2017年2月26日日曜日

トリプルX 再起動 (2017/米)

監督:D・J・カルーソ
出演:ビン・ディーゼル / ドニー・イェン / ディーピカー・パードゥコーン / クリス・ウー / ルビー・ローズ / トニー・ジャー / ニーナ・ドブレフ / ロリー・マッキャン / トニ・コレット / サミュエル・L・ジャクソン / ハーマイオニー・コーフィールド / トニー・ゴンザレス / マイケル・ビスピン / ニッキー・ジャム / アリアドナ・グティエレス / ネイマール

CIAから謎の集団によって人工衛星を制御できるパンドラの箱が強奪される
その事態にかつてのギボンズがスカウトしたザンダーに声がかかるのだった

ノリノリのBGMにド派手&ド迫力のXとリー無アクション、銃撃戦、そしてカンフーファイと、潔いというかなんなのか本当にそれだけな内容でした
とりあえずパンドラの箱をその時その時で手にしてる奴をぶっ倒せ、というだけの薄いにもほどがあるストーリーで、スパイ要素なんて匂いすら消えてる大暴れアクションでした
序盤のギボンズとジュニアのキャラ紹介からのシーンでちょっと先が期待できると思ったのに、なんか本編がはじまってみれば一本調子のアクションからアクションの連続
特に抑揚なく見せ場が垂れ流されるだけなため、しょうじきクライマックスがすぎてラストをむかえても「あ?終わり?」と映像の派手さのわりに物足りなさを感じた
遊び心満載のキャラ登場シーン、やっぱりザンダー・ケイジの魅力は素敵なんだけど、再起動するならもっと中身を煮詰めてほしかった

個人的評価:65点
オススメ度:アベンジャーズへの誘いかと思ったらトリプルXだったガッカリ感



トリプルX 再起動 予告

彼らが本気で編むときは、 (2017/日)

監督:荻上直子
出演:生田斗真 / 桐谷健太 / 柿原りんか / ミムラ / 小池栄子 / 門脇麦 / りりィ / 田中美佐子 / 柏原収史 / 高橋楓翔 / 品川徹 / 江口のりこ / 込江海翔

突然に母親が家を出ていってしまい、幼い娘のトモは叔父に会いに行く
叔父の家でしばらく暮らすことになったトモだが、そこには元男性のリンコがいたのだった

美しすぎず、良い話すぎず、ちょっとした隙を作ることでそれが魅力になって輝いていた
性への偏見や家族の愛情、基本はシンプルに過不足ないイベントが展開しつつも、そこにある隙による不完全さが時にコミカルに、時にしんみりと感情を優しくなでてくる
想像以上にみんなが良い演技をしていてドラマとして楽しめるし、特にトモの地が出てくるほどに幸福感があふれてきておもしろい
いろいろしんみりしつつ、けっきょくちんこかよ、みたいな力みをすっと逃がしてくれる作りは秀逸ですね
この人はこういう奴なんだから、というかってな決めつけや偏見をやんわり諫めてくれるし、観ていて本当に優しさにあふれている作品だと感じ取れました

個人的評価:80点
オススメ度:108と聞いて消費税込みと思い至る世代



彼らが本気で編むときは、 予告

素晴らしきかな、人生 (2016/米)

監督:デビッド・フランケル
出演:ウィル・スミス / エドワード・ノートン / ケイト・ウィンスレット / マイケル・ペーニャ / ヘレン・ミレン / ナオミ・ハリス / キーラ・ナイトレイ / ジェイコブ・ラティモア

幼い娘を亡くして生き甲斐を見失ってしまったハワード
そんな彼が経営する会社の存続問題のこともあり、親友のホイットはある役者たちにひと芝居打ってもらうことにするのだった

自失系主人公の再生物語、という話であることは容易に想像できたが、そう安直でもない内容にひじょうに楽しめた
テーマである「愛」「死」「時間」という部分もうまく機能し、主人公だけでなく周りの人たちそれぞれのストーリーも展開するために見応えがある
そしてメインである主人公の話の流れもありきたりすぎず、そのたどりつくラストも素敵すぎて心に響く
ただ全体的に説教臭いまではいかないけど、良い話のたたみかけで会話も耳に優しいものばかりなので、ちょっと、ほんのちょっとだえ単調さを感じた
ファンタジーっぽい感じかと思ってたのに、そういう芝居でなんとかしようってのか、という序盤から観る側の想像もうまくコントロールしてくれて小さな幸せに微笑みがこぼれる作品でした

個人的評価:80点
オススメ度:ドミノ動画アップしてちょっと稼げるレベルの腕前



素晴らしきかな、人生 予告

2017年2月22日水曜日

愚行録 (2017/日)

監督:石川慶
出演:妻夫木聡 / 満島ひかり / 小出恵介 / 臼田あさ美 / 市川由衣 / 松本若菜 / 中村倫也 / 眞島秀和 / 濱田マリ / 平田満 / 松本まりか

週刊誌の記者の田中は育児放棄で捕まった妹に面会する
そして一年前におこった未解決の一家殺人の記事を書くために取材をはじめるのだった

観終わってみれば男女の愛憎どろどろっぷりをいかにも日本映画らしく描いた内容なんだけど、ありきたり感よりスクリーンに引き込まれる力の強さに圧倒される
ありがちな軽さはいっさいなく、気持ちの悪い冒頭からいっきに作品に飲み込まれて息をするタイミングすらなすがままに身をゆだねている自分に気づく
それでいて「この話はどこへつながっていくのか」という思考も常に働かされて、本当に思うがままに翻弄されるのが楽しい
ダイレクトな不快さやショッキングさはないけれど、それと同等なくらいに想像力をかき立てられる匂わせる演出が巧み
人の淀みや汚れ、先に闇しか広がってないネガティブな雰囲気にも関わらず、たまらない魅力にスクリーンから最後の一瞬まで目が離せなかった一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:観る側の想像力をうまく利用してるなと言わざるえない



愚行録 予告

2017年2月19日日曜日

ナイスガイズ! (2016/米)

監督:シェーン・ブラック
出演:ラッセル・クロウ / ライアン・ゴズリング / アンガーリー・ライス / マット・ボーマー / マーガレット・クアリー / キース・デビッド / ヤヤ・ダコスタ / ボー・ナップ / キム・ベイシンガー

依頼によってアメリアという少女を探る探偵のマーチ
そんな彼に襲いかかる男ヒーリーだったが、やがてふたりはいっしょにアメリアを探すことになる

泥臭く埃臭いレトロなエロス&バイオレンス、コミカルさがひじょうに楽しめた
そんな雰囲気だけな作品でなく、主演のふたりの演技がかなりハマっていてヒーリー&マーチのナイスガイズのキャラの魅力があふれまくっていた
特にマーチのクドイくらいのダメっぷり、災難っぷりをすべて受け入れつつ表現している姿は男ながらに惚れざるえない
ストーリーも複雑すぎず、意外とあっさりと死人が増えていく王道展開をちょい外す感じで娯楽作品として楽に鑑賞できた
予告から予想していたコミカルさだけが際だつ内容ではないのもよかった
次回作があるならヒーリーの内にある容赦ない凶暴性が、相棒のマーチと組むことでどう変容していくのか気になるところですね

個人的評価:85点
オススメ度:ライアンさんの演技の幅に感嘆せざるえない



ナイスガイズ! 予告

劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール (2017/日)

監督:伊藤智彦
出演:松岡禎丞 / 戸松遥 / 伊藤かな恵 / 竹達彩奈 / 日高里菜 / 高垣彩陽 / 沢城みゆき / 平田広明 / 安元洋貴 / 山寺宏一 / 神田沙也加 / 井上芳雄 / 鹿賀丈史

最新のAR技術を盛り込んだデバイスであるオーグマー、それを用いたゲーム「オーディナル・スケール」が爆発的な人気をはくしていた
そんなゲームの中にかつての「ソードアート・オンライン」でのボスが出現するという噂がたち、キリトはアスナたちと戦うことになるのだった

間に合わせで1期のTVアニメ版をさらっとチェックしての感想としては、真エンド&オールスターバトルを目指した定番の内容といった感じでした
けっこう最初のSAOでの冒険とのリンクが強く、そういう意味ではちょっとかじったようなにわかな私でも問題なく鑑賞できた
ARを応用したバトルの迫力、そこから謎を散りばめていくまでの流れはよかったけど、ストーリーの筋を追いかけはじめるといっきに話のテンションが落ちていく
観てればなんとなく察せるネタゆえにキャラ愛とかあれば乗り切れるかもしれないけど、個人的には中盤の長いダルさにいくどとなく睡魔に襲われた
クライマックスのバトルで再度、盛り返しもするけれど「こういうバトルが盛り上がるんだろ?」「こういうキャラの見せ方がいいんだろ?」というようなあざとさあふれまくりな感は否めない
ARネタとかどうよ、という安易なノリでありものの盛り上げ要素で肉付けしてインスタントに完成させた気がしないでもない一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:さすがに主人公が一夜漬けでいっきに強くなるのは違和感しかない



劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール 予告

2017年2月15日水曜日

サバイバルファミリー (2017/日)

監督:矢口史靖
出演:小日向文世 / 深津絵里 / 泉澤祐希 / 葵わかな / 菅原大吉 / 徳井優 / 桂雀々 / 森下能幸 / 田中要次 / 有福正志 / 左時枝 / ミッキー・カーチス / 時任三郎 / 藤原紀香 / 大野拓朗 / 志尊淳 / 渡辺えり / 宅麻伸 / 柄本明 / 大地康雄

ある朝、起きると家中の電気が使えない状況になっていた鈴木家
とりあえず仕事や学校へ向かう面々であったが、停電は思いの外に広範囲かつ長期間におよぶのだった

現代の家族事情の毒素を分かりやすく具現化した家族、非現実的で不自由な生活を強いられる中で絆をいったんぶっこわして築き直す、というまあ予告をみれば分かる内容まんまな作品でした
記号的な家族に人の闇やシリアスに堕ちすぎないファンタジーさ、都合の良い展開に都合の良い出会いと都合の良いイベントをこなしていく様をダラっと観ていられるライトな感じ
軽くなりすぎないように所々でふいに深刻な状況になるが、映画としてのアクセントとして機能しているにすぎず「どうせなんとかなる」という思いから緊張感は薄め
出会いと別れ、家族の衝突と結束をコミカルなテイストで前向き&幸運多めで描いているので観ていてまったく疲れない
そして、なによりどういう風にラストが着地するのか、って部分が肝心だと思うけど、個人的には満足できた
なんでなんでとツッコミを入れたくもなるけど、そう力まずにラフに鑑賞するのに的した幅広く受け入れられやすい一本だと思いました

個人的評価:75点
オススメ度:こういうファンタジー作品だと割り切れば楽しめる



サバイバルファミリー 予告

2017年2月12日日曜日

たかが世界の終わり (2016/加・仏)

監督:グザビエ・ドラン
出演:ギャスパー・ウリエル / レア・セドゥー / マリオン・コティヤール / バンサン・カッセル / ナタリー・バイ

自分の死を知らせるために12年ぶりに故郷に戻ってきたルイ
家族たちから空白の時間の間の話を聞かされる中、ルイはなかなか言い出せずにいた

家族としてありながらもたまらなく個として分断している様、それでいてしっかりと結びつく愛も感じる相反する要素が秀逸に描かれていた
主人公、兄とその妻、妹、母、それぞれの思いと感情がじょじょに露わになりつつ、ルイの告白しようとしている話について各々が感づいているか否か読みとりながら観るのがおもしろい
強さの裏には弱さがあり、憎しみの裏には優しさが、理解の裏には浅はかさが、とそれぞれにままならない葛藤が煮えたぎっていく様に強くひかれる
家族だからこうだ、という単純なフィルターを通した目で見て簡単な言葉で片づけることができず、そんなごちゃごちゃでぐつぐつでぐらぐらな感覚が個人的にはひじょうに楽しめた
明確なようでそうでもない描写、そんなかゆさが人によっては受け入れづらいかもしれない

個人的評価:85点
オススメ度:曲じたいは知ってたけどピカソの恋の歌だったんか



たかが世界の終わり 予告

2017年2月10日金曜日

マリアンヌ (2016/米)

監督:ロバート・ゼメキス
出演:ブラッド・ピット / マリオン・コティヤール / ジャレッド・ハリス / サイモン・マクバーニー / リジー・キャプラン / マシュー・グード

1942年、モロッコである任をおびた男マックスは現地で相棒となる女性マリアンヌと合流する
夫婦として行動するふたりはドイツ大使のパーティへ出席できるように画策するのだった

ロマンスとかヒューマンドラマとかそっち系を期待していたら、愛か陰謀かって感じのスパイサスペンスだった
そもそも映画の雰囲気というか色合いがはなっから娯楽よりな感じで、よくあるドラマ風な落ち着いた風ではないことから違和感があった
アクションシーンや戦争描写、車や飛行機、戦車などの撮り方はいちいち無駄にかっこよくて見栄えがする一方、なんか人間ドラマの部分が浅い
それでもたぶん愛について深く描きたかったのかもしれないけど、しょうじきそっち方面は物足りない
それでも主人公をとりまく環境に画策めいた煙たさが常につきまとい、真相にいたるまでは緊張感があるサスペンスになっている
どうせならとことんスパイなサスペンスでアクションの娯楽映画として、オチももう一段作り込んでくれた方が楽しめたかも
ラスト、マックスとマリアンヌの関係も言わんとしたいことは分かるけど、ロマンス要素の盛り上がりがそうでもないのでそこまでグッとこなくて残念でした

個人的評価:70点
オススメ度:せっかく見栄えはいいんだから、もっと人の内面を深く描いてほしかった



マリアンヌ 予告

未来を花束にして (2015/英)

監督:サラ・ガブロン
出演:キャリー・マリガン / ヘレナ・ボナム・カーター / ブレンダン・グリーソン / アンヌ=マリー・ダフ / ベン・ウィショー / メリル・ストリープ / ナタリー・プレス

1912年ロンドン、女性の立場は男性より著しく低く、モードも例外でないままに洗濯工場で働いていた
そんな中、女性参政権運動に誘われ、さいしょは過激な行動に戸惑う彼女だったが…

女性の参政権のため、というテーマゆえに飲み込むこともできたけど、なんともいえない気持ち悪い後味を感じずにいられない
それが私が男だからなのか、現代に生きる人間だからなのか自分の中で答えは出せないままだけど、どうしても「テロリスト」という単語が常に頭の中でちらついてしまう
誰もが自分と自分たちの立場を正しいと信じるかたくなさ、その対立という中での女性の、主人公の強くなっていく様は見応えはある
こりかたまったものをぶん殴って、ぶち壊して、多くを失いながらも突き進む闘争の姿には強くひかれる
一方で未来のため、子供たちのため、という温かみのある部分が薄れ、闘いの熱量ばかりがふくれ上がってそれにのぼせているような危険性も感じる
そこまでしないと、そうまでしても小さな楔をひとつ穿つことしかできない時代のせいにしてもいいけど、それはちょっと違うような気がしないでもない
正しいと思っている者どうしの人と人の激しいぶつかり合い、いつしか女性参政権という部分から目が離れていく
自分のこの思うところこそこの作品の狙いかどうかは分からないけど、そういう意味では深く考えさせられる作品でした

個人的評価:75点
オススメ度:工場長だけはマジでクソ野郎



未来を花束にして 予告

2017年2月8日水曜日

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち (2016/米)

監督:ティム・バートン
出演:エバ・グリーン / エイサ・バターフィールド / サミュエル・L・ジャクソン / ルパート・エベレット / アリソン・ジャネイ / クリス・オダウド / テレンス・スタンプ / エラ・パーネル / フィンレイ・マクミラン / ローレン・マクロスティ / ヘイデン・キーラー=ストーン / ジョージア・ペンバートン / マイロ・パーカー / ラフィエラ・チャップマン / ピクシー・デイビス / ジョゼフ・オッドウェル / トーマス・オッドウェル / キャメロン・キング / ルイス・デイビソン / ジュディ・デンチ / キム・ディケンズ

祖父の遺品から奇妙な子供たちがいる施設の場所を知るジェイク
幼少から聞かされてきた非日常的な話が祖父の妄想か否かはっきりさせるため、彼はそこへ向かうのだった

奇妙さがウリな雰囲気映画と思いきや、それはひとつの要素にすぎず、アドベンチャー、ホラー、ミステリー、ファンタジー、ロマンス様々な要素がつまった作品を満喫できました
古き良き時代の過保護すぎない空想少年冒険物語といった印象で、どこか懐かしく思えるところもある
印象的で魅力的な異能者たち、不気味でおそろしいクリーチャーたち、主人公のまっすぐな少年らしさと成長するたくましさ、ビジュアルだけでも楽しめるけど、こじんまりとまとまらずに広がる話に引き込まれる
ただ時間を操るループ設定は人によっては分かりづらいところがあるかもしれない
懇切丁寧に「これこれこういう理由で」という説明はないので、それなりに頭を動かしていないと「なんでそんな流れになってるの」ってなってしまうかも
基本はダークな中にも狙ったようにコミカルさがちりばめられ、笑ってられない場面で笑っちゃうのがなんともいえない
超個人的な例えでアレだけど、不親切さが刺激的で楽しいレトロゲームに出会って遊んだ感覚に似ているものをおぼえました

個人的評価:85点
オススメ度:バロンがデスノの白黒反転リュークに見えてしかたない



ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち 予告

2017年2月5日日曜日

虐殺器官 (2017/日)

監督:村瀬修功
出演:中村悠一 / 三上哲 / 梶裕貴 / 石川界人 / 大塚明夫 / 小林沙苗 / 櫻井孝宏

アメリカの特殊部隊員であるクラヴィスは戦場である男を探していた
その男ジョン・ポールは世界各地でおこる虐殺行為の元凶であると思われるのだった

とりあえず原作うんぬんは置いておいて、シリーズの中ではいちばん映画単体で機能してると思いました
削りすぎという野次を受けるのを覚悟した上で、極力シンプルにシェイプして作り上げられてできた作品は、まっさらな気持ちで観ればとても楽しめるものになっているかと
ビジュアルだけの上っ面なスタイリッシュSFとは異なり、あれこれ手を出さずに大事なキーとなるひとつを貫き描いていることで見応えに反映している
ただ各種の設定について説明不足は否めず、そういうSF的な何かがあると飲み込むにはちょっと難しい描写もけっこうあり、個人的にはそれらが削られた部分より引っかかった
あと会話ばかりで眠くなる部分もあるけど、意識を飛ばすと置いていかれてしまうかもしれない

個人的評価:75点
オススメ度:原作を読んでないと難しく、読んでいるとむずがゆい



虐殺器官 予告

LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門 (2017/日)

監督:小池健
出演:栗田貫一 / 小林清志 / 浪川大輔 / 沢城みゆき / 山寺宏一

石川五エ門は用心棒として雇い主を守りきれないまま、その襲撃者を逃してしまう
仇を討つためにルパンを狙うその襲撃者を追うのだった

ちゃんと人が死に、傷を負う描写があるハードボイルドなルパン三世、五エ門が主役とか微妙な前印象はあったけど杞憂でした
ルパンたちを含めてサブキャラにいたるまで飄々とした部分もありながら、芯の部分に恐ろしいものを抱いている怖さがおもしろい
特に主人公である五エ門の鬼気迫る表情は強く頭に残る
敵となるヤクザたちはもちろん、宿敵となるホークの存在が協力に魅力的で相乗効果となって五エ門を引き立てていて死に要素が少なく感じた
殺陣やアクションも躍動感もあるし、ダメージ描写も軽く引くくらいしっかりしていて見応えがあった
先の展開をにおわす要素もあり、妥協なき石川五エ門の再びの始まりの物語として大満足な内容でした

個人的評価:80点
オススメ度:最近ではすっかりコミカルなイメージがついた五エ門さんの株がいっきに跳ね上がる



LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門 予告

2017年2月1日水曜日

マグニフィセント・セブン (2016/米)

監督:アントワン・フークア
出演:デンゼル・ワシントン / クリス・プラット / イーサン・ホーク / ビンセント・ドノフリオ / イ・ビョンホン / マヌエル・ガルシア=ルルフォ / マーティン・センズメアー / ピーター・サースガード / ヘイリー・ベネット

ボーグによって暴力で支配された街
その解放を頼まれた委任執行官のサムは、道すがら仲間を集めるのだった

それぞれの正義のために少数で多勢を相手に無茶な戦いを挑む、リメイクだとかオマージュだとかは別にして、この作品だからこそという強く光るものがあまりなかった感じ
ハンターのおっちゃんとかインディアン、ナイフ使いの個性派が意外と目立ってた印象はあるけど、一方で目立たないキャラはとことん影が薄い
ビリーとグッドナイトみたいなカップリングとは違うけど、パーティがそろった時点でそういった仲間内での組み合わせをもっと強くして、抱き合わせでキャラを描いてほしかったかも
とりあえず仲間集めパートはそんなにドラマティックじゃないうえに長く感じ、それでいていざ決戦がはじまると盛り上がって見所はあるけどそれはそれで長く感じる
定番は定番なりに退屈するほどではないんだけど、優等生すぎて「ここが」という良い意味での引っかかり所がなかった
あまり無茶にクセのある作りにはしづらかったんだろうけど、個人的にはもうちょっととがった部分があってもよかった気がしました

個人的評価:70点
オススメ度:生き残りのメンツの微妙さ



マグニフィセント・セブン 予告

ドクター・ストレンジ (2016/米)

監督:スコット・デリクソン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ / キウェテル・イジョフォー / レイチェル・マクアダムス / ベネディクト・ウォン / マイケル・スタールバーグ / ベンジャミン・ブラット / スコット・アドキンス / マッツ・ミケルセン / ティルダ・スウィントン

名医のスティーヴンはある日、事故をおこして両手の神経に致命的な損傷を負ってしまう
様々な治療法を模索する中、同じような症状から回復した男の存在を知るのだった

マーベル作品にしてはちょっと毛色が違う感じがして、殴りつけてぶっ倒してパワーで解決するこれまでの方向性とは異なる印象で楽しめた
予告でも分かるけど、その魔術的なエフェクトの数々が本当に迫力があると同時に美しく単純に映像だけでも堪能できる
そこに人の内面のどろっとした話が絡んでくるので、これから続くたろうシリーズの1作目としては濃密で作品の中身もしっかりしている印象
派手な魔術&体術でガンガンバトル、という見応えのあるシーンも多いけど、精神的な戦いの要素が個人的にはおもしろく感じられた
ドクター・ストレンジとしての戦いの方向性、他作品との差別化にも成功しているように思えるし、先の展開も気になる一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:欲を言えば「え?この作品と絡むの?」という意外性がほしかったかも



ドクター・ストレンジ 予告