出演:コリン・ファレル / マシュー・デイヴィス / クリフトン・コリンズJr. / トーマス・ギアリー / シェイ・ウィガム / ラッセル・リチャードソン / コール・ハウザー / ニック・サーシー / アフェモ・オミラミ
1971年、泥沼化するベトナム戦争の中、ルイジアナ州のある基地で訓練を受けるボズ二等兵
軍の規律を乱してばかりの彼は訓練の中で様々な事情を抱える兵士たちと出会い…
軍隊特有の厳しい規律と理不尽な上官の言動、「軍」という独特の世界に熱にうかされたように盲従する兵士たち
「でもそれおかしくね?」と言えちゃうはみだしものが主人公ですね
軍隊という世界の中で日常的にふるまうボズさんに惹かれる者あり、また反発する者ありな訓令兵たちのドラマ
生と死が隣り合わせの戦場で命をかけた友情と絆の感動物語、みたいなありがちなお涙ちょうだい戦争ものとはちょっと違っておもしろかった
ベトナム行きの最終訓練所「タイガーランド」へ移る前に、その過酷な訓練の前訓練がおこなわれていた
ことあるごとに規律を乱すボズは能力はあるのに戦争や人殺しに否定的で、訓練においてもやる気がまったくない
上官たちは軍から追い出すという選択こそボズの思うつぼだということを分かっており、厳しい罰は与えるしかできない
そんな中でボズの組み込まれた小隊の面々は彼に振り回されながらも、不思議と惹かれ押し殺していた本音を吐露する者も多い
兵士たちの「軍にはいったんだから仕方ない」という奥に隠されたドラマをなんたら…という作品でもあります
でも本質はボズという兵士の物語でしょうね
頭が良くて軍のルールの裏側まで精通してるのに、なんだかんだで自分から軍を抜ける勇気がない
自分をだませば十分に優秀な兵士になれるのに、そうする勇気がない
なにより他人を切り捨てる勇気がない
いい加減な言動や行動に隠れた芯が強く、自分をしっかり持った強い人間としての心意気…という周りの評価の反面、作品を観てボズというキャラを追っていれば「そんなやつじゃない」と分かる
勇気がなくてブレブレで弱い、どうにもこうにも人間くさい存在が良い味だしてます
別段、感動もしないし銃撃戦に燃えることもない、でも主人公の人間くささがあらわになってくるのを観てるだけでおもしろい、そんな一本でした
個人的評価:85点
オススメ度:タイガーランドだけで1年とか、そんな長期的な訓練してたんか
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