2017年3月29日水曜日

わたしは、ダニエル・ブレイク (2016/英・仏・ベルギー)

監督:ケン・ローチ
出演:デイブ・ジョーンズ / ヘイリー・スクワイアーズ / ディラン・フィリップ・マキアナン / ブリアナ・シャン / ケイト・ラッター / シャロン・パーシー / ケマ・シカウズウェ

心臓を患っている老人ダニエルは、国による支援金審査にはじかれてしまう
やむなく求職者支援を受けよと手続きにやってくると、そこで職員に冷たくあしらわれている子連れの若い女性ケイティと出会う

国による人に優しくないめんどくさい制度と手続きに苛つき、周りの人々の温かみが心にぐっとくる
さいしょはダニエルにスポットが当てられ、制度の冷たさと手を差し伸べてくれる人たちのぬくもりが心に響く
そしてじょじょにケイティの存在が大きくなっていってドラマとして厚みが増し、展開の段階ごとに違う味わいを感じた作品でした
ダニエルとケイティの周りの人たちも、みんながみんな不自然なほどに優しいだけじゃなく、ラストに人が人であることをどうしようもなく気づかされる
優しくしてくれる人も、国の制度に組み込まれている人も、生活することに必死な人も、無理解な人も、頑固な老人も同じ人間なんだと痛感せざるえない
国に対する批判のようなものばかりが前面にでるでなく、本当の意味での人間ドラマが考えさせられると同時に楽しめた

個人的評価:85点
オススメ度:当たり前のことを言ってもらわないと気づけない自分の余裕のなさが痛い



わたしは、ダニエル・ブレイク 予告

アシュラ (2016/韓)

監督:キム・ソンス
出演:ファン・ジョンミン / チョン・ウソン / チュ・ジフン / クァク・ドウォン / チョン・マンシク / キム・ヘゴン / キム・ジョンス / ユン・ジヘ / ユン・ジェムン / キム・ウォネ

ハン刑事は悪徳市長の手下扱いでその手を汚し続けていた
そんな中、市長の仕事の始末で問題がおこり、それが大きな波紋となってハンの首をしめていくのだった

金と権力、謀略、小細工、裏切り、暴力、あらゆる悪の描写に強烈に引きつけられる
市長と地検に板挟みになる主人公、さらには妻や弟分のこともあって泥沼にどんどんハマっていって薄汚れていく様がたまらなくかっこいい
主人公の存在だけでなく、どのシーンにしてもカメラがスタイリッシュくさくならないナチュラルなかっこよさを追求していて画面に迫力と力強さがあふれている感じ
闇に染まった漆黒の黒、なんてキレイなもんじゃない泥と血と恥辱、自業自得のやるせなさ、復讐と怨みで染み着いた汚らしさをここまで魅力を感じさせられるとは思わなかった退廃的な世界観にクールさどころか、最初から最後まで圧倒的熱量と力強さに胸ぐらを掴まれっぱなしな一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:カーチェイスシーンのカメラの動きが気持ちよすぎる



アシュラ 予告

2017年3月26日日曜日

キングコング 髑髏島の巨神 (2017/米)

監督:ジョーダン・ボート=ロバーツ
出演:トム・ヒドルストン / ブリー・ラーソン / サミュエル・L・ジャクソン / ジョン・グッドマン / ジン・ティエン / ジョン・C・ライリー / トビー・ケベル / ジョン・オーティス / コーリー・ホーキンス / ジェイソン・ミッチェル / シェー・ウィガム / トーマス・マン / ユージン・コルデロ / テリー・ノタリー / MIYAVI

1973年、未踏の島が発見される
学者のランダたちは調査団を組織し、さらには軍と傭兵の護衛をつける物々しい装備で現地へ向かうのだった

最初っから最後までアメリカンなノリで、出し惜しみいっさいなしで駆け抜けていた作品でした
なにはともあれコングさんの男前な勇姿を拝んでるだけでもテンションがあがる
変な気負いなく逆に脳をゆるめに気持ちよく鑑賞できるような作りで、それでいてベトナム戦争を入れ込むことでただバカなだけじゃない主張もしている
中盤のだるさ、中だるみをおこしそうになるとクリーチャーを投入して画面をにぎやかすために、退屈さも薄く、ノリと勢いだけじゃないのもいい
コングさんのプロレスというかケンカファイトもどのシーンをとってもかっこよく、番長とかアニキとかそういう単語がしっくりくる漢っぷりに惚れ惚れせざるえない
思ったよりもクリーチャーの数も多用で多すぎてごちゃつかない、あくまでコングさんが映えるようになっていていろんな意味で観やすい一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:最後の最後のあの映像といい、日本人を楽しませてくれる



キングコング 髑髏島の巨神 予告

サクラダリセット 前篇 (2017/日)

監督:深川栄洋
出演:野村周平/ 黒島結菜 / 平祐奈 / 健太郎 / 玉城ティナ / 恒松祐里 / 岡本玲 / 岩井拳士朗 / 矢野優花 / 奥仲麻琴 / 吉沢悠 / 丸山智己 / 中島亜梨沙 / 大石吾朗 / 加賀まりこ

様々な特殊能力が使える人間が集う町、咲良田
すべてを記憶する能力をもつケイは時間を巻き戻すリセット能力をもつ春埼とともに、管理局の施設に呼び出される

またこの系統の作品か、と思うところもあったけど想像していたのと異なっていて楽しめた
そこには青春で学園で男女の愛情友情で甘い雰囲気はなく、あくまで能力者の力を中心にして組み上げた話が展開していた
科学の再現実験のように重要な要素となる能力を各キャラに振り当てて、それを手順通りに反応させているような出来レース感はあるものの、どういう結末になるか目が離せなかった
もうちょっと日常における主人公周りの能力描写があればよかったかもしれないけど、それを削ってもやっとこの前篇で序章までこぎつけた、って感じ
なんかこれからさらに能力よりに大きく傾いた話になっていくみたいだし、そういう意味ではこの前篇の学園ものを装ったノリは物語に入りやすいかもしれない
青春の甘くコミカルな部分をそぎ落とした雰囲気とキャストが、そういう作品が好きな層を拒絶している空気を出しているのがもったいない
さいきんこういうの多いよね、という既視感も手伝って人を呼ぶのは難しいかもしれないけど、個人的にはこういう化学反応を楽しみつつ謎もある作りは見応えがあっておもしろく思えた

個人的評価:80点
オススメ度:じゃっかん分かりづらい部分もあるけど、そういうもんだと流せる



サクラダリセット 前篇 予告

2017年3月22日水曜日

おとなの事情 (2016/伊)

監督:パオロ・ジェノベーゼ
出演:ジュゼッペ・バッティストン / アンナ・フォッリエッタ / マルコ・ジャリーニ / エドアルド・レオ / バレリオ・マスタンドレア / アルバ・ロルバケル / カシア・スムトゥアニク

3組の夫婦に独り身のペッペを加えた7人は月蝕と食事を楽しむために集まった
他愛もない話の流れから、かかってきた電話やメールを見せあうゲームをすることになる

笑い話から疑心暗鬼、ハプニングにハプニングが重なっていくバカ騒ぎが本当におもしろい
そして、ただ笑えるだけでなくでなく、同時にとてもじゃないけど笑えない状況が描かれ、笑い話と単純に思えない
特にたった2時間でこんなことになる、という問題は最高に笑えるようで笑えない
夫婦ともなって談笑できる仲良しな集まりが、どんどん壊されていく展開は分かりやすい流れながらも畳みかけっぷりがハンパなくて濃厚に感じる
ラストも秀逸で携帯がもたらす現代ゆえのブラックさがしみる
後で笑い飛ばせないなら知らない方がいいのか、ちょっと考えさせられるところもあった

個人的評価:80点
オススメ度:それまでわりと普通な感じがラストで評価が上がる



おとなの事情 予告

お嬢さん (2016/韓)

監督:パク・チャヌク
出演:キム・ミニ / キム・テリ / ハ・ジョンウ / チョ・ジヌン / キム・ヘスク / ムン・ソリ

朝鮮人のスッキは珠子と名乗り、ある豪邸のお嬢様の侍女として働くことになる
そんな彼女は実は秘められたある計画をもって行動しているのだった

最初こそ日本っぽさを表現するたびにコメディかよ、とツッコミを入れつつ笑いながら観ていたけど、最後にはそのいびつさがたまらない魅力に感じられた
個人的に日本人として観て滑稽に思える演出も、うすら寒くなる直前の絶妙なセンスを感じた
そんな要素以外にも愛憎、サスペンス、エロス、すべてがキレイすぎないものの不思議と画になる不完全さにどんどん魅了されていく
内容も雰囲気を楽しむだけでなく、話が進めば驚きも事前にあったシーンに隠された部分も見えてきて、ひじょうに見応えもある
大きすぎるツッコミどころがボッコボコある、作品としてのいびつな所が短所でなく大きな長所になっているのが本当におもしろい一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:分かっていても淫語にはにやついてしまう



お嬢さん 予告

2017年3月20日月曜日

SING (2016/米)

監督:ガース・ジェニングス
出演:マシュー・マコノヒー / リース・ウィザースプーン / セス・マクファーレン / スカーレット・ヨハンソン / ジョン・C・ライリー / タロン・エガートン / トリー・ケリー / ニック・クロール / ジェニファー・ソーンダース / ピーター・セラフィノウィッツ / レスリー・ジョーンズ / ジェイ・ファロア / ニック・オファーマン / ベック・ベネット / ガース・ジェニングス

資金難の劇場を経営するバスター・ムーン
起死回生の策として歌のコンテストを企画するが、その賞金額をミスプリントしてしまい大勢の参加者が押し寄せるのだった

字幕版にて鑑賞
月並みすぎる言い方しかできないけど、本当に洋楽に縁がない人でもどこかで耳にしたことのある曲ばかりなノリノリの作品でした
ポータブルオーディオで聴くような音楽と異なる、ライブでしか味わえない盛り上がりをよく再現できていて最高に楽しめた
デフォルメされた動物キャラの魅力、そしてそれ以外のリアルな街並みや物の融合が違和感なく当たり前のように観ていらる
ノリのよい曲のリズムのように、それぞれのキャラたちが抱える問題、挫折や苦悩、解決にいたった時の解放感が停滞なく流れるように描かれてドラマ部分も不足ない感じ
もう分かりきって観ているものの、クライマックスのライブ感は素晴らしく、バラエティにとんだ曲とキャラが表現する音楽に酔いしれざるえない
とはいえ大スクリーン、大音量の劇場で鑑賞してこそな作品と思えるため、ソフト化やネット配信されたものを家庭で観ると同じ感覚を味わえるかはなんともいえない

個人的評価:85点
オススメ度:日本代表の音楽はアレだと思われたくない気がしないでもない



SING 予告

2017年3月19日日曜日

3月のライオン 前編 (2017/日)

監督:大友啓史
出演:神木隆之介 / 有村架純 / 倉科カナ / 染谷将太 / 清原果耶 / 佐々木蔵之介 / 加瀬亮 / 前田吟 / 高橋一生 / 岩松了 / 斉木しげる / 中村倫也 / 尾上寛之 / 奥野瑛太 / 甲本雅裕 / 新津ちせ / 板谷由夏 / 伊藤英明 / 豊川悦司

中学でプロ棋士になった桐山は高校生になった現在、師匠であり育ての親である幸田と対局する
桐山は勝負に勝ったものの、その事情ゆえにひどく落ち込むのだった

けっこう重くしめつけるような空気が全体をしめ、そこに将棋の対局の熱さが際だつ作品でした
アニメ版は見やすくて、けっこうコミカルな部分も多いけど、この映画版ではまったくないとまでは言わないけど、そういうノリは皆無
ただ闇を抱えているだけじゃない、人間らしい桐山や川本家とのほのぼの、ちょっとクスっときて温かくなる、そんなライトさを期待しているとシリアス一辺倒な映画版はつらいかもしれない
しかも人間関係のベースが固まりきっていないうちに、駆け足で見所イベントを次々に消化していくためにドラマが思ったより盛り上がらない
特に研究会に入るくだりの唐突さはもうちょっとどうにかしてほしかった
終盤にもなればちょっとは築きあがってくるけど、そのころには完全に将棋メインの展開になってる感じ
対局シーンの力の入れようから、将棋シーンがはじまると少しは息を吹き返すけど、他の部分の残念さがもったいない
思ったよりもシリアスと将棋の暗ウエイトが大きく、ほんわか日常の明となる要素が小さく思えた一本でした

個人的評価:65点
オススメ度:後藤島田戦での記者の「敗因は~」とかいう台詞はよけいすぎるだろ



3月のライオン 前編 予告

ひるね姫 知らないワタシの物語 (2017/日)

監督:神山健治
出演:高畑充希 / 満島真之介 / 古田新太 / 釘宮理恵 / 高木渉 / 前野朋哉 / 清水理沙 / 高橋英樹 / 江口洋介

いつも眠気に襲われる高校生のココネは、その夢の中で少女の不思議な冒険を追体験する
そんな中、現実世界では父親が警察に捕まったというしらせが入り…

ライトでさわやか、変な灰汁がない万人受けする冒険活劇という内容で始まりから終わりまで駆け抜ける作品でした
夏に定番としてTVで放映されるアニメ作品、というポジションを狙っている感がする、というのは邪推しすぎですかね
ハートランドというファンタジーな夢世界と現実の関連、その交錯、小難しい理屈はおいといてシンプルにとてもよく表現できている
ちょっと全体的にふわっとしすぎていていて、特にクライマックスあたりがファンタジーにたよりすぎている部分もあるけど、細かいところまで設定や説明を追求すると窮屈になってしまうかもしれない
必要最小限の説明だけでなりたっているため、ラフな気持ちで繰り返しの鑑賞にもたえられる
ここがすごい、ここが心に引っかかった、というところこそないけど、あえて今こういう締め付けすぎない内容の作品を作ったのは好意的な印象を持ちました

個人的評価:70点
オススメ度:わりとふつうに空も飛ぶ



ひるね姫 知らないワタシの物語 予告

2017年3月15日水曜日

チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話 (2017/日)

監督:河合勇人
出演:広瀬すず / 中条あやみ / 山崎紘菜 / 富田望生 / 福原遥 / 真剣佑 / 柳ゆり菜 / 健太郎 / 南乃彩希 / 大原櫻子 / 陽月華 / 木下隆行 / 安藤玉恵 / 緋田康人 / きたろう / 天海祐希

高校へ入学したひかりはチアダンス部へ入ることにする
そこへ地獄先生とおそれられる早乙女先生がやってきて、全米大会を目指すと言い放つのだった

すべてがくっきりはっきり明瞭で快活、そして友情・努力・勝利がそなわった熱い作品でした
ヒットしたあの映画みたいに元気を与えるような内容で、このキャスト使ってサクっと作ろうという姑息な小手先感がなくて、どのシーンでも全力で描いている本気が伝わってくる
泥臭いスポ根ドラマでありながら、導入はライト&コミカルになっていることで、核となる熱い流れにうまく誘導されていて見やすくしている工夫もいい
そうこうしているうちに明るいまっすぐバカな主人公のひかりにぐいぐい引き込まれ、ありきたりと分かってはいても盛り上がるイベントの数々があり、ラストまで輝きが衰えることがない
特に早乙女先生のエピソードが展開しはじめると、ここでかっていうグッときすぎるタイミングゆえに作品が本当に最後の最後まで引き締まっている
ちょっと全国大会とか全米大会のスケール感が伝わってこない気がしないでもないけど、晴れやかでまぶしいくらいに光を放つ透明度の高い一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:ガールとリーダー、リーディングとダンスの違いを知る



チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話 予告

2017年3月12日日曜日

クリミナル 2人の記憶を持つ男 (2015/英・米)

監督:アリエル・ブロメン
出演:ケビン・コスナー / ゲイリー・オールドマン / トミー・リー・ジョーンズ / ガル・ギャドット / ライアン・レイノルズ / アリス・イブ / マイケル・ピット / アマウリー・ノラスコ / ジョルディ・モリャ / アンチュ・トラウェ / スコット・アドキンス

ある情報を持ったCIAエージェントの記憶を転写されることになったジェリコ
しかし彼は感情を持たない凶悪犯罪者であった

あのケビン・コスナーが異常&凶悪な犯罪者を演じる、というネタ臭さは薄くそんなことを意識することなく作品に没頭できた
対立する組織の争いに巻き込まれる身体能力の高い主人公とその家族、という分かりやすい内容をベースにしながら主人公の存在が大きく作品に作用している
スパイアクションのスパイスとして、記憶を転写された男っていう設定を付け足した軽い映画と違い、その設定が作品を支える大事な要素と魅力になっているのがおもしろい
バリバリのバイオレンス社会不適合者なジェリコが、じょじょにエージェントのビルの記憶に影響されていって感情が芽生えてくる
それでいて時おり見せる元の凶暴なジェリコの顔、という主人公の存在ともちろんアクションやサスペンスという要素がうまくからまったけっこうガツンと重さを感じる一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:くたびれているようでくたびれていないコスナーさんが素敵



クリミナル 2人の記憶を持つ男 予告

2017年3月8日水曜日

ラ・ラ・ランド (2016/米)

監督:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング / エマ・ストーン / キャリー・ヘルナンデス / ジェシカ・ローゼンバーグ / ソノヤ・ミズノ / ローズマリー・デウィット / J・K・シモンズ / フィン・ウィットロック / ジョシュ・ペンス / ジョン・レジェンド

女優志望のミアは友人に誘われてパーティへ出かける
その帰り道、漏れ聞こえる演奏に誘われてある店に入ると、そこでジャズピアニストのセブと出会い…

最高のオープニングからラストへよどみなく流れていく、夢とロマンチックに満ち満ちた素晴らしいひとときを味わえた
とにもかくにも名シーンとなるべき見所が多く、それでいて見せ場を効果的に演出するようにつなぎの場面も計算されているために盛り上がりばかりに飽きることはない
見せ場、つなぎに関わらずいちいち画になる所作が小粋で、そこに音楽が重なれば心も躍らざるえない
そしてなにより個人的には盛り上がる音楽や心ふるえるロマンチックさ以上に、その視覚的に気持ちよさを追求したようなカメラワークが強く印象に残った
それでもあえて難を言うなら、全体的に効果的に計算しつくされて作られている感が見えて、ほんの少し、本当にちょっとだけ理屈っぽい臭さが漂うのが気になった
なにはともあれ、素敵な時間を心地よく酔える作品でした

個人的評価:95点
オススメ度:本編を観たあとだと、この予告編の完成度もかなり高いと分かる



ラ・ラ・ランド 予告

2017年3月5日日曜日

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第一章「嚆矢篇」 (2017/日)

監督:羽原信義
出演:小野大輔 / 桑島法子 / 鈴村健一 / 大塚芳忠 / 麦人 / 千葉繁 / 田中理恵 / 久川綾 / 赤羽根健治 / 國分和人 / 千葉優輝 / 中村繪里子 / 津田健次郎 / 土田大 / 小島敏彦 / 玄田哲章 / 江原正士 / てらそままさき / 神谷浩史 / 甲斐田裕子 / 手塚秀彰 / 神田沙也加 / 菅生隆之

イスカンダルへの旅路から3年、ガミラスと同盟を結んだ地球は共闘してガトランティス艦隊に対処していた
そんな中、波動砲をつんだ新造艦が敵の巨大戦艦を圧倒するが…

わりとあっさりガミラスと共闘し、わりとあっさりガトランティスと戦闘状態にあり、わりとあっさり波動砲が使われる、新章のはじまりにしてはスロースターター感がなくて楽しめた
ちょっと旧ヤマトクルーたちが新たな旅に出るのにもたついているようでもあるけど、艦隊戦やら新たな敵やら新たな展開、キャラ紹介、謎の提示など盛りだくさんゆえにしかたないのかもしれない
個人的には露骨に女性キャラが媚びてくるようなシーンが抑え目だったのが見やすくてよかった
懐かしかったり熱くなるシーンも多いけど、全体的に駆け足すぎて余韻にひたる余裕がなくどんどん話が流れていくのはもったいなかった気がしないでもない
あまりくどくどと見せられるのもアレだけど、ここぞってところでは記憶に深く突き刺さり、余韻にもひたれる時間がほしい
とりあえず最初にいろいろと手数でせめて観客の心をつなぎとめるのが今のアニメでは肝要なのかもしれないですが
まあ、なにはともあれ旅も戦いもまだはじまってすらいない状況の話、この先も楽しみに待っていたいと思います

個人的評価:75点
オススメ度:素人でも安定感のある豪華声優陣だと分かる



宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第一章「嚆矢篇」 予告

ラビング 愛という名前のふたり (2016/英・米)

監督:ジェフ・ニコルズ
出演:ジョエル・エドガートンリ / ルース・ネッガ / マートン・ソーカス / ニック・クロール / テリー・アブニー / アラーノ・ミラー / ジョン・バース / マイケル・シャノン

ミルドレッドの妊娠を機に結婚することにしたリチャード
ふたりはともに暮らし始めるが、そこへ保安官がやってきて結婚を認められないと留置所へ入れられてしまうのだった

まさに心にじんわりとしみる映画でした
地味な主人公のふたりだな、と思ったのも一瞬でその演技によって支えられるドラマ、その力強さに退屈することなく身を委ねられていられた
特にミルドレッドの女として、妻として、母としての演技が自然でありながら素晴らしく、しょうじき地味な印象しかない作品なのに非常に魅力を感じる存在感に見ほれる
ストーリー的にもなんでもないふたりの愛からはじまって、何が問題なのか、その問題に対する時代背景や各登場人物の思いがじょじょに分かってくる作りがおもしろい
演技という面だけでなく、裁判とか権利とか描きながらあくまで話の中心は愛に固定されているブレなさもいい
小粋なラストもいいし、ちょっとリチャードのその後は残念だけど、じわっと心が温かくなる一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:子供をしかるミルドレッドさんマジ母親すぎる



ラビング 愛という名前のふたり 予告

アサシン クリード (2016/英・仏・米・香港)

監督:ジャスティン・カーゼル
出演:マイケル・ファスベンダー / マリオン・コティヤール / ジェレミー・アイアンズ / ブレンダン・グリーソン / マイケル・K・ウィリアムズ / アリアンヌ・ラベッド / シャーロット・ランプリング

収監されていたカルはいよいよ死刑執行の瞬間をむかえることになる
しかし、彼は見知らぬ施設で目覚め、そこで500年前に死んだ人物の記憶をたどる実験をさせられるのだった

ゲームの内容から実写映画との親和性はかなり高いのは容易に想像できたけど、そのマッチ具合はかなりよかった
ただなんとなく、そんなうまくハマる感覚に甘えすぎて、肝心の中身がじゃっかん粗い気がしないでもない
展開が大きく動いても、重要な人物に何かあってもあまりドラマチックさが感じられず、けっこう淡々と進んでそれほど作品世界に引き込まれなかった
過去世界での街を舞台にアクロバティックなアクションは見応えがあっただけに、現代パートの先の展開が読めすぎる話はちょっと退屈
ゲームと映画の壁は感じないものの、映画と観客の間にちょっと壁を感じる一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:物語の序章でしかなかったガッカリ感



アサシン クリード 予告