2018年1月31日水曜日

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章「天命篇」 (2018/日)

監督:羽原信義
出演:小野大輔 / 桑島法子 / 鈴村健一 / 大塚芳忠 / 赤羽根健治 / 國分和人 / 千葉優輝 / 麦人徳 / チョー / 千葉繁 / 森谷里美 / 細谷佳正 / 田中理恵 / 東地宏樹 / 雨谷和砂 / 石塚運昇 / 山路和弘 / 比上孝浩 / 屋良有作 / 手塚秀彰 / 甲斐田裕子 / 神谷浩史 / 山寺宏一 / 内山昂輝 / 神田沙也加

旅を続けるヤマトにかつての仇敵デスラーがせまりつつあった
一方、艦内でもスパイによる不穏な空気が流れ始める

今回からデスラーさん復活で、なにやら戦いも新たな局面に…なんてことより、とにかく男の子の心をくすぐりまくる熱い戦いに盛り上がらざるえなかった作品でした
前半のデスラーとスパイの企みバトルから一転、もう後半のこれでもかってくらいの熱さにただただ心をゆだねるばかり
ちょっと昭和のOVAくさい演出が気になったけど、逆に媚び媚びな女性キャラ控えめでおっさんも楽しめました
古代の影がすっかり薄まったと思ってたところからの波動砲、空間騎兵、斉藤さんの演出は反則すぎる
と、なんだかんだ熱い熱いしか言ってないし、漢の戦い、それがすべてな感じの一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:ささきいさおOPから熱い



宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章「天命篇」 予告

デトロイト (20017/米)

監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジョン・ボヤーガ / ウィル・ポールター / アルジー・スミス / ジェイコブ・ラティモア / ジェイソン・ミッチェル / ハンナ・マリー / ケイトリン・デバー / ジャック・レイナー / ベン・オトゥール / ネイサン・デイビス・Jr. / ペイトン・アレックス・スミス / マルコム・デビッド・ケリー / ジョセフ・デビッド=ジョーンズ / ラズ・アロンソ / イフラム・サイクス / レオン・トマス3世 / ベンガ・アキナベ / クリス・チョーク / ジェレミー・ストロング / オースティン・エベール / ミゲル・ピメンテル / ジョン・クラシンスキー / アンソニー・マッキー

1967年、デトロイトでは白人警官の目が光る中で多くの黒人が居住していた
ある日、酒場での騒ぎがきっかけになり、街では大規模な暴動がおこるのだった

アクション映画のように爽快に銃をぶっぱなすヒーローもいなければ、自己犠牲で思い切った反撃にでる者もいない、どこまでもやりきれない気持ちがつのりながらも作品に引き込まれた
弱くて卑怯で卑屈で強かで計算高くて理不尽な人間くささがよく現れていて、どうしようもないクズにも人間的な奇妙な魅力を感じてしまう
ミュージシャンにやんちゃな若者、警備員に市警察、州警察、州兵、いろんなキャラと視点でつむがれるけど、不思議と複雑さがないのがいい
難しいことをいたって簡潔に描いていて、変に構えなくても感覚的にうったえてくるため、重苦しい内容のわりに観ていても疲れない
実際の事件をベースにしているものの、映画としてもかなり見応えがあって、その緊張感と暴力に強くひかれるものがあった
社会派なめんどくさい作品かと思いきや、そのドラマの展開にいつのまにかすっかり没入していた一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:そして多くの人が現在も続きの人生を歩んでいるという衝撃



デトロイト 予告

ロング,ロングバケーション (2017/伊)

監督:パオロ・ビルツィ
出演:ヘレン・ミレン / ドナルド・サザーランド / ジャネル・モロニー / クリスチャン・マッケイ / ダナ・アイビ

老夫婦のエラとジョンは、ある日、ふいに古いキャンピングカーに乗って旅行へ出てしまう
しかしエラは入院を余儀なくされる身で、ジョンも痴呆症が進行している状態だった

ふたりの長い人生を感じられ、とても心が安らぐと同時に優しいだけじゃないざらつきが楽しめた
エラとジョンの小粋な会話を観ているだけで十分におもしろく、どこか作られたような台詞であっても老齢のふたりの言葉だとしっくりくる
徐々に不穏な空気が支配してきて単調な旅のアクセントになりつつ、しかし互いの愛らしさでどんよりしすぎないのがいい
あとは色々な意味で衝撃的なラストの展開だけど、これはちょっと共感できるか否か分かれるかもしれない
それこそふたりの歩んできた人生ゆえの選択で、そこに第三者が良いとか悪いとか口をはさんだり、議論することじたいが無粋なのかもしれない

個人的評価:80点
オススメ度:人生の終わりが近づいてるからって、美しい景色ばかり目にするわけでもないってのもいいですね



ロング,ロングバケーション 予告

2018年1月24日水曜日

ジオストーム (2017/米)

監督:ディーン・デブリン
出演:ジェラルド・バトラー / ジム・スタージェス / アビー・コーニッシュ / アレクサンドラ・マリア・ララ / ダニエル・ウー / エウヘニオ・デルベス / エド・ハリス / アンディ・ガルシア

人類をおびやかす地球規模の異常気象を制御するための衛星に故障の疑いが浮かび上がる
その調査と修理のために衛星のことを知り尽くした男、ジェイクが宇宙へあがることになるのだった

単なる派手なだけのディザスターパニックじゃねえぜ、って感じで取って付けた陰謀めいたストーリーが壊滅的に退屈すぎて大きなマイナスにしかなってない映画でした
これなら手のつけられない暴走コンピューター状態な衛星へ特攻修理で宇宙へ上がる主人公、という単純なB級作品の方がまだマシだったかも
衛星暴走の裏に潜む大ざっぱで雑な企みを、主人公兄弟が地上と宇宙で解明とか眠気をあおるだけで、とっとと派手な災害描写こいよと不謹慎な思いで頭がいっぱいにならざるえない
宇宙にいったりきたりの描写も、「そんな簡単に?」というライトさで、それ以外の部分も状況の悪化具合のわりにそこまで深刻さが伝わってこない軽さがある
そしていよいよ目も覚めるドッカンガッシャンが始まってみると、どれもこれも予告で見たことがあるものばかりで興ざめな一本でした

個人的評価:40点
オススメ度:さすがに主人公補正がすぎる無傷っぷりはどうかと思う




ジオストーム 予告

パディントン2 (2017/英・仏)

監督:ポール・キング
出演:ヒュー・ボネビル / サリー・ホーキンス / ヒュー・グラント / ブレンダン・グリーソン / マデリーン・ハリス / サミュエル・ジョスリン / ジュリー・ウォルターズ / ジム・ブロードベント / ピーター・キャパルディ / ベン・ウィショー

ブラウン一家や街の人たちとすっかりなじんだ熊のパディントン
ルーシー叔母さんの誕生日が近づく中、特別なプレゼントを贈るためにお金を稼ぐことにするのだが…

観るたけでとてつもないほどの幸福感が得られる、なんともいえない自然な笑顔になる素敵な作品でした
あいかわらずのモフモフっぷりで愛らしいパディントン、ユニークなキャラクターたち、そしてテンポのいいストーリー展開で映画がはじまって早々にこの世界観に引き込まれます
ファミリー映画ではあるんだけど、アクションやアドベンチャーも豊富で、そこまで子供っぽい内容すぎないために万人向けな作品かもしれないですね
前作ではパディントンがひとりで幸せを周りに振りまいていたけど、今作ではブラウン一家をはじめみんなが幸せを連鎖させていくのがいい
特にヘンリー父ちゃんの魅力が大幅に増したのがおもしろかったし、もちろん囚人フレンズもとてもよかった
けっこう笑えるコミカルなシーンも多く、そして最後には分かっちゃいるけど感動を誘われ、観ている方も最高の幸せに包まれて心地の良いラストでした

個人的評価:90点
オススメ度:ふいうちのミュージカルにはやられた



パディントン2 予告

2018年1月21日日曜日

ルイの9番目の人生 (2016/加・英)

監督:アレクサンドル・アジャ
出演:ジェイミー・ドーナン / サラ・ガドン / エイダン・ロングワース / オリバー・プラット / モリー・パーカー / ジュリアン・ワダム ジェーン・マグレガー / バーバラ・ハーシー / アーロン・ポール

生まれながらにして生死に関わるものをふくめ、大小の事故にあいやすい少年ルイ
9歳の誕生日を迎えた日、ルイは崖から海へ落ち、運ばれた病院で死亡が確認されるのだが…

ダークなファンタジーのようで、サスペンス、スリラー、ドラマとジャンルでくくるのがどうでもよくなる独特な感じが楽しめた
分かりにくい世界感を酔わせるでもなく、なんだなんだと思いながらも変わる作品の雰囲気に意識を奪われる
思ったより重い話で気持ちが沈みそうになるたびにルイの愛らしい姿に救われた
話的にはあやしい人はけっこう最初っからあやしいし、逆に信用できそうな人は最初からその空気感が強くでているけど、それをふまえても最後までどう転ぶか引きつけられる
そしてなにより、この作品の流れの中でふいに泣かされるとは思わなかった

個人的評価:85点
オススメ度:ペレーズさん思った以上に有能だった



ルイの9番目の人生 予告

2018年1月17日水曜日

バーフバリ 王の凱旋 (2017/印)

監督:S・S・ラージャマウリ
出演:プラバース / アヌシュカ・シェッティ / ラーナー・ダッグバーティ / ラムヤ・クリシュナ / ナーサル / サティヤラージ / タマンナー

父が王国の英雄的存在バーフバリだと知らされるシヴドゥ
さらに父を裏切って殺したと言うカッタッパによって、現状にいたるまでの話が語られる

どんな短いシーンでも金と人と労力を全力全開で描くパワフルさにただただ圧倒されるばかりの作品でした
冷静な目で観れば「なんじゃそりゃ」な場面も、有無を言わせぬパワフルさで押し切られて、ツッコミどころか逆にそれがいいという心地よさに変わる
前作の流れのままにお父ちゃんとカッタッパのはっちゃけアドベンチャーがはじまった時はどうなるかと思ったけど、アクションの強烈さで本当にいちいち細かいことを気にさせない魅力がありますね
アクションだけでなくドラマパートも濃ゆくて、キャラがぐいぐい前へ出てくるから退屈する要素がない
ここぞってところでスロー演出が入るけど、それも使いどころが分かっていて、よくあるとりあえずスローにしとけばかっこうがつくだと的なやっつけ感がないのもいい
キャラとBGMと映像が最高に合わさりあって、そのかっこよさに脳天から痺れるシーンばかりで最高潮に気分が高まる映画でした
前作は家で観たけど、やっぱりこれは劇場で観るべきですね

個人的評価:90点
オススメ度:映画観ながらバーフバリ、バーフバリと叫びたくなる気持ちが分かりすぎる



バーフバリ 王の凱旋 予告

ブリムストーン (2016/蘭・仏・独・ベルギー・スウェーデン・英・米)

監督:マルティン・コールホーベン
出演:ダコタ・ファニング / ガイ・ピアース / エミリア・ジョーンズ / カリス・ファン・ハウテン / キット・ハリントン

声を発することができないリズは夫と子供たちとともに暮らしていた
そんな彼女の村に牧師がやってきて、その姿を見たリズは激しく動揺するのだった

弱き者がもう救われなすぎて気が滅入るが、しかし強く演技者に引きつけられる魅力があった
いや、さすがにそこまでにはならんだろ、という嫌な予感をことごとく覆してくれ、なんどとなく劇中で「マジかよ」と心中でつぶやいてましたね
とにもかくにも女子供に対する仕打ちが想像以上に凄惨なもので、話が進むにつれて苛烈さを増すと同時に悪魔じみた牧師から目が離せなくなる
宗教的なこととか、時代背景とかいろいろあるだろうけど、結局は人間としての妄執が茨のように絡みつく感じがすさまじい
それを観る側の心情にダイレクトに伝えてくる各役者さんたちの演技が、本当に強く大きく作品を支えている気がする
単なる胸くそ悪いだけの映画ではなく、悲哀や狂気のパワフルさに心奪われる一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:本当にちょっとだけラストカットに救われる



ブリムストーン 予告

2018年1月14日日曜日

劇場版 マジンガーZ INFINITY (2018/日)

監督:志水淳児
出演:森久保祥太郎 / 茅野愛衣 / 上坂すみれ / 関俊彦 / 小清水亜美 / 花江夏樹 / 高木渉 / 山口勝平 / 菊池正美 / 森田順平 / 島田敏 / 塩屋浩三 / 石丸博也 / 松島みのり / オカリナ / ゆいP / 田所あずさ / 伊藤美来 / 宮迫博之 / 朴ろ美 / 藤原啓治 / 石塚運昇 / 田中亮一 / 植田佳奈 / 本渡楓

富士の光子力プラント建設現場から巨大なマジンガーが発掘される
それを調べる研究者となった兜甲児の前に、巨大マジンガーから現れた少女が倒れ込む

キャラからメカまで現代風になってはいるけど、どこか古い展開のストーリーがどこなくマジンガーらしいと思えた
長い時を経ての続編というと、リアル寄りのダークでシリアスな作風か、昔ながらの懐かしい作りに二分されがちだけど、これは両方のバランスがとれている感じ
昔ながらのお客さんも新規の方も分け隔てなく観られる作りで安心して鑑賞できました
ちょっと途中でうだうだとしためんどくさい展開になりつつも、なんだかんだでバトルシーンの熱さが際立ってよかった
まあ、しょうじきスパロボ向けを意識したような新規要素や露骨なリアル企業とのタイアップが鼻につくけど、この新たな方向性のマジンガーはこれはこれで楽しい
パターン的に今回の作品は序章にすぎない、みたいなちょっとありがちな流れにならなかったのは少し残念でもありながら、ちゃんと終わらせてくれたことで鑑賞後の満足感がありましたね

個人的評価:75点
オススメ度:甲児の話の続き、あのシチュエーションであの言葉とか反則すぎる



劇場版 マジンガーZ INFINITY 予告

ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ! (2017/仏・独)

監督:スティーブン・クォーレ
出演:サリバン・ステイプルトン / チャーリー・ビューリー / シルビア・フークス / ジョシュア・ヘンリー / ディアミッド・マルタ / ディミトリー・レオニダス / ユエン・ブレムナー / J・K・シモンズ / クレーメンス・シック

バーンズ率いるネイビーシールズの隊は、適地での潜入作戦を成功させるも派手に暴れすぎてしまう
そんな敵のにらみが厳しい中、ひょんなことから湖底に沈む金塊を引き上げる無許可の作戦を行うことになる

特攻野郎的な面々が銃器をぶっぱなしまくってヒャッホー、という要素はなく暗い湖で台詞皆無の水中作業、という観ていて苦行でしかないクライマックスに眠気が本気でやばかった
アクション映画として作品の名詞代わりになるオープニングアクションから微妙なもんで、シリアスなんだかおふざけなんだかどっちにも傾かない描写でちょっと先行きが不安になる
結果としてその不安感はどんどんつのっていき、がたいのいい主人公兵士どもが雁首そろえて金塊をゲットする作を練るばかり
たまにお思いだしたように、取って付けた感しかしないアクションがあるけど、そんなもんで気分はあがりきらない
そんななんともいえない作品の中で、唯一、上官のナイスキャラっぷりだけがいろんな意味で輝いてまぶしすぎてちょっと救われた
ピンチを乗り切るにも金塊の行方を左右するにも、なんだかんだで主人公チーム以外の活躍が目立った変な一本でした

個人的評価:50点
オススメ度:基本的に主人公たちの行動が雑



ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ! 予告

2018年1月10日水曜日

キングスマン ゴールデン・サークル (2017/英)

監督:マシュー・ボーン
出演:コリン・ファース / ジュリアン・ムーア / タロン・エガートン / マーク・ストロング / ハル・ベリー / エルトン・ジョン / チャニング・テイタム / ジェフ・ブリッジス / ソフィー・クックソン / ペドロ・パスカル / エドワード・ホルクロフト

ロンドンの諜報機関キングスマンの諜報員エグジーは、かつてキングスマン候補生だったチャーリーに襲われる
その裏には巨大な麻薬組織の影があるとつきとめるのだが…

挨拶代わりのオープニングアクション、キレのいい動きと気持ちいいカメラワークのクライマックスアクションが爽快なエルトン映画でした
逆に言えばそれ意外のところは記憶に残りづらく、つまらなくはないし並以上のアクションで魅せてくれるんだけど、事前に期待していたものを満たしてくれるほどじゃなかった
ロンドンを離れた後からいっきに変な流れになり、それこそエグジーのなにを着ても似合うな、というのとエルトン・ジョンで遊びすぎという印象しかない
とりあえずハリーさんのポンコツっぷりの描写が長すぎて、その展開が必要だとは分かるけど全体的なテンポが悪くなってる感じ
あとさらに続編を意識してるのか、いろんな新キャラが出てくるのはいいけど、もうちょっとこの作品の中で完成するキャラとして描いてほしかった
と、本当にけっこう最高レベルに楽しい作品ではあるんだけど、どうしても前作と比べてしまい、結果として思った以上のものがなかったと思わざるをえない一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:なんだかんだでハリーさんでビシっとしまる作品



キングスマン ゴールデン・サークル 予告

2018年1月7日日曜日

レディ・ガイ (2016/米)

監督:ウォルター・ヒル
出演:ミシェル・ロドリゲス / トニー・シャルーブ / アンソニー・ラパリア / ケイトリン・ジェラード / シガニー・ウィーバー

精神病院に入れられている元医師ジェーン
彼女は訪れた担当医との話の中、殺し屋フランク・キッチンについて語り出す

女の体に改造されてファックだぜ、って感じで復讐に派手に弾丸をばらまいてハッスルする映画、ではない悪い意味で期待を裏切られた内容でした
これといったアクションはなく、ほぼジェーンとフランクの語りだけで話が進み、観ていてもいつ本番の復讐が始まるのかイライラする
それでもってやっとフランクが行動を起こしても、情報をもとに本人の前に立って淡泊に敵を撃つだけというね
いちおうはジェーンの話が妄言なのか真実なのか、という話の見所みたいなものはあるけど結局は別段に作品に深みを与えることなく尻すぼみ
主人公の男女を一人で演じているというウリも、どうにも男フランクが男に見えなくてシリアスな空気感の中で寒いギャグを見せられている気分だった
話の語りでおもしろくするでもなく、アクションで派手に彩るでもない、なんかモヤモヤだけがつのる一本でした

個人的評価:40点
オススメ度:女フランクの男っぽい言動や行動演技だけはよかった



レディ・ガイ 予告

嘘八百 (2018/日)

監督:武正晴
出演:中井貴一 / 佐々木蔵之介 / 友近 / 森川葵 / 前野朋哉 / 堀内敬子 / 坂田利夫 / 木下ほうか / 塚地武雅 / 桂雀々 / 寺田農 / 芦屋小雁 / 近藤正臣

古美術賞の小池は娘といっしょに絹田の家を訪れ、その蔵の骨董品を物色する
そこで偶然にも利休ゆかりの品を見つけ…

因果応報な感じではあるものの、やっぱりシャレにならないレベルの詐欺行為は笑えそうで笑えない、あまりマジメに考えずに観た方がいいかもしれないです
とりあえず話が転がりだす主人公ふたりが本格的に絡みはじめるまでが退屈で、しょうじき先行きが不安になるくらいつかみが弱い気がする
それでもおっさんふたりが画面の中心になってくると、いっきにテンポがよくなっておもしろくなってくる
順調にことが運びつつの、意外な方向へ風向きが変わる作風は楽しくて、けっこう最後まで良い意味で安心できなくて飽きることがない
それでもわりとおもしろい展開のテンポに波があり、全編ずっと騙し騙され疾走コメディってほど気持ちよくないのも確か
こんなおっさん度数の高い画づらの作品にした勇気だけは認めざるえない一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:ちょっとBGMがうるさすぎ



嘘八百 予告

牙狼 神ノ牙 (2017/日)

監督:雨宮慶太
出演:栗山航 / 池田純矢 / 青木玄徳 / 井上正大 / 南里美希 / 桑江咲菜 / 松野井雅 / 屋敷紘子 / 佐咲紗花 / くっきー / 泉谷しげる / 斉木しげる / 工藤綾乃 / 脇崎智史 / 小松もか / 黒木桃子

人を喰らう魔獣ホラー、それと戦う魔戒騎士である道外流牙
その彼のもとにかつて共に戦った哀空吏が闇堕ちし、騎士の鎧を奪う手伝いをしているというしらせが入る

今までの牙狼作品の中で、というか普通に娯楽アクション映画として見応えのありましたね
なんだかんだで鎧を着ての戦いが見所だと思ってたけど、とにかく生身でのアクションシーンの力の入れようがハンパない
かつての仲間も加わることでアクションのバリエーションも増え、ほぼずっとバトルしっぱなしな展開でも意外と飽きない
敵であるホラーの個性とバトルスタイルの多彩さもいい感じ
そしてなによりやっぱりジンガの存在が大きすぎる
流牙シリーズとして、この最大の敵役はそこにいるだけで画になるし、なにより生身状態の方が魅力的だから困らない
アクションの邪魔にならない適度なストーリーもいいし、ときおり挿入されるコミカルな演出も流れにめりはりができてよかった

個人的評価:75点
オススメ度:まあ、でもちょっとジンガというキャラに頼りすぎな気はする



牙狼 神ノ牙 予告

2018年1月3日水曜日

ビジランテ (2017/日)

監督:入江悠
出演:大森南朋 / 鈴木浩介 / 桐谷健太 / 篠田麻里子 / 嶋田久作 / 間宮夕貴 / 吉村界人 / 般若 / 坂田聡 / 岡村いずみ / 浅田結梨 / 八神さおり / 宇田あんり / 市山京香 / たかお鷹 / 日野陽仁 / 菅田俊

市議の二郎とデリヘル店長の三郎の兄弟、その父親が死ぬ
そこへ遺産目的で30年ぶりに長男の一郎が現れる

三兄弟それぞれの歪み方が本当に気持ち悪く、そしてそこが作品の魅力かもしれない
目に見えるバイオレンス描写もキツイけど、それ以上に人としての内面のどろどろさが観ていて精神を汚染される
乾いた空気感ならいいけど、けっこうじっとり湿ってる印象のために不快感がどんどんつのっていく
そんなストレスをあえて自分にあたえることで、自身のマゾ気質を刺激して楽しむ映画、とかいうと語弊があるか
二郎と三郎の停滞する日常に、一郎という異分子を放り込むことでかきみだされるものの絆が深まる、という日本ドラマの得意ジャンルじゃないのはおもしろい
しょうじき分かるような分からないようなところも多いけど、こういう作風の方向性は嫌いじゃない
まあ、かなり人を選ぶ作品ではありますね

個人的評価:70点
オススメ度:もうちょい強めに作り手のなにかしらの個性が感じられればよかった



ビジランテ 予告

はじまりのボーイミーツガール (2016/仏)

監督:ミシェル・ブジュナー
出演:アリックス・バイロ / ジャン=スタン・デュ・パック / シャルル・ベルリング / パスカル・エルベ

クラスの気になる少女マリーを見つめるヴィクトール
ある試験の出来事をきっかけにヴィクトールはマリーに勉強をおそわることになる

少年少女の幼い恋の甘酸っぱさが画面からあふれでるような素敵な作品でした
ヴィクトールの家庭の事情とか、マリーの病気とか物語が暗い方向に進む要素を含みつつも沈まない話の展開はよかった
子供らしいもどかしさと大胆さが分かりすぎるほど伝わってきて、自然と自分の中の輝いていた少年時代を思いながら感情移入できる
主人公ふたりの愛らしさはもちろん、友人たち、校長先生、ふたりの親まで物語のきらめきにうまく作用している感じ
そしてふたりの恋と夢が最高潮に達するラストには自然と体がふるえた
どこか昔なつかしさを感じる少年少女の青春ドラマでした

個人的評価:85点
オススメ度:時にはきれいごとばかり並べてもいいじゃない



はじまりのボーイミーツガール 予告

2018年1月2日火曜日

オール・アイズ・オン・ミー (2017/米)

監督:ベニー・ブーム
出演:ディミートリアス・シップ・Jr. / カット・グラハム / ドミニク・サンタナ / コリー・ハードリクト / アニー・イロンゼ / ジャマール・ウーラード / ダナイ・グリラ / ハロルド・ハウス・ムーア / ジャレット・エリス / ダズ・ディリンジャー / ローレン・コーハン / ヒル・ハーパー / クリス・クラーク / ロナルド・ブックス / ジャレット・エリス

刑務所で服役中のミュージシャンのトゥパックはインタビューを受けることになる
その中で彼は革命家の親に育てられた幼少期からの話をはじめる

トゥーパックのこととかラップのこととか、知っていれば知っているなりに、だけど特に知識がなくてもいち個人のドラマとして楽しめる
生い立ちからラップと出会って成功し、いろいろと犯罪チックな人生なダークドラマっぷりがおもしろいミュージシャンが主人公の映画
トゥーパックの人間性に共感できるところあり、そうでもないところありな感じだけど、しょうじきもっと人間的に見せたくない部分のところまで掘り下げてくれてもよかった気がする
最期が分かっていながらそこに至るまでがけっこう長く濃密なので、そういう意味ではいい感じに削ぎ落とせる部分はカッティングしてあるのかも
しかしこれを観ると本当にいっきに生を駆け抜けていったんだな、と思わざるえない
あとラップに限らず洋楽を曲調と雰囲気で楽しんでる私ですが、けっこう歌われる詞の内容の重要さを改めて痛感させられた

個人的評価:80点
オススメ度:音楽だけでなく業界の業の深さは映画の題材に適したドラマをはらんでるな


オール・アイズ・オン・ミー 予告

2018年1月1日月曜日

勝手にふるえてろ (2017/日)

監督:大九明子
出演:松岡茉優 / 渡辺大知 / 石橋杏奈 / 北村匠海 / 趣里 / 前野朋哉 / 池田鉄洋 / 稲川実代子 / 柳俊太郎 / 山野海 / 梶原ひかり / 金井美樹 / 小林龍二 / 増田朋弥 / 後藤ユウミ / 原扶貴子 / 仲田育史 / 松島庄汰 / 古舘寛治 / 片桐はいり

中学からずっと片思いの妄想彼氏イチに想いをよせるヨシカ
そんな彼女の前に会社の飲み会で可愛いと言ってくれるニが現れる

めんどくさい主人公のヨシカの自分勝手ワールドが、観ていて特に嫌な気持ちになるでもなく逆に魅力的に見える不思議な作品でした
そんなチャーミングなヨシカの周りの登場人物たちもみんなクセのある人たちばかりで、見た目のインパクトだけでも強烈に印象に残る
そんなキャラたちの掛け合いに笑いながらも、だんだんと引っかかるところが大きくなっていって、ヨシカの現実と妄想の境目があやふやになっていくのがブラックでおもしろい
ヨシカ、イチ、ニのそれぞれの想いの相対関係がごっちゃごちゃのカオスになりつつも、最終的にはなるほどね、とちょっとはすっきりするのはよかった
ヨシカの内面にずぶずぶと落ちていくだけではない展開も、なにか観ていて救われた気がする

個人的評価:80点
オススメ度:なにげに「まだ続くのか」ってくらい濃ゆい内容でした



勝手にふるえてろ 予告

猫が教えてくれたこと (2016/米)

監督:ジェイダ・トルン

トルコの大都市イスタンブール
そこで暮らす野良猫たちと人々の関係を映す

本当にどこにでもいる野良猫たちが街の情景と一体化していて、なくてはならない存在なんだと納得させられた
人々との関係も助け助けられと共存がなっていて、それぞれの人たちの意見にいちいちもっともだと思ってしまう
街の歴史と関わってくる部分もざっくり分かり、どこにいても画になり、そしてそんなところにもいるのかというとけ込みっぷりがはんぱない
もちろん猫たちの可愛さも最大限に描かれていて、こんな猫に足下で声をかけられたらたまらない
ちょっと野良猫の良い部分ばかり描かれている感は否めないけど、日本人として異国情緒プラス猫のあわせ技は卑怯なくらいキュンとこざるえない

個人的評価:75点
オススメ度:横座り扉ノックポーズにメロメロ



猫が教えてくれたこと 予告