2011年12月23日金曜日

ミスター・ノーバディ (2009/仏・独・ベルギー・カナダ)

監督:ジャコ・バン・ドルマル
出演:ジャレッド・レト / サラ・ポーリー / ダイアン・クルーガー / リン・ダン・ファン / リス・エバンス / ナターシャ・リトル / トビー・レグボ / ジュノー・テンプル / クレア・ストーン / トマ・バーン / オードリー・ジャコミニ / ローラ・ブリュマーニュ / アラン・コーデュナー / ダニエル・メイズ / マイケル・ライリー / パスカル・デュケンヌ / ノア・デ・コスタンツォ / キアラ・カセッリ





2092年、人類最後の死ぬ人間、ニモ・ノーバディの死期が近づく
大々的にメディアのネタとして注目を集める中、その今までの人生を振り返らされることになり…

難解で複雑なビジュアル重視の世界観もの映画、のようで最後まで観るとけっこう分かりやすい作りになってます
しょうじきパラレルワールドなif世界がカオスに交錯しつつ描写されるさまをながめてるだけでも楽しい
それでいて最後には「なるほどね」と思わせてくれるからたまりませんね

主人公のニモが死ぬ間際に過去のできごとを語る形式で話は進みます
産まれ、育ち、恋をして、暮らし、死ぬ
楽しいこと悲しいことは数え切れないほどあるけど、どうにもニモの話には矛盾だらけ
まるで異なる世界に同時に存在していたかのようなパラレルワールドみたいな話ばかり
そんな次々にめまぐるしく移り変わるif世界を楽しめれば問題ないですが、けっこう人を選ぶ作りな気もするのでダメな人にとっては「はぁ?イミフだしぃ」みたいな印象をうけるかも

わりと序盤で印象的なセリフである「選択しなければ全ての可能性は残る」というのが観てるさいちゅうすっと頭に残るんですが、後々になってから「そういうことか」と思わせてくれることから、いっけん難解そうなストーリーでも重要なポイントはけっこう強調して描いてるので分かりやすい
そして最後まで観終わった時の「なるほど」感はうまく作品の展開に誘導されたゆえであっても、独力でそこに思い至ったみたいな充足を与えてくれて心地良い

なんとなくお手軽にアカデミックな俺かっけえ的なノリになりたい時には最適な一本かもしれません

個人的評価:95点
オススメ度:この現実は現実じゃない、と子供の頃に妄想してた痛い時期を思い出すわ




ミスター・ノーバディ 予告


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