2010年5月28日金曜日

プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂 (2010/米)

監督:マイク・ニューウェル
出演:ジェイク・ギレンホール / ジェマ・アータートン / ベン・キングスレー / アルフレッド・モリーナ / スティーヴ・トゥーサン / リチャード・コイル / トビー・ケベル / リース・リッチー / ロナルド・ピックアップ



市井の民として生まれながらも少年期にペルシャの王に拾われ、王子の身分になったダスタン
大人になって父としたう王のもとで力をふるうダスタンは、ある日、二人の兄とともに聖なる都アラムートを攻めるのだった

3D版のゲームをやってきたクチとしてはスルーするわけにはいかない作品ですね
こういうゲームの映画化ってのはどこか残念な結果になりがちですが、この作品はかなりがんばってる気がしました
ゲームであった要素を取り入れた上で、オリジナルストーリーを展開していますが、映画好きとして観てもゲーム好きとして観てもおもしろい、と感じるデキかと

父殺しの汚名をうけてアラムートの姫と逃亡中に時を戻す短剣の能力に気づいた王子は、都を攻めた理由がこの短剣にあると思いつくと同時に、父を殺した真犯人を野放しにできないと行動を起こす
というわけですが、この王子と姫のかけあいがおもしろい感じで、つんけんしながらもラブラブチュッチュな間柄に進展する・・・そんなオーソドックスな展開に違いはないんですが、最初の二人の仲の悪さがかなり印象的
王子は短剣をもって王を殺した者をなんとかしたい、姫はいっこくも早く短剣を封印してしまいたい、そんな考えの違いから旅をしながらも常に二人で騙しあいと足の引っ張りあいが繰り返される、と
短剣を手に入れるために気分が悪くて倒れたフリをして相手を鈍器でおそったり、人身売買で相手を商人に売ったりするくらいの夫婦漫才っぷり
痴話喧嘩くらいではすまされない二人の仲違いが楽しい

そんなロマンス部分がわりと薄めにできていて、かなりアクションが主体になっているのは個人的に好みでしたね
そのアクションもテンポよくって、さらに話の展開も早いのでシーンをコロコロと変えつつアクロバティックなアクションが繰り広げられます
ここら辺のアクション部分はかなりゲームを意識して作ってあって、プリペルの世界感を良い感じでだしてると思いました
舞台もかなり作りこんであって、いかにも金を湯水のように使ってる派手派手なハリウッド大作といった雰囲気

ストーリーは分かりやすいといえばそうなんですが、しょうじきあってないようなもの
派手な視覚的演出と、同じく派手なアクションをとことん気持ちよく見せることに特化してる感じ
ドラマ性は兄弟愛みたいなところはよく描かれてますが、かといってジーンとくるようなものはそうない
ようするに頭からっぽで楽しめるエンターテインメント要素だけでできてる感じ
老若男女誰が観ても楽しめる優等生な作品なんですが、それゆえに「楽しいけど、なにか物足りないような?」と感じずにいられませんでした
なにが足りないかは分からないけど、満足はできるんだけど、大満足はできないんですよね
時間を戻すというギミックを思ったより複雑に使ってないのが物足りない原因なのかなあ
良い意味でか悪い意味でか受け取り方しだいですが、観終わったあとになにも残らない映画

ああ、あと旅の仲間はちょっといらなかったんじゃないですかね
と、観て楽しいことは確かですが、なにかしら映画に意味を求める人にはあわないかもしれません

個人的評価:85点
おすすめ度:ダチョウ愛




プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂 予告

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