はい、もう10月も終わりですよ
さて明日に備えて寝るか
と、普通に思ってたら今月の一本を選ぶのを思い出して急にPCを立ち上げた、なんて恥ずかしくてぜったいここには書けませんね
そんなわけで、眠いから…じゃなくて、くどくどやるのもアレなんでてっとりばやくいっちゃうと、今月はやっぱり「スラムドッグ$ミリオネア」で決まりでしょう
ありきたりですけど、やっぱり世間様の評判通り普通に完成度が高い作品
エンディングのアレは人によっては「なんじゃそりゃ」って感じでしょうけど、個人的にはひじょうにバカっぽくてグッド
それ以外でも「引き出しの中のラブレター」は泣きたい時に見るには最適、「THIS IS IT」もマイケルのアンチじゃない人ならそれほど知らなくても十分に楽しめる作品でしたね
そんなことより、どうにも家で観る映画の本数が減ってるのはどうにかしたいな
ちょっと低くなってきた積みDVDタワーが再び高々と…
2009年10月31日土曜日
2009年10月30日金曜日
マイケル・ジャクソン THIS IS IT (2009/米)
監督:ケニー・オルテガ
出演:マイケル・ジャクソン
2009年夏、行われる予定だったマイケル・ジャクソンのライブパフォーマンス「THIS IS IT」
その本番に向けてのリハーサル映像と舞台裏にあわせて、MJの歌声が響く
個人的にマイケルというと、アホな子のワイドショー脳的なイメージで色物、スキャンル、奇行、過去の人、マイケル・ジャクソン(笑)みたいなところがありました
出演作品にしても「ネバーランディングストーリー」のエージェントMJ役くらいしかしらないですし
はっきりいってマイケルの楽曲なんてほとんど知らずに観たんですが、なんか分からないけどすっごいおもしろかった
というか、今までそんな色眼鏡で見てた自分を殴りたくなった
アーティストとしてのマイケルが描かれてるわけですが、その発想、情熱、歌声、人柄、こんなにすごい人だったんだなあと分かりましたね
構成的には楽曲リハーサルと舞台裏でできてるんですが、この「THIS IS IT」に関係ない映像は極力排除してあります
過去をさかのぼって「こんな人なんです」とか、評論家なんかの文化人にインタビューするのもありませんし、その死に関してもいっさいふれません
あくまでもこの舞台に関することのみで作られてます
しかも長い舞台裏の描写と、くどい関係者の裏話の合間にちょこちょこ歌が入る・・・のではなく、マイケルの歌がメインの合間にちょこちょこと舞台裏のシーンが入る感じ
こういう作りにしてみても本当にこの映画をやろうと思った作り手のマイケル愛はすごいなあ、と
未完成ながらも「おお!」と思えるダンスと仕掛け、映像とともにじっくりと楽曲を楽しめばいいじゃない的な感じ
作りも本当に丁寧でただ曲を垂れ流すだけでもなく、長々と舞台裏を見せるでもなく、ひじょうにバランスよく飽きさせないような構成で作られてる印象がありましたね
ただひとつだけ、仕方ないかもしれないですが、終盤がじゃっかん曲の垂れ流しぎみな感じになってる気がしたのは残念
まあ、最初からこんな映画を撮ろうと思って記録してたんじゃなく、本番を後々にソフト化した時の映像特典ていどの舞台裏の風景を撮ってるだけだったろうから、おのずと使えるカットが限られるんでしょうね
そこら辺の事情だと思うんだけど、だんだんと作り手の苦労がわかるくらいに仕方なくじゃっかん間延びしてるシーンがちらほら
シンプルに映画としてまとめるには映像ソースの足らない曲を削るしかない
でも、この曲は削りたくない
そんなジレンマがありつつも映像的にちょっと間延びしても曲をとったって感じ
しかし、ここまで作り手の心情とかがフィルムにのっかってる映画も珍しい気がしますね
そんな感じで、ファンはもちろん、自分と同じように色眼鏡でマイケルを見てた人も楽しめる、単なるつぎはぎ集金映画じゃなかった一本でした
ちなみに、帰りに普通にサントラ買いました
個人的に初マイケルCD購入
個人的評価:90点
オススメ度:怒ってるんじゃないよ。愛なんだ
マイケル・ジャクソン THIS IS IT 予告
出演:マイケル・ジャクソン
2009年夏、行われる予定だったマイケル・ジャクソンのライブパフォーマンス「THIS IS IT」
その本番に向けてのリハーサル映像と舞台裏にあわせて、MJの歌声が響く
個人的にマイケルというと、アホな子のワイドショー脳的なイメージで色物、スキャンル、奇行、過去の人、マイケル・ジャクソン(笑)みたいなところがありました
出演作品にしても「ネバーランディングストーリー」のエージェントMJ役くらいしかしらないですし
はっきりいってマイケルの楽曲なんてほとんど知らずに観たんですが、なんか分からないけどすっごいおもしろかった
というか、今までそんな色眼鏡で見てた自分を殴りたくなった
アーティストとしてのマイケルが描かれてるわけですが、その発想、情熱、歌声、人柄、こんなにすごい人だったんだなあと分かりましたね
構成的には楽曲リハーサルと舞台裏でできてるんですが、この「THIS IS IT」に関係ない映像は極力排除してあります
過去をさかのぼって「こんな人なんです」とか、評論家なんかの文化人にインタビューするのもありませんし、その死に関してもいっさいふれません
あくまでもこの舞台に関することのみで作られてます
しかも長い舞台裏の描写と、くどい関係者の裏話の合間にちょこちょこ歌が入る・・・のではなく、マイケルの歌がメインの合間にちょこちょこと舞台裏のシーンが入る感じ
こういう作りにしてみても本当にこの映画をやろうと思った作り手のマイケル愛はすごいなあ、と
未完成ながらも「おお!」と思えるダンスと仕掛け、映像とともにじっくりと楽曲を楽しめばいいじゃない的な感じ
作りも本当に丁寧でただ曲を垂れ流すだけでもなく、長々と舞台裏を見せるでもなく、ひじょうにバランスよく飽きさせないような構成で作られてる印象がありましたね
ただひとつだけ、仕方ないかもしれないですが、終盤がじゃっかん曲の垂れ流しぎみな感じになってる気がしたのは残念
まあ、最初からこんな映画を撮ろうと思って記録してたんじゃなく、本番を後々にソフト化した時の映像特典ていどの舞台裏の風景を撮ってるだけだったろうから、おのずと使えるカットが限られるんでしょうね
そこら辺の事情だと思うんだけど、だんだんと作り手の苦労がわかるくらいに仕方なくじゃっかん間延びしてるシーンがちらほら
シンプルに映画としてまとめるには映像ソースの足らない曲を削るしかない
でも、この曲は削りたくない
そんなジレンマがありつつも映像的にちょっと間延びしても曲をとったって感じ
しかし、ここまで作り手の心情とかがフィルムにのっかってる映画も珍しい気がしますね
そんな感じで、ファンはもちろん、自分と同じように色眼鏡でマイケルを見てた人も楽しめる、単なるつぎはぎ集金映画じゃなかった一本でした
ちなみに、帰りに普通にサントラ買いました
個人的に初マイケルCD購入
個人的評価:90点
オススメ度:怒ってるんじゃないよ。愛なんだ
マイケル・ジャクソン THIS IS IT 予告
2009年10月25日日曜日
沈まぬ太陽 (2009/日)
監督:若松節朗
出演:渡辺謙 / 三浦友和 / 松雪泰子 / 鈴木京香 / 石坂浩二 / 香川照之 / 木村多江 / 清水美沙 / 鶴田真由 / 柏原崇 / 戸田恵梨香 / 大杉漣 / 西村雅彦 / 柴俊夫 / 風間トオル / 山田辰夫 / 菅田俊 / 蟹江一平 / 桂南光 / 秋野暢子 / 松下奈緒 / 品川徹 / 矢島健一 / 田中健 / 渡辺いっけい / 小日向文世 / 神山繁 / 草笛光子 / 宇津井健 / 小林稔侍 / 加藤剛
まっすぐで信念を貫く不器用な男、恩地
国民航空に勤める彼に、墜落した航空機の遺族の世話係が言いつけられる
なにげに観にいったら3時間半とかびっくりする上映時間だったわけですが
きゅうきょ準備万端で鑑賞にのぞんだものの、やはりというかなんというか前半終わりで10分の休憩がありましたね
しかもトイレ休憩で外にでると、商魂たくましく入り口そばで飲食物を臨時で販売してるサービスぶり
なんてことは別にして、この映画は一言でいうと「微妙」というのが一番適切かもしれません
長い尺でありながら、いっさいだれることなくあっと言う間にラストまで観れます
役者陣もすっごい豪華で、それでいてそれぞれが役にマッチしてるんでまったく違和感なく観ていられます
内容的には前半が飛行機事故と遺族の話を軸に、航空会社のどろどろとした内情を主人公がこれまでうけてきた会社からの厳しい仕打ちを展開する感じ
後半は事故から会社を再建するために新しいトップとともに見初められた主人公が、旧体制派の妨害工作を受けながらも会社のためにがんばるみたいな
まじめすぎる一生懸命さが仇になって目の上のたんこぶ的な存在になってしまった主人公の連続海外赴任
会社の誠意ないころころとかわる態度、信じていた者の裏切り、家族を泣かせながらもそれでも「辞める」という「逃げ」の選択をしない主人公の男っぷりにはマジで共感できます
それゆえにナイロビ編の終盤の乱射シーンとかグッとくるものが
個人的には主人公のもっと感情的なところが見たかったんですが、あえてそういうことをしない生きざまもそれはそれで
そんな感じでひじょうに楽しめるこの作品なんですが、決定的な違和感があるんですよ
いいシーンにいい音楽、役者のたかぶり、とジーンとくる要素が満点な場面でも不思議と観てる方は「ふーん」的な感じで引いてる感情があるんですよね
それが最初から最後まで続きます
押さえた演技に押さえた演出の大人向け映画といえばそれまでですが、そんなことだけじゃすまない決定力のなさがある気がしますね
おもしろい、たしかにおもしろいけど、これっていうパンチ力がない
平均的におもしろい優等生作品ゆえに、逆に突き抜けたおもしろみがない
見る者の魂をもふるわせる有名アーティストの作品、そのレプリカを見てる感覚に似てるかもしれません
根本的なところは悪くない、けど「いいね」と思うその先に感じるものがない
ラストシーンも言わんとしてることはよく分かるし、これまでの展開を受けたゆえのその構成にも納得できるけど、びっくりするほど見終わった後の充足感がないのはどうか
さらに話的にも終盤に会社の二つの不正問題がでてくるんですが、いちおうの決着はしつつも、その決着の付き方がイマイチすっきりしない
差額の450万ドルうんぬんとか、実はこうしてこうなってこいつがアレしてとか、もっと大仰でもいいから、スパっと解決してほしかった
なんか途中の行程をすっとばして解決してる気がしたもので
あとは主人公の海外赴任エピソードで、もっと現地人となかよくなる課程もあった方がよかった気がしないでもなかったですね
というわけで、結局のところ「おもしろいテレビドラマスペシャルだったなあ」という印象な一本でした
個人的評価:60点
オススメ度:わざわざ映画でやる意味があったのかどうか
沈まぬ太陽 予告
出演:渡辺謙 / 三浦友和 / 松雪泰子 / 鈴木京香 / 石坂浩二 / 香川照之 / 木村多江 / 清水美沙 / 鶴田真由 / 柏原崇 / 戸田恵梨香 / 大杉漣 / 西村雅彦 / 柴俊夫 / 風間トオル / 山田辰夫 / 菅田俊 / 蟹江一平 / 桂南光 / 秋野暢子 / 松下奈緒 / 品川徹 / 矢島健一 / 田中健 / 渡辺いっけい / 小日向文世 / 神山繁 / 草笛光子 / 宇津井健 / 小林稔侍 / 加藤剛
まっすぐで信念を貫く不器用な男、恩地
国民航空に勤める彼に、墜落した航空機の遺族の世話係が言いつけられる
なにげに観にいったら3時間半とかびっくりする上映時間だったわけですが
きゅうきょ準備万端で鑑賞にのぞんだものの、やはりというかなんというか前半終わりで10分の休憩がありましたね
しかもトイレ休憩で外にでると、商魂たくましく入り口そばで飲食物を臨時で販売してるサービスぶり
なんてことは別にして、この映画は一言でいうと「微妙」というのが一番適切かもしれません
長い尺でありながら、いっさいだれることなくあっと言う間にラストまで観れます
役者陣もすっごい豪華で、それでいてそれぞれが役にマッチしてるんでまったく違和感なく観ていられます
内容的には前半が飛行機事故と遺族の話を軸に、航空会社のどろどろとした内情を主人公がこれまでうけてきた会社からの厳しい仕打ちを展開する感じ
後半は事故から会社を再建するために新しいトップとともに見初められた主人公が、旧体制派の妨害工作を受けながらも会社のためにがんばるみたいな
まじめすぎる一生懸命さが仇になって目の上のたんこぶ的な存在になってしまった主人公の連続海外赴任
会社の誠意ないころころとかわる態度、信じていた者の裏切り、家族を泣かせながらもそれでも「辞める」という「逃げ」の選択をしない主人公の男っぷりにはマジで共感できます
それゆえにナイロビ編の終盤の乱射シーンとかグッとくるものが
個人的には主人公のもっと感情的なところが見たかったんですが、あえてそういうことをしない生きざまもそれはそれで
そんな感じでひじょうに楽しめるこの作品なんですが、決定的な違和感があるんですよ
いいシーンにいい音楽、役者のたかぶり、とジーンとくる要素が満点な場面でも不思議と観てる方は「ふーん」的な感じで引いてる感情があるんですよね
それが最初から最後まで続きます
押さえた演技に押さえた演出の大人向け映画といえばそれまでですが、そんなことだけじゃすまない決定力のなさがある気がしますね
おもしろい、たしかにおもしろいけど、これっていうパンチ力がない
平均的におもしろい優等生作品ゆえに、逆に突き抜けたおもしろみがない
見る者の魂をもふるわせる有名アーティストの作品、そのレプリカを見てる感覚に似てるかもしれません
根本的なところは悪くない、けど「いいね」と思うその先に感じるものがない
ラストシーンも言わんとしてることはよく分かるし、これまでの展開を受けたゆえのその構成にも納得できるけど、びっくりするほど見終わった後の充足感がないのはどうか
さらに話的にも終盤に会社の二つの不正問題がでてくるんですが、いちおうの決着はしつつも、その決着の付き方がイマイチすっきりしない
差額の450万ドルうんぬんとか、実はこうしてこうなってこいつがアレしてとか、もっと大仰でもいいから、スパっと解決してほしかった
なんか途中の行程をすっとばして解決してる気がしたもので
あとは主人公の海外赴任エピソードで、もっと現地人となかよくなる課程もあった方がよかった気がしないでもなかったですね
というわけで、結局のところ「おもしろいテレビドラマスペシャルだったなあ」という印象な一本でした
個人的評価:60点
オススメ度:わざわざ映画でやる意味があったのかどうか
沈まぬ太陽 予告
2009年10月23日金曜日
引き出しの中のラブレター (2009/日)
監督:三城真一
出演:常盤貴子 / 林遣都 / 中島知子 / 岩尾望 / 竹財輝之助 / 萩原聖人 / 本上まなみ / 吹越満 / 六平直政 / 水沢奈子 / 伊東四朗 / 片岡鶴太郎 / 西郷輝彦 / 豊原功補 / 八千草薫 / 仲代達矢
東京のFM局でパーソナリティをつとめる真生(まお)
自身も悩みを抱えながらも番組に寄せられた悩みに台本通りに答えていく中、今日も一通の相談の手紙が届く
この「引き出しの中のラブレター」ってかなりタイトルで損してるなあ
自分も最初は照れて言葉にできない男女間のちょっといい話を、ラジオ番組で紹介する形式でオムニバスにやっていく内容だと思ってましたね
というか、ふつうこのタイトルならそう思っても不思議じゃない気がしないでもない
でも実際は、そんな若者むけなイチャイチャチュッチュなラブロマンスじゃなく、どっちかといえばビジネスマン向けないやし映画ですね
内容的には親と子の愛みたいな感じで、おじいちゃんと父親の確執に悩む息子のエピソードを軸に、ヒロインの真生が自分の悩みとも四苦八苦しながら前に進んでいくみたいな感じ
さらにラジオ番組を聞いてくれている悩みを抱えたリスナーたちのエピソードをちりばめ、じょじょにすべてがつながっていくという作り
とにかく泣かせることに特化した日本人向けの泣き映画
「私の中のあなた」も泣けんことはないが、当然といえば当然だけどやっぱり邦画の役者の演技、言葉、間、音楽には「泣き」の一点ではこっちの方が上
各エピソードもすっごいストレートで分かりやすい良い話だけど、ちょっとだけ変化球があって楽しい
そんなちょっとした変化球があるなしではマジでこの映画の評価は変わったかもしれません
全体的に丁寧に作られてる印象で、「泣かせ」の演出もすっごい気持ちよく泣かせてくれる
泣かせシーンも連続というより、ちゃんとタイミングと間隔が計算し尽くされてる感じで、中盤あたりからポツポツといい感じで泣かせシーンが入るのがいい
クライマックス一発勝負の泣き映画とはちょっと違いましたね
ヒロイン系や函館エピソードもいいんですが、個人的には妊婦エピソードが一番よかったかな
かなりご都合主義の展開だけど、そこはそこで映画として楽しめばいいじゃない、と
母親と娘の関係ってしょうじき経験として知らないけど、こういう母親、娘、孫とつながっていく様子は見ててほほえましいですね
あとはボンボンのエピソードで、医者でありながら結婚相手に悩み、スーツ姿で橋の欄干から叫ぶシーンは、後々にいきてて「このシーンは、そういうことだったのか」と終盤で分かるわけです
個人的に、何気ない演出が実はあとで「あの時のアレにはこんな意味があったのか」という作りは大好きですね
そしてクライマックスもかなり好みな展開
おじいちゃんの話のまとめ方がほんとにいいわあ
不器用なおじいちゃんの言動、行動が日本人的にジーンとこざるえない
こんな感情がおとろえたおっさんが見ても良い話だと感じるんだから、よくできてるなあと
でもオムニバス風ってことで、やはり全部が全部いいなあ、と思えないところもあるにはあります
タクシーの運転手エピソードがちょっと個人的にはイマイチ
運ちゃんの話のまとめで流れる曲は良い曲だけど、じゃっかん気持ちが盛り上がらない
まあ、エピローグの「きちゃった」からして、この運ちゃん関係はわざと軽いコメディタッチに描いてるんでしょうが
それとは別に函館話のお父さんの泣きシーンがどうも個人的にぐっとこなかったですね
なんというか、ダメな泣き映画の典型を見てる感じがして
と、この秋の新作映画ラッシュの中、配給会社のCM合戦からみても話題作の陰に隠れてるこの映画ですが、そんな話題作よりも実は地味におもしろい作品な気がしました
かなり秋にゆったりと観るのに最適な一本でしたね
個人的評価:80点
おすすめ度:みんなハッピー、これでいい
引き出しの中のラブレター 予告
出演:常盤貴子 / 林遣都 / 中島知子 / 岩尾望 / 竹財輝之助 / 萩原聖人 / 本上まなみ / 吹越満 / 六平直政 / 水沢奈子 / 伊東四朗 / 片岡鶴太郎 / 西郷輝彦 / 豊原功補 / 八千草薫 / 仲代達矢
東京のFM局でパーソナリティをつとめる真生(まお)
自身も悩みを抱えながらも番組に寄せられた悩みに台本通りに答えていく中、今日も一通の相談の手紙が届く
この「引き出しの中のラブレター」ってかなりタイトルで損してるなあ
自分も最初は照れて言葉にできない男女間のちょっといい話を、ラジオ番組で紹介する形式でオムニバスにやっていく内容だと思ってましたね
というか、ふつうこのタイトルならそう思っても不思議じゃない気がしないでもない
でも実際は、そんな若者むけなイチャイチャチュッチュなラブロマンスじゃなく、どっちかといえばビジネスマン向けないやし映画ですね
内容的には親と子の愛みたいな感じで、おじいちゃんと父親の確執に悩む息子のエピソードを軸に、ヒロインの真生が自分の悩みとも四苦八苦しながら前に進んでいくみたいな感じ
さらにラジオ番組を聞いてくれている悩みを抱えたリスナーたちのエピソードをちりばめ、じょじょにすべてがつながっていくという作り
とにかく泣かせることに特化した日本人向けの泣き映画
「私の中のあなた」も泣けんことはないが、当然といえば当然だけどやっぱり邦画の役者の演技、言葉、間、音楽には「泣き」の一点ではこっちの方が上
各エピソードもすっごいストレートで分かりやすい良い話だけど、ちょっとだけ変化球があって楽しい
そんなちょっとした変化球があるなしではマジでこの映画の評価は変わったかもしれません
全体的に丁寧に作られてる印象で、「泣かせ」の演出もすっごい気持ちよく泣かせてくれる
泣かせシーンも連続というより、ちゃんとタイミングと間隔が計算し尽くされてる感じで、中盤あたりからポツポツといい感じで泣かせシーンが入るのがいい
クライマックス一発勝負の泣き映画とはちょっと違いましたね
ヒロイン系や函館エピソードもいいんですが、個人的には妊婦エピソードが一番よかったかな
かなりご都合主義の展開だけど、そこはそこで映画として楽しめばいいじゃない、と
母親と娘の関係ってしょうじき経験として知らないけど、こういう母親、娘、孫とつながっていく様子は見ててほほえましいですね
あとはボンボンのエピソードで、医者でありながら結婚相手に悩み、スーツ姿で橋の欄干から叫ぶシーンは、後々にいきてて「このシーンは、そういうことだったのか」と終盤で分かるわけです
個人的に、何気ない演出が実はあとで「あの時のアレにはこんな意味があったのか」という作りは大好きですね
そしてクライマックスもかなり好みな展開
おじいちゃんの話のまとめ方がほんとにいいわあ
不器用なおじいちゃんの言動、行動が日本人的にジーンとこざるえない
こんな感情がおとろえたおっさんが見ても良い話だと感じるんだから、よくできてるなあと
でもオムニバス風ってことで、やはり全部が全部いいなあ、と思えないところもあるにはあります
タクシーの運転手エピソードがちょっと個人的にはイマイチ
運ちゃんの話のまとめで流れる曲は良い曲だけど、じゃっかん気持ちが盛り上がらない
まあ、エピローグの「きちゃった」からして、この運ちゃん関係はわざと軽いコメディタッチに描いてるんでしょうが
それとは別に函館話のお父さんの泣きシーンがどうも個人的にぐっとこなかったですね
なんというか、ダメな泣き映画の典型を見てる感じがして
と、この秋の新作映画ラッシュの中、配給会社のCM合戦からみても話題作の陰に隠れてるこの映画ですが、そんな話題作よりも実は地味におもしろい作品な気がしました
かなり秋にゆったりと観るのに最適な一本でしたね
個人的評価:80点
おすすめ度:みんなハッピー、これでいい
引き出しの中のラブレター 予告
2009年10月20日火曜日
ヴァンパイア侍 (2005/米)
監督:ジェフ・センタウリ / サイモン・センタウリ
出演:ショナ・ジェイソン / エイドリアン・ズメッド / ジェームズ・リュー / ローレンス・ドンズ
戦国時代の日本、西洋から攻めてきたヴァンパイア軍によって血を吸われてしまった女、シラ
しかしシラは完全に吸血鬼化するまえに切腹、その結果、人と吸血鬼の中間的な存在として彼女は蘇り、ヴァンパイアを滅ぼすための剣技を学ぶのだった
いやしのクソ映画って人として必要だと思うんだ、僕
そんなわけで誰が見てもB級の底辺に位置するのが分かりやすいほどにわかるタイトルの「ヴァンパイア侍」です
米国人たちの侍・忍者に対する誇大妄想は毎度のことながら頭が下がるが、しょうじきそんな勘違いっぷりが素敵で大好きだ
ヒロインのシラ役の人はよく知らんけど、どうひいき目に見てもおばちゃんすぎるだろ
まあ、セクシーっちゃあセクシーな体してるけど、おばちゃんであることは否定できない
いや、ほら、もっと若いヤングな美少女レディ的なのをヒロインにするのが王道だろ
というか、B級映画の鉄則として、登場人物の一人(主にヒロイン)は必ずナイスバディで場違いなほどきれいなおねえちゃんを起用するってのを忘れてはいけないだろ、と
それはそれとして、そんなヒロイン以外の登場人物もみごとなまでに華がなさすぎて、「ああ、今、おれB級映画見てるなあ」と心にしみます
展開的には現代のロサンゼルスで不死の体ゆえにずっと戦い続けてきたシラが、過去の出来事を途中にはさみながら、敵のボスにせまっていくという感じ
クソ映画のわりにはほどほどの脚本だとは思うけど、こんなのをよしとする自分の感性に疑問を持った方がいいかもしれないと自己啓発
冒頭からシラが通りすがりに雑魚ヴァンパイアを片づけ、そいつらがもっていた手がかりからとあるナイトクラブに潜入するんですが、いきなりそこが敵の本拠地で普通にラスボスが出てきた時は画期的というか、底の浅さに感心した
さすがにいったん退却してそこで話は終わらないですけどね
過去話をはさみつつ、ヴァンパイア化してしまったシラの剣術の師匠と対決したりと丁寧なのか時間稼ぎなのか、おそらく後者だろう話の運びは嫌いじゃないですね
というか、なんで過去に死んだシラのダンナを現代で再登場させなかったのか疑問でしかたない
とうぜんヴァンパイア化しながらも、影ながらシラを見守り続けていたダンナがピンチの場面でさっそうと忍者スタイルで現れると信じてたのに
そんな細かい所で残念な部分はありますが、おまえはいったいこの映画に何を期待しているんだと言われればそれまでな話
で、まあ、いろいろあって、ラスボスがシラの人とヴァンパイアの中間的存在であるところに目をつけて、シラに自分の子供を産ませて昼間でも活動できるヴァンパイア「デイウォーカー」を作り出そうとするんですね
結局、ラスボスはシラをレイプして腹から受精卵を摘出、人工育成器で目的を達そうとしてた所を、シラとの気怠いラストバトルを繰り広げつつあっさりと陽の光で昇天&エンド
ていうか、全体的に殺陣があまりにひどすぎて笑えるレベルにも達してないのはどうか
マジで子供のお遊戯レベルの殺陣に「もうちょっと本気だそうぜ!」と言わざるえない
でも終盤に出てくるラスボスの部下の赤コートの動きはプロですね
赤コートの人だけ別次元と思える動きで驚いた
たぶん、言うほどすごい動きじゃないけど、周りがひどすぎるから上手く見えたがけだと思うけどね!
そんなこんなで平日の夜ははまったりとクソ映画にかぎりますね
ちなみにここでいうクソ映画は褒め言葉的な意味です
頭から尻尾までゆるぎない信念をもって貫いている本物の尊敬すべきクソ映画
「クヒオ大佐」のようなクソ映画というは別の存在です
個人的評価:40点
オススメ度:がんばるおばちゃん、乳も見せるよ!
ヴァンパイア侍 予告
出演:ショナ・ジェイソン / エイドリアン・ズメッド / ジェームズ・リュー / ローレンス・ドンズ
戦国時代の日本、西洋から攻めてきたヴァンパイア軍によって血を吸われてしまった女、シラ
しかしシラは完全に吸血鬼化するまえに切腹、その結果、人と吸血鬼の中間的な存在として彼女は蘇り、ヴァンパイアを滅ぼすための剣技を学ぶのだった
いやしのクソ映画って人として必要だと思うんだ、僕
そんなわけで誰が見てもB級の底辺に位置するのが分かりやすいほどにわかるタイトルの「ヴァンパイア侍」です
米国人たちの侍・忍者に対する誇大妄想は毎度のことながら頭が下がるが、しょうじきそんな勘違いっぷりが素敵で大好きだ
ヒロインのシラ役の人はよく知らんけど、どうひいき目に見てもおばちゃんすぎるだろ
まあ、セクシーっちゃあセクシーな体してるけど、おばちゃんであることは否定できない
いや、ほら、もっと若いヤングな美少女レディ的なのをヒロインにするのが王道だろ
というか、B級映画の鉄則として、登場人物の一人(主にヒロイン)は必ずナイスバディで場違いなほどきれいなおねえちゃんを起用するってのを忘れてはいけないだろ、と
それはそれとして、そんなヒロイン以外の登場人物もみごとなまでに華がなさすぎて、「ああ、今、おれB級映画見てるなあ」と心にしみます
展開的には現代のロサンゼルスで不死の体ゆえにずっと戦い続けてきたシラが、過去の出来事を途中にはさみながら、敵のボスにせまっていくという感じ
クソ映画のわりにはほどほどの脚本だとは思うけど、こんなのをよしとする自分の感性に疑問を持った方がいいかもしれないと自己啓発
冒頭からシラが通りすがりに雑魚ヴァンパイアを片づけ、そいつらがもっていた手がかりからとあるナイトクラブに潜入するんですが、いきなりそこが敵の本拠地で普通にラスボスが出てきた時は画期的というか、底の浅さに感心した
さすがにいったん退却してそこで話は終わらないですけどね
過去話をはさみつつ、ヴァンパイア化してしまったシラの剣術の師匠と対決したりと丁寧なのか時間稼ぎなのか、おそらく後者だろう話の運びは嫌いじゃないですね
というか、なんで過去に死んだシラのダンナを現代で再登場させなかったのか疑問でしかたない
とうぜんヴァンパイア化しながらも、影ながらシラを見守り続けていたダンナがピンチの場面でさっそうと忍者スタイルで現れると信じてたのに
そんな細かい所で残念な部分はありますが、おまえはいったいこの映画に何を期待しているんだと言われればそれまでな話
で、まあ、いろいろあって、ラスボスがシラの人とヴァンパイアの中間的存在であるところに目をつけて、シラに自分の子供を産ませて昼間でも活動できるヴァンパイア「デイウォーカー」を作り出そうとするんですね
結局、ラスボスはシラをレイプして腹から受精卵を摘出、人工育成器で目的を達そうとしてた所を、シラとの気怠いラストバトルを繰り広げつつあっさりと陽の光で昇天&エンド
ていうか、全体的に殺陣があまりにひどすぎて笑えるレベルにも達してないのはどうか
マジで子供のお遊戯レベルの殺陣に「もうちょっと本気だそうぜ!」と言わざるえない
でも終盤に出てくるラスボスの部下の赤コートの動きはプロですね
赤コートの人だけ別次元と思える動きで驚いた
たぶん、言うほどすごい動きじゃないけど、周りがひどすぎるから上手く見えたがけだと思うけどね!
そんなこんなで平日の夜ははまったりとクソ映画にかぎりますね
ちなみにここでいうクソ映画は褒め言葉的な意味です
頭から尻尾までゆるぎない信念をもって貫いている本物の尊敬すべきクソ映画
「クヒオ大佐」のようなクソ映画というは別の存在です
個人的評価:40点
オススメ度:がんばるおばちゃん、乳も見せるよ!
ヴァンパイア侍 予告
2009年10月16日金曜日
クヒオ大佐 (2009/日)
監督:吉田大八
出演:堺雅人 / 松雪泰子 / 満島ひかり / 中村優子 / 新井浩文 / 児嶋一哉 / 高橋幸一 / 内野聖陽 / 大河内浩 / 品川徹 / 古舘寛治 / 石川真希
自称米国海軍所属のパイロット、ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐
どう見ても日本人の謎の男クヒオ大佐は、次々と心のすきがある女性に近づいていくのだった
コメディ大好きな自分としてはかなり期待して観にいった作品
でも、なんというか、もうこのさいだからいきなりネタバレしていくけど、クヒオ大佐は実は詐欺師じゃなく、女性たちも騙されながらも最後はみんなハッピーになる・・・なんて映画じゃねえから、これ
結婚詐欺してるように見えて、実は内に隠した目的のために行動する裏のある詐欺師クヒオ大佐
というのを期待してたし、冒頭から単なる詐欺映画じゃないかもと思わせといて、実際は普通のどうしようもない結婚詐欺師でしかなかった現実
ある意味で観てて裏切られたわ
いや、でもこれかなり名作になる要素を秘めてるだけに、マジでもうちょっとクヒオ大佐の正体関連をひねれなかったものか
「アフタースクール」みたいに観てる方を心地よくミスリードしつつ、「え?単なる詐欺師じゃないの?」という展開がほしかった・・・かなり切実に
それができないなら、もっと馬鹿馬鹿しさに特化した、軽いコメディ作品にすべきかと思うんですが
中途半端に思わせぶりな作りで、さすがに裏になにかあるだろうと思わせる展開しておいてこれだ
そこがこの作品の狙い目だったのかもしれないが、やっちゃいけない裏切りと感じましたね
最初からこんなきつく言うのも、ラストのオチ以外が本当におもしろかったからです
間やテンポ、笑いどころ、なるほどと思うところ、シリアスに展開するところ、すべてにおいてバランスがよくて、かなり上質なコメディなんですよね
特にクヒオ大佐の正体がうっかりバレぎみになった中盤からが本当におもしろい
なんだかつかみ所のないクヒオ大佐の行動やリアクション、背筋を伸ばして後ろ手を組む「大佐ポーズ」も素敵すぎる
特に全裸で大佐ポーズとか、最初の腕立てもどきとか、電話とか待ち合わせの繰り返しネタとか笑いっぱなし
ラストもクヒオ大佐の生い立ち語り、そこから心中までの流れはよかったんですが、最後の最後で「は?」って言うしかないおいてけぼりの一連の流れがすべて台無しに
というか第一部とかもっと関わってこいよ、と
けっこうコメディに関しては許容できる私ですが、さすがにこのラストの流れはみんな怒っていいレベル
それまで良作の展開だったのに、いっきに凡作以下に落としたオチの付け方は最悪としか言いようがないですね
原作があるんだかなんだか知らないけど、ここまで期待を裏切られたのは久しぶりでした
個人的評価:30点
おすすめ度:こんな映画のことは忘れて空でも見るか
クヒオ大佐 予告
出演:堺雅人 / 松雪泰子 / 満島ひかり / 中村優子 / 新井浩文 / 児嶋一哉 / 高橋幸一 / 内野聖陽 / 大河内浩 / 品川徹 / 古舘寛治 / 石川真希
自称米国海軍所属のパイロット、ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐
どう見ても日本人の謎の男クヒオ大佐は、次々と心のすきがある女性に近づいていくのだった
コメディ大好きな自分としてはかなり期待して観にいった作品
でも、なんというか、もうこのさいだからいきなりネタバレしていくけど、クヒオ大佐は実は詐欺師じゃなく、女性たちも騙されながらも最後はみんなハッピーになる・・・なんて映画じゃねえから、これ
結婚詐欺してるように見えて、実は内に隠した目的のために行動する裏のある詐欺師クヒオ大佐
というのを期待してたし、冒頭から単なる詐欺映画じゃないかもと思わせといて、実際は普通のどうしようもない結婚詐欺師でしかなかった現実
ある意味で観てて裏切られたわ
いや、でもこれかなり名作になる要素を秘めてるだけに、マジでもうちょっとクヒオ大佐の正体関連をひねれなかったものか
「アフタースクール」みたいに観てる方を心地よくミスリードしつつ、「え?単なる詐欺師じゃないの?」という展開がほしかった・・・かなり切実に
それができないなら、もっと馬鹿馬鹿しさに特化した、軽いコメディ作品にすべきかと思うんですが
中途半端に思わせぶりな作りで、さすがに裏になにかあるだろうと思わせる展開しておいてこれだ
そこがこの作品の狙い目だったのかもしれないが、やっちゃいけない裏切りと感じましたね
最初からこんなきつく言うのも、ラストのオチ以外が本当におもしろかったからです
間やテンポ、笑いどころ、なるほどと思うところ、シリアスに展開するところ、すべてにおいてバランスがよくて、かなり上質なコメディなんですよね
特にクヒオ大佐の正体がうっかりバレぎみになった中盤からが本当におもしろい
なんだかつかみ所のないクヒオ大佐の行動やリアクション、背筋を伸ばして後ろ手を組む「大佐ポーズ」も素敵すぎる
特に全裸で大佐ポーズとか、最初の腕立てもどきとか、電話とか待ち合わせの繰り返しネタとか笑いっぱなし
ラストもクヒオ大佐の生い立ち語り、そこから心中までの流れはよかったんですが、最後の最後で「は?」って言うしかないおいてけぼりの一連の流れがすべて台無しに
というか第一部とかもっと関わってこいよ、と
けっこうコメディに関しては許容できる私ですが、さすがにこのラストの流れはみんな怒っていいレベル
それまで良作の展開だったのに、いっきに凡作以下に落としたオチの付け方は最悪としか言いようがないですね
原作があるんだかなんだか知らないけど、ここまで期待を裏切られたのは久しぶりでした
個人的評価:30点
おすすめ度:こんな映画のことは忘れて空でも見るか
クヒオ大佐 予告
ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ (2009/日)
監督:根岸吉太郎
出演:松たか子 / 浅野忠信 / 室井滋 / 伊武雅刀 / 広末涼子 / 妻夫木聡 / 堤真一
ある日、作家で夫の大谷が盗みを働いた
貧乏暮らしをしていたその妻は、逃げた夫に代わり返済を約束するのだが
たまには文学おっさんを気取る感じでいってみようか
とかよこしまなにわかインテリポーズで観てきたわけですが
予想以上におもしろかったですね
文学小説とか国語の授業でより抜きで読んだ程度の知識ですが、映画全体的に言葉遣いから雰囲気から「いかにも文学っぽい」臭いがしてきます
だけど、そんな現代ドラマでは古くさい世界観、言い回しが新鮮に響いてきていい感じに
ただそれっぽい感じに作った雰囲気だけの上辺作品じゃなく、けっこう全体的に違和感がないというか、ファンタジー的な意味でしっくりきてますね
でてくる人物たちも古くさくて粗雑で大ざっぱで、それでいて下卑すぎない心暖かさをもった、下町人情あふれる人たちみたいな感じで作品が変な上品さをもってます
ヒロインの大谷の妻であるさちも、ダメ人間の夫を支える強い女という単純なキャラではなく、おしとやかさも艶やかさもひょうきんさも醜さもある血の通ったひとりの人間としてよく描かれていると思いました
しょうじき、夫の大谷もそう単純なキャラではなく、現代ドラマを見てる人ほど「そこでそういうことするの?」みたいな行動をとってくれて、それが不思議な魅力になってますね
内容的には生きていたくないけど、死にたくもない夫が起こす出来事の後始末を妻がしていくって感じ
作品の中からなにか意味を見いだそうと思えばできるかもしれませんが、もっと単純に雰囲気だけを楽しめばいいかもしれません
それだけでも十分におもしろいですし
そんな登場人物の中でも夫の愛人役の広末涼子は個人的にはまり役だった気がしてならない
びっくりするほど悪女ですが、男として魅力を感じずにはいられないというか小悪魔的で素敵です
あとは小料理屋の夫婦しかり、けっこう脇も雰囲気を壊さないいい感じのキャスティングだったかもしれません
なんて、ふだんあまり語らない役者のことうんぬんいうのも、ぶっちゃけ感想とか書きづらい映画なんですよね
マジで雰囲気映画って、それ以上とくに言うことないから困る
古株の夫婦とかそろって見に行ったら、また別のおもしろさが感じられるかもしれませんが
それはそれとして、けっこういい感じで楽しめていたこの作品ですが、ちょっとラストが弱い気がしてなりませんでした
言わんとしてることはわかるけど、まったく心に響いてこないというか、言葉に重みが感じられないというか
ちょっと気取りすぎで、「とか、言ってみました」感がしてしまうのは私だけでしょうか
もうちょっと泥臭いか、ひねった終わり方でもよかったと個人的には思いましたね
これって、結局、どういう終わらせ方するんだろう、と期待してたら「え?終わり?」みたいな印象
そんなわけで、おもしろいのはおもしろいが、別にとりわけ好んで見るほどのもんじゃなく、機会があったらそのときに見るくらいの感覚のおもしろさでした
個人的評価:70点
おすすめ度:人非人でもいいじゃない
ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ 予告
出演:松たか子 / 浅野忠信 / 室井滋 / 伊武雅刀 / 広末涼子 / 妻夫木聡 / 堤真一
ある日、作家で夫の大谷が盗みを働いた
貧乏暮らしをしていたその妻は、逃げた夫に代わり返済を約束するのだが
たまには文学おっさんを気取る感じでいってみようか
とかよこしまなにわかインテリポーズで観てきたわけですが
予想以上におもしろかったですね
文学小説とか国語の授業でより抜きで読んだ程度の知識ですが、映画全体的に言葉遣いから雰囲気から「いかにも文学っぽい」臭いがしてきます
だけど、そんな現代ドラマでは古くさい世界観、言い回しが新鮮に響いてきていい感じに
ただそれっぽい感じに作った雰囲気だけの上辺作品じゃなく、けっこう全体的に違和感がないというか、ファンタジー的な意味でしっくりきてますね
でてくる人物たちも古くさくて粗雑で大ざっぱで、それでいて下卑すぎない心暖かさをもった、下町人情あふれる人たちみたいな感じで作品が変な上品さをもってます
ヒロインの大谷の妻であるさちも、ダメ人間の夫を支える強い女という単純なキャラではなく、おしとやかさも艶やかさもひょうきんさも醜さもある血の通ったひとりの人間としてよく描かれていると思いました
しょうじき、夫の大谷もそう単純なキャラではなく、現代ドラマを見てる人ほど「そこでそういうことするの?」みたいな行動をとってくれて、それが不思議な魅力になってますね
内容的には生きていたくないけど、死にたくもない夫が起こす出来事の後始末を妻がしていくって感じ
作品の中からなにか意味を見いだそうと思えばできるかもしれませんが、もっと単純に雰囲気だけを楽しめばいいかもしれません
それだけでも十分におもしろいですし
そんな登場人物の中でも夫の愛人役の広末涼子は個人的にはまり役だった気がしてならない
びっくりするほど悪女ですが、男として魅力を感じずにはいられないというか小悪魔的で素敵です
あとは小料理屋の夫婦しかり、けっこう脇も雰囲気を壊さないいい感じのキャスティングだったかもしれません
なんて、ふだんあまり語らない役者のことうんぬんいうのも、ぶっちゃけ感想とか書きづらい映画なんですよね
マジで雰囲気映画って、それ以上とくに言うことないから困る
古株の夫婦とかそろって見に行ったら、また別のおもしろさが感じられるかもしれませんが
それはそれとして、けっこういい感じで楽しめていたこの作品ですが、ちょっとラストが弱い気がしてなりませんでした
言わんとしてることはわかるけど、まったく心に響いてこないというか、言葉に重みが感じられないというか
ちょっと気取りすぎで、「とか、言ってみました」感がしてしまうのは私だけでしょうか
もうちょっと泥臭いか、ひねった終わり方でもよかったと個人的には思いましたね
これって、結局、どういう終わらせ方するんだろう、と期待してたら「え?終わり?」みたいな印象
そんなわけで、おもしろいのはおもしろいが、別にとりわけ好んで見るほどのもんじゃなく、機会があったらそのときに見るくらいの感覚のおもしろさでした
個人的評価:70点
おすすめ度:人非人でもいいじゃない
ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ 予告
2009年10月11日日曜日
カイジ(2009/日)
監督:佐藤東弥
出演:藤原竜也 / 天海祐希 / 香川照之 / 山本太郎 / 光石研 / 松山ケンイチ / 松尾スズキ / 佐藤慶
連帯保証人を引き受けた友人が失踪したため、高額の借金を背負うことになった伊藤開司
返すあてのない開司は、金融会社の社長から借金帳消しになるゲームの紹介を受ける
見る前からかなりの腐臭がしてて、ぜったい原作マンガ持ちの映画化としてだれた内容になってるだろ
と、思ってた過去の自分を叱ってやりたいですね
これは一本の映画としてけっこうよくできてます
しょうじきディープなカイジ好きな人にとっては物足りないデキかもしれませんが、そこはマイナス要因にはなりません
小説には小説の、マンガにはマンガの、アニメにはアニメの、映画には映画の作り方ってのがあって、「マンガはこうなのに、なんで映画だとああなんだよ。クソ映画だろ」という意見ももっともだけど、それとは別にして「映画として」ちょっと客観的にも見てみようよ、と
そういう意味で「映画として」はわりとよくできてる作品
冒頭から借金帳消しゲームに参加するまでの流れが非常にテンポよく、さっさと本題に入れよというツッコミをいれるまもなくゲームが始まります
そのゲーム、限られたカードにかかれた手札でジャンケンをする「限定ジャンケン」はびっくりするほどあっさり終わり、物足りなさは残るものの実はそこからが本編の始まりなんですね
いわば「限定ジャンケン」は物語のつかみにすぎない
原作マンガのような単純のようで実はかなりのかけひきが重要になる、なんてこともなく必要最低限のカイジというキャラを説明するためだけに徹しています
そんな「限定ジャンケン」なんかも原作マニアからすれば「原作レイプ」と言われるかもしれませんが、個人的にはこれでいいと思いますね
つべこべ言う奴は原作を後生大事に読んでろ、ファッキュー・・・すみません、ちょっと取り乱してました
で、その後の展開は詳しく書きませんが「ビールうめえ!」な円の10分の1の価値しかないアレの展開から、ビルの屋上で第二のゲームが始まります
個人的にはこの第二のゲームの必要性は分かるけど、やっぱりなんかリアルさが薄いというか、危機感があまり感じられなかったかなあ
危険な状況なのに握った手を突き放しても大丈夫だったり、延々と語り合ったり、あげくに全身で力一杯さけんだり、さすがにそりゃないだろうって感じ
でも、ゲームの内容はともかく、このゲームもきちんと本編を進める大事な要素のひとつになってるのも事実
カードゲームばかりで地味だから、ちょっと派手なの入れておこうぜ、って単純な展開じゃない
で、クライマックスですが、これもゲームの内容がイマイチ
というかケリの付き方がみえみえすぎて、ちょっと食いたらない
それでも作り手もそこはじゅうぶん承知で、ギリギリで退屈にならない演出はしてるんで、ダメだこりゃな感じはしないですが
個人的にそんな作り手の「自分たちのことをわかってる」感がとっても良い印象なんですよね
原作につぶされず、迷わされず、ちゃんと「映画」を作ってる姿勢は、最近の原作持ちの作品にしては珍しいと思います
キャラ的にはやっぱり利根川さんが素敵すぎてたまらない
大物っぽく見えてひどく小物な利根川さんの言葉、表情、しぐさがいちいち素敵
カイジの描き方もなまじヒーローになりすぎないように、押さえてたのはよかったですね
こういう映画ではキャラ設定とか作品の雰囲気を無視して、終盤にはダメ人間が超絶ヒーロー化して、そりゃねえよと萎えるのがお約束ですが、この映画のカイジの描き方はよくできてました
ということで、全体的に勝負のかけひきやトリックといった面はかなり薄味にできてます
変わりに有名な原作の映画化でありながら、原作知識がいっさいなくても楽しめる一本の映画としては上々な作り
じゃっかんライトな客層を狙ってる感じで、ダークさや痛さは極力排除して軽く観ていられるエンタテイメント作品といったふう
それって「カイジ」じゃないじゃん、と思ったり原作に根深い思い入れがある人はさけた方がいいかもしれませんね
いちお個人的には原作単行本をリアルタイムで追って楽しんでましたが、この作品も見終わってみると別にそんなに拒絶反応はありませんでした
さすがに実写で「ざわざわ」は吹きそうになりましたが
んで、こう書いてくると、一本の映画としてすっごい面白い作品かと思われるかもしれませんが、別にそうでもないのも事実
原作持ちの映画化にしてはよくできてる、って思うだけですので
個人的には、まあ、映画としてはクソをかすめる感じの普通な内容といった感想でひとつ
それでも最後まで退屈せずに見れたのは大きいかも
個人的評価:70点
オススメ度:カイジ独り言を口にだしすぎだろ
カイジ 予告
出演:藤原竜也 / 天海祐希 / 香川照之 / 山本太郎 / 光石研 / 松山ケンイチ / 松尾スズキ / 佐藤慶
連帯保証人を引き受けた友人が失踪したため、高額の借金を背負うことになった伊藤開司
返すあてのない開司は、金融会社の社長から借金帳消しになるゲームの紹介を受ける
見る前からかなりの腐臭がしてて、ぜったい原作マンガ持ちの映画化としてだれた内容になってるだろ
と、思ってた過去の自分を叱ってやりたいですね
これは一本の映画としてけっこうよくできてます
しょうじきディープなカイジ好きな人にとっては物足りないデキかもしれませんが、そこはマイナス要因にはなりません
小説には小説の、マンガにはマンガの、アニメにはアニメの、映画には映画の作り方ってのがあって、「マンガはこうなのに、なんで映画だとああなんだよ。クソ映画だろ」という意見ももっともだけど、それとは別にして「映画として」ちょっと客観的にも見てみようよ、と
そういう意味で「映画として」はわりとよくできてる作品
冒頭から借金帳消しゲームに参加するまでの流れが非常にテンポよく、さっさと本題に入れよというツッコミをいれるまもなくゲームが始まります
そのゲーム、限られたカードにかかれた手札でジャンケンをする「限定ジャンケン」はびっくりするほどあっさり終わり、物足りなさは残るものの実はそこからが本編の始まりなんですね
いわば「限定ジャンケン」は物語のつかみにすぎない
原作マンガのような単純のようで実はかなりのかけひきが重要になる、なんてこともなく必要最低限のカイジというキャラを説明するためだけに徹しています
そんな「限定ジャンケン」なんかも原作マニアからすれば「原作レイプ」と言われるかもしれませんが、個人的にはこれでいいと思いますね
つべこべ言う奴は原作を後生大事に読んでろ、ファッキュー・・・すみません、ちょっと取り乱してました
で、その後の展開は詳しく書きませんが「ビールうめえ!」な円の10分の1の価値しかないアレの展開から、ビルの屋上で第二のゲームが始まります
個人的にはこの第二のゲームの必要性は分かるけど、やっぱりなんかリアルさが薄いというか、危機感があまり感じられなかったかなあ
危険な状況なのに握った手を突き放しても大丈夫だったり、延々と語り合ったり、あげくに全身で力一杯さけんだり、さすがにそりゃないだろうって感じ
でも、ゲームの内容はともかく、このゲームもきちんと本編を進める大事な要素のひとつになってるのも事実
カードゲームばかりで地味だから、ちょっと派手なの入れておこうぜ、って単純な展開じゃない
で、クライマックスですが、これもゲームの内容がイマイチ
というかケリの付き方がみえみえすぎて、ちょっと食いたらない
それでも作り手もそこはじゅうぶん承知で、ギリギリで退屈にならない演出はしてるんで、ダメだこりゃな感じはしないですが
個人的にそんな作り手の「自分たちのことをわかってる」感がとっても良い印象なんですよね
原作につぶされず、迷わされず、ちゃんと「映画」を作ってる姿勢は、最近の原作持ちの作品にしては珍しいと思います
キャラ的にはやっぱり利根川さんが素敵すぎてたまらない
大物っぽく見えてひどく小物な利根川さんの言葉、表情、しぐさがいちいち素敵
カイジの描き方もなまじヒーローになりすぎないように、押さえてたのはよかったですね
こういう映画ではキャラ設定とか作品の雰囲気を無視して、終盤にはダメ人間が超絶ヒーロー化して、そりゃねえよと萎えるのがお約束ですが、この映画のカイジの描き方はよくできてました
ということで、全体的に勝負のかけひきやトリックといった面はかなり薄味にできてます
変わりに有名な原作の映画化でありながら、原作知識がいっさいなくても楽しめる一本の映画としては上々な作り
じゃっかんライトな客層を狙ってる感じで、ダークさや痛さは極力排除して軽く観ていられるエンタテイメント作品といったふう
それって「カイジ」じゃないじゃん、と思ったり原作に根深い思い入れがある人はさけた方がいいかもしれませんね
いちお個人的には原作単行本をリアルタイムで追って楽しんでましたが、この作品も見終わってみると別にそんなに拒絶反応はありませんでした
さすがに実写で「ざわざわ」は吹きそうになりましたが
んで、こう書いてくると、一本の映画としてすっごい面白い作品かと思われるかもしれませんが、別にそうでもないのも事実
原作持ちの映画化にしてはよくできてる、って思うだけですので
個人的には、まあ、映画としてはクソをかすめる感じの普通な内容といった感想でひとつ
それでも最後まで退屈せずに見れたのは大きいかも
個人的評価:70点
オススメ度:カイジ独り言を口にだしすぎだろ
カイジ 予告
2009年10月9日金曜日
ワイルドスピード MAX (2009/米)
監督:ジャスティン・リン
出演:ヴィン・ディーゼル / ポール・ウォーカー / ミシェル・ロドリゲス / ジョーダナ・ブリュースター / ジョン・オーティス / ラズ・アロンソ / ガル・ギャドット / テゴ・カルデロン / ドン・オマール / シェー・ウィガム / ライザ・ラピラ / ジャック・コンレイ / サン・カン / マーサ・ミシェル / グレッグ・サイプス / ロン・ユアン / アレハンドロ・パチーノ
ロスでFBIに身をおいていたブライアン
そこへ仲間を殺され復讐のためにドミニクが戻ってきた
そんなわけで連日の一人ワイルドスピード祭りの最終章
うーん、なんというか、ダメだこりゃって感じでしたね
完全な1の正統続編な作りで、シリーズの中で一番シリアス展開・・・というか全編シリアスな流れ
でも、ストーリーは今まで通りのアレなままなんで、そこをシリアスにドラマパートを強調したって逆に痛いだけでしかない
なにより予告を見て「お、これは面白そう」と思ったシーンがすべて冒頭で消化された時点で「あれ?ちょっとやばい臭いがしてきたぞ」と思いましたね
そんな風で、とりあえず作品としてのつかみはよくできてます
3の主人公はでてこなかったけど、それでもちゃんと3とのつながりも描いてました
しかし、ドムは1でああなったのに、まったく成長していないっぷりがどうかなあ、と
冒頭でドムが1のあるシーンを踏襲した感じで現れるんですが、そこはほら、同じようで実はあの頃とは違うって演出が見たかった
そこからブライアンの現状が描かれて、二人のエピソードが交錯していって通りを閉鎖しないリアルストリートレースのシーンまでは丁寧に描かれていて楽しめました
マジでいままでのシリーズの集大成だなあって感じで面白かった
だけど大人になって軽口もたたかないドムとブライアン、お互いにむっつりしてるだけでちょっとした笑いの要素もないのはどうかと
どんなに気張ってもストーリーは相変わらずクソなんだから、もっとB級の軽いノリは残しておいてほしかった
ラスボスは終盤までベールに隠されてるんですが、正体というかそのキャラがあんまりに魅力がなくってがっかり
しかも特に見せ場もないままにケリはついちゃうし、その後のクライマックスともいえるカーチェイスも、敵に魅力がない上に暗くて地味
見ててどんどんパワーダウンしていってるが分かりましたね
どう考えても冒頭のシーンが一番力入ってて面白かった
そして、個人的にもっともダメだなと思ったのは、終わり方ですね
さすがにそこで終わっちゃいけねえよ、と言わざるえない
そこはもっと最後までやりきって、そっから先は見てる側に放り投げてもよかったんじゃないでしょうか
さすがに消化不良すぎる
と、ワイルドスピード鑑賞も最後の最後で一気にテンションが落ちた残念な結果に
いや、この4もホントに途中までは楽しめたんだけど、さすがにこれはないわ
個人的に一番ダメな部類に入る「作品として本気で作ったものの、デキががっかり」映画でしたね
ワイルドスピードらしく、もっと肩の力を抜いて作ってほしかった
個人的評価:50点
おすすめ度:MAXの意味が分からない
ワイルドスピードMAX 予告
出演:ヴィン・ディーゼル / ポール・ウォーカー / ミシェル・ロドリゲス / ジョーダナ・ブリュースター / ジョン・オーティス / ラズ・アロンソ / ガル・ギャドット / テゴ・カルデロン / ドン・オマール / シェー・ウィガム / ライザ・ラピラ / ジャック・コンレイ / サン・カン / マーサ・ミシェル / グレッグ・サイプス / ロン・ユアン / アレハンドロ・パチーノ
ロスでFBIに身をおいていたブライアン
そこへ仲間を殺され復讐のためにドミニクが戻ってきた
そんなわけで連日の一人ワイルドスピード祭りの最終章
うーん、なんというか、ダメだこりゃって感じでしたね
完全な1の正統続編な作りで、シリーズの中で一番シリアス展開・・・というか全編シリアスな流れ
でも、ストーリーは今まで通りのアレなままなんで、そこをシリアスにドラマパートを強調したって逆に痛いだけでしかない
なにより予告を見て「お、これは面白そう」と思ったシーンがすべて冒頭で消化された時点で「あれ?ちょっとやばい臭いがしてきたぞ」と思いましたね
そんな風で、とりあえず作品としてのつかみはよくできてます
3の主人公はでてこなかったけど、それでもちゃんと3とのつながりも描いてました
しかし、ドムは1でああなったのに、まったく成長していないっぷりがどうかなあ、と
冒頭でドムが1のあるシーンを踏襲した感じで現れるんですが、そこはほら、同じようで実はあの頃とは違うって演出が見たかった
そこからブライアンの現状が描かれて、二人のエピソードが交錯していって通りを閉鎖しないリアルストリートレースのシーンまでは丁寧に描かれていて楽しめました
マジでいままでのシリーズの集大成だなあって感じで面白かった
だけど大人になって軽口もたたかないドムとブライアン、お互いにむっつりしてるだけでちょっとした笑いの要素もないのはどうかと
どんなに気張ってもストーリーは相変わらずクソなんだから、もっとB級の軽いノリは残しておいてほしかった
ラスボスは終盤までベールに隠されてるんですが、正体というかそのキャラがあんまりに魅力がなくってがっかり
しかも特に見せ場もないままにケリはついちゃうし、その後のクライマックスともいえるカーチェイスも、敵に魅力がない上に暗くて地味
見ててどんどんパワーダウンしていってるが分かりましたね
どう考えても冒頭のシーンが一番力入ってて面白かった
そして、個人的にもっともダメだなと思ったのは、終わり方ですね
さすがにそこで終わっちゃいけねえよ、と言わざるえない
そこはもっと最後までやりきって、そっから先は見てる側に放り投げてもよかったんじゃないでしょうか
さすがに消化不良すぎる
と、ワイルドスピード鑑賞も最後の最後で一気にテンションが落ちた残念な結果に
いや、この4もホントに途中までは楽しめたんだけど、さすがにこれはないわ
個人的に一番ダメな部類に入る「作品として本気で作ったものの、デキががっかり」映画でしたね
ワイルドスピードらしく、もっと肩の力を抜いて作ってほしかった
個人的評価:50点
おすすめ度:MAXの意味が分からない
ワイルドスピードMAX 予告
私の中のあなた (2009/米)
監督:ニック・カサヴェテス
出演:キャメロン・ディアス / アビゲイル・ブレスリン / アレック・ボールドウィン / ジェイソン・パトリック / ソフィア・ヴァシリーヴァ / ジョーン・キューザック / ヘザー・ウォールクィスト / トーマス・デッカー / エヴァン・エリングソン / デイヴィッド・ソーントン
白血病の姉を救うために生まれた適合率100%の試験管ベイビーの妹、アナ
ある日、成長したアナは両親を相手にドナーとして生きることを拒絶する裁判をおこすのだった
予告編を見たときに、変わった闘病映画だなあと思ってたので、観ようと思ってた作品ですね
姉のために生まれてすぐ「姉を救うため」という大義名分のもとに予備パーツとして扱われ、幼く両親の保護の元にあるゆえに苦言さえ言えない苦痛の日々
そんないい感じの家族の下にあるどろどろとした感情劇・・・かと思ったら、そうでもなかったですね
あまり言うとネタバレになる・・・とは言え、途中でおもいっきりオチが分かるんで、そうもったいぶるようなことじゃないですが、本当にぎくしゃくしていく家庭の崩壊っぷりを描いた作品じゃないんですね
それどころか、意見の衝突や看病生活からくるいらつきの積み重なりの爆発、そこに幼いアナから訴えられるというハプニング、そんな中であっても「別に家族や特定の人を憎んでいる」なんてことはけっしてない
それどころかそんないざこざがありながらも、ホントに家族としての最低限の昨日は失っていないんですね
そんな家族の描写がなんか引っかかって、「いや、まあ、分かるけど、それってどうなん」と思うこともある
だけど、とりあえずはちゃんと最後はすっきりするからよかった
うたい文句通り、家族っていいなあ・・・と思える内容でしたね
家族以外にも出てくる登場人物がみんな良い人で、重いテーマを扱ってるけど、けっこう暖かい内容になってます
ちょっとアレかなと思う点は、時間軸がけっこういったりきたりするんですが、じゃっかんわかりづらい所がありますね
もうちょっとシンプルな話の流れでもよかったきがしました
あとはドナーとして作られた人間であるヒロインが、その設定をあんまりいかされてないような?そうでもないような
もうひとつは個人的に泣けるシーンはいくつかあったんですが、なんとも完全になかせてくれる間が足りないのが気になりましたね
もうちょっと余韻にひたって泣きたいのに、なんかすぐに次のシーンに移ってしまって「おい、泣かせろよ」と何度か思いました
こういった娘さんが病気になる映画では珍しく(?)、母親が憎まれ役になるってのは個人的に意外でしたね
反面、父親がすっごい物わかりが良くて、娘達に信頼されてるというのもまた珍しい
たいがいは最終的に母性の勝利っていう流れにもっていって、お父さんは分かってないなあというパターンがよくあるものだと思ってたので
ビーチのくだりとかお父ちゃん、あんた男やでと拍手したくなりますね
そんなわけで、妹が両親を訴えるというインパクト以外はけっこう薄味な気がする、それでも家族の暖かさはちゃんと感じられるよって作品でした
個人的評価:80点
おすすめ度:ジャッジはバカ犬か、それとも主人を思っての演技だったのか
私の中のあなた 予告
出演:キャメロン・ディアス / アビゲイル・ブレスリン / アレック・ボールドウィン / ジェイソン・パトリック / ソフィア・ヴァシリーヴァ / ジョーン・キューザック / ヘザー・ウォールクィスト / トーマス・デッカー / エヴァン・エリングソン / デイヴィッド・ソーントン
白血病の姉を救うために生まれた適合率100%の試験管ベイビーの妹、アナ
ある日、成長したアナは両親を相手にドナーとして生きることを拒絶する裁判をおこすのだった
予告編を見たときに、変わった闘病映画だなあと思ってたので、観ようと思ってた作品ですね
姉のために生まれてすぐ「姉を救うため」という大義名分のもとに予備パーツとして扱われ、幼く両親の保護の元にあるゆえに苦言さえ言えない苦痛の日々
そんないい感じの家族の下にあるどろどろとした感情劇・・・かと思ったら、そうでもなかったですね
あまり言うとネタバレになる・・・とは言え、途中でおもいっきりオチが分かるんで、そうもったいぶるようなことじゃないですが、本当にぎくしゃくしていく家庭の崩壊っぷりを描いた作品じゃないんですね
それどころか、意見の衝突や看病生活からくるいらつきの積み重なりの爆発、そこに幼いアナから訴えられるというハプニング、そんな中であっても「別に家族や特定の人を憎んでいる」なんてことはけっしてない
それどころかそんないざこざがありながらも、ホントに家族としての最低限の昨日は失っていないんですね
そんな家族の描写がなんか引っかかって、「いや、まあ、分かるけど、それってどうなん」と思うこともある
だけど、とりあえずはちゃんと最後はすっきりするからよかった
うたい文句通り、家族っていいなあ・・・と思える内容でしたね
家族以外にも出てくる登場人物がみんな良い人で、重いテーマを扱ってるけど、けっこう暖かい内容になってます
ちょっとアレかなと思う点は、時間軸がけっこういったりきたりするんですが、じゃっかんわかりづらい所がありますね
もうちょっとシンプルな話の流れでもよかったきがしました
あとはドナーとして作られた人間であるヒロインが、その設定をあんまりいかされてないような?そうでもないような
もうひとつは個人的に泣けるシーンはいくつかあったんですが、なんとも完全になかせてくれる間が足りないのが気になりましたね
もうちょっと余韻にひたって泣きたいのに、なんかすぐに次のシーンに移ってしまって「おい、泣かせろよ」と何度か思いました
こういった娘さんが病気になる映画では珍しく(?)、母親が憎まれ役になるってのは個人的に意外でしたね
反面、父親がすっごい物わかりが良くて、娘達に信頼されてるというのもまた珍しい
たいがいは最終的に母性の勝利っていう流れにもっていって、お父さんは分かってないなあというパターンがよくあるものだと思ってたので
ビーチのくだりとかお父ちゃん、あんた男やでと拍手したくなりますね
そんなわけで、妹が両親を訴えるというインパクト以外はけっこう薄味な気がする、それでも家族の暖かさはちゃんと感じられるよって作品でした
個人的評価:80点
おすすめ度:ジャッジはバカ犬か、それとも主人を思っての演技だったのか
私の中のあなた 予告
2009年10月8日木曜日
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT (2006/米)
監督:ジャスティン・リン
出演:ルーカス・ブラック / バウ・ワウ / ナタリー・ケリー / ブライアン・ティー / サン・カン / レオナルド・ナム / ブライアン・グッドマン / 千葉真一 / ザカリー・タイ・ブライアン / ニッキー・グリフィン / ジェイソン・J・トビン / 北川景子 / リンダ・ボイド / ヴィンセント・ラレスカ / 妻夫木聡
無謀運転を繰り返し、そのつどアメリカを転々としていた少年ショーン
とうとう国内にすら居場所がなくなり、少年院か父親のいる日本か選択がせまられる
そんなこんなでワイルドスピード過去作もこれですべて
なんか世間的にこの3が一番評判悪いみたいですが、個人的には一番楽しめましたね
勘違いされてる日本、どうみても中華な方面のアジアな人にしか見えない登場人物、ガイジンの学ラン姿…とっても素敵なB級要素盛りだくさんですね
一般的にはそんな所がマイナス要因になってると思うんですが、そこばかりに目をやらずにちゃんと全体を見れば、1よりカーアクションは多め、2よりドラマ性はあるって感じでちょうどいい具合な作りにはなってると思います
まあ、それでもストーリーは相変わらず「どうでもいい」感じで、内容も少年マンガ的な青春チンピラストーリーですが
せっかく東京がメインになってるのに、主人公の取り巻きが外国人ばかりでなんともいえない
もうちょっと、こう豆腐屋の息子みたいのと仲良くなって、ドリフト技術を習得するみたいなイベントがあってもいいと思うんですがダメですか
本編でもショーンが「ドリフトってなんだよ」みたいなことを言うんですが、ガチでドリフトとか日本でもてはやされてるだけの技術なんですかね
たしかに非効率的な感じはしますが、狭くごみごみした場所をせせこましく走るより、見栄え重視ですべってぬっていく方がかっこいいじゃない
そんな感じで、作中でもホントにドリフトシーンがスピード感あって見てて楽しい
前作までがパワーバトルで、今作は本当に曲芸バトルって感じですね
主人公が交代し、見ず知らずの土地で、しかもドリフトとかやったことない技術を習得していくって流れがあるので、話的にもちゃんと内容に入り込めるようにはなってます
2みたいにバカやって走ってたら終わってた、というのもいいですが、主人公がみんなできることができない状態から、じょじょに巻き返していくという少年マンガの王道展開もいいもんです
アメリカ時代の粗野で自己中でどうしようもないクレイジーな主人公が、日本にきてなんで急におとなしい物腰の柔らかい人間になっちゃったのか不思議でなりません
まあ、それでも日本にきても自分勝手な所は多々ありますが
そんな中でも個人的にどうにもなんだかなあ、と思う点がひとつ
ヤクザってそんな優しい人たちじゃない気がするんですよね
ある意味で面子をつぶされてるのに、その相手を自由にするとか考えられないです
なんて、そこ以外にももっとつっこむべき所はいっぱいあるだろ、と言われそうですが個人的に大まか他のところは許せる…というかB級的に楽しめました
あとはラストね
まさかあの人が出てくるとは思わなかった
それはそれとして、結局のところこのシリーズは2が1の外伝、3が1のスピンオフといった感じなんでしょうか
ぶっちゃけ通して見たものの、4に向けてテンション上げるつもりだったけど、各作品が「つまらなくはないけど、そうはしゃげるほどおもしろくもない」という微妙な評価で困る
もちろん4には3の主人公もでてくるんだろうな
けっこう魅力ある人物なんで、でてこないと許さないよ
個人的評価:70点
オススメ度:「セット」の女の子は脱力系
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT 予告
出演:ルーカス・ブラック / バウ・ワウ / ナタリー・ケリー / ブライアン・ティー / サン・カン / レオナルド・ナム / ブライアン・グッドマン / 千葉真一 / ザカリー・タイ・ブライアン / ニッキー・グリフィン / ジェイソン・J・トビン / 北川景子 / リンダ・ボイド / ヴィンセント・ラレスカ / 妻夫木聡
無謀運転を繰り返し、そのつどアメリカを転々としていた少年ショーン
とうとう国内にすら居場所がなくなり、少年院か父親のいる日本か選択がせまられる
そんなこんなでワイルドスピード過去作もこれですべて
なんか世間的にこの3が一番評判悪いみたいですが、個人的には一番楽しめましたね
勘違いされてる日本、どうみても中華な方面のアジアな人にしか見えない登場人物、ガイジンの学ラン姿…とっても素敵なB級要素盛りだくさんですね
一般的にはそんな所がマイナス要因になってると思うんですが、そこばかりに目をやらずにちゃんと全体を見れば、1よりカーアクションは多め、2よりドラマ性はあるって感じでちょうどいい具合な作りにはなってると思います
まあ、それでもストーリーは相変わらず「どうでもいい」感じで、内容も少年マンガ的な青春チンピラストーリーですが
せっかく東京がメインになってるのに、主人公の取り巻きが外国人ばかりでなんともいえない
もうちょっと、こう豆腐屋の息子みたいのと仲良くなって、ドリフト技術を習得するみたいなイベントがあってもいいと思うんですがダメですか
本編でもショーンが「ドリフトってなんだよ」みたいなことを言うんですが、ガチでドリフトとか日本でもてはやされてるだけの技術なんですかね
たしかに非効率的な感じはしますが、狭くごみごみした場所をせせこましく走るより、見栄え重視ですべってぬっていく方がかっこいいじゃない
そんな感じで、作中でもホントにドリフトシーンがスピード感あって見てて楽しい
前作までがパワーバトルで、今作は本当に曲芸バトルって感じですね
主人公が交代し、見ず知らずの土地で、しかもドリフトとかやったことない技術を習得していくって流れがあるので、話的にもちゃんと内容に入り込めるようにはなってます
2みたいにバカやって走ってたら終わってた、というのもいいですが、主人公がみんなできることができない状態から、じょじょに巻き返していくという少年マンガの王道展開もいいもんです
アメリカ時代の粗野で自己中でどうしようもないクレイジーな主人公が、日本にきてなんで急におとなしい物腰の柔らかい人間になっちゃったのか不思議でなりません
まあ、それでも日本にきても自分勝手な所は多々ありますが
そんな中でも個人的にどうにもなんだかなあ、と思う点がひとつ
ヤクザってそんな優しい人たちじゃない気がするんですよね
ある意味で面子をつぶされてるのに、その相手を自由にするとか考えられないです
なんて、そこ以外にももっとつっこむべき所はいっぱいあるだろ、と言われそうですが個人的に大まか他のところは許せる…というかB級的に楽しめました
あとはラストね
まさかあの人が出てくるとは思わなかった
それはそれとして、結局のところこのシリーズは2が1の外伝、3が1のスピンオフといった感じなんでしょうか
ぶっちゃけ通して見たものの、4に向けてテンション上げるつもりだったけど、各作品が「つまらなくはないけど、そうはしゃげるほどおもしろくもない」という微妙な評価で困る
もちろん4には3の主人公もでてくるんだろうな
けっこう魅力ある人物なんで、でてこないと許さないよ
個人的評価:70点
オススメ度:「セット」の女の子は脱力系
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT 予告
2009年10月7日水曜日
ワイルド・スピードX2 (2003/米・独)
監督:ジョン・シングルトン
出演:ポール・ウォーカー / タイリース・ギブソン / コール・ハウザー / エヴァ・メンデス / リュダクリス / デヴォン青木
ロス市警を辞め、マイアミでストリートレーサーになっていたブライアン
ある日、レース中に警察に捕まったブライアンは過去の罪状をチャラにするかわりに潜入捜査の協力をもちかけられる
ワイルドスピード講座第二回目
いやあ、これですよ、これ
ワイルドスピードって映画の第一印象として、こんな作品だろうなあって思ってたものがすべてありましたね
1に比べてとにかくカーアクションが増え、とりあえず物事はすべて「走りで話をつけようか」な頭からっぽ展開が素敵すぎる
しょうじき映画的には1の方が完成度は高い
でも、2のこのB級っぷりが個人的にはたまらんのですよ
新キャラとしてはっちゃけ黒人のローマンがでてくるんですが、最初は「あれ?ドムは?」と思いもしましたが、このロームもいい味だしててよかったですね
ちょっとブライアンがただのクレイジー野郎に成り下がってたのがアレですが、まあ許容範囲内
とにかくロームのキャラが個人的にツボにはいって、すごい気に入りましたね
いいわあ、こういう友だちほしいわあ
で、今回のストーリーなんですが、一言でいうと「ストーリー?なにそれ?おいしい?」ってくらいにないに等しい
人物の感情の起伏や、人間関係のドラマ、そんなもんはクソ食らえ
とにかくいっぱい車が走ってればいいじゃん。面白いじゃん
そんなノリのクソB級映画
まさに楽しんだもん勝ちな内容で、冷静なツッコミを入れる人には向いてないかと
まあ、それでもさすがにこのストーリーは幼稚すぎないか、と所々おもう部分もあります
あとは登場キャラがことごとく薄味で、ふかく描かれないんで最後まで見ても「で、おまえはどういうキャラなんだ」というヤツもちらほら
内容もちょっとライトすぎる気がして、もうちょっと重いところがあってもなあ、と
それでもブライアンとロームの友情っぷりはいいですね
二人の友情をからめて、1の最後のブライアンの行動の意味もさらっと語られますが、それでも個人的には納得できなかったです
そんなわけで、2にして速くも超B級…いやクソB級映画になったわけですが、B級耐性がある人は1より楽しめるのは確かです
ちょっと退屈でも普通の作品が見たいって人はおとなしく1でリタイアするのが正しい選択かもしれません
個人的評価:60点
オススメ度:CGのチープさは大目にみましょう
ワイルドスピードX2 予告
出演:ポール・ウォーカー / タイリース・ギブソン / コール・ハウザー / エヴァ・メンデス / リュダクリス / デヴォン青木
ロス市警を辞め、マイアミでストリートレーサーになっていたブライアン
ある日、レース中に警察に捕まったブライアンは過去の罪状をチャラにするかわりに潜入捜査の協力をもちかけられる
ワイルドスピード講座第二回目
いやあ、これですよ、これ
ワイルドスピードって映画の第一印象として、こんな作品だろうなあって思ってたものがすべてありましたね
1に比べてとにかくカーアクションが増え、とりあえず物事はすべて「走りで話をつけようか」な頭からっぽ展開が素敵すぎる
しょうじき映画的には1の方が完成度は高い
でも、2のこのB級っぷりが個人的にはたまらんのですよ
新キャラとしてはっちゃけ黒人のローマンがでてくるんですが、最初は「あれ?ドムは?」と思いもしましたが、このロームもいい味だしててよかったですね
ちょっとブライアンがただのクレイジー野郎に成り下がってたのがアレですが、まあ許容範囲内
とにかくロームのキャラが個人的にツボにはいって、すごい気に入りましたね
いいわあ、こういう友だちほしいわあ
で、今回のストーリーなんですが、一言でいうと「ストーリー?なにそれ?おいしい?」ってくらいにないに等しい
人物の感情の起伏や、人間関係のドラマ、そんなもんはクソ食らえ
とにかくいっぱい車が走ってればいいじゃん。面白いじゃん
そんなノリのクソB級映画
まさに楽しんだもん勝ちな内容で、冷静なツッコミを入れる人には向いてないかと
まあ、それでもさすがにこのストーリーは幼稚すぎないか、と所々おもう部分もあります
あとは登場キャラがことごとく薄味で、ふかく描かれないんで最後まで見ても「で、おまえはどういうキャラなんだ」というヤツもちらほら
内容もちょっとライトすぎる気がして、もうちょっと重いところがあってもなあ、と
それでもブライアンとロームの友情っぷりはいいですね
二人の友情をからめて、1の最後のブライアンの行動の意味もさらっと語られますが、それでも個人的には納得できなかったです
そんなわけで、2にして速くも超B級…いやクソB級映画になったわけですが、B級耐性がある人は1より楽しめるのは確かです
ちょっと退屈でも普通の作品が見たいって人はおとなしく1でリタイアするのが正しい選択かもしれません
個人的評価:60点
オススメ度:CGのチープさは大目にみましょう
ワイルドスピードX2 予告
2009年10月6日火曜日
ワイルド・スピード (2001/米)
監督:ロブ・コーエン
出演:ポール・ウォーカー / ヴィン・ディーゼル / ジョーダナ・ブリュースター / ミシェル・ロドリゲス / リック・ユーン / マイク・ホワイト / ボー・ホールデン / チャド・リンドバーグ / ジョニー・ストロング / マット・シュルツ
400mの直線を全速で走りきるカーレースゼロヨンのカリスマ、ドミニク
そんな彼に近づき挑戦する男、ブライアンにはある理由があった
4(MAX)を観にいくまえに過去作を予習しといた方がいいんじゃないか?ということで視聴
このシリーズにかぎらず、けっこう有名作品はスルーしてるのが多いから困る
それにしてもトランスポーター3、湾岸ミッドナイト、ワイルドスピードMAXと車系の作品が続きますね
個人的には車の知識は皆無、というか車種すらろくに知らない車愛のない輩ですが、でもこういう走りの迫力を追求する作品は好物のひとつです
迫力があれば別に車じゃなくても、他の乗り物でもOK
「トルク」とかもアホっぽくて好きです
で、観てみて意外だったのが、これってレースものの映画じゃなく、普通に刑事ものだったのねという事実
シリーズ重ねてるし、今さらネタバレってほどじゃないと思うんで言っちゃいますが、潜入捜査官であるブライアンの捜査パートがメインでしたね
もっとレースとかバリバリあって、市街地とかびゅんびゅん走るのかと思ってたんですが
それにレースもゼロヨンなんで、ぶっちゃけコーナリングとか、対向車をぬって走るとかもない、ただまっすぐにスピードまかせに走るだけという
よく知らないけど、こういう感じのレースって結局はマシンに金かけてるやつが一番速いんじゃないのかと思わざるえない
そしてドミニクやその仲間たち、良い関係になったドミニクの妹とじょじょに友情愛情を深めていきつつ、警官であることを隠して捜査も進めていかざるえないというジレンマ
そこらへんを楽しむ映画なんですが、こういった内容だとラストに捜査対象である真犯人をドミニクとブライアンが友情パワーでこらしめる、ってのが定石だと思うんです
そんな変な思い込みがあったからこそ、事件の真相は個人的に「あ、そうくるんだ」って感じでしたね
最後のオチも、ブライアンの気持ちは分からんでもないけど、ブライアンの最後の行動とか「えー、それってちょっとどうなん…」な印象が
「ミーシャ」や「スラムドッグ~」の主人公みたいに生きるためにしかたなくやってる罪なら、見ててもそう違和感はないんですけど…
さすがに自分の趣向のためにやったことのツケくらい精算させようぜ
そんなわけで、まあ、深く考えずに楽しめればいい着飾るのが好きな男の子向き映画って感じでしょうか
作品じたいは悪くはないけど、冷静に考えるとどうしてもね
個人的評価:60点
オススメ度:私欲の犯罪はダメ
ワイルドスピード 予告
出演:ポール・ウォーカー / ヴィン・ディーゼル / ジョーダナ・ブリュースター / ミシェル・ロドリゲス / リック・ユーン / マイク・ホワイト / ボー・ホールデン / チャド・リンドバーグ / ジョニー・ストロング / マット・シュルツ
400mの直線を全速で走りきるカーレースゼロヨンのカリスマ、ドミニク
そんな彼に近づき挑戦する男、ブライアンにはある理由があった
4(MAX)を観にいくまえに過去作を予習しといた方がいいんじゃないか?ということで視聴
このシリーズにかぎらず、けっこう有名作品はスルーしてるのが多いから困る
それにしてもトランスポーター3、湾岸ミッドナイト、ワイルドスピードMAXと車系の作品が続きますね
個人的には車の知識は皆無、というか車種すらろくに知らない車愛のない輩ですが、でもこういう走りの迫力を追求する作品は好物のひとつです
迫力があれば別に車じゃなくても、他の乗り物でもOK
「トルク」とかもアホっぽくて好きです
で、観てみて意外だったのが、これってレースものの映画じゃなく、普通に刑事ものだったのねという事実
シリーズ重ねてるし、今さらネタバレってほどじゃないと思うんで言っちゃいますが、潜入捜査官であるブライアンの捜査パートがメインでしたね
もっとレースとかバリバリあって、市街地とかびゅんびゅん走るのかと思ってたんですが
それにレースもゼロヨンなんで、ぶっちゃけコーナリングとか、対向車をぬって走るとかもない、ただまっすぐにスピードまかせに走るだけという
よく知らないけど、こういう感じのレースって結局はマシンに金かけてるやつが一番速いんじゃないのかと思わざるえない
そしてドミニクやその仲間たち、良い関係になったドミニクの妹とじょじょに友情愛情を深めていきつつ、警官であることを隠して捜査も進めていかざるえないというジレンマ
そこらへんを楽しむ映画なんですが、こういった内容だとラストに捜査対象である真犯人をドミニクとブライアンが友情パワーでこらしめる、ってのが定石だと思うんです
そんな変な思い込みがあったからこそ、事件の真相は個人的に「あ、そうくるんだ」って感じでしたね
最後のオチも、ブライアンの気持ちは分からんでもないけど、ブライアンの最後の行動とか「えー、それってちょっとどうなん…」な印象が
「ミーシャ」や「スラムドッグ~」の主人公みたいに生きるためにしかたなくやってる罪なら、見ててもそう違和感はないんですけど…
さすがに自分の趣向のためにやったことのツケくらい精算させようぜ
そんなわけで、まあ、深く考えずに楽しめればいい着飾るのが好きな男の子向き映画って感じでしょうか
作品じたいは悪くはないけど、冷静に考えるとどうしてもね
個人的評価:60点
オススメ度:私欲の犯罪はダメ
ワイルドスピード 予告
スラムドッグ$ミリオネア (2008/英)
監督:ダニー・ボイル
出演:デヴ・パテル / マドゥール・ミタル / フリーダ・ピント / アニル・カプール / イルファン・カーン / サウラーブ・シュクラ / ラージ・ズツィ / マネシュ・マンジレカル / ヒマンシュ・チャギ
スラムで育った教養のない少年、ジャマール
クイズに答え進めることで大金を手にできる番組に参加した彼は、順調に賞金を獲得していくもののその育ちからイカサマ嫌疑をかけられる
世間一般的に面白い、特にアカデミー賞関連の作品ってのはどうも個人的に合わないのが多いんですが、これは違いましたね
いやあ、マジで面白いッスわ
もうね、発売間近のBDも買わせていただきます
話のテンポ、音楽、映像演出、最高と言わざるえない
もっとしんみりでねっとりした話で、貧しい生まれの主人公をねちねちいたぶって、「ほら、かわいそうでしょ?ん?感動してもいいんだよ?」みたいな内容かと思ったけどちがいましたね
スラム育ちの隠れた天才少年が、逆境の日々を堪え忍びながらたくましく暮らし、ある日、ひょんなことから参加した番組であれよあれよと勝ち進む・・・そんな話だと思ってた時期が僕にもありました
実際の内容はかなり良い意味で裏切られた感じの展開でしたね
出題された問題に対し、それまでに経験した辛く楽しい思い出と経験の中から答えを出すんですね
大まかには出題→答えに対する過去のエピソード→回答みたいな流れですね
そのひとつひとつのエピソードが物足りないほど短くもなく、だれるほど長くもなく、それでいてそれぞれのエピソードに力がある
「ミーシャ」に期待してて、見たいと思っていたものがまんまこの映画の中にありました
かなり辛い思いをしながら、見てる方が暗澹たる気分にならないような軽すぎない軽さで、前向きに楽しめるようにエンタテイメント性が強くなってます
画的にもセンスがいい感じで撮ってるんですが、個人的にじゃっかん気取りすぎかなあと思うところもありましたね
お兄ちゃんのケリの付け方とか、もうちょっと泥臭く、そしてきちんときれいにかたをつけてほしかった気がしないでもない
あのお兄ちゃんのエピソードの終わり方だと、なんか結局は主人公の弟に後々に負の輪廻が襲ってくるんじゃないかと
あとは、もっとテレビ番組の暗部を扱ってもよかったような・・・いや、でも中途半端にやられるより、司会のおっちゃんが一人で憎まれ役をかった方がいいのか、な?
主人公と兄、少女ラティカの幼少時代から、現代までのお話としても十分通用するけど、そこに「クイズ$ミリオネア」をくっつけただけで、こうもおもしろさが増すとは思いませんでした
そんな感じで、この映画の主軸は「ミリオネア」ではない・・・というか、番組じたいが作品の中のひとつのエピソードって感じで、ようは主人公の生きざまを見る映画ですね
悪いことはするけど、最低限の人としての守るべきところは守る、まっすぐでしょうじきであきらめの悪い主人公、素敵です
ちなみに、私は映画冒頭のクイズは外しました
いや、だって、ほら、ほぼこの映画の前情報とか見てないんだもの
と、最後に汚い大人の意見をのたまわりましたが、ホントに一般的な評価そのままの良作でした
個人的評価:90点
おすすめ度:ちんちんヒリヒリ
スラムドッグ$ミリオネア 予告
出演:デヴ・パテル / マドゥール・ミタル / フリーダ・ピント / アニル・カプール / イルファン・カーン / サウラーブ・シュクラ / ラージ・ズツィ / マネシュ・マンジレカル / ヒマンシュ・チャギ
スラムで育った教養のない少年、ジャマール
クイズに答え進めることで大金を手にできる番組に参加した彼は、順調に賞金を獲得していくもののその育ちからイカサマ嫌疑をかけられる
世間一般的に面白い、特にアカデミー賞関連の作品ってのはどうも個人的に合わないのが多いんですが、これは違いましたね
いやあ、マジで面白いッスわ
もうね、発売間近のBDも買わせていただきます
話のテンポ、音楽、映像演出、最高と言わざるえない
もっとしんみりでねっとりした話で、貧しい生まれの主人公をねちねちいたぶって、「ほら、かわいそうでしょ?ん?感動してもいいんだよ?」みたいな内容かと思ったけどちがいましたね
スラム育ちの隠れた天才少年が、逆境の日々を堪え忍びながらたくましく暮らし、ある日、ひょんなことから参加した番組であれよあれよと勝ち進む・・・そんな話だと思ってた時期が僕にもありました
実際の内容はかなり良い意味で裏切られた感じの展開でしたね
出題された問題に対し、それまでに経験した辛く楽しい思い出と経験の中から答えを出すんですね
大まかには出題→答えに対する過去のエピソード→回答みたいな流れですね
そのひとつひとつのエピソードが物足りないほど短くもなく、だれるほど長くもなく、それでいてそれぞれのエピソードに力がある
「ミーシャ」に期待してて、見たいと思っていたものがまんまこの映画の中にありました
かなり辛い思いをしながら、見てる方が暗澹たる気分にならないような軽すぎない軽さで、前向きに楽しめるようにエンタテイメント性が強くなってます
画的にもセンスがいい感じで撮ってるんですが、個人的にじゃっかん気取りすぎかなあと思うところもありましたね
お兄ちゃんのケリの付け方とか、もうちょっと泥臭く、そしてきちんときれいにかたをつけてほしかった気がしないでもない
あのお兄ちゃんのエピソードの終わり方だと、なんか結局は主人公の弟に後々に負の輪廻が襲ってくるんじゃないかと
あとは、もっとテレビ番組の暗部を扱ってもよかったような・・・いや、でも中途半端にやられるより、司会のおっちゃんが一人で憎まれ役をかった方がいいのか、な?
主人公と兄、少女ラティカの幼少時代から、現代までのお話としても十分通用するけど、そこに「クイズ$ミリオネア」をくっつけただけで、こうもおもしろさが増すとは思いませんでした
そんな感じで、この映画の主軸は「ミリオネア」ではない・・・というか、番組じたいが作品の中のひとつのエピソードって感じで、ようは主人公の生きざまを見る映画ですね
悪いことはするけど、最低限の人としての守るべきところは守る、まっすぐでしょうじきであきらめの悪い主人公、素敵です
ちなみに、私は映画冒頭のクイズは外しました
いや、だって、ほら、ほぼこの映画の前情報とか見てないんだもの
と、最後に汚い大人の意見をのたまわりましたが、ホントに一般的な評価そのままの良作でした
個人的評価:90点
おすすめ度:ちんちんヒリヒリ
スラムドッグ$ミリオネア 予告
2009年10月4日日曜日
ミーシャ ホロコーストと白い狼 (2007/仏・ベルギー・独)
監督:ヴェラ・ベルモン
出演:マチルド・ゴファール / ヤエル・アベカシス / ギイ・ブドス / ミシェル・ベルニエ / ベンノ・フュアマン
ナチス占領下のヨーロッパで両親と隠れて生きるユダヤ人の幼き少女、ミーシャ
学校の帰り道、両親たちと取り決めた合い言葉を知る人物が現れ、父母を残し郊外のとある家で暮らすことになるのだが
そんなわけで映画館で観れないならDVDを買えばいいじゃない、と視聴
映画館という環境は、巨大なスクリーンと迫力の音響が売りなんですが、反面で映写という状況ゆえにどうしても画質がぼんやりしてしまうし場内が暗いので映像的な暗部が見づらい、音響にしてもそれにこだわらない作品については利点にならないんですね
さらに現代では家のテレビもどんどん高画質になり、音響も個人で楽しむ分には十分な環境が整えられます
画質もクリアで、周りの目も気にせずに自分のペースでのんびり鑑賞できる
それでも私は最近、なるべく映画館に通うようにしています
それは個人的に極度の効率重視タイプの人間だからで、とくに近頃ではそんな自分の性分が嫌になってきてるんですね
なんで高い金払って、こっちから出向いて人混みに混ざってまでそんな映画を観にいくのか
それは究極の効率重視生活である、休みの日は家でごろごろ→お腹減らない→食事もなにもしなくていい、というループをしばらく続けていたからこそ、逆に効率重視って時間の無駄なんじゃないか、と思ったわけですね
まあ、そんなことはどうでもいいとして
まず、予告やらなんやら見て想像してたのと違う内容でしたね
副題にもなってるように白い狼と一緒に、薄情な人間界と決別して暖かい野生動物の世界で生きて旅をする、って話だけではないんですね
両親を探して旅をするんですが、その途中途中で細かいエピソードが展開します
狼のエピソードもその一つにすぎないんですね
他のエピソードよりは時間をさいてますが、それでもたっぷりと狼世界を堪能できるわけじゃありません
そんな細かいエピソードの集合でできてるんですが、一つ一つが本当に細かい上に深く描かずに淡々と流す感じで話が展開します
しょうじき駆け足すぎというか、もっとエピソードを減らしてメインの話を深く描いてもいい気がしないでもありませんでした
個人的には隠れる子供たち編→狼編→ソビエトの人たち編→ラストって風に簡潔にしてもいいんじゃないか、と
いくらでも感動できる方向に持って行けるのに、なんかあえてそうしてないというか、力不足なのかどうか
逆にエピソードがあっさりしてる分、ミーシャのたくましさと生々しさが浮き上がってきてるのは確か
土の中でうねってるアレとか、森の中でぴょんぴょん飛んでるアレなんかを生のままいく姿は強烈に印象に残りましたね
それでもちょっとどうかな、と思うところもいくつかあって、かなり長いあいだ旅を続けてるのに年月の経過をイマイチ感じられない
たくましい姿を描くのはいいけど、最初から盗みなんかの犯罪行為に罪悪感をもってない
追っ手の犬を動物心理の知識を利用して制するのは分かるけど、狼はなぜか飼い犬のように最初からなついてくる上に野生の厳しい目つきがない
個々のエピソードが短いくせに完結してるんで、この話を入れた意味があるのかと思うものも
ラストもぶっちゃけバッドエンドかと思うような展開になるんですが、いや、まあ、アレはアレでバッドエンド…なのかもしれません
結局、なんのために旅をしてたの?って根源の疑問を抱いたけど、気づかないふりをするのが大人ってもんでしょうか
個人的評価:60点
オススメ度:ホロコースト系の知識はあって当然って感じで話は進むので注意
ミーシャ ホロコーストと白い狼 予告
出演:マチルド・ゴファール / ヤエル・アベカシス / ギイ・ブドス / ミシェル・ベルニエ / ベンノ・フュアマン
ナチス占領下のヨーロッパで両親と隠れて生きるユダヤ人の幼き少女、ミーシャ
学校の帰り道、両親たちと取り決めた合い言葉を知る人物が現れ、父母を残し郊外のとある家で暮らすことになるのだが
そんなわけで映画館で観れないならDVDを買えばいいじゃない、と視聴
映画館という環境は、巨大なスクリーンと迫力の音響が売りなんですが、反面で映写という状況ゆえにどうしても画質がぼんやりしてしまうし場内が暗いので映像的な暗部が見づらい、音響にしてもそれにこだわらない作品については利点にならないんですね
さらに現代では家のテレビもどんどん高画質になり、音響も個人で楽しむ分には十分な環境が整えられます
画質もクリアで、周りの目も気にせずに自分のペースでのんびり鑑賞できる
それでも私は最近、なるべく映画館に通うようにしています
それは個人的に極度の効率重視タイプの人間だからで、とくに近頃ではそんな自分の性分が嫌になってきてるんですね
なんで高い金払って、こっちから出向いて人混みに混ざってまでそんな映画を観にいくのか
それは究極の効率重視生活である、休みの日は家でごろごろ→お腹減らない→食事もなにもしなくていい、というループをしばらく続けていたからこそ、逆に効率重視って時間の無駄なんじゃないか、と思ったわけですね
まあ、そんなことはどうでもいいとして
まず、予告やらなんやら見て想像してたのと違う内容でしたね
副題にもなってるように白い狼と一緒に、薄情な人間界と決別して暖かい野生動物の世界で生きて旅をする、って話だけではないんですね
両親を探して旅をするんですが、その途中途中で細かいエピソードが展開します
狼のエピソードもその一つにすぎないんですね
他のエピソードよりは時間をさいてますが、それでもたっぷりと狼世界を堪能できるわけじゃありません
そんな細かいエピソードの集合でできてるんですが、一つ一つが本当に細かい上に深く描かずに淡々と流す感じで話が展開します
しょうじき駆け足すぎというか、もっとエピソードを減らしてメインの話を深く描いてもいい気がしないでもありませんでした
個人的には隠れる子供たち編→狼編→ソビエトの人たち編→ラストって風に簡潔にしてもいいんじゃないか、と
いくらでも感動できる方向に持って行けるのに、なんかあえてそうしてないというか、力不足なのかどうか
逆にエピソードがあっさりしてる分、ミーシャのたくましさと生々しさが浮き上がってきてるのは確か
土の中でうねってるアレとか、森の中でぴょんぴょん飛んでるアレなんかを生のままいく姿は強烈に印象に残りましたね
それでもちょっとどうかな、と思うところもいくつかあって、かなり長いあいだ旅を続けてるのに年月の経過をイマイチ感じられない
たくましい姿を描くのはいいけど、最初から盗みなんかの犯罪行為に罪悪感をもってない
追っ手の犬を動物心理の知識を利用して制するのは分かるけど、狼はなぜか飼い犬のように最初からなついてくる上に野生の厳しい目つきがない
個々のエピソードが短いくせに完結してるんで、この話を入れた意味があるのかと思うものも
ラストもぶっちゃけバッドエンドかと思うような展開になるんですが、いや、まあ、アレはアレでバッドエンド…なのかもしれません
結局、なんのために旅をしてたの?って根源の疑問を抱いたけど、気づかないふりをするのが大人ってもんでしょうか
個人的評価:60点
オススメ度:ホロコースト系の知識はあって当然って感じで話は進むので注意
ミーシャ ホロコーストと白い狼 予告
2009年10月2日金曜日
ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破 (2009/日)
監督:庵野秀明 / 摩砂雪 / 鶴巻和哉
出演:緒方恵美 / 林原めぐみ / 宮村優子 / 坂本真綾 / 三石琴乃 / 山口由里子 / 山寺宏一 / 石田彰 / 立木文彦 / 清川元夢 / 長沢美樹 / 子安武人 / 優希比呂 / 関智一 / 岩永哲哉 / 岩男潤子 / 麦人
謎の巨大な敵・使徒と戦うために巨大ロボットのような兵器・エヴァンゲリオンに乗る少年、碇シンジ
新たな仲間であるアスカも加わり、激しくなる使徒との戦いとささやかな日常の中で生きる
初回の公開当時は映画館に足を運ぶことはなかったので、この再演は素直にうれしかったですね
個人的にはTV放映当時からハマり、再放送も逃さず見続け、後半やたらと発売に時間がかかったLDも買いそろえ、旧劇場版の一作目を観にいって「ぶつ切りかよ!」とキレ、二作目も観にいって「バッドエンドかよ!」と吠え、それでも劇場版BOXも買った、そこそこの量産型エヴァオタクだったわけですが
そんなわけで新劇場版の二作目の今作、前作が「序」と冠された理由がよく分かりますね
「序」はこの「破」のためのまさに礎だった気がします
「序」で世界、キャラ、話の流れを説明しておいて、ようやくこの作品から大きく動き出す、みたいな
それでもすべてをぶち壊すほどに大きく変わったわけじゃなく、あくまでTV版ベースの話の流れを受けての新展開といった感じ
しょうじき在りし日に、もしくは今まさに元のTV版にハマった(ている)人こそ楽しめる要素がふんだんにあります
話の展開も日常パートと戦闘パートがリズムよく交錯し、旧作よりもさらにキャラの感情の動きが分かりやすく描かれています
旧作ではクラシック音楽を起用したり、静寂とともに長い間をとったり、あえて説明不足を演出したり、悪く言えば「気取ってる」風なところがありましたが、今作では一変してます
旧作の雰囲気に近い「序」と、この「破」を比べるとよく分かりますが、とにかく「分かりやすい」直球な演出になってるんですね
ここら辺は個人的にいい感じだと思います
旧作におけるエヴァ3号機エピソードの大幅改訂、そしてクライマックスの旧作における「男の戦い」エピソードの強化はめちゃくちゃ面白かった
個人的におとなしめの主人公のシンジが本当に熱い心をぶつけるシーンは本当によかった
それでもちょっと気になるのは、新キャラである女の子がよく分からんまま終わったのはどうなのか、と
あと「序」で月にいたあの男の子も、またもや今作でも顔出していどだし・・・
いろいろと噂でシンジがすごいことになる、と聞いてましたが思ったほどのすごさじゃなかったかなあ
TV版終盤のシンジのトンデモ扱いっぷりより驚きはなかったし、今後の展開にもつなげやすいラストだったと思います
それでも「チクショー、続きが気になるじゃねえか」って感じの反則的な終わり方に違いはないですが
そんなわけで、いまだにエヴァ熱をもった人は十分に楽しめるでしょう
そうじゃない人の感情は残念ながら分かりません
いまだにエヴァに毒されてる身では客観的に語れないので
個人的評価:90点
おすすめ度:Qかよ
ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破 予告
出演:緒方恵美 / 林原めぐみ / 宮村優子 / 坂本真綾 / 三石琴乃 / 山口由里子 / 山寺宏一 / 石田彰 / 立木文彦 / 清川元夢 / 長沢美樹 / 子安武人 / 優希比呂 / 関智一 / 岩永哲哉 / 岩男潤子 / 麦人
謎の巨大な敵・使徒と戦うために巨大ロボットのような兵器・エヴァンゲリオンに乗る少年、碇シンジ
新たな仲間であるアスカも加わり、激しくなる使徒との戦いとささやかな日常の中で生きる
初回の公開当時は映画館に足を運ぶことはなかったので、この再演は素直にうれしかったですね
個人的にはTV放映当時からハマり、再放送も逃さず見続け、後半やたらと発売に時間がかかったLDも買いそろえ、旧劇場版の一作目を観にいって「ぶつ切りかよ!」とキレ、二作目も観にいって「バッドエンドかよ!」と吠え、それでも劇場版BOXも買った、そこそこの量産型エヴァオタクだったわけですが
そんなわけで新劇場版の二作目の今作、前作が「序」と冠された理由がよく分かりますね
「序」はこの「破」のためのまさに礎だった気がします
「序」で世界、キャラ、話の流れを説明しておいて、ようやくこの作品から大きく動き出す、みたいな
それでもすべてをぶち壊すほどに大きく変わったわけじゃなく、あくまでTV版ベースの話の流れを受けての新展開といった感じ
しょうじき在りし日に、もしくは今まさに元のTV版にハマった(ている)人こそ楽しめる要素がふんだんにあります
話の展開も日常パートと戦闘パートがリズムよく交錯し、旧作よりもさらにキャラの感情の動きが分かりやすく描かれています
旧作ではクラシック音楽を起用したり、静寂とともに長い間をとったり、あえて説明不足を演出したり、悪く言えば「気取ってる」風なところがありましたが、今作では一変してます
旧作の雰囲気に近い「序」と、この「破」を比べるとよく分かりますが、とにかく「分かりやすい」直球な演出になってるんですね
ここら辺は個人的にいい感じだと思います
旧作におけるエヴァ3号機エピソードの大幅改訂、そしてクライマックスの旧作における「男の戦い」エピソードの強化はめちゃくちゃ面白かった
個人的におとなしめの主人公のシンジが本当に熱い心をぶつけるシーンは本当によかった
それでもちょっと気になるのは、新キャラである女の子がよく分からんまま終わったのはどうなのか、と
あと「序」で月にいたあの男の子も、またもや今作でも顔出していどだし・・・
いろいろと噂でシンジがすごいことになる、と聞いてましたが思ったほどのすごさじゃなかったかなあ
TV版終盤のシンジのトンデモ扱いっぷりより驚きはなかったし、今後の展開にもつなげやすいラストだったと思います
それでも「チクショー、続きが気になるじゃねえか」って感じの反則的な終わり方に違いはないですが
そんなわけで、いまだにエヴァ熱をもった人は十分に楽しめるでしょう
そうじゃない人の感情は残念ながら分かりません
いまだにエヴァに毒されてる身では客観的に語れないので
個人的評価:90点
おすすめ度:Qかよ
ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破 予告
湾岸ミッドナイト THE MOVIE (2009/日)
監督:室賀厚
出演:中村優一 / 小林涼子 / 加藤和樹 / 米原幸佑 / 佐田正樹 / 大桑マイミ / 菅田俊 / 石川伸一郎 / 林未紀 / 山本ひかる / 松本莉緒 / 袴田吉彦
高校生ながら夜は湾岸での自慢の車をとばす朝倉アキオ
ある日、かれは解体工場でかつて「悪魔のZ」と呼ばれた廃車寸前の車と出会う
原作は知らない状態で視聴しましたが、もっとおバカで走りがメインの物語かとおもったけどそうでもなかったのね
けっこうドラマ部分もよくできていて、ハリウッド的な「んなこたあ、いいから走ろうぜ!」っぽいノリが薄い
とはいえ、それでも作りが若者向けっていうか、あまりこういう車が好きな男臭い人たちが観るような作風ではないですね
廃車になっていた悪魔のZとの出会い、復活まではけっこう盛り上がって、そこから宿敵ブラックバードとのバトルは燃えまくります
だけど、その決着後からがどうにも中途半端な展開になって残念でなりませんね
全体的に走りのバトルは迫力がなく、「200(km)オーバーだぜ」っぽいこと言われても、それが説明台詞みたいな感じで実際はそう臨場感は感じられないのが残念
あとは話の展開が、Zを直す→バトル→事故→Zを直す・・・の単調な繰り返しなのが、ね
しかもバトルする相手はほぼブラックバードだけなんで、しょうじきもっと違う車とのバトルもバンバンしてもらって楽しみたかったかなあ
現役アイドル、その師匠的なカメラマン、主人公の友人の兄、少ないながらも個性的な他の走り屋がでてくるのに、ブラックバード以外とのバトルを入れない理由が分からない
予算か?予算の問題か?
ドラマ部分もアイドルとその師匠の絆イベントはいいんだけど、そこに主人公がいっさいからまないのはどうなんだよ、と
さらに理解ある先生とのやりとりもいいけど、そこはそこ「走り屋なら口を動かさずに車動かせ」と言わざるえない
頭からっぽの格闘家どうしの戦いみたいに、もっとバカっぽい展開でもいいから「とりあえず走りで話そうか」みたいなノリの方がしっくりくる気がしてならない
ラストもなんか煮えきらないというか、すっきり爽快な気分にならない決着の付き方だし
さらにヒロインが終盤にビッチ化するのはいかがなものかと
ネタバレしないけど、かなりひどいことをしておいて、あっさりと主人公に「許して」とか自分から言うとかどんだけビッチなんだよ
おまえちょっとかわいいからって、そんだけで許してもらえると自分で思っちゃってるの?ん?ん?
と、けっこうダメな部分ばかり目に付きますが、まったくつまらないわけじゃないんですね
逆にけっこう楽しめたゆえに、逆にダメな所を言いたくなる・・・そんな映画でした
個人的評価:60点
おすすめ度:オッケェゼットォォォ(核爆)
湾岸ミッドナイト THE MOVIE 予告
出演:中村優一 / 小林涼子 / 加藤和樹 / 米原幸佑 / 佐田正樹 / 大桑マイミ / 菅田俊 / 石川伸一郎 / 林未紀 / 山本ひかる / 松本莉緒 / 袴田吉彦
高校生ながら夜は湾岸での自慢の車をとばす朝倉アキオ
ある日、かれは解体工場でかつて「悪魔のZ」と呼ばれた廃車寸前の車と出会う
原作は知らない状態で視聴しましたが、もっとおバカで走りがメインの物語かとおもったけどそうでもなかったのね
けっこうドラマ部分もよくできていて、ハリウッド的な「んなこたあ、いいから走ろうぜ!」っぽいノリが薄い
とはいえ、それでも作りが若者向けっていうか、あまりこういう車が好きな男臭い人たちが観るような作風ではないですね
廃車になっていた悪魔のZとの出会い、復活まではけっこう盛り上がって、そこから宿敵ブラックバードとのバトルは燃えまくります
だけど、その決着後からがどうにも中途半端な展開になって残念でなりませんね
全体的に走りのバトルは迫力がなく、「200(km)オーバーだぜ」っぽいこと言われても、それが説明台詞みたいな感じで実際はそう臨場感は感じられないのが残念
あとは話の展開が、Zを直す→バトル→事故→Zを直す・・・の単調な繰り返しなのが、ね
しかもバトルする相手はほぼブラックバードだけなんで、しょうじきもっと違う車とのバトルもバンバンしてもらって楽しみたかったかなあ
現役アイドル、その師匠的なカメラマン、主人公の友人の兄、少ないながらも個性的な他の走り屋がでてくるのに、ブラックバード以外とのバトルを入れない理由が分からない
予算か?予算の問題か?
ドラマ部分もアイドルとその師匠の絆イベントはいいんだけど、そこに主人公がいっさいからまないのはどうなんだよ、と
さらに理解ある先生とのやりとりもいいけど、そこはそこ「走り屋なら口を動かさずに車動かせ」と言わざるえない
頭からっぽの格闘家どうしの戦いみたいに、もっとバカっぽい展開でもいいから「とりあえず走りで話そうか」みたいなノリの方がしっくりくる気がしてならない
ラストもなんか煮えきらないというか、すっきり爽快な気分にならない決着の付き方だし
さらにヒロインが終盤にビッチ化するのはいかがなものかと
ネタバレしないけど、かなりひどいことをしておいて、あっさりと主人公に「許して」とか自分から言うとかどんだけビッチなんだよ
おまえちょっとかわいいからって、そんだけで許してもらえると自分で思っちゃってるの?ん?ん?
と、けっこうダメな部分ばかり目に付きますが、まったくつまらないわけじゃないんですね
逆にけっこう楽しめたゆえに、逆にダメな所を言いたくなる・・・そんな映画でした
個人的評価:60点
おすすめ度:オッケェゼットォォォ(核爆)
湾岸ミッドナイト THE MOVIE 予告
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