2015年6月29日月曜日

きみはいい子 (2015/日)

監督:呉美保
出演:高良健吾 / 尾野真千子 / 池脇千鶴 / 高橋和也 / 喜多道枝 / 黒川芽以 / 内田慈 / 松嶋亮太 / 加部亜門 / 富田靖子

新米小学校教師の岡野は生徒がおこしたピンポンダッシュの陳謝のために老婆宅を訪れる
一方、幼い娘をもつ母親の水木は自分の子に暴力的につらくあたってしまっていた

きっつい序盤から想像できないほど心温まる作品で、その温度差がたまらなくいい気持ちにさせてくれる
個人的に子供があまり好きじゃない性分だったんですが、そんな自分がちょっとだけ子供好き方向へ天秤が傾きましたね
ささくれだった心を癒す一時の処理法や逃避したりする術はいくつか身につけたつもりですが、根本的な対処法をうっすらと示してくれたこの映画に感謝がとまらない

大きく分けて教師編と母娘編、老婆編の3つのエピソードが平行して描かれている感じの内容でした
それぞれのエピソードで問題が発生するものの、当の主人公たちも大きな問題や傷を抱えている、と
悟りきって、ここぞって時に適切な行動や言動で場をおさめる完璧人間がでてこない等身大さがおもしろい

なにげないのに、不意打ちのようにハッとさせられるカットがちりばめられていて、作品にぐいぐい引き込まれていく
けっこう意外な場面で意外な援護が入り、「ここでこの人が、そうきますか」と感心させられる
そして愛とか大げさすぎてネタっぽいテーマ性ではなく、ホントに優しい温かさに観ているこっちが救われます

物事をうがった見方して、ささくれだった心の苛立ちにどう向き合っていけばいいのか、愚鈍なフリをするとか強かであるとか、そういうのとは違うものが得られた超個人的に貴重な一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:目に付きやすい負の物事ばかり見てちゃダメだね




きみはいい子 予告

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