2013年9月15日日曜日

許されざる者 (2013/日)

監督:李相日
出演:渡辺謙 / 佐藤浩市 / 柄本明 / 柳楽優弥 / 忽那汐里 / 小池栄子 / 近藤芳正 / 國村隼 / 滝藤賢一 / 小澤征悦 / 三浦貴大

明治十三年、蝦夷の地で女郎が地元の開拓民の男によって顔を裂かれる事件が発生する
警察署長の大石の裁断を不服に思った女郎たちは独自に賞金をかけ、その件について元人斬りの十兵衛はかつての仲間から話をもちかけられ・・・

直前にイーストウッド版を観ていただけに、この時代劇リメイク版の良い所がよりよく見えてきましたね
話の流れやらなんやら大筋はホントに本家をなぞって作られており、そこに日本人が観て楽しめるように追加・改変が加えられてます
行間を読む、というより察する心のある日本人にとって理解しやすいリメイクで、全体的にセリフや説明めいたものでみせるより、役者の演技で表現している部分が大きい印象がしました

蝦夷の土地で刀を捨て子供たちと身を隠すように静かに暮らす元伝説的な人斬り釜田十兵衛
そこに十兵衛の過去を知るかつての相棒である馬場金吾が現れる
ある町での人斬りの話をもちかけられる十兵衛だが、亡くなった妻の影響もあって真人間として暮らしている現状から気が進まない
だけど、それでもその話に乗らなくちゃ映画にならんわけで、そっからの途中で仲間になる五郎とのやりとり、警察署長との確執がありつつ物語は進んでいく、と

しょうじき本家よりそれぞれの登場人物が行動に移るゆえんである動機が分かりやすく丁寧に描かれていて、個人的にかなり良リメイク作品だと言わざるえない
アイヌ関連の描写も最初こそ「なんか余分な要素を入れてきたな」と思ってたけど、話が進むにつれてそこら辺のことも必要なことだったんだな、と納得できました
怒りを感じ、許すことができずに拳をあげてしまい、そのことで自分自身が痛みを感じたことがある人・・・そんな人こそ楽しめる作品に仕上がってる感じですね

ラストも含め個人的に本家を観て「うーん」と微妙に感じてた部分が改修されていて、ホントに最後の最後まで楽しめました
無骨な剣士が舞うように美しく立ち回る殺陣というギャップがある時代劇もいいけど、死闘とも呼べるこの作品のような描写は心ふるえる
渡辺謙って、なんか最近じゃっかん安売りされてるイメージがしないでもなかったけど、この作品でのひとつひとつの表情はまさに当たり役と言わざるをえない一本でした

個人的評価:100点
オススメ度:土人うんぬんでいらん問題にならなけりゃいいけど




許されざる者 予告

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