2010年5月12日水曜日

木曜組曲 (2002/日)


監督:篠原哲雄
出演:鈴木京香 / 原田美枝子 / 富田靖子 / 西田尚美 / 竹中直人 / 加藤登紀子 / 浅丘ルリ子








超一流の作家、重松時子が毒で自殺して四年
自殺当時、ぐうぜんその場に居合わせた5人の親戚、業界関係者たちは時子を偲んで集まるのだが、そこに何者かから時子の他殺をほのめかすメッセージが届く

週の真ん中、水曜日ってことで「木曜組曲」です
原作者は知らないですが、これを観たら原作作家さんの他の作品とか気になりますね
個人的にはストライクゾーンど真ん中な感じのおもしろい作品でした
やっぱりミステリーはいいのう

故人を偲んで年に一回集まっていた、時子が自殺した時に同じ屋根の下にいた5人の女性陣
みんな作家やライター、編集など物書き業界に関わり、しかも時子と親戚または親しい知人という面々
その会合も4年目ということと、そこに「おまえたちが時子ころしたんちゃうんか?あ?」って感じのメッセージ付きの花が届けられたことで、一行は当時を振り返りつつ「もう故人に遠慮とかいらんよね」という流れでぶっちゃけトークを始める、と
そんな中で次々にあらわになる一同の影の部分と当時の時子の姿、そして時子の死の真相は…?
会話劇がメインで、しかも登場人物の設定がつかみきれない所から始まりますが、そこら辺は観てるうちに慣れるので、難しく考えずにながめていれば徐々に理解できてきます

なによりも表面上は仲良しの集まりみたいな様相でも、水面下ではなんともいえない女性どうしらしい応酬があるのが見所
全体的に映画を観てるというより小説を読んでるような空気感で、会話ばかりゆえに地味ではあるんですが、時折はいる回想シーンでの時子の存在感が半端ないインパクトを与えてくれるのでかなりバランスよく練られて作ってるなあ、と
また、登場人物たちがわりと抑えた感じで演技しているんで、そこにみてる側の印象を上乗せしながら観ると楽しいかもしれません
「この人は今、こう感じている」とか小説のようにセリフとセリフの行間を自分で頭に書きながら楽しむのがいいかと

ミステリーとしてもおもしろくて、「えー、こんな真相かよ」とじゃっかんしょぼんとした所に「まあ、でも本当は…」とたたみかけてくるから困らない
それでいてミステリーなのにジーンとくるから本当に困らない
個人的に、真相解明編の流れの終わった最後のしめの部分でここまで楽しめる作品は珍しいような気がしないでもないですね

そんな感じでちょっと一風変わった、といってもいい気がするミステリーでしたが、本当に最初から最後までおいしくいただきました

個人的評価:90点
オススメ度:女性はこんなにも気持ちを簡単に切り替えられるものなのか



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