監督:深川栄洋
出演:八千草薫 / 武田鉄矢 / 伊藤蘭 / 檀れい / 芦田愛菜 / 上地雄輔 / ピエール瀧 / 鈴木瑞穂
90をこえ、どんどんと歳老いていく自分を感じながら弱々しくなっていく柴田トヨ
そんなある日、まともな仕事にもつかずにギャンブルにあけくれるひとり息子から、詩をやってみないかともちかけられる
個人的に大好物な老人もの、どっちかというと外国のおじいちゃん&おばあちゃんのパワフルストーリー系が好みではありますが、日本のこういうのもいいですね
老いながらも詩人として周りに元気をふりまく感じのハートフルストーリーなんだろ、とじゃっかんバカにして観たところもありましたが、いやいや、これそんな陳腐なもんじゃなかったですわ
周りに元気を振りまくっていう要素はおさえつつ、なにより主人公が歩んできた人生のドラマがおもしろかったですね
病気や老衰でどんどんと体が弱っていくのを痛感して生きる主人公の柴田トヨ
その息子で定職につかずギャンブルに目がなく、他人様に迷惑をかけながら日々を過ごす健一
そんなトヨを気にかけて面倒をみつつ夫の健一をささえ、さらには自ら働く静子
そんな三人はそれぞれ生きていく上での苦悩や葛藤を抱えていたが、トヨが詩をはじめたことによりちょっとずつ変化がおとずれる
というお話
詩はあくまでトリガーにすぎず、作品としては柴田トヨとその家族のドラマという感じになってましたね
診療所の医師や登校拒否児童とかの詩がダイレクトに絡んでくるサイドストーリーありつつの、家族愛という主軸の描き方がおもしろかった
特に個人的には息子である健一のエピソードがツボでしたね
もちろん主人公のトヨの生きざまっぷりはめちゃくちゃ良いですが、健一サイドの物語が強く印象に残りました
序盤はホントにダメ人間すぎてしょうがねえな、という存在の健一が、いきなり詩を母に勧めたところで「はあ?いきなりなに言ってんだ」となる
そっから話が進むにつれて、ダメ人間だけじゃない部分が描かれていって、最後にはなんとも憎めない男に感じられる
とりあえず人はそんな大きくは変われない、けどちょっとだけ軌道修正はできる・・・みたいな「小さな変化」が良いんですよ
感動という要素より、ホントに観おわった後に元気になれる、笑顔になれるそんな一本でした
というかお年寄りに元気を分けてもらっておいてアレですが、こんなんじゃダメだろと思わざるえない
個人的評価:85点
オススメ度:トヨの旦那をふくめ、その父ちゃん&母ちゃんもいろんな意味で素敵すぎる
くじけないで 予告
0 件のコメント:
コメントを投稿