2011年6月5日日曜日

マイ・バック・ページ (2011/日)

監督:山下敦弘
出演:妻夫木聡 / 松山ケンイチ / 忽那汐里 / 石橋杏奈 / 韓英恵 / 中村蒼 / 長塚圭史 / 山内圭哉 / 古舘寛治 / 松浦祐也 / 青木崇高 / 山本浩司 / 山本剛史 / 中野英樹 / 菅原大吉 / 中村育二 / 康すおん / 山崎一 / あがた森魚 / 三浦友和






1969年、ジャーナリストの沢田は学生運動の取材をしたい思いながら、そんな記事をまかせてもらえない日々を送っていた
そんなある日、活動家を名乗る梅山という男から取材をしてほしいと依頼があり…

思ってたほどの派手さはない、というかかなり地味で静かな映画なんですが、最後まで観させる魅力と鑑賞後に深く心に染みる、まさに「映画」という感じの作品でした
「若さ」ゆえの純粋さ、ずるさ、情熱、後悔…それらがぎっしりとつまってますね
一昔前の時代設定ながら現代にも通じるものがある作品、ありていに言えばそんな感じ

熱いモノをもちながらくすぶって空回りしてる日々の沢田
究極的に胡散臭いけど人間的な魅力をもつ梅山
何かをしたい、行動を起こしたい、その一点から沢田は梅山に自分と通じるものを見て惹かれていく…
いやあ、とりあえずそんな最初の沢田と梅山の人物像を自分の中で構築してしまった時点で、作り手にうまくやられてしまったな、と
なんとも心地よい敗北感
うまい話には裏がある…分かってはいても「もしかして?」と淡い期待を持たざるえない
「おまえはバカか」とガツンとやられても、それでもなにか引きずって期待を捨てられない
一時の甘い誘惑と痛がゆい刺激を与えてくれた上で、きちんと目を覚まさしてくれる映画ですね

社会部(新聞部?)の編集長にガツンと言われたり、雑誌の表紙を飾ってた女の子に素直な意見を言われたり、いろんな伏線をすべて受け止めるラストは最高の一言
沢田の最後の姿を見ながら、この作品についてあれこれ考える、そんな時間を与えてくれることがうれしい
そして、最後の最後のまぶしさで現実へと引き戻してくれる思いやり
いや、ホントに作り手のサービスに酔いしれながら最後まで楽しめましたね
しょうじきとっつきにくい雰囲気のある映画で、あまり万人受けもしない気もしますが、観てハマる人はかなりハマる一本でしょう

個人的評価:85点
オススメ度:普通ってなんだ?




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