2010年6月9日水曜日

FULL METAL 極道 (1997/日)

監督:三池崇史
出演:うじきつよし / 田口トモロヲ / 大杉漣 / 北村康 / 中原翔子 / 塚本耕司 / シーザー武志 / 港雄一








子分にも素人にも女にもバカにされっぱなしのヘタレヤクザの鋼
ある日、憧れていた本物の極道、土左が組の陰謀で殺される現場に居合わせて共に死の運命に向かうかにみえたのだが

まあ、ぶっちゃけ劇場作品じゃない気がするけどきにしない
最近ずっとノーモアヒーローズやってる関係で、この作品を知って観なくてはと思い至ったアレっぷり
MIIKEはホントに作品によってデキがぶれるけど、これはアタリの部類に入ると思いますね
とはいえ「東京残酷警察」とか「サムライプリンセス」あたりを許せる技量は必須です
しょうじき完成度はこれらよりかなり上ですが、それでもこんな感じの作品群の中ではというくくりがあることを忘れちゃダメってことで

ヘタレで弱小な主人公がすさまじいパワーを持つ肉体に生まれ変わり仇敵を倒す、もうB級バカJアクションの王道なストーリーですが、これがまたおもしろい
ギャグとして「これ以上やったら引く」というギリギリのポイントを攻めてきつつ、シリアスなところはきっちりきめ、そうかと思えばギャグとシリアスの混ざり合ったシュールな展開もある…これを楽しめないはずがないですね
また主人公がそんな微妙なさじ加減の作品にぴったりだから素敵

話的にはぶっちゃけ主人公の復讐は作品の半ばで終わっちゃうんですね
この時点で「おい、ここから先どうなるんだ」とわくわく感がわきあがります
というのも主人公を改造した博士(?)が、メインのストーリーであるヤクザの抗争とは別に思惑があるのを匂わせるから楽しみが続きます
「え?まさかの特撮ヒーローもの…?」と期待せずにいられないじゃない
そっからどういう話になるかは観てのお楽しみってことにするとして、とりあえず一番の見所である主人公の不器用なバトルっぷりについて書かざるえない
ヘタレな主人公がほぼ無敵のボディとパワーを手に入れるわけですが、中身はそうそう変わるはずがないわけで、本当に戦い方が不器用で格好悪い
だが、そんな姿がカッコイイ
アクションシーンは無駄にスタイリッシュにしなくてはいけない…そんな常識はこの作品にはありません
まあ、中の人の演技力の問題かもしれませんが…いや、演出だと信じたい

シリアスのようで悪ふざけな展開がとにかく楽しくて、「バカか」と笑いながら観てるといきなりビシッと決めてきて「不良がたまに良いことをするとすごい良い人に見える」法則的なものを感じずにいられない
でも、結局は悪ふざけなんですけどね
あとは「こうなるだろうな」ってところをいい感じにそらして、そうきたかと思わせてくれるのは好印象
それもちょっとやりすぎてる感がいなめなくもないですが、いろんな意味で期待を裏切ってくれます

悪ふざけも笑って許せる、投げっぱなしも気にしない、最低でもこの二つが了承できれば楽しめる作品だとおもいます

個人的評価:70点
オススメ度:でかくてむけてる




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