監督:スティーブン・フリアーズ
出演:ジュディ・デンチ / スティーブ・クーガン / ソフィ・ケネディ・クラーク / アンナ・マックスウェル・マーティン / ミシェル・フェアリー / バーバラ・ジェフォード / ルース・マッケイブ / ケイト・フリートウッド / ピーター・ハーマン / メア・ウィニンガム
50年前の修道院時代に息子と引き離された経緯を娘に語り出すフィロミナ
彼女は今になってジャーナリストのマーティンに記事にすることを条件に、息子を捜してほしいと依頼するのだった
なんの前知識もなく鑑賞したんですが、とりあえずどんな話か見えてこないところから「こんな話なのか」と分かるまでの課程が心地よい
ホントに「映画を観てるなあ」としみじみ思いました
とにもかくにも正反対で似たもの同士なフィロミナとマーティンの主人公ふたりのからみが素敵で楽しい
そして、それだけじゃなくてジーンと心にしみるシーンが散りばめられていて、最初から最後までひじょうにおもしろかったですね
50年以上前、修道院に身を置きながら男と淫らな行為におよんだ末に妊娠、出産をした経験のあるフィロミナ
その時に生んだ子供とは幼い時に唐突に引き離され、そのことはずっと自分の心の中だけにとどめて生きてきた
しかし今になって彼女は息子の消息を探るため、ジャーナリストのマーティンに声をかける
という中で取材という形で修道院から場所や土地を変え、いろんな人の協力や拒絶にあいながら息子の足取りを追う、と
今でも信心深いフィロミナ、神を信じず皮肉屋のマーティンというふたりのコミカルなやりとりがありつつ、どこかミステリーっぽい雰囲気で息子のことを調べていく
それでいてけっこうあっさり行方はつかむけど、そこから人間模様や人生ドラマ、宗教感の描写やらなんやら展開していって、まさに盛りだくさんな内容に大満足
とりあえずどんな深刻な展開になっても、ちょっとした主人公たちのおかしなやりとりが描かれることでどろどろしすぎないのがいいですね
軽すぎず、重すぎずなバランスの中での映画として楽しく、心にしみ、小粋なところもありつつしっかりしている
たぶん記事として読んだだけでは「へえ」ていどで流しちゃうような出来事だけど、こういう映画という作品として観るとホントに色々と得るものがあるなあ、と感じた一本でした
個人的評価:100点
オススメ度:達観してるようなお茶目なようなフィロミナさんのチャーミングさに惚れるわ
あなたを抱きしめる日まで 予告
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