2015年9月28日月曜日

心が叫びたがってるんだ。 (2015/日)

監督:長井龍雪
出演:水瀬いのり / 内山昂輝 / 雨宮天 / 細谷佳正 / 藤原啓治 / 吉田羊 / 村田太志 / 高橋李依 / 石上静香 / 大山鎬則 / 古川慎 / 津田英三 / 宮沢きよこ / 野島裕史 / 河西健吾 / 柳田淳一 / 手塚ヒロミチ / 葉山いくみ / 加隈亜衣 / 天崎滉平 / 田澤茉純 / 西谷修一 / 山下誠一郎 / 芳野由奈 / 諏訪彩花 / 東内マリ子 / 木村珠莉 / 榎木淳弥 / 木島隆一 / 久保ユリカ / 前川涼子 / 石谷春貴 / 三宅麻理恵

幼いころにおしゃべりが過ぎたことで両親の離婚のきっかけを作ってしまったと悩む少女、順
しゃべると腹痛をともなうことから無口になった彼女は、クラスメートたちと地域ふれあい交流会の委員に選ばれ・・・

青春映画、青春映画とやかましい宣伝が鼻についたけど、のっけからラブホ描写に良い意味での引っかかりを感じる
確かにメインストーリーの流れはザ・王道なんだけど、そこに変化球のラブホやら恋愛要素のザラつきが良い感じでブレンドしてきて楽しめた
明と暗、というかいっけん混ざりあえないような要素をメインの上にうまくテーマとしてのせることで、単調な青春ものという感じがしなくていい
ちょっとクラスのみんなの受け入れ方がご都合的に流されてる気もして、個人的にはもっとえぐってくる感じでもよかったかな、と思わなくもない
とりあえず泣きや感動とは違うけど、いい話だなと素直に思える一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:このキャラ画がダメな人はダメかもしれんね



心が叫びたがってるんだ。 予告

GONIN サーガ (2015/日)

監督:石井隆
出演:東出昌大 / 桐谷健太 / 土屋アンナ / 柄本佑 / 安藤政信 / 根津甚八 / 竹中直人 / 福島リラ / テリー伊藤 / 井上晴美 / りりィ / 松本若菜 / 菅田俊 / 井坂俊哉 / 鶴見辰吾 / 佐藤浩市

19年前に全滅させられた大越組のひとり息子の大輔は、五誠会の三代目の下で働いていた
不遇の大輔のもとへ三代目の愛人とされる麻美からある話が持ちかけられ・・・

なんとも前作の「GONIN」をもっと楽しむための補足、参考書みたいな内容に思えた
強烈な妖艶さや変態さが影をひそめ、それでいて続編を名乗るから、どうしても前作と比べざるえない
前作を意識した独立したひとつのバイオレンス映画、というスタンスなら比較も無粋だろうけど・・・
「GONIN」の映像がところどころに挿入され、この作品から観ても問題ないようにみえて、ちゃんと前のを知ってないとどうにも内容についていけない部分もなんか中途半端
とりあえず「GONIN」という映画があって、それを補う意味でのドラマスペシャルな意味でならアリかもしれん

個人的評価:65点
オススメ度:明神とハエのネタくらいしか印象に残らない



GONIN サーガ 予告

2015年9月21日月曜日

アントマン (2015/米)

監督:ペイトン・リード
出演:ポール・ラッド / エバンジェリン・リリー / コリー・ストール / ボビー・カナベイル / マイケル・ペーニャ / ティップ・“T.I.”・ハリス / ウッド・ハリス / ジュディ・グリア / デビッド・ダストマルチャン / マイケル・ダグラス / アビー・ライダー・フォートソン / アンソニー・マッキー

出所したスコットは娘のためにまっとうに生きると誓うが、仕事がみつからずに昔のワル仲間たちとつるんでいた
金のこともありいよいよ追いつめられた彼は盗みの仕事をすることになり、そこで謎のスーツを手に入れるのだった

新しいヒーローものってのはだいたい2作目からこなれてきて、アクションをふくめて余裕や遊びが出てきておもしろくなるのが相場
だけどこの作品は縮小&元のサイズのスイッチングをたくみに使ったバトル、アリの使役、ちょこちょこはさまれる笑いを誘う場面、と1作目からこなれてる作りで完成度の高さが感じられる
アベンジャーズとの絡みも嫌みがなく、それでいて「アントマン」という映画を壊さないていどにゲストキャラを運用してて盛り上がる
主人公が博士と血縁にないことから話がふくらみづらいという心配も杞憂に終わり、父娘のドラマの部分もキッチリしてて楽しめた
エンドクレジット後の展開もふくめて先が読めすぎるのが唯一の欠点らしい欠点かもしれん

個人的評価:90点
オススメ度:コミカルさ重視の小粒なお気楽ヒーロー映画かと思いきや大満足ですわ



アントマン 予告

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド (2015/日)

監督:樋口真嗣
出演:三浦春馬 / 長谷川博己 / 水原希子 / 本郷奏多 / 三浦貴大 / 桜庭ななみ / 松尾諭 / 渡部秀 / 水崎綾女 / 武田梨奈 / 石原さとみ / ピエール瀧 / 國村隼

エレンの巨人化によって難局を乗り越えた一行
しかし、そのエレンの能力ゆえに倒すべき巨人と同様に処刑の命がくだされる

巷では散々な評価で良い噂をきかない前編、それを受けての今作でしたが思ったより観ていられる
どうせ設定とかうやむやなうちに乱戦になって大暴れして終わりだろ、くらいの低い期待値だったからかもしれんけど、ありがちで安易ながら世界の仕組みを説明してくれたのは評価したい
今回も中途半端な現代の社会問題やら宗教的なものを想起させるイタタな描写は鼻につくけど、シンプルにバトルだけを楽しみに観ていれば、そこそこは満足できる
なんだかんだ大小ツッコミどころは満載だし、自らネタにされるようなシーンを入れてるとしか思えない部分が多々あるのはご愛敬なんですかね

個人的評価:60点
オススメ度:俺たちの戦いはこれからだエンド、かと思いきやメイズランナーがはじまった



進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド 予告

2015年9月20日日曜日

ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女 (2014/米)

監督:アナ・リリー・アマポアー
出演:シェイラ・バンド / アラシュ・マランディ / マーシャル・マネシュ / モジャン・マーノ / ドミニク・レインズ / ミラド・エグバリ / ロメ・シャダンルー / レザ・セィクソ・サファリ

ヤク中の父親の借金のかたに車を持っていかれてしまうアラシュ
そんな彼から車を奪った売人の前に謎の少女が現れる

やる気のない、内容とミスマッチな邦題はめずらしくないけど、ここまでひどいと苦言をあらわにしたくなるレベル
まあ、それはそれとして、内容的には馴染みのない異国の文化なヴァンパイアものが物珍しく感じられた
雰囲気映画って言えばそれまでだけど、ダークヒロインというとこまで仰々しくない作品はかみしめるほどにじんわりくる
しょうじき静かな流れが眠気を誘いまくってつらかったシーンは多々あった
それでも違和感が逆におもしろいBGMチョイスや、偶然なのか指導なのかネコ君の奇跡の場面シンクロな動きが強く印象に残る一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:どうしてもSEXの文字とパックマンに目がいってしまうわけで



ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女 予告

ピエロがお前を嘲笑う (2014/独)

監督:バラン・ボー・オダー
出演:トム・シリング / エリアス・ムバレク / ボータン・ビルケ・メーリング / アントニオ・モノー・Jr. / ハンナー・ヘルツシュプルンク / トリーネ・ディアホルム

世間を騒がせるハッカーである男が自首をする
そして彼は幼少期の出来事からベンヤミンの物語を話はじめるのだった

騙される(騙されている)うんぬんがうりの映画で、ホントに実際に騙されることはない
そんはガッカリな思いをしつつも、こういう作品に手が出てしまうのは、まさにこの映画のようなものと出会えることもあるからかもしれん
ネタバレになるから語れることは少ないけど、「騙す?上等だ、細部まで疑って観てやるぜ」というスタイルで鑑賞したんですが、まあ、それが良い方向に作用して楽しめた
しょうじき気持ちの良い騙され方じゃないのは否めないけど、こういう作りは一発ネタとしてはおもしろい

個人的評価:85点
オススメ度:じゃっかんヤング向けな、ノリを楽しむ感じな印象



ピエロがお前を嘲笑う 予告

2015年9月14日月曜日

キングスマン (2014/英)

監督:マシュー・ボーン
出演:コリン・ファース / マイケル・ケイン / タロン・エガートン / マーク・ストロング / ソフィア・ブテラ / サミュエル・L・ジャクソン / マーク・ハミル / ソフィー・クックソン / エドワード・ホルクロフト / サマンサ・ウォーマック / ジェフ・ベル / ビョルン・フローバルグ / ハンナ・アルストロム / ジャック・ダベンポート

暴力的な義父とその手下どもに嫌気がさす日々を過ごすエグジー
ある日、子供の頃にもらった勲章に刻まれた番号に電話をかけたことから、死んだ実父の知り合いであるハリーと出会う

もうスパイアクションなんて手垢にまみれたジャンルで新しさを体感できんだろ、なんてあきらめるのはまだ早かったと思い知った
最高にイカレててイカしてるこの映画に最初から最後まで心地よく酔いしらせてもらいました
個人的に紳士なキャラがスタイリッシュに大立ち回りしながら、スーツも髪型もビシッと決めるというのが大好物なんで、この作品はホントにそれ以外の部分をとってもツボに入りまくった映画でした

どこの国にも属さない諜報機関、そこのエージェントになるべくテストを受ける主人公のエグジー
同時にある企みについて探るハリー、という話が並行して進んでいく
作中での言うところの昔の007ライクな荒唐無稽なアクションと魅力あふれる敵が映画の中でうまく作用してる
そして懐古的なだけでなく、現代風なアクションにイカレたスパイスを加えることで、ありものの素材ながら新しさすら感じるカクテルな内容になってますね

ベースとなる部分は固持しつつ、いろんな意味で振り切れるところはとことんぶっ飛んでるのが痛快
そしてスピードとテンポが観ていて気持ちよく、エグさや雑味がありながら地盤がしっかりしてるゆえに嫌なB級くささも薄い
観てるこっちの気持ちよくなるポイントを押さえまくってくれるので、ホントに心から鑑賞後に「おもしろかったー」と言わせてくれる

予告だけだとおとなしめなライトスパイアクションっぽい印象だったけど、のっけからノリノリで制作陣も楽しんでやってんなあ、とこっちも波にのっかって楽しませてもらった一本でした

個人的評価:95点
オススメ度:JBが名演技すぎるだろ




キングスマン 予告

天空の蜂 (2015/日)

監督:堤幸彦
出演:江口洋介 / 本木雅弘 / 仲間由紀恵 / 綾野剛 / 柄本明 / 國村隼 / 石橋蓮司 / 竹中直人 / 向井理 / 佐藤二朗 / 光石研 / 落合モトキ / やべきょうすけ / 手塚とおる / 永瀬匡 / 石橋けい / 松島花 / カゴシマジロー / 前川泰之 / 松田悟志 / 森岡豊

完成したての自衛隊の巨大ヘリ・ビッグBが何者かによって奪取、原子炉の上空で滞空状態になる
犯人から日本の原発のタービンの破壊の要求がある中、ヘリに偶然乗り込んでしまった息子のことで対策室の湯原は
あせるのだった

今だからこそ、と原発を扱う原作を映像化・・・という安易なコンセプトな映画かと思いきや、けっこう芯のある内容で楽しめた
原発問題、邦画における技術面での「今だからこそ」ってのもあるけど、2015年という東日本の震災から時を経た「今だからこそ」なものだったと痛感せざるえない
いろいろと問題があふれる日本だけど、その根っこにあるものの一部に目を向けさせられる

日本全国の原発止めないと、原子炉へ巨大ヘリを落とす、という中でヘリに残った主人公の息子の救出計画があれこれ模索されるという序盤の流れ
観ていればこと表現したいテーマが安易な原発問題だけじゃないってのが、けっこう早い段階で示される
あまり深くつっこんでないけど、自衛隊問題とか政治的なところにもふれてるけど、これが描けるギリギリのラインだったんだろうな、と大人の事情をくんだ方がいいのかな

まあ、そんなテーマとなるものをしっかりと固める作品としてのデキもけっこういい感じ
救出劇という娯楽要素から入り、二転三転する状況と話の進行にそって紐解かれていく人間ドラマ、作品の核となる周りを固める物語があくまで楽しく観ていられるようにできている
テーマばかりの頭でっかちでもなく、娯楽要素ばかりな軽さもない

豪華な出演者たちも無駄にわちゃわちゃしてる印象もないし、鑑賞後になんともいえない濃密な時間をすごしたと感じさせられた一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:なんだかんだでモックンがぜんぶ持ってってる感は否めない



天空の蜂 予告

2015年9月13日日曜日

カリフォルニア・ダウン (2015/米)


監督:ブラッド・ペイトン
出演:ドウェイン・ジョンソン / カーラ・グギーノ / アレクサンドラ・ダダリオ / ポール・ジアマッティ / ヨアン・グリフィズ / アーチー・パンジャビ / ヒューゴ・ジョンストン=バート / アート・パーキンソン

LAの消防局のレスキュー隊に所属するレイ
救助任務に向かうヘリの中、妻と電話で話ている最中に大地震が発生し・・・

アメリカの大都市が大災害でダウンするとか何度目だよ
そんな大規模な被害の中で家族の愛うんぬんって毎度のことすぎるだろ
という映画の内容に冷めた姿勢で鑑賞してたんですが、意外と普通にディザスターものとしては優等生な作品でした
優等生ゆえに大きなマイナス部分はないけど、これといった抜きんでたものもないのも確かですが

大地震で西海岸全域がダウンでやべーッスという状況の中、主人公のレスキュー隊長レイは本部のあっさり承諾をもらって家族の救助にヘリを飛ばす
で、話が進むうちに崩壊してた家族の絆の理由が明らかになり&絆が再び築かれて、ってな内容ですね
災害描写は迫力あるし、退屈になってくると新たな局面へ話が展開していくのでありがち感の中でも楽しめる

人類、アメリカ国民、街の人たち、複数の家族、という膨らみを排して主人公家族の半径数メートルの距離に話をコンパクトにまとめたのが良い方向にはたらいている
終末的な壮大さやストーリーがバックにあるわけではなく、あくまで主人公が娘を助けるという一点にしぼったことでシンプルな思考で鑑賞できた
派手な崩壊、救出劇の緊張感と大災害における人の無力さという基本部分のおもしろさは十分に備わってます

ザ・ディザスター映画的なのを堪能できる一方で、どうにも「この作品だからこそ」という何かが足りないのがもったいない良くも悪くも普通におもしろい一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:ダニエルのクズっぷりはもっと引っ張ってもよかったかも



カリフォルニア・ダウン 予告

ピクセル (2015/米)

監督:クリス・コロンバス
出演:アダム・サンドラー / ケビン・ジェームズ / ミシェル・モナハン / ピーター・ディンクレイジ / ジョシュ・ギャッド / ブライアン・コックス / ダン・エイクロイド / アシュリー・ベンソン / デニス・アキヤマ / マシュー・リンツ / ショーン・ビーン / ジェーン・クラコウスキー / アフィオン・クロケット / レイニー・カザン / トーマス・マッカーシー / セリーナ・ウィリアムズ / マーサ・スチュワート / ジャッキー・サンドラー / ジャレッド・サンドラー / セイディ・サンドラー

グアムの空軍基地に襲撃をしかけた敵の正体がギャラガであると分かる
そこで大統領はむかしのゲームを得意とする友人のサムを呼び寄せ、対策をしようとするのだが・・・

軽いノリだとは思ってたけど、想像以上に軽すぎてなんともいえない気持ちに
コメディ映画としても意識してか知らんけど、なんか古くさい感じで懐かしさよりいい加減さなマイナスイメージが強く残りました
あらいドット絵のゲームキャラが現実世界に攻めてきた、というオールドゲーマーを釣る意図もあったろうけど、そんな昔のゲームに思い入れがある人ほどガッカリするかも

宇宙に向けてメッセージとして送られたゲーム映像が原因で、地球は昔のゲームを再現したキャラによって侵略を受けて大変だ、っていう内容
まあ、それほど大変な感じはしないし、ゲームネタな作品というよりオーソドックスなドタバタコメディといったふう
とくに中身になにも求めず、テキトーに笑いたいだけなら楽しめるかもしれん

最初こそパターンだの元ゲームの持つ意味が強く、ゲームと現実の合わさったおもしろさがあるんですが・・・
なんかどんどんゲームから逸脱していって、敵がドット絵なだけのバカ騒ぎ化していくのが個人的にガッカリでした
敵に対抗するための武器があっさり出てきたり、敵がルールうんぬん言うわりにけっこうルール周りはザルすぎて説得力がない

ラストバトルもノリノリで勢いまかせなコメディ体質で作るのはいいけど、もうちょいゲームじたいのルールを大切にしてほしかった

個人的評価:65点
オススメ度:なんだそりゃ、とテキトーにツッコミながら観るくらいがちょうどいい



ピクセル 予告

2015年9月9日水曜日

ヴィンセントが教えてくれたこと (2014/米)


監督:セオドア・メルフィ
出演:ビル・マーレイ / メリッサ・マッカーシー / ナオミ・ワッツ / クリス・オダウド / テレンス・ハワード / ジェイデン・リーベラー

酒と女とギャンブルにおぼれるひねくれものの老人ヴィンセント
ある日、隣に越してきた男の子オリヴァーのめんどうを見ることになり・・・

不良ジジイとよい子ちゃんがつるむことで色々とふたりの世界が変わってくる、というよくあるパターンな内容ながら、そのキャラが素敵だからおもしろい
軟弱なぼっちゃんだけど実は、ひねくれもののジジイだけど実は、みたいな単純な人物設定じゃないのがいいですね
ちょっと海外ドラマテイストな印象で、映画作品としては弱い面もあり、シンプルな感動ものを求めているとちょっと肩すかしをくらうかもしれん

どうしようもない不良ジジイとピュアなお子さまの心の交流、ふたりで過ごすうちに互いの欠点を補いあって日々に輝きが戻ってくる・・・なんてキレイな内容じゃない
まったくふたりが成長しない、とまでは言わないけど本質的な部分がブレないのが作品の魅力になっている
良い面はもとから良いし、悪い面は最後まで悪い
汚い部分を受け入れざるえないので、そこら辺に潔癖な人は合わない内容かも

なんだかんだで面倒見がいいヴィンセントが、オリヴァーと接するうちにちょっとは良い方向に傾きはするけど、基本的に悪いところは変わらない
だからといって良い面がなくなるわけでもない、そんな「変わらない」ところがいいわけで
海外ドラマのドクター・ハウスと似た魅力がある
同じようなことはオリヴァーにも当てはまりますね

しょうじき、もうちょい感動要素をあざとく強調してもよかった気がするし、その方が日本人的には好みな作品になってたかも
ストーリーを楽しむにはじゃっかん物足りない感は否めないキャラものな印象の一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:ジジイの借金問題はあれで解決なのか



ヴィンセントが教えてくれたこと 予告

2015年9月7日月曜日

猫侍 南の島へ行く (2015/日)

監督:渡辺武
出演:北村一輝 / LiLiCo / 高山善廣 / 木野花 / 横山めぐみ / 木下ほうか / 酒井敏也 / 緋田康人

浪人の斑目久太郎は剣術指南の仕事のために家族と離れ、相棒猫の玉之丞とともに土佐を目指す
しかし船旅のすえに見知らぬ島へ漂着してしまい・・・

最初っから最後までネタ満載でシリアス要素なしのコメディっぷりに満足な作品でした
ネタのひとつひとつが古くさくて、ベタな感じが昭和にまでさかのぼらないアーリー平成なギャグがかえって新鮮
どうせ南の島で原住民とゆるくドタバタして、ちょっと
シリアスな展開でしめて終わりだろ、なんて失礼な態度で鑑賞しちゃって申し訳ないと言わざるえない

浪人の主人公が猫といっしょに、あきらかに日本じゃない南の島で原住民と白黒猫騒動&ダッチューノってな感じで、とりあえずストーリーとかどうでもいいコント的なネタを楽しむコメディ
主人公の心の声によるツッコミがどんどんノリノリになっていく様と、とにかく細かく挿入される小ネタがおもしろい
わりとなんでもアリな頭のネジがゆるんでるバカ映画(誉め言葉)でした

微妙に古くさく分かりやすいベタなギャグも、あまり長く引きずらずに単発で細かく打ち出されてくるので、それほど拒絶反応はおこらなかったですね
というか主に原住民の話す言葉とか、ホントに細かいとこまでネタを仕込んであって感心するわ
サラッと次のシーンへ移るところもあって、普通に気づかずにスルーしちゃう人もいるでしょうね

完全に開き直って時代劇要素とかシリアス要素はほぼ排除されているので、このギャグのセンスが合う人ならすごく楽しめるでしょう
TVドラマ版以上のネタ作品なんで、ホントになんだかんだで最後はビシっと殺陣で決め、人情をからめたドラマでしめるパターンを期待しちゃダメ

個人的評価:80点
オススメ度:カワヤとか主人公の弱点になりうるキャラをあえて活かさない方向性が潔い




猫侍 南の島へ行く 予告

2015年9月6日日曜日

映画 みんな!エスパーだよ! (2015/日)

監督:園子温
出演:染谷将太 / 池田エライザ / 真野恵里菜 / マキタスポーツ / 深水元基 / 柾木玲弥 / 柄本時生 / 神楽坂恵 / 安田顕 / 高橋メアリージュン / 冨手麻妙 / サヘル・ローズ / 今野杏南 / 星名美津紀 / 篠崎愛 / 清水あいり / 星名利華 / 板野友美

宇宙から街に降り注いだ光によって、鴨川嘉郎たち一部の住人が超能力に目覚める
超能力の研究をしている教授によって悪のエスパーと戦うために嘉郎たちは集められるのだった

TVドラマ、スペシャルドラマと続いてホントのまさかの映画化でした
とりあえず設定をいちどリセットしての仕切直しとして、1から話は始まるので初見でも問題ない・・・けど、予告だけでこれを観ようなんて思う人は少数派でしょうね
内容は良くも悪くもドラマ版のまんまで、エロ方向だけはさらにひどさに磨きがかかってました

話としてはなんか超能力に目覚めた一部の男女がエロいことに能力を使ったりなんだりで、よく分からん企みをするヤツも現れてエロ騒ぎ、となんとなく深いなにかがあるようでない
大画面でイジリーの舌使いとか、フリーハンドテンガとかとにかく序盤からひどいものを観せられてテンションが勃起せざるえない
そんな感じでエロ騒ぎを追求してくれればよかったのに、中途半端に日常がループして話が遅々として進まなくてダレる

運命の人だとか、エロネタとかとにかくクドい
しょうじき同じようなことを何度も観せられているような感覚に陥る
それでも所々で誉め言葉としてのヒドい描写があるからかろうじて最後までつき合えたけど・・・
肝心のラストも、まあ、この作品らしい終わり方だけど、TVドラマ版のぶっ飛んだラストや、スペシャルドラマ版みたいな反則技を観たあとだとインパクトは小さいかな

個人的評価:60点
オススメ度:最初は超盛り上がったのに、残念




映画 みんな!エスパーだよ! 予告

ピース オブ ケイク (2015/日)

監督:田口トモロヲ
出演:多部未華子 / 綾野剛 / 松坂桃李 / 木村文乃 / 光宗薫 / 菅田将暉 / 柄本佑 / 峯田和伸 / 中村倫也 / 安藤玉恵 / 森岡龍 / 山田キヌヲ / 宮藤官九郎 / 廣木隆一

何事にも流されるままに生きてきた志乃は引っ越しを機に気になる隣人の京志郎と出会う
今までの人生経験と彼に同棲相手のいることで恋愛に慎重になるのだが・・・

文学的でもなく少女マンガ的でもない、グダグダと悩んでバカみたいにイチャイチャしてる様を観ているだけでもおもしろい、なんともいえない魅力にあふれた作品でした
イメージ的に京志郎ってもっと「俺は男だ」みたいな感じかと思ってたけど、けっこうノリが軽くて先の恋愛展開が気になる
サブキャラも個性豊かながら主人公たちの存在を邪魔しない感じで、ふたりの恋愛模様を堪能できました

流されるままの恋愛に痛い目を見つづけながら、志乃は引っ越し先のお隣さんの京志郎との出会いにソッコーでときめいてしまう
という中で人生の流され経験値が豊富ゆえに、過去の失敗例が志乃の脳裏を常に支配してふたりの関係にも影響してきてしまう、と
なにごとも経験豊富なことが良い方向に作用するわけじゃなく、かといって場当たり的なのが正解ってわけでもないめんどくささがおもしろい

自分のことと相手のことが分かりすぎちゃってるからの問題、分かっちゃいるけどあらがえない衝動からくる問題ってのが分かりやすく描かれていていいですね
わりとライトな京志郎、なにげにタフな志乃、そしてサポート友人という登場人物たちのおかげで気が滅入るほどのどろどろ感がなく楽しめる
フォークロックの歌の世界を映像化したような雰囲気が個人的に趣味にあう一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:バイト先、アパート、劇団、ホントにこの世界観は心地よい




ピース オブ ケイク 予告