2012年2月7日火曜日

ハンター (2011/オーストラリア)

監督:ダニエル・ネットハイム
出演:ウィレム・デフォー / フランシス・オコナー / サム・ニール / モーガナ・デイヴィーズ / フィン・ウッドロック / サリヴァン・ステイプルトン / ダン・ワイリー / ジャセック・コーマン







絶滅したとされるタスマニア・タイガーの生き残り、その生態サンプルを回収する依頼を受けたハンターのマーティン
科学者と身分を偽りタスマニアの山奥でたったひとり、あてもなく獲物を追うのだったがやがて拠点とする村と彼の周りに変化があらわれ…

まあ予想はしてたけど、めちゃくちゃ地味だわ
いや、あえて言えば大人の映画だわ
感動やらなんやらの感情的なゆさぶりを押しつけてくるでもなく、じわじわと感じさせてくる作りですね
とはいえ小難しい難解な内容でもなくて、劇画タッチのおっさん向け漫画を読んでる感覚に似てるかも入れません
主題というか言わんとしてるところは非常に分かりやすくてシンプルです

タスマニアに山奥の村にやってきたマーティンはある家にやっかいになりながらタスマニア・タイガーの痕跡をもとめて山に入っては帰る月日を過ごす
そんな中でじょじょに村での地元労働者と環境保護団体の確執、ステイ先の家族との忘れていた温かい生活、山の中に潜む人為的な怪しい雰囲気を感じていく…という感じの作品
最初はほぼ何も主人公周りの話は説明されず、タスマニア・タイガーを追う生活の中で少しずつ物語の全容が見えてくるタイプの作り
単に獲物を追うだけの話じゃないな、ってのは早々に分かりますね

常に何かしら怪しい影がちらついている感じで緊張感の保ち、その中でステイ先の家族との絆みたいのがじょじょにうまれていって、という感じなので話じたいに単調さや退屈さがない
最初に奥地に入っていった後、映像的にすぐにステイ先に帰ってくる描き方をしてるんですが、「あれ?もう帰ってきたのか」と思ってると村ではちゃんとそれなりの日々が流れている、という演出が個人的におもしろかった
狩りに出ている静の時間、村で過ごす動の時間という感じで、奥地から帰ってくるたびに村の様子は日々の流れにそって時が過ぎてるんですね
ウラシマ効果的な感じ、ですかね(ちょっと違うか?)

色々とありますが主人公の男としての生き様、タスマニア・タイガーの存在の有無、そして最後の標的、そこら辺を楽しむ「じんわりおもしろい」作品でしたね
これを観れば自分のなんとなくダンディな大人の仲間入りできたような気がします
うん、気がするだけだろ、ってのは分かってる

個人的評価:85点
オススメ度:いたずらに銃をひとに向けちゃダメ



ハンター 予告

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