監督:三木聡
出演:亀梨和也 / 内田有紀 / 加瀬亮 / キムラ緑子 / 高橋惠子 / ふせえり / 岩松了 / 中谷竜 / 小林きな子 / 渋川清彦 / 森下能幸 / 少路勇介 / 岡野真也 / 町田マリー / 佐津川愛美 / 松重豊 / 松尾スズキ
出来心から盗んでしまった見知らぬ男の携帯、そこにかかってきた持ち主の母親相手にオレオレ詐欺をしてしまう永野
ある日、永野のアパートの部屋に詐欺相手の母親がおり、自分のことを本当の息子のように言いだし・・・
自分のことを息子だと言い張る詐欺相手の母親、逆に本当の母親は自分のことなど知らないという
そして、増殖する「俺」たち
と、なんともいえないシュールな不思議系コメディかと思ってたんですが、意外にもけっこう増殖する部分の怪しさあたりを力入れて描いててシリアス要素が強い
逆にコメディ部分というか、たぶん笑ってほしいと思って挿入されるギャグシーンのことごとくがビックリするくらいつまらない
なんだかよく分からないカオスっぷりを描いておいて、「観た人どうしで語ってみてよ。ほらほら・・・」という作り手の思惑が露骨すぎて、素直に自分の意見を言いたくないデキなのがアレかもしれんね
主人公、永野均のオレオレ詐欺からはじまり、自分と同じ顔の大樹という男が本当の母親のもとで息子として暮らしていた
一方で、自分は大樹の母から実の息子と思われてしまう
大樹と均は冷静にことのしだいを考えると、どうにも原因は不明だが均のコピーとして「俺」がいるんじゃないかと結論づける
そこに第三の「俺」であるナオが現れ、さらにプライベートでも謎の女に変な仕事を紹介されたり、その女の夫から理不尽な暴力をふるわれたり、なにかみんなが自分のことを見ているように感じる、と日常がどんどん非日常へと変化していく、と
しょうじきなんでこうなったのか、という部分は忘れてカオス展開をありのまま楽しむのが正しい鑑賞方法かもしれません
基本的な考えとか好みなんかは同じ「俺」たち
だけど微妙に個性がことなっていて、さらに増殖するたびにどんどんオリジナルに比べて「これじゃない感」が強くなっていく
最初は状況を楽しんでいたものの、さすがに気持ち悪くなっていくってのもお約束
だけど、そこはそれ基本的な考えの部分は同じもんだから、気持ち悪く思うのも共通しちゃうのがミソ、なのかな
で、そっからの終盤にむけてのシリアスっぽい展開についていけない人も多いと思いますね
とにもかくにも中途半端に哲学的で、コミカルで、シリアスで、ミステリーで、サスペンス、そんなテキトー感が本来なら心地いい作品・・・なんだろうね
「あのシーンって」とか色々と引っかかる部分が多く、鑑賞後にみんなでわいわい考察してほしい・・・んだろうね
確かにそんな感じであとから意見をだしあうタイプの作品も嫌いじゃないし、この映画もそうつまらなくはない
だけど、個人的にちょっと露骨に引っかかる部分を配置してるのがイヤかな
あとはギャグのつまらなさが大きく足を引っ張ってる気がしないでもないのと、日本の映画作りにおいて仕方ないのかもしれないけど主演はもっと個性的な顔立ちの方がいいだろって感じなもったいない一本でした
個人的評価:70点
オススメ度:究極の投げっぱなし映画かもしれんね
俺俺 予告
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