2009年11月6日金曜日

メタボ戦隊アホレンジャー (2007/米)

監督:キース・スピーゲル
出演:アリー・シーディ / ブライアン・オハローラン / ジャスティン・ヘンリー / フレッド・ハツェルトン / ビル・レイモンド / ジョン・ウォーターズ

かつてアメリカのお茶の間を一世風靡したモンスター特撮番組「Jr.ディフェンダーズ」
番組打ち切りから20年、転落人生を送っていた番組の登場人物の一人が誘拐される事件が起こった

ジャケットイラストに四人のおっさん&おばさんが痛い全身タイツ姿で描かれており、裏面には子役時代と20年後のおっさん&おばさんの比較写真があります
さて、容易に想像できると思いますが、過去の栄光はあるもののすっかり堕落して年をとった主人公たちが、事件をきっかけに昔の姿に戻ってコミカルに、しかし熱い思いで真のヒーローとして復活をとげる
というストーリー…じゃありませんから、これ
しょうじきパッケージ詐欺もここまでくると清々しい
むしろ普通はもっと面白そうな方向でパッケージは作るもんじゃないのかよ、と
さらに裏面にアホレンジャー血の掟7箇条とか、それぞれのキャラの持病(腰痛とかEDとか)も細かく書いてありますが、んなもん本編にいっさいでてこねーし
そもそもアホレンジャーなんて単語じたいでてこねーし

で、結局どんな話かというと、全編ドキュメンタリーたっちの映像で作られていて昔の映像はノイズばりばりで、現在のテレビなんかの映像はクリアに、本編は手持ちカメラみたいな粗くブレ気味で描かれてます
冒頭はJr.ディフェンダーズ(以下JD)放映当時の映像と、それを語る当時を振り返るインタビュー映像をまじえて過去の番組の栄光と転落を描いていきます
そして子役時代の成功から一転して転落人生を送っていたジミーのもとにインタビュアーのビルが「あの人は今」的なノリで訪れるんですね
で、その撮影中にJDの熱狂的なファンに誘拐されたジミーとビル、誘拐犯の狙いはJDの復活
そこで犯人は次に旧JDメンバーのミッチを拉致りにいく、と
だけど、ミッチは今は刑務所に入っていて…って感じで、次にカルト集団を立ち上げていたジル、最後にAV男優になっていたトミーのもとにいく

そんな誘拐事件もジル誘拐の時にテレビカメラにむかって犯人が「JD復活させる!」と宣言したことから、完全に事件がおおやけになります
一方で拉致られたメンバーもじょじょに乗り気になってきて、インタビュアーだったビルはもうノリノリ
犯人もJDに対する熱い思いをぶちまけて語るけど、真剣ながらも冷静に考えるとアホ丸出しな主張にすぎない
そして事件を知った元JDファンたちが全世界で犯人を支持し、JD復活の声が盛り上がっていく
そんなクライムロードムービーみたいのが主な部分ですね

前半はまだしも、誘拐が警察に知られながらあっさりメンバー全員をそろえられた経緯が、なんとなくうまくいったではなく、ちゃんとメディアを利用したという筋があるのが驚いた
丁寧に描かれているのか、あくまでノリで適当に作ってるのがよく分からない作品です
個人的にもかつての栄光をとりもどすリアルヒーローを目指した中年アクションコメディ路線より、こっちの静かなアホっぽさの方が好きですね
作中にも出演するジョン・ウォーターズの作風にじゃっかん似てる
まあ、個人的には「セシルB」の方が何倍も面白いと感じますが

リアクション芸人みたいに大声だして大げさにバカを演じるコメディを見るより、こういうコメディをもっと日本人は見た方がいいんじゃないでしょうか
このB級さに耐えられるかどうかは別にして
このB級さに耐えられるかどうかは別にして
大事なことなので(以下略)

個人的評価:80点
オススメ度:パンチ力はないけど、不思議な魅力があります

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