監督:アレックス・パストール / ダヴィ・パストール
出演:ルー・テイラー・プッチ / クリス・パイン / パイパー・ペラーボ / エミリー・ヴァンキャンプ / クリストファー・メローニ / キーナン・シプカ / ロン・マックレイリー / マーク・モーゼス
世界中に蔓延した感染力の強い謎の病
そんな中、兄のブライアンと弟のダニー、そしてそれぞれのガールフレンドを乗せた車がある場所へ向けて走る
地味
びっくりするほど地味
ここまで地味な作品を作る勇気に乾杯したいくらい地味
いわゆる感染パニックものなんだけど、すでに開始時点で世界中に蔓延してる状態からはじまります
そして、世界の描写なんかは主に主人公たちの会話の中で説明されるわけですが、しょうじき序盤の段階で「こりゃ感染の原因とか、そこらへんの真相はスルーだろうな」という雰囲気があふれていて素敵です
これもB級ではよくある「もしも○○だったらシリーズ」な深い設定とか、そんな細かいこといいから・・・という感じの作品
主人公たちは車を走らせている
横柄で自己中な兄のブライアンは悪態をつき、弟のダニーは冷静ながら小心者
ふたりのガールフレンドはドライブを楽しんでいる
そんな中、路上に道をふさぐように車が止まっており、主人公たちは「感染者か?」といぶかしむ
そんな日常が非日常にひっくりかえるドッキリを描きたかっただけな気がしますが、それでも徐々に世界がどういう状態になっているかの描き方は丁寧に作られていると思いましたね
いきなり滅びかけの人類社会をドーンとみせられるより、徐々にじたいはかなりひどい方向に進んでいるのが分かる・・・ってやり方のほうがおもしろい
基本は人と人のやりとりであって、別に感染したからといってゾンビとかそういうのになるわけじゃないという点も地味さに拍車をかけてますね
あくまで極限状態においての人間対人間のやりとりが描きたかったんでしょう
そういう意味ではよくできていると思いますね
よく分からない病、感染したら最後、憎くもない親しい相手にもつらい処置をしなくては、次には自分がそっち側の人間になってしまう・・・
そんな中で、少しずつ狂った世界に順応したかのように、心の中の何かが狂いはじめる、みたいな
そういう作品は地味ながら嫌いじゃないんですが、いかんせん地味以外にもあまりに作りが粗い気がしてならない
途中で出会ったり、遭遇したりした人たちとの絡みもその場かぎりすぎて、その後の伏線になってるでもなし
空気感染するかもっていう状況の中、おもちゃみたいなマスクをつけっぱなしならまだしも、なんかけっこう普通にはずしてるし
ラストもラストでなんのひねりもない「まあ、こんな終わり方だろうな」って感じだし
地味で粗くて意外性のかけらもないから微妙さが際だちます
いや、ホントに旅の途中のできごとは、ひとつひとつはおもしろいんだけど、さらにそこから突き抜けるものがないというかなんというか
かわいいワンちゃんとかね
あとはお兄ちゃんのブライアン
もうびっくりするほどこの手の作品のビッチ担当を地でいってくれて、最初から嫌悪感ゲージが上がりまくりなんですが、そこはそれで終盤になって弟との絡みで「ほう」とちょっとだけ思えるからいい
なんだかんだいいつつ、全体的にブライアン映画な感じも否めないですね
そんな地味で地味な地味映画ですが、ぶっちゃけ後で思い返してもなんにも残らない作品ですが、けっしてつまらなくはない一本でした
まあ、別に無理して観る映画じゃないってのも確かですが
個人的評価:60点
オススメ度:大はナンバー2
フェーズ6 予告
0 件のコメント:
コメントを投稿