2016年10月31日月曜日

デスノート Light up the NEW world (2016/日)

監督:佐藤信介
出演:東出昌大 / 池松壮亮 / 菅田将暉 / 藤井美菜 / 川栄李奈 / 青山草太 / 竹井亮介 / 大迫一平 / 金田明夫 / 中村獅童 / 戸田恵梨香 / 船越英一郎 / 沢城みゆき / 松坂桃李 / 松山ケンイチ / 藤原竜也

名前を書くと命を奪うことができるデスノート、それが死神たちによって6冊人間界へ落とされる
新生キラ騒ぎの中、日本の対策本部の三島はLの後継者たる竜崎と捜査を開始する

10年前のブームの中でちょうしにのって作ったのならまだしも、やっぱり「なんで今?」という感じがぬぐえない
新シリーズの始まりか、というわくわくもないし、原作を離れて新たにつむぎはじめるにはパンチが弱すぎる
今までのルールをもとに頭脳戦が繰り広げられるでもなく、都合のいい部分だけをピックアップしてストーリーに乗せてる安易さが見え見え
肝心の話じたいも前作までの映画シリーズ、そしてさらにネット配信された各キャラのプロローグエピソードを観ておかないとついていけない
名前を書くと人が死ぬノートの話でしょ、みたいな軽い気持ちで観ると置いてけぼりをくらう、なんともこれ単体では不完全すぎるデキな作品と言いたくなる
ちょっと気合いの入れたスペシャルドラマ枠でやるくらいがちょうどいいかも

個人的評価:60点
オススメ度:キラも貞子化して劣化シリーズを続けていくのか?



デスノート Light up the NEW world 予告

湯を沸かすほどの熱い愛 (2016/日)

監督:中野量太
出演:宮沢りえ / 杉咲花 / オダギリジョー / 松坂桃李 / 伊東蒼 / 篠原ゆき子 / 駿河太郎

夫が失踪し娘とふたりで暮らす双葉
学校での娘の問題を抱える中、双葉は末期ガンと宣告されてしまう

お涙ちょうだいとわかっていながら、その温くないめちゃくちゃ熱い愛になんども鼻の奥がしびれ涙があふれ出す
母である双葉の力強さ、愛の熱さ、人間らしさはもちろん、娘の安澄の強かさにも大きく心が揺さぶられる
死を直前にして家族だけでなく、はじめて出会う人たちとの関わり、そのドラマはベタすぎるほどベタなんだけど人物の存在感と演技に胸ぐらをつかまれて画面から目が離せない
タイトル通り、温かいなんてもんじゃない正面からぶつかってくる熱いシーンの数々に、こっちもどんどんとヒートアップせざるえない
末期ガン患者の最期の命の輝きとか、なんかありふれたものと思っているとガツンとぶん殴られ、それでいてイヤな気持ちにはならない
中高年向けのいつもの安心して観られる作品と思われるにはもったいなさすぎる一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:あまりに熱すぎてラストは賛否分かれるかもしれんけど



湯を沸かすほどの熱い愛 予告

2016年10月30日日曜日

92歳のパリジェンヌ (2015/仏)

監督:パスカル・プザドゥー
出演:サンドリーヌ・ボネール / マルト・ビラロンガ / アントワーヌ・デュレリ / グレゴール・モンタナ / ジル・コーエン / ザビーネ・パコラ

92歳のマドレーヌは老いによってできることがなくなってきている自らの体について悩んでいた
そして誕生日のパーティで、家族たちを前に2ヶ月後にこの世を去ることを宣言する

もっとドタバタ系かと思ってたけど、最初っからずっしりと重いシリアスムードに包まれていた作品でした
かといって重苦しいだけでなく、負の感情に飲み込まれたわけではない死への想いは輝かしくもある
尊厳死とか悲壮感に包まれているだけでない、チャーミングなおばあちゃんの頑固っぷりが楽しい
尊厳死に対する考えも家族や周りの人々でことなる考えをもっているため、単純に良いとか悪いとか言えなく、テーマとして軽々しさはない
重すぎず軽すぎず、簡単に答えが得られないながらも温もりと笑顔のあふれるバランスのよい作りに引き込まれる
娘の考えも、その夫の感じるところも、息子の思いも、兄の頑なさも分かりやすく描かれていて、変に気負わなくても自然と頭に入ってくるので肩が凝らなくていい
考えるきっかけ、そんなものになる作品でした

個人的評価:80点
オススメ度:猫ちゃんまで頑固



92歳のパリジェンヌ 予告

ジェーン (2015/米)

監督:ギャビン・オコナー
出演:ナタリー・ポートマン / ユアン・マクレガー / ジョエル・エドガートン / ノア・エメリッヒ / ロドリゴ・サントロ / ボイド・ホルブルック

1870年代アメリカ、夫が撃たれて帰ってきたことから追っ手が迫っていると知ったジェーン
娘を信頼できる人物に預け、戦いを決意して以前の恋人に助っ人を頼むのだった

ラブが高まりパワーとなり、難局を乗り切ろうと奮迅する、分かりやすいほどシンプルゆえに原始的なおもしろさがあった
なんか知らんけど戦いに備える中でジェーンをとりまく人物たちや状況が過去を振り返る形で描かれ、別段に驚く話ではないもののどんどんジェーンの愛が力を持っていく様が力強くて見応えがある
しょうじきひとつの戦いを描くには話が長すぎる感がして、退屈さをおぼえるのも確か
派手な撃ち合いは少なく、途中途中でたまに響きわたる銃声が眠気払いになります
ただでさえ地味なキャストが地味に戦準備を進める課程を乗り切れば、盛り上がりが待っているので終わりよければ、という鑑賞後には前向きな感想をいだく
西部の強か母ちゃんの魅力でグッとしめられた一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:さいしょから家に火をつければ、という面白味のない思考は悪の美学的にアレなんですかね



ジェーン 予告

2016年10月26日水曜日

バースデーカード (2016/日)

監督:吉田康弘
出演:橋本愛鈴木 / 宮崎あおい / ユースケ・サンタマリア / 須賀健太 / 中村蒼 / 谷原章介 / 洞口依子 / 木村多江 / 安藤玉恵 / 黒田大輔 / 清水伸 / 田中圭 / 新津ちせ / 篠川桃音 / 中村ひなの

幼い紀子は優しい母親、そして父と弟にかこまれて暮らしていた
ある日、母が重い病気で入院してしまい…

なんかどっかで観たような話の作品だな、という思いも些細なもので、ひじょうに丁寧に描かれる内容に心地よく感情を揺り動かされる
ありがち、朝ドラみたいというマイナスイメージは頭にチラつくこともあるけれど、まるで人生を歌った唄のようにメロディカルに流れるストーリーに酔わざるえない
タイムカプセルの中身とか、20歳の手紙とかポイントポイントでグッとこみあげるものがある感情の盛り上げ方がうまい
そしてふいにコミカルな調子がしばらく続いたかと思うと、そこからラストへむけて一気に気持ちをもっていかれる
観ている側の感情のコントロールがよくできていて、ちょっとできすぎで計算高さがのぞき見えてしまう感じもするけど、そこら辺は見えないふりして作品に集中したい
作り方によってはこうふうに観ていて気持ちよくできるんだよ、というお手本のようでもあり、温かみに満ち満ちた内容にも満足できる一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:まさかの大スクリーンでアタック25



バースデーカード 予告

闇金ウシジマくん ザ・ファイナル (2016/日)

監督:山口雅俊
出演:山田孝之 / 綾野剛 / 永山絢斗/ 真飛聖 / 間宮祥太朗 / YOUNG DAIS /最上もが / 真野恵里菜 / 太賀 / 狩野見恭兵 / 湊莉久 / 天使もえ / マキタスポーツ / 玉城ティナ / 六角精児 / モロ師岡 / 安藤政信 / 八嶋智人 / 高橋メアリージュン / 崎本大海 / やべきょうすけ

闇金業者の丑嶋のもとへ昔なじみの竹本が金をかりにおとずれる
そんな竹本に少年時代に因縁のある鰐戸三兄弟が近づいてくるのだった

やっと主役の丑嶋の過去、そこから現在へ因縁を引きずる相手との対決となって、シリーズ完結ということもあってすっきりするかと思いきやそうでもなかった
丑嶋と竹本を中心にじっくりやるだけでなく、パーティの女とかざっくり弁護士、そして犀原の過去とか盛りだくさんというより詰め込みすぎな感じがしないでもない
特に犀原はさんざんドラマ、映画とそのキャラをアピールしてきたのに、このファイナルでの扱いはすっきりしなさすぎる
主人公エピソードのわりに丑嶋少年の大暴ればかりが目に付き、大人丑嶋の存在感はそれだけでも大きいけど、最後なんだからもっと暴れに暴れてほしかった
なんともファイナル前編みたいのを観たような印象が強く、このあとに本当のラストとしてきっちり過去からの流れを描ききるエピソードがあるんじゃないかと錯覚してしまう
丑嶋と竹本の対比、この作品のアンサーエピソードを欲したくる一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:バイバイという感じじゃない



闇金ウシジマくん ザ・ファイナル 予告

2016年10月23日日曜日

スター・トレック BEYOND (2016/米)

監督:ジャスティン・リン
出演:クリス・パイン / ザッカリー・クイント / ゾーイ・サルダナ / サイモン・ペッグ / カール・アーバン / アントン・イェルチン / ジョン・チョウ / イドリス・エルバ / ソフィア・ブテラ / ジョー・タスリム

キャプテンのカーク率いるUSSエンタープライズは深宇宙長旅の中で補給のために基地に寄る
そこへ救助をもとめる者が現れ、カークは未知の宙域へ船を向かわせることにするのだった

派手な戦闘、派手な銃撃、派手な爆発、何も考えずに身を委ねられるハリウッド映画が好きな人ならたまならない
主人公たちが抱える問題に呼応するような敵が現れ、都合のいい戦いと展開の中で都合よく問題が解決される
そんな都合良さに大きく目をつぶれば、娯楽映画として存分に堪能できた
カーク、スポック、ボーンズの基本3人の掛け合いはもちろん、他のクルーたちの魅力がいかんなく現れていて本当にラフな気分で楽しめる
シリーズも長くなってきたものの、この作品単体で観ても違和感はあまり感じない、いいタイミングでしきり直しができたと思う
変な気負いなく生き生きと楽しんで作ってるな、という感じが伝わってきて、観ていてもうるさいこと言わずにノリに身を任せていようと思える
古くからのファンがどう思うかは分からないが、個人的にはこういう良い意味での雑っぽさには好意をもてますね

個人的評価:85点
オススメ度:乗り物アクションばかりかと思ってたらそうでもない



スター・トレック BEYOND 予告

金メダル男 (2016/日)

監督:内村光良
出演:内村光良 / 知念侑李 / 木村多江 / ムロツヨシ / 土屋太鳳 / 平泉成 / 宮崎美子 / 笑福亭鶴瓶 / 大西利空 / 大泉洋 / 上白石萌歌 / 大友花恋 / ささの友間 / 音尾琢真 / 清野菜名 / 竹中直人 / 田中直樹 / 長澤まさみ / 加藤諒 / 柄本時生 / 山崎紘菜 / 森川葵 / ユースケ・サンタマリア / マキタスポーツ / 手塚とおる / 高嶋政宏 / 温水洋一 / 荻野可鈴 / 志田友美 / 京佳 / 山田朱莉 / 小林れい

子供の頃から一等賞をとることに努力を惜しまない秋田泉一
神童と呼ばれながらも中学入学を境に多くの挫折も味わうことになる

みょうに監督としてのセンスを前面に出しすぎず、出さなすぎずテンポよく話が進む良くも悪くも普通な印象
鑑賞中は青年編でやめた方がいいんじゃないか、という危惧があったものの実際はおっさん編までけっこう楽しめた
なんだかんだで主人公の歩んでいる道は輝かしいのに、けっきょくは平凡なところに流れ着く、それでいて昔はこうだったああだったというウザさがないのがいい
自ら輝くための研鑽、そして周りから光を与えられるきらめき、それらがけっこうあっさり味で描かれている感じ
言葉だけの上っ面テーマっぽさはないんだけど、心にうったえてくるほどじゃない普通さで悪い意味ではない平凡な一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:ちりばめられた小ネタが安っぽく思えるのは否めない



金メダル男 予告

2016年10月19日水曜日

何者 (2016/日)

監督:三浦大輔
出演:佐藤健 / 有村架純 / 二階堂ふみ / 菅田将暉 / 岡田将生 / 山田孝之

お拓人はバンドを引退した友人である光太郎といっしょに就職活動をすることに
そこに同じく就活中の学生時代の知り合いである瑞月、そしてその友達の理香も加わりともに集まるようになる

恋も友情も就活も色々あるけど、観ていていっさい元気や勇気、ポジティブな感情をもらえない
主人公の拓人の気持ちが見えないイライラがずっと続き、見えたら見えたでイライラするばかりで、観ていてたまりにたまったガスを抜かせてもらえず気持ち悪さが残る
理屈や正論で支配される中、そりゃそうなんだろうけど感じはするけど内容に気持ちがのっからない
登場人物が少なからずみんなイラっとさせる要素を持っていて、院生の先輩の存在だけが救い
ツイッターや演劇を用いた演出も内容のどろどろ感に引きずられて、じゃっかん負の印象に飲み込まれてしまってる感じ
ものすごく心に余裕がある時に観ないと、このめんどくささはなかなか受け入れきれないかもしれない

個人的評価:50点
オススメ度:気持ちの晴れる青春群像劇じゃない、と分かって観てれば感想は違ったかも



何者 予告

GANTZ:O (2016/日)

監督:さとうけいいち
出演:小野大輔 / M・A・O / 郭智博 / 早見沙織 / 池田秀一 / ケンドーコバヤシ / レイザーラモンHG / レイザーラモンRG / 津嘉山正種 / 小野坂昌也 / 津田健次郎 / 小川輝晃 / 吉田尚記 / 梶裕貴

死んだ後に生き返らせられ、謎の敵と戦いを強いられることになった加藤たち
大阪に送られ敵と戦うことになる中、現地の同じ境遇のチームと合流するのだった

GANTZとCG、合わないわけがないと思いながらも今さら感がぬぐえなかったけど、思った以上にマッチしてて見応えがあった
事情の分からない主人公を立ててはいるものの、設定等は原作をちょっとは知っていることを前提にしている作りで劇中での説明は少な目
それだけにテンポよく内容に集中して作られていて、ダラダラと初期設定を丁寧に聞かされなくてはならないのか、ということもないのはちょっとは知っている身としてはうれしかった
ずっとバトル続きでじゃっかん飽きがくるのは否めないけど、様々な武器やキャラ、そして多様な敵との戦いは派手で迫力はある
チャラさもウザすぎないていどだし、けっこう見やすい作品で個人的にはじゅうぶん楽しめた
アニメ、実写とさんざんやりつくされた上に、悪いイメージが残ってないといえば嘘になる今、もうちょっと早い段階で作っておけばもっと盛り上がったんじゃないかと思わざるえない

個人的評価:75点
オススメ度:あえて原作最初から作り直さなかったのはいいかも



GANTZ:O 予告

2016年10月16日日曜日

ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ (2016/英・米)

監督:マイケル・グランデージ
出演:コリン・ファース / ジュード・ロウ / ニコール・キッドマン / ガイ・ピアース / ローラ・リニー / ドミニク・ウェスト

敏腕編集者のマックスのもとへ突如訪れる作家のトマス
どこへいっても突き返されたトマスの作品だったが、マックスは売り出すことに決めてふたりで編集作業へうつるのだった

友情というほどドラマティックでもなく、わりと淡々と話は進むもののギリギリで退屈におちなかった
それでも常にこっからどう盛り上げていくんだろうと心の片隅に引っかかるものがあり、結局は特になにかあるわけでもなく静かに幕を引きましたね
どうしても自由すぎるトムに目がいってしまうけど、個人的には作家と密接につき合いながらも仕事ではブレないマックスの姿にひかれた
あとは劇中でのトムと奥さんの登場人物うんぬん言うシーンが印象に残る
あえて淡々と話を進めて映画としての登場人物を描くことで、物語の中の人の心を考えて観ているか、と問われてる気がしないでもない
とにもかくにもトムのアクの強さも含めて、周りの人たちの存在が地味になりがちなマックスを引き立て、その魅力で成り立っていたと感じた作品でした

個人的評価:70点
オススメ度:時折、クールな仮面を外すマックスさんのギャップ萌えってやつですか



ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ 予告

永い言い訳 (2016/日)

監督:西川美和
出演:本木雅弘 / 竹原ピストル / 藤田健心 / 白鳥玉季 / 堀内敬子 / 池松壮亮 / 黒木華 / 山田真歩 / 深津絵里 / 松岡依都美 / 岩井秀人 / 康すおん / 戸次重幸 / 淵上泰史 / ジジ・ぶぅ / 小林勝也 / 木村多江 / マキタスポーツ / サンキュータツオ / プチ鹿島

作家である幸夫は妻との関係が冷えつつあった
そんな中で、妻が旅行先でバス事故にあって亡くなったと連絡が入る

なんかめんどくさい心の機微を読みとる努力をしなくても、そんな作品を観たように感じさせてくれる分かりやすい内容でした
あからさまに逃避してる主人公の葛藤というほど低温でなく、逆にけっこう作品の温度が高くて心地よいぬるさで肩がこらない
スクリーンに描かれる状況の間、その行間を読むことをしなくても分かりやすく台詞や描写で説明してくれるので、「こう感じてほしい」という部分がスルっと伝わってくる
他者のスペースに介入することで主人公があれこれする疑似家族ものとして観てもじゅうぶん楽しめた
ほどよく温かくて、ほどよくチクチクする、ガツンとくるものがないのが物足りない気がしないでもないけど、出演者たちの演技でうまくカバーしてるなと感じた一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:なにはともあれ竹原ピストルの曲が聴きたくなる



永い言い訳 予告

2016年10月9日日曜日

ジェイソン・ボーン (2016/米)

監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン / トミー・リー・ジョーンズ / アリシア・ビカンダー / バンサン・カッセル / ジュリア・スタイルズ / リズ・アーメッド / アトー・エッサンドー / スコット・シェパード / ビル・キャンプ / ビツェンツ・キーファー / スティーブン・クンケン

CIAのコンピュータがハッキングされ、機密データが盗み出される
ハッカーの正体はすぐに特定され、ジェイソン・ボーンと関係のある人物だと分かるのだった

途中からそういうもんだと割り切って観てたけど、新シリーズ開始ということでの序章、次へつながるための助走みたいな内容でした
大きくなったボーンシリーズを大切にしすぎて、変に「何か違う」という違和感は少ない物の、逆に突き抜けた何かがなくて物足りない
個人的な思い入れとして、初期3作はどれも観ていて先の展開に対するドキドキ感や心地よい高揚感があったけど、どうにも今作はずっとフラットな気持ちのままでした
銃撃、格闘、カーアクション、陰謀、謎、すべてそろっている上に、画面内では世界を飛び回って話が進む、かなり贅沢な作りのはずなのにテンションが上がりきらない
つまらない、退屈というほどじゃないんだけど、ボーンの復帰に期待が大きすぎたのかもしれない
本編よりもこの続きがひじょうに観たい衝動にかられざるえない一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:スワットの車が無敵すぎるだろ



ジェイソン・ボーン 予告

グッドモーニングショー (2016/日)

監督:君塚良一
出演:中井貴一 / 長澤まさみ / 志田未来 / 池内博之 / 林遣都 / 梶原善 / 木南晴夏 / 大東駿介 / 濱田岳 / 吉田羊 / 松重豊 / 時任三郎 / 遠山俊也 / 小木茂光

朝のワイドショー番組のキャスターをつとめる澄田は仕事にプライベートにトラブル続き
そんな中でおこったカフェのたてこもり事件、その犯人の要求は澄田だった

観る前から分かりやすい内容の分かりやすい笑いを提供するんだろうと、ちょっとあなどってたらけっこう見入ってしまった
テレビ番組を題材にしながら安易にテレビ局万歳な内容でもなく、嘘と虚飾にまみれた話がおもしろい
予想できるような笑いはもちろんあるけど、予告から想像するようなバカ騒ぎ感はうすい
最初こそいい話にしようとはぐらかそうとしている感がして嫌な雰囲気だったけど、低俗さを描き続けることで個人的に評価と期待が高まっていった
けっしていい話ではないんだけど、こういう胡散臭さをきちんと描いてくれたのは意外だった
ワイドショーの裏側も実際はどうかしらないけど、けっこうリアルに感じられるし、期待しないで観れば「けっこういいじゃん」と思える一本かもしれません

個人的評価:70点
オススメ度:ありえねー、とラフにツッコミを入れるくらいの気持ちがちょうどいい



グッドモーニングショー 予告

2016年10月5日水曜日

高慢と偏見とゾンビ (2016/米)

監督:バー・スティアーズ
出演:リリー・ジェームズ / サム・ライリー / ジャック・ヒューストン / ベラ・ヒースコート / ダグラス・ブース / マット・スミス / チャールズ・ダンス / レナ・ヘディ / スキ・ウォーターハウス

ゾンビとの戦いが激しい18世紀のイギリス
リズはパーティの中で気になる男性ダーシーと出会うが、彼の高慢な態度に怒りをおぼえるのだった

落ち着いた高貴な雰囲気の中にあるジャンク成分が輝き、その世界観とドラマに自然と引き込まれた
18世紀のイギリス、ふたりの男女のすれ違いと身分違いの恋、そこにゾンビ成分だけでなく中国武術や日本刀を足すとかネタくさいことこの上ないけど、しっかりと作品内容にとけあってマイナスイメージを抱くことなく鑑賞できる
個人的に原作は知らないけど、特に問題なく観ていられた
ベースは貴族社会のごたごたと恋愛要素でクラシカルな雰囲気が漂いながら、いきなりジャレあうように、時には真剣に戦いあって思いを通じさせるシーンが挿入されるからたまらない
さらにシリアスな空気の中にレディ・キャサリンやコリンズ神父というキャラが混ざった奇妙さがとてもおもしろい
けっこうガチなゾンビものなのに、嫌みな俗っぽさがなく一本の映画作品として変な偏見なく楽しめた

個人的評価:90点
オススメ度:静かなツッコミどころが多くてB級心もくすぐられる


高慢と偏見とゾンビ 予告

SCOOP! (2016/日)

監督:大根仁
出演:福山雅治 / 二階堂ふみ / 吉田羊 / 滝藤賢一 / リリー・フランキー / 斎藤工 / 塚本晋也 / 中村育二 / 山地まり / 澤口奨弥 / 石川恋 / 阿部亮平 / 護あさな / 鈴之助 / 宮嶋茂樹 / 久保田悠来 / 寿るい

芸能スキャンダルばかりを追う中年パパラッチの静
ある日、対象の撮影をしている現場に場違いな女の野火が現れ、新人の彼女と仕事を組まされることになる

どことなく古くさい男目線の男映画のため、気持ちよく鑑賞できる人とそうでない人に分かれそう
特に序盤では話の流れもなんか昔に観たような感覚をおぼえ、展開にあまりおもしろみはない
ただ主人公の静のクズっぷり、チャラの狂いっぷり、馬場の男っぷり演技は見応えがある
というかそんな演技が強い求心力となって、スクリーンから目が離せない、内容より出演者の存在感が勝ちすぎてる感はある
個人的にはとことんまでクズに徹した主人公が観たかったために、あるきたりな「主人公がなんか変わった」みたいな展開にはちょっとガッカリ
クライマックスからラストも賛否が分かれるだろうけど、無難にひよったオチでまとめられるよりは私的に印象に残っていいと思う
じゃっかん最後のまとめのキレが悪い気がするのは否めないですが

個人的評価:75点
オススメ度:福山さんのクズ演技、けっこうハマってるけど、すべてリリーさんにもってかれてるね



SCOOP! 予告