2015年8月31日月曜日

S 最後の警官 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE (2015/日)

監督:平野俊一
出演:向井理 / 綾野剛 / 新垣結衣 / 大森南朋 / 平山浩行 / 池内博之 / 高橋努 / 吹石一恵 / 朝加真由美 / 本田博太郎 / 土屋アンナ / 高嶋政宏 / 近藤正臣 / 菅原大吉 / 青木崇高 / 辰巳琢郎

犯人を生かしたままの確保を目的とする警察の特殊部隊NPS
スクールバスのジャックの報により一號たちNPSメンバーは対応に向かう一方、同時期、海上ではプルトニウム輸送中のタンカーがテロリストにより占拠されてしまっていた

変身ヒーローも怪人も出てこない特撮ヒーローものを観ているような感じの映画でした
大きなツッコミどころ、デタラメさを分かっている、リアルな警察ものを作ろうとしていない姿勢が良い方向に働いていて楽しめた
大きな嘘をつく、という姿勢が伝わってくるため、ありえない展開すら受け入れて「そういうもんだ」と割り切って観ていられました

日本の未来のためにあえて大きな事件を起こそうっていう企みの中、シナリオを逸脱しはじめる正木を確保するために一號たちが奮闘する
バンバン発砲するわ、テロリストの要求はあっさり飲むわ、政府要人たちのフットワークは超軽いわ、と冷静に見ればありえない要素が満載
だけど、不思議と個人的にそれほど気にならない
この作品は特撮ヒーローものみたいな世界観だ、という認識が働いたからかもしれん

いきなり両手盾の主人公が銃を撃ちまくる相手に突貫して殴りにいく、ってのを見せられればリアルな警察ものなんて幻想は吹き飛ばざるえない
さすがに手榴弾のくだりは「おい」とちょっと冷静になったけど、こういう全体的にマンガチックな熱いノリは嫌いじゃない
逆に言えばこのありえなさを飲み込めない人は楽しめないでしょうね

なんで今、このドラマの映画化なんだ、っていう色眼鏡&期待薄な姿勢で鑑賞したけど意外に普通におもしろかった

個人的評価:75点
オススメ度:TVドラマより、このまま映画でシリーズ化していってほしい




S 最後の警官 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE 予告

2015年8月30日日曜日

劇場版 弱虫ペダル (2015/日)

監督:鍋島修
出演:山下大輝 / 鳥海浩輔 / 福島潤 / 安元洋貴 / 森久保祥太郎 / 伊藤健太郎 / 代永翼 / 前野智昭 / 吉野裕行 / 柿原徹也 / 日野聡 / 阿部敦 / 宮野真守 / 田尻浩章 / 関智一 / 野島裕史 / 遊佐浩二 / 鈴木千尋 / 下妻由幸 / 狩野恵里

インターハイでの成績優秀校の招待で、熊本のレースに出ることになった総北自転車競技部
あらたな自転車で気持ちの高まる小野田坂道であったが、尊敬する先輩の巻島のことで動揺してしまい・・・

なんというか前半と後半のギャップ、というかオリジナル部分のひどさがちょっときつかったですね
最初こそけっこう丁寧に話が描かれてて楽しめたけど、途中からどう考えても尺が足りないという心配が大きくなり、結果、肝心のところで盛り上がりきれず
単なるファンサービスの延長戦な劇場版じゃねえ、と油断させといてキャラアニメだった残念感になんともガッカリ

総北高校自転車競技部の箱根でのインハイメンバーによるラストレース、という盛り上がりの中で巻島の問題が持ち上がり主人公の小野田のメンタルが最悪に
そんな中で熊本でのレースに挑むことになる、という流れ
序盤のTVアニメ2期後、原作から再編集されたエピソードの部分は名シーンをふくめてよくできている
ちょっとニューマシンのあっさり感はあるけど、坂道と巻島のシーンはグッとくる

レース前のキャラの顔見せなオリジナル展開はいいとして、いざ熊本でのレースが始まってからがちょっとずつおかしくなってくる
レースとしてバトる部分はインターハイ編の簡略焼き直しで熱さがなく、キャラ同士のからみばかりでげんなり
インハイとは異なるレース展開で、意外な策と争いによって勝ちへ向かう、っていうのがこっちは観たかった

各キャラのファンの人は通り名をセルフで叫んだり、TVシリーズでのキャラたちの絡みの再現にハッピーかもしれん
まあ、熱いレース展開を期待してる方が間違いなのかもしれん
それでも坂道と巻島なのか、東堂と巻島なのか、どっちつかずな内容じたい、どうにもキャラアニメとしても個人的に盛り上がりきれなかった一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:もう完全ファンタジーな飛び入り大歓迎なドリームレースにしちゃえばよかったのに




劇場版 弱虫ペダル 予告

テッド2 (2015/米)

監督:セス・マクファーレン
出演:マーク・ウォールバーグ / セス・マクファーレン / アマンダ・セイフライド / ジョバンニ・リビシ / ジョン・スラッテリー / モーガン・フリーマン

タミと結婚したテッドだったが、1年のうちに夫婦間の関係は破綻寸前になってしまう
そこで子供を作れというアドバイスを受け、親友のジョンに相談するのだった

前作のヒットに調子こいて作っちゃいました、みたいなやっちゃった感が心配だったけど、そんなのは無用で普通に楽しめました
下ネタは変わらず、けっこうほかの部分のネタが分かりやすいものになってて笑える部分も多い
やっぱり本場のアメリカンな人たちにしか伝わりにくいところもあるけど、元ネタとか知らんでも雰囲気で笑っとけばオーケイという感じで

普通に考えてテッドとか人間扱いしていいのかい、という部分を法的にアレこれ争いながら、度を超した悪ふざけとドラッグの日々
めんどくさい要素はそぎ落とし、とりあえず愉快にいこうぜ的な内容でした
全体的にみんなノリがよく、ブラックな部分もそれほど不快に感じないから不思議ですね

アメリカの文化的な部分のネタが多く、ちょっと深い部分まで理解できないところはあるものの、記号的な感じで「ここは笑うところ」ってのは分かる
悪ノリな部分もふくめて展開は流れるようにテンポよくすすみ、あっという間にラストまで流れていく作りはおもしろい
テッドというキャラがホントに違和感なく作品の中で生きている、というか他の人間キャストと分け隔てなくいち登場人物として認識できる

ただちょっとリーアム・ニーソンネタに場内の食いつきが悪かったのは個人的に解せなかった

個人的評価:80点
オススメ度:逆にオタクに対する愛を感じる、ようなそうでもないような




テッド2 予告

2015年8月24日月曜日

死霊高校 (2015/米)

監督:クリス・ロフィング / トラビス・クラフ
出演:リース・ミシュラー / ファイファー・ブラウン / ライアン・シューズ / キャシディ・ギフォード

演劇部の手伝いをするライアンは自前のビデオでその様子を撮影するが、劇そのものには気が乗らない
そこで友人リースと恋人キャシディを連れて夜中の学校へ忍び込み、舞台の道具をめちゃくちゃにしようとする

事後に発見された個人撮影のビデオ映像、ファウンド・フッテージ系の作品
超常現象や霊、呪いといった類の不気味さで精神に作用してくる怖さではなく、もっと直接的なびっくり箱演出の方面で攻めてきてましたね
しょうじきラストのネタバレの部分だけやりたかっただけだろ、といった感じで二重三重に張り巡らされた蜘蛛の巣のような裏設定が感じられず残念でした

むかしに起こった惨劇、それを繰り返すような呪いチックな出来事に若者たちが犠牲に・・・
ちょうしこいたバカな若者たち、なんか理解できない状況にパニック、というよくあるノリな流れ
よくある展開ながら、しかけられたびっくり箱に「くるか、ここでくるのか」という緊張感はある
だけど心臓が痛くなるほど「もうやめて、ちょっと休ませて」ほどじゃない

こういう展開の映画として基本に忠実に丁寧に作りました、という印象でこういう映画を観たことない若い世代に向けられてる感じの作品
若い男女で、もしくは女友達といっしょに「キャーキャー」言って観るのが正しい鑑賞スタイルなんでしょうね
そういう意味では見慣れてる人には物足りないかも

続編いけそうな引きはあるけど、ワゴンセールの常連のような邦題といい、ちょっとこのインパクトでは難しいんじゃないかと、いらん心配をしてしまう一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:あのキャラがお腹に宿ったのが事後か事前かでミステリアス度が変わってくるね




死霊高校 予告

最後の1本 ペニス博物館の珍コレクション (2012/加)

監督:ジョナ・ベッカー / ザック・マス
出演:シグルズル・“シッギ”・ヒャールタルソン / パゥットル・アラソン / トム・ミッチェル

アイスランドで動物のペニスを集めた博物館をやっているシッギ
様々なペニスを収集する中、ヒトのものだけが手には入らず頭を悩ませていた

非常にバカバカしいと一笑することもできるけど、なんかちょっと考えさせられなくもない
出てくる人たちがみんな大まじめにコメントしてるもんだから、内容はアレとして真面目に話してる相手を笑うのもちょっと気が引けるんですよね
まあ、でも大まじめにバカやってる様を楽しむ作品なんでしょうけど

ペニス博物館のシッギさんがヒトのペニスを手に入れようとしていると、そこへふたりの寄付者候補があらわれる、というドキュメンタリー
性器に関するタブーうんぬん語ってるうちは、けっこう観ている方も真剣に受け取っていられる
けど、ペニス寄付候補者が登場してから、いっきにバカっぽさが加速していっておもしろくなりますね

最初こそアラソンじいさんのキャラが目に付くけど、どんどん暴走していくトムさんの存在がヤバい
見た目で判断するのは問題あるかもしれないけど、トムさんの目がちょっとイッちゃってる人のそれに見えてしかたない
トムさんのエルモのゴールがどんどんおかしな方向へむかっていく様からも、トムさんの精神をちょっと疑いたくもなる

ペニスを切るだけでもけっこうめんどうなプロセスを要するのが分かるし、双方のペニスの入手に問題が発生したり、けっこう一筋縄ではいかない流れに退屈することなく楽しめた一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:法的な長さとかあるのね




最後の1本 ペニス博物館の珍コレクション 予告

ムカデ人間3 (2015/米・オランダ)

監督:トム・シックス
出演:ディーター・ラーザー / ローレンス・R・ハーベイ / トム・シックス / エリック・ロバーツ / 北村昭博 / ブリー・オルソン / ロバート・ラサード / トミー・“タイニー”・リスター

所長であるビル・ボスの過剰な暴力により、刑務所内では囚人の不服従とかさむ経費の問題が大きくなっていた
訪問に訪れた知事により、所長は改善を命令されるが・・・

いや、おもしろいけど、このビル・ボス劇場はいつまで続くんだ?いや、おもしろいけど・・・とムカデ人間の本編がいつはじまるのか気にならざるえない
というか、もう最後までビル・ボス劇場で終わってしまいましたね。いや、おもしろいけど
前作は悪趣味耐性があると自負する私でも軽く気分が悪くなったけど、今作ではそっち方面は所長のキャラゆえにだいぶ薄まってて助かった

所長の変態レベルのサドっぷりで囚人の治療費はかかるし、問題は次々におこる現状をクビをかけて知事に改善命令をだされる
だけど、所長の案はどれもこれも逆効果なものばかり
というストーリーはあるけど、この映画は所長のビル・ボスの変態っぷりを存分に堪能するだけの作品ですね
もう演技なのか中の人が楽しんでやってるのか判別できないキレっぷりがゲスすぎて素敵

所長があまりに振り切っちゃってるのがかえって笑いをさそい、ゆえにけっこう悪趣味な非道行為が展開されても前作ほど精神的なダメージはない
所々に「うえっ」ってなるキツいシーンもあるため、コメディと油断してると不意打ちをくらう
あと、シリーズを重ねてきたがゆえのネタもけっこうあるので、1&2は観ておいた方がいいかもしれん
というか3からいきなり入る人は少ないかも、ですが

しょうじき「ムカデ人間」という内容がいちばんしっくりくるのは2ですが、そのインパクトが強すぎたために「ムカデ人間」のイメージを引きずってみるとまんまと裏切られますね

個人的評価:90点
オススメ度:デス・ファ○クとかゾンビ・マ○コとか飛び交う素敵ワードにしびれる




ムカデ人間3 予告

ナイトクローラー (2014/米)

監督:ダン・ギルロイ
出演:ジェイク・ギレンホール / レネ・ルッソ / リズ・アーメッド / ビル・パクストン

盗みを働いて黄金を稼ぐ生活のルイス
ある日、彼は偶然居合わせた事故現場でフリーのカメラマンの仕事ぶりを見て興味を抱くのだった

ブレない主人公に嫌悪感をおぼえつつ、拭いがたい強烈な魅力も同時に感じる作品
どんどん暴走していったり、狂気に覚醒していくでもなく、根っから「そういう人間」というルイスさんが素敵すぎる
道徳的に受け付けない人にとっては気持ち悪さしか残らないかもしれないけど、ダークなベクトルにゆるがない作りは個人的には映画として楽しめた

なんとかに刃物といった感じで、主人公がフリーのカメラマンに興味を抱き、機材を手に入れちゃったもんだから困ったもんだよね、ってな感じの流れ
基本、感情の読めない不気味さの中、主人公のルイスさんが時にくだらないコメディ番組に笑ったり、時に感情を露わにしたりする様が強く印象に残らざるえない
文字通り、周りに悪影響をふりまく様がへたな扇動者より質が悪いですね

極力気分を高揚させる要素のBGMが廃され、緊迫した場面やアクションシーンに娯楽的な軽いノリがなく、現実的とまでは言わないけど重みが感じられておもしろい
ともすれば淡泊になりすぎて退屈しそうな静けさも、ルイスさんの「なにしでかすか分からん」ってな不気味さが画面をもたせてる感じ

因果応報とか見てる側の道徳心を微塵も救う気のない一貫したダークさに、自分の心の汚さをさらけだして楽しめた一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:ダメな方向に大人の階段を上る的なレベルアップ




ナイトクローラー 予告

野火 (2014/日)

監督:塚本晋也
出演:塚本晋也 / リリー・フランキー / 中村達也 / 森優作 / 中村優子 / 山本浩司 / 神高貴宏 / 入江庸仁 / 辻岡正人 / 山内まも留

第二次世界大戦末期のレイテ島、田村一等兵は肺を患ったことにより野戦病院送りとなる
しかし病状を軽く見られ病院から追い出され、ふたたび隊に戻るがそこでも受け入れてもらえず・・・

BGMカットからの環境音と息づかい、久しぶりに塚本晋也監督作品に戻ってきた、というのが第一印象
さいきんはすっかり監督作品から離れていた浮気者としては、その昔にたぎらせた熱いものがよみがえらざるえない
戦争を題材とした残酷なドラマだとか、人間の尊厳だとか上辺だけのうすっぺらさがない骨太の内容に満足ですね

肺を患って隊から見放され、しかし病院にも受け入れてもらえなずはぐれ者になった主人公が、仲間や敵と出会ってはすれ違い敵地で過酷なサバイバル
とか私なんかの言葉で内容をかみ砕いたところで、この作品の本質を語れるはずもなし
もっともっと表現の巧みな人ならまだしも、ホントに私ていどのアウトプット能力では記すほどに本質から遠ざかるから歯がゆい

生と死の二極が背中合わせの中、自らの行く末を常にふったサイコロの目にゆだねるような緊迫感がたまらない
戦場の狂気や生の渇望、悪運、どこまでも力強い現実感と冷淡な幻想感が常に観ていて感覚をゆさぶられる
この頭に浮かぶものをうまく文字にできない身としては、語る以前に感じるだけで精一杯な一本でした

個人的評価:95点
オススメ度:監督として役者としての塚本晋也に惚れる




野火 予告

2015年8月20日木曜日

彼は秘密の女ともだち (2014/仏)

監督:フランソワ・オゾン
出演:アナイス・ドゥムースティエ / ロマン・デュリス / ラファエル・ペルソナス / イジルド・ル・ベスコ / オーロール・クレマン / ジャン=クロード・ボル=レダ / ブルーノ・ペラール / クロディーヌ・シャタル / アニタ・ジリエ / アレックス・フォンダ / ジタ・ハンロ

亡くなった無二の親友であるローラ、その夫ダヴィッドと幼い子供を見守るとちかうクレール
そしてダヴィッドのもとを訪れたクレールは、そこで女装をした彼と出会ってしまい・・・

女装もののコミカルな男女のドタバタ劇でありつつ、バカ騒ぎ系じゃないドラマ要素が強かったですね
共通の秘密を抱えた男と女、女装ネタという基本はおさえつつ、ローラとクレールの関係がおもしろい
こういうのは女装してる姿が話が進むにつれて、本物の女性のように見えてくるもんだろうに、そうでもないのがかえって良い

妻を亡くし封印していた女装趣味に再び目覚めたダヴィッド、その秘密を知りほかの人へ内緒にしながら彼と女友達としてつきあうクレール
クレールはどんどんエスカレートしていくダヴィッドとの関係に危うさを感じながらも・・・っていう感じの展開
ダヴィッドの女装バージョンの名であるヴィルジニアと交友を深める中、クレールはローラとの思い出を重ねていく
そうこうしているうちに視点はクレールへ自然と移っていきます

どうしても奇異なヴィルジニアばかり見てしまいがちだけど、クレールの方がめんどくさい問題を抱えていて、作品的にも彼女に注視してた方がおもしろい
クレールがけっきょくなにをしたいのか、という部分を想像しつつ、ダヴィッドやヴィルジニアに対する行動や言動をあわせてみると楽しめる
ラストもなにげないようで視点によってはそうでもないと感じられてよかったですね

個人的評価:85点
オススメ度:クレールさんの悪気のない無意識っぷりがいちばん厄介かもしれん




彼は秘密の女ともだち 予告

ベルファスト71 (2014/英)

監督:ヤン・ドマジュ
出演:ジャック・オコンネル / ポール・アンダーソン / リチャード・ドーマー / ショーン・ハリス / バリー・キーガン / マーティン・マッキャン / チャーリー・マーフィ / サム・リード / キリアン・スコット / デビッド・ウィルモット

1971年、北アイルランドのベルファストで任につくイギリス軍の新兵ゲイリー
そこで暴動に巻き込まれ、暴徒に襲われる中で仲間とはぐれ孤立してしまうのだった

周りは敵とも味方ともつかない人々に囲まれ、終始緊張感があって見応えがあった
カトリック、プロテスタント、イギリス軍、IRAというめんどくさい状況ながら意外と作品としては分かりやすい
ちょっと軟着陸な感じで最後のもうひと押しが弱い気がするけど、最後まで「主人公はどうなるんだ」と求心力は失われない

治安維持にやってきた先で、こっちを殺しにくる奴らに囲まれた上に孤立しちゃってさあ大変
さらに敵味方の勢力内でのごたごたに巻き込まれ、数少ない助け人にすがりながらの逃走劇、みたいな内容でした
いっけん善良な市民ながら見た目では敵とも味方とも分からない、という周りの状況だけどけっこう殺しにくる連中は露骨なん娯楽よりな内容かもしれん

敵対勢力に狙われるだけでなく、身内からも狙われる主人公の不運っぷりが笑えない
さらにゲイリーに関わる人間は敵も味方も不運のお裾分けをくらい、さらにそのことが彼を苦しめる要因になるスパイラルがいい
じゃっかん「まあ、そういう展開になるわな」という浅さを感じないでもないけど、まあこれはこれで

個人的にラストのオチにもうちょっとキレがあれば、かなり絶賛できた惜しい一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:これ、もっと心が病んでいいレベルの経験じゃないかと




ベルファスト71 予告

2015年8月17日月曜日

この国の空 (2015/日)

監督:荒井晴彦
出演:二階堂ふみ / 長谷川博己 / 富田靖子 / 利重剛 / 上田耕一 / 石橋蓮司 / 奥田瑛二 / 工藤夕貴

昭和20年の東京、母と暮らす里子は防空壕を借りることがきっかけで隣人の市毛と親しくなる
戦争により情勢が変化する中、里子はじょじょに市毛を男として意識するようになり・・・

濡れっ濡れの高湿度ねっとりエロス、というだけではない引っかかりの誘惑が個人的に楽しめた
市毛の胡散臭さや里子の言葉遣いは基本として、時に微妙に外してくるシーンが引っかかり、それが負の方向でなく「なんか気になる」みたいな魅惑的に作用している感じ
文学的なようで、官能的なようで、かなり昔の昼メロみたいなチープさも兼ね備えた人を選ぶ作品かも

いい歳になりながら母とふたり暮らし、世は戦争ムード一色で女として成熟しつつある身をもてあます里子が、出会った市毛にじょじょに惹かれていく、と
そんな男女の美しくも背徳的な恋いが戦時下の状況で~、みたいなのを意識しているといつの間にか庶民生活ドラマが展開
やっかいものの叔母まで加わって、恋愛要素はどこいったと心配になる

しかし、エロいシーンは無駄に露骨に妖艶さを追求し、そんなエロ場面以外でもドラマとして攻めて描くところはとことこん攻め、それでいて見入っていると変に引っかかる外しをくらうから油断できない
個人的な感じ方だけど「それ以上やったらコントだろ」という滑稽さに落ちるギリギリ感な外し方がおもしろい
自分としては良いバランスなんだけど、市毛や里子の存在が作品を阻害するほど気になりすぎる人はダメな感じで人を選ぶ作品かもしれん

里子がどんどん女になっていく様、そして詰め寄り顔に思わず体をのけぞらせざるえない一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:戦争+悲恋の感動とかそういうの求めちゃダメ




この国の空 予告

2015年8月16日日曜日

日本のいちばん長い日 (2015/日)

監督:原田眞人
出演:役所広司 / 本木雅弘 / 松坂桃李 / 堤真一 / 山崎努 / 神野三鈴 / 蓮佛美沙子 / 大場泰正 / 小松和重 / 中村育二 / 山路和弘 / 金内喜久夫 / 鴨川てんし / 久保耐吉 / 奥田達士 / 嵐芳三郎 / 井之上隆志 / 木場勝己 / 中嶋しゅう / 麿赤兒 / 戸塚祥太 / 田中美央 / 関口晴雄 / 田島俊弥 / 茂山茂 / 植本潤 / 宮本裕子 / 戸田恵梨香 / キムラ緑子 / 野間口徹 / 池坊由紀 / 松山ケンイチ

太平洋戦争末期の日本では本土決戦と降伏、和平という意見の対立がおこっていた
天皇、首相、陸軍大臣らはそれぞれの思いによって戦争の終わらせ方を模索するのだった

時代設定が時代設定だけに戦争(反戦)映画っぽい、その時じつは舞台裏ではみたいなイメージだったけど、核となる部分は人々の心情のドラマでした
大和魂うんぬん、天皇うんぬんとかは物語の味付けにすぎず、そこに描かれた人間たちを見つめているだけで満たされます
かなり現代っぽく分かりやすい表現や演技になっているので、堅苦しさはそれほどなく見やすかったですね

敗色濃厚な戦争の末期、徹底抗戦、あるていど戦っての優位をえての降伏、無条件降伏、と立場と思いの異なる者たちが終止符のもっていきどころに意見をぶつけあう人間ドラマ
それぞれの思いや行動に善し悪しはあるだろうけど、各人の言い分は理解できる
どんな暴走もけじめの付け方も無駄はなく、だからこそ先につながるものがあったと感じ取れるのがおもしろい

個人的にはあくまでドラマとして、映画の中の物語として楽しむことができたけど、頑なに戦争ものだという色眼鏡だけで観ると窮屈な感情にとらわれてしまうかもしれん
かなり現代版としての作りを意識していて、話はテンポよく進むのでリラックスして鑑賞できる
逆にその点がマイナス要素にもなってる感じで、全体的に軽いとまでは言わないけど重厚さが足りない気がしないでもない

個人的評価:80点
オススメ度:大御所の安定演技もいいけど、パッションあふれる若者の表情も印象的




日本のいちばん長い日 予告

ビッグゲーム 大統領と少年ハンター (2014/フィンランド・英・独)

監督:ヤルマリ・ヘランダー
出演:サミュエル・L・ジャクソン / オンニ・トンミラ / レイ・スティーブンソン / テッド・レビン /ビクター・ガーバー / フェリシティ・ハフマン / マフメット・クルトゥルス / ジム・ブロードベント

13歳になった少年オスカリは、フィンランドの山奥の森でハンターの力量を示す試練を受けることになる
一方、その上空では米国大統領を乗せた飛行機がテロリストの標的にされていた

ザ・そこそこってな感じの微妙さに満ち満ちた映画でした
「俺はやるぜ」的なふてぶてしいルックスなのに、ハンターの腕前はからっきしな主人公オスカリのギャップはおもしろいけど、見所はそれくらいかもしれん
かといってクソつまらないわけでもなく、大きな満足感はないけどまあまあ楽しめる

敵に襲われて飛行機から脱出し、森に落ちた大統領が頼りになるのは半人前のハンターだった
と、予告から読みとれる内容まで話が進むまでけっこう時間がかかり、さらにテロリストたちと対峙するまでさらに時間がかかるゆったりペースな展開
かといって森で野獣に襲われてとか、急な発熱でとか、食料が尽きてとか、そういったサバイバルな要素はないという物足りない感があふれざるえない

オスカリと大統領の友情も一夜のトークでがっつり深まったり、なんか描くポイントの力の入れどころがよく分からない
そこそこのアドベンチャーに、そこそこのアクション、そこそこの男同士の友情、そしてすっきりしない敵との決着にテンションが上がりきらない
最初こそ主人公オーラが感じられないオスカリが、いざ話が進んでいくとけっこうチャーミングで魅力にあふれる存在となり、最後にはばっちりかっこよく見えてくるっていう成長要素だけは楽しめる

個人的評価:70点
オススメ度:タフとかそういうレベルじゃない、フリーザー落下に耐えられる肉体




ビッグゲーム 大統領と少年ハンター 予告

2015年8月9日日曜日

ジュラシック・ワールド (2015/米)

監督:コリン・トレボロウ
出演:クリス・プラット / ブライス・ダラス・ハワード / ビンセント・ドノフリオ / タイ・シンプキンス / ニック・ロビンソン / ジェイク・ジョンソン / オマール・シー / B・D・ウォン / ジュディ・グリア / イルファン・カーン

生きた恐竜のテーマパークへやってきた少年ザックとグレイの兄弟
そこでは新たな刺激をパークへ導入するため、恐竜のハイブリッド種の研究が行われていた

パークからワールドになっても、過去作を思い起こさせるシーンやなじみのテーマ曲が懐かしい
思った以上にアトラクション的なノリより、パニック系の色が濃かった気がする
様々な恐竜たちの生態とかは最小限にとどめ、問題が連鎖して大きくなっていく様にどんどん盛り上がってくる
ちょっと序盤が個人的にダルかったけど、クライマックスに燃えに燃えざるえない

新たなパークの目玉として恐竜のハイブリッド種である、よりインパクトの強いインドミナス・レックスを生み出したけど、案の定というかなんというか暴走して大パニック
という中で女子供に研究員や元軍人、分かりやすいやましい野望をもった人たちが事態に右往左往な作品でした
ちょっとインドミナスさんが解き放たれるまでの前置きが退屈だったけど、それはそれパニック映画のお約束構成の嵐の前の静けさと割り切れる

なにはともあれ本番は翼竜が暴れ出してからで、それまでいまいち上がらなかったテンションの上昇が加速する
人間の小ささや無力さうんぬんなテーマもあれだけど、いちばんに盛り上がる怪獣バトルなクライマックスがインパクトありまくりで燃える
ホントにこのクライマックスを描きたかっただけじゃねえのか、と思うくらい熱い

インドミナスの高い知能をもっといかしたシーンがあってもとか、パークのアトラクションをもっと楽しみたかったとか、そんなもやもやがラストバトルで一気に吹き飛んだ一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:思ったより暴走恐竜の種類が少ないよね




ジュラシック・ワールド 予告

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション (2015/米)

監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ / ジェレミー・レナー / サイモン・ペッグ / レベッカ・ファーガソン / ビング・レイムス / ショーン・ハリス / アレック・ボールドウィン / サイモン・マクバーニー / トム・ホランダー / イエンス・フルテン

諜報機関IMFのエージェントであるイーサン・ハントは、追っていたシンジケートの罠にはまって捕らえられてしまう
同時期、問題を起こし続けるIMFは解体の危機をむかえていた

空に水に陸にハイスピードなアクションが今作でも痛快でした
鑑賞後の後味もよく、すっきり爽快な感じが楽しめました
円熟したイーサン・ハントのチームの活躍も安定したおもしろさで、特にベンジーさんの魅力がシリーズを重ねるごとに輝いてきてる
というかむしろベンジーさんありきのシリーズになってきたと言わざるえない

シンジケートの罠とIMFの解体により、主人公はシンジケートの男を追いながらCIAから追われる立場になる中、世界を飛び回ってひゃっほいする内容
時にはヒロインに不二子ちゃんが重なってルパンっぽく、時には主人公のとぼけっぷりとコミカルさがジャッキーアクションをなんとなく想起させる

とりあえず体当たりなアクションは見応えはあるし、そこに相棒のキャラのスパイスが加わることで各シーンの魅力いっそう高まる
逆に言えばベンジーさんが絡んでこない部分がどうしても見劣りしちゃう気がしないでもないですね
そんなベンジーさんに注目せざるえない中でも、やっぱり主人公の時折ぼそっとつぶやくセリフやとぼけた表情が個人的にたまらなく印象に残る作品でした

個人的評価:80点
オススメ度:言うほどシンジケートが恐ろしい組織に思えないのは仕方なしかな




ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション 予告

2015年8月3日月曜日

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN (2015/日)

監督:樋口真嗣
出演:三浦春馬 / 長谷川博己 / 水原希子 / 本郷奏多 / 三浦貴大 / 桜庭ななみ / 松尾諭 / 渡部秀 / 水崎綾女 / 武田梨奈 / 石原さとみ / ピエール瀧 / 國村隼

100年前の巨人の襲撃以来、壁を築いてその内側で暮らす人類
その生活にくさっていたエレンの前に超大型巨人が姿を現し、壁を破壊しはじめるのだった

アニメの再編集版は観た、というていどの知識の中で実写版のこれはこれと割り切る覚悟で鑑賞
実写ゆえに話題になる巨人の描写も、そのふざけた容姿がみょうに芸人チックに目に映るのは否めない
どうせなら見た目をもっと大胆に改変した方が一般的なマイナス印象を回避できたろう、なんてことは制作側にしてみれば百も承知な上でこれなんでしょうね
まあ、色々とネタになる作りで一時的な話題にはなるだろうけど、もっと中身で勝負してほしかった

100年以上の時をおいてふいに現れた巨人によって奪われた土地を奪還するため、エレンたち新兵たちが戦いに挑む
という状況になるまでの前置きがけっこう長めに尺がとられていて、しょうじきダルい
緊迫した戦闘状態の場面でも体を動かしているより口を動かしてるシーンが多い印象が強いですね
立体機動も思ったよりちまちましてて、あまり観ていて高揚しなかった

ストーリーやキャラの改変はまあ、これはこれでそういうもんと気にならない
それより個人的には暗い画面の中で鬱々した雰囲気が一本調子で続くのが退屈すぎた
なんか腹に一物あるようなキャラばかりで、主人公も基本的にふてくされ気味でスカっとするところがクライマックスくらいしかないんですよね

なんか全体的に特撮っぽいノリにとってつけたような宗教要素、言わされてます感なセリフで安っぽさばかり目に付いた一本でした

個人的評価:50点
オススメ度:とりあえず後編がどうなるかしだいではある




進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 予告

パーフェクト・トラップ (2012/米)

監督:マーカス・ダンスタン
出演:ジョシュ・スチュワート / エマ・フィッツパトリック / リー・ターゲセン / クリストファー・マクドナルド / ナビ・ラワット

友人たちとパーティ会場へやってきたエレナは怪しい部屋へ足を踏み入れてしまう
そこで箱に入った男アーキンと出会うと同時に凶悪な罠が作動し、パーティ会場の人々に襲いかかるのだった

鑑賞後に気づいたけど、これ前に観た「ワナオトコ」の続編だったんですね
しょうじき前作の記憶がかなり消えてるので、観ている間はまったく気づかなかったぼんくらぶりを発揮
そういう意味では前作アリと知らんでも問題なく鑑賞できますね
かゆいところに手が届かない普通なホラーにこぢんまりと小さくおさまってるものの、そこまでクソっぽさはないんで、たまたま観てみたらそこそこだった系な作品

罠使いの殺人鬼に捕らえられたエレナは内側から追われる恐怖の中で脱出を、一方で逃げおおせたアーキンは外側から救出隊とともに捜索を、という二段構えの構成
わけの分からないままに犠牲者として殺人鬼から追われる定番ホラーに、追う者の要素をプラスしたことで単調さを解消している
そこそこの緊張感、適度なゴア、ゆるい謎、しょうじきもうひとつ何かウリみたいなものがあればよかったんだろうけど、ホントにあまり人に知られず静かに埋もれていく地味ホラーですね
殺人鬼が罠を張り巡らせていた、とか言われてもひかれるナニかはあまりない

そんなあらすじやタイトルの地味さが逆に気になって鑑賞したわけですが、序盤からクライマックスで意外と盛り上がる
まあ、あとはその惰性で最後まで引っ張られた感はあるけど、エレナとアーキンのふたりの主人公を立てて別行動させることで退屈さはそれほどない
かといって見入るほどおもしろいわけでもなく、エレナの事故や補聴器の設定はいかされてるとは思えないし、ご都合主義な罠に知的なものは感じない、なんか観てても鑑賞後ももやもやしたものが多い
殺人鬼周りの謎も続編があれば描きたいな、みたいないやらしい残し方してるのもスッキリしない
あいた暇な時間にそこまでハズレじゃないホラーを観たい時に最適な一本かもしれん

個人的評価:65点
オススメ度:もっとゾンビ(風)路線を推せばよかったのに




パーフェクト・トラップ 予告

2015年8月2日日曜日

Mr.タスク (2014/米)

監督:ケビン・スミス
出演:ジャスティン・ロング / マイケル・パークス / ハーレイ・ジョエル・オスメント / ジェネシス・ロドリゲス / ジョニー・デップ / リリー=ローズ・デップ

ポッドキャストのための取材でカナダへやってきたウォレス
現地での予定が狂い、ハワードと名乗る男の家に向かうことになるのだった

思った以上にセイウチでゲスな内容に大満足
すごい悪趣味な内容ながら、コミカルなノリのために気分が悪くなるほどじゃない
過ぎたゲスっぷりゆえにかえってバカバカしく感じられます
これを本気でおもしろかったと言うと趣向を疑われそうだけど、個人的には最高に楽しめましたね

怪しいおっさんの家を訪れたウォレスがセイウチへ改造手術されちゃうよ、ってな内容でした
そのざっくりした説明だけで「こいつは観るしかねえ」と思った人ならぜったいにハマれると思う
けっこうダラダラと会話シーンが長いんだけど、セイウチ化へのプロセスはテンポよく進む

なんかじゃっかんダレてくるタイミングでインパクトのあるシーンが挿入されるため、退屈な部分と画面に引き寄せられる部分がうまく相殺されて飽きることはない
セイウチのインパクトが強烈すぎるけど、それぞれの登場人物も個性豊かで意外と見所は豊富
クライマックスのバトルとか、いきすぎたゲスさが笑える最高のクソB級映画でした

個人的評価:85点
オススメ度:禁句の多い国カナダ




Mr.タスク 予告

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール (2014/英)

監督:スチュアート・マードック
出演:エミリー・ブラウニング / オリー・アレクサンデル / ハンナ・マリー

心療病院を抜け出したイブはライブ会場でギタリストのジェームズと出会う
その後、病院へ戻ったイブは自分の思いを歌にするのだった

ポップでオシャレな画で目で楽しめるのはもちろん、ミュージカルというより歌の世界をそのまま描いた内容じたいもおもしろい
主人公のイブのキュートさ、楽曲とのシンクロ、オマージュ要素、難しいことはいろいろと語れるだろうけど、もっとシンプルに歌に身を任せるだけでじゅうぶんかもしれません
映画的に、音楽的に、オシャレ的に、それぞれ観た人が感じたままであればいい、楽しみ方を選ぶような野暮な作品ではないですね

歌によって新しい生き方が見つかったり、友人と出会えたり、主人公イブの光に満ちた世界が広がっていく様を素敵な楽曲とさわやか青春ストーリーにのせてポップに描いた内容
レトロさを感じるファッションや画作りはみじんも古くささがなく、作品にマッチしてて良い雰囲気なプラス要素しかない
劇中での曲の数々もどれも素敵で、あえて歌詞の字幕を追わない方が堪能できるかも

ファッション、キャラクター、カメラワークすべてに対しあざとさが鼻につかないと言えば嘘になるけど、そう負のイメージを抱くのも最初のうちだけで、そんな部分もふくめてこの作品の魅力を構成する一部として受け入れられる
個人的にミュージカル映画を観ている感覚より、じょじょにMVとも違う映像化された歌の世界に浸っている印象が強くなっていきましたね
それぞれの要素が魅力を主張しながらも邪魔しあわず、鑑賞後は「いい曲だった」と心地よく酔えた一本でした

個人的評価:95点
オススメ度:サントラを購入するまでが鑑賞のいっかんです




ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール 予告