監督:クリスチャン・バンサン
出演:カトリーヌ・フロ / ジャン・ドルメソン / イポリット・ジラルド / アルチュール・デュポン / ジャン=マルク・ルロ / アルリ・ホベール
フランス領の南極基地へ取材にきたオーストラリアのスタッフが、男ばかりのそこで働く女性料理人に興味をよせる
実は彼女、ラボリはかつてフランス大統領専属の料理人だった
田舎から出てきた普通の(でもないか)おばちゃんが、いろいろとマナーのうるさい高貴な場所で奮闘、と言えばもう逆境コメディもののジャンルのひとつ
そんなジャンルのひとつ、としては十分に楽しめる作品でしたが、なんというかそこから突き抜けるプラスアルファがちょっと足りなかったかな、と
強気なおばちゃんの姿や大統領の笑顔、作られる料理の本当においしそうなビジュアルはよくできているんですが、それほど強烈に記憶に残る映画としての「何か」は残念ながらあまり感じられなかったですね
田舎からいきなり呼び出された一介のおばちゃんが、大都会のパリ、しかも官邸で大統領専属の料理人になってよと唐突に言われる
男社会の主厨房で働く面々には良い顔にされないながらも、ラボリの食べる相手を思う料理の数々はしっかりと大統領の胃袋を虜にしていく、と
官邸でのしきたりやら昔から働く古株シェフとのストレスもなんのその、料理に対する愛情とパワーで今日も元気にレッツクッキン
という過去パートと南極での料理人としての現在パートが交錯する作りになってますね
官邸パートでは日々チャレンジの精神で料理を作り、周囲の雑音はありながらも着実に大統領の信頼をえていく
だけどまあ、官邸内で力をつければ反動として雑音もどんどん巨大になっていくわけで
そんな中で戦い、調理する主人公の明るさを含めたキャラが非常に魅力的に描かれてますね
もちろん、すべての料理もかなり魅力的
一方での南極パートでは「なんか訳アリで大統領の料理人を辞めた」という雰囲気の中でのその後の物語みたいな感じですかね
で、わざわざそんな過去と現在を描いてるのに、なんともそこら辺の融合した部分のドラマが弱い気がしないでもない
過去は過去、現在は現在で普通におもしろいけど、それが合わさったことによるおもしろさの部分が感じられない
もうちょっとあざとい感じでドラマチックな仕掛けを用意しててもよかったんじゃないかな、とじゃっかん物足りなさの残る一本でした
個人的評価:75点
オススメ度:大統領の言うシンプルでも庶民としては高級感をおぼえざるえない
大統領の料理人 予告
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