監督:テリー・ギリアム
出演:ヒース・レジャー / ジョニー・デップ / コリン・ファレル / クリストファー・プラマー / ジュード・ロウ / リリー・コール / アンドリュー・ガーフィールド / ヴァーン・トローヤー / トム・ウェイツ / チャールズ・マッケオン / ロレイン・チェシャー / ケイティ・リオンズ / ピーター・ストーメア / マイケル・エクランド
パルナサス博士の移動見世物小屋「幻想館」
そこにある鏡の中に入った人間は皆、自分の想像する世界をそこで体験するという
いやあ、しょうじきそこまで期待してなかったし、途中途中でだれる所もあったけど、結果、最後まで観たら「おもしろい」としかいいようがない
特にこの最後の最後のオチを楽しむには、映画館で観ないと伝わらないかもしれません
私も思わず「おい、誰だよ」と最初おもってしまいました
いやあ、あのタイミングでやられると、うっかりだまされます
「パルナサス博士の心の中」である鏡の世界で、そこに入ったものの想像(欲望)をくみとって世界を形作る
そんなシュールでキテレツなファンタジー世界を堪能する映画・・・という単純なものではないんですね
まあ、鏡の世界の描写はかなり面白いですけど
自堕落で酒におぼれるパルナサス博士とその娘、見世物小屋ではたらく青年、同じく働いている博士と昔なじみの小人、拾われた記憶喪失の男、そして神出鬼没な謎の怪しいおっさん・・・みんないいキャラで、それぞれの絡みがすごくおもしろい
でも、もっと鏡の世界が観たいと思ってる序盤は、そんなキャラたちのリアル世界での話がちょっと退屈でだれるかもしれません
トニーの登場がわりと遅いわりに、じゃっかんくどくどと絡んでくるシーンが長く感じ、もうちょっとテンポよく話を進めてもよかったかな、と
内容的にはパルナサス博士とニックの賭け、鏡の世界でそこに入った人に対し、それぞれ正しい道と誤った道を示して選択させることで競いあいます
で、賭けの商品がうんたらかんたらって感じの話が裏にありつつ、表面上は貧しいながら見世物小屋を続けるパルナサス博士と、今の生活にちょっと嫌気がさしてきている娘、そんな娘が気になる働き手のアントン、そこにさらに記憶喪失の男が加わってドタバタ、って感じ
確かにだれる所もあるけど、クライマックスに向けての加速はかなり面白い
というか幻想館がリニューアルしてからが本編の始まりかもしれません
そっからは次々に鏡の世界のファンタジーを堪能できるとともに、ストーリーも一気に加速していって、あっというまにラストまで駆け抜けてくれます
わりとブラックな内容で、トニーの思惑とか、アントンの悲劇とか「どうせ、こうなるんだろうな」と思ってた所に着地してくれないから困らない
そして、これは私が鈍いだけかもしれませんが、ラストのぶたれるパルナサス博士を見て、やっと「そういうことね」って思えたのはよかった
勘がいい人は観てる途中で「そういう作品だ」って、気づくかもしれませんが、自分にとって「選択する、ってそういうことか」と最後の最後で気づきました
そんなわけで、その後、スタッフロールの終わりに用意されたおまけを楽しむにはぜひ、映画館にいって観てみましょう
DVDとか待って、家で観てもぜったいに伝わらない演出ですね
個人的評価:90点
おすすめ度:3つの良い点、ひとつは世界観がいい。その2と3は忘れた
Dr.パルナサスの鏡 予告
0 件のコメント:
コメントを投稿