2010年7月2日金曜日

パーマネント野ばら (2010/日)

監督:吉田大八
出演:菅野美穂 / 小池栄子 / 池脇千鶴 / 畠山紬 / 宇崎竜童 / 夏木マリ / 江口洋介 / 加藤虎ノ介 / 山本浩司






夫と離婚して幼いひとり娘とともに故郷の田舎漁港の町に戻ってきたなおこ
母親のパーマ屋を手伝いながら、町に暮らす知人友人とつき合い、またひとりの男性と恋を楽しむのだった

出てくる男性がことごとくどうしようもない輩ばかりで、それに振り回されながらも強く生きる女性たちを主人公のなおこを中心に描いた作品
いわゆるガールズトーク系ですが、ナウなヤング向けというより中高年向けな感じ・・・がするけど、しょうじきラストのオチを考えると若い人の方が理解しやすいだろうなあ、と
なんともおもしろいながら、微妙にどの層を狙ってるのかわかりづらいけど「好きな人は好き」という人を選ぶ内容かもしれません

内容的にはなおこの友人、母親、店の常連客の女性たちの男問題をコミカルに描きつつ、主人公とほかの女性陣との絡みで展開していきます
出てくる男どもがホントにどうしようもない連中ばっかりで、変な信念を盾に浮気する父親、根っからのヒモ体質の男、ギャンブルにのめり込みすぎた男、剛胆ながらボケぎみのためにそれが逆に仇になっている男・・・
そんな男たちとつき合いながらもまた強く生きる女たちの姿をコミカルに描いてます
大爆笑の大げさコメディというより、ゆる系のクスクスコメディといった感じ

基本はゆるコメディですが、ちょうど飽きてくるタイミングで田舎ゆえに大問題には発展しないけど、よく考えたら大惨事な事件が起きてくれるので観てても眠くなりません
バスガイドのあんちゃんとか、何かを埋めるババアとか見方によってはブラックなネタを散りばめつつ、たくましく生きる女性たちの姿が楽しい
個人的には電柱おっさんがお気に入り
なんというか、博太郎さんにあこがれざるえない


(これからこの作品を観る人は、以下の駄文を読まずにのぞむか、完全に忘れた時に観た方が純粋に楽しめます
ネタバレするわけではないですが、「そういった印象を受けるのか」という心構えがない方が楽しめるでしょう)


そしてなにより、このラスト
まさに「そういうことか」と
そこまでの男性の描き方、映画じたいの作風、それらがすべて伏線で演出で「無駄がない」のがよく分かります
オチを受けてのパーマメント野ばらの面々のリアクションとか、それまでのシーンを振り返ってみても「あそこのアレは、なるほどなあ」と思いましたね
よくできてる、本当によくできてるわあ

でも、それでもなんか地味な印象があるのは否めない
おもしろい、本当におもしろいんだけど、あとほんのちょっとした突き出た何かがほしい気がするのも確か
秀作ではあるけど手放しでほめられるような隠れた名作といった風でもない感じで
個人的には好きですけど、こういう映画ってのは流行らないのが目に見えてるから、ね

個人的評価:85点
オススメ度:女の園で乱れ飛ぶチンコトーク




パーマネント野ばら 予告

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