2016年8月31日水曜日

後妻業の女 (2016/日)

監督:鶴橋康夫
出演:大竹しのぶ / 豊川悦司 / 尾野真千子 / 長谷川京子 / 水川あさみ / 風間俊介 / 余貴美子 / ミムラ / 松尾諭 / 笑福亭鶴光 / 樋井明日香 / 梶原善 / 六平直政 / 森本レオ / 伊武雅刀 / 泉谷しげる / 柄本明 / 笑福亭鶴瓶 / 津川雅彦 / 永瀬正敏

金持ちの高齢男性に取り入って、その財産を吸い取る生活を生業とする小夜子
結婚相談所の柏木とグルになり次々と獲物へ近づくのだった

主演ふたりの存在だけで客を釣りあげるタイプの作品かとおもいきや、けっこう実もあって見かけだおしということはなかった
だけど最後まで鑑賞すると、けっきょくはいつもの中高年向けの喜劇だったかな、と
悪い奴らが悪巧みをする様をおもしろおかしく描きながらも、それでも洒落にならないレベルの悪事っぷりに緊張感もあって引き締められる
ただ個人的には結末の部分で消化不良をおぼえずにいられない
話の流れとして悪者どうしでつぶしあい、闇へ転がりおちていくのを期待していただけに、なにか素直に笑えないオチの喜劇を観せられた気持ち悪さが残った
もうちょっと上手に年を重ねていけば、悪巧みも含めて、この滑稽なやりとりや下ネタを素直に受け入れられるようになるのかな

個人的評価:65点
オススメ度:無駄につき合ってきた男のキャストが豪華すぎるだろ



後妻業の女 予告

ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影 (2016/米)

監督:デイブ・グリーン
出演:ミーガン・フォックス / ウィル・アーネット / ローラ・リニー / スティーブン・アメル / ピート・プロゼック / アラン・リッチソン / ノエル・フィッシャー / ジェレミー・ハワード / タイラー・ペリー / ブライアン・ティー / ブリタニー・イシバシ / ゲイリー・アンソニー・ウィリアムズ / ステファン・“シェイマス”・ファレリー

ニューヨークの平和を影から護る四人のミュータントニンジャタートルズ
かつて街を恐怖に陥れたシュレッダーが、その護送中に脱走する計画を知った四人は出動するのだった

小難しい陰謀だのなんだのいっさいない、潔いほどに中身からっぽなバカ騒ぎっぷりを楽しむ雰囲気映画でした
敵側も味方側もにぎやかし要員が増え、さらにタートルズの面々が調子にのって前に前に出てくることで常に画面はお祭り騒ぎ状態
ストーリーの流れの中で今回の脅威となるアイテムやキャラも、そんなバカ騒ぎを演出するためだけにあるような感じで、クライマックスになっても危機感や緊張感はまったくない
今作のラスボス担当もそうだけど、敵側に底力がなさすぎて「こいつらこのままじゃ終わらねえだろ」と思わせといて、そのまま終わるような拍子抜け感というか物足りなさがあるのは否めない

個人的評価:75点
オススメ度:敵味方どっち側かのおまけ映像が必ずあるだろ、というところまで肩すかし



ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影 予告

2016年8月28日日曜日

君の名は。 (2016/日)

監督:新海誠
出演:神木隆之介 / 上白石萌音 / 長澤まさみ / 市原悦子 / 成田凌 / 悠木碧 / 島崎信長 / 石川界人 / 谷花音

田舎町に住む少女、三葉は日々の中で記憶にない出来事に戸惑う
そして、ある朝、目覚めると見知らぬ男子となって、その生活を送ることになり…

予告からもちょっと感じ取れるものがあるけど、単なる少年少女の青春ドラマの定番である入れ替わりものとは異なっていて楽しめた
というより、入れ替わりの先にあるものの方が本編で、お約束事項なイベントは回収しつつ、テンポよく話が進んでありきたり感はない
田舎の、そして都会の情景が優しく美しく、繊細で綺麗に描かれていて、リアルだけど現実じゃない景色にひかれる
全体的におとぎ話と割り切って、主人公ふたりを応援しつつ気持ちよく観ていられた
周りの登場人物たちもたいがい良い奴ばかりで、そういう部分でもリアル描写の中の非現実感が負の感情をおさえて、極めてストレスを感じさせないように作られている気がする展開的にちょっと引っかかる部分はあるけど、概ね臭みがなくスルッと入ってくる一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:まあ、おっぱいは基本



君の名は。 予告

2016年8月22日月曜日

ゴーストバスターズ (2016/米)

監督:ポール・フェイグ
出演:クリステン・ウィグ / メリッサ・マッカーシー / ケイト・マッキノン / レスリー・ジョーンズ / クリス・ヘムズワース / アンディ・ガルシア / チャールズ・ダンス / マイケル・ケネス・ウィリアムズ / マット・ウォルシュ / セシリー・ストロング / ニール・ケイシー / カラン・ソーニ / ザック・ウッズ / エド・ベグリー・Jr.

科学者のエリンは過去に出したゴーストの本がきっかけで、共同著者であるアビーと久しぶりに再会
今でもゴーストの存在を信じるアビーに連れられて、ある館へやってきたエリンだったが…

最初からどうにも古くさいギャグセンスに寒くなるが、それが意識して80年代コメディ調にしていると理解すると受け入れられる
昔はこういうノリの作品を家族でゲラゲラ笑いながら観てたな、と懐かしさを感じる
過去シリーズのキャスト、ゴーストもちらっと顔出しすることも懐古心をくすぐる
そういう思い出補正がない人にとって、こういうノリのコメディはただただお寒いだけなのか、一周まわって楽しいのか気になる
この作品、地味なオタク同士の戦いということで華のなさが心配だったけど、華はないなりにそれを上回る強烈な個性のかけあいが輝いていた
本当に誰がとかじゃなく、みんなそれぞれが魅力を引き出しあい、にぎやかで死にキャラがいない
イケメン担当のケヴィンの、いまどき海外コメディTVドラマでも見ないこてこてな残念っっぷりも秀逸
とりあえず、この悪く言えば子供向けっぽいノリとギャグを受容できるか否かで評価は分かれるかもしれない

個人的評価:80点
オススメ度:クライマックスのゴーストバトルはなにげに燃える展開



ゴーストバスターズ 予告

2016年8月21日日曜日

ねむれ思い子 空のしとねに (2014/日)

監督:栗栖直也
出演:福島央俐音 / 井上喜久子 / 田中敦子 / 平田広明 / 木島隆一 / 石黒千尋 / 松田健一郎 / 槇瀬さとる

追われる身である少女、織音に接触してくる謎の一団
彼女の逃亡の手助けと引き替えに宇宙ステーションであることをやってほしいと言われるのだった

こういう作品は作り手のオナニー的な表現で独特すぎるSF設定や描写が鼻につくものが多いが、この映画においてはそういう部分がなくて観やすい
現代ではないと示唆するさりげない近未来描写、引っかかりを感じさせる謎の部分も鑑賞中に変に頭を使わせずに流れがいい
ガワにこだわった独特の世界観ではなく、きちんと内容で伝えようとしているのが感じ取れる
50分という短い時間の中でスマートに収まっていて、まったく過不足がないとは言い難いものの、描きたい部分だけを特化しているやり逃げ感はない
テーマも分かりやすく、本当に総じて観やすいさっぱり感のある一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:男らしいヒロインに惚れざるえない



ねむれ思い子 空のしとねに 予告

ハルをさがして (2015/日)

監督:尾関玄
出演:小柴大河 / 佐藤菜月 / 小泉凱 / 橋本一輝 / 洞口依子 / 小沢仁志 / 才藤了介 / 井上珠里 / 緒川凛 / 齋藤あきら / 武藤令子 / 川崎裕子 / 蛭田智道 / 牧純矢 / 桜あん

ノボルは中学最後の夏休み、気になる女の子に思わず福島へ写真を撮りに行くと言ってしまう
福島から転校してきた経緯のあるその子は強引に愛犬探しを要求してくるのだった

よく分からない友情、よく分からない葛藤、よく分からない苛立ち、よくわからない色めき、そんなうまく自分の気持ちをうまくコントロールできない中学生たちのドラマがおもしろい
すれ違う心のままに犬のハルを探す一行、それぞれの思惑がうまくいくわけもなくしだいにささくれが大きくなっていきながらも、ふいに流れが切り替わるのリアル中学生っぽい良い味としての不安定さがいい
話の流れとしてとか、理論理屈じゃないよく分からない中での、ただよく分からないだけじゃない、ふわっとした答えが浮かび上がるのが気持ちいい
登場人物たちもすべてはまっていて、特に小泉凱さんが演じる主人公の友人っぷりが、感情を表に出すキャラゆえに感情移入できて、さらに他のキャラの橋渡しな存在として作品に大きく関わっていて印象に残った

個人的評価:85点
オススメ度:福島へ行って帰る、その帰ったあとの描写もちょっと観たかった気がする



ハルをさがして 予告

2016年8月15日月曜日

ジャングル・ブック (2016/米)

監督:ジョン・ファブロー
出演:ニール・セディ / ビル・マーレイ / ベン・キングズレー / イドリス・エルバ / ルピタ・ニョンゴ / スカーレット・ヨハンソン / ジャンカルロ・エスポジート / クリストファー・ウォーケン

幼い頃からジャングルでオオカミたちと育った人間の子供モーグリ
多くの動物たちには認められていたが、久しぶりに現れたトラのシア・カーンは人間に強い敵対心を抱いており…

ディフォルメされたキャラはもちろん、ハリウッドのこういったリアル路線のCG表現のナチュラルさは本当に目を見張る
単に美麗なだけではない目になじむ自然さは素晴らしく、口パクの部分だけ加工してるんだよと言っても信じる人はいるんじゃないかと思うレベル
バラエティに富んだジャングルの動物たちが色を添え、主要な動物たちの個性的で分担された役所の描き分けも丁寧
そんな動物たちだけでなく主人公のモーグリの純朴さがたまらなく、全編ジャングルながらにぎやかな画面とシンプルながら王道のアドベンチャー要素がマッチしている
全体的に優しさにあふれ子供よりなファミリー向けではあるけど、動物好きならそれだけで観ても損はないかもしれない
「ジャングル・ブック」って、なんかもっとシリアスでちょっと薄ら暗いところもあった気がしないでもないけど、これはこれでモーグリ、バギーラ、バルーのさらなる展開も観てみたい

個人的評価:80点
オススメ度:とりあえずモーグリの足裏は超頑丈



ジャングル・ブック 予告

X-MEN:アポカリプス (2016/米)

監督:ブライアン・シンガー
出演:ジェームズ・マカボイ / マイケル・ファスベンダー / ジェニファー・ローレンス / オスカー・アイザック / ニコラス・ホルト / ローズ・バーン / エバン・ピーターズ / タイ・シェリダン / ソフィー・ターナー / オリビア・マン / コディ・スミット=マクフィー / アレクサンドラ・シップ / ルーカス・ティル / ジョシュ・ヘルマン / ベン・ハーディ / ラナ・コンドール

続々とチャールズのもとへ集められて能力について学ぶミュータントたち
一方、エジプトでかつて神と崇められたミュータントが復活を果たそうとしていた

これだけ長いシリーズになると記憶力が残念な私にとって、これまでの話とかかなりぼんやりしてくるけど、それでも問題なく鑑賞できた
旧三部作へのつながりを意識しすぎて、今作の敵となる神さまが言うほど印象に残らず、むしろマグニートーさんのエピソードの方が強く心に残った
この神さまのキャラじたいがキャラたちのステップアップ、ストーリーの促進、旧一作目へのつなぎとしての存在でしかない感が隠しようもなく現れている
そんなつなぎの話と割り切って観れば、各キャラの掘り下げや活躍っぷりのバランスもよく描かれていてけっこう楽しめる
マグニートーさんは特別枠としても、それぞれの能力をいかして時に勇敢に、時にユーモラスに振る舞うキャラたちはみな本当に甲乙つけがたい魅力にあふれていた
最後まで噛ませ犬だった神さまだけど、かえってその存在を強く主張しない薄味感がメインどころを引き立ててよかったのかもしれん
前作のようなストーリーを単品で楽しむものではない、ちょっとファンサービスのような作りだけど、盛り上がりに欠けるってほどではないのでガッカリ感はない

個人的評価:80点
オススメ度:過去の修正でちょっと変化した未来へつながってる、のかな



X-MEN:アポカリプス 予告

2016年8月14日日曜日

ブリーダー (1999/デンマーク)

監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:キム・ボドゥニア / マッツ・ミケルセン / リブ・コーフィックセン / リッケ・ルイーズ・アンデルソン / ズラッコ・ブリッチ

恋人から妊娠を知らされるレオ
しかし素直に喜べない心情の中で日々を過ごし…

テンポも良くはないし、撮りたいものを撮る気持ちよさに傾きすぎている荒削り感は否めないけど、それでも強い共感で引きつけられるものがある
いつ話が動き出し、どんな方向へむかうのか分からない序盤は、それはそれで手探り感がおもしろいけどなかなか転がりはじめない内容にちょっと単調さと退屈さをおぼえる
それでも墓地と学校とか、なんてことはない日常の描写があるからこそポイントごとのレオの変化が生きてきている
恋人や友人、知人との日々にちょっとずつささくれが大きくなり、時に大きなきっかけを経て堕ちていく様がおもしろい
日常から非日常へ、そしてラストへ流れていく展開がよかっただけに、そこまでのマイナス印象が強い部分が帳消しにこそならないけど薄まり、ダメなところばかり気になってしかたない作品に陥らなかったのは個人的に観ていて助かった

個人的評価:75点
オススメ度:個性的な映画監督は、好んで劇中で映画ネタをぶち込んでくる傾向がある気がしてならない



ブリーダー 予告

神のゆらぎ (2013/加)

監督:ダニエル・グルー
出演:グザビエ・ドラン / マリリン・キャストンゲ / ガブリエル・サブーラン / ジャン=ニコラ・ベロー / アンヌ・ドルバル / ロビン・オベール / ルイーズ・トゥルコ / ジュリアン・プーラン / ジルベール・シコット

白血病、不倫、ドラッグの運び屋、ギャンブル依存、アル中、様々な問題を抱える人々
そんな中、飛行機が墜落する大事故が発生するのだった

色々と思うところがあるけれど、個人的にはすごく人間くさい魅力にあふれた作品だと感じられた
それこそ神のきまぐれで奇跡や救いがもたらされたり、逆に試練が与えられたりする人たちを神というフィルターを通して観てもおもしろいかもしれない
それぞれの登場人物が必要最小限に、それでいて互いに影響を与えあうつながりが静かに力強く描かれていて引き込まれる
愛と嘘に溢れ、信じることや優しさが踏み出す勇気になったり皮肉な結果になったり、それぞれのドラマの中でそっと交錯する様が本当に楽しめた
作品の流れとしての間や鑑賞後の余韻も申し分なく、自然と考えさせられる何かを投げかけられるのが説教臭く感じずに心地よい一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:たまらないほど人間なんだな、と痛感せざるえない



神のゆらぎ 予告

2016年8月8日月曜日

秘密 THE TOP SECRET (2016/日)

監督:大友啓史
出演:生田斗真 / 岡田将生 / 吉川晃司 / 松坂桃李 / 栗山千明 / 織田梨沙 / リリー・フランキー / 椎名桔平 / 大森南朋 / 大倉孝二 / 木南晴夏 / 平山祐介 / 三浦誠己 / 泉澤祐希 / 望月歩 / 前野朋哉 / 小市慢太郎

死者の脳内に残った記憶を映像化することを可能にした、警察内の特殊チームに配属されることになった青木
その室長である薪からの命である死刑囚の記憶をみた彼は、そこに映し出されたものをもとに捜査を開始する

記憶を映像でみられる、という便利装置のおかげですぐに犯人も犯行方法も分かるが、それでいていつまでも遅々として捜査が進まないテンポの悪さばかりが目についてしまう
特に前半の絹子関連にあまりに尺を使いすぎでダレぎみになってる感じ
貝沼事件に迫ってきてようやくおもしろくなってくるけど、尺も描く順番も絹子と逆にした方が盛り上がるんじゃないかと素人ながら思ってしまう
それぞれの事件の核となりリンクする部分は最後まで観れば「そういうことね」とつながりにうなずけるけど、もっとコンパクトに分かりやすくできたんじゃないかと苦言を呈さずにいられない
しっくりこない場面転換、集団自殺、急な荒天とかツッコミどころもけっこうあり、全体的に間延びしていて、荒く雑な作りに残念さが強く残る

個人的評価:50点
オススメ度:退屈さと上映時間の長さもあって、どうしても時計に目がいってしまう



秘密 THE TOP SECRET 予告

2016年8月7日日曜日

東京ウィンドオーケストラ (2016/日)

監督:坂下雄一郎
出演:中西美帆 / 小市慢太郎 / 松木大介 / 星野恵亮 / 水野小論

屋久島へ招待された東京ウィンドオーケストラの面々
一同はアマチュアの集まりなのにコンサートに呼ばれたことを不思議に思うのだが…

非常にシンプルな勘違いコメディなんだけど、そのキャスティングの妙と計算された台詞の間が分かっちゃいながら大笑いさせられる
有名な超一流の役者を中心におかないことで、どんな演技でキャラを表現してくれるのか予測できないのがよく、それがちゃんと笑いに結果としてつながっているからキャストの弱さは感じない
そしていちいち絶妙のタイミングで笑いを誘う台詞が挿入されて、大仰に喜劇くさくなってないのがいい
主人公の樋口と楽団の一同はもちろん、役所の橘さんの良い人っぷりやちょい悪役な田辺さんの存在が大きい
というかすべての登場人物たちが作品を楽しくし、カオスになりすぎないの魅力にあふれている
監督さんと役者さん、それぞれがうまく化学反応していると感じた作品でした

個人的評価:85点
オススメ度:音楽素人でも分かる下手さが作りすぎてないのがいいですね





私を忘れないで (2016/韓)

監督:イ・ユンジョン
出演:チョン・ウソン / キム・ハヌル / ペ・ソンウ / チャン・ヨンナム

交通事故により10年分の記憶を失ってしまったソグォン
日常生活には支障のないていどに回復して仕事に復帰したある日、彼のことを見つめて涙を流す女性ジニョンと出会う

記憶喪失の男と、失った記憶になんらかの関係がある女、そんなふたりのラブストーリーというと珍しいジャンルじゃないものの、またこのパターンかというガッカリさはなかった
旬の役者を起用し、シチュエーションをちょっと変えた同じような作品が多く、この映画も似たような感じだろうとしょうじき侮ってましたね
記憶がない主人公の悲壮感を味わう間もなく、いきなり仕事へ復帰させる展開の無茶っぷり、その普通じゃなさにいっきに引き込まれる
記憶関連でどことなく謎めいた部分はあるものの、基本は主人公とヒロインの甘いロマンスが続き、個人的にはじゃっかん単調さを感じた
それでもラストまで観たあとだと伏線になってるシーンも多く、無駄な描写はないと思われる
なにはともあれ軟着陸して終わるかと思わせてからの怒濤の話を重ねていく展開はおもしろかった
最後まで鑑賞すると、あとになって思い返したシーンがいきてくる、そんな一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:さすがに弁護士復帰は無茶すぎるだろ



私を忘れないで 予告

2016年8月1日月曜日

ターザン:REBORN (2016/米)

監督:デビッド・イェーツ
出演:アレクサンダー・スカルスガルド / サミュエル・L・ジャクソン / マーゴット・ロビー / ジャイモン・フンスー / ジム・ブロードベント / クリストフ・ワルツ / ベン・チャップリン

ジョンは英国政府からターザンとしてコンゴへ赴いてほしいと頼まれる
渋っていた彼だったが現地の奴隷問題のこともあり、妻のジェーンとアフリカへ向かうのだった

リボーンする前のターザンは名前くらいしか聞いたことないけど、作中で過去を思い返す形で説明されるために問題なく鑑賞できた
流産したジェーン、ターザンへの復讐に燃えるムボンガ、頭脳派の敵のボスであるロム、奴隷問題、野生動物と原住民との絆、いろいろと組み方しだいではおもしろくなるだろうに、まとまりがなくてとっちらかってる印象
なによりロムとムボンガという、敵として魅力をもっと引き出せるだろうけど小者っぽいだけ
野生動物大乱戦、ターザンの超人バトルがはじまれば盛り上がりはするけど、見所はかなり限られている感じがする
わざわざなんのためにリボーンしたのか、と思わず問いたくならざるえない
なんだかんだで鑑賞後にゴリラしか残らなかったですね

個人的評価:60点
オススメ度:ムボンガさんマジでちょろい中ボスすぎる



ターザン:REBORN 予告

シン・ゴジラ (2016/日)

監督:庵野秀明
出演:長谷川博己 / 竹野内豊 / 石原さとみ / 市川実日子 / 犬童一心 / 柄本明 / 大杉漣 / 緒方明 / 片桐はいり / 神尾佑 / 國村隼 / KREVA / 黒田大輔 / 小出恵介 / 高良健吾 / 小林隆 / 斎藤工 / 嶋田久作 / 諏訪太朗 / 高橋一生 / 塚本晋也 / 津田寛治 / 鶴見辰吾 / 手塚とおる / 中村育二 / 野間口徹 / 橋本じゅん / 浜田晃 / 原一男 / ピエール瀧 / 平泉成 / 藤木孝 / 古田新太 / 前田敦子 / 松尾諭 / 松尾スズキ / 三浦貴大 / 光石研 / 森廉 / モロ師岡 / 矢島健一 / 余貴美子 / 渡辺哲

東京湾に突如として出現した巨大生物
日本政府の対応をよそに被害は拡大していってしまうのだった

俺が作った俺好みの俺ゴジラ映画、という臭みが意外となく娯楽怪獣作品として身を委ねるままに楽しめた
ゴジラが姿を現すタイミングもへたにもったいぶらず、それでいてちょっとした「!」と「?」を加味した引き込み具合が小憎らしくて素敵
ゴジラによる大災害によるビジュアル的な盛り上がりはもちろん、政府側の描写もセリフの畳みかけ&見せ方のテンポがいいので「いつまで役人がくっちゃべってるシーンやるんだよ」という退屈感はない
テーマとしても一巡して心に残り、説教臭すぎないのも受け入れやすい
なによりゴジラとの戦い方がいちいち日本らしい、と虚構の戦闘ながら思わせてくれるのがおもしろい
雪崩のように押し寄せてくる情報量をBGM感覚で受け止めつつ観てもいいけど、いちど筋を追い終えた鑑賞後にそれらの情報を咀嚼する方向へ集中力を傾けてもう一度みたいと思わせられた

個人的評価:90点
オススメ度:アトラクション設備より、音響設備に重点をおいて鑑賞したい



シン・ゴジラ 予告