2016年9月28日水曜日

闇金ウシジマくん Part3 (2016/日)

監督:山口雅俊
出演:山田孝之 / 綾野剛 / 本郷奏多 / 白石麻衣 / 筧美和子 / 最上もが / マキタスポーツ / 山田裕貴 / 前野朋哉 / 矢野聖人 / 児嶋一哉 / さくらゆら / 岸井ゆきの / 水澤紳吾 / 山下容莉枝 / 大杉漣 / 藤森慎吾 / 浜野謙太 / 高橋メアリージュン / 崎本大海 / やべきょうすけ

闇金業者の丑嶋は金に困った人たちをカモに法外な利息で金をかしていた
一方、巷ではネット教材で大金を稼ぐ天生のビジネスが注目を集めていた

劇場版もパート3になって、ますますエピソードも過激に…というわけでもなく、びっくりするほどオーソドックスな内容でした
出てくるゲストクズキャラの面々もネタっぽい奴らばかりで、胸くそ悪いというよりコメディよりな感じ
マルチ商法にキャバ嬢にはまる男、金を必要とする理由が普通すぎて話じたいは物足りないけど、素敵に輝くクズたちのキャラクター性は強くみごたえはある
最初こそ普通に演技してるけど、みんなどんどん暴走していってノリノリで演じてる楽しさが伝わってくる
こういう軽い感じので一作やるのはいいけど、やっぱりファイナルへの宣伝感は否めない
TVドラマと、この3のダブルでファイナルへの宣伝が完了してるようで、どうせならこれはTVスペシャルで放映しろよ、と言いたくなる
ウシジマくんも出番はあるけど、それでも映画ベースと考えるともっと主人公らしく全面に出てほしかったかも

個人的評価:70点
オススメ度:これだけ宣伝したFinal、その上げまくった期待のハードルに応えてくれることを祈らざるえない



闇金ウシジマくん Part3 予告

2016年9月25日日曜日

ハドソン川の奇跡 (2016/米)

監督:クリント・イーストウッド
出演:トム・ハンクス / アーロン・エッカート / ローラ・リニー

旅客機の機長をつとめるサリーは、ある日、エンジン事故によりハドソン川への着水を決断する
無事に着水はできたものの、事件の調査の段階でその判断に疑いの目が向けられるのだった

漢と書いておとこと読む、まさに機長の漢っぷりにほれてしまう内容でした
事故前も後も機長として毅然とした態度の主人公、どこか俗っぽい副操縦士の存在がさらにその魅力をひきたてている
疑いの目をかけてくる人たち、さらには主人公を英雄視する民衆、騒動に巻き込まれる形になってしまった家族、それぞれに囲まれながれ不安に押しつぶされそうになりながらも自分を貫き通す姿が素敵でしたね
そんな完璧すぎる人物を描きながら、過不足なく短くまとめた話ゆえに主人公に対する嫌みっぽさを感じない
まあ、再現映像のチープなドラマでも内容は分かるけど、監督&俳優の力で完成度が格段に上がるというのがよく分かる作品でした
時間をかければバカでも理想的な解決方法を見いだせる、そんなもやもやしながら観ている感情も救われて気持ちよく鑑賞できた

個人的評価:80点
オススメ度:本当に作品じたいに過剰にドラマチックな演出が装飾されてない感じ



ハドソン川の奇跡 予告

真田十勇士 (2016/日)

監督:堤幸彦
出演:中村勘九郎 / 松坂桃李 / 大島優子 / 永山絢斗 / 高橋光臣 / 駿河太郎 / 村井良大 / 荒井敦史 / 望月歩 / 青木健 / 石垣佑磨 / 加藤和樹 / 伊武雅刀 / 佐藤二朗 / 野添義弘 / 松平健 / 大竹しのぶ / 加藤雅也

徳川と豊臣の戦いも最終局面へ向かう頃、佐助は真田幸村と出会う
噂と違う幸村の人となりを見た佐助は彼をかつぎ上げて、天下に大嘘をつこうと考える

真田とか、娯楽時代劇とか、時代考証とか、人物設定とか、もうそういうのを忘れていつもの堤幸彦ワールドを楽しむ気構えで観ればなんとか鑑賞にたえられる
戦シーンは迫力があって見応えがあるけど、ちょっと引いたシーンではさすがに兵たちのすかすかっぷりが目についてしまう
というより見せかけ、客寄せっぽい派手なシーンより、もろに舞台を観劇しているようなセットの中での芝居の方が個人的には楽しめた
見せ場にするのは分かるけど、もっと戦の部分は簡略化して十勇士のかけあいを観ていたかった
特に佐助と幸村のドラマ、コミカルながら絆を深めていく描写が少なくて物足りず、いきなりガッツリ信頼で結ばれてるの前提でやられても画面の中との温度差だけが大きくなるばかり
大作娯楽時代劇と思って観て、歴史的な視点からのツッコミに耐えれれないむずがゆさを感じる人も多いんだろうな、と思わずにいられない
まあ、なにはともあれ舞台演劇チックなパートだけは楽しめた一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:ドラマチックなようでまったくドラマチックではない



真田十勇士 予告

亜人 衝戟 (2016/日)

監督:瀬下寛之
出演:宮野真守 / 細谷佳正 / 福山潤 / 大塚芳忠 / 平川大輔 / 櫻井孝宏 / 小松未可子 / 木下浩之 / 鈴村健一 / 森川智之 / 坂本真綾 / 洲崎綾 / 斉藤壮馬

不死の存在である亜人になった永井は中野とともに戸崎と組んで佐藤に対することにする
永井は来るべき決戦の前に訓練をする中、佐藤の計画は着実に進行していく

さすがに最後ということもあって、もうクライマックスが続きっぱなし
見せ場があまりに多すぎ&戦いが続きすぎて、ひとつひとつのシーンを切り抜いてみれば見応えあるものの、それが連続しているとここぞってところに引き込まれづらい
どんどん主人公が永井から佐藤へシフトしていって、逆に永井の心の動きがよく分からなくなっていく
永井と佐藤の対比で内容が生きてくるんだろうけど、佐藤よりにかたよりすぎな気がしないでもない
編集も雑な点が隠しきれてなく、ひとつの作品としては前2作に比べるといちばん流れが悪い
この劇場版は劇場版として楽しんでいただけに、最後の最後で細かいところが気になるならTVシリーズを観てね、みたいな作りがちょっと残念だった

個人的評価:70点
オススメ度:佐藤さんがマジでスネークすぎる



亜人 衝戟 予告

2016年9月21日水曜日

BFG (2016/米)

監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:マーク・ライランス / ルビー・バーンヒル / ペネロープ・ウィルトン / レベッカ・ホール / レイフ・スポールティブス / ジェマイン・クレメント / ビル・ヘイダー / オラフル・ダッリ・オラフソン / アダム・ゴドリー / マイケル・アダムスウェイト / ダニエル・ベーコン / ジョナサン・ホームズ / クリス・ギブス / ポール・モニツ・デ・サ / クリス・シールズ / マット・フルーワー / ジェフリー・ウェイド

児童養護施設で暮らす少女ソフィー
真夜中、外の風景をながめると、そこに巨人が現れて彼女をさらってしまうのだった

どこか懐かしいファンタジーなのかもしれないけど、どうにも現代の感覚が枷になって現実離れした展開に「そんなことしたら現実じゃ」という思いが常に邪魔をする
さすがに今の子供たちでもファンタジーすぎる描写に現実的なツッコミを入れたくなるんじゃないだろうか
古い人間が子供向けの作品を作ったらちょっと微妙なものができた、という感じがする
とりあえず少女と巨人、そして巨人の国という掴みいいんだけど、そこからしばらく話が動かなくて眠くなるのがしんどかった
巨人サイズゆえのドタバタ騒ぎの中で、じょじょにBFGが受け入れられていき多くの人たちとの心の交流が…という話かと思ってたら、なんか違いましたね
どことなく話の最初と最後の部分をくっつけたような、真ん中がすっぽりぬけてる印象
そんなマイナスイメージが先行してしまい、個人的にどうにもBFGというキャラじたいも魅力的に輝いて見えなくて残念でした

個人的評価:65点
オススメ度:ソフィーのかわいらしさだけは救われる



BFG 予告

怒り (2016/日)

監督:李相日
出演:渡辺謙 / 森山未來 / 松山ケンイチ / 綾野剛 / 広瀬すず / ピエール瀧 / 三浦貴大 / 佐久本宝 / 高畑充希 / 原日出子 / 池脇千鶴 / 宮崎あおい / 妻夫木聡

東京でおきた殺人事件から一年、容疑者である山神はいまだ逃亡中だった
そんな時、東京、千葉、沖縄それぞれに身元が定かでない男たちが現れる

3つの場所で展開されるそれぞれの話に関わっていく人物たち、なにか複雑でトリッキーーな何かが隠されているようでストレートな結末がおもしろかった
信じる者、信じられなかった者、それぞれのむかえる結末までの道のりが秀逸で、観ているこっちも疑いに目が曇るほど内容に引き込まれていき、感情に響くものを得られる
出てくる人物みんなクセがあって普通じゃない感じで、それに対する偏見が強くなるほど歪んだ自身の姿を痛烈に感じさせてくれる
ミステリーの要素もあるのでネタバレにならないように語るのは難しいけど、とりあえずそれぞれの演技の素晴らしさだけでも満足できる
3つの場所での3つの話、それぞれすべてしっかり作り込まれている物足りなさなど微塵も感じさせない一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:自分でも気づかない言動や行動の根底にあるもの、それを見透かす人もいると肝に銘じておきたい



怒り 予告

2016年9月18日日曜日

レッドタートル ある島の物語 (2016/仏・日)

監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ビット

荒れた海で遭難した男がある島に流れ着く
無人島のそこで日々を過ごし、島から抜けださんと筏を作るのだった

どこか日本の昔話のようで、日本人の心には響くものがある
ただ台詞や語りがなく、純粋に画で話を作っているために子供向けではない感じ
描かれるものからひたすらに何かをくみ取ろうと努力し、なにかしらを言葉として形にするのもいいけど、やっぱりありのままを受け入れるのが一番いい気がする
あえて言葉を廃した作品に多くを語る方が無粋かもしれん
まあ、しかし内容が内容だけに日本ローカライズお得意の有名アイドルを声に起用したり、売れっ子ポップスターのED曲とかできない作品なのにミニシアター限定にしなかったのは勇気あるな、と
しょうじき地味すぎるのは否めないけど、何かをガッツリ伝えようとしているようでちょっと距離をおいてる感覚が、なんとも不思議と画面から目が離せない一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:ジブリの名にだまされちゃダメ



レッドタートル ある島の物語 予告

映画 聲の形 (2016/日)

監督:山田尚子
出演:入野自由 / 早見沙織 / 悠木碧 / 小野賢章 / 金子有希 / 石川由依 / 潘めぐみ / 豊永利行 / 松岡茉優

小学生の石田のクラスに転校してきた耳の聞こえない少女、西宮
クラスメートとうまくなじめず、浮いている彼女に追い打ちをかけるように石田はきつくあたってしまう

原作は未読なので、予告を最初に見た時はその絵柄からぬるい友情でなんとなく包みこんで、恋だの愛だのいう話かと思ってました
しかし実際の内容は想像以上に重く、また身を切られるような痛さが心に訴えてくる力強さに満ちた作品で楽しめました
ふわふわした友情パワーで、どんなギスギスしたことになっても良好な関係になるような安易な感じはいっさいなく、個々が抱える痛みがよく伝わってきて見応えがあった
ちょっと重要人物にタイミングよくエンカウントしすぎなところは気になるものの、話をきちんと描ききるには必要なテンポだったと理解できる
欲を言えば石田ともっと深くかかわり合っていくキャラもいたし、それがあればラストの感慨深さももっと強烈になっていたかもしれない気がしないでもない
青春だのなんだの、上っ面の言葉や表現だけで作られた作品と思っていた自分を恥ずかしく思う

個人的評価:85点
オススメ度:見た目的にかわいらしいキャラがたちが多いながら、萌えだのなんだの媚びる臭さは意外に薄い



映画 聲の形 予告

2016年9月14日水曜日

超高速!参勤交代 リターンズ (2016/日)

監督:本木克英
出演:佐々木蔵之介 / 深田恭子 / 伊原剛志 / 寺脇康文 / 上地雄輔 / 知念侑李 / 柄本時生 / 六角精児 / 古田新太 / 近藤公園 / 渡辺裕之 / 中尾明 / 宍戸開 / 橋本じゅん / 富田靖子 / 大鶴義丹 / 舞羽美海 / 宍戸美和公 / 神戸浩 / 梨本謙次郎 / 斉藤歩 / 田中壮太郎 / 田口浩正 / 市川猿之助 / 石橋蓮司 / 陣内孝則 / 西村雅彦

江戸から湯長谷へ戻ることになった藩主の内藤ら一行
その道中、藩で一揆がおこったという報せをうけ帰途を急ぐが、そこにまたもや信祝の陰謀がせまる

前作のキャラやらノリやらをまんま流用し、無理矢理もう一本作った感がありありとしていて想像していた以上にダラダラしていた
分かりやすい展開に分かりやすい笑い、しょうじき「分かりやすい」を「安易」と置き換えてもいいくらいベタすぎて観ていて苦笑いが浮かびそうになる
話の流れも安直でなんのひねりもなく、さらに一番のウリである参勤交代要素もほぼ捨て、単なるキャラに頼りきったコメディ時代劇になってる感じ
続編というより、前作からしぼりだしたアナザーストーリー、もしくはどうでもいいエピローグなんで、よっぽどまたあの湯長谷藩と悪人の面々に会いたいという強い思いは必須かもしれない
内藤のお咲に対する告白シーンだけは、かろうじて印象に残るかもしれないけど、ぜったいすぐに内容が思い出せなくなるだろう作品でした

個人的評価:60点
オススメ度:予告におもしろ要素が凝縮されてるんで、それだけ見て満足してもいいかもしれん



超高速!参勤交代 リターンズ 予告

2016年9月12日月曜日

スーサイド・スクワッド (2016/米)

監督:デビッド・エアー
出演:ウィル・スミス / ジャレッド・レト / マーゴット・ロビー / ジョエル・キナマン / ビオラ・デイビス / ジェイ・コートニー / ジェイ・ヘルナンデス / アドウェール・アキノエ=アグバエ / アイク・バリンホルツ / スコット・イーストウッド / カーラ・デルビーニュ / アダム・ビーチ / 福原かれん / コモン / シェイリン・ピエール=ディクソン

スーパーマンが去った世で、メタヒューマンの脅威に対すべく悪には悪と極悪犯たちのチームが結成される
弱みを握り、枷をつけて徹底した管理のもとにチームはコントロールされるはずだったが…

悪党どもを寄せ集めてチームを作ろう、とかそうあまりに安易な計画だな、と思ってたらあっさり脅威の存在になったり、敵の敵は…みたいなカオスっぷりがおもしろかった
メンバーを集めた側もけっして良いもんじゃないという中で、隊を率いるフラッグさんの存在に救われる
チームを組んでいても各々の思惑があったり、常に不穏な空気が漂う中で個性を思う存分アピールするキャラたちが生き生きしてて楽しめた
話の導入が終わったらすぐにクライマックスバトルに突入とか、ちょっとバトってばかりで単調、そしてザコには強いが敵ボスに対してはちょっと力不足すぎるいるだけ要員なメンバーとか気になる部分もある
なにより友情とか信頼とか結束とか、なんか急に普通に団結して戦いに挑む様が気になるというか、ちょっと違和感
途中まで敵味方のバランスが不安定で、それが魅力になって楽しめてたけど、なんか最後はけっこう無難に置いてきてる感がした一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:独立した話かと思ったら、がっつりリンクしてる作品なのね



スーサイド・スクワッド 予告

キング・オブ・エジプト (2016/米)

監督:アレックス・プロヤス
出演:ブレントン・スウェイツ / ニコライ・コスター=ワルドウ / コートニー・イートン / エロディ・ユン / チャドウィック・ボーズマン / ジェラルド・バトラー / ジェフリー・ラッシュ / ルーファス・シーウェル

古代エジプト、新王ホルスの戴冠式へ向かった盗賊のベックとその恋人ザヤ
その式の場へ現れたセトは反乱を起こし、国を乗っ取ってしまうのだった

子供だましな軽いノリで、あくびから睡眠のコンボを避けられないのを覚悟して鑑賞したけど、期待値を限界まで下げてたせいかそう悪くはなかった印象
美麗で派手なだけで中身をスッカスカなのは否めないけど、いい感じのテンポで次々と場面展開するおかげで勢いで誤魔化せていて不思議と退屈はしない
獣化した神様のビジュアルとか、黄金の血のエフェクトはしょうじきかなり好みな設定ですね
おつかいアドベンチャーに都合のいい展開、そしてゲームのようなムービー&QTEの成功パターンをつなげたような所は気にはなるけど、最悪にイヤな気分になるというほどではない
黄金獣神たちのアクションアドベンチャーゲームの映画化として、ぼんやり力を抜いて観る分には不満感はそれほどないかもしれん

個人的評価:70点
オススメ度:字幕版で観たからマシに感じたのかな



キング・オブ・エジプト 予告

2016年9月11日日曜日

グランド・イリュージョン 見破られたトリック (2016/米)

監督:ジョン・M・チュウ
出演:ジェシー・アイゼンバーグ / マーク・ラファロ / ウッディ・ハレルソン / デイブ・フランコ / ダニエル・ラドクリフ / リジー・キャプラン / ジェイ・チョウ / サナ・レイサン / マイケル・ケイン / モーガン・フリーマン

アトラスたちホースメンがアイに誘われて1年、ただ待機する日々が続いていた
そんなじれる面々のもとにディランから、ある企業の悪事を暴くショーをやると計画が持ちかけられる

いい感じでしめた前作のラストをいったんほぐし、薄く長くシリーズを続けられるように作り替えたような印象の作品でした
映画と海外ドラマの中間のような存在として、だらだらと続編を続けられる土台はうまく作られたと思う
現代テクノロジーVSイリュージョンというような、ちょっとは前作とベクトルは違うだろうけど、それなりにきちんとしたものが描かれると思ってたので少し残念
内容じたいも後出しジャンケンの連続&安易にアクションの派手さで誤魔化してる感が透けて見える
かといってけっしてクソつまらないというほどではなく、ずる賢い悪党に対し騙し騙されしつつ、トリックに丸め込んでいく様は爽快
秘密結社アイ、ディラン&ホースメン、FBI、対するものを差し替え、内々でもめながらシリーズを続けていく、今後の展開の種まき的ポジションな一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:もうドラマとしてシーズンを重ねていってもいいんじゃないか


グランド・イリュージョン 見破られたトリック 予告

弱虫ペダル SPARE BIKE (2016/日)

監督:鍋島修
出演:森久保祥太郎 / 諏訪部順一 / 安元洋貴 / 伊藤健太郎 / 山下大輝 / 鳥海浩輔 / 福島潤 / 諏訪彩花 / 柿原徹也 / 前野智昭 / 吉野裕行 / 日野聡 / 阿部敦 / 代永翼

総北高校の巻島、箱根学園の東堂
ふたりの自転車競技部員の過去が語られる

人気キャラのスピンオフ作品、ということでその過去話としてのエピソードというよりキャラを愛でたい人のための内容でした
ふだん自転車乗りな私としては、アニメも原作マンガもチェックしてはいるけど、どんどんキャラものに偏ってきてるようでちょっと寂しい気がしないでもない
まあ、初期からレース中に自転車を止めたり、なんか語り合ったりしても流れに追いつくご都合展開がアレだったけど、さらにキャラものとして際だってくると自転車の影が薄くなって悲しい
この作品でもそこらへんは顕著で、あからさまにキャラを立たせるためだけのレース展開になってる感じ
ホントにキャラ+声優を愛でるだけ、という思いも完全に否定できないかもしれん
それでも個性的なキャラが自転車を疾走させる、その動く姿が観られるだけでもちょっとは気持ちが上がるからこのシリーズは見逃せない

個人的評価:60点
オススメ度:つくづく旧キャラの存在がでかすぎる



弱虫ペダル SPARE BIKE 予告

2016年9月7日水曜日

セルフレス 覚醒した記憶 (2015/米)

監督:ターセム・シン
出演:ライアン・レイノルズ / ベン・キングズレー / マシュー・グード / ナタリー・マルティネス / ミシェル・ドッカリー / ビクター・ガーバー / デレク・ルーク

余命わずかなニューヨークの建築王ダミアン
彼は培養された別の肉体へ乗り移るという話を持ちかけられ…

人の精神が他の肉体に移される、という装置と施術にうさんくささが隠しきれてないけど、その部分に目をつぶればけっこう丁寧に作り込まれた作品と思える
設定に既視感はあるし、先の展開はみえみえすぎるけど、それをふまえて無駄なタメがないのがいい
こういう話だから分かってると思うけど、という感じでいつまでもあからさまな謎をひきずらずに描いていてストレスがたまらない
転移後の主人公のことについても、わりと早い段階で謎は明かされ、そこからの展開こそが本編になっていて自然の流れにそって楽しめる
大きなツッコミどころが見え隠れはしているし、これといった突出した何かがあるわけではないけど、銃撃にカーアクション、ドラマにサスペンス、とバランスのよい作りで鑑賞してもガッカリすることはない一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:みえみえだけど幻覚演出を利用したシーンは印象深い


セルフレス 覚醒した記憶 予告

2016年9月4日日曜日

ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS (2016/日)

監督:熊切和嘉
出演:松田翔太 / 浜野謙太 / 須賀健太 / NOZOMU / OMSB / 木原勝利 / 宇野祥平 / 政岡泰志 / 康芳夫 / 安藤サクラ / 柳沢慎吾

不法滞在する外国人を守る組織、裏都庁の裏警察所長である久保塚
そんな彼はある誘拐事件をきっかけにふたりの男、周と林を追うことになる

本編前のTVドラマ版のあらすじまでがディアスポリスだった感がして、なんとも賛否が分かれそうな作りでした
本編はじまった後のタイトル表記、なんかノリがしっくりこない描写、どことなく違和感があったけど、本当に入りだけTV版で話が進むほどにどんどん独立したエピソードになっていく
主軸となる周と林の物語に「別にディアスポリスである必要はないよね」という思いが常にちらつきながら、破滅的な熱量のある若者たちの暴走に画面から目が離せなくなる
もうちょっと殺されたヤクザと親分の関係をダイレクトに描いてくれた方がテーマが明白になった気がしないでもない
久保塚と鈴木の関係もそうだけど、周と林、ヤクザの3つの相棒関係がおもしろいだけに、もっとあざとくはっきり描いてもいいんじゃないのかな、という感じ
TVドラマ版とは言葉通りにまったく違うテイストのこの作品、ディアスポリスの名をかりずに作ってもいいような、シリーズの延長上にあるからこそいいような、そんな内容は楽しめたけど、と「けど」を語尾につけたくなる一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:OMOTENASHI



ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS 予告