出演:セシル・ドゥ・フランス / トマ・ドレ / ジェレミー・レニエ / ファブリツィオ・ロンギオーヌ / オリヴィエ・グルメ / バティスト・ソルニン / サミュエル・ド・リック / シャルル・ジャド
少年シリルは父親と暮らしていたアパートに電話をかけるがつながらない
もうそこに父親はいない、そのことになっとくできない少年はアパートを直接おとずれ、そこで騒ぎを起こす中でひとりの女性と出会う
リアルクソガ…活発な子供の様をまっしょうめんから描ききってますね
しょうじきリアルな子供の無邪気で理不尽な行動とか大嫌いなんですが、この作品はあまりにその部分を包み隠さずに撮ってることから、逆に「すっげー、分かるわあ」という子供の頃の自分を思い出して楽しめた
というかこの子供の演技力はすごい
そもそも演技なのか、ってくらい子供の生き様をダイレクトに観る側に伝えてくる
父と離れて施設で暮らすシリルはその現実や大人の理屈を理解できず、父親を追い求めて行き場のない感情を爆発させる日々を過ごしていた
やがてやっと現実を突きつけられ、飲み込まされる中、ある女性に週末里親になってくれと頼み込むシリル
それを了承したサマンサとの暮らしの中、父を追い求める感情の灯火を消せないまま、新たな生活がはじまる
という感じの話で、まあ、なんというかとにかく主人公のシリルくんがわがままなんだわ
本当に無邪気なままで「おまえ、そんなこと言える立場か?」と大人なら思ってしまうことを迷うことなく言い放つ
最初はさすがに「このガキ…!」とか思ってたけど、この作品が描くところの少年の話という部分が分かってくるにしたがって、 「そういや自分も子供の頃、こんなんだったっけかな」と作品に共感していきました
その言動、行動がどれだけ周りの大人に迷惑をかけているか、大人の理屈を理解できてない子供ゆえの無邪気さが痛々しい
痛々しいけど、それゆえに画面から目が離せない魅力がこの作品にはありましたね
父親、サマンサ、兄貴分の悪ガキ、迷惑をかけた大人たち…そんな少年をとりまく人たちについては最低限の描写になってるのもいい
じゃっかんサマンサの聖母っぷりがファンタジーに感じて、そこはちょっと理由が知りたいなとも思ったけど、ホントにブレずにメインは「シリルという少年」に置かれている
自分の感情すら持てあまし、もやもやした「それ」を押し殺し、時にはぶちまけるシリルくんの様を観る、この一点だけなのにおもしろいから不思議
「むかし(子供のころ)自分がやった(言った)ことも、今おもえばすっげえ迷惑かけてたんだな」と再認識もできる一本でした
個人的評価:90点
オススメ度:シリルくんには幸せになってほしい。マジで
少年と自転車 予告
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