖花 / 菅原大吉 / 盛岡冷麺 / 篠田薫 / 朝倉伸二 / 佐藤貢三 / 田根楽子 / 宍戸開

母の手のひらで踊らされる状況から脱却するため、旅に出たマメシバの一郎と40歳になった二郎
遠く離れた島で暮らす親友のべーちゃんを訪ねることにするが・・・

ドラマでは最近ちょっと不遇なべーちゃん絡みのエピソードは、ホントに個人的に「待ったました」と言わざるえない
マメシバシリーズの登場人物ではなにげにべーちゃんが好きだったので、ドラマ版の望郷編はちょっと物足りなかったんですよね
なんか二郎ちゃんの性格もドラマ版ではじゃっかん違和感あったけど、劇場版ではいつものザ・芝二郎がみられてよかった

話的にはドラマ版望郷編のラストからつながっていて、旅に出ることにした二郎ちゃんがべーちゃんからの手紙のこともあったし、島を訪ねてみようってんでバスにゆられて現地イン
相変わらず自分から蒔いた種から状況を悪化させ、愚痴り&ほうほうの体がいつもの二郎ちゃんで素敵です
予告編から感じられるようなトリック的な怪しい騒動に巻き込まれる、というのとはちょっと違った方向性で良い意味で裏切られましたね

登場人物の言葉や行動が今までの二郎ちゃんの歩んできた道の戒めとも、これから進むべき道への警告ともとれるニュアンスを含んでいて、基本はコメディ調だけど地味にドラマとして深い・・・気がする
島の村長選挙からの島興しとか、三郎を利用した宗教めいた人身掌握とか社会的な問題を描いてるようで、やっぱり人間ドラマになってるのがおもしろい

なによりシリーズ1作目のドラマでの二郎ちゃんの激昂のインパクトを越える、厳しく優しい顔を見せるシーンが良かった
というか、泣かせる場面とかそういうストーリー的なものじゃない演技にジーンとしびれたのは初めてかもしれない

だけどさすがにドラマ、劇場とシリーズを重ねすぎてるゆえに、この映画単体では評価しづらい
とりあえずドラマ版望郷編だけ観てもどうにかなる内容じゃないし、そういう意味では今までずっとシリーズを観てきた人だけに向けられた作品と言わざるえないかもしれん

個人的評価:90点(シリーズファンなら)
オススメ度:キボンヌとかちょっとリアル発言しちゃうと痛い




幼獣マメシバ 望郷篇 予告

2014年9月21日日曜日

ゲッタウェイ スーパースネーク (2013/米)

監督:コートニー・ソロモン
出演:イーサン・ホーク / セレーナ・ゴメス / ジョン・ボイト / レベッカ・バディグ / ブルース・ペイン

妻を誘拐された元レーサーのブレント
謎の犯人の指示通りに車を盗み、それを走らせる

俺の大好きなカーアクションをこれでもかってくらい撮ってやったぜ、みたいな作り手の声が聞こえてきそうな作品でしたね
中途半端なストーリーとか取っ払ってシンプルに暴走、衝突、爆破を描きつつ、そこに謎の犯人がらみのサスペンス要素で味付けしてある
簡単に言えばカーアクション版の「フォーンブース」ですね

家に帰ると部屋は荒らされ血が飛び散っている
そこへ謎の男から妻を誘拐したと連絡があり、主人公はその指示通りに行動せざるえなくなる
車を盗み、言われるがままに街を暴走する中、主人公の車を奪うために乗り込んできた少女を巻き込んで・・・みたいな話
訳の分からない危険運転をさせられ、少女と言い争いながらもじょじょに犯人の目的やらが分かってくる、と

派手にクラッシュして暴れまくるカーアクションは頭からっぽにして観てて楽しいし、単調になりがちな画ながら少女が乗り込んできたり、どこか計画的な犯人の指示の裏側が読めてきたり飽きさせない工夫もある
ネタバレはしないけど、犯人の目的が見えた時の微妙なガッカリ感は否めないけど、そこからどう逆転していくかという方向性に興味がシフトするから最後まで楽しめる

だけど全体的にどっかで観たことあるもののつぎはぎで出来てる感がするんですよね
アクション部分も、サスペンス部分も「あんな感じのがやりたい」みたいな模倣っぽいところがある感じ
なにげにレンタルして観たらそこそこ当たりだった、というならいいけど、あえて狙って観る作品かと問われるとなんともいえない一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:クライマックスの長回しは評価するけど、オチがないのはどうか




ゲッタウェイ スーパースネーク 予告

舞妓はレディ (2014/日)

監督:周防正行
出演:上白石萌音 / 長谷川博己 / 富司純子 / 田畑智子 / 草刈民代 / 渡辺えり / 竹中直人 / 高嶋政宏 / 濱田岳 / 中村久美 / 岩本多代 / 高橋長英 / 草村礼子 / 岸部一徳 / 小日向文世 / 妻夫木聡 / 松井珠理奈 / 武藤十夢 / 大原櫻子 / 徳井優 / 田口浩正 / 彦摩呂 / 津川雅彦 / パンツェッタ・ジローラモ / 瀬戸朝香 / 加瀬亮

京都のお茶屋へ舞妓になるためにやってきた春子
唐突な訪問から相手にされず帰されるが、その訛りに興味をひかれた言語学者が後見人になることで舞妓修行が開始される

訛りのひどいド素人が舞妓になるまでのサクセスストーリー、っていうのは予告をみただけで容易に想像できる
果たして内容もその通りという裏切りのないもの
しょうじき話じたいはほぼ予告をみただけで十分
だけど人は話の筋は読めると分かっていながら、あえて心を温めたいという気分で観る、というポジションの映画かもしれません

鹿児島と津軽という複合訛りがキツイ主人公の春子
舞妓のブログにあこがれて京都にやってくるも、そもそもそんないきなり押し掛けてきて修行をさせてもらえるわけもない
だけど、まあ、色々あって言語学者の先生の後見のもとで言葉や振る舞いを学んでいくことになる、と
一生懸命な女の子ががんばる姿に心温まる作品という印象が強いけど、それ以上に主人公の変容というか成長を観ているだけでもおもしろい

最初はホントに田舎娘丸だしで、常におどおどしてる拾われた子犬状態の春子さん
そんな主人公が隠れた才能を開花させていって、舞妓界の大物ルーキーになっていく・・・わけでもないのがいい
あくまで地味に成長していく姿が微笑ましい
普通の舞妓になった普通の女の子、見た目や所作が完璧じゃない不完全さが素敵ですね

ミュージカル部分もギリギリコントにならないコミカルさで、舞妓や芸姑の世界って部分の堅苦しさを感じさせない
欲を言えば京の人たちの偽物に対する冷たさと、本物に対する温かさのギャップがもっとあれば個人的に楽しめたかな
なにはともあれ観賞後にほどよく気持ちよくなれる、そんな一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:普通にドラマで続きを観たい




舞妓はレディ 予告

2014年9月15日月曜日

猿の惑星:新世紀 (2014/米)

監督:マット・リーブス
出演:アンディ・サーキス / ジェイソン・クラーク / ゲイリー・オールドマン / ケリー・ラッセル / トビー・ケベル / コディ・スミット=マクフィー / カーク・アセベド / ニック・サーストン / テリー・ノタリー / カリン・コノバル / ジュディ・グリア

ウイルスの猛威によって絶滅しかけている人類
そんな世界でシーザー率いる知能の発達した猿たちは家族と仲間を増やしつつあった

わずかに生き残った人類と増えつつある猿たち、そんなふたつの勢力の対比がよく描けてる感じ
ストーリーは非常にシンプルながら、そこに描かれるドラマはシーザーたち猿の魅力もあって引き込まれる
さらにアクション要素も多くあり、前作では物足りなかった部分が補完されていて猿的にも作品的にも進化してましたね

繁栄しつつあるシーザーたち知能が大幅に発達した猿たち
そのテリトリーに絶滅したかと思われた人間が足を踏み入れ、しかも問題をおこしてしまう
そんな「戦争か?」という一触即発な状況の中で、猿側ではシーザーが、人側ではマルコムがそれぞれの立場を考えながら事態に対処していく、という話ですね

猿と人との最悪な再会からの、なんとか歩み寄ったり衝突したりしながら三歩進んで二歩下がる状態な感じで、ちょっとずつ信頼関係を築いていく
だけど、お互いを良く思わないトラブルメーカーなヤツは人にも猿にもいるわけで・・・みたいなそれぞれの勢力の対比がおもしろい
なんだかんだで人と猿の両方を理解できるシーザーの存在がすごい魅力的で、リーダーとして立派になりながらもまだ学習して成長していく姿が素敵です

アクション部分も猿ゆえのアクロバティックでダイナミックなシーンも含めて興奮せざるえない
じゃっかん戦いの凄惨さの描写がマイルドな気がしないでもないけど、猿が飛び回って戦いまくる娯楽作品を単純にライトに楽しみたい人向けでもあるから仕方なしかな
とにもかくにも、なんだかんだで誰よりも事態を把握してる、というかそんな風に成長したシーザーの勇姿が素敵な一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:猿たちの見た目で判別しやすいキャラ分けもいいね




猿の惑星:新世紀 予告

るろうに剣心 伝説の最期編 (2014/日)

監督:大友啓史
出演:佐藤健 / 武井咲 / 青木崇高 / 蒼井優 / 大八木凱斗 / 福山雅治 / 江口洋介 / 伊勢谷友介 / 土屋太鳳 / 田中泯 / 宮沢和史 / 小澤征悦 / 藤原竜也 / 神木隆之介 / 滝藤賢一 / 三浦涼介 / 丸山智己 / 高橋メアリージュン / 村田充 / 屋敷紘子 / 原勇弥 / 山田崇夫 / 島津健太郎 / 山口航太

意識を失って浜辺に漂着した剣心は謎の男によって助けられる
一方、志々雄は戦艦を浦賀へ向かわせ、攻撃を開始するのだった

そんなわけで志々雄との戦いを描いた作品の後編ですね
とりあえず「あのキャラとの戦いは・・・」とか原作再現の部分は、すでに前編を観るかぎり尺的に不可能と分かっていたので、その点はあきらめに似た覚悟はしてましたが・・・
それでもちょっと、と思わざるえないところはありつつも変態殺陣っぷりは十分に堪能できたので満足感もある
満足と不満の差し引きではなく、それぞれ違うベクトルで感じられる作品でした

命は助かったもののやさぐれた剣心が、なんとか立ち直って志々雄たちと戦うという単純な話で、ほぼすべての戦いがドラマを演出するために必要最低限に描かれている感じ
剣心との分かりやすい対比とか、志々雄側の事情を語るためとか、じゃっかん作り手の裏事情が見え見えな戦いが気になるのは否めない

それでも前編以上にアクションシーンはクライマックスだけにかなり多く配置されているし、そのひとつひとつの変態的な動きの殺陣は見応えがあっておもしろい
個人的には剣心と謎の男との戦いが普通ながらも迫力あって、いちばん印象に残ってますね
全体的にスタイリッシュさ重視の動きも、ギリギリ鼻につくってほどじゃなくて素直に楽しめました

で、誰もが思う十本刀の扱い
素直に原作のことは置いておいて、劇場版はこれとして楽しむのが一番なんでしょうね
だけどさすがによってたかって志々雄と戦うくらいなら、雑魚扱いでも十本刀を活躍させてやっても・・・と思えなくもない
作品がごちゃごちゃしすぎるのを回避するための措置なんだろうけどね

そんな感じですごく見所&見応えはある作品だけど、引っかかる部分も少なからずある、そんな一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:剣心が復帰するまでおとなしくしてる志々雄とか違和感あるわな




るろうに剣心 伝説の最期編 予告

2014年9月14日日曜日

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー (2014/米)

監督:ジェームズ・ガン
出演:クリス・プラット / ゾーイ・サルダナ / デビッド・バウティスタ / ビン・ディーゼル / ブラッドリー・クーパー / リー・ペイス / マイケル・ルーカー / カレン・ギラン / ジャイモン・フンスー / ジョン・C・ライリー / グレン・クローズ / ベニチオ・デル・トロ

謎のオーブを盗んだことで賞金首になったピーター
そんな彼を狙って肉体改造された女暗殺者ガモーラ、アライグマ姿のロケット、樹木人間のグルートらが襲いかかる

X-MEN的な新たなヒーローものってだけじゃなく、ライトながらスペースファンタジー要素もバランスよく織り込まれてる感じでしたね
各キャラが超人的な活躍をするというより、団結することで力を発揮する感じがおもしろい
強すぎず、弱すぎずな微妙な強さ加減がいい感じ

仲間を出し抜いてオーブを独り占めする主人公のピーター
そのせいで賞金首になりガモーラ、ロケット、グルートに狙われるも大立ち回りのすえに全員刑務所行きになってしまう
そんな中で各々で思惑がありながら、利害が一致したことで一時的に団結して行動することになる、と
ロナンという極端な思想の悪役を配置し、ざっくりと宇宙戦争的な要素を入れたことでおもしろさが増してますね

じゃっかん設定関係の説明が急ぎ足で、世界観への入り込ませ方が強引な気がするけど、そこら辺は「そういうもんだ」と飲み込まざるえないんでしょうね
説明が足りないというより、ホントに最小限の解説や描写で効率のいい効果を表現してる感じ
敵であるロナンやその裏にいる大ボスの存在、オーブの持つ力についてあたりは特に

それでも結局のところは宇宙で強大な悪を相手に、クセのあるヒーローたちがアドベンチャーでバトルな少年マンガ的な熱さが楽しい
ほどよいコミカルさとシリアスな展開の緩急もいい感じで、個人的に思ってたようなバカバカしいだけなコメディよりな内容じゃなかったですね
明らかにアベンジャーズにつながるような要素もあるけど、独立したシリーズとして続編を期待したい一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:明らかにロケットよりグルートさんの方が目立ってるわな




ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 予告

ルパン三世 (2014/日)

監督:北村龍平
出演:小栗旬 / 玉山鉄二 / 綾野剛 / 黒木メイサ / 浅野忠信 / ジェリー・イェン / ビタヤ・パンスリンガム / ラター・ポーガーム / タナーヨング・ウォンタクーン / キム・ジュン / ニルット・シリジャンヤー / ニック・テイト / 山口祥行 / 中山由香 / 吉野和剛

盗賊集団ザ・ワークスに属するルパン3世
組織を裏切ったマイケルを追って仲間と情報を集めるのだった

予告から漂う死臭、そして世間一般の低評価・・・そんなもんに怯んでいられるか、と何と戦ってるのかよく分からん体で観賞
まあ、結果としては世間様の低評価は正しかったと当たり前の苦みを味わっただけでした
クソB級映画どんとこいや、みたいなスピリッツは備えてるつもりですが、単純に”退屈”な作品だけにはかなわないです

マイケルの裏切りにより慕っていたボスと組織を失ったルパン
不二子の情報を頼りに次元や生き残りのメンバーを仲間に加えてマイケルを追う、って感じのルパン3世のリブート的な内容
まあ、しょうじきルパンである必要はあんまりない作品な気がしないでもない
というかおなじみの不二子、次元、五右衛門以外のアジアン仲間の存在に違和感がありまくる

観ててすぐに思うのがなんともいえない雰囲気の平坦さ
盛り上がらないBGMに変な吹き替え、体や銃や刀より口ばかり動かす登場人物たち
かといってストーリーやドラマ性に魅力があるわけでもない
古くさい80年代の海外ドラマをあえてアジアなメンツで作ってるような映画
クライマックスのようなアクションシーンを随所にちりばめてほしかった

さすがにここまでアクション控えめな省エネルパンだとは思わなかったわ
バカみたいなクソ映画なら笑いとばして観られるけど、こういった退屈なだけの作品はどうにも楽しみようがないですね

個人的評価:30点
オススメ度:エンディングのムービーだけ観ると派手な作品にみえる不思議




ルパン三世 予告

2014年9月8日月曜日

デッド寿司 (2012/日)

監督:井口昇
出演:武田梨奈 / 松崎しげる / 須賀貴匡 / 仁科貴 / 亜紗美 / 村田唯 / ジジ・ぶぅ / 島津健太郎 / 手塚とおる / 津田寛治

父の厳しい寿司修行から逃げ出し旅館で働くケイコ
そこへ訪れた団体客である製薬会社一行のトラブルに巻き込まれ…

たまにはこういう作品も、というか元々こっち系の映画ばかり観てたはずなのに、すっかりご無沙汰な感じになってしまいました
そんなわけで安心安全な井口昇ブランド作品を鑑賞することに
まあ、とにかくバカだわ、とことんバカで素敵な映画だわ
「おまえ、ノリでいま思いついて撮ってねえか」と言いたくなる唐突さがおもしろい

父から寿司修行は格闘技のそれに通じるって感じで武術をたたき込まれてきた主人公ケイコ
なんだかんだで旅館で働くことになり、なんだかんだで客と乱闘騒ぎになり、なんだかんだで人喰い寿司に襲われることになるって感じの内容ですね
怪人、モンスター、ゾンビ、という多彩でチープなクリーチャーたちが襲いかかってきて、ひとりまたひとりと犠牲者がバカっぽく死んでいく、と

襲われてる女の胸に欲情するヤツ、女体盛りを前にロボットダンス、いきなり登場して説明台詞でサービスシーンを見せる女、人喰い寿司の弱点、すべてが唐突でシーンのつながりとか二の次三の次なバカバカしさ重視で素敵
もちろん主人公のケイコの見た目から想像できないアクションシーンの本格っぷりも見所ですね
とにかくご都合主義で死ぬ時はあっさり死ぬし、個性的なキャラは死にそうで死なないテキトーさをゆるく楽しみましょう

特に社長と旅館の板前のキャラが強烈すぎて、そこに居るだけで画面濃度が急上昇する松崎しげるさんの存在すら普通に見える不思議
そんな感じで人喰い寿司うんぬんっていうより、登場キャラを観て楽しむ一本ですね

個人的評価:60点
オススメ度:どうせならケイコも変身とかしてほしい展開ではあった




デッド寿司 予告


デッド寿司 スタンダードエディション[DVD]
エイベックス・ピクチャーズ (2013-07-03)
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2014年9月7日日曜日

イン・ザ・ヒーロー (2014/日)

監督:武正晴
出演:唐沢寿 / 福士蒼汰 / 黒谷友香 / 寺島進 / 草野仁 / 日向丈 / 小出恵介 / 及川光博 / 杉咲花 / イ・ジュンイク / 加藤雅也 / 松方弘樹 / 和久井映見

スーツアクターの本城に顔を出す映画の仕事の話があった
しかし、そんな役もアイドルの一ノ瀬にとられてしまい・・・

どうしてもちょっと前に観た「太秦ライムライト」と比べちゃう部分があるんですが、これはこれ、また別のおもしろさがある映画でした
全体的に昭和の暑苦しいノリが最近では珍しく、主人公の一本気で熱い部分もひじょうに良かったですね

話としてはとてもオーソドックスで、本当に昭和ドラマにありがちな展開なんだけど、そんな先が読めるながらも不思議な心地よさがある
俳優でもない、特撮番組でスーツの中に入ってスタントアクションを演じる主人公が、そんな自分たちのことを冷めた目で見るアイドルと出会ってうんぬん、という話
スーツの中の表現者が、その熱い演技を理解できないアイドル若造にしらしめるみたいな感じ

エキストラなんて役はない、雑用なんて仕事はない
日陰な感じの俳優とスタッフの現場を体育会系なノリで熱く描いてます
冷静に考えれば「しょせん子供番組」という感じなのに、一生懸命やっている人たちの姿をまっすぐに受け止めざるえない

というか、クライマックスで撮影される映画も一般的にな目で見ればしょうじきB級アクションな部類で、けっしてアクション超大作なものじゃない
そんな仕事でも命をかけ、手を抜かずにぶつかっていく姿の描写がおもしろい
昭和っぽさのレトロ感にあぐらをかかず、スーツアクターの現場をちゃかしてない作りが伝わってくる一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:本城さん、レッドの中のレッドだな




イン・ザ・ヒーロー 予告

フライト・ゲーム (2014/米)

監督:ジャウム・コレット=セラ
出演:リーアム・ニーソン / ジュリアン・ムーア / スクート・マクネイリー / ミシェル・ドッカリー / ネイト・パーカー / ジェイソン・バトラー・ハーナー / アンソン・マウント / コリー・ストール / ルピタ・ニョンゴ / オマー・メトワリー / ライナス・ローチ / シェー・ウィガム

航空保安官のビルは搭乗した便で謎のメッセージを受け取る
それは口座へ入金しないと20分ごとに乗客が死ぬというものだった

また「あなたは騙される」とか「犯人が分かるか?」みたいなのを売りにしてる映画だけど、なんで日本ではすぐにそういう宣伝をするのか
特に映画の内容実際に観てみれば、そういう部分を楽しむ内容じゃないと分かると思うんだけどね
そこら辺は昔からある「予告編詐欺」みたいなものだと思うしかないんですかね
とりあえず、この映画は犯人とか真相とかいう部分じゃないのは確か

酒と煙草をやりまくる規律破りまくりな航空保安官の主人公
そんな彼が搭乗した飛行機内で、謎の人物からのメッセージとともに人が殺されていく、みたいな内容ですね
ネタバレになるのであまり詳細は書かない方向として、まあ、色々と怪しい動きやら人物やらがあって「はてさてどうなることやら」みたいな映画
よけいな先入観や事前情報なしであるがままを観て楽しむのがベストかもしれんね

とりあえず「こいつメチャクチャ怪しいわあ。でも怪しすぎて逆に・・・?」みたいに、なんとも思惑通りに観賞しててコントロールされてる感はあるけど、そんな計算された作りにのせられてるのが悪い気分じゃない
パターン的にどんどん状況は悪化していって、機内もカオスになってくるんだけど、そんな流れこそおもしろさの本質かも

怪しい人物の怪しい行動をいっしょに疑心暗鬼になって観るのが楽しい一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:そりゃ犯人当てられる方がすごいだろ




フライト・ゲーム 予告

フルスロットル (2014/米)

監督:カミーユ・ドゥラマーレ
出演:ポール・ウォーカー / ダビッド・ベル / RZA / カタリーナ・ドゥニ

犯罪者の巣窟として壁によって隔離された街、ブリック・マンション
そこで暮らすリノは街の麻薬組織と対立、一方、組織のボスを狙う潜入捜査官ダミアンも行動を開始するのだった

予告を観た時から「これアルティメットじゃね?」と思ってたら、やっぱりハリウッドリメイクな作品だったんですね
個人的には「アルティメット」はけっこう好きな映画の一本なんだけど、さすがにハリウッドリメイクされるほどかと思わざるえない
まあ、ポール・ウォーカーさんのことがあって商業的に日本で公開しようと思ったと邪推するけど、頭からっぽにして観る映画としてはじゅうぶんおもしろいアクションになってました

犯罪者の吹き溜まりとして壁で隔離された街
そんな街を舞台に囚人と刑事がやむなくタッグを組んで、悪人相手に飛んだり跳ねたりアクロバティックにあれこれする、という感じの作品ですね
ストーリーは、まあ、この際あまり気にしないで、リノのサーカス的なアクションを堪能し、従来のハリウッド的アクション担当のダミアンさんの活躍を楽しみましょう

細かいところまでは覚えてないけど、基本的に「アルティメット」なまんまな内容で、演出を派手にしてる印象
とにかく派手で大暴れしてる深く考えなくていいアクション映画が好みな人にはピッタリですね
ハリウッドリメイクフィルターの効果でじゃっかんB級っぽさも薄くなってる気がするような、しないような

アクションがみどころってのは間違いないんだけど、それでも気になるのが悪人の扱い
さんざ襲ったり殺したりヤクを売ったり警官を買収したり、悪事に手を染めまくってきた輩が、最終的になんか良い奴っぽい扱いになるのはさすがに解せないだろ、と
いくらアクション映画バカで頭を使わない人でも引っかかるんじゃなかろうか

という感じでポール・ウォーカーさんうんぬんは抜きにしても、大ざっぱな感じで観れば楽しめる一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:おじいちゃんが地味に素敵




フルスロットル 予告

2014年9月1日月曜日

LUCY (2014/仏)

監督:リュック・ベッソン
出演:スカーレット・ヨハンソン / モーガン・フリーマン / チェ・ミンシク / アムール・ワケド / ジュリアン・リンド=タット / ピルウ・アスベック / アナリー・ティプトン

知り合いの運び屋の代理を押しつけられたことで謎の組織に捕まるルーシー
さらなるトラブルによって新種のドラッグが大量に体内に回ってしまい、ルーシーの脳に変化が訪れる

なんかベッさんが自身で監督してる作品は久しぶりに観たような気がしないでもないけど、創作物を通して伝えたいことを全面に出しすぎてなんかスッキリしない
もっと、こうシンプルにサイキックパワーでドーンみたいなアクションで良かったんじゃないのか、と
シリアスで重厚な内容でもないし、痛快なアクションでもない、中二病くささも弾けてないし、ちょっとトータル的に中途半端な感じ

人間は脳の昨日の10%ほどしか使ってない
じゃあ、その機能をあますことなく使いこなせたらどうなるんでしょうね、って話
主人公のLUCYことシールーさんが徐々に能力を引き出していき、同時に敵対する謎の組織に狙われて戦う
という流れなんだけど、どうにも主人公がいきなり色々と悟りすぎて展開がつまらなくなってる気がしないでもない

第一段階ですでに自分自身のすべてを把握、制御しちゃってるんで葛藤要素が薄いのが残念
強すぎる能力にとまどいつつ、力を制御し、人間性の欠落に悩み、それでいて敵とサイキックバトルする
というひと昔前の超能力マンガなノリをやってくれた方がいっそのこと楽しめたかも
すべてにおいてシールーさんが力を使えば淡泊に解決しちゃうのも物足りない

それでいて「いや、ここは力をうまく使えば楽勝で乗り切れるだろ?」というところで能力を出し惜しみするから意味が分からない
細かい仕事ばかりじゃなく、もっと壮大なテーマを扱いたいという狙いは分からなくないけど、まあ、なんだ、無理すんなってことで

個人的評価:65点
オススメ度:人類初のニュータイプ(強化人間)ってか。知らんけど




LUCY 予告

TOKYO TRIBE (2014/日)

監督:園子温
出演:鈴木亮平 / YOUNG DAIS / 清野菜名 / 大東駿介 / 石田卓也 / 市川由衣 / 叶美香 / 中川翔子 / 佐藤隆太 / 染谷将太 / でんでん / 窪塚洋介 / 竹内力 / ベルナール・アッカ / 丞威 / 松浦新 / 石井勇気 / 坂口茉琴 / 佐々木心音 / 中野英雄 / 大方斐紗子 / 山本亨 / 城明男 / 山口祥行 / 北村昭博 / 高山善廣 / 深水元基 / 片山瞳 / 屋敷紘子 / 矢吹春奈 / サイボーグかおり / 三田真央 / 横山美雪 / 間慎太郎 / 舘形比呂一 / 泉澤祐希 / Stephanie / MC漢 / MEGA-G / D.O / 練マザファッカー / ANARCHY / JESSE / 井上三太

各街がそれぞれのチームによって支配されたTOKYO
その中のブクロのメラは、ムサシノの海へ戦争をしかけんと企んでいた

「地獄で~」のミュージカル調っぽい作品なんだろう、くらいのイメージで観てみたものの、さらにB級度が良い方向に傾いてて楽しかった
とはいえあくまで個人的にすごい楽しめただけで、B級映画に面白味を感じない人にとっては「なに、このふざけた映画」としか目に映らんかもしれん
作品を作り重ねていく上で、こういう方向の作風をチョイスする挑戦精神は敬服するわあ

ストーリー的にはしょうじきどうでもよく、要するにある個人的な理由からメラが海に喧嘩を売るってだけの話
見所はやはり完成度が高いんだか低いんだかよく分からんヒップホップミュージカルシーン、そして無駄に飛び跳ねまくる格闘アクションでしょう
あとはキレッキレな竹内力の存在で作品が支えられてるといっても過言じゃない

トガってる作品のようで、ちゃんと丁寧に序盤はキャラ紹介を描いてて、登場人物が多いわりに誰が誰やらと混乱することない作りになってるのはいいッスね
展開もどんどんバカっぽい大騒ぎになっていき、B級度もグングン上がっていっておもしろい
ただ、やはりあまりのB級臭さに耐えられない人もいるだろうし、派手ではあるけどわりと一本調子なテンポで最後までいくのでじゃっかん飽きるのが気になる点かも
人の死がめちゃくちゃ軽く扱われるところも、けっこう賛否分かれるかな

とにもかくにもまともな映画だと思って観ると、ちょっと痛い目にあうかもしれない一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:海さん実はそんな強くないんじゃ・・・




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