2011年10月9日日曜日

ツレがうつになりまして。 (2011/日)

監督:佐々部清
出演:宮崎あおい / 堺雅人 / 吹越満 / 津田寛治 / 犬塚弘 / 梅沢富美男 / 田山涼成 / 山本浩司 / 中野裕太 / 大杉漣 / 余貴美子









売れないマンガ家の妻・ハルさん、生真面目で几帳面な夫・ツレ
ある日、ツレが体調不良をうったえ、病院で診てもらうとうつ病と診断されてしまうのだった

クスっと笑えて心があったか、そしてジーンときて終わる
いや、普通そういう系の作品だと思うでしょ?
これは個人的な意見ですが、ビックリするくらい「心に何も響かない」ってどうよ
わざとか?わざとこう王道の泣かせコミカルドラマ路線に乗らないように作ったのか?と思わざるえない

クソがつくほどマジメで几帳面なツレが会社ではクレーム係で顧客からは苦情、上司からは苦言を言われる日々が続く
他人のことを気にかけすぎるところもあるツレはどんどんと内にたまるものをためていき、ついにはうつ病になってしまうけど、金銭面を支えている立場のツレは無理を続けてしまい…みたいな感じの内容
わりとシリアス路線が続き、うつ病について個人的には知識ないけど、オーソドックスで話的に分かりやすい表現でうつ病を描いてる…という感じはしますね
さらにうつ病患者に対してタブーであろう言葉や行為を重ねることで、どんどんとツレが追い込まれていく展開にし、それをうまく演じてるツレははまり役

一方でホントに個人的に「どうしようもねえな」としか思えないハルさんの存在がひどい
観てて明らかに「おまえもうつ病の原因の一端だろうが」と思えるのに、そこら辺はスルーぎみに会社がみんな悪いみたいな流れになってるし
ハルさんが考える「がんばらない」ということを間違ってるとは言いませんが、その「がんばらない」ことでハルさんに降りかかるツライ試練みたいのがあってもよかったんじゃないですかね
金銭的にかなりヤバイことになってても表面上は「がんばらない」ことで乗り切ったり、ツレとの付き合いやうつ病との向き合い方ももっと裏では苦労しながら「がんばらない」パワーで立ち向かう…そういう苦労がハルさんには見えないんですよ
しょうじき自分のことしか考えてなくて、しっかりとツレやうつ病と正面から向き合ってない感じがしてならなかった

ハルさんとツレにのしかかる苦難のレベルが、どうにもツレの方が大きすぎてハルさんの思いや行動がすっごい他人ごとみたいだな…と感じられる
ツレの日記にある「ハルさんの隠れた優しさ」みたいのを、映画上ではもっと表に出して描いてくれた方が感情移入できたのに
納豆のにおいのシーンでは本気でハルさんに嫌悪感を抱いた
がんばらない、いつもどおり、もいいけどよけいな一言くらいは内にしまっとけよ
こっちはもっと、こう、内に隠した優しさを相手に悟られないようにいつも通りの日常を送る、だけど相手はお互いそんなことを気づいていたっていう、そういうのを観たいんだよ

今までの自分のダメダメだった点にハルさんが気づいていく、なんでそういうのを描かないのか理解できない
あと風呂場のクライマックスシーン以後が蛇足すぎて、すごい退屈だった
ホントにツレはいい感じに描かれてるのに、なんでここまでハルさんが残念なんだろうと思った一本でした

個人的評価:40点
オススメ度:同窓会での素人臭いスピーチの夫婦は原作者なのかな?




ツレがうつになりまして。 予告


0 件のコメント: