2017年12月31日日曜日

カンフー・ヨガ (2017/中・印)

監督:スタンリー・トン
出演:ジャッキー・チェン / アーリフ・リー / レイ / ソーヌー・スード / ディシャ・パタニ / アミラ・ダスツール / エリック・ツァン / チャン・グオリー / ムチミヤ

中国の考古学者ジャックをインドの女学者が訪ねてくる
そしてふたりは失われた伝説の財宝を探すことになる

本当に頭をからっぽにして観ていられる、楽しさだけに特化したジャッキーアドベンチャー映画でした
タイトルから子供だましなコメディ要素が強い印象がするけど、けっこうアクションもしっかりしていてガッカリ感はない
ロケーションとシチュエーションを変えて、常にコミカルなドタバタアクションが続き、笑い要素がいいアクセントになって飽きることはなかった
ジャッキーさんも年齢的にいい感じにハッスルアクションがはまってきてて、そして派手なアクロバティックは若手に任せ、作品的な見栄えも保たれている感じ
なにより楽しそうに体を動かしているジャッキーさんの姿を観ているだけで、こっちまで楽しい気持ちにさせてくれる一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:なにげに動物を愛護などっかの団体から苦情がきてもおかしくない気がする



カンフー・ヨガ 予告

2017年12月27日水曜日

8年越しの花嫁 奇跡の実話 (2017/日)

監督:瀬々敬久
出演:佐藤健 / 土屋太鳳 / 北村一輝 / 浜野謙太 / 中村ゆり / 堀部圭亮 / 古舘寛治 / 杉本哲太 / 薬師丸ひろ子

結婚目前の幸せな日々を過ごす尚志と麻衣
しかし、突然に麻衣は難病を患い昏睡状態におちいってしまうのだった

予告を観た時は「ああ、いつものアレか」という印象しかなかったけど、意外と評判がいいというので鑑賞
はたしてスイーツ要素もなく、難病もので泣かせるだけのインスタント感もない素敵なドラマでした
特に主人公の心の動きをあらわす演技が秀逸で、わざとらしさが薄いために「こういう場面になったら、こういう態度になっちゃうんだろうな」という自然さがいい
発病前、闘病中、リハビリ中、そしてその後と展開するストーリーは難病ものとひとくくりにするのはもったいない、見応えのある人間ドラマに満足
脇を固める渋い登場人物たちも良い人たちばかりながら、日常のリアル感でファンタジーくささなくてよかった

個人的評価:80点
オススメ度:色々と気を配った細かい演技指導があったんだろうな、と思わざるえない



8年越しの花嫁 奇跡の実話 予告

2017年12月24日日曜日

フラットライナーズ (2017/米)

監督:ニールス・アルデン・オプレブ
出演:エレン・ペイジ / ディエゴ・ルナ / ニーナ・ドブレフ / ジェームズ・ノートン / カーシー・クレモンズ / キーファー・サザーランド

医学生のコートニーは死後の脳の記憶について調べようと友人に実験の協力を求める
そして、その実験は自身で行い臨死体験をするのだった

オリジナル版は観たことあるけど、たぶんこんなにホラーよりの作品じゃなかった気がする
そんなホラー要素が濃くなった分、かなりエンターテインメント的に観やすくなり画面映えもいい感じになってる
けっこうもとの作品のストーリーがいいだけに、単純に臨死体験したらなんかホラーっぽい恐怖体験まですることになっちゃった、みたいな軽すぎないのもいい
はじめて観る人でも先がきになる展開に、自然と作品に引き込まれていくと思う
ただ、それら良い部分をすべて覆い隠すように地味ベールが作品全体を包み込んでしまっている感じ
特にキャストの華のなさが素人目にも分かり、教授以外のメインどころにもうひとり光る人がいれば良かったのにな、と思わざるえないザ・佳作臭がもったいない一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:許しをこう理由が自分本意すぎやしないか、と



フラットライナーズ 予告

2017年12月18日月曜日

DESTINY 鎌倉ものがたり (2017/日)

監督:山崎貴
出演:堺雅人 / 高畑充希 / 堤真一 / 安藤サクラ / 田中泯 / 中村玉緒 / 市川実日子 / ムロツヨシ / 要潤 / 大倉孝二 / 神戸浩 / 國村隼 / 古田新太 / 鶴田真由 / 薬師丸ひろ子 / 吉行和子 / 橋爪功 / 三浦友和

作家の一色正和のもとに嫁いできた亜紀子
しかしふたりが暮らす鎌倉は人ならざるものが共存する土地で、亜紀子は戸惑いをかくせないのだった

日常にひそむ妖怪と黄泉の国でバカ騒ぎ、という子供っぽい作品の印象を予告からは受けてたけど、実際の本編はけっこうゆったりまったり楽しめる内容でした
鎌倉の日常と人ならざるものたちの関係を、クライマックスに向けて準備運動のようにつづっていくためにトンデモ妖怪映画感がないのはよかった
一色夫婦のやりとりがいちいち微笑ましく、そこに妖怪のたぐいが話にアクセントをあたえるように絡んでくる日常がおもしろい
作品の盛り上げとして黄泉の国のあまりに現実離れしすぎている場面が必要だったんだろうけど、個人的には日常のドラマだけでじゅうぶんだった気がする
むしろ鎌倉編だけでよかった
クセのある役者さんが集まりつつも、その中にけっこう自然体な演技が多いので観ていても不快感がない
とにもかくにもあの予告が、観る前の観客に本編に対する悪い印象をすりこんでいると言わざるえない

個人的評価:70点
オススメ度:無理に今の日本のVFX技術を表現する要素を盛り込まんでもいいのに



DESTINY 鎌倉ものがたり 予告

オリエント急行殺人事件 (2017/米)

監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー / ジョニー・デップ / ミシェル・ファイファー / ジュディ・デンチ / ペネロペ・クルス / デイジー・リドリー / ウィレム・デフォー / ジョシュ・ギャッド / デレク・ジャコビ / レスリー・オドム・Jr. / マーワン・ケンザリ / オリビア・コールマン / ルーシー・ボーイントン / マヌエル・ガルシア=ルルフォ / セルゲイ・ポルーニン / トム・ベイトマン

名探偵とうたわれるポアロはオリエント急行に乗り、ロンドンへと戻ることになる
その道中、列車に乗り合わせた美術商から護衛の依頼を持ちかけられるのだった

名優を集めての名作のリメイク、ってことでしたが画になるシーンと娯楽要素、ドラマチックな演出で現代風な作りになってました
しょうじきミステリー要素は薄く、というよりオチを知っていた方が各役者さんの細かい演技が楽しめる
名優たちの競演と会話劇、というインパクトは大きいけど、さすがに慣れてくると流れるような台詞のBGMで睡魔がおそってくる
ポアロの性格の柔和化とか、アクションさせるとか賛否はあるかもしれないけど、これが現代風なんだと納得するしかないのかもしれない
ポアロや登場人物たち、それと美しい背景の画になる場面の印象は強いけど、作品としてもうひとつ強烈ななにかが足りないような気がしないでもない一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:これで初めてポアロにふれる人なら、その人柄からすんなり入り込めるかも



オリエント急行殺人事件 予告

2017年12月17日日曜日

スター・ウォーズ 最後のジェダイ (2017/米)

監督:ライアン・ジョンソン
出演:デイジー・リドリー / ジョン・ボヤーガ / アダム・ドライバー / オスカー・アイザック / マーク・ハミル / キャリー・フィッシャー / ルピタ・ニョンゴ / アンディ・サーキス / ドーナル・グリーソン / アンソニー・ダニエルズ / グウェンドリン・クリスティー / ケリー・マリー・トラン / ローラ・ダーン / ベニチオ・デル・トロ

帝国軍の猛攻の前に反乱軍は一矢を報いつつも被害甚大となる
そしてレイは最後のジェダイことルークに、己の中に目覚めたものについての対処をこうのだった

かなりうがった意見として、旧作を否定した内容だって言われても仕方ない気がしないでもない作品でした
個人的には新たな希望へとバトンをつなぐ話として楽しめたけど、思った以上に話が進まなくて残念
スターウォーズという大きな作品として、次へつなぐための序章その2ってスタンスな印象が強く正式なナンバリングタイトルの続編を観ている感は薄かった
クライマックスへ向かうために作品テーマの表明といろんなことの整理、時代の大きな流れより限定時間軸での地続きなエピソード7、8な作りとしてはこうなるのも仕方ないかもしれない
もちろん観ていてドキドキや気持ちが高ぶるシーンも多いけど、しょうじき冷ややかな目になってしまう部分の悪い印象が強すぎた
コミカルなシーンが多くて楽しく観られるけど、無駄にアドベンチャーしてた前作の方が万人受けしそう

個人的評価:70点
オススメ度:ルークさんの最初と最後の受ける印象の違いは良かった



スター・ウォーズ 最後のジェダイ 予告

2017年12月13日水曜日

婚約者の友人 (2016/仏・独)

監督:フランソワ・オゾン
出演:ピエール・ニネ / パウラ・ベーア / エルンスト・ストッツナー / アントン・フォン・ルケ / マリー・グルーバー / シリエル・クレール / ヨハン・フォン・ビューロー / アリス・ド・ランクザン

フランスとの戦争で婚約者フランツを亡くしたドイツ人のアンナ
ある日、フランツの墓に花を手向けていたフランス人男性のアドリアンと出会い話を聞くことになる

嘘と幸せがたまらないほどにせつなく、観ている側の心にじわじわとしみ入ってくる
婚約者を殺された女性が、その敵方だった男と関係を深めていくなかで、いまだ戦争を引きずる周囲から~というロマンスな物語かと思ったらそう単純でないのもおもしろい
話が進むにつれてアドリアンとアンナ、周囲の人たちの気持ちが明かされていく構成がすばらしく、そのはかなさに痛み酔いしれてしまう
ミステリーの部分もあくまで人の心に作用するところが大きく、なにかあっと言わせる謎を秘めているというより、それが明かされた時の登場人物の心のゆれ動きに見応えがある
いろいろと謎めいた部分がありながらも、けっきょくは愛の物語に流れるように帰結する切ない一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:列車見送りシーンのハンス父ちゃんのあんな笑顔を観たら、もう何も言えんわな



婚約者の友人 予告

2017年12月10日日曜日

パーティで女の子に話しかけるには (2017/英・米)

監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演:エル・ファニング / アレックス・シャープ / ルース・ウィルソン / マット・ルーカス / ニコール・キッドマン

パンクライブへ友人たちと乗り込んだエン
その帰り不思議な音楽に誘われて奇妙なパーティを行っている館へ足を踏み入れ、そこで気になる女性ザンと出会う

最高に笑えて最高にノリノリでちょっぴりジーンとさせられる、人には勧めづらいけど勧めたくなる映画でした
どこか古いイメージの宇宙人描写やMV風のシーン、それが今はかえって新しく新鮮に見える奇妙さがたまらない
思った以上に俗っぽくてアホな方向に振り切れてるけど、よくあるバカなだけのコメディじゃなくて中身もきちんとあるからおもしろい
音楽と青春のドラマとして、そしてラブストーリーとしての芯がしっかりしている感じ
主人公のエンとザンのパンクを通し、かみ合ってるようなそうでもないような不安定さが若さ弾ける青春ものっぽくていい
観ている間、ところどころで声をだして笑ってしまい、だけれどラストではちょっとやられる展開に良い気持ちで鑑賞できた一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:まあ、でもこの真面目な不真面目さが合わない人には合わないかも



パーティで女の子に話しかけるには 予告

2017年12月6日水曜日

エンドレス・ポエトリー (2016/仏・チリ・日)

監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:アダン・ホドロフスキー / パメラ・フローレス / ブロンティス・ホドロフスキー / レアンドロ・ターブ / イェレミアス・ハースコビッツ

両親とともにサンディエゴに移り住んできたアレハンドロ
変わらず抑圧的な父に悩まされる中、詩との出会いで詩人を目指すことになる

良い意味でさらに狂気じみた幻想的な作風に、次はどんなシーンが展開するのかと新鮮な驚きと笑いがない交ぜになる
そんな最初から飛ばしまくる予想できない場面の連続の奇抜さももちろん、主人公の成長の物語としても見応えあって楽しめた
観ていて「自分の普通ってなんだ」とアレハンドロの青春に疑問を抱きつつ、なんか作品に洗脳されそうなむずがゆさがなんともいえない
かなり詩的な表現が多く、なにを意味するのかと深く考察するほどにはまっていき、けっきょくは流れそのものに身を委ねているだけで満足になる
大事なところは監督みずから出演して語るので、本筋を見失うことなく雰囲気だけの内容になってないのもいい
特に前作から続くクセのある父との関係もいい感じで表現されていて、このほどよく狂った幻想に現実をねじ込んだ世界を次作でも堪能したい

個人的評価:85点
オススメ度:コントにおちるギリギリのコミカルさがたまらない



エンドレス・ポエトリー 予告

人生はシネマティック! (2016/英)

監督:ロネ・シェルフィグ
出演:ジェマ・アータートン / サム・クラフリン / ビル・ナイ / ジャック・ヒューストン / ヘレン・マックロリー / ポール・リッター / レイチェル・スターリング / リチャード・E・グラント / エディ・マーサン / ジェレミー・アイアンズ / ジェイク・レイシー

1940年、戦時下のロンドンで情報省映画局へ脚本家として雇われたカトリン
彼女はダンケルクで兵士を救った姉妹の話を聞き、映画にできないかと考える

映画製作ものであり、戦争ものであり、恋愛ものでもあり、様々な要素が観ている側を楽しませる最高の娯楽映画でした
けっこう粋なシャレがきいているシーンも多く、ニヤリとさせられる場面がちりばめられていておもしろい
演出的にここで感情をこっちに引き寄せておいて、ふいに別方向へ落としこむ、という手法が分かっていても言いなりに感情をコントロールされるのが心地いい
それぞれのキャラもみんな輝いていて、登場するすべての人物たちの行動や言動が生き生きしている
派手なアクションでスカっとする気持ちよさとは違う、映画としての本質部分で楽しませる娯楽作品に笑えてしんみりして幸せを味わえた一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:事実に基づかない版のダンケルクの方が個人的に好み



人生はシネマティック! 予告

2017年12月3日日曜日

探偵はBARにいる3 (2017/日)

監督:吉田照幸
出演:大泉洋 / 松田龍平 / 北川景子 / 前田敦子 / 鈴木砂羽 / リリー・フランキー / 田口トモロヲ / 志尊淳 / マギー / 安藤玉恵 / 正名僕蔵 / 篠井英介 / 松重豊 / 野間口徹 / 坂田聡 / 土平ドンペイ / 斎藤歩 / 前原滉 / 天山広吉 / 片桐竜次 / 今村美乃 / 栗山英樹

札幌のススキノにあるバーを拠点とする探偵と用心棒兼運転手の高田
ある日、高田が連れてきた後輩から人探しのありふれた依頼を受けるのだったが…

さすがに3作目だけあって各キャラの良さを最大限にいかしていて、その掛け合いが楽しい
内容じたいはよくあるヤクザがらみのトラブルで、ストーリーに新鮮味はないけどライトなタッチでテンポよく話が進んで飽きることはなかった
ドラマじたいに深みがあるようでそうでもなく、もうちょっと込み合ってぬかるんだ人間模様でドロドロなところがあってもよかった気がしないでもない
あとはオチの真相部分を懇切丁寧にすべて説明する演出は分かりやすいけど、そこは濁して雰囲気で余韻を残す方が個人的には好みかも
ハードな展開を装いつつ、軽すぎることなくライトに刹那的な楽しみを味わえるザ・普通な映画でした

個人的評価:75点
オススメ度:うにいくら丼ならしかたないな



探偵はBARにいる3 予告