監督:ミシェル・アザナビシウス
出演:ベレニス・ベジョ / アネット・ベニング / マキシム・エメリヤノフ / アブドゥル・カリム・ママツイエフ / ズクラ・ドゥイシュビリ
戦闘状態のチェチェンから逃げる少年
なんとか逃げ延びた彼をEUの職員であるキャロルが保護するのだった
声を失った少年と、それを保護する大人の女性が共同生活するうちに、みたいなハートフルなドラマを予測してたけど、そんな単純なもんじゃなくておもしろかった
怯えた捨て犬のようでも根っこの部分に強かなものを持ち合わせている少年が、なにはともあれその存在感だけで強烈にスクリーンに目が釘付けにさせられる
さらに姉とニコライの話が交錯することで深みも増して、退屈な要素がなにひとつなかった
チェチェンから逃げてきた声を失った少年
EUの人権委員会職員としてロシアで活動するキャロル
いまだ戦闘状態のチェチェンで少年を探す姉
ロシア軍として強制入隊させられるニコライ
それぞれの話が徐々に絡み合ってくる作品、というより少年とニコライのふたつのストーリー多重構造ものみたいな感じ
少年と女性の心の交流を描いたドラマとしてはもちろん、そこにニコライによる軍の話が並行して描かれて面白味が増してますね
さらに姉のエピソードが加わることで満足から大満足な作りにランクアップしてる
落ち着くべきところが見えてくる少年の道の安心、それと反比例して行き着く先が見えなくなっていくニコライの道の不安さがおもしろい
作品としてのしめ方の予測としての先は読めるけど、それぞれの登場人物の魅力と対比に強く引きつけられた一本でした
個人的評価:90点
オススメ度:いろんな意味でまっすぐな少年の魅力にメロメロにならざるえない
あの日の声を探して 予告
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