出演:エイドリアン・ブロディ / エマニュエル・セニエ / エルサ・パタキー / ロバート・ミアノ / ジュゼッペ・ロ・コンソーレ / ヴァレンティナ・イズミ / ルイス・モルテーニ / シルヴィア・スプロス / ダニエラ・ファッツォラリ / タイヨウ・ヤマノウチ
突如として失踪した妹の捜索をしてもらおうと警察を訪れるリンダ
しかし警察には軽くあしらわれ、結局、変人扱いされている警部のエンツォが捜査することになり…
「デス・サイト」がなんとなく、ホントになんとなく好きだったので同じ感じの作品かなあ、と観てみたわけですが…
なんだろ、これ?
いやいや、なに、これ?
殺人鬼もののようでそうでもない、警察もののミステリーのようでそうでもない、もちろんホラーでもなんでもない
どう受け取っていいか持てあます感が逆に新鮮で気持ちいい、マゾな人にはたまらない内容と言えばいいんでしょうか
個人的にはこういう「普通の警察ものを作りたくなかったんじゃい」みたいなの嫌いじゃないよ?むろん好きでもないけど
タクシーを使って美女という獲物を捕らえ、監禁、切り刻んで死にいたらしめる猟奇殺人者
それを追っている警部のエンツォは新たな被害者の姉からの捜査依頼を受け、成り行きでともに捜索を開始する
じょじょに手に入る情報と姉のリンダの助言で犯人を追いつめる
そんな捜査パートの合間に切り刻みショーを交えつつ、エンツォの過去や犯人の過去を描いていく
ホラーテイストのミステリーという印象を受けるかもしれませんが、ホントにホラーでもミステリーでもないので、そういうの期待して観るとガッカリ度がむだに増すだけですね
とにかく中途半端
なにはともあれ中途半端
あまりに中途半端すぎて一周半してちょっとおもしろいと思えちゃうくらい中途半端
なによりこの画面全体から隠そうともしないであふれ出る古くささ
マジで2009年制作の映画とか信じられないレベル
古い時代を再現した映画がかすんで見えてしまうほどナチュラルに古くさい
あえてそうしているのか、天然なのかすごく気になる
内容にしたって古くささ爆発してて、エンツォの過去が語られるシーンでの「何もなかったことにしれくれた」とか、現代映画だと「ありえねー」ってつっこむけど、この作品だと「うん、まあ、そうかもね」と許せてしまう昭和的ノリがあります
あと個人的に気になったのは主人公エンツォの過去とか、犯人の過去とか描くのはいいけど、それがあんまりうまく作品に絡まってない気がするのはいかがなものか
そして最後のオチ、これはさすがにいろんな意味で素敵
本職の主人公と素人ヒロインが力を合わせて事件に挑む、もちろんじょじょに愛情も深まっていきつつラストはキスシーンでしめる、そんなありふれたのを描きたくない根性は素敵だと思います
だけど、これは絶対に一般的に受け入れづらいオチだと言わざるえない
一部の人からは「いいね」と思われ、大多数の人からは「ふざけんな」って思われるラストでした
作品の芯から古くさい映画を観たい、そんな人にはぴったりな一本かもしれません
個人的評価:60点
オススメ度:あの短い死に際にそんな色々しゃべってねえだろ
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