2017年5月30日火曜日

美しい星 (2017/日)

監督:吉田大八
出演:リリー・フランキー / 亀梨和也 / 橋本愛 / 中嶋朋子 / 佐々木蔵之介 / 羽場裕一 / 春田純一 / 友利恵 / 若葉竜也 / 坂口辰平 / 藤原季節 / 赤間麻里子 / 武藤心平 / 川島潤哉 / 板橋駿谷 / 水間ロン / 今村美乃 / 岩谷健司 / 樋井明日香 / 滝沢涼子 / 阿部朋子 / 小林美紀 / 小山田みずき

テレビの天気キャスターをつとめる大杉重一郎
ある日、車を運転中に光によって意識を失い、田んぼの真ん中で目が覚め、そのことをUFOと関連づけるようになる

星人を信じようが信じまいが成立するし、観ている間はどっちに転ぶか期待感もある
ただ、なんというか鑑賞後に「ああ、うん…」といったふうにすっきりしないし、なんか星人とかどうでもよくなる微妙さに支配された
火星人だの水星人だの金星人だのトンデモ展開で突き抜けた馬鹿話になるでもなく、どう作品に対応したらいいか困惑する
それでいてシリアスな方向にも心をスイッチしきれず、良い話にも思い切れずで発奮されない感情が気持ち悪い
本当に星人だったのか、そうじゃなかったのか個人的には「どうでもいい」という思いを選択せざるえなかった
しょうじき星人ネタの必要性に疑問を感じる作品でした

個人的評価:60点
オススメ度:リリーさんのナイスケツだけがひどく頭にこびりつく



美しい星 予告

光 (2017/日・仏・独)

監督:河瀬直美
出演:永瀬正敏 / 水崎綾女 / 神野三鈴 / 小市慢太郎 / 早織 / 大塚千弘 / 大西信満 / 堀内正美 / 白川和子 / 藤竜也

視覚障害者のための映画の音声ガイドを作成する仕事をする美佐子
その仕事の中で元写真家で視覚を失いつつある男、小森と出会う

作品にみなぎる力強さに鑑賞後、心地のよい疲労感に幸福を味わう
役者さんたちの目の演技に引き込まれ、心を動かされ、想像力をかきたてられた
視覚障害者について上辺だけでないところで考えさせられ、それでいてそんな説教臭いものだけじゃない人と人とのドラマとしても楽しめた
そしてラストは物語として主人公ふたりがはっきりと心に刻まれ、静かに胸をうつ感動に酔える
どんなにそれっぽい言葉を連ねても、自分なんかの表現で感想として伝わらないことが分かるだけにもどかしい
演技もテーマもストーリーも、最高にみなぎっている作品だったということしか言い表せない

個人的評価:90点
オススメ度:音声ガイドのナレーションが反則すぎて感動せざるえない



光 予告

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ (2017/日)

監督:石井裕也
出演:石橋静河 / 池松壮亮 / 松田龍平 / 市川実日子 / 田中哲司 / 佐藤玲 / 三浦貴大 / ポール・マグサリン / 大西力 / 野嵜好美

東京でどこかすれた日々を過ごす美香
ある日、日雇いの仕事につく左目の見えない男、慎二と出会う

めんどくさい性格の男と女のめんどくさいやりとりを延々と見せられ、それでいて最後には嫌な気分にならないから不思議
どこか今という現実を切り取って歌にしたような世界観で、リアルというより架空の物語を観ている印象が強かった
あざとい演出にあざとい台詞回し、自分の想いに酔うがままに吐き出された感じがちょっと鼻につく
シーンのつながりや登場人物の感情が分かりやすすぎるほどに分かりやすく描かれていて、思ったより難解さがなくて疲れることはなかった
なんやかんやで冷たく沈む心をちょっとだけすくいあげてくれる、そんな気持ちよさと内容のままに酔えればちょっぴり前向きになれる一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:ここまでやさしく内容を描かなければ伝わらない、と馬鹿にされていると思うのは考えすぎかな



映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ 予告

2017年5月28日日曜日

メッセージ (2016/米)

監督:ドゥニ・ビルヌーブ
出演:エイミー・アダムス / ジェレミー・レナー / フォレスト・ウィテカー / マイケル・スタールバーグ / マーク・オブライエン / ツィ・マー

突如として世界各地にあらわれた巨大な物体
その内部にいる生命体と会話するため、言語学者のルイーズ博士に声がかかるのだった

主人公ルイーズの強さと優しさ、愛に満ちた雰囲気が心地よく、優良な一冊の本を読んだような満足感をおぼえた
未知の生命体とのファーストコンタクトものとして観てもおもしろいし、導入の描写から主人公を追いかけていてもおもしろい
どことなくふわっとした印象が、どんどん積み上げられ編み上げられていくような作風に酔い、先の展開が気になって観ていて気持ちがはやらざるえない
状況の説明だけでごくせまいところで話が進むものの、想像力を刺激されて実際の映像とあいまって目と頭で世界が広がる
派手さはないし、観た人が誰も彼も楽しめる感じはしないけど、個人的にこの作品によって大きな満足感を与えられたことを幸せと思う

個人的評価:85点
オススメ度:密かに武力で力こそパワーだ、アメリカ万歳な内容かと思ってた



メッセージ 予告

おじいちゃんはデブゴン (2015/中国・香港)

監督:サモ・ハン
出演:サモ・ハン / ジャクリーン・チェン / アンディ・ラウ / フォン・ジャーイー / リー・チンチン / チャウ・ユーチェン / ジェームズ・リーガイ / ユン・ピョウ / ユン・ワー / ユン・チウ / ツイ・ハーク / ディーン・セキ / カール・マッカ / フー・ジュン / ウィリアム・フォン / エディ・ポン

中国とロシアの国境の町に暮らす退役軍人のディン
孤独な日々を過ごすディンにも隣人の少女チュンファが心の支えになっているのだった

とにもかくにも今のサモ・ハンさんを観て、確認して、かわいらしい少女との交流を愛でるためだけにある作品でした
どうにもこうにも作りの古くささは隠しきれず、さらに現代風な作品にしようという努力の影が逆に古さを感じずにいられない
サモ・ハンさん自らが動くアクションの配分も一点集中で、なかなかに覚醒しない主人公と主人公無視な周りの動きの多さにもどかしくなる
サモ・ハンさんを観るための映画なのに、なかなか気持ちよくさせてくれないじらしプレイがハンパない
いざアクションが始まれば上半身のみ、腕のみ、足のみのアップばかりで、まあ仕方ないと思う反面でもっとハッスルしてる姿がみたかった
ユン・ピョウさんとかゲスト陣がないげに豪華なので昔ながらのファンにはうれしいけど、どうしても周りのキャラのキレのある動きが目立つだけに「老いてもなお」というより「老いただけに」とちょっぴり寂しくなった
しょうじきちょっと前に「イップ・マン2」で勇姿は目にしたばかりなんで、そんなに懐かしくもなかったですしね

個人的評価:60点
オススメ度:中途半端なエピローグやるならNG集にしてほしかった



おじいちゃんはデブゴン 予告

2017年5月22日月曜日

スプリット (2017/米)

監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ジェームズ・マカボイ / アニヤ・テイラー=ジョイ / ベティ・バックリー / ジェシカ・スーラ / ヘイリー・ルー・リチャードソン

見知らぬ男に拉致監禁されてしまうケイシーとふたりの少女
その監禁された部屋に男が訪れるたびにその人格が大きく変わるのだった

作品の性格上、なにを書いてもネタバレになりそうだけど複数の人格を演じ分けるジェームズ・マカヴォイ劇場がよかった
ケイシーの事情も平行して描くことで、単なる異常者に監禁されたスリラーものとは違った味わいになっている感じ
鑑賞後には理解が追いつくけど、観ている間はずっと「なんとなくは分かるけど」というもやもや感がつきまとう
とりあえずこの監督の過去作品をまんべんななく楽しめる人用みたいな印象で、ファンとしてはいいとしても一見さんは受け入れづらいかもしれない
話も気分的には盛り上がるけど、こういうラストは後のフォローが決定したからいいものの、単品作品としては微妙かもしれない

個人的評価:75点
オススメ度:ケイシーも良キャラだけど、完全にいろんな意味で食われちゃってる



スプリット 予告

猫忍 (2017/日)

監督:渡辺武
出演:大野拓朗 / 佐藤江梨子 / 藤本泉 / 渋川清彦 / 鈴木福 / ふせえり / 永澤俊矢 / 柄本明 / 麿赤兒 / 船越英一郎

猫に化けた(と信じている)父上と旅をする抜忍の陽炎太
父をもとに戻す術の巻物を求める中、次々に刺客が襲いくるのだった

TVシリーズから抜忍となった主人公が旅に出ることで心機一転の新展開、という劇場場だけを観ても問題ないような雰囲気はあるけどそうでもなかった
明らかにTVシリーズの完結編という内容で、いちおうのフォローはあるものの旧キャラとかどんどん出てくるし、作品として伏せられてきた部分もしっかり描かれている
そういう意味ではずっと「猫忍」とつきあってきた人にとってはスッキリと作品の外堀もうまって楽しめる
中身も悪ふざけすぎず適度な笑いをちりばめ、猫萌えもあり、そこそこの殺陣もあり、「猫侍」からおなじみの撮影地もありでおもしろかった
話も意外とちゃんとまとめる方向に作られていてたし、さほど期待値が高くなかったけど普通に満足できた
まあ、ちょっとどの層を狙ってるのか微妙な感じはするけど、「猫忍」という作品にひとまわり厚みをもたせるには成功してるとは思えた

個人的評価:70点
オススメ度:わりと軽いもみじ姉さん、ガッカリ忍者の青目、と新キャラもなじんでる



猫忍 予告

2017年5月21日日曜日

ジェーン・ドウの解剖 (2016/英)

監督:アンドレ・ウーブレダル
出演:エミール・ハーシュ / ブライアン・コックス / オフィリア・ラビボンド / マイケル・マケルハットン / オルウェン・ケリー

ある一家の惨殺事件があった地下から発見される身元不明の女性の遺体
親子で遺体安置所をいとなむティルデン家に解剖による死因の特定が依頼されるのだった

登場人物が少ないだけに異変発生となる本編がはじまっても殺戮ショー的な感じにはならないが、鑑賞後に陰湿っぷりに嫌な気持ちでいっぱいになる
フラットな気持ちで観れば真相が見えるまでは楽しめるが、けっきょくはオーソドックスなホラーといった感じ
解剖が進むにつれてどんどん異常なことが分かってきて、それによって何が起こるのか謎と期待に胸がふくらむ
そこからの常軌を逸した状況の連続も昔ながらのお約束をなぞってくれて、良くも悪くも普通のホラーとして楽しめる
ちょっとジェーン・ドウの正体がぼやっとしている気もするけど、犠牲者のパターンみたいのを理解すると気持ち悪さが高まる
この陰湿さを感じられるかどうかで普通な印象のまま終わるかそうでないか分かれるかもしれない

個人的評価:70点
オススメ度:今夜はおあずけ、とか洋画あるある字幕台詞を久しぶりにみた気がする


ジェーン・ドウの解剖 予告

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ (2015/伊)

監督:ガブリエーレ・マイネッティ
出演:クラウディオ・サンタマリア / イレニア・パストレッリ / ルカ・マリネッリ / ステファノ・アンブロジ / マウリツィオ・テゼイ / フランチェスコ・フォルミケッティ / ダニエーレ・トロンベッティ / アントニア・トルッポ / サルボ・エスポジト / ジャンルカ・ディ・ジェンナー

荒れるローマで悪事の手伝いをするエンツォ
その最中にトラブルによって自身に何故か超人的なパワーが宿っていると知るのだった

新たなスーパーヒーロー誕生話として、エピソード0みたいな中途半端さがなくきりがいいところまで描いてあって楽しめた
途中から明らかに敵側のジンガロ側の話の方が魅力的になってきて、なんか「俺たちの戦いは~」みたいな終わり方になるんじゃないかと不安になったけど「まだ続くのか」という感じで意外と濃密でした
本当に途中で「闇の深いヒロインとのロマンスドラマか」「ライバルキャラの方がおもしろいじゃないか」「主人公が正義の心に目覚めて終わりか」とか色々とやきもきするものの、鑑賞後には「よく切るべきところは切ったな」と安易な続編をにおわすだけの内容じゃなくて好印象
どこかで見たようなスーパー(ダーク)ヒーローものの切り張りっていう感じはするものの、エンツォの葛藤とかストーリーは渋くて個人的には楽しめた

個人的評価:80点
オススメ度:目が顔にいくか胸にいくか試されている



皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ 予告

2017年5月17日水曜日

マンチェスター・バイ・ザ・シー (2016/米)

監督:ケネス・ロナーガン
出演:ケイシー・アフレック / ミシェル・ウィリアムズ / カイル・チャンドラー / ルーカス・ヘッジズ / カーラ・ヘイワード / C・J・ウィルソン / グレッチェン・モル / マシュー・ブロデリック / アンナ・バリシニコフ / ジョシュ・ハミルトン / テイト・ドノバン / スーザン・プルファー / ロバート・セラ / トム・ケンプ

ボストンで便利屋をしている人付き合いの悪いリー
そんか彼に故郷のマンチェスターで兄の様態が悪くなったと連絡が入る

観た人がドラマを創ることで作品を構築していくタイプの作品な感じがした
それだけに完成図が思うように描けず、形にできなかったり与えられるドラマに身をひたしたい人には向かないかもしれない
かく言う私もうまく楽しむことができず、しょうじき荘厳なBGMや雰囲気が「どう?いい映画でしょ」と押し売りされてる感じがした
理想や幻想の(疑似)家族関係とは違う等身大の現実感はよくあらわれていたし、主人公リーの普段は表に出さない感情が常に複雑に内側で渦巻いているのを察せる描写はよかった
ただ、本当にこの作品を自分の中で練り上げる力が足りないゆえに、鑑賞後にも「え、あ、終わりか」という残念な言葉しか思い浮かばなかった個人的なセンスのなさを痛感した

個人的評価:60点
オススメ度:強く感じとることのできる人には大満足、だと思う



マンチェスター・バイ・ザ・シー 予告

バッド・バディ!私とカレの暗殺デート (2015/米)

監督:パコ・カベサス
出演:アナ・ケンドリック / サム・ロックウェル / ティム・ロス / ジェームズ・ランソン / アンソン・マウント / マイケル・エクランド / RZA

男運のないマーサは初対面の男にいきなりデートに誘われる
なりゆきで楽しむ彼女だったが、男は命を狙われるヒットマンだった

出会ったカレはヒットマン、というどこかで見たことあるような印象とは裏腹に普通さのかけらもないイカレてイカした内容でした
スタイリッシュでユーモラスに繰り広げられるアクションが見応えあり、ロマンス要素よりアクションやキャラ同士のかけあいが本当に楽しすぎる
敵も味方もほぼ全員どこかイカレている奴ばかりで、主人公のヒットマンがヒロインになにか特別なシリアスな秘めた思いをもっているのか、と想像させておいて…ととにかく普通な展開にならないのがいい
そして作品を理解できたところでイカレたマヌケっぷりが素敵な敵たちとのクライマックスが最高すぎる
撃ち合い傷つけ合い殺し合い、血なまぐさい流れとは逆に本当に気分が高まって楽しい雰囲気にノリノリになれる一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:続編もそうだけど前日話も観たいと言わざるえない



バッド・バディ!私とカレの暗殺デート 予告

2017年5月14日日曜日

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス (2017/米)

監督:ジェームズ・ガン
出演:クリス・プラット / ゾーイ・サルダナ / デビッド・バウティスタ / ビン・ディーゼル / ブラッドリー・クーパー / マイケル・ルーカー / カレン・ギラン / ポム・クレメンティエフ / エリザベス・デビッキ / クリス・サリバン / ショーン・ガン / シルベスター・スタローン / カート・ラッセル

ある星での仕事を終えて出立するクイルたち
しかし仕事中に貴重なバッテリーを盗んだことがバレて軍が襲いかかってくるのだった

前作があまりにおもしろすぎて期待のハードルが自然と上がり、それがちょっと不安要素でもあったけど変わらず、というか前以上に最高のできだった
退屈なんて単語とはいっさい無用のジェットコースターアドベンチャーで、それでいて丁寧に伏線はちりばめられ、ストーリーも練られ、キャラもみんなイキイキしてて言うことがない
通常時でもシリアス時でもネタがいちいちアメリカンなノリだけど、昭和生まれのおっさんには楽しめるものばかりだった
笑わせるところではキチンと笑わせ、派手なところではとことんド派手に、そして引き締めるところではちゃんとドラマを盛り上げる内容に大満足せざるえない
前作からのキャラがにぎやかしの顔出しなサービス出演なだけになってない、本当に死にキャラがいないのもよかった
おまけ映像だけじゃなくエンドロールそのものも遊び心に満ちていて、本当に最後の最後まで作りこんだ作品でした

個人的評価:95点
オススメ度:いちいち口を開くたびに笑いを提供してくれるドラックスさんが素敵すぎる



ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス 予告

サクラダリセット 後篇 (2017/日)

監督:深川栄洋
出演:野村周平 / 黒島結菜 / 平祐奈 / 健太郎 / 玉城ティナ / 恒松祐里 / 岡本玲 / 岩井拳士朗 / 矢野優花 / 奥仲麻琴 / 吉沢悠 / 丸山智己 / 中島亜梨沙 / 八木亜希子 / 及川光博

能力者たちの力を結びつけて相麻菫をよみがえらせた浅井ケイ
そんな彼と彼女のもとへ管理局の室長がある思惑をもって近づこうとしていた

意外に楽しめた前編に続いて鑑賞したわけですが、けっこうぎっちぎちにつめこんであって二転三転する話は見応えがった
能力によって危機におちいり、能力によって打開していく、それぞれの思惑もからんでもつれながらも、その時その時の展開に先の見えない流れがおもしろい
ただ、やっぱりごちゃごちゃしすぎな上に能力について説明不足感は否めず、能力の作用をかけあわせたアイディアばかりに目がいってしまった
媚びに媚びたキャストでもなく、能力者バトルによる派手さもない、しょうじきどの層をターゲットにしているのか分からない作りな上に、とことん地味なイメージ
素材の味だけで勝負するのもいいけど、もうちょっと見栄えとかハッタリのような装飾がほしかった、とマイナス部分ばかり気になってしまうもったいない一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:役者さん各々の演技差、バラつきが不安定すぎる



サクラダリセット 後篇 予告

2017年5月10日水曜日

追憶 (2017/日)

監督:降旗康男
出演:岡田准一 / 小栗旬 / 柄本佑 / 長澤まさみ / 木村文乃 / 矢島健一 / 北見敏之 / 安田顕 / 三浦貴大 / 高橋努 / 渋川清彦 / りりィ / 西田尚美 / 安藤サクラ / 吉岡秀隆

ある出来事をきっかけに離ればなれになった少年の篤、啓太、悟たち
25年がたち刑事になった篤は、偶然に啓太に会いに行く悟と再会するのだった

TVドラマベースのチープな邦画に、これが日本の映画だと言わんばかりの作りで大安定な作品でした
嫌みにならないていどに、それでいて心にひっかかるシーンの数々が優しく丁寧にドマチックに描かれていて目でも楽しめる
変にとがってなくて適度な説明描写もあって難解すぎず、全体的に丸みをおびた印象を抱いた
話的にも残酷な運命から生まれるやるせないもの、そしてそれだけではない部分が流線的な感じに交錯するドラマが見応えがあった
単純すぎず複雑すぎず、安易すぎず難解すぎないザ・いい映画
最近の映画に慣れているとじゃっかん低刺激な感じがしないでもない

個人的評価:80点
オススメ度:いやでも目に付く身長差



追憶 予告

2017年5月7日日曜日

フリー・ファイヤー (2016/仏・英)

監督:ベン・ウィートリー
出演:ブリー・ラーソン / アーミー・ハマー / キリアン・マーフィ / シャルト・コプリー / ジャック・レイナー / サム・ライリー / マイケル・スマイリー / バボー・シーセイ / エンゾ・シレンティ / ノア・テイラー / パトリック・バーギン / トム・デイビス / マーク・モネロ

クリスと仲間たちは武器を買い付けるために取引相手に会いに行く
いざこざはあったものの取引は成立した、かと思われたが…

物陰に隠れてはいずり回り、クリティカルヒットのない泥沼の銃撃戦が頭悪くて素敵でした
これ現場のノリでアドリブ銃撃戦してるんじゃないかと疑うカオスっぷりで、冷静に計算して思惑通りに撮ってるならもっと別のことに頭を使えという誉め言葉をおくりたい
内容的には「銃で撃たれたやつのおもしろ顛末話」のエピソード、その数々を寄せ集めたような感じで、しょうじき無様な撃ち合いを観ているだけで不思議と楽しい
悪ノリ上等な軽妙な音楽とテンポはなく、微妙にキレの悪いジョークの泥臭い味わいにハマレるか否かでおもしろ度が大きく左右するかも

個人的評価:75点
オススメ度:まあ、何度も繰り返し観たくなるもんじゃないのは確か



フリー・ファイヤー 予告

2017年5月3日水曜日

帝一の國 (2017/日)

監督:永井聡
出演:菅田将暉 / 野村周平 / 竹内涼真 / 間宮祥太朗 / 志尊淳 / 千葉雄大 / 永野芽郁 / 鈴木勝大 / 萩原利久 / 岡山天音 / 井之脇海 / 木村了 / 榎木孝明 / 山路和弘 / 真飛聖 / 中村育二 / 吉田鋼太郎

ゆくゆくは総理大臣を目指す赤場帝一
まずはその足がかりとして海帝高校で生徒会長を目指すのだった

いかにもなキャストを集めてファンの心と集客を鷲掴みにする、どうせ中身はインスタントな作品だろうと邪な心象で観たものの、テンポのいいコメディで楽しむことができた
かってに映画のことを邪推して思いこんで観れば観るほどに、作品の思うつぼにはまる感じが不思議と気持ちいい
父親との絶妙なかけあいに笑い、帝一の知略と同時にアホっぽい部分に魅力を感じ、作品に引き込んでおいて大鷹というメインに居座るキャラを投入してくる計算高さがたまらない
なんだよ帝一とかにぎやかしで、真主人公は大鷹じゃねえか、と思いながらも選挙戦のシーソーゲームに退屈することなく観ていられた
ちょっとキャラのコスプレっぽさが気になるけど、そういう雰囲気を楽しむもんだと割り切ればそれはそれで
そうしてむかえるラスト、帝一の思惑に観ているこっちは作品自体の心象操作にみごとにひっかかったとニヤリとせざるえない一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:めんどくさい裏切りのどろどろ感がなくていい



帝一の國 予告

ラストコップ THE MOVIE (2017/日)

監督:猪股隆一
出演:唐沢寿明 / 窪田正孝 / 佐々木希 / 藤木直人 / 小日向文世 / 和久井映見 / 黒川智花 / 竹内涼真 / 松尾諭 / 桜井日奈子 / 武田玲奈 / 伊藤沙莉 / 田山涼成 / マギー / 宮川一朗太 / 加藤雅也 / 吉沢亮 / ふなっしー / 升毅 / 出川哲朗

30年の昏睡状態から目覚めてなお、刑事としてバディの亮太とコンビを組んで働く京極
そんなふたりがいる横浜中央署に人工知能を捜査に試験的に導入する話がもちかけられる

良くも4割、悪くも6割の古くさい内容で、「あのラストコップだから」という精神的補正あればこそな作品でした
TVシリーズではネタと登場人物のバカ騒ぎとアドリブのゆるさを楽しめたけど、さすがに劇場版だけあってシリアス要素も強い
ただ本当に人工知能と病というストーリーの古くささは感じずにいられず、そこをまっすぐな昭和刑事の京極という主人公らしいと前向きに観られるかどうかが重要かも
前半にレギュラーキャラとギャグを集中させ、本来の京極&亮太のバディものをしっかり描いてくれたのはよかった
画の作りもTVドラマそのものなため、話の展開ほどにスケールの大きさは感じられないのは残念でした
過度な悪ふざけは控えめで、TVシリーズのネタを繰り返すだけなので、はっちゃけっぷりを期待していると退屈するかもしれない

個人的評価:60点
オススメ度:エピローグが蛇足すぎる



ラストコップ THE MOVIE 予告