2013年9月13日金曜日

許されざる者 (1992/米)

監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド / ジーン・ハックマン / モーガン・フリーマン / リチャード・ハリス / ジェームズ・ウールベット / ソウル・ルビネック / アンナ・トムソン

元冷徹な凄腕ガンマンとして名のはせたマニー
そんな彼に賞金のかかった殺しの依頼を若いガンマンが持ちかけてきて・・・

日本版公開で鑑賞前に元作品をチェックしよう、というわけで観ることに
個人的にもっともっとウエットで渋い人情ものかと思ってたんですが、なんというか、すっごい微妙な作品でしたね
しょうじき一般的な評価としてもけっこう賛否が大きく分かれるんじゃないかな、と
名だたる名優が共演しているにしては地味だし、中途半端に古くさい印象が強いんですよね
そこそこの役者さんたちが「あの頃の映画」を再現するという目的で作ったなら、よくできた作品と言い切れるんですが・・・

ある牧場の男たちが買った娼婦にバカにされた、とその顔を切り裂く事件がおきる
保安官は犯人の男たちも札付きのワルというわけでもない点を考慮し、店に対し馬を引き渡すことでことをおさめるが、娼婦仲間たちは納得がいかない
娼婦たちは金を集め、荒くれ男どもを客にとって賞金をちらつかせて犯人の男どもを殺すようにもちかける
その話を知った若いガンマンは、相棒として主人公の老齢の男マニーを選ぶ
という話の中、結婚を期に妻の影響もあって人を撃つのをやめ11年たつ主人公と昔ながらの老いぼれた相棒の男を巻き込み、若いガンマンと3人で殺しを請け負う、と

とりあえずおもしろいのは、それぞれの登場人物たちに完全な善人がいないって点ですね
みんな嘘をついたり魔がさしたりなんだりで、各人の行動が「どうするのが最善か」ってのを分かりつつ、必ずしもそう動かないというところ
もちろんそれに主人公も含まれます
なんだかんだでみんな実は正義を貫いている、という内容のものはよくあります
が、なんだかんだでみんなちょっとずつ悪い、というのがこの作品の見所なのかもしれませんね

一方、主人公にとって妻の存在が大きかったわりに、あまり過去にとらわれてる印象が感じられない
そのくせに前座賞金稼ぎの男にみょうに尺を使ったり、主人公が病気になったり、無駄っていうのはアレかもしれないけどあまり重要ではないシーンが多い気がしないでもない
ラストもグッドエンドともバッドエンドとも言えず、鑑賞後にどうにも中途半端な感情だけ残してくれます
それを渋い、大人だ、と評価できるなら良作と思える一本かもしれません
個人的には良いとも悪いとも言えない「言いたいことは分かるけど、なんか半端な気分になる」そんな一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:単純に老いてはいるが腕はなまってない、という存在じゃない点は素敵




許されざる者 予告


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