2010年7月25日日曜日

必死剣 鳥刺し (2010/日)

監督:平山秀幸
出演:豊川悦司 / 池脇千鶴 / 吉川晃司 / 戸田菜穂 / 村上淳 / 関めぐみ / 山田キヌヲ / 矢島健一 / 油井昌由樹 / つまみ枝豆 / 俊藤光利 / 村杉蝉之介 / 田中聡元 / 石山雄大 / 前田健 / 外波山文明 / 高橋和也 / 木野花 / 小日向文世 / 岸部一徳




仕える藩主の側室を斬って捨てた兼見三左ェ門
打ち首も覚悟していたその行為による刑は思ったより軽くすんだのだが

予想以上におもしろくて引き込まれる作品でしたね
地味すぎず、かといって大仰すぎず、まさにいい塩梅な味付けで全編描かれてます
アイドルやイケメン若手俳優が主役の中身すっかすか時代劇とはひと味以上違います
動と静、そこに謎と不穏な空気、男の生き様と女心を織り込んだ時代劇ドラマでした

側室を斬った主人公は、その刑として斬首も覚悟して望むけど、実際は驚くほど軽い刑ですむ
その自宅謹慎中に過去の側室の暴挙を思い起こしつつ、謹慎が終わったあともなお人を避け領内をぶらぶらしながら時によみがえる記憶を描いていきます
そんな中で今後の身の置き方や屋敷内での人間模様がありつつ、窮屈な現実がじょじょに主人公の体をしめつけてくる、という感じ
本筋じたいはそう新しい所はないんですが、そこは作品じたいの雰囲気でうまくカバーしてます

わりと必要以上に説明的な描写がなく、それゆえに自然な形で話を楽しめるかもしれません
「必要性がある無駄」な日本的なシーンも多く、ゆったりしんみり落ち着いて観るのに最適です
無意味にジャカジャカ鳴るBGMがないだけでも心地よいですが、それ以上にBGMがない状況でのシーンが退屈なだけになってないのはさすがだなあ、と
わびさびの精神っていうか、主人公である悦司の不器用っぽさがにじみ出てるのが最高やで

それまでのゆったり感から一転するクライマックス
もう最高としか言いようがない
ここでも華麗すぎず泥くさすぎない、なんともいえない絶妙な殺陣が気持ちいい
とにかく殺陣の間がよくて、もうラストのあれは「くるだろ」と分かってるのに、その予想の上をいく間でやってくれるので、まさに鳥肌もの
いっやあ、いいもん観させてもらったわあ
最初は悦司とかどうなんよ、と思ってたけど、この作品にはけっこうマッチしてたと言わざるえない

だけどやっぱりというかなんなのか、タイアップかもしれんけど邦画のED曲ってなんで本編の空気を読まないミスマッチな曲が多いんですかね
せっかくの良作なんだから渋いオフボーカルのでも流しておけばいいのに
それだけが残念だったけど、本編は心底たのしませてもらいました

個人的評価:90点
オススメ度:おじさまフェチ大歓喜




必死剣 鳥刺し 予告

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